カテゴリー: アウディ

  • マクラーレンF1 メルセデス離脱も検討 アウディとの提携が実現しなかった理由

    マクラーレンF1 メルセデス離脱も検討 アウディとの提携が実現しなかった理由

    2026年の新レギュレーション導入後、マクラーレンは苦戦を強いられている。コンストラクターズランキングではメルセデス、フェラーリに続く3位につけているものの、首位メルセデスとの差はすでに126ポイントに広がっている。

    そんな中、マクラーレンが過去にメルセデスとのパワーユニット契約継続を見直し、アウディとのワークス提携を検討していたことが明らかになった。しかし、その構想は最終的に実現しなかった。

    カスタマーチームの限界を痛感するマクラーレン
    2026年シーズン序盤には、マクラーレンとメルセデスの間でサポート体制を巡る緊張関係が報じられた。ただし、その問題は現在では沈静化しているとみられている。

    それでもマクラーレンは、新規則下でカスタマーチームであることが不利に働いていると認めている。現在の上位4チームの中で、自社製パワーユニットを持たないのはマクラーレンだけだ。

    チーム代表のアンドレア・ステラは『The Race』に対し、その違いについて次のように説明した。

    「統合の機会が少なくなるからだ。信頼性の問題に対処するタイミングや、パワーユニットの性能を引き出すための開発スケジュールを一致させることが難しくなる」

    「ワークスチームであれば、シャシー側の実験をパワーユニットの長距離テストと組み合わせることができる」

    つまり、メルセデスやフェラーリのようなワークス体制では、車体とパワーユニットを一体で開発できる一方、マクラーレンはその恩恵を受けられないということだ。

    アウディとの提携案は「チーム所有」が障壁に
    同メディアによると、マクラーレンはメルセデスとの契約更新を検討していた時期に、アウディとのワークス提携も選択肢として模索していた。

    その構想は現在のアストンマーティンとホンダの関係に近いもので、アウディのワークスチームとして参戦する可能性があったという。

    しかし最大の障害となったのは、アウディ側がチームの所有権を求めていたことだった。

    マクラーレンはチーム運営の主導権を手放す意思がなく、交渉は進展しなかった。その結果、アウディはザウバーを買収し、自らのワークスチームとして参戦する道を選んだ。

    この判断は現在の状況を見る限り、マクラーレンにとっても合理的だったと言える。アウディは新PUメーカーとして健闘しているものの、依然としてトップ争いには加われていない。

    自社PU構想も残るが最優先はメルセデス継続
    近年、レッドブルがレッドブル・パワートレインズを設立し、自社エンジン開発へ踏み出したことから、マクラーレンにも同様の選択肢があるのではないかとの議論が続いている。

    実際、マクラーレンは将来的な自社パワートレイン部門設立の可能性を否定していない。

    しかし現時点での優先事項はメルセデスとの協力関係維持だ。両者は2023年に2030年までパートナーシップを延長する契約を締結している。

    シーズン序盤には、ザク・ブラウン率いるマクラーレンがコンストラクターズ選手権を連覇したことを受け、一部メルセデス関係者が顧客チームとしてのマクラーレンとの関係見直しを望んでいるとの報道もあった。しかし現在、その懸念は後退したとされる。

    2026年規則下で最強と評価されるメルセデス製パワーユニットを使用できることは、マクラーレンにとって依然として大きな武器である。ワークス体制への憧れはあるものの、短期間で再び頂点争いへ復帰するためには、メルセデスとの提携継続が最も現実的な選択肢となりそうだ。

  • FIAとアウディF1が対立か V8エンジン回帰でターボ存続を巡る攻防

    FIAとアウディF1が対立か V8エンジン回帰でターボ存続を巡る攻防

    FIA(国際自動車連盟)が推進する2030年以降の次世代F1パワーユニット構想を巡り、新たな対立構図が浮かび上がっている。

    モハメド・ビン・スライエムFIA会長は自然吸気のV型8気筒エンジンへの回帰を強く支持している一方で、アウディはターボチャージャーの継続採用を主張しており、両者の考え方の違いが鮮明になった。

    2026年から導入される新世代パワーユニットは重量増加や複雑化が批判されているが、FIAはすでに2027年と2028年に内燃機関の比率を引き上げる方向へ舵を切っている。そして2030年または2031年からは、さらにシンプルなV8ハイブリッドへの移行を目指している。

