カテゴリー: アウディ

  • ガブリエル・ボルトレト F1モナコGP予選クラッシュを謝罪「リスクを取りすぎた」

    ガブリエル・ボルトレト F1モナコGP予選クラッシュを謝罪「リスクを取りすぎた」

    アウディは2026年F1モナコGP週末を通じて好調なペースを示していたが、予選では期待した結果を残せなかった。ガブリエル・ボルトレトはQ1終盤にクラッシュを喫し、ニコ・ヒュルケンベルグもQ2敗退。金曜から見えていた“ベスト・オブ・ザ・レスト”争いの勢いを決勝グリッドにつなげることはできなかった。

    特にボルトレトはFP1から一貫してトップ10圏内を走行し、FP3でも7番手を記録。Q3進出も十分狙える状況だっただけに、自らのミスによるクラッシュを強く悔やんでいる。

    好調だった週末で痛恨のQ1クラッシュ
    モンテカルロの金曜日、アウディは先頭4チームに続く位置につけていた。ボルトレトとヒュルケンベルグは両プラクティスでトップ10入りを果たし、予選でも上位進出が期待されていた。

    その流れは土曜日も続き、ボルトレトはFP3で7番手、ヒュルケンベルグも10番手を記録。しかし予選Q1でボルトレトはヌーベルシケイン付近のバリアに接触。サスペンションを破損してマシンを止め、赤旗の原因となった。

    幸いにもそれまでのタイムでQ2進出は決まっていたが、マシン修復は不可能で予選は終了。最終的に16番手に分類された。

    「予選では良い仕事ができなかったと思う。正直、それ以外に言うことはあまりない」

    「Q1であれほどリスクを取る必要はなかったと思う」

    「FP1からトップ10のペースがあることは分かっていた。それなのにリスクを取りすぎてしまった。壁に触れてサスペンションを壊してしまった」


    チームへの謝罪を口にしたボルトレト
    モナコではオーバーテイクが極めて難しいため、後方グリッドからの挽回は簡単ではない。

    それでもボルトレトは諦めるつもりはないとしながら、自身のミスによってチームの努力に応えられなかったことを申し訳なく感じていると語った。

    「モナコはモナコだ。ここで追い抜くのは難しい」

    「僕たちは諦めない。でもチームにふさわしい位置へマシンを持っていけなかったのは残念だ」

    「申し訳なく思うのはチームに対してだけだ。彼らは今週末、本当に素晴らしい仕事をしてくれた」

    「予選トップ10に入るだけの力があったことは理解している。でも僕はそれを実現できなかった」

    ガブリエル・ボルトレト(アウディ) F1 モナコGP

    ヒュルケンベルグも期待外れの13番手
    一方のニコ・ヒュルケンベルグはQ2進出を果たしたものの、13番手に終わった。

    予選終盤のアタックではトラフィックの影響も受けたと明かしたが、それだけが原因ではないと認めている。

    「何が起きたのか分からない」

    「最後のランではトラフィックの影響を受けて少し不運だった。タイミングとしては最悪だったが、それについてはどうすることもできない」

    「それ以外については分からない」

    「僕たちはラップタイムやグリップをさらに引き出すことに苦労していた。他のチームがさらにペースを上げられたのに対し、僕たちは、あるいは僕自身がそれを見つけられなかった」

    「なぜなのか考えなければならない。もっと有望に見えていただけに、確かに失望している」

    アウディはプラクティスで示した競争力を予選結果につなげることができなかった。しかしボルトレトとヒュルケンベルグのコメントからは、マシン自体のポテンシャルへの手応えもうかがえる。追い抜きが難しいモナコだけに決勝は厳しい戦いが予想されるが、セーフティカーや戦略によるチャンスを待ちながらポイント獲得を目指すことになる。

    【関連】
    ・F1モナコGP 予選 結果・タイムシート:アントネッリがポールポジション

  • アウディF1 モナコGPで特別カラーリング タツィオ・ヌヴォラーリに敬意

    アウディF1 モナコGPで特別カラーリング タツィオ・ヌヴォラーリに敬意

    アウディF1は2026年F1モナコGPで、チーム初となる特別カラーリングを披露する。今回のデザインは、モータースポーツ史に名を刻む伝説的ドライバー、タツィオ・ヌヴォラーリへのオマージュとして制作された。

    2026年シーズンからF1に本格参戦しているアウディにとって、今回が初めての特別カラーリングとなる。ニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトのマシンには、アウディの前身であるアウトウニオン時代の歴史を反映した特別なデザインが施される。

