カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • フェルナンド・アロンソ 2026年のF1大改革に抱く“唯一の疑問”とは

    フェルナンド・アロンソ 2026年のF1大改革に抱く“唯一の疑問”とは

    フェルナンド・アロンソは2026年、前人未到の23年目のF1シーズンに突入する。アストンマーティンのベテランドライバーは、シャシーとパワーユニットが同時に刷新される大改革を前に、1つだけ拭えない懸念を明かした。それは「オーバーテイクは本当に成立するのか」という根源的な問題だ。

    2026年マシンはダウンフォース低下とアクティブ・エアロの導入により挙動が一新され、DRSは廃止される。さらに、バッテリー出力は現行比で約3倍となる350kWへ引き上げられるため、エネルギー管理がレースの鍵を握る。

    アロンソはシミュレーター作業の段階で、この“エネルギーとオーバーテイクの両立”こそが最大のハードルだと感じているという。

    アロンソの懸念:“使ったエネルギーのツケ”が次のストレートで返ってくる
    フェルナンド・アロンソは今回の規則変更について「スポーツとしての本質は変わらない」と前置きしつつ、最も気になっている点としてオーバーテイクの難易度を挙げた。

    アクティブ・エアロが導入される2026年は、前走車・後続車ともにストレートでDRS相当の低ドラッグ状態を得られる。そのため、アロンソは「前にいる車と後ろにいる車で空力的な差がなくなる」ことを指摘している。

    その結果、追い抜きのために大量のエネルギーを直線で投入すると、次のストレートで今度は自分が不利になる恐れがあるという。アロンソはこれを“エネルギーのツケ”と表現し、以下のように警鐘を鳴らした。

    「追い抜くためにエネルギーを多く使えば、次のストレートで代償を払うことになる。追い抜いた直後に今度は自分が抜き返される可能性があるからだ」

    この“抜いても抜かれてしまう”状況が続くと、ドライバーがリスクを取ってオーバーテイクに行く動機が薄れる可能性がある。アロンソはそれを「両者が時間を失うだけでメリットがない状況」と説明している。

    鍵を握るのは“タイヤ”──複数ストップのレースが増えれば自然と追い抜きは生まれる
    アロンソがもう一つ強調したのが、2026年のレースを決定づけるのはタイヤだという点だ。

    もしピレリのタイヤが現在よりも劣化しやすく、戦略の幅が生まれれば、アンダーカットやオーバーカットが増え、オーバーテイクは自然と増える。アロンソはこう語っている。

    「3回、4回のピットストップがあるレースになれば、タイヤ性能差が大きくなる。アウトラップで一気に抜けるから、エネルギーもDRSも必要ない」

    つまり、2026年の“オーバーテイク問題”はアクティブ・エアロだけの話ではなく、タイヤの設計方針が大きな影響を与えるという指摘だ。

    2026年は“過去にないレース展開”が生まれる可能性
    アロンソの懸念は、2026年規則がもたらす未知のレース構造を象徴している。エネルギー管理・アクティブ・エアロ・ダウンフォース低下・タイヤの特性といった複数要素が複雑に絡み合うため、オーバーテイクが増えるとも減るとも断言できない。

    アロンソ自身も「実際にマシンが走り始めるまでは、誰にも予測できない」としており、テスト初日の走行データこそが“真の答え”を示すことになる。

    ストレートで共通化された空力挙動と大量の電力をどう使うのか。2026年F1は、これまでとはまったく異なる“新しい勝負の形”を生み出すかもしれない。

  • ニューウェイ 「失敗への恐怖がアストンマーティンF1マシン開発の原動力」

    ニューウェイ 「失敗への恐怖がアストンマーティンF1マシン開発の原動力」

    アストンマーティンで2026年F1レギュレーション初号機の開発を指揮するエイドリアン・ニューウェイが、自身を突き動かす“恐怖心と情熱”について率直に語った。F1史上もっとも成功したデザイナーである65歳の巨匠は、今もなお「失敗への恐れ」が集中力と創造性を生む源泉だと明かしている。

    今年アストンに合流したニューウェイは、空力とパワーユニットの両面で大変革となる2026年新規則のマシン設計を主導しており、チームの変革期におけるプレッシャーと没入状態、そして設計哲学を語った。

