投稿者: dbcheck

  • カルロス・サインツJr. ウィリアムズF1残留に前向き「クルマ以外には自信がある」

    カルロス・サインツJr. ウィリアムズF1残留に前向き「クルマ以外には自信がある」

    カルロス・サインツJr.は、2027年以降の去就について依然として最終決断は下していないとしながらも、ウィリアムズF1のプロジェクトそのものへの信頼は揺らいでいないことを強調した。

    2026年シーズンの期待外れな戦績によって当初描いていた復活へのスケジュールは見直しを余儀なくされた一方で、チーム代表ジェイムス・ボウルズの下で進められている組織改革や将来への投資には確かな手応えを感じており、夏休み期間中に今後について話し合う考えを明かした。

    2026年の失敗で復活への計画は後退
    サインツJr.はこれまで一貫してウィリアムズ残留を第一希望に挙げてきた。しかし、その前提となるのはチームが将来的に優勝争いへ復帰できるという確信だった。

    ところが2026年型FW48は期待を大きく下回るパフォーマンスに終わり、シーズン中のアップデートも十分な成果を挙げられていない。そのため、当初想定していた復活のタイムラインは修正せざるを得なくなった。

    「これは僕の計画にも期待にもなかったことだ。2026年型マシンをより長く開発でき、新しいレギュレーションも導入されることで、少なくとも現在の位置を維持するか、一歩前進できると思っていた」

    「でも現実はまったく逆だった。2025年末に考えていたよりも、チームはトップから遠い場所にいることが分かった」

    サインツJr.は当初、2028年頃には再び勝利争いへ戻れると見込んでいたが、その目標は少なくとも1~2年先送りになったという。

    「レースで再び勝てるようになるまでの期間、そしてその場所がウィリアムズになるまでの期間は、少なくとも1~2年延びた。どれだけ早く現状から立て直せるか次第だ」

    「チームを再び勝てる位置へ戻すために、自分がどれだけ待つ覚悟があるかという期限は持っていた。でも残念ながら、その期間は誰もが予想していたより長くなる」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    それでもプロジェクトへの信頼は変わらない
    今季の成績には失望している一方で、サインツJr.は長期的なプロジェクトへの信頼は依然として失っていないと語る。

    「状況をひっくり返す力はある。ただ、F1では時間が必要だ。時間も努力も予算も分析も必要で、僕たちは今まさにその段階にいる」

    さらに、現在の競争力だけではなく、舞台裏で進められている改革を高く評価していることも明かした。

    「チームが将来に向けて何へ投資しているのかを見ている。ビジョンはとても明確だし、今のマシンのパフォーマンスを脇に置けば、舞台裏で起きていることには自信とモチベーションを与えられている。僕たちは正しい方向へ進んでいると思う」

    一方で、2026年型マシンについては厳しい評価を崩さなかった。

    「今年のマシンは、さまざまな理由で本当に期待を大きく下回るパフォーマンスだった。その理由について今日は改めて話すつもりはない」

    最終決断は夏休み以降
    2027年のドライバー市場では有力シートがほぼ埋まりつつあり、サインツJr.にとって現実的な移籍先は限られている。そうした状況も踏まえ、夏休み期間中に自身の将来について本格的な協議を始める考えを示した。

    「自分の時間軸は明らかに変わった。これから3~4年先を見据えて考え直し、決断しなければならない。でも、このプロジェクトと進んでいる道には今でも自信を持っている」

    契約について公表する時期を問われると、次のように答えた。

    「正直なところ分からない。具体的な日付は言えないけれど、夏まで待って自分のチームと話し合うと言ってきた。ジェイムス(・ボウルズ)やチームのみんなと、チームの将来、そして自分の将来について話し合うつもりだ」

    「夏の間には決断へ向けた動きが始まり、状況ももう少し見えてくると思う。でも、正確なタイミングはまだ分からない」

    2026年シーズンの失速によってサインツJr.の当初の計画は修正を迫られた。しかし、ウィリアムズの組織改革や長期ビジョンへの評価は変わっておらず、現時点では残留が最も有力な選択肢であることを強く示唆する内容となった。

  • ホンダF1 新型PUをハンガロリンクでのフィルミングデーで初走行との報道

    ホンダF1 新型PUをハンガロリンクでのフィルミングデーで初走行との報道

    アストンマーティンF1とホンダが、2026年シーズン後半戦へ向けた重要な一歩を踏み出すことになりそうだ。

    PlanetF1によると、ホンダが開発を進めるアップグレード版パワーユニット(PU)は、F1ハンガリーGP終了後にハンガロリンクで実施されるフィルミングデーで初走行する見通しだという。オランダGPでの実戦投入を目標とする計画に向け、予定通り開発が進んでいることを示す内容となっている。

    ハンガリーGP後に新型PUを初テスト
    アストンマーティンは今週末のF1ハンガリーGPで、大規模アップデートを施した「AMR26B」を投入する。

    フェルナンド・アロンソとランス・ストロールの2台はフリー走行1回目(FP1)から新仕様で走行する予定で、まずはシャシー性能の評価が進められる。

    一方、ホンダは以前から夏休み明け最初のレースとなるオランダGPで改良版PUを投入する計画を明らかにしており、PlanetF1はその準備として、ハンガリーGP終了後のハンガロリンクで行われるフィルミングデーで新型PUを初走行させる予定だと伝えている。