    “空飛ぶマントヴァ人”への敬意
    タツィオ・ヌヴォラーリは、第二次世界大戦前のモータースポーツ界で最も偉大なドライバーの一人として広く評価されている。

    イタリア出身のヌヴォラーリは1930年代後半、アウトウニオンの「タイプD」を駆った。そのアウトウニオンこそが、後にアウディへと発展していくブランドの源流である。

    ヌヴォラーリはキャリア通算24勝のグランプリ勝利を挙げたほか、ミッレミリアやル・マン24時間レースも制覇。1950年4月に現役を退いたが、その翌月にはシルバーストンでF1世界選手権初開催となる第1戦が行われている。

    その卓越した走りから「空飛ぶマントヴァ人(The Flying Mantuan)」の異名で知られ、現在もモータースポーツ史に残る伝説的存在として語り継がれている。

    アウディが受け継ぐアウトウニオンの歴史
    今回の特別カラーリングは、単なるレトロデザインではない。

    アウディは2026年からワークスチームとしてF1に参戦しているが、そのルーツは1930年代にグランプリレースを席巻したアウトウニオンにある。ヌヴォラーリはその象徴的な存在であり、モナコというF1を代表する舞台で歴史への敬意を示すことは、ブランドのアイデンティティを改めて世界へ発信する意味合いも持つ。

    新レギュレーション下で苦戦が続くアウディだが、モナコGPではチームの原点を象徴する特別なカラーリングとともに歴史的な週末を迎えることになる。

  • アウディF1のビノット「シャシーは4番手」 エンジン差解消は2028年目標

    アウディF1のビノット「シャシーは4番手」 エンジン差解消は2028年目標

    アウディF1のマッティア・ビノットは、チームが掲げる2030年のタイトル争いに向けたロードマップを改めて説明し、現在のマシンについて「グリッドで4番目に優れたシャシーを持っている」との見解を示した。

    一方で最大の課題はパワーユニットにあると認め、トップチームとのエンジン性能差を埋めるには時間が必要だと説明。2027年までの解決は現実的ではなく、2028年にライバルと肩を並べることを目標に据えていることを明かした。

    2030年タイトル争いへ段階的な計画
    マッティア・ビノットはF1公式ポッドキャスト「Beyond The Grid」で、アウディF1が短期的な成功を追い求めるのではなく、明確なロードマップに沿ってチームを強化していると説明した。

    「我々はチーム内で何度も話し合ってきた。2030年という目標を設定した一方で、そこへ到達するためのロードマップも持っている」

    「そのロードマップの第一歩は、まず競争力のあるチームになることだ。時にはダークホースとなり、その後は勝利を争う存在となり、最終的にはタイトル争いをするチームになることを目指している」

    ビノットによれば、2026年の目標は単純なポイント数やランキングではない。

    「競争力を持つということは、チームの一人ひとりが本当の意味で競争すること、そしてアウディであることの意味を理解することだ」

    「ただ参加するだけではなく、改善のためにあらゆる努力を尽くし、毎レースごとに基準を引き上げ続けることが重要だ」

    さらに、シーズン終了時にはファンやメディアから見てもチームの変化が分かる状態になっていることを期待しているという。

    「アウディがF1に参入し、本格的な存在になりつつあることを誰もが認識できるようになれば非常に満足だ」

    シャシーはグリッド4番手との自己評価
    アウディはジョナサン・ウィートリーをチーム代表に迎えたほか、英国拠点の設立やスイス・ヒンウィルの施設拡張など、組織強化を進めている。

    そのヒンウィルではシャシーと空力開発が行われており、ビノットは現行マシン「R26」の最大の強みがそこにあると語った。

    「シャシーについては非常に満足している。ドライバーとの議論だけでなく、GPSテレメトリーの分析からもそう言える」

    「まず風洞とシミュレーターの相関が非常に良好だった。エンジニアリングの観点では、プラットフォームとして最も重要な部分だ。我々のプロセスや手法は大きく前進した」

    さらにコーナリング性能について高く評価している。

    「我々のマシンはコーナーで本当に速い」

    「そして我々はシャシー性能だけを見れば、グリッドで4番手だと考えている。元々ザウバーだったチームがここまで到達したのは驚くべき成果だ」

    ビノットは、この結果がヒンウィルの組織改革や開発体制の改善による成果だと説明した。

    アウディ F1 マッティア・ビノット

    最大の弱点はパワーユニット
    その一方で、ビノットは最大の弱点がパワーユニットであることを隠していない。

    アウディのF1エンジンは同社初のF1パワーユニットであり、性能面やドライバビリティの両方でトップ勢との差が残っているという。

    「2030年へ向かう道の中で、次の大きなステップは2028年になると思う」

    「勝利や表彰台を争うためには優れたマシンが必要だ。それはインフラやプロセス、チーム規模だけの問題ではない」

    「現在トップチームとのギャップを測ると、最大の差はパワーユニットの性能、その制御、そしてドライバビリティにある」

    ビノットは、エンジン開発は空力開発よりも時間がかかると指摘し、根本的な改善にはハードウェア変更が必要だと説明した。

    「その差を埋めるには大きな前進が必要だ」

    「エンジンの開発サイクルは空力よりも長い。だから次の重要なステップは短期間で達成できるものではない」

    「現在のエンジンを改善し、ライバルと同じレベルに引き上げるにはハードウェアを変更しなければならない」

    「我々は2027年までにそれを実現することは不可能だと考えている。しかし2028年には正しいレベルへ到達できると見ている」

    アウディF1が示した現実的な成長シナリオ
    アウディF1の発言で興味深いのは、2030年タイトル獲得という長期目標を掲げながらも、現状を過大評価していない点だ。

    ビノットはシャシー面ではすでに一定の競争力を獲得したと自信を見せた一方、パワーユニットについては依然として大きな遅れがあることを率直に認めている。

    2026年の新レギュレーション下ではエンジン性能の重要性が高まっており、アウディにとって最大の課題はヒンウィルではなくドイツで開発されるパワーユニットの成熟にあると言えそうだ。

    そのためアウディは2027年の即時躍進ではなく、2028年にエンジン性能をトップレベルへ引き上げ、そこから勝利争いに加わるという現実的な成長シナリオを描いている。ビノットの発言は、その長期計画の現在地を示すものとなった。

  • アウディF1が“反対派の急先鋒”に 2027年エンジン規則見直しで対立激化

    アウディF1が“反対派の急先鋒”に 2027年エンジン規則見直しで対立激化

    2026年F1レギュレーションを巡る議論がさらに激しさを増している。FIAとFOM(フォーミュラワン・マネジメント)は、2027年からパワーユニットの電動依存度を引き下げる規則変更を検討しているが、その最大の反対勢力としてアウディの名前が浮上している。

    一方でF1のCEOであるステファノ・ドメニカリは、将来的なV8エンジン復活への支持を公然と表明しており、メーカー間の思惑の違いが表面化し始めている。

    2027年規則変更を巡る攻防
    現在FIAとFOMは、2026年から導入された新世代パワーユニットの電動比率が高すぎるとの懸念を受け、2027年から内燃機関と電動出力の比率を「60対40」に見直す案を推進している。

    さらに2030年から2031年頃には、持続可能燃料を使用する軽量なV8エンジン搭載マシンへの移行構想も議論されている。

    ステファノ・ドメニカリはフランス紙『レキップ』に対して、その方向性を強く支持した。

    「私はこの動きを1000%支持している」

    「よりクリーンな燃料、より軽いマシン、そしてV8エンジンによって、我々はモータースポーツ本来の姿を取り戻すことができる。それこそが私がF1を愛してきた理由だ」

    アウディが強く反発する理由
    しかし舞台裏では、規則変更に対する反対意見も根強い。

    『Auto Motor und Sport』によると、現時点で2027年の見直し案を全面的に支持しているのはメルセデスとレッドブルのみだという。

    ホンダは妥協の余地を残しているとされるが、フェラーリとアウディは慎重な姿勢を崩していない。

    特にアウディは、F1参戦2年目で大規模なエンジン再設計を迫られることを大きな負担と考えている。

    報道によれば、アウディは2028年により大規模なアップデートを計画しており、その前倒し実施によって約1000万ユーロ(約17億円)の追加コストが発生すると見積もっている。

    2026年から本格参戦を開始したばかりのアウディにとって、わずか1年で設計方針を変更することは技術面でも財政面でも大きなリスクとなる。

    フェラーリにも別の事情
    フェラーリの懸念はアウディとは異なる。

    フェラーリは現在、ADUO(追加開発機会制度)を活用しながら2026年型パワーユニットの改善に取り組んでいる。

    もし2027年から再び大きな設計変更が実施されれば、せっかく縮めつつあるメルセデスとの差が再び広がる可能性がある。

    そのためフェラーリの技術陣は、まず現行パッケージの競争力向上を優先しているとされる。

    キャデラックが“決定票”を握る可能性
    規則変更を成立させるためには、FIAのスーパー・マジョリティ制度に基づき、登録されている6社のパワーユニットメーカーのうち4社の賛成が必要となる。