    ニューウェイを突き動かす“失敗への恐れ”
    アストンマーティン公式サイトに掲載されたインタビューで、ニューウェイはこう告白した。

    「モチベーションの一部は、失敗への恐怖なんだ」

    「その恐怖を建設的に使う方法を学んできた。管理を誤ればミスにつながるが、うまく扱えば集中し、トンネルビジョンのような状態に入ることができる」

    アストン加入後、彼は膨大な作業量の中で完全に設計に没頭しているという。

    「この3~4か月、妻は僕が“デザイントランス”に入っていると文句を言うよ。左右も見えていないし、あまり社交的じゃないと言われる」

    「限られた処理能力のすべてが、この締め切りの厳しい作業に費やされている。でもこの状態を長く続けるのは良くないし、少し自己中心的にも聞こえるね」

    そしてニューウェイは、成功は個人ではなく“チーム”によるものだと強調した。

    「結局のところ、すべてはチームでどう働くかなんだ」

    変革期のアストンで進む2026年プロジェクト
    アストンマーティンは2026年に向けて急速に規模拡大を進めており、技術部門は現在“定着期”に入っているとニューウェイは語る。

    「正直に言えば、2026年の初号機がどうなるか、僕にはまったく分からない。我々はいま変革の真っ只中なんだ」

    「チームは急速に大きくなった。今はその規模が落ち着きつつあり、みんなをうまく機能させなければならない」

    「“こうなる”“こう成し遂げる”と言いたいタイプではない。満足は、チームとして前進できたと感じられたときに得られる。2026年にそれができれば、それが最初の合格点だ」

    “会議より1対1” ニューウェイ流の創造性
    ニューウェイは、自身の仕事の進め方についても語る。

    「我々は約300人のエンジニアの集団だ。最も大事なのは協力であり、個々の才能よりも“どう協力するか”の方が重要だ」

    「僕自身について言えば、今は1日の約50%を他のエンジニアと過ごしている。CADステーションの前で1対1で作業したり、会議に出たりね」

    「正直に言えば、僕は1対1の方が好きだ。そこでブレインストームが生まれることが多い」

    「大きな会議は、気をつけないと“手続き的な情報交換”だけで終わってしまい、新しいアイデアが生まれない。だから両方が必要だ」

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    迫る1月テスト、設計リリースとの時間との戦い
    2026年マシンは1月末の非公開テストを控えており、主要コンポーネントの設計確定は待ったなしだ。

    「ギアボックス、シャシー、前後サスペンションといった主要な構造部品を、1月のテストに間に合わせてリリースするため、我々は非常に厳しいプレッシャーの中にいる」

    「実際のところ、CFDやビークルダイナミクス、設計コンセプトの作業にこれまで以上に多くの時間、50%ほどを費やしている」

    「みんなの関与と合意がある状態で進めたいという思いは変わらない」

    ニューウェイの“失敗への恐れ”は、これまでもF1最強マシンを次々と生み出してきた原動力だった。そしてその執念と集中力は、アストンマーティンの2026年プロジェクトでも大きな力となる。

    アストンの未来を左右する“恐怖と執念”のデザイン哲学
    アストンマーティンは2026年に向けて大規模な転換期を迎えており、ニューウェイの到来はチーム内部でも“歴史的転機”として捉えられている。彼の語る“恐怖”“没頭”“協働”の哲学は、急成長を続けるチームにとって貴重な指針となるはずだ。

    2026年の新時代に向け、ニューウェイの執念はアストンマーティンをどこまで引き上げるのか。“恐怖”が再びF1を動かす瞬間が近づいている。

  • ストフェル・バンドーン アストンマーティンの2026年F1プロジェクトで重要任務

    ストフェル・バンドーン アストンマーティンの2026年F1プロジェクトで重要任務

    ストフェル・バンドーンは今シーズンF1グリッドにはいないが、アストンマーティンの2026年プロジェクトにおいて重要な役割を担っている。さらに彼は2026年の世界耐久選手権(WEC)でプジョーに復帰することも決まった。

    アロンソ&ストロールのサポート役としてF1活動を続けながら、WECハイパーカープログラムにも関わるという二重任務が動き出している。

    ベルギー出身のリザーブドