カテゴリー: ジェンソン・バトン

  • ジェンソン・バトンが語る意外な真実「最高のF1マシンはブラウンGPではない」

    ジェンソン・バトンが語る意外な真実「最高のF1マシンはブラウンGPではない」

    ジェンソン・バトンは、2009年にブラウンGPでF1ワールドチャンピオンを獲得したが、彼自身が選ぶ“最高のF1マシン”は意外にもあの伝説のBGP001ではなかった。

    現在すべてのモータースポーツから引退したバトンは、改めて自身のキャリアを振り返り、2011年に駆ったマクラーレンMP4-26こそが「F1で運転した中で最高のシングルシーターだった」と明かした。

    バトンは2000年から2017年まで306戦を戦い、15勝・50回の表彰台・8回のポールポジションを記録した。2009年はそのうち6勝を挙げたキャリア唯一のタイトルシーズンだが、本人の評価は別のマシンに向いている。

    ホンダ撤退から“奇跡の王者”誕生へ…ブラウンGPの激動の2009年
    2008年末、ホンダは世界的金融危機の影響でF1からの即時撤退を発表。チーム存続は風前の灯火となったが、ロス・ブラウンがわずか1ポンドで買収し、ブラウンGPとして再出発した。

    メルセデスが土壇場でエンジン供給を決めたことで、設計段階から大きな変更を強いられたが、それでもチームは開幕前最後のテストを欠席した状態からシーズンへ突入した。
    しかし、車体後部のダブルディフューザーが大きな武器となり、バトンは開幕7戦で6勝という圧倒的なシーズン前半を築いた。

    ブラジルGP時点でセバスチャン・ベッテルの追撃を15ポイント差で振り切り、1戦を残して初のワールドチャンピオンに到達。ブラウンGPも同年のコンストラクターズタイトルを獲得し、チーム唯一のシーズンで歴史的成果を残した。

    ジェンソン・バトン ブラウンGP

    それでもバトンにとって“最高の1台”はBGP001ではなかった
    キャリアの頂点をもたらしたブラウンGPのマシンについて、バトンは「素晴らしい思い出」とした一方で、“ベストカー”には挙げなかった。

    バトンは次のように語っている。

    「僕にとって最高のマシンは2011年のマクラーレンだった。F1で運転した中で、あれがベストのシングルシーターだ」

    さらに2004年のBARホンダもお気に入りだという。

    「2004年のBARホンダはフィーリングが本当に良かった。フレキシブルなリアウイングがあって、V10エンジンのパワーは信じられないほどだった。僕は10回の表彰台を獲得したけど、勝利には届かなかった」

    そしてブラウンGPについてはこう振り返る。

    「みんな『あれが最高のマシンだったはずだ』と言うけど、2008年のハイダウンフォースから2009年はローダウンフォース規定になったからね。ブラウンは他より優れてはいたけど、極端に速いわけではなかった。弱点もあった」

    ジェンソン・バトン マクラーレン MP4-26

    2011年マクラーレンMP4-26──“最強ではないが最高に手に馴染むマシン”
    2011年といえば、レッドブルのRB7が圧倒的な速さでシーズンを席巻し、セバスチャン・ベッテルが13勝を挙げた年だ。しかし、バトンはその“最強マシン”の陰で、自身にとっての“最高マシン”を操っていた。

    MP4-26はRB7には及ばなかったが、バトンはシーズン2位を獲得。全19戦中12回の表彰台、最終9戦中8回の表彰台という安定性を発揮し、キャリア最多の年間表彰台数を記録した。

    この事実こそ、バトンが“性能が最強=最高”とは考えていなかったことを象徴している。

    ダブルディフューザーと低開発、それでも勝てた2009年の“特異性”
    バトンは2009年の強さについて、あのダブルディフューザーの存在が決定的だったと語る。ホンダが撤退前に開発していたアイデアで、ウィリアムズやトヨタも類似の設計を導入し、他チームは抗議したものの規則上は合法とされた。