    そのため、2028年からワークスパワーユニット導入を予定しているキャデラックF1チームの立場が重要になる可能性がある。

    ただしパドック関係者の多くは、現在フェラーリ製カスタマーパワーユニットに依存するキャデラックが、政治的にはフェラーリ寄りの立場を取るとみている。

    その場合、規則変更の成立はさらに難しくなる。

    フェルスタッペン問題とも直結
    この議論が注目を集めている理由のひとつが、マックス・フェルスタッペンの発言だ。

    フェルスタッペンは2026年レギュレーションに対して公然と不満を表明し、将来的にF1を離れる可能性まで示唆している。

    ドライバー側からも「レースそのものが面白くなくなる」との懸念が広がる中、FIAとFOMは規則修正による軌道修正を模索している。

    ただしドメニカリは現在の規則への反対意見が広範囲に広がっているとの見方を否定した。

    「ルールについて不満を言っている人はごく少数だ」

    「これらの変更は必要だった。そうでなければメーカーはエンジン供給をやめていただろう」

    「我々は完全な電気自動車にはしたくなかった。そのため新たなメーカーを呼び込む妥協案を見つけた」

    2026年レギュレーション誕生の背景にはアウディやホンダなど新規・既存メーカーの参入維持という目的があった。しかし皮肉にも、そのレギュレーションの修正を巡って現在はアウディ自身が最大の反対勢力となっている。

    2027年の見直し案が成立するのか、それとも2026年仕様が維持されるのか。今後数か月のメーカー間交渉が、2030年代のF1の方向性を左右することになりそうだ。

  • アウディが握るマックス・フェルスタッペンの未来 2027年F1規則問題の焦点

    アウディが握るマックス・フェルスタッペンの未来 2027年F1規則問題の焦点

    2027年F1パワーユニット規則の見直しをめぐる議論が大きな山場を迎えている。

    現在、FIAとFOMは電動出力の比率を引き下げる規則変更を進めようとしているが、その実現を左右する存在としてアウディが急浮上している。これは単なる技術規則の議論ではない。結果次第ではマックス・フェルスタッペンの将来にも影響を及ぼしかねない重要な局面となっている。

    フェルスタッペンが不満を募らせる2026年F1
    現在の2026年型パワーユニットは内燃機関と電動出力が50:50に近い構成となっている。しかし、このエネルギーマネジメント中心のレーススタイルに対し、マックス・フェルスタッペンは強い不満を抱いている。

    「エネルギーマネジメントの問題は冗談みたいなものだ。本当に苦痛だ」

    「もっとプッシュしようとするとエネルギーがなくなる。するとクリッピングが増えてしまうし、違うギアを使わなければならない。その結果、コーナーでは遅くなり、次のストレートでは速くなる」

    「僕にとってこれはレースではない。本当に、本当にフラストレーションが溜まる」

    フェルスタッペンは以前から現行規則への不満を隠しておらず、改善が見込めない場合にはF1を離れる可能性も示唆している。

    2027年規則変更には4メーカーの賛成が必要
    こうした状況を受け、FIAは2027年から内燃機関と電動出力の比率を60:40へ変更する案を推進している。

    しかし変更を実現するためには、パワーユニット・アドバイザリー委員会で6メーカー中4メーカーの支持を得る必要がある。

    現時点で賛成しているのはメルセデスとレッドブルのみ。

    フェラーリとキャデラックは反対姿勢を明確にしており、ホンダとアウディは中立的な立場を維持している。

    つまり規則変更の成否は、事実上アウディとホンダの判断に委ねられている。

    なぜFIAはアウディを重視しているのか
    FIAとFOMが現在最も重視しているのはフェラーリの説得ではなく、アウディとの合意形成だ。

    フェラーリはADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)の扱いを巡って強硬姿勢を崩しておらず、妥協点を見つけるのは容易ではない。

    一方のアウディは、技術面よりもコスト面を問題視している。

    2026年から新規参入する同社は、わずか1年後の2027年に再びパワーユニット開発をやり直すことに慎重であり、推定1000万ドル(約16億円)の追加投資が必要になるともみられている。

