投稿者: dbcheck

  • アストンマーティンF1 AMR26Bを7月投入へ 2秒短縮で中団復帰を目指す

    アストンマーティンF1 AMR26Bを7月投入へ 2秒短縮で中団復帰を目指す

    アストンマーティンは、2026年F1シーズンの苦戦を打開する切り札として、大規模アップグレード版「AMR26B」の投入を計画している。チームは現行AMR26の開発を事実上打ち切り、エイドリアン・ニューウェイ主導で新仕様の開発に全力を注いでいる。

    モナコGPではフェルナンド・アロンソとランス・ストロールが最後尾グループに沈み、マシンの競争力不足が改めて露呈した。

    アストンマーティンはAMR26Bによって1周あたり約2秒の改善を目指しており、中団グループへの復帰を目標としている。

    ニューウェイが現行車を見限りAMR26Bへ集中
    ホンダPUの振動問題が解決された後も、AMR26の競争力は期待を大きく下回った。

    バルセロナでの発表時には大きな注目を集めたものの、実戦では苦戦が続き、一部サーキットではキャデラックを下回るパフォーマンスしか発揮できていない。

    特にモナコでは、ホンダPUの出力不足が比較的影響しにくい低速コースにもかかわらず、車体全体の弱点が露呈した。ギアボックス問題が注目を集めている一方で、実際には空力性能を含めあらゆる分野で競争力不足に陥っているという。

    こうした状況を受け、エイドリアン・ニューウェイは小規模な改良を積み重ねる方針を放棄し、大幅刷新版となるAMR26Bの開発に集中する決断を下した。

    新サスペンションと新ホンダPUを搭載か
    AMR26Bは単なるアップデートではなく、現行車をベースにした実質的な新車になる見通しだ。

    軽量化に加え、新たな空力コンセプトが導入されるほか、新サスペンションの採用も噂されている。

    さらに最大のポイントはホンダ製パワーユニットだ。

    ホンダはADUO制度による性能改善枠を活用できる立場にあり、アストンマーティンは改良版PUとAMR26Bを同時投入することを目指している。

    投入時期はベルギーGPが有力候補
    チーム関係者はこれまで「夏頃」としか明言していなかったが、ランス・ストロールはカナダGPでより具体的な見通しを語った。

    「スパか、その次のレースだと思う。あるいはザントフォールトかもしれない」

    スペインの『motor.es』は、アストンマーティンは7月のベルギーGPまたはハンガリーGPでの投入を目指していると報じている。

    ただし、開発の鍵を握るのはホンダ側の進捗だ。改良PUの準備が遅れた場合、夏休み明けのザントフォールトまでデビューがずれ込む可能性もある。

    ホンダ側も性能改善へ向けて開発を加速
    ホンダ側でもパワーユニット性能向上に向けた作業が進められている。

    ホンダ・レーシングの折原慎太郎はモナコGP前の取材で、改善すべきポイントはすでに把握しており、現在はアップグレード投入に向けた開発を進めていることを明らかにした。

    ただし、実戦投入までにはシミュレーション、単気筒試験、V6全体での性能評価、信頼性確認など数多くの工程を経る必要があり、短期間での導入は容易ではないという。

    さらに、FIAが進めるレギュレーション解釈の明確化も開発計画に影響を及ぼしている。

    投入時期について質問された折原慎太郎は、具体的なスケジュールを明かさなかったものの、冗談を交えながら次のように語った。

    「難しいですね。夏と言いたいですが、どこの夏かは言えません」

    「ギリシャの夏なのか、イギリスの夏なのか、日本の夏なのか。申し訳ありません」

    アストンマーティンがAMR26Bと改良版ホンダPUの同時投入を目指していることを考えれば、ホンダ側の開発進捗がマシン投入時期を左右する重要な要素となりそうだ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    目標は1周2秒短縮でポイント争い復帰
    AMR26Bによってアストンマーティンが期待する改善幅は非常に大きい。

    チームは1周あたり約2秒の短縮を目標としており、それによって中団グループでポイント争いができるレベルへの到達を目指している。

    ただし、ストロールはタイトル争いに加われるレベルではないと認めている。

    「トップ争いに十分かと言われれば違う」

    「でもこうしたことは一夜にして実現するものではない。僕たちは全力で取り組み、できるだけ早くラップタイムを改善しようとしている」

    さらにモナコでは、2026年シーズンの現実的な目標についても言及した。

    「現実的に考えれば、今年はシーズン途中のアップグレードによって中団グループに近づくことだと思う。それは大きな目標になる」

    「そして来年、本当にトップで戦えるかを確認することになる」

    ホンダPU不足は30〜40馬力か それとも100馬力か
    ストロールはホンダPUについても率直な見解を示している。

    「トップチームと比べて20〜30kWほど不足している」

    これは約30〜40馬力に相当する数字だ。

    一方で、パドック内の複数の評価では不足幅はさらに大きく、約70kW(およそ100馬力)に達するとの見方も存在する。

    もし後者が事実であれば、ホンダはADUO制度による最大限の性能改善を認められる条件を満たしていることになる。

    アストンマーティン再建の成否を握る夏
    現状のAMR26はグリッド後方に沈んでおり、小規模アップデートでは状況を覆せない段階に達している。

    そのためアストンマーティンは、ニューウェイが全面的に見直したAMR26Bと改良版ホンダPUに全てを託している。

    ベルギーGPでの投入が実現すれば、2026年シーズン後半戦の勢力図を左右する重要な転換点となる可能性がある。一方で投入が遅れれば、アストンマーティンにとって厳しいシーズンがさらに長引くことになりそうだ。