    しかしブラウンGPは資金難でシーズン中の大規模アップデートがほとんどできず、後半戦になるとライバルの猛追を受ける形となった。
    それでも序盤の大量得点で逃げ切った点に、この年の“特殊性”がある。

    引退を迎えて改めて見えた“本当に好きなマシン”
    バトンはキャリアを通してウィリアムズ、ベネトン、ルノー、BAR、ホンダ、ブラウンGP、マクラーレンと渡り歩き、F1で306戦を経験した。
    その長い道のりの中で、彼が最後に選んだのは、タイトルをもたらしたブラウンではなく、**2011年マクラーレンという「自分の手に最も馴染んだマシン」**だった。

    結果ではなく“ドライビングの感覚”を基準にしたこの選択は、バトンらしい冷静な視点と職人肌のレーサー気質を感じさせる。

  • ジェンソン・バトン WEC最終戦で現役引退「F1引退よりも悲しい」

    ジェンソン・バトン WEC最終戦で現役引退「F1引退よりも悲しい」

    ジェンソン・バトン(45歳)は、先週末に行われた世界耐久選手権(WEC)最終戦バーレーン8時間レースを最後に、プロフェッショナル・レーシングドライバーとしてのキャリアを正式に終えた。自身が語るところによれば、「F1引退のときよりも悲しい」と感じたという。

    2000年にウィリアムズからF1デビューしたバトンは、エンストン系チーム(ルノー)、BAR、ホンダ、ブラウンGP、マクラーレンと渡り歩き、2016年シーズンをもってF1から引退。

    特に2009年には、ホンダ撤退後にロス・ブラウンがチームを引き継いだブラウンGPで、F1ワールドチャンピオンのタイトルを獲得した。

    その後は2018年と2019年にスーパーGTへフル参戦し、以降はスポーツカーやラリークロス、NASCARなど多彩なカテゴリーでスポット参戦を続けてきた。2024年からはキャデラックを駆るハーツ・チーム・ヨタのNo.38号車でWECに復帰し、セバスチャン・ブルデー、アール・バンバーと組んで今季最高位はサンパウロ6時間の2位。最終戦バーレーン8時間では16位でフィニッシュした。

    「F1のときとは違う感情」──静かに迎えた“本当のラストレース”
    スカイF1のテレビ解説者およびロレックスのアンバサダーとしても知られるバトンは、ロレックスのインタビューで次のように語った。

    「最後のレースは本当に感情的だった。長い間プロとしてレースを続けてきて、45歳になった今でも全力を尽くして競争力を保てていることを誇りに思っている。でも、人生があまりに忙しくなりすぎたんだ」

    「F1を引退したときは違う感情だった。あのときは“新しいモータースポーツの世界に挑戦できる”というワクワク感があった。でも今回はもっと感情的で、悲しさのほうが大きい。ただ、その一方でキャリアを振り返る良い機会にもなった」

    さらにバトンはBBCに対して、「やり残したことはない。自分の成し遂げたことには満足している」と語り、今後もグッドウッド・リバイバルのようなクラシックカーレースには参加する意向を示した。

    ジェンソン・バトン FIA 世界耐久選手権

    長いキャリアの幕引きと“バトン流の幸福論”
    バトンの発言からは、20年以上にわたるプロキャリアを締めくくる充実感と、年齢を重ねても競う意欲を保ち続けた自負がうかがえる。F1時代の「次なる挑戦」への興奮とは異なり、今回の引退は“終わり”を受け入れる成熟した決断だ。

    それでも彼は完全にステアリングを置くわけではない。クラシックイベントでの走行を楽しみながら、レースという情熱と関わり続ける姿勢を示している。

    モータースポーツの多様な世界を渡り歩き、どの舞台でも品格と探究心を失わなかったバトン。彼の言葉どおり「やり残したことはない」と胸を張れる終幕は、まさに理想的な“レーサーの引退”といえるだろう。

  • ジェンソン・バトン、WECバーレーンで現役引退「これが最後のレース」

    ジェンソン・バトン、WECバーレーンで現役引退「これが最後のレース」

    2009年のF1ワールドチャンピオン、ジェンソン・バトンが、来週末に開催される世界耐久選手権(WEC)最終戦バーレーン大会をもって、現役を引退することを発表した。