    そのためコストキャップの調整や技術要件の緩和など、何らかの妥協案が提示されれば態度を変える余地があると考えられている。

    ホンダはアウディの判断を見守る立場
    ホンダは現時点で明確な賛否を示していない。

    折原伸太郎はカナダGPで次のように語っている。

    「我々はFIAの決定を尊重します。ですので、現在はその判断を待っています」

    こうした姿勢から、パドックでは「アウディが賛成に回ればホンダも続く可能性が高い」との見方が広がっている。

    アウディが握るフェルスタッペンの未来
    FIAとFOMが避けたいのは、問題を先送りして2028年に再び同じ議論を繰り返すことだ。

    もしアウディとホンダが賛成に回れば、メルセデスとレッドブルを加えた4メーカーの支持が確保され、2027年規則変更は実現に大きく近づく。

    反対にアウディが首を縦に振らなければ、規則変更は頓挫する可能性が高まる。

    そうなれば、現行のエネルギーマネジメント重視の方向性に不満を抱くフェルスタッペンの将来にも影響を及ぼしかねない。

    2027年F1規則問題の中心にいるのはフェラーリでもホンダでもない。いま最も重要な一票を握っているのはアウディであり、その判断がF1の将来とフェルスタッペンの未来を左右しようとしている。

  • ペーター・ザウバー アウディF1を擁護「批判は時期尚早」

    ペーター・ザウバー アウディF1を擁護「批判は時期尚早」

    アウディの2026年F1シーズンは厳しい船出となっているが、チーム創設者のペーター・ザウバーは、ドイツメーカーへの批判は早計だと擁護した。

    アウディはワークス体制への完全移行初年度に、信頼性の問題やパワーユニットのドライバビリティ不足、さらに絶対的なパフォーマンス不足に苦しんでいる。一部では「大手メーカーとして恥ずかしいスタート」との厳しい声も上がっている。

    ペーター・ザウバー「成功は一夜にして生まれない」
    82歳のペーター・ザウバーはスイス紙『Blick』に対し、現在の評価は時期尚早だと語った。

    「チームにはもっと時間を与えなければならない」

    「アウディはエンジンとギアボックスをゼロから開発しなければならなかった」

    「成功は一夜にして生まれるものではない。だから、多くの批判は時期尚早だ」

    ザウバーは、長年モータースポーツの現場を見てきた経験から、新規プロジェクトが短期間で結果を出すことの難しさを強調した。

    ドライバーも認めるパワー不足と課題
    一方で、現役ドライバーたちは現在の課題を隠していない。

    ニコ・ヒュルケンベルグはモントリオールで、アウディが複数の面で遅れを取っていると認めた。

    「僕たちは最速のマシンに遅れを取っていて、それは複数の要因が組み合わさったものだ」

    「パワーユニットのドライバビリティには、まだかなり改善の余地がある。僕たちは最もパワフルなエンジンを持っているわけではないし、それは分かっている」

    「信頼性についても改善する必要がある」

    ガブリエル・ボルトレトも同様の見解を示している。

    「最終的には単純にパワーが足りない」

    「それは公開されているデータを見れば分かる」

    「プロジェクトが始まったばかりということを考えれば、僕たちは素晴らしい仕事をしている。でも他のチームと比べると、その差は明らかだ」

    アウディ陣営は開発の進展に一定の手応えを感じているものの、現状では競争力不足を認めざるを得ない状況にある。

    開発は継続中 新パーツ投入も
    それでもヒュルケンベルグは、チームが着実に前進していると語る。

    「ここにはいくつか新しいパーツがある。大規模な進化パッケージではないけれど、継続的な開発の一環だ」

    「マイアミから何が変わったのか、とても興味がある」

    2026年シーズン開幕からまだポイントを獲得できていないヒュルケンベルグだが、アウディはアップデートを重ねながら改善を進めている。

    ADUO制度の判断が勢力図を左右
    アウディとホンダは、新レギュレーション下で苦戦するパワーユニットメーカーを支援するADUO制度の対象になるとみられている。