    FIA会長「V8は決定事項」
    ル・マン24時間レースの会場で取材に応じたモハメド・ビン・スライエムは、V8エンジンへの回帰が既定路線であると明言した。

    「V8は決定事項だ。すでに決断は下された」

    FIAは現在のパワーユニット開発費が過度に高騰していることを問題視している。

    「研究開発には2億ユーロ(約372億円)以上が必要だ。レッドブルは現在のエンジンに13億ユーロ(約2418億円)以上を投資した。ばかげている」

    FIAの構想では、V8エンジンに10%程度の軽量ハイブリッドシステムを組み合わせ、持続可能燃料を使用することで十分な性能を確保できるという。

    ビン・スライエムは、ターボチャージャーを廃止することで大幅な軽量化とコスト削減が可能になると説明した。

    「ターボを搭載すればウェイストゲートやインタークーラー、配管が必要になる。すべて重量増加につながり、コストもかかる」

    「使命はシンプル化、コスト管理、そしてファンが喜ぶサウンドを取り戻すことだ」

    さらにFIAの試算では、V8と軽量ハイブリッドを組み合わせることで約760馬力を発生し、ハイブリッドシステムを加えれば約880馬力に達するとされている。加えて車重も630kg前後まで削減できる可能性があり、現在のF1マシンより大幅な軽量化が期待されている。

    アウディはターボ維持を希望
    しかし、アウディはFIAとは異なる立場を取っている。

    モナコGPの週末にアウディCEOのゲルノート・デルナーは、ターボチャージャーの継続採用を支持する考えを改めて示した。

    「効率性の観点からターボチャージャーを好んでいる」

    「アウディにとって最も重要なのは持続可能性の理念を維持し、エネルギー効率をF1規則の柱として残すことだ」

    報道によると、アウディは新型スーパーカー『ヌヴォラーリ』に採用された技術に近いツインターボ方式にも関心を示しているという。

    これは「軽量化とシンプル化」を重視するFIAと、「効率性と技術的先進性」を重視するアウディとの価値観の違いを象徴している。

    F1が持続可能燃料時代へ移行する中で、自動車メーカー各社は市販車への技術還元を重視している。特にアウディにとってターボ技術はブランド戦略の中心にあるため、今後のルール策定交渉でも重要な論点となりそうだ。

    2030年導入へ向けた駆け引き
    FIAは2030年からの新規則導入を希望しているが、自動車メーカーとの合意形成が前提となる。

    一方でビン・スライエムは、仮にメーカー側との合意が得られなくても、2031年以降はFIA主導で規則を策定する可能性を示唆した。

    「もちろん意見交換は良いことだ。FIAはパワーユニットメーカーの要望に耳を傾けている」

    「しかし私たちとしては軽量でシンプルな設計を望んでいる。変更にかかる時間も短くしたい」

    現在F1にはレッドブル・フォード、メルセデス、フェラーリ、ホンダ、アウディ、キャデラックの6メーカーが参戦または参戦予定であり、全社の利害を一致させるのは容易ではない。

    2030年からの新規則が実現するか、それとも2031年まで議論が持ち越されるかは不透明だが、次世代エンジンの方向性を決定づける重要な議論がすでに始まっている。

    ドライバーたちはV8回帰を歓迎
    興味深いことに、多くのドライバーはFIAの方向性を支持している。

    アストンマーティンのランス・ストロールは2026年マシンについて厳しい評価を下した。

    「僕に言わせれば来年にでもV8へ戻るべきだ」

    「クルマのことを知っている人なら誰でも、このマシンが運転しづらいことは分かっていただろう」

    「バッテリーや回生システムなど、重量を増やすものが増えればこうなるのは当然だった」

    さらにフェルナンド・アロンソは、FIA案よりもさらに踏み込んだ意見を示した。

    「僕は電動部分を完全になくしたい」

    「電動システムはレースそのものに大きな付加価値を与えていない」

    「フォーミュラEという完全電動カテゴリーがすでに存在する。そこで技術開発を極限まで進めればいい」

    2026年の新レギュレーションでは電動出力の比率が大幅に高まり、ドライバーの間からは重量増加やエネルギーマネジメントへの不満が相次いでいる。今回のV8回帰論争は単なる懐古主義ではなく、F1が競技として何を重視するべきかという根本的な議論でもある。