    45歳のバトンはここ数年、チーム・ジョタからWECに参戦してきたが、「これが最後のレースになる」とBBCラジオ・サマセットに語った。

    「バーレーンはいつも好きなサーキットだし、最後のレースを思いきり楽しみたい。これでプロフェッショナルとしてのレースキャリアは終わりだ」

    300戦超のF1キャリア、ハミルトンとの名コンビも
    バトンはF1で300戦以上に出場し、通算15勝を挙げた。2009年にブラウンGPで初タイトルを獲得し、その後はマクラーレンへ移籍してルイス・ハミルトンとチームメイトとして3シーズンを戦った。

    その間、チーム内ポイントではハミルトンを上回り、卓越したレースマネジメント能力を発揮。マクラーレンには2016年末まで在籍したが、ホンダパワー復帰後の低迷期を経て一度F1から引退していた。

    「家族の時間を優先する時が来た」
    今回の決断について、バトンは次のように語っている。

    「ジョタでのWEC参戦は本当に楽しかったけれど、今は人生があまりにも忙しすぎる。チームにも自分にも不公平だと思うんだ。2026年に向けて十分な時間を割けるとは思えない」

    「子どもたちは4歳と6歳。1週間家を離れるだけで、あっという間にいろんな瞬間を逃してしまう。ここ数年は仕方ないと割り切っていたけど、もうこれ以上は同じような生活を続けたくない」

    クラシックカーでのレース継続に意欲も
    一方で、完全にハンドルを置くわけではないようだ。

    現在は英スカイスポーツF1で解説者を務めるバトンだが、自身の所有するクラシックカーでのレース活動には意欲を示している。

    「自分のクラシックカーを走らせるのが楽しいんだ。WECやF1マシンとは全く違って、メカニカルなつながりを感じられる。ヒール・アンド・トゥや正確なシフト操作、エアロがない世界……そういう“純粋な機械の操縦”が大好きなんだ」

    バトンが象徴する“職人型ドライバー”の美学
    バトンのキャリアは、スピードだけでなく「繊細な技術」と「知的なレース構築力」に支えられたものだった。トリッキーなコンディション下での巧みな判断力や、マシンの感触を生かすセットアップ能力は群を抜いていた。

    彼がF1で最後に残した功績は、単にチャンピオンの肩書きだけでなく、グラウンドエフェクト全盛の現代においても忘れられない「人間の感覚で戦うドライバー像」を体現したことにある。

    バーレーンでの最終レースは、そうした“クラシック・レーサー”としての矜持を締めくくる舞台となりそうだ。

  • ジェンソン・バトン、ピアストリの苦境に共感「F1は本当に精神的に厳しい」

    ジェンソン・バトン、ピアストリの苦境に共感「F1は本当に精神的に厳しい」

    2009年、ブラウンGP時代にタイトルを争ったジェンソン・バトンは、当時の自分と現在のオスカー・ピアストリの状況がよく似ていると感じている。レッドブルが巻き返しを見せる中で、かつての彼も同じように精神的なプレッシャーに苦しんだという。

    バトンは、当時ダブルディフューザーで圧倒的だったブラウンGPで前半戦を支配したが、夏以降はレッドブル勢の追い上げに苦しめられた。最終的に95ポイントを獲得し、旧ポイントシステムのもとでセバスチャン・ベッテルを下してタイトルを手にした。

    「彼(ピアストリ)は非常に難しい状況に置かれていると思う」とバトンは英『Sky Sports』で語る。「マシンが序盤のようには機能していないし、当時の僕も同じだった。最初は誰もが太刀打ちできないほど速かったのに、今はクルマが少し後れを取っている。そうなると、どうしてもチャンピオンシップのことばかり考えてしまうんだ」

    「そうすると、『このレースではポイントを落とさないようにしよう』『ミスをしないようにしよう』と考えすぎて、逆にミスが起こることもある」と続ける。「僕もタイトルを争っていたときに同じような間違いをした。自分にプレッシャーをかけすぎて、うまく対処できなかったんだ」