    しかし現在ではフェラーリも支援対象入りを期待しており、FIAの判断に注目が集まっている。

    シャルル・ルクレールもメルセデスの優位性を認めた。

    「今のところ、メルセデスには大きなアドバンテージがあると思う。特にパワーユニットに関してはそうだ」

    「僕たちがADUOの対象にならなかったら驚くだろう」

    「ストレートでは、メルセデスのエンジンやフォードのエンジンと比べて、少しパフォーマンスが足りないと感じることがある」

    2026年F1シーズンは、メルセデスがパワーユニット面で先行しているとの見方がパドック内で広がっている。アウディ、ホンダ、フェラーリがどこまで差を縮められるのか。そしてADUO制度がどのメーカーに適用されるのかが、今後の勢力図を左右する大きな焦点となりそうだ。

  • アウディF1 カナダGPで戦略裏目 マクニッシュ「最適な判断ではなかった」

    アウディF1 カナダGPで戦略裏目 マクニッシュ「最適な判断ではなかった」

    アウディは2026年F1カナダGP決勝で、ニコ・ヒュルケンベルグが12位、ガブリエル・ボルトレトが13位に終わり、ポイント獲得を逃した。

    雨予報を見越して2台ともインターミディエイトタイヤでスタートする戦略を選択したが、路面は想定以上に早く乾き、追加フォーメーションラップも重なったことで序盤から後手に回る展開となった。

    アラン・マクニッシュ「天候判断がレースを左右した」
    レーシングディレクターのアラン・マクニッシュは、スタート時のタイヤ判断が結果に大きく影響したと説明した。

    「レースは天候とタイヤ選択に大きく左右された。コンパウンド選択は非常に難しい判断であり、当時入手していた情報を基にインターミディエイトを選んだが、結果的にはスタート遅延があり、最適な戦略にはならなかった」

    「そこから順位を取り戻すのは難しく、最終的には12位と13位だった。ただ、信頼性面や週末を通してクリーンに走り切れたことにはポジティブな部分もある。とはいえ、ペースをより良い結果につなげるには、まだ改善すべき点がある」

    「それでも、マイアミと比べれば前進できた感覚はある。特に週末全体の一貫性やオペレーション面では改善が見られた」

    ヒュルケンベルグ「かなり早い段階で苦しくなった」
    ニコ・ヒュルケンベルグは、序盤の展開によってレース全体が難しくなったと振り返った。

    「僕たちにとっては厳しいレースだった。振り返れば、スタート時のコンディションは僕たちの予想とは違う方向に進んでいた。当時持っていた情報を考えればリスクを取る価値はあったが、結局序盤は思ったように展開せず、かなり早い段階で苦しい状況に追い込まれた」

    「その後も、自分たちが望んでいたような回復ペースはなかった。周囲のライバルたちはもっと早く前に進んでいたので、そこには理解し改善しなければならない点がある」

    「全体として、多くを振り返る必要のある厳しい週末だった。すべてをしっかり分析し、そこから学びを得てモナコへ向かいたい」

    ボルトレト「クリーンな展開ならポイントも可能だった」
    ガブリエル・ボルトレトは、戦略による後退が大きかったと語った。

    「僕たちにとっては長いレースだった。インターミディエイトタイヤでスタートしたのは、それがうまくいく可能性があると感じていたからだが、雨はすぐに止んでしまい、その判断が結果的に不利になった」

    「追加ピットストップによって争いから脱落し、その後は自分たちのペースを管理するレースになった。それでもポジティブな点として、2台とも完走し、チームにとって重要なデータを集められたことは良かった」

    「もちろん少し残念ではある。クリーンな週末と普通のレース展開なら、今日はポイント獲得も可能だったと思う。でも、それがレースだ。今はモナコに集中している」

    アウディF1はポイント獲得こそ逃したものの、マイアミ以降のパフォーマンス改善とオペレーション面での前進を感じさせる週末となった。モナコGPはまったく異なる特性を持つ市街地戦となるが、チームは今回得たデータと課題を次戦へつなげたい考えだ。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ F1カナダGP予選「Q3まであと0.03秒だった」

    ニコ・ヒュルケンベルグ F1カナダGP予選「Q3まであと0.03秒だった」

    ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)は、2026年F1カナダGP予選で11番手となり、Q3進出をわずか0.03秒差で逃した。スプリントでは15位に終わったが、苦戦続きだった週末を考えれば「かなり良い結果」だったと前向きに振り返っている。

    アウディは今週末、パワーユニットやドライバビリティ面で複数の問題を抱えており、ヒュルケンベルグもマシンバランスに苦しんでいた。それでも予選に向けてセットアップを改善し、Q3目前まで迫る走りを見せた。

    ニコ・ヒュルケンベルグ「Q3まであと0.03秒だった」
    「Q3まであと0.03秒だった」とニコ・ヒュルケンベルグはコメント。

    「正直に言えば、クリーンラップではあれが僕たちの持っていたすべてだった。できる限り限界まで絞り出したよ」

    「ここはグリップレベルが低いから、常にバランスと戦いながらマシンをコントロールしている感じだった。簡単ではなかったけど、今回の内容にはかなり満足している」

    「もちろんQ3に届かなかったのは少し残念だけど、もっと大きな視点で見る必要がある」

    「今週末はかなり難しくて、パワーユニットやドライバビリティ面で本当に多くの問題があった。そう考えれば、実際かなり良い結果だったと思う」

    プレスリリースでも、予選に向けてマシン状態を改善できたことを強調した。

    「このサーキットはドライバビリティやパワーユニットの課題がかなり露呈する」

    「それでも予選に向けてマシンをずっと良いウインドウに入れることができたし、バランスもかなり良かった」

    「まだやるべき仕事は残っているけど、明日はまたチャンスがある。特にコンディションが変わればなおさらだし、その機会を最大限に生かしたい」

    ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ) カナダグランプリ

    スプリントではシケインでのインシデントによってタイムペナルティを受けたが、ヒュルケンベルグは当時の状況について冷静に語っている。

    「後方で走っていたし、もっと大きな問題と戦っていた。あの件はその中では小さなことだった」

    「レースでは特に得られるものはなかったけど、後方にいたことでいろいろ試すことができた。ある意味ではプラクティスセッションのようなものだった」

    「そうした学びをすべて予選へ持ち込んだんだ」

    予選後には、スプリントから予選にかけてセットアップ変更を行ったことも明かした。

    「予選では、現時点で僕たちが持っている中でベストなマシン状態をコースに持ち込めたと思う」

    「でも、パフォーマンス面もパワーユニット面も、そしてドライバビリティについても、まだやるべきことはある」

  • ガブリエル・ボルトレト アントネッリとフェルスタッペン比較は「公平ではない」

    ガブリエル・ボルトレト アントネッリとフェルスタッペン比較は「公平ではない」

    ガブリエル・ボルトレト(アウディ)は、2026年F1シーズン序盤でランキング首位に立つキミ・アントネッリについて、マックス・フェルスタッペンと比較するのは時期尚早だと語った。

    アントネッリは開幕4戦を終えた時点でメルセデスのチームメイトであるジョージ・ラッセルに20ポイント差をつけ、F1史上初めて自身初の3回のポールポジションをすべて連勝につなげたドライバーとなった。

    「彼には時間を与える必要がある」
    カナダGPを前にアントネッリについて問われたボルトレトは、同世代の才能を認めながらも、フェルスタッペンとの比較には慎重な姿勢を示した。

    「キミは非常に才能がある」とボルトレトは語った。

    「フェルスタッペンのレベルか? 彼には時間を与える必要がある。マックスと比較すること自体、あるいは誰かをマックスと比較すること自体が公平だとは思わない。まず年齢が違うし、F1での時間も違う。マックスはすでに多くのことを成し遂げている」

    「少し落ち着いて見るべきだと思う。それに、僕が同世代の誰かを評価する立場ではない。公平ではないと思う。僕は彼と年齢も近いし、彼とレースをしてきた。だから、自分が競うべき相手だと感じている誰かについて話したくはない」

    若手世代の力を示すアントネッリの快進撃
    それでもボルトレトは、アントネッリが好調なメルセデスで結果を出していることを高く評価した。

    「今の彼には良いマシンがあり、良い仕事をしている。シーズン序盤としては信じられないようなスタートを切り、3連勝している」

    「彼のことはうれしく思っている。オリバー・ベアマン、アイザック・ハジャー、僕、そして1年上下の他のドライバーたちを含めて、僕たちの世代に才能があることを示しているからだ」

    「若いドライバーがうまくやっているのを見るのは素晴らしいことだし、僕たち全員が良いマシンを手にして、そういう戦いができるチャンスを得られればいいと思う。彼は間違いなくチャンピオンシップを争えると思う。実際にランキング首位にいるのだから、勝つことはできる」

    アンドレア・キミ・アントネッリ

    アウディでの自分の道を重視するボルトレト
    一方で、ボルトレトはアントネッリの成功を自分の状況と重ね合わせることは避けた。アウディは開幕戦オーストラリアGPでボルトレトが9位に入って以降、ポイントを獲得できていない。