    このスケジュールが実現すれば、新型PUは実戦投入前に実車での最終確認を行えることになり、アストンマーティンとホンダにとって大きな前進となる。

    ホンダ F1 ホンダ技研工業

    ハンガロリンクはシャシー性能を測る絶好の舞台
    2026年シーズン序盤、アストンマーティンとホンダは苦戦を強いられてきた。特に高速サーキットであるシルバーストンやスパ・フランコルシャンでは、パワーユニット性能の影響もあり厳しい戦いが続いた。

    スパではアストンマーティン勢がQ2進出ラインまで約3秒届かず、戦闘力不足が浮き彫りとなった。

    その一方で、ハンガロリンクはパワー依存度が低く、シャシー性能がより重要となるコースレイアウトで知られる。そのため、新型シャシー「AMR26B」の実力を純粋に評価するには最適な舞台と考えられている。

    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原慎太郎は、ハンガリーGPを前に次のように説明した。

    「ベルギーではパワーユニット側で多くのタイムを失っていましたが、ここハンガリーではその影響はかなり小さくなります」

    「コーナーでシャシーがどれだけ速いかを見ることができます。シャシーの性能を評価するには良いサーキットだと思います」

    新型PU投入で後半戦巻き返しへ
    ホンダは新型PUについて、シーズン序盤に発生した振動問題のような新たなトラブルは起こらないとの見通しを示しており、アップデートされたAMR26Bとの組み合わせにも自信を見せている。

    ハンガリーGPではまずシャシーの進化を確認し、その後のフィルミングデーで新型PUを実走テスト。そして夏休み明けのオランダGPで両者を組み合わせた完全版パッケージを投入するという流れが実現すれば、アストンマーティンとホンダにとって2026年シーズン後半戦の巻き返しへ向けた重要な節目となりそうだ。

    【関連】
    ・ホンダF1 新型PUの50馬力向上説を否定「実際の数字ではない」

  • マックス・フェルスタッペン レッドブルF1の進歩に手応え「上昇傾向を維持したい」

    マックス・フェルスタッペン レッドブルF1の進歩に手応え「上昇傾向を維持したい」

    2026年F1第11戦ハンガリーGPを前に、マックス・フェルスタッペンは、レッドブル・レーシングがここ数戦で着実な進歩を遂げているとの認識を示し、この流れを夏休み前最後のレースでも維持したいとの考えを語った。

    シーズン序盤は苦戦を強いられたレッドブル・レーシングだが、第8戦オーストリアGPでRB22に大規模アップグレードを投入して以降は競争力が向上。フェルスタッペンはオーストリアGPと前戦ベルギーGPで表彰台を獲得し、チームは復調の兆しを見せている。

    フェルスタッペン「上昇傾向を維持したい」
    ベルギーGPで3位表彰台を獲得したフェルスタッペンは、ハンガロリンクでも好調を維持できることを期待している。

    「ここで走り出して、自分たちがどれくらい競争力があるのかを見るのが楽しみだ。正直、まだ分からないけどね」

    「スパではいい週末を過ごせたし、表彰台に立てたのは本当に良かった。ここ数戦は全体的に上昇傾向にある。それはいいことだと思う」

    「シーズンのスタートは僕たちが望んでいたものではなかったけど、着実にいい改善ができている」

    シルバーストンでは、新型の「マカレナ」リアウイングの問題によって表彰台を逃したものの、その仕様はすでに取り外されており、チームは安定したパフォーマンスを取り戻している。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    新型PUにも信頼「言っていた通りになっている」
    今季のレッドブル・レーシングは、レッドブル・パワートレインズ製パワーユニットの性能と、シャシー性能とのバランスが話題となっている。

    「エンジン担当のみんなは、自分たちが何をしているのかについて最初から率直で正直だったと思う。そして彼らが話していたことは、ほぼその通りになっていると思う」

    フェルスタッペンは、ゼロから立ち上げられたレッドブル・パワートレインズのプロジェクトそのものにも高い評価を与えた。

    「数年前に始まったプロジェクトが、今ここまで来たことを見るのは本当に素晴らしい。このレベルのパフォーマンスを実現しているのは本当に印象的だ」

    「シーズンの始まりは望んでいた形ではなかったけど、今は上昇傾向が見えている。この勢いを維持できればいいね」

    勝利への思いは変わらず
    今季ここまで10戦を終えた時点で、フェルスタッペンはドライバーズランキング7位。首位のアンドレア・キミ・アントネッリとは113ポイント差をつけられており、レッドブル・レーシングもコンストラクターズランキング4位につけている。

    それでもフェルスタッペンは、今季初勝利への意欲は変わっていない。

    「いつ勝てるかは分からない。でも、僕たちは毎週末、勝つためにコースへ出ている。その姿勢は変わらない」

    序盤戦の苦戦から着実に巻き返しつつあるレッドブル・レーシング。ハンガリーGPは、その復調が本物かどうかを占う重要な一戦となりそうだ。

  • F1ハンガリーGP ピレリ展望:酷暑のハンガロリンクで試されるタイヤ戦略

    F1ハンガリーGP ピレリ展望:酷暑のハンガロリンクで試されるタイヤ戦略

    2026年F1第13戦ハンガリーGPがハンガロリンクで開催される。今大会は夏休み前最後のレースとなり、各チームにとって前半戦を締めくくる重要な一戦だ。ピレリはモナコGPと同じC3・C4・C5の3種類のコンパウンドを選択し、高温下でのタイヤマネジメントがレースの鍵になると分析している。

    ハンガロリンクはオーバーテイクが難しいことで知られる一方、例年シーズン屈指の高い路面温度を記録するサーキットでもある。

    トラックポジションを重視するか、タイヤ性能を優先するかが各チームの戦略を大きく左右しそうだ。

    ハンガロリンクは「モナコに近い」特性
    ハンガロリンクは全長4.381km、14コーナーで構成されるテクニカルサーキットだ。コース全体が短くタイトなため、「カートコース」に例えられることも多い。

    ホームストレート以外に大きな追い越しポイントはほとんどなく、レースでは70回ものコーナリングを繰り返す。そのため、マシンセットアップはモナコGPに近い高ダウンフォース仕様が一般的となる。

    2026年大会では昨年のピットレーンとスターティンググリッドに続き、第1コーナーと第12コーナーが再舗装された。また、近年進められてきたパドックやホスピタリティ施設、グランドスタンドの大規模改修も完了し、新たな姿で夏休み前最後のレースを迎える。

    ハンガリーGP

    高温がタイヤ戦略を左右
    ピレリはモナコと同じC3(ハード)、C4(ミディアム)、C5(ソフト)を投入する。低速コーナーが連続するハンガロリンクでは、トラクション性能とブレーキング時の安定性が重要になる。

    コースの多くは古い舗装が残されており、路面の粗さが大きく、グリップレベルは年間でも低い部類に入る。ただし、走行が進むにつれて路面コンディションは大きく改善していく特徴がある。

    さらに、ハンガリーGPでは例年シーズン最高レベルの路面温度を記録するため、特にリアタイヤの熱劣化が性能を左右する。ソフト寄りのタイヤではグレイニングが発生する可能性も指摘されている。

    1ストップか2ストップか 接戦の戦略勝負へ
    ピレリは2026年大会について、タイヤ摩耗の影響により1ストップと2ストップのレースタイム差が接近すると予測している。

    オーバーテイクが難しいサーキットであることから、トラックポジションを維持するために1ストップを選ぶチームもあれば、高温下でタイヤ性能を優先して2ストップを採用するチームも現れそうだ。

    特に猛暑となった場合は、耐久性に優れるC3とC4の2種類を中心にレースを組み立てるチームが増えるとみられる。

    なお、ハンガリーGP終了後もピレリはハンガロリンクに残留し、アストンマーティン、アウディ、アルピーヌとともに火曜日と水曜日の2日間にわたり、2027年用タイヤの開発テストを実施する予定だ。

    ハンガリーグランプリ

    2025年は1ストップと2ストップが互角
    昨年のハンガリーGPでは、C3・C4・C5の3種類すべてのコンパウンドが使用された。

    大半のドライバーはミディアムタイヤでスタートし、ソフトスタートが3台、ハードスタートが2台。完走したドライバーの半数が1ストップ、残る半数が2ストップを選択した。

    気温が比較的低かったことで熱劣化が抑えられ、理論上は2ストップが速いとされながらも、実際には1ストップも十分に競争力を発揮した。

    ハミルトン最多8勝 マクラーレンは13勝
    2026年大会はハンガリーGPの第41回大会となる。1986年の初開催以来、すべてハンガロリンクで開催されている。

    最多勝記録を持つのはルイス・ハミルトンで8勝。2位のミハエル・シューマッハーを4勝上回っている。コンストラクターではマクラーレンが13勝でトップだ。

    現役ドライバーでは、フェルナンド・アロンソ(2003年/ルノー)、エステバン・オコン(2021年/アルピーヌ)、オスカー・ピアストリ(2024年/マクラーレン)の3人が、このハンガロリンクでF1初優勝を飾っている。

    夏休み前最後の一戦となる2026年ハンガリーGPは、酷暑の中で繰り広げられるタイヤマネジメントと戦略勝負が、勝敗を大きく左右するレースとなりそうだ。

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1 AMR26Bに慎重「数字より方向性」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1 AMR26Bに慎重「数字より方向性」

    アストンマーティンF1がハンガリーGPで投入する大規模アップデート「AMR26B」に注目が集まる中、フェルナンド・アロンソは過度な期待を戒めた。

    チーム内では新パッケージへの期待が高まっているが、アロンソは「スパでこのマシンを使っていても順位は変わらなかっただろう」と語り、重要なのは即効性ではなく開発の方向性を見極めることだと強調した。