    それでも、バトンはピアストリには支えがあると語る。「でもオスカーにはマーク・ウェバーがいる。彼はマネージャーとして見守っているし、自身も苦しい経験をしてきた人物だ。今のオスカーにとっては大きな支えになるだろう」

    ノリスが14ポイント差に接近、マクラーレン内の流れが変化

    バトンはまた、ピアストリのチームメイトであるランド・ノリスの勢いにも注目している。現在ノリスはドライバーズランキングで首位ピアストリに14ポイント差まで迫り、ここ数戦では予選でも決勝でも上回る場面が目立つ。

    「ここ2戦はノリスの方が非常にポジティブだ」とバトンは語る。「もちろん、シンガポールの接触は良くなかった。チームメイト同士でぶつかるのは避けたいことだ。でもオースティンでは自信に満ちていたし、最初のプラクティスからオスカーに0.3秒の差をつけて、それを週末ずっと維持していた」

    「2人はまったく違う方向に進んでいる。今は自信がランドの側にあり、ネガティブな空気がオスカーにある。誰にでも起こり得ることだし、人間だから仕方ない。このスポーツは本当に精神的に厳しい」と締めくくった。

  • 「ターン15は角田裕毅に非がある」 F1アメリカGPベアマン接触にバトン見解

    「ターン15は角田裕毅に非がある」 F1アメリカGPベアマン接触にバトン見解

    元F1世界王者でスカイスポーツF1の解説者を務めるジェンソン・バトンが、2025年F1アメリカGP決勝で発生した角田裕毅(レッドブル・レーシング)とオリバー・ベアマン(ハースF1チーム)の接触未遂について分析した。

    バトンはターン15での攻防を「角田裕毅に非がある」と評しながらも、彼のレース全体の戦いぶりについては一定の評価も示した。

    ターン15の攻防──「リアクション・ムーブ」に見えた防御
    問題となったのはレース終盤、7位を巡るバトルだった。

    ベアマンは34周目、角田裕毅のイン側にマシンを差し込み、オーバーテイクを試みた。しかし直後にスピンを喫し、ポジションを失った。

    スカイスポーツF1の解説中でバトンは、その瞬間をこう分析した。

    「彼(角田裕毅)はオリー(ベアマン)の動きをミラーで見ながら反応していた。左に寄りすぎて芝生に乗りかけて、慌てて戻っていた。完全に後ろの動きに反応していた」

    「しかもあのコーナーでは非常に早くブレーキを踏んでいた。それも後続にとって危険だ」と続け、角田裕毅のライン変更を“リアクション・ムーブ(reactive move)”とみなした。

    F1では高速域のブレーキングゾーンで進路を変える行為が禁止されており、FIAは過去にも同様の動きに対して厳しく警告を出している。バトンはこの点を強調し、事故に至らなかったのは「運が良かっただけ」と警鐘を鳴らした。


    角田裕毅のスタートを評価「ターン1では完璧な攻め」
    ただしバトンは、角田裕毅のレース全体を否定したわけではない。特にスタート直後のターン1で見せた積極的な走りを高く評価した。

    「スタートでブレーキを遅らせて多くのポジションを稼いだ。あれは素晴らしい動きだったし、合法的な攻め方だ。問題はベアマンとのあのシーンだけだ」とコメント。

    彼の見解は、ドライバーとしてのリスクマネジメントと攻撃的な防御の“線引き”を明確に示すものとなった。

    【動画】 角田裕毅 F1アメリカGP決勝スタートでローソンを“意地”のブロック

    オリバー・ベアマン「危険な動きだった」
    この一件について、当事者のオリバー・ベアマンはレース後に角田裕毅を厳しく批判した。

    「僕にとって彼の動きは不公平だった。ルールにも、レースの精神にも反している。あのスピード域でブレーキング中に動くのは本当に危険だ」とスカイスポーツF1に語った。

    「2周にわたって彼と戦っていた。僕の方が速かったし、ターン12でも13でも15でもインを狙ったけど、彼は僕の動きに反応してラインを変えていた。最終的にスピンを喫したけど、大クラッシュにならなかったのは幸運だった」