    FIAが求める「軽量・低コスト・高音質」の方向性と、アウディが重視する「効率性・技術革新・市販車との関連性」。両者の主張にはそれぞれ合理性があり、2030年代のF1エンジン規則は今後数年間にわたって激しい議論の対象となりそうだ。

  • ニコ・ヒュルケンベルグに珍事 ローソンが巻き上げた小石で緊急停止装置が作動

    ニコ・ヒュルケンベルグに珍事 ローソンが巻き上げた小石で緊急停止装置が作動

    ニコ・ヒュルケンベルグにとって、2026年F1バルセロナ・カタルーニャGPは信じがたい形で終わった。アウディのヒュルケンベルグは入賞圏内を走行していたが、リアム・ローソンが巻き上げた小石がマシンの緊急停止装置を作動させるという前代未聞のトラブルに見舞われ、リタイアを余儀なくされた。

    レース後に明らかになった原因は、通常では考えにくい偶発的なアクシデントだった。ヒュルケンベルグ自身も「こんなことは聞いたことがない」と驚きを隠せなかった。

    ローソンが巻き上げた小石が緊急停止装置を作動
    ヒュルケンベルグはポイント圏内でレーシングブルズのリアム・ローソンを追走していた。その際、ローソンがターン12出口でコース外のグラベルにタイヤを落とし、大量の小石を巻き上げた。

    その中の1つがヒュルケンベルグのマシン左側ロールフープ付近にある緊急停止用のプルコードに直撃。結果としてエンジンキルスイッチが作動し、パワーユニットが停止してしまった。

    ヒュルケンベルグは次のように説明した。

    「ローソンがターン12出口でタイヤをグラベルに落として大量の小石を巻き上げた。そして、その小石のひとつがロールフープ左側にある緊急停止装置のトリガーを引いてしまい、マシンが停止したんだ」

    マシンは惰性でピットまで戻ることはできたものの、再始動は不可能だったため、そのままレース終了となった。

    ヒュルケンベルグも困惑「キャリアで聞いたことがない」
    この珍事についてヒュルケンベルグは困惑した様子で語った。

    「正直なところ、自分のキャリアの中でこんな話は見たことも聞いたこともなかった」

    「本当に不運だったし、奇妙だった。しかもレース終盤には上位を走っていた2台がリタイアしたことを考えると、なおさらだ」

    「レースの神様は、まだ僕たちにポイントを与えたくないみたいだ」

    終盤にはアンドレア・キミ・アントネッリとフェルナンド・アロンソが相次いでリタイアしており、ヒュルケンベルグが走り続けていれば入賞の可能性は十分にあっただけに、悔やまれる結果となった。

    ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)

    ローソンも驚き「そんなことが起きるなんて」
    一方、当事者となったローソンはレース中、自身がヒュルケンベルグのリタイアに関与したことを知らなかった。

    レース後に事情を聞かされると、ローソンは驚きを隠せなかった。

    「本当に? まさか」

    「それは本当に不運だね。もちろん僕は全く知らなかったし、もしそんなことを狙ってできるなら大したものだけど……」

    「本当に知らなかった。彼がリタイアしたことだけは知っていたけどね」

    ローソンは9位でフィニッシュして貴重な2ポイントを獲得。一方のアウディはヒュルケンベルグがリタイアし、ガブリエル・ボルトレトもポイント圏外に終わったことで、またしても得点機会を逃すことになった。

    【関連】
    ・F1バルセロナ・カタルーニャGP 決勝 結果・タイムシート

  • ポール・アロン アウディ初走行のF1バルセロナGP FP1で6番手「とても満足」

    ポール・アロン アウディ初走行のF1バルセロナGP FP1で6番手「とても満足」

    アルピーヌ育成ドライバーのポール・アロンは、2026年F1第7戦バルセロナ・カタルーニャGPのFP1でアウディF1から走行し、6番手タイムを記録した。ニコ・ヒュルケンベルグに代わってマシンを任されたアロンは、プログラムを完遂したうえで好タイムも記録し、「非常に満足している」と振り返った。

    アウディF1はルーキードライバー起用義務の一環としてアロンを起用。2026年仕様車での初走行となったエストニア人ドライバーは24周を走行し、1分17秒321を記録して6番手につけた。