    アロンソ「結果よりも正しい開発の方向性が重要」
    ハンガリーGPのFIA公式記者会見に出席したアロンソは、4か月をかけて開発されたAMR26Bについて問われると、チームの努力を評価しながらも、すぐに劇的な成果が出るとは考えていないと語った。

    「今年ここまで取り組んできたアプローチは何も変わらない。僕たちは毎週末、持っているパッケージから最大限を引き出そうとしている」

    「僕たちはレースに勝ち、チャンピオンシップを争うためにここにいる。でも今季はそういうスタートではなかったし、今も2026年レギュレーションを理解し、正しい方向へ開発を進めている途中なんだ」

    また、アストンマーティンが他チームとは異なる開発戦略を選択したことにも言及した。

    「最初の10戦で、多くのチームは2~3戦ごとにコンマ2~3秒ずつ改善を積み重ねる一般的な開発を選んだ」

    「一方で僕たちはそうしなかった。その結果、他チームに後れを取ったけれど、今はその遅れを一気に取り戻そうとしている」

    そのため、新パッケージが投入されても勢力図が一変するとは考えていないという。

    「だからといって、日曜日の僕たちの本来のポジションが変わるとは思っていない」

    それでもアロンソは、チームの取り組みそのものには高い評価を与えている。

    「もちろん僕は楽観的だ。バーレーンテストで問題を理解して以来、チームが取り組んできた仕事を誇りに思っている。このアップデートは、その修正に向けた第一歩だ。でも、まだやるべきことは残っている」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム) ハンガリーGP

    「スパでも順位は変わらなかった」と冷静な評価
    AMR26Bについては、一部で1周あたり2秒以上の改善が見込まれるとの憶測も流れている。しかし、アロンソは数字や順位には関心がないと断言した。

    「数字や順位にはあまり興味がない。直近5戦を見ても、中団との差はサーキットごとにかなり違っていた」

    「ポールポジションとの差は比較的一定だったけれど、シルバーストンやスパのように特に厳しいサーキットもあった」

    その上で、スパ・フランコルシャンでは前方のライバルとの差が大きすぎたと振り返る。

    「スパでは前を走るドライバーまで2.1秒離されていた。世界中のどんなアップデートでも、それだけの差を一気に埋めることはできない」

    そして、新型マシンがスパで投入されていたとしても結果は変わらなかったとの見方を示した。

    「もし1週間前のスパでこのアップデートを使っていても、おそらく順位は変わらなかっただろう。そういう考え方で向き合うべきなんだ」

    一方で、ハンガロリンクはスパとは性格が異なるため、状況は変わる可能性があるとも語っている。

    「サーキットによって状況は変わる。ブダペストが僕たちに有利なコースであることを願っている。ここではパワーの重要性は比較的小さい。ただ、今回はマシンは更新されるけれど、パワーユニットはまだ新仕様ではない。だから克服すべき課題はまだ残っている」

    AMR26Bは“第一歩” 開発成功の判断は今後
    アロンソが繰り返し強調したのは、今回のアップデートを単なるラップタイム改善ではなく、将来へ向けた開発の指標として捉えている点だ。

    「僕が一番知りたいのは、マシンがどの方向へ進んでいるのかということだ。正しい道を進み、最終的にこのマシンの性能を最大限に引き出せるようになるかどうか。それが何より重要なんだ」

    AMR26Bはアストンマーティンにとって今季最大のアップグレードとなるが、アロンソは短期的な結果ではなく、今後の開発の土台として評価すべきだとの姿勢を貫いている。ハンガリーGPでは順位以上に、新コンセプトが期待どおりの方向性を示せるかが最大の焦点となりそうだ。

  • 日産 フォーミュラEでアンドレッティにGEN4パワートレイン供給

    日産 フォーミュラEでアンドレッティにGEN4パワートレイン供給

    日産自動車は7月24日、ABB FIAフォーミュラE世界選手権のシーズン13(GEN4)から、アンドレッティ・フォーミュラEへGEN4パワートレインを供給する複数年契約を締結したと発表した。

    現在開催中の東京E-Prixを前に発表されたこの提携により、フォーミュラEを代表する両チームは緊密な技術協業を開始する。アンドレッティは今年5月、GEN4からポルシェとの提携を終了すると発表しており、その後継パートナーとして日産を選択した。

    日産とアンドレッティがGEN4で新たな技術協業
    フォーミュラEは日産のグローバル電動化戦略を支える重要な活動の一つであり、同社は今回の契約をGEN4時代へのコミットメントをさらに強めるものと位置付けている。

    両チームはパワートレイン供給に加え、技術力やエンジニアリングの知見、モータースポーツで培った経験を共有しながら開発を進める。日産製パワートレインを搭載するマシンは4台体制となり、開発データやフィードバックの量が増えることで、継続的な性能向上につながることが期待されている。

    また、現フォーミュラE世界王者のオリバー・ローランドと、2023年王者のジェイク・デニスという2人のチャンピオンが、それぞれのチームで技術的なフィードバックを提供し、GEN4マシンの開発を支えることになる。