    さらにベアマンは、「彼は週末を通して苛立っていたように見えた」と付け加え、角田裕毅のドライビングを“感情的だった”と評した。

    角田裕毅「ルール違反ではない。僕はコントロールしていた」
    角田裕毅はベアマンの批判に反論した。

    「ブレーキング中に動いたとは思っていない」と語り、行為そのものを否定。

    「彼がスピンしたのは残念だけど、いいバトルをしていた。あれで終わってしまったのは不運だっただけだ」と述べた。

    そして印象的な一言が続く。

    「僕は彼のF1チームメイトじゃない。トップ10を目指して戦っているだけだと思う」

    この発言には、「同じチーム同士のように遠慮する必要はない」という明確な姿勢が表れている。角田裕毅はあくまで“正当なバトル”の一環として自らの動きを正当化した。

    角田裕毅(レッドブル・レーシング)とオリバー・ベアマン(ハースF1チーム)

    強気の防御か、危険な反応か──評価が分かれた攻防
    今回の一件は、F1における防御の境界線を改めて浮き彫りにした。

    ブレーキング中のライン変更は禁止されているが、ドライバーによっては「わずかな修正」「ターン進入の姿勢変更」と捉える場合もあり、解釈に幅がある。

    ベアマンはそれを“危険な動き”と受け取り、角田裕毅は“正当な防御”と主張。バトンは両者の間で「反応した事実はあった」と指摘した。

    この三者三様の視点が示すのは、F1における“フェアバトル”の定義がいかに繊細であるかという点だ。わずか数メートルの判断が、レース後の議論を巻き起こす。

    今後への影響──角田裕毅の評価とメキシコGPへの注目
    角田裕毅は今季、レーシングブルズからレッドブル・レーシングへ昇格して以降、チームメイトのマックス・フェルスタッペンと比べられる厳しい立場に置かれている。
    しかし、夏休み明け以降は5戦中3戦で入賞を果たしており、安定感を取り戻しつつある。

    今回の騒動は彼の攻撃的なドライビングスタイルを改めて浮き彫りにしたが、同時に“抜かせない強さ”を示した一幕でもある。

    ベアマンの批判、バトンの分析、角田裕毅の反論──それぞれの視点が交錯したアメリカGPのバトルは、次戦メキシコGPでも再び注目の的となりそうだ。

  • ジェンソン・バトン 「2026年はハミルトンにとってF1キャリアの分岐点」

    ジェンソン・バトン 「2026年はハミルトンにとってF1キャリアの分岐点」

    フェラーリ移籍初年度を戦うルイス・ハミルトンについて、かつてのチームメイトであるジェンソン・バトンが「2026年シーズンがキャリアの分岐点になる」と語った。

    ハミルトンは今季フェラーリで苦戦を強いられており、18戦を終えた時点で表彰台はゼロ。唯一の明るい瞬間は、中国スプリントでのポールポジションと勝利だった。

    夏休み明け以降は予選での改善が見られ、シンガポールでは7月のイギリスGP以来となるチームメイトのシャルル・ルクレールを上回ったが、決勝では結果につながっていない。

    バトンはSky Sports F1のインタビューで、2026年の新レギュレーション導入を「ハミルトンの再生か引退かを分ける年」と表現した。

    「今季もいくつか素晴らしい瞬間があった。特に上海スプリントは印象的だった」と2009年F1ワールドチャンピオンのバトンは語る。

    「ただ、年間を通して十分な一貫性がなく、彼がマシンに完全な自信を持てていないように見える。メルセデス時代のように信頼するチームを築けていないのも要因だと思う。時間はかかるものだ」

    「来年は大きなレギュレーション変更がある。そこで我々は“ベストなルイス”を見ることになるか、あるいは彼がこのスポーツを去ることになるだろう」

    ハミルトン、フェラーリに予選力向上を要請
    シンガポールGPでは週末序盤の好調から一転し、決勝では苦戦を強いられたフェラーリ。ハミルトンはチームに「予選オペレーションの改善」を求めた。