    初の2026年型マシンで存在感
    アロンは今回が2026年レギュレーション車両での初走行だった。

    「アウディF1で非常に成功したFP1になった。新レギュレーションの2026年型マシンをドライブする初めての機会だったし、事前にかなり準備していたとはいえ、実際のマシンで体験するのとは全く違う」

    「学ぶべきことや適応しなければならないことは多かったが、セッションの進め方にはとても満足している」

    チームにとって重要だった走行プログラムをすべて消化しながら、競争力のあるタイムを記録できたことも収穫だった。

    「チームが求めていた走行プログラムをすべて完了できたことが重要だった。競争力のあるペースで終えられたのはうれしいボーナスだった」

    ミッションは完璧に達成
    走行後のインタビューでは、FP1の内容に高い満足感を示した。

    ――今日のFP1はどうだった?

    「うまくいったと思うし、チームもそう考えている。僕にとって本当に良い一日だった」

    「最優先事項はプログラムを完了することだった。最初はセンサーを装着してデータを収集し、その後はソフトタイヤで2回走行した。最後はロングランも実施した」

    「ミスもなく、マシンにダメージも与えなかった。それが2つ目の目標だった。そして最終的には速いラップタイムを記録することも重要だったが、それも達成できた。6番手にはとても満足している」

    アウディとアルピーヌへ感謝
    今回の走行機会は、アロンが所属するアルピーヌとアウディF1の協力によって実現した。

    「もちろん、彼らがいたから今日ここで走ることができた。再びF1マシンをドライブする機会を与えてくれた両チームには本当に感謝している」

    「ライバルチーム同士が同じドライバーにチャンスを与えることはそう多くない。実現してくれた双方に大きな感謝を伝えたい」

    さらにマシンを託したヒュルケンベルグにも謝意を示した。

    「ニコにも感謝したい。彼のマシンを借りたけれど、しっかり面倒を見たので彼も満足してくれたと思う」

    ポール・アロン アウディ F1 バルセロナ

    次はオーストリアGPで再びFP1へ
    アロンは今季2回目のFP1出走として、次戦オーストリアGPでも走行機会を得る予定となっている。

    「これまでの経験では、走行機会の間隔が何カ月も空くことが多かった。でも今回は比較的近いタイミングで次のFP1があるので、今回学んだことを積み重ねることができる」

    「FP1のある週は本当にドライバーになった気分だ。シミュレーターに乗り、ミーティングに参加し、金曜日には自分がマシンを運転することを分かっている」

    「その後はまたテレビを見る側に戻ることになるけれど、それまではフルタイムドライバーと同じような準備をしている。だからこうした週末は本当に楽しい」

    アロンは最後に、「オーストリアはとても好きなサーキットなので、今から走るのが楽しみだ」と語り、次回のFP1出走へ意欲を見せた。

    【関連】
    ・F1バルセロナ・カタルーニャGP フリー走行1回目 結果・タイムシート

  • マルク・マルケスがアウディF1を訪問 ボルトレトとヒュルケンベルグが歓迎

    マルク・マルケスがアウディF1を訪問 ボルトレトとヒュルケンベルグが歓迎

    MotoGPの6度の最高峰王者であるマルク・マルケスが、F1バルセロナ・カタルーニャGPの週末にアウディF1のガレージを訪問した。

    今季からF1に参戦するアウディF1のゲストとして招かれたマルク・マルケスは、チームのピットガレージを見学し、ドライバーたちとの交流を楽しんだ。

    アウディF1のガレージを特別訪問
    F1が開催されているバルセロナ・カタルーニャ・サーキットには、多くのモータースポーツ関係者が集まっている。その中で注目を集めたのが、MotoGP界のスターであるマルク・マルケスの来場だった。

    アウディF1の招待を受けたマルク・マルケスは、チームのガレージを訪れ、F1マシンやチームの作業環境を間近で見学。2026年から活動するアウディF1の現場を体験した。

    ボルトレトとヒュルケンベルグが歓迎
    ガレージではドライバーのガブリエル・ボルトレトとニコ・ヒュルケンベルグがマルケスを出迎えた。

    マルケスはF1マシンのコクピットに座る機会も得て、ドライバーがどのような姿勢でマシンを操作しているのかを体感。チームスタッフからコクピット内の各種操作やシステムについて説明を受けた。