    日産「GEN4時代へのコミットメントを強化」
    日産自動車のチーフ・パフォーマンス・オフィサーを務めるギョーム・カルティエは、今回の提携について次のようにコメントした。

    「フォーミュラEは、日産のグローバル電動化戦略において重要な役割を担っています。今回のアンドレッティ・フォーミュラEおよびTWGモータースポーツとの協業は、モータースポーツ活動における私たちの目標達成を後押しするとともに、選手権へのコミットメントをさらに強化するものです」

    「両社が持つ専門性を活かしながら、トラックの内外で成果を積み重ね、それぞれの分野における強みを発揮するとともに、世界中のお客さまやファンの皆さまにさらなる期待と興奮をお届けしていきたいと考えています」

    日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクター兼チームプリンシパルを務めるトマソ・ヴォルペも、今回の提携の意義を強調した。

    「GEN4時代に向けて、アンドレッティ・フォーミュラEを日産のカスタマーチームとして迎えることができ、大変うれしく思います。フォーミュラEは年々競争が激しさを増しており、パフォーマンスと技術開発を最大化するうえで、強力なパートナーの存在は欠かせません」

    「アンドレッティは、フォーミュラEをはじめモータースポーツ界を代表するチームの一つであり、常に上位争いを繰り広げ、ドライバーズ世界選手権タイトルを獲得するなど、確かな実績を築いてきました。今後、緊密に連携しながら、強固なパートナーシップを築いていけることを楽しみにしています」

    日産 フォーミュラE アンドレッティ

    アンドレッティも日産との提携に期待
    アンドレッティ・グローバルの社長を務めるジル・グレゴリーは、GEN4時代に向けた今回の契約を歓迎した。

    「フォーミュラEは我々のグローバル・モータースポーツ戦略に引き続き重要な役割を持ち、日産とGEN4時代にパートナーとなる事はアンドレッティ・フォーミュラEにとって重大な一歩となります」

    「日産は選手権で有力なチームとしての地位を確立しており、このパートナーシップがレースの優勝とチャンピオンシップ獲得への強い基盤となると我々は信じています」

    さらに、アンドレッティ・フォーミュラEのチームプリンシパルを務めるロジャー・グリフィスは、日産の実績を高く評価した。

    「80年以上にわたるモータースポーツの歴史をもち、現在のフォーミュラEドライバーズ世界選手権を含め、多様なカテゴリーで数々の優勝とタイトルを獲得してきた日産は、モータースポーツの最高峰の舞台でその実力を十分に証明してきました」

    「また、電気自動車のパイオニアとして培ってきた豊富な知識を持ち、フォーミュラEへの参戦を通じて非常に高い競争力も発揮してきました。こうした特徴はアンドレッティ・フォーミュラEのアプローチと合致しています。フォーミュラEで大きな期待が寄せられるGEN4時代を、日本を代表するメーカーである日産と共に迎えられることを誇りに思います」

    今回の契約により、日産はワークスチームに加えてアンドレッティへのカスタマー供給も担うことになり、GEN4時代の開発体制を強化する。なお、この契約を記念し、日産フォーミュラEチームは東京E-Prixで、NISMOに着想を得た特別なワンオフカラーリングを投入してホームレースに臨む。

  • セルジオ・ペレス アストンマーティンF1の反撃を警戒「キャデラックに迫ってくる」

    セルジオ・ペレス アストンマーティンF1の反撃を警戒「キャデラックに迫ってくる」

    アストンマーティンF1がハンガリーGPで投入する大規模アップデートに対し、キャデラックF1のセルジオ・ペレスは「間違いなく差を縮めてくる」と警戒感を示した。

    アストンマーティンは2026年型AMR26の小規模な開発を重ねるのではなく、シャシーや空力を大幅に刷新した“Bスペック”とも呼べるパッケージをハンガリーGPでデビューさせる予定だ。ここ数戦でキャデラックに後れを取ってきたシルバーストンのチームが、一気に勢力図を変える可能性が注目されている。

    ペレス「アストンマーティンは確実に前進する」
    シーズン開幕戦オーストラリアGPではアストンマーティンがキャデラックを上回る速さを見せていた。しかし、その後はキャデラックが着実に競争力を高め、前戦ベルギーGPの予選ではフェルナンド・アロンソを約2秒も上回るパフォーマンスを披露していた。

    その状況について、セルジオ・ペレスはハンガリーGPから流れが変わると予想した。

    「間違いなくそうなると思う」とペレスは語った。

    「彼らは大きく開発を進めてくるだろうし、とても力のあるチームだ。僕たちは彼らが差を縮め、さらに前進してくると考えている」

    セルジオ・ペレス(キャデラック)

    ボッタス「新車と言っていいほど変わると聞いている」
    チームメイトのバルテリ・ボッタスもペレスの見方に同意し、アストンマーティンのアップデートを興味深く見守っていると明かした。

    「いろいろな噂がある。その多くは彼らが大きく前進するというものだ。でも実際にマシンが走り出してみないと分からない」

    さらに、現地で耳にした情報にも触れた。

    「僕が聞いた話では、今のマシンと共通なのはフロントサスペンションだけで、それ以外はすべて新しくなるという。だから実際にどうなるか見てみよう」

    「とても興味がある一方で、もし彼らが大きく前進すれば、僕たちは後れを取ることになるかもしれないという意味では少し怖さもある。ただ、結局は自分たちの仕事に集中するしかない。そのことにエネルギーを使い過ぎるべきではない」