    「ケータリングからマーケティング、メカニックやエンジニアまで、チーム全員が全力で頑張っている」とハミルトン。
    「ただ、残念ながら僕たちのマシンは前の連中のレベルには達していない。アップグレードを入れても、まだ彼らに追いつけていない。ギリギリのところで戦っている」

    「ポテンシャルを引き出せばもっと前に行けた。予選ではクルマの力を出し切れていない。前戦もそうだったし、今回も同じだった。もし完璧にタイヤを扱えて、ピット出口で待機せずに済めば、3番手か4番手も狙えたと思う。決勝では前の数台と同等のペースだった。予選を改善できれば結果も良くなるだろうけど、現状では4〜6番手スタートが精一杯なんだ」

    2026年、“再生か終焉か”のシーズンに
    フェラーリ移籍1年目はハミルトンにとって試練の連続となっている。チーム文化の違い、エンジニア体制の再構築、そして適応期間の長さが結果に影を落としている。バトンの指摘どおり、2026年の新レギュレーションはハミルトンにとって決定的な転換点となる可能性が高い。

    もし新世代マシンで再び勝利を掴めば、彼の“伝説”はさらに輝きを増す。だが結果が出なければ、40代でのF1キャリアに終止符を打つ展開も現実味を帯びる。

    “ベストなルイス”を取り戻せるか、それとも“最後の章”を迎えるのか──2026年は、F1史においても象徴的なシーズンとなりそうだ。

    Source: Crash.net

  • ジェンソン・バトンが断言「今のF1で最強なのはマックス・フェルスタッペン」

    ジェンソン・バトンが断言「今のF1で最強なのはマックス・フェルスタッペン」

    2009年のF1ワールドチャンピオンであるジェンソン・バトンは、マックス・フェルスタッペンを「これまでで最も完成されたF1ドライバー」だと評価し、「マックスは他の誰よりもクルマの限界を引き出せる」と語った。

    2015年のデビュー以来、フェルスタッペンは4度のワールドチャンピオン、65勝、44回のポールポジション、117回の表彰台という輝かしい成績を残してきた。しかし2025年シーズン序盤は苦戦しており、ドライバーズランキングでは165ポイントで3位。首位のオスカー・ピアストリとは69ポイント、2位のランド・ノリスとは61ポイント差がついている。

    それでもなお、バトンはフェルスタッペンを「現在のグリッドで最強のドライバー」と確信している。

    英ラジオ番組『The Chris Moyles Show(クリス・モイルズ・ショー)』に出演した際、「では2番目に優れたドライバーは誰か?」と問われたバトンは、マクラーレンの2人をこう評した。

    「ランドとオスカーはどちらもトップクラスだよ」とバトン。「2人は性格がまったく違う。ランドは自分自身の敵になることがある。信じられないほど速いけど、ほんの小さなミスをすると、それを引きずってしまうんだと思う」

    「オスカーはとても冷静で、ただ速く走りたい、レースがしたいという気持ちが強い。それを見事に実行している。そしてマックスに関して言えば、僕の見解では、彼はF1史上最も完成されたドライバーだと思うんだ」

    ジェンソン・バトン F1モナコGP決勝後、ランド・ノリスにインタビューするジェンソン・バトン(2025年5月25日)

    バトンは、マックス・フェルスタッペンが「これまでに存在した中で最も完成されたF1ドライバー」だと語る一方で、ルイス・ハミルトンについても高く評価している。

    「彼はルイスほど多くのタイトルを獲ってはいないけど、ルイスも間違いなく世界最高の一人だよ。でもマックスには、他の誰にもできないようなことをクルマでやってのける何かがあるんだ」

    ハミルトンの実力について、かつて2010年から2012年までマクラーレンでチームメイトだったバトンは、こう振り返る。

    「僕は3年間彼とチームメイトだったけど、彼の才能と生まれ持った能力は信じられないほどだった。彼はプラクティスで苦戦していて、僕は『よし、予選では勝てるかも』って思うんだけど、彼は突然“バン!”と驚異的なラップを決める」

    「どこから出てきたのか分からないくらいだったよ。信じられない才能だし、彼が築いてきたキャリア、あれを超えるのは誰にもできないんじゃないかな。でも“今この瞬間”に限って言えば、僕はマックスが誰よりもクルマで多くのことができると思っているんだ」

  • メルセデスF1 ラッセル放出案にバトン苦言「今の彼を外すのは奇妙な決断」

    メルセデスF1 ラッセル放出案にバトン苦言「今の彼を外すのは奇妙な決断」

    元F1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンは、メルセデスがジョージ・ラッセルをマックス・フェルスタッペンと交代させるという噂について「不公平」だと語り、その決断が実現すれば「奇妙」だと感じると述べた。彼はむしろ、ラッセルとフェルスタッペンがチームメイトとしてともに戦う姿を見たいという。

    フェルスタッペンの将来に関する憶測が高まったのはオーストリアGPの週末。ラッセルがSky Sports F1のインタビューで「フェルスタッペンのような存在と話し合いが続いているのは、ごく自然なこと」と語ったことが発端だった。

    その1週間後、イギリスGPの場でこの件について問われたフェルスタッペンは口を閉ざし、「前回言った通りだよ。他の人たちがいろいろ書いてるけど、僕から言うことは何もない」とコメントしている。

    また、当時まだチーム代表を務めていたクリスチャン・ホーナーも「ノイズが多すぎる」と一蹴し、フェルスタッペンとは2028年末まで契約があると改めて強調した。

    そんな中、バトンは『The Chris Moyles Show』に出演し、ラッセルとフェルスタッペンの“トレード”の可能性について問われると「まあ、あり得なくはない」としつつも、フェルスタッペンが現在のレッドブルという恵まれた環境を離れることには慎重な見方を示した。

    「マックスにとっては難しい選択だと思う。彼はレッドブルで非常にうまくやっていて、これまで多くのものを与えられてきた。クルマは彼を中心に設計されていて、それを完璧に乗りこなしている。あのクルマの中では、誰も彼に太刀打ちできない」

    「彼が3番手や4番手に予選する一方で、チームメイトは18番手だ。もし彼がメルセデスに移籍すれば、全く異なる状況になる。そこではクルマは彼のために設計されていない。うまくやれるかどうか、分からないね。でも、世界最高のドライバーであれば、それでも適応できるはず」

    ジョージ・ラッセル メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツバトンは「ラッセルはタイトルを狙える逸材」と評価している

    バトンはまた、現在ドライバーズランキングでフェルスタッペンと18ポイント差につけるラッセルの活躍に言及し、そのパフォーマンスを高く評価した。

    「ジョージは今、まさにキャリアの絶頂にいると思う。ここ数年でルイス(・ハミルトン)と互角に戦ってきたし、彼はワールドチャンピオンになれる素材だ」

    そのうえで、フェルスタッペンを獲得するためにラッセルを放出するという案については疑問を呈した。

    「マックスを入れるためにジョージを外すというのは、ちょっと奇妙な動きに見える。たしかに18歳のキミ・アントネッリが控えていて、将来的にスターになる可能性はある。でも、それが確実かどうかはまだ分からない」

    「一方で、ジョージは今そこにいて実力もある。そして、F1の新時代においては、非常に競争力のある2人のドライバーが必要になる。来年はレギュレーションも変わるし、クルマもエンジンも一新される。だからこそ、ジョージとマックスのラインアップこそ理想的だと僕は思う」

    また、フェルスタッペンとラッセルのペアが実際にうまくいくと思うかと問われたバトンは、こう締めくくった。

    「見てみたいね、ぜひとも!」

  • ジェンソン・バトン 今季限りでWEC参戦を終了「家族との時間を大切にしたい」

    ジェンソン・バトン 今季限りでWEC参戦を終了「家族との時間を大切にしたい」

    2009年のF1ワールドチャンピオンであるジェンソン・バトンが、2025年シーズンをもってWEC(FIA世界耐久選手権)へのフル参戦を終了することを明かした。

    現在45歳のバトンは、キャデラック陣営でハイパーカークラスに参戦しており、先週末の「サンパウロ6時間レース」では自身最高位となる2位フィニッシュを飾ったばかりだったが、今後は家族との時間を優先する意向を示している。