    アントネッリの活躍がモチベーションになるかと問われると、ボルトレトはこう答えた。

    「それがモチベーションになるとは言わない。なぜなら、その状況にいるのは僕ではないからだ。彼が信じられない仕事をしていることはうれしいし、彼にはその資格がある。才能もある。僕は彼のことをずっと前から知っている」

    「彼はとても良いマシンに乗っていて、やるべき仕事を果たしている。完璧なシーズン序盤を過ごし、今ランキング首位にいるのは当然のことだ。でも、それが僕のモチベーションになるかと言えば、何も変わらない。もっと頑張ろうという意味で変化があるわけではない」

    「僕には自分の仕事があり、自分の優先事項があり、自分の前にあるプロジェクトがある。将来的には僕たちもうまくやれると確信している。ただ、時間と忍耐が必要なんだ」

  • アウディ 日本でF1初参戦シーズンを盛り上げる全国施策を展開

    アウディ 日本でF1初参戦シーズンを盛り上げる全国施策を展開

    アウディ ジャパンは、2026年F1シーズンのAudi Revolut F1 Team初参戦に合わせ、日本国内でファンエンゲージメントを高めるマーケティング施策を本格展開している。

    3月に鈴鹿サーキットで開催されたF1日本GPを皮切りに、ブランドブース、観戦ツアー、全国ディーラーでの店舗装飾、ポッドキャスト展開などを通じて、アウディのF1挑戦をより身近に感じられるブランド体験の場を広げている。

    F1日本GPでアウディブランドを体験型で訴求
    アウディ ジャパンは、3月27日から29日に鈴鹿で開催されたF1日本GPのFAN ZONEにブランドブースを出展した。

    ブースには、アウディのハイパフォーマンス電動グランツーリスモ「Audi RS e-tron GT performance」の限定車「Audi RS e-tron GT performance exclusive edition」を展示。来場者に向けて、アウディの先進性と電動化技術を印象づけた。

    さらに、アウディのモータースポーツの歴史を紹介するパネル、Audi Revolut F1 Teamのマシン紹介、ニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトのドライバー紹介パネル、レースで使用されるタイヤなども展示。F1初参戦に向けたブランドの挑戦を、多角的に伝える内容となった。

    VIP観戦ツアーでブランド体験を強化
    日本GP期間中には、アウディの顧客向けにVIP Suite Premiumでの観戦ツアーも実施された。

    参加者は、フォーリングスのキャップやフラッグなどAudi Revolut F1 Teamの応援グッズを手に、ラグジュアリーな空間でレースを観戦。観戦ルームには、F1という世界最高峰の舞台に挑むアウディへの期待と声援が集まり、熱気ある雰囲気に包まれた。

    全国ディーラーにもF1の世界観を展開
    鈴鹿での盛り上がりは、全国のアウディ正規ディーラーにも広がっている。

    ショールームでは、ドライバー2名の等身大パネルやレース結果を紹介するリザルトボードを展示し、店舗全体をF1カラーで演出。スタッフはF1応援ユニフォームを着用し、レース開催国にちなんだスイーツで来場者をもてなすなど、Audi Revolut F1 Teamを身近に感じられる空間づくりを行っている。

    Audi City銀座、Audi City日本橋、Audi世田谷、Audi名古屋瑞穂の4店舗では、巨大ウィンドウステッカーやイルミネーションウォールなどの特別デコレーションも展開。ショールームの外からも、アウディのF1参戦を印象づけるビジュアルを掲出している。

    アウディ F1

    ポッドキャストで新たなファン層にも接点
    シーズン開幕前からは、F1の魅力を伝えるオリジナルポッドキャスト番組「J-WAVE Podcast RACING FOR PROGRESS supported by Audi」も配信されている。

    F1実況で知られるJ-WAVEナビゲーターのサッシャ氏と、同じくJ-WAVEナビゲーターの川口ゆりな氏が、F1やモータースポーツを親しみやすく解説。エピソード4まで公開され、YouTubeでの総再生回数は2026年5月11日時点で29万回を超えている。

    専門的なテーマをわかりやすく伝える構成により、既存のF1ファンだけでなく、これからモータースポーツに触れる層にもアプローチする狙いがある。

    アウディは、モータースポーツを単なる競技ではなく、技術革新の場であり、ブランド価値を高める重要なプラットフォームと位置づけている。F1初参戦シーズンを通じて、日本国内でもブランド体験とファン接点を拡大し、Audi Revolut F1 Teamへの関心を継続的に高めていく。