    ベルギーGPは特殊なレース「ハンガリーで本当の力が分かる」
    一方、ペレスは前戦ベルギーGPについて、新世代F1マシンの特性が極端に表れたレースだったと振り返った。

    「リタイアした後にレースを見返したけど、正直あまり面白いレースではなかった」

    「すべてがエネルギーマネジメント中心になっていた。基本的には、ゆっくり走るほど結果的に速く走れるような状況で、そういうのは普通の感覚とは逆だった」

    そのため、低速コーナーが多いハンガロリンクでは、各チームの本来の競争力がより明確になると考えている。

    「今週末はもっと普通のレースになると思う。そこでキャデラックの本当のパフォーマンスがどの位置にあるのか分かるはずだ」

    ベルギーGPではサスペンション系のトラブルによって早々にリタイアを喫したペレスだが、チームは原因を特定できたとしてハンガリーGPには自信を持って臨んでいる。

    「チームは原因究明に全力で取り組んでくれた。油圧システムの一部に関係する問題だったと考えている」

    「問題は解決できたと確信している。それが今の僕たちにとって最も重要なことだ」

  • メルセデスF1 ジョージ・ラッセル失速の原因を解明 ソフトウェア修正投入

    メルセデスF1 ジョージ・ラッセル失速の原因を解明 ソフトウェア修正投入

    ジョージ・ラッセルはベルギーGPで苦しめられたストレートスピード不足について、メルセデスF1が原因を特定し、ハンガリーGPではソフトウェアの修正を投入すると明かした。

    メルセデスは、パワーユニットのハードウェアには問題はなく、ソフトウェアのキャリブレーション(較正)の不具合が原因だったと説明。

    ラッセルは「これで本来の性能を引き出せるはずだ」と期待を寄せており、チームは週末までに問題を解決できたとの見方を示している。

    ベルギーGPで露呈したストレートスピード不足
    ベルギーGPの週末、ジョージ・ラッセルはチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリに対し、ストレートスピードで大きく劣っていた。

    予選ではアントネッリから0.5秒以上遅れを取り、決勝でもオー・ルージュからケメルストレートにかけて十分なパワーを得られず順位を落とした末、ルイス・ハミルトンとの接触で1周目リタイアを喫した。

    ラッセルはハンガリーGP木曜日の会見で、問題の原因が判明したことを歓迎した。

    「今は気分がいい。スパで僕たちを苦しめた問題の原因を突き止めることができたと思うし、ファクトリーのみんなが懸命に取り組んでくれた成果を見ることができて本当に励みになる」

    今週末までに修正できたのかと問われると、ラッセルは次のように答えた。

    「そう信じている。スパで見つかった主なキャリブレーションの問題については修正できたはずだし、かなり自信を持っている」

    原因はソフトウェアのキャリブレーション
    メルセデスは調査の結果、問題はパワーユニットのソフトウェア設定にあったと結論づけた。

    ラッセルは、その内容を次のように説明している。

    「実質的には、画面上の数値が適切にキャリブレーションされていなかったということだ。ハードウェアが壊れていたわけでも、ハードウェア自体に問題があったわけでもない」

    さらに、ベルギーGPでは2つの要素が重なっていたという。

    「スパでは2つの問題があった。ひとつはエネルギーデプロイメントが1周を通して最適に機能していなかったことだ。同じような問題はオスカー・ピアストリにも見られた」

    「さらに、それとは別の問題も重なっていた。ただ、どちらも同じキャリブレーションの不具合に関連していた」

    「単純に画面上の数字だけと言うつもりはないけれど、どの数値が正しくなかった可能性があるのかは分かった。そこを修正して再キャリブレーションすれば、パワーユニット本来の性能を発揮できるはずだ」

    誤ったデータがドライビングにも影響
    ラッセルは、問題の原因が分からなかったことで、自身のドライビングまで変えようとしていたことを明かした。

    「本当に肩の荷が下りた気分だ。走っている最中もずっとそうだった」

    「シルバーストンの何周か、そしてスパの金曜と土曜のほとんどで、ストレートを速く走るためにどう運転すべきかばかり考えていた。スロットルの開け方やギアの使い方、アクセルを踏み始めるタイミングまで意識していた」

    「データではそれが原因だと示されていたけれど、実際は違った。3回のセッションを通して新しいドライビング方法を試した努力は、結果的には意味がなかった」

    「だから今週末は、純粋に速く走ることだけに集中できるのを楽しみにしている。僕はシンプルなことに集中できた時が一番力を発揮できる。でも、このスポーツは決してシンプルではない」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    無線での怒りも「感情的になっていただけ」
    ベルギーGP決勝では、ラッセルが無線でチームへの不満を口にしたことも話題となった。