    【関連】
    ・エイドリアン・ニューウェイが現場復帰のF1モナコGPでライバル車を徹底観察

  • アウディF1が規則変更に反対 「安定性が最優先」 フェルスタッペンに逆風

    アウディF1が規則変更に反対 「安定性が最優先」 フェルスタッペンに逆風

    2027年に向けて議論が続くF1パワーユニット規則の見直しについて、アウディF1が現行レギュレーションの維持を支持する姿勢を明確にした。CEOのゲルノート・デルナーは、コスト効率と開発計画の観点から「安定性」が最も重要だと強調している。

    現在、F1では2026年に導入された新パワーユニット規則の見直しが検討されており、内燃機関と電動出力の比率を実質50対50から60対40へ変更する案が議論されている。

    しかし、アウディF1やフェラーリはこうした変更に慎重な姿勢を示しているとされる。

    アウディF1 CEO「安定性が重要」
    規則変更の可能性について、デルナーはRacingNews365を含む一部メディアの取材に対し、アウディF1の立場を次のように説明した。

    「我々の立場は規則の安定性を維持することだ。それが非常に明確な見解だ」

    「新規参入メーカーであることも理由のひとつだが、もうひとつはコスト効率だ」

    「最も重要なのはコストキャップを念頭に置くことだ」

    「我々は他社より低い位置からスタートしており、技術開発の成長曲線はより急なものになっている。そのプロセスを考えると、安定性には満足している」

    2026年からワークス参戦を開始したアウディF1は、現行規則を前提に開発と投資を進めてきた。そのため、レギュレーション導入直後の大幅な変更には消極的な姿勢を示している。

    フェルスタッペンの要求に逆風
    アウディF1の立場は、60対40への変更を支持しているマックス・フェルスタッペンにとって逆風となる可能性がある。

    フェルスタッペンはこれまで、現行の50対50配分ではエネルギーマネジメントの負担が大きすぎるとして、少なくとも60対40への変更が必要との考えを示してきた。

    しかし、パワーユニット規則の変更には5メーカー中4メーカーの賛成が必要とされている。アウディF1とフェラーリが反対を維持した場合、2027年からの変更案成立は極めて難しくなる。

    また、フェラーリのカスタマーチームであるキャデラックF1も60対40案に懸念を抱いているとみられており、議論は今後も続く見通しだ。

    2027年に向けて協議継続
    それでもデルナーは、最終的には各メーカーが受け入れられる解決策が見つかるとの見方を示している。

    「議論のプロセスは進行中であり、適切に管理されている」

    「我々も他のエンジンメーカーとともにそのプロセスに参加している」

    「だから2027年には良い解決策が用意されると考えている」

    2026年の新規則導入からわずか1年で方向転換するのか、それとも現行レギュレーションを維持するのか。各メーカーの利害が交錯する中、F1の将来を左右する重要な協議が続いている。

  • メルセデスF1 ラッセルのモナコGP失策を説明「複雑なSC対応が原因」

    メルセデスF1 ラッセルのモナコGP失策を説明「複雑なSC対応が原因」

    メルセデスF1は、ジョージ・ラッセルがモナコGPで5秒ペナルティを消化できず入賞を逃した経緯について説明した。チームはセーフティカー中の複雑な状況とコミュニケーションミスが重なったことが原因だったとしている。

    ラッセルはレース中最初のタイヤ交換時にピットレーン速度違反を犯し、5秒のタイムペナルティを科された。しかし、その後のセーフティカー中のピットストップでペナルティを消化しないままタイヤ交換を行ったため、結果的に無得点に終わった。

    アントネッリ優先の戦略が混乱を招く
    メルセデスのトラックサイド・エンジニアリング責任者アンドリュー・ショブリンは、チームが置かれていた状況が非常に複雑だったと説明した。

    当時、レースをリードしていたアンドレア・キミ・アントネッリがラッセルを周回遅れにしており、セーフティカー導入時にはまずアントネッリを優先してピットへ呼び戻す計画だったという。

    「キミがジョージを周回遅れにした直後だったので非常に複雑な状況だった。セーフティカーが出た時の計画はキミをピットへ入れることだった」

    「ジョージについては、ペナルティを消化し、さらにキミの作業を待った場合でもアイザック・ハジャーの前に出られるか計算した。その結果、前には出られないと判断し、ステイアウトを指示した」

    しかし、その後の状況がさらに混乱を招いた。

    「最初の周回ではキミのピットストップに間に合わなかったが、次の周回にはチャンスがあったので呼び戻した。その時にセーフティカーがピットレーンを通過するという通知が出た」

    「キミは予定通り作業を受けていたが、ジョージにはファストレーンに留まるよう伝えることができなかった」

    ラッセルはタイヤを見てピットイン
    セーフティカー中だったため、チームは複数の戦略に対応できるようタイヤを準備していた。ラッセルはそのタイヤを見て自身がピットインするものだと判断したという。