    マルク・マルケス アウディ F1

    特別なプレゼントも
    訪問の最後には、ボルトレトとヒュルケンベルグのサイン入りシューズがマルケスへ贈られた。

    またマルケスは週末を通じてアウディF1のホスピタリティやガレージからセッションを観戦する予定で、MotoGPとF1という世界最高峰カテゴリー同士の交流が実現した形となった。

    今週末のバルセロナ・カタルーニャGPでは、F1マシンの走行だけでなく、異なるカテゴリーのトップライダーとドライバーによる交流もパドックの話題となっている。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ F1モナコGP裁定に不満 「弁明の機会すらなかった」

    ニコ・ヒュルケンベルグ F1モナコGP裁定に不満 「弁明の機会すらなかった」

    ニコ・ヒュルケンベルグは、F1モナコGPで科された10秒加算ペナルティについて、スチュワードに説明する機会すら与えられなかったとして不満を示した。

    アウディF1のヒュルケンベルグは、赤旗再開後のフェアモント・ヘアピンでカルロス・サインツJr.と接触。この件でレース後に10秒加算ペナルティを受け、9位から13位へ後退した。これにより、獲得していたはずの2ポイントを失う結果となった。

    ヒュルケンベルグ 「混乱の発端はラッセルだった」
    ヒュルケンベルグは接触の原因として、ジョージ・ラッセルがペナルティ消化のために意図的に後続との間隔を広げようとしたことが、集団全体の混乱を招いたと主張した。

    レース後に映像を確認したというヒュルケンベルグは、当時の状況を次のように振り返った。

    「リプレイを見た。僕としては、すべてはジョージがペナルティのために後続集団を抑えたところから始まっている」

    「それが明らかに混乱を生み出した。特にモナコではクルマ同士が折り重なるような状況になる」

    「ミラボーを立ち上がったとき、右のイン側にはフェルナンド(アロンソ)がいて、エステバン(オコン)は別のクルマと争っていた」

    「僕は左右を何度も確認しながら走っていたが、突然エステバンを避けなければならなくなった」

    「だから最初からイン側のラインに入ることになったんだ」

    サインツJr.にも回避の余地があったと主張
    ヒュルケンベルグはヘアピンのイン側でフルロック状態となり、コーナー出口で十分なスペースを確保できなかった。

    一方のサインツJr.はウィリアムズのチームメイトであるアレクサンダー・アルボンの外側から進入し、その後ろへ入ろうとしていた。

    ヒュルケンベルグは、サインツJr.にも接触を避ける余地があったとの見方を示した。

    「カルロスもアウト側にいたと思う」

    「彼は全員が密集していることを分かっていたはずだ。それなのにかなり大きく切り返してきた」

    「もう少し外側を維持していれば自分自身を守ることもできたはずだ。あそこまで切り返す必要はなかったと思う」

    「結局のところ1周目だったし、1台のクルマが後ろの10台を詰まらせていた状況だった」

    「だからスペースは限られるし、特にモナコの1周目ではこうしたことはレースでは起こり得る」

    最大の不満は裁定手続き
    ヒュルケンベルグにとって問題だったのは接触そのものだけではなかった。

    スチュワードはヒュルケンベルグを接触の原因と判断し、レース後に10秒加算ペナルティを科した。しかし、その過程でドライバーやチームが事情を説明する機会が与えられなかったという。

    ヒュルケンベルグは通常の審議手続きが行われなかったことに疑問を呈した。

    「僕にとって少し奇妙だったのは、ペナルティが即座に科されたことだ」

    「調査対象になったわけでもなく、普段のようにスチュワードのところへ行って説明する機会もなかった」

    「それは僕たちにとって明らかに残念だった」

    アウディF1にとって痛いポイント喪失
    今回の裁定により、ヒュルケンベルグは9位入賞で得られる2ポイントを失った。

    これはザウバーからアウディF1へ移行して以降、チームにとって2度目となるトップ10フィニッシュの機会を逃したことを意味する。

    ヒュルケンベルグは接触の責任判断だけでなく、裁定までのプロセスそのものにも納得しておらず、モナコGPの後味の悪い余波は依然として続いている。

  • アウディF1 ポール・アロンをバルセロナとオーストリアのFP1に起用

    アウディF1 ポール・アロンをバルセロナとオーストリアのFP1に起用

    アウディF1は、ポール・アロンを2026年シーズンのフリー走行に起用すると発表した。アロンは今週末のF1バルセロナ・カタルーニャGPと今月末のF1オーストリアGPのFP1に出走し、それぞれニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトのマシンをドライブする。

    今回の起用はFIAが定める若手ドライバー起用義務の一環であり、アロンにとってはF1マシンでの経験をさらに積む貴重な機会となる。アウディF1にとっても、週末の走行プログラムを進めながら将来有望な若手の育成を進める場となる。

    スペインGPとオーストリアGPで走行
    エストニア出身のポール・アロンは、スペインGPのFP1でニコ・ヒュルケンベルグに代わって走行する。その後、オーストリアGPではガブリエル・ボルトレトに代わってマシンをドライブする予定だ。

    いずれのグランプリでもFP1のみを担当し、その後はアルピーヌでの活動に戻ることになる。

    2025年に続くアウディF1での走行機会
    アロンは2025年にもアウディF1のマシンで2度の走行機会を得ており、今回の起用はそれに続くものとなる。

    これらのセッションは、若手ドライバーとしてF1マシンでの経験を積むだけでなく、チームの走行プログラムやデータ収集にも貢献する重要な役割を担う。

    FIAの若手ドライバー起用義務
    FIAのレギュレーションでは、F1世界選手権に参戦する各ドライバーがシーズン中に2回、自身のマシンを若手ドライバーへ譲ることが義務付けられている。

    アロンのバルセロナとシュピールベルクでの走行は、この規定に基づくものだ。アウディF1は、アロンにさらなる実戦経験を積ませることで将来に向けた育成を進めるとともに、チームのオン・トラックプログラムにも活用していく。

  • アウディF1が規則変更に反対 「安定性が最優先」 フェルスタッペンに逆風

    アウディF1が規則変更に反対 「安定性が最優先」 フェルスタッペンに逆風

    2027年に向けて議論が続くF1パワーユニット規則の見直しについて、アウディF1が現行レギュレーションの維持を支持する姿勢を明確にした。CEOのゲルノート・デルナーは、コスト効率と開発計画の観点から「安定性」が最も重要だと強調している。

    現在、F1では2026年に導入された新パワーユニット規則の見直しが検討されており、内燃機関と電動出力の比率を実質50対50から60対40へ変更する案が議論されている。

    しかし、アウディF1やフェラーリはこうした変更に慎重な姿勢を示しているとされる。

    アウディF1 CEO「安定性が重要」
    規則変更の可能性について、デルナーはRacingNews365を含む一部メディアの取材に対し、アウディF1の立場を次のように説明した。

    「我々の立場は規則の安定性を維持することだ。それが非常に明確な見解だ」

    「新規参入メーカーであることも理由のひとつだが、もうひとつはコスト効率だ」

    「最も重要なのはコストキャップを念頭に置くことだ」

    「我々は他社より低い位置からスタートしており、技術開発の成長曲線はより急なものになっている。そのプロセスを考えると、安定性には満足している」

    2026年からワークス参戦を開始したアウディF1は、現行規則を前提に開発と投資を進めてきた。そのため、レギュレーション導入直後の大幅な変更には消極的な姿勢を示している。

    フェルスタッペンの要求に逆風
    アウディF1の立場は、60対40への変更を支持しているマックス・フェルスタッペンにとって逆風となる可能性がある。

    フェルスタッペンはこれまで、現行の50対50配分ではエネルギーマネジメントの負担が大きすぎるとして、少なくとも60対40への変更が必要との考えを示してきた。

    しかし、パワーユニット規則の変更には5メーカー中4メーカーの賛成が必要とされている。アウディF1とフェラーリが反対を維持した場合、2027年からの変更案成立は極めて難しくなる。

    また、フェラーリのカスタマーチームであるキャデラックF1も60対40案に懸念を抱いているとみられており、議論は今後も続く見通しだ。

    2027年に向けて協議継続
    それでもデルナーは、最終的には各メーカーが受け入れられる解決策が見つかるとの見方を示している。

    「議論のプロセスは進行中であり、適切に管理されている」

    「我々も他のエンジンメーカーとともにそのプロセスに参加している」

    「だから2027年には良い解決策が用意されると考えている」

    2026年の新規則導入からわずか1年で方向転換するのか、それとも現行レギュレーションを維持するのか。各メーカーの利害が交錯する中、F1の将来を左右する重要な協議が続いている。