    しかし本人は、感情的な状況だっただけでチームを責める意図はなかったと説明している。

    「結局のところ、僕たちは同じチームだ。スパや、その前のシルバーストンでも見えていた問題は、チーム全体として求めるレベルには達していなかった。それは僕だけがチームを責めているという話ではない」

    「1周目でレースを終え、グラベルトラップに座っていれば感情的にもなる。特にターン5までに起きたことを考えればなおさらだ」

    また、問題究明には時間を要したものの、ベルギーGPで得られたデータが決め手になったという。

    「原因を突き止めようという努力が足りなかったことは一度もない。ただ、どこに問題があるのか見つけるのが本当に難しかった」

    「でもスパでは調査すべき場所がはっきり分かり、そこを調べたことで問題を発見できた。今のF1マシンやパワーユニットは非常に複雑で、すべてのパラメータを一つひとつ確認することは現実的にはできないんだ」

    メルセデスは、今回のソフトウェア修正によってラッセル車の本来のパフォーマンスを取り戻せると期待している。ハンガリーGPでは、アントネッリとの差が縮まるかどうかが大きな注目点となりそうだ。

  • マクラーレンF1 レオナルド・フォルナローリを絶賛「F1にいるべき才能」

    マクラーレンF1 レオナルド・フォルナローリを絶賛「F1にいるべき才能」

    マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウンは、リザーブドライバーのレオナルド・フォルナローリについて「間違いなくF1にふさわしい」と高く評価し、将来的なレギュラーシート獲得に期待を寄せた。

    その期待を裏付けるように、マクラーレンはハンガリーGPでフォルナローリをフリー走行1回目(FP1)に起用することを発表。チームのアップデート評価も担う重要な役割を任されることになった。

    ブラウン「間違いなくF1にふさわしい」
    レオナルド・フォルナローリは2025年のFIA F2王者となった後、同年12月にマクラーレンのドライバー育成プログラムへ加入。2026年シーズンはパト・オワードとともにリザーブドライバーを務めている。

    スペインGPではランド・ノリスに代わってFP1に出走し、22周を走行して5番手タイムを記録。その数日後にはスペイン・ヘレスでハースの2025年型マシン「VF-25」を使ったTPC(旧型車テスト)にも参加し、平川亮とともに走行を行った。

    ハースはこのプログラムについて「ドライバーをテストし評価する能力を持っている」と説明しており、フォルナローリの将来を占う重要な機会となった。

    こうした状況を受け、F1イギリスGPの週末にブラウンは、フォルナローリがキミ・アントネッリに続くイタリア人F1ドライバーになる可能性について質問を受けた。

    「そう思う。彼は素晴らしい才能を持っている」

    ブラウンはそう語り、さらに続けた。

    「彼は私たちのチームでもテストを重ねているし、ぜひF1のシートを獲得してほしい」

    「彼は間違いなくF1にいるべきドライバーだ」

    ハンガリーGPで2度目のFP1 新アップデートも評価
    マクラーレンはハンガリーGPでフォルナローリを再びFP1に起用することも発表した。今回はオスカー・ピアストリに代わってMCL40をドライブし、スペインGPに続く2度目のF1公式セッション出走となる。

    今回の走行では、マクラーレンが投入する新型フロアをはじめとする空力アップデートの評価も重要な任務となる。また、オーストリアGPでテスト予定だった実験的な改良版リアウイングも、FP1限定で走行評価が行われる。

    フォルナローリは走行を前に次のように意気込みを語った。

    「ハンガロリンクでFP1を走れることを楽しみにしている。すべてのセッションは学び、経験を積み、自信を深めるチャンスだ。そして週末のプログラムに貢献したい」

    「ここ数週間はシミュレーターやマクラーレン・パフォーマンス・ハブで準備を重ねてきた。できる限り万全の状態で臨めるよう取り組んできた」

    「ここまで支えてくれたマクラーレンF1チームの皆さんには本当に感謝している。金曜日にコースへ出て、走行を楽しみながら1周1周を最大限に生かしてチームに貢献したい」

    マクラーレンのランディ・シン レーシング担当シニアディレクターは、ハンガリーGPでは新型フロアなどのアップデートを投入すると説明した。

    「非常に競争が激しいシーズンだけに、すべてのアップデートが重要だ。フリー走行を通じて新パーツがどのような性能を発揮するのか理解を深めたい」

    「夏休み前最後のレースで持てる力を最大限に引き出し、シーズン後半戦へ向けて良い流れを築きたい」

    レオナルド・フォルナローリ(マクラーレン)

    ハース加入報道とも一致する評価
    フォルナローリを巡っては、2027年にエステバン・オコンの後任候補としてハースF1入りが有力視されている。マクラーレンとハースは技術提携関係にあり、育成ドライバーがハースを経てF1デビューするシナリオも現実味を帯びている。

    ブラウンの「F1にふさわしい」という力強い評価に加え、FP1出走や開発プログラムでの役割拡大は、フォルナローリが着実にF1デビューへ近づいていることを示している。

    フェルスタッペン獲得報道には冷静な姿勢
    一方で、最近はマックス・フェルスタッペン陣営がマクラーレンと非公式な接触を行ったとの報道も話題となっている。

    しかしブラウンは、この憶測について冗談を交えながら否定した。

    「ただの噂だよ」

    ブラウンは笑顔でこう語った。

    「普段は誰と夕食を食べたかなんて話さないけど、昨夜はナイジェル・マンセルと食事をした。とても素晴らしい時間だった。彼はこのレースで何度も優勝しているからね」

    そのうえで現在のドライバーラインアップへの信頼を改めて強調した。

    「私はランドとオスカーという2人のレースドライバーに非常に満足している」

    「マックスのような4度のワールドチャンピオンの名前が出れば、誰だって興奮するものだ。でも私は今のドライバーラインアップにとても満足している」

    ブラウンの発言と今回のFP1起用は、マクラーレンがノリスとピアストリを中心とした体制を維持しながらも、フォルナローリを将来のF1ドライバー候補として着実に育成していることを改めて示す内容となった。

  • アストンマーティンF1 AMR26Bに予備シャシーなし 「クラッシュしたら旧仕様」

    アストンマーティンF1 AMR26Bに予備シャシーなし 「クラッシュしたら旧仕様」

    アストンマーティンF1は2026年F1ハンガリーGPで待望の「AMR26B」を投入する。しかし、その裏では開発スケジュールの厳しさを物語る現実も明らかになった。

    マイク・クラック(サーキット・トラックサイド責任者)は、新仕様のスペアシャシーは用意されておらず、大きなクラッシュが発生した場合は旧型AMR26のシャシーを使用せざるを得ないと明かした。

    新型マシンは2台とも最新仕様でブダペスト入りした一方、スペアシャシーは従来仕様のままという異例の体制となる。アストンマーティンF1はシーズン後半の巻き返しを懸けてAMR26Bを投入するが、その初陣は限られた準備期間の中で迎えることになる。

    AMR26Bにスペアシャシーなし 開発スケジュールが影響
    クラックは、AMR26B用のsペアシャシーが間に合わなかった理由について、開発日程の制約を挙げた。

    「スペアシャシー? もちろん常に必要だ。しかし、残された時間を考えれば、スペアシャシーは当然ながら旧仕様になる」

    つまり、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールのレースカー2台はどちらもAMR26B仕様だが、万一大きな事故でシャシー交換が必要になれば、旧型AMR26へ戻さなければならない。

    現地では、新型車両が搬入された直後から組み立て作業が進められており、3台目となる新仕様シャシーを製作する余裕はなかったという。

    それでもクラックは準備状況に自信を示した。

    「計画どおりに作業を進めてきたし、すべて準備できると確信している。2台とも同じ仕様だ」

    軽量化と空力改善がAMR26Bの核
    クラックは、今回のアップデートの狙いについて「空力性能の向上」と「軽量化」が中心であると説明した。

    「今回の進化は、大幅な空力性能の改善と軽量化が柱だ。それが今回のプロジェクトの中心となっている」

    これは、エイドリアン・ニューウェイが以前説明していた内容とも一致する。AMR26Bでは新型ノーズを採用し、空力面を全面的に見直すとともに、シャシーやギアボックス構造の軽量化も実施。そのため新たなクラッシュテストと再ホモロゲーションも必要になった。

    クラックは、アップデートの目的をこう表現した。

    「これを投入する理由は、再び戦えるようになるためだ。ここ数戦は戦えていなかった。その状態から抜け出したい」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    まずはデータ収集が最優先
    AMR26Bは実戦投入まで一度もサーキットを走っておらず、ハンガロリンクでのフリー走行が事実上のシェイクダウンとなる。

    「冬季テストのように何周も走って比較できる機会はない。そのため、データの質とシミュレーション解析の精度が非常に重要になる」

    そのため、初日から性能を引き出せるとは考えていない。

    「金曜日最初の走行からすべてを引き出せるとは思っていない。まずはこのマシンを理解し、最大限に活用する方法を学ばなければならない」

    また、サスペンションの車高やアライメントなど基礎的なセットアップ評価も、まずは基本データを収集してから本格的に進める考えを示した。

    ホンダPUとの最適化も重要課題
    クラックは、新シャシー導入によってパワーユニット側のセッティングにも影響が及ぶことを認めた。

    「コーナリングスピードが上がれば、エネルギーマネジメントやパワーユニットのキャリブレーションにも影響する」

    これは、ホンダF1の折原慎太郎チーフエンジニアが説明した内容とも一致する。ザントフォールトで導入予定の新パワーユニットを待たずとも、現行ユニットでもエネルギーマネジメントやアクセル制御の最適化が必要になるという。

    クラックは、現代F1ではシャシーとパワーユニットを切り離して考えられないと強調した。

    「シャシー性能とパワーユニット性能は密接に結び付いている。以前のように、それぞれを独立して評価することはもはやできない」

    アストンマーティンF1は、シーズン前半の不振を覆す切り札としてAMR26Bに大きな期待を寄せる。一方で、新仕様のスペアシャシーを持たないというリスクを抱えながら臨むハンガリーGPは、チームにとって性能だけでなく信頼性も試される重要な週末となる。

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