    「両方のタイヤセットが用意されていたのは普通のことだ。セーフティカー中は他チームの動き次第で計画が変わる可能性があるからだ」

    「ジョージにはステイアウトを指示していたが、ピットレーンを通過した際に自分用のタイヤがあるのを見て、自分のための準備だと思いピットボックスへ入った」

    「メカニックたちは彼が来ることを想定していなかったため、ペナルティを消化する準備ができていなかった。今回の件から学び、将来改善できる点は確かにある」

    レース後、ラッセルは無線で再度ピットストップを行い、見落とされた5秒ペナルティを消化するようチームに繰り返し求めたが、メルセデスは実施しない判断を下した。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    0.1km/h超過の原因は依然不明
    またショブリンは、そもそもラッセルがピットレーン速度違反を受けた理由についても完全には解明できていないと明かした。

    モナコではラッセルを含む5人のドライバーがピットレーン速度違反でペナルティを受けたが、いずれも制限速度をわずか0.1km/h上回っただけだった。アルピーヌはピエール・ガスリーに科された2件のペナルティについて再審査請求を提出している。

    「ピットレーン速度はコース上の計測ループ間の距離と通過時間から算出される」

    「モナコのピットレーンにはいくつかの曲がり角があり、ドライバーは自然とイン側を通って距離を短縮しようとする傾向がある。僕たちはそのことを認識していたので、速度リミッターの設定を下げ、ジョージにはコーナーをショートカットしないよう指示していた」

    「それでもなぜ速度違反が発生したのか完全には理解できていない。同様の問題を抱えたチームもいくつかあり、なぜ起きたのか分かっていないところもある」

    「現在も議論が続いている。この問題を解明する必要がある。ジョージのレースにとって非常に大きな代償となったことは間違いない」

  • キャデラックF1 コルトン・ハータがバルセロナでFP1デビュー「準備はできている」

    キャデラックF1 コルトン・ハータがバルセロナでFP1デビュー「準備はできている」

    キャデラックF1の育成ドライバーであるコルトン・ハータが、今週末のF1スペインGP(バルセロナ・カタルーニャGP)で待望のグランプリセッションデビューを迎える。

    ハータはフリー走行1回目(FP1)でセルジオ・ペレスに代わってMAC-26をドライブする予定で、現行F1レギュレーション下のマシンを公式セッションで走らせるのは今回が初めてとなる。

    これまでハータはマクラーレンのTPC(旧型車テスト)プログラムを通じてF1マシンの経験を積んできたが、グランプリウイーク中の公式セッションへの参加は初となる。

    今回のFP1出走は、2026年シーズンにキャデラックF1で予定されている4回のルーキードライバー起用プログラムの第1弾。また、ハータにとってはキャデラックF1のカラーリングをまとって走る初めての公式セッションでもあり、将来的なF1昇格を目指す上で重要な機会となる。

    FP1デビューに向けて、ハータはチームの拠点であるシャーロットとシルバーストンを行き来しながら準備を進めてきた。シミュレーターでサーキット特性や手順を学ぶだけでなく、直近数戦では現場にも帯同し、F1チームのオペレーションを学んできたという。

    一方で、ハータにとって2026年シーズンは決して簡単なものではない。インディカーを離れてF1を目指す挑戦を続けるなか、現在はF2のハイテックから参戦し、開幕8戦終了時点でランキング13位、16ポイントにとどまっている。

    今週末はキャデラックF1でFP1を走るだけでなく、F2のレースウイークも並行して戦うことになり、多忙なスケジュールとなる。

    それでもハータはF1デビューに向けて十分な準備ができていると自信を見せた。

    「バルセロナが楽しみだ。マシンに乗る準備はできていると感じている」とハータは語った。

    「シャーロットのシミュレーターでコースやセッション中に従うべき手順を学んできた」

    「さらにシルバーストンや最近のレース現場でチームと仕事をしてきたので、できるだけ早く順応できるよう準備を進めている」

    「目標はクリーンなセッションをこなし、チームが必要とするデータ収集に貢献すること。そしてF1マシンに慣れることだ」

    「F2にも参戦するので忙しい週末になるが、プレッシャーは特権だ。だからこそ楽しみにしている」

    キャデラックF1は2026年にF1参戦初年度を迎えているが、将来を見据えた若手育成にも力を入れている。今回のFP1は、ハータがF1でのキャリア構築に向けて大きな一歩を踏み出す舞台となりそうだ。

  • ホンダF1が明かす2026年苦戦の理由 「3つの技術革命」と再建の代償

    ホンダF1が明かす2026年苦戦の理由 「3つの技術革命」と再建の代償

    ストンマーティンとタッグを組んで2026年F1新レギュレーションに挑んだホンダだが、開幕から6戦を終えた時点で厳しい戦いを強いられている。アストンマーティンは依然として下位グループでの戦いが続いており、パワーユニット性能を巡る議論もパドック内で絶えない状況だ。

    これまで苦戦の要因については様々な憶測が飛び交っていたが、ホンダは今回、その背景にある技術的課題を初めて詳細に説明した。

    2026年レギュレーションで何が変わり、なぜ開発が難航したのか――その実情が明らかになっている。

    ホンダF1プロジェクトの責任者の一人である角田哲史は、SoyMotor.comの独占取材に対し、現在の苦戦が単一の問題ではなく、2026年のレギュレーション変更によって生じた複数の技術課題の積み重ねであることを明かした。

    50:50化したERSがエネルギーマネジメントを激変
    2026年F1レギュレーションで最大の変化のひとつが、内燃エンジン(ICE)とエネルギー回生システム(ERS)の出力比率だ。

    従来よりも電動化の比重が大幅に高まり、ICEとERSの出力割合は事実上50:50となった。

    角田哲史は、この変化がパワーユニット運用を根本から変えたと説明した。

    「ICEとERSの比率が50:50となり電動化が進んだことで、特にエネルギーマネジメントに関する運用は著しく複雑になりました」

    単純に高効率なエンジンを開発するだけでは不十分となり、どのタイミングでエネルギーを回収し、どれだけ蓄え、いつ放出するかがパフォーマンスを左右する時代になった。

    2026年型パワーユニットでは、このエネルギーマネジメント能力そのものが競争力の核心になっている。

    圧縮比変更で燃焼コンセプトを全面刷新
    ホンダが直面した2つ目の大きな課題は、内燃エンジンの圧縮比変更だった。

    2025年世代では約18:1だった圧縮比が、2026年には16:1へ変更された。

    数字だけを見ると小さな変化に見えるが、実際には燃焼効率や燃焼特性そのものに大きな影響を及ぼす。

    角田哲史は次のように説明する。

    「圧縮比や燃料に関する大幅なレギュレーション変更により、エンジンの燃焼コンセプト全体を見直す必要がありました。これは非常に大きな挑戦でした」

    2026年のパワーユニットは外見上こそ同じ1.6リッターV6ターボハイブリッドだが、内部では従来とはまったく異なる考え方で設計されている。

    100%持続可能燃料がさらなる難題に
    3つ目の要因は、2026年から導入された100%持続可能燃料だ。

    この新燃料は従来の燃料とは燃焼特性が異なり、エンジン開発に大きな影響を与えた。

    圧縮比変更と新燃料導入が同時に行われたことで、ホンダは燃焼設計をほぼゼロから再構築しなければならなかった。

    結果として、同じV6ターボハイブリッドという形式を維持していても、その実態は2025年のパワーユニットとは別物になったという。

    ホンダF1 本田技研工業

    ホンダは2026年開発競争への出遅れも認める
    ホンダは技術的な難しさだけでなく、自社の体制面にも課題があったことを認めている。

    2021年末にF1活動を終了した際、ホンダはさくらの施設にあるHRCのエンジニアリング体制を縮小した。

    その後、2023年5月にアストンマーティンとの提携を発表してF1復帰を決定したが、その時点で開発組織の再構築が必要だった。

    角田哲史は次のように語った。

    「ホンダの場合、2021年のF1撤退後にHRC Sakuraの開発体制を縮小しました。その後、2023年5月の復帰発表以降に開発組織を再構築する必要がありました」

    「その再建に時間を要したことで、一部のライバルよりも新パワーユニット開発に使える時間やリソースが少なくなりました」

    これは以前からパドック内で指摘されていた見方を裏付けるものだ。

    例えばアウディは2022年から本格的な2026年プロジェクトを進めていた一方、ホンダは開発組織の再整備と並行して開発を進めなければならなかった。

    アストンマーティンとの新体制とPU予算制限も重荷に
    2026年はシャシーとパワーユニットの両方が全面刷新された特別なシーズンでもある。

    さらにF1史上初めてパワーユニット開発にも予算上限が導入された。

    その中でホンダは、新たなワークスパートナーとなるアストンマーティンとの協業体制も同時に構築しなければならなかった。

    角田哲史はこう説明する。

    「2026年はシャシーとパワーユニット双方のレギュレーションが大きく変更されました。さらに初めてパワーユニットに予算上限が導入されています」

    「そのような非常に厳しい環境の中で、ホンダとアストンマーティンは初めて協力関係を築くことになりました。多くの面で大きな挑戦だったと言えます」

    ホンダが直面したのは一つの失敗ではない
    現在、アストンマーティンとホンダの苦戦はしばしば「パワー不足」という一言で語られる。

    しかし今回の角田哲史の説明から見えてくるのは、単なる出力不足ではなく、2026年レギュレーションがもたらした複数の技術革命への対応に苦しんでいる姿だ。

    電動化の大幅強化、燃焼コンセプトの刷新、100%持続可能燃料への適応、開発組織の再建、予算制限、そしてアストンマーティンとの新たなパートナーシップ構築――。

    ホンダが直面している課題は一つではなく、それらが同時に重なった結果として現在の状況が生まれていることを、今回の説明は示している。

    【関連】
    ・ホンダF1のPU不足は40馬力未満? ADUO評価とストロール発言が示す実態

  • マクラーレンF1 F2王者レオナルド・フォルナローリをバルセロナのFP1で起用

    マクラーレンF1 F2王者レオナルド・フォルナローリをバルセロナのFP1で起用

    マクラーレンは、2026年F1第7戦バルセロナ・カタルーニャGPのフリー走行1で、リザーブドライバーのレオナルド・フォルナローリを起用することを発表した。

    21歳のイタリア人ドライバーは、ランド・ノリスに代わってMCL40をドライブし、公式F1セッションデビューを果たす。今回の起用は2026年F1レギュレーションで義務付けられているルーキードライバー起用プログラムの一環で、各チームはシーズン中に4回のFP1でルーキーを走らせなければならない。

    F3とF2を連続制覇した逸材
    フォルナローリは2025年12月にマクラーレン・ドライバー育成プログラムへ加入。2025年にF2タイトル、2024年にF3タイトルを獲得しており、オスカー・ピアストリとガブリエル・ボルトレトに続き、F3とF2を連続制覇した史上3人目のドライバーとなった。

    その実績から、近年のジュニアカテゴリーで最も注目される若手ドライバーの一人として評価されている。

    フォルナローリ「長い間目標にしてきた」
    フォルナローリは今回のFP1出走について次のように語った。

    「今週末のバルセロナ・カタルーニャGPのFP1セッションでMCL40をドライブできることにとても興奮している」

    「チームの準備をサポートし、金曜日に予定されているプログラムを進める素晴らしい機会になると思う。僕にとっては初めての公式F1セッションなので、とても重要な任務になる。長い間目標にしてきたことなので、本当に楽しみにしている」

    「これまでTPC(Testing of Previous Car/旧型車テスト)で積み重ねてきた経験は、僕の成長にとって非常に重要なものだった」

    「ザク、アンドレア、アレッサンドロ、そしてマクラーレンF1チームのみんなに感謝している。週末が待ちきれない」

    レオナルド・フォルナローリ(マクラーレン) バルセロナ・カタルーニャGP

    バルセロナでTPC経験済み
    マクラーレン加入後、フォルナローリはTPC走行、シミュレーター作業、レース週末でのサポート業務など幅広い開発プログラムに取り組んできた。

    これまでに2023年型マシンのMCL60で3回のTPCを実施しており、最初のテストは今年3月にバルセロナ・カタルーニャ・サーキットで行われた。その後はシルバーストンとオースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズでも走行している。

    現行マシンMCL40を初ドライブ
    今回のFP1は、フォルナローリにとって現行世代のF1マシンをドライブする初めての機会となる。

    チームは走行距離を重ねるだけでなく、レース週末でのエンジニアリング作業やフィードバック能力の向上にも期待を寄せている。

    フォルナローリは金曜日のセッションで収集したデータやセットアップに関するフィードバックをチームへ提供し、ノリスとオスカー・ピアストリの週末準備をサポートする役割も担う。

  • FIAはセルジオ・ペレスの警告を無視 F1モナコGP終盤の路面崩壊で物議

    FIAはセルジオ・ペレスの警告を無視 F1モナコGP終盤の路面崩壊で物議

    F1モナコGP終盤で発生したシャルル・ルクレールとランス・ストロールのクラッシュについて、新たな無線内容からセルジオ・ペレスがかなり前の段階で問題を指摘していたことが明らかになった。

    当初はドライバー側のミスと考えられていたが、その後の調査で原因は最終コーナー進入部の路面損傷だったことが判明。路面の一部が崩れたことでグリップが著しく低下し、ルクレールとストロールはマシンをコントロールできずバリアに激突した。

    ペレスは35周以上前から危険を訴えていた
    問題となったのはサーキット・ド・モナコ最終コーナーの進入部分だった。

    キャデラックF1のセルジオ・ペレスは25周目の時点で無線を通じてチームに異常を報告していた。

    「最終コーナーの路面を清掃する必要がある」

    ペレスはそう訴えていたが、レースコントロールは対応を取らず、レースは通常のグリーンフラッグ状態のまま続行された。

    その後、60周目にストロールが同じ場所でクラッシュ。さらにセーフティカー明けにはルクレールもほぼ同じ形でクラッシュを喫した。

    ストロールの事故を目撃したペレスは無線で強い不満を示した。

    「彼のせいじゃない」

    「レース中ずっとあの場所を清掃するよう言い続けていた。こうなるのは分かっていた」

    結果的にFIAが路面損傷を本格的に調査したのは、ルクレールのクラッシュ後だった。

    赤旗後に修復も時すでに遅し
    ストロールとルクレールの事故が極めて似た状況だったことから、FIAは赤旗を提示して路面の確認を実施した。

    マーシャルは応急処置として損傷箇所を補修し、レースは再開された。

    しかし、その時点で既にアストンマーティンとフェラーリの2台は戦列を去っており、地元優勝を狙っていたルクレールにとっては取り返しのつかない事態となった。

    今回の件は、ドライバーからの安全に関する報告をレースコントロールがどのように扱うべきかという新たな議論を呼びそうだ。

    ドライバー自身は別の原因を指摘
    興味深いのは、当事者であるルクレールとストロールがともに路面を事故原因とは考えていない点だ。

    ルクレールはクラッシュ後、フェラーリが使用するブレンボ製ブレーキシステムに問題があったとの見解を示した。

    一方のストロールは、アストンマーティン・ホンダのマシンで発生したエンジンブレーキ関連の不具合が原因だったと説明している。

    ただし、同一箇所でほぼ同じ形のクラッシュが連続して発生したこと、さらにペレスが約35周前から危険性を警告していた事実を踏まえると、路面状況が少なくとも事故発生の一因だった可能性は高そうだ。

    ペレス自身はポイント獲得ならず
    ペレスはモナコ市街地で今季のキャデラックF1としては最も競争力のある走りを披露した。

    チェッカー時点では11位だったが、ニコ・ヒュルケンベルグのペナルティによって10位へ繰り上がり、チーム初ポイント獲得が目前となった。

    しかしレース後、リスタート時の位置違反により10秒加算ペナルティを科され、ポイント圏外へ降格。キャデラックの初ポイントは再び持ち越しとなった。

    今回のモナコGPではポイントこそ逃したものの、結果的にペレスの無線がレース後最大級の論争材料のひとつとなっている。

    【関連】
    ・フェラーリF1ブレーキ問題 ハミルトンはブレンボ製ディスクを使用せず

  • FIAがガスリー降格裁定を再審理 アルピーヌF1の異議申し立てを受理

    FIAがガスリー降格裁定を再審理 アルピーヌF1の異議申し立てを受理

    ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は2026年F1モナコGPで3位フィニッシュを果たしたものの、ピットレーン速度違反による2件の5秒加算ペナルティによって表彰台を失った。しかし、その結果を覆そうとするアルピーヌの挑戦が新たな局面を迎えている。

    FIAは、アルピーヌが提出した「再審査請求(Right of Review)」を受理し、6月11日(木)にオンライン形式で審理を実施することを正式に発表した。

    アルピーヌが2件のペナルティ取り消しを要求
    レース後、アルピーヌはガスリーに科された2件の5秒加算ペナルティについて再審査請求を提出した。

    FIAが公開した文書によると、対象となるのはモナコGP決勝中に科された2件のピットレーン速度違反の裁定で、審理は中欧時間13時(日本時間20時)からオンラインで行われる。

    ただし、アルピーヌが直面する最大のハードルは、ペナルティが誤っていたことを証明することではない。

    FIA国際競技規則第14条に基づき、まずは当初の裁定時点では利用できなかった「重要かつ関連性のある新たな証拠」が存在することをスチュワードに認めさせる必要がある。

    今回の審理は2段階で進められる。

    まず第1段階で、アルピーヌは新証拠の存在を示す資料や主張を提出する。

    スチュワードがそれを認めた場合のみ、第2段階に進み、ペナルティそのものの妥当性が再検討される。

    0.1km/hと0.4km/h超過で表彰台喪失
    ガスリーはモナコGPで9番グリッドから追い上げ、キャリア最高レベルのレースのひとつと評した走りで3位チェッカーを受けた。

    しかし、レース中に60km/h制限のピットレーンで平均速度を0.1km/h、さらに別の場面で0.4km/h超過したとして、それぞれ5秒加算ペナルティを科された。

    合計10秒が加算された結果、ガスリーは3位から7位へ降格した。

    これによりアイザック・ハジャーが繰り上がりで初表彰台を獲得し、オスカー・ピアストリ、リアム・ローソン、アービッド・リンドブラッドも順位を上げた。

    ガスリーが3位を取り戻すためには、事実上2件のペナルティがともに取り消される必要がある。

    モナコ特有の速度計測方式が争点か
    今回のモナコGPでは異例ともいえる数のピットレーン速度違反が発生した。

    FIAは瞬間速度ではなく、ピットレーンのファストレーン区間に埋め込まれた計測ループとトランスポンダーを用いて平均速度を算出している。

    モナコのピットレーン入口はカーブ形状となっており、一部のドライバーはライン取りによって計測区間の走行距離が短くなった。その結果、制限速度付近で走行していても平均速度が上昇し、違反判定を受けたとみられている。

    レース後にはFIAも計測システムを再確認したが、異常は発見されなかったと説明している。

    アルピーヌF1チーム(ピエール・ガスリー) モナコGP

    過去にも成功例はあるが高い壁
    再審査請求が成功するケースはF1では非常に稀だ。

    多くの場合、チームは「新たな証拠」の存在を認めさせることができず、審理の第1段階で却下される。

    ただし前例がないわけではない。

    昨年のザントフォールトでは、カルロス・サインツJr.とリアム・ローソンの接触に対するペナルティについて、ウィリアムズがレース中には利用できなかった車載映像を提出し、裁定が覆されたケースがあった。

    現時点でアルピーヌがどのような証拠を提出するのかは明らかになっていない。

    ガスリー「不公平な理由で奪われた」
    レース後のガスリーは強い失望を隠さなかった。

    「今の僕をこれ以上傷つけられるものはないと思う」

    「こういう瞬間のために10年間必死に努力してきたんだ」

    「今日はすべてを正しくやった。応援してくれたファンの前で表彰台に立てたはずだった」

    「こういう瞬間が、不公平な理由で僕たちから奪われるべきではない」

    木曜日の審理では、まずアルピーヌが提示する証拠が「重要かつ関連性のある新事実」と認められるかが焦点となる。そのハードルを越えられなければ、ガスリーの表彰台復活の可能性はその時点で消滅することになる。

  • F1モナコGP 勝者と敗者 アントネッリ圧勝の陰で明暗分かれる

    F1モナコGP 勝者と敗者 アントネッリ圧勝の陰で明暗分かれる

    2026年F1モナコGPはキミ・アントネッリが圧巻の走りで5連勝を達成し、史上最年少モナコGPウイナーとなった。一方で、優勝争いに絡むはずだった有力勢や、あと一歩で結果を逃したドライバーたちには厳しい週末となった。

    モナコGPの結果は、2026年シーズンの勢力図をさらに鮮明にした。タイトル争いをリードするアントネッリが圧倒的な強さを見せた一方、メルセデスのジョージ・ラッセルやフェラーリのシャルル・ルクレールらは大きな痛手を負う結果となった。

    2026年F1モナコGPはキミ・アントネッリが圧巻の走りで5連勝を達成し、史上最年少モナコGPウイナーとなった。一方で、優勝争いに絡むはずだった有力勢や、あと一歩で結果を逃したドライバーたちには厳しい週末となった。

    モナコGPの結果は、2026年シーズンの勢力図をさらに鮮明にした。タイトル争いをリードするアントネッリが圧倒的な強さを見せた一方、メルセデスのジョージ・ラッセルやフェラーリのシャルル・ルクレールらは大きな痛手を負う結果となった。

    勝者:キミ・アントネッリ
    キミ・アントネッリに対する賛辞は、すでに尽きつつある。

    金曜プラクティスでは苦戦したものの、予選では僅差の争いを制してポールポジションを獲得。決勝ではスタートから首位を守り切り、全周回をリードしてファステストラップも記録した。

    さらに、今季の弱点とされていた再スタートも完璧に決め、5連勝を達成した。

    セーフティカー導入前には後続に29.9秒差を築いており、そのままなら21世紀のモナコGPで最大の優勝マージンとなるところだった。

    この勝利によりアントネッリはランキング首位をさらに固め、スペインGPへ向けて圧倒的な勢いを維持している。

    敗者:ジョージ・ラッセル
    開幕戦オーストラリアGPを制したジョージ・ラッセルだが、その後の流れは厳しい。

    モナコではピットレーン速度違反によるペナルティを受け、その後の処理でも裁定を受けて大きく後退した。

    終盤はセーフティカーや赤旗で集団が接近していたため、本来なら表彰台争いに加われる位置にいたにもかかわらず、ポイント圏外へ転落。ランキングでも3位に後退し、チームメイトのアントネッリとの差は大きく広がった。

    勝者:ルイス・ハミルトン
    ルイス・ハミルトンの復活は本物だ。

    フェラーリ移籍後に苦戦が続いていた7度のワールドチャンピオンだが、ここへ来て2戦連続で2位表彰台を獲得した。

    エンジニアリング体制との連携が深まり、マシンへの理解も進んだことで、本来の速さが戻りつつある。

    今回の表彰台はアイルトン・セナが持つモナコGP最多表彰台記録に並ぶ8回目となり、フェラーリでの再起を印象付ける結果となった。

    敗者:シャルル・ルクレール
    フェラーリの今季連続入賞記録は、シャルル・ルクレールのリタイアによって途切れた。

    カナダGPから続いているブレーキへの不満はモナコでも解消されず、予選ではタバックでクラッシュ。決勝では問題を抱えながらも表彰台圏内を走行していた。

    しかし終盤のセーフティカー再開後、最終コーナーでクラッシュを喫し、母国レースは無念のリタイアとなった。

    勝者:アイザック・ハジャー
    アイザック・ハジャーはFP1でクラッシュし、週末の出だしは最悪だった。

    しかしチームがマシンを修復するとすぐにペースを取り戻し、予選でも上位争いに加わった。

    決勝ではラッセルやオスカー・ピアストリを抑えながら自身2度目、そしてレッドブル移籍後初の表彰台を獲得。今季の評価をさらに高める結果となった。

    敗者:マックス・フェルスタッペン
    マックス・フェルスタッペンは予選でフロントローを獲得する素晴らしい走りを見せた。

    しかし決勝ではスタート直後にパワートラブルが発生し、そのままリタイア。レースは数秒で終わってしまった。

    モナコGPでのリタイアは2016年以来であり、タイトル争いの観点からも非常に大きな失点となった。

    2026年のF1世界選手権 モナコGP

    勝者:レーシングブルズ
    金曜のレーシングブルズはセットアップとバランスに苦しみ、中団グループに埋もれていた。

    しかし一晩で改善を進め、リアム・ローソンはQ3進出から5位フィニッシュ。自身最高タイ記録となる結果を残した。

    アービッド・リンドブラッドもセーフティカーを見越した戦略が成功し、自己最高の6位を獲得。チームは大量ポイントを持ち帰った。

    敗者:ピエール・ガスリー
    ピエール・ガスリーは予選9番手から着実に順位を上げ、一時は3位を走行していた。

    モナコで自身初の表彰台も見えていたが、ピットレーン速度違反による複数のペナルティを受けて後退。

    チェッカー後には7位へ降格し、表彰台を逃す結果となった。

    勝者:アレクサンダー・アルボン
    アレクサンダー・アルボンは週末を通じて高い競争力を発揮した。

    予選11番手からポイント圏内へ浮上し、決勝ではチーム戦略にも貢献。カルロス・サインツJr.のためにペースをコントロールする役割も果たした。

    最終的に8位を獲得し、ウィリアムズに今季最高の結果をもたらした。

    敗者:カルロス・サインツJr.
    チームプレーによってポイント圏内を走っていたカルロス・サインツJr.だったが、不運が待っていた。

    ニコ・ヒュルケンベルグとの接触に続き、フランコ・コラピントとも接触。マシンに大きなダメージを負いリタイアを喫した。

    2015年のF1デビュー以来、モナコで初めて無得点に終わる週末となった。

    勝者:アストンマーティン
    苦しいシーズンを送るアストンマーティンにとって、モナコは小さな希望となった。

    ランス・ストロールはクラッシュでリタイアしたものの、フェルナンド・アロンソが11位で完走。レース後の裁定によって10位へ繰り上がり、チームに今季初ポイントをもたらした。

    タイトル争いには程遠い状況だが、長いトンネルの中でようやく得た成果だった。

    敗者:キャデラック
    キャデラックはモナコで再び前進を見せた。

    セルジオ・ペレスは決勝で粘り強い走りを見せ、チーム初ポイント獲得目前まで迫った。

    しかし赤旗後のスタート手順違反に対するレース後ペナルティでポイント圏外へ降格。さらにバルテリ・ボッタスもブレーキトラブルでリタイアしており、チームとしてはあと一歩届かない週末となった。

    アントネッリが主導権を握る2026年F1
    モナコGPはアントネッリ時代の到来を改めて印象付ける一戦となった。

    ハミルトンとフェラーリが追撃体制を整えつつある一方、メルセデス内部ではアントネッリとラッセルの明暗が鮮明になっている。さらにレッドブルではアイザック・ハジャーが結果を残し、レーシングブルズも上昇気流に乗り始めた。

    シーズンはまだ6戦を終えた段階だが、バルセロナへ向かうパドックでは、アントネッリが2026年タイトル争いの主導権を握ったことを疑う者は少なくなっている。

  • ウィリアムズF1 ルーク・ブラウニングをバルセロナとオーストリアのFP1に起用

    ウィリアムズF1 ルーク・ブラウニングをバルセロナとオーストリアのFP1に起用

    ウィリアムズF1チームは、リザーブドライバー兼アカデミーメンバーのルーク・ブラウニングが、バルセロナ・カタルーニャGPとオーストリアGPのフリー走行1に出走すると発表した。

    ブラウニングはバルセロナでアレックス・アルボンのFW48を、オーストリアではカルロス・サインツJr.のFW48をドライブする。今回の2回のFP1出走は、チームに義務づけられているルーキー走行枠のうち2回分を満たすものとなる。

    FW48初走行で新世代マシンを経験
    ブラウニングはすでにウィリアムズのマシンで相当な走行距離を重ねており、今回の出走は同チームでの4回目と5回目のFP1参加となる。

    今回のFP1は、ブラウニングにとって新しいテクニカルレギュレーション下のマシンを初めてドライブする機会となる。FW48の特性を直接理解し、チームがシーズン後半に向けてパッケージを改善していくうえでも重要な走行になる。

    「FW48のステアリングを初めて握るのが待ちきれないし、ヨーロッパシーズンでこのクルマを直接経験する機会が2回あることは、さらに特別なことだ」とルーク・ブラウニングはコメント。

    「このセッションを最大限に活かし、今後のレースウィークエンドに向けたチームの計画と準備を助けられるよう、懸命に準備してきた」

    「継続的な信頼とサポートをしてくれているアトラシアン・ウィリアムズF1チームの全員に心から感謝しているし、コースに出るのが待ちきれない」

    ルーク・ブラウニング(ウィリアムズ・レーシング)

    F2とスーパーフォーミュラを経てリザーブに昇格
    ブラウニングは2024年FIA F3選手権でランキング3位、2025年FIA F2選手権でランキング4位を獲得した後、2026年にウィリアムズのリザーブドライバーへ昇格した。

    リザーブドライバーとしては、シミュレーターでのデータ提供や分析を通じてFW48の開発に貢献し、年間を通じて多くのグランプリに帯同している。

    今季は日本のトップカテゴリーであるスーパーフォーミュラにもKONDO RACINGから参戦しており、現在ランキング8位につけている。

    若手育成を継続するウィリアムズ
    ウィリアムズは、若手にF1への道筋を与える伝統の一環として、ブラウニングに今回の機会を与える。ドライバーアカデミーは、モータースポーツの各段階にいる若手を支援し、トップカテゴリーを目指す過程を後押ししている。

    「ルークはシミュレーター作業と実戦でのパフォーマンスの両面で、チームにとって価値ある存在であることを証明し続けている」とスポーティングディレクターのスヴェン・スメーツはコメント。

    「2つのレースウィークエンドでFW48のステアリングを握る最初の機会を与えることは、彼の成長にとって重要なステップであり、自然な流れだ」

    「ウィリアムズF1チーム・ドライバーアカデミーには才能ある若手ドライバーが揃っており、彼らの進歩と成長を支えるこうした機会を提供し続けられることをうれしく思う」