    多忙なスケジュールと家族との時間が決断の鍵に
    「人生があまりに忙しくなりすぎた。いろんなことが同時進行で進んでいて、スケジュールもとても過密だ」とバトンはMotorsport.comに語っている。

    「そろそろ将来のことをもっと考えなきゃいけないし、家族と過ごす時間をもっと持ちたいと思ってる。チームにとってもフェアじゃないと思う。来年以降はチームに十分な時間を割けそうにないから」

    引退ではなく、来年もレースには参戦予定
    ただし、今回の決断が完全な現役引退を意味するわけではない。バトンは次のようにも語っている。

    「来年も何かしらのレースには出るつもりだけど、フルシーズンではないよ」

    2023年にはNASCARカップシリーズに3戦限定で出場していたバトンだが、再挑戦の可能性について問われると「どうだろうね、様子を見てみよう」と具体的な言及は避けた。

    Jotaからキャデラックへ、WECでの軌跡
    バトンは2024年シーズンにJotaスポーツからポルシェ963 LMDhのカスタマーカーでWECにフル参戦。前年にはIMSA最終戦「プチ・ル・マン」で同車をテストしていた。

    そして2025年には、Jotaがキャデラックとのファクトリーパートナーシップを結んだことで引き続きチームに残留。今回のサンパウロでの表彰台により、トップカテゴリーでの活躍を改めて印象づけていた。

    なお、彼にとってはこれが2度目のスポーツカートップカテゴリー参戦となる。2018年にはSMPレーシングからBR1 LMP1車両で一部レースに参戦していた経歴がある。

    バトンはまた、レース活動の傍らでSky SportsのF1中継チームの一員としてグランプリ解説も担当しており、今後もモータースポーツ界に関わり続ける意向を持っている。

  • ルクレールに“逆張り”の勧め? フェラーリがF1イギリスGPでまたも戦略ミス

    ルクレールに“逆張り”の勧め? フェラーリがF1イギリスGPでまたも戦略ミス

    F1イギリスGPで、シャルル・ルクレールの不安な傾向が改めて浮き彫りとなった。フェラーリのエースは5番グリッドからスタートしたものの、最終的に14位と惨憺たる結果に沈んだ。

    最大の分岐点となったのは、序盤に雨が弱まりかけたタイミングでスリックタイヤへの交換を選んだことだった。

    ルクレールは他の4台とともに賭けに出たが、これが裏目に出る。

    その後インターミディエイトへ切り替えるなど反撃の兆しも見せたが、ソフトタイヤ装着時にダンプ路面で元チームメイトのカルロス・サインツJr.と絡む形でオーバーステアを喫し、さらなる後退を招いた。

    天候が目まぐるしく変化する難コンディションはすべてのチームにとって難題だったが、スカイスポーツのジェンソン・バトンは「ルクレールとは反対の判断をするべきだった」と辛辣にコメントしている。

    「こんな難しいレースでは、シャルル・ルクレールのやることと逆をやればいいみたいだ。こういう状況で彼かエンジニアか、誰のせいかは分からないけど、いつも裏目に出てるように見える」と指摘した。

    無線ではルクレールの苛立ちが露骨に表れ、放送禁止用語を交えた怒声も飛び出した。レース後、彼自身も手応えのなさを率直に認めている。

    「僕たちはレースを通じて“どこにもいない”感じだった。本当に、完全に消えてた。1秒も遅れていたし、しかもミスばかりだった」

    「とにかくクルマをコース上に留めるのに必死で、本当に厳しい一日だった。何が起きていたのかをちゃんと分析する必要がある」

    チームメイトのルイス・ハミルトンが4位入賞を果たしたことだけが、フェラーリにとって唯一の救いだったとルクレールは語った。

    次戦ベルギーGPで、彼がこの“不安なパターン”を断ち切ることができるかが注目される。