  • アウディ・ヌヴォラーリ F1技術投入の1001PSスーパーカーを発表

    アウディ・ヌヴォラーリ F1技術投入の1001PSスーパーカーを発表

    アウディは、高性能ハイブリッドパワートレインを搭載した新型スーパーカー「Audi Nuvolari(アウディ・ヌヴォラーリ)」を発表した。システム最高出力1001PS、最高速度350km/h超を誇り、アウディ史上最もパワフルかつ最速の市販モデルとなる。

    499台限定で生産され、2027年前半から納車を開始する予定だ。アウディはこのモデルを通じて、2026年から参戦するF1プログラムで培った技術を市販車へ展開する姿勢を鮮明に打ち出している。

    F1プロジェクトを背景に誕生した1001PSのスーパーカー
    アウディ・ヌヴォラーリは4.0リッターV8ツインターボエンジンと3基のアキシャルフラックスモーターを組み合わせた高性能ハイブリッドシステムを採用する。

    V8エンジン単体で800hpを発生し、システム全体では736kW(1001PS)を実現。0-100km/h加速は2.6秒、0-200km/h加速は6.8秒、最高速度は350km/hを超える。

    エンジンは最大10,000rpmまで回転し、従来はモータースポーツ専用だった領域に踏み込んでいる。

    AUDI AG取締役会会長のゲルノート・デルナーは次のように語った。

    「アウディ・ヌヴォラーリによって、私たちは技術の進歩を加速させている。技術、パフォーマンス、そしてチームワークによる実行力に焦点を当てたときに何が実現できるのかを示している」

    F1由来の技術を市販車へ投入
    アウディはアウディ・ヌヴォラーリについて、「F1にインスパイアされた技術」を数多く採用したモデルだと説明している。

    その代表例がアクティブエアロダイナミクスだ。

    展開式リアウイングはクローズド、ローダウンフォース、ハイダウンフォースの3段階で作動し、F1でおなじみのDRS(ドラッグ・リダクション・システム)も搭載する。高速走行時には空気抵抗を低減し、最高速度と効率の向上に貢献する。

    また、ハイダウンフォース設定では400kg以上のダウンフォースを発生させるという。

    さらに、開発段階ではアウディのF1ドライバーからフィードバックを受けながら空力性能の最適化が進められた。

    アウディ・ヌヴォラーリ

    ERSの思想を取り入れたハイブリッドシステム
    アウディ・ヌヴォラーリのハイブリッドシステムにもF1との共通点が見られる。

    現在のF1パワーユニットは内燃エンジンと電動システムを組み合わせたハイブリッド構成を採用しているが、アウディ・ヌヴォラーリも3基の電動モーターとV8エンジンを統合制御することでパフォーマンスを最大化している。

    エネルギー回生によって蓄えた電力を加速時に活用する制御思想は、F1のERS(エネルギー回生システム)にも通じるものだ。

    アウディはローンチコントロール機能についても、F1由来のコンセプトを採用していると説明している。

    ブレーキ・バイ・ワイヤとカーボン技術
    ブレーキシステムにもモータースポーツ由来の技術が投入された。

    アウディ・ヌヴォラーリはブレーキ・バイ・ワイヤシステムを採用し、回生ブレーキと油圧ブレーキを統合制御する。これは2014年以降のF1で使用されているシステムと同じ考え方だ。

    また、新開発のAudi セラミック プロ ブレーキ システムは最大2.8メガワットのエネルギー吸収能力を持ち、アウディは「現在のF1カーと同レベル」と説明している。

    車体構造にはアウディ伝統のASF(アウディ・スペース・フレーム)を発展させたカーボンエクステリアASFを採用。ほぼすべての外装部品にCFRPを使用し、F1マシンの製造でも用いられるプリプレグ・オートクレーブ技術によって成形される。

    F1参戦が市販車開発の推進力に
    アウディは2026年からF1にワークス参戦しているが、アウディ・ヌヴォラーリはその技術的成果を象徴するモデルとして位置付けられている。

    AUDI AG CTOのルーヴェン・モールは、F1プロジェクトと市販車開発の関係について次のように説明した。

    「我々チーム全体の技術的な専門知識、革新的な強み、そして献身的な姿勢を示した。これは車両性能だけでなく、F1にインスパイアされた技術を迅速かつ正確に市販モデルへ導入した能力にも表れている」

    アウディ・ヌヴォラーリは、単なる限定生産のスーパーカーではない。アウディがF1参戦によって得た知見をロードカーへ反映する最初の象徴的なモデルとして、ブランドの技術力と将来像を示す存在となりそうだ。

  • アウディF1 2027年エンジン規則変更に反対「開発の助けにはならない」

    アウディF1 2027年エンジン規則変更に反対「開発の助けにはならない」

    アウディは、2027年F1パワーユニット規則の見直し案に反対する姿勢を明確にした。内燃エンジンと電動出力の比率を現在のほぼ50対50から、内燃エンジン寄りの60対40へ戻す案をめぐり、モナコでの協議を前に議論が激しくなっている。

    この案は、燃料流量を増やすことで内燃エンジン側に実質50kWを上乗せし、その一方で電動側を50kW削減するというものだ。ファンやドライバーから不評を買っている現在のパワーユニット構成を、2027年から部分的に修正する狙いがある。

    アウディが示した明確な反対姿勢
    アウディCEOのゲルノット・デルナーは、モナコでPlanetF1.comを含む一部メディアに対し、現在の規則を維持したいと語った。

    「我々としては、今あるものを維持したい。理由は2つある」とデルナーはコメント。

    「まず、我々は今のマシンに搭載しているシステムに取り組まなければならない。プロジェクトの中で最適化すべきことが数多くあり、この変更は現在のドライブトレインを最適化していく道筋の助けにはならない」

    「もうひとつはコストキャップだ」

    「その変更によって、我々が資金を投入したい他の領域から予算が奪われることになる」

    「それが我々の見解だ。ただし、FIAがこのプロセスを主導している」

    「我々もそのプロセスの一部であり、今後数日、あるいは数週間のうちに、2027年に向けた解決策とレギュレーションが出てくると考えている」

    妥協よりも現行規則維持を望むアウディ
    2027年に向けた比率変更には、パワーユニット諮問委員会でのスーパー・マジョリティによる支持が必要となる。フェラーリも懸念を示しているが、妥協の余地はあるとみられている。

    一方、アウディの姿勢はより強硬だ。デルナーは、規則が決まれば対応するしかないとしながらも、望ましい方向ではないと強調した。

    「まずレギュレーションについての決定が必要だ。そのうえで、それが我々の開発プロセスに何を意味するのか、当然ながら見解を持つことになる」

    「だが、レギュレーションが導入されれば、我々はそれに適応しなければならない。そういうものだ。ただ、我々としてはそれを望んでいない。それは非常に明確だ」

    メーカー誘致のための規則が新たな対立点に
    現在のパワーユニット規則は、アウディを含む新規メーカーをF1に呼び込むために策定された。しかし、その結果として生まれたエンジン構成はファンの支持を得られず、ドライバーからも批判を受けている。

    F1は少なくとも2030年までは現在のパワーユニット構成に縛られる見通しであり、2027年案はその制約の中で、より受け入れられやすい方向へ戻すための現実的な修正案と位置づけられている。

    さらに先の2030年または2031年以降については、よりシンプルなエンジン、さらにはV8復活を求める動きもある。FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、その構想を推進している。

    デルナーは、2030年から2031年に向けた議論についても、FIA主導のプロセスに加わっていると説明した。

    「2030年から2031年に関するレギュレーションの議論はFIAが主導している」

    「我々もそのプロセスの一部であり、良いプロセスが設定されていると思う。これから何が出てくるのかに対して、我々はオープンだ」

    「我々の視点は常に、効率性と持続可能性に焦点を置いたレギュレーションを求めるというものだった」

    「私の好みを聞くなら、シリンダー数よりもターボチャージャー付きエンジンであることの方が重要だ」

    アウディは2026年F1参入に向けて現行規則を前提に開発を進めてきた。その立場からすれば、2027年の早期変更は開発計画と予算配分の両面で負担となる。だが、F1全体としては現在のエンジン構成への不満が高まっており、アウディの反対は、競技の方向性とメーカー側の投資保護がぶつかる象徴的な論点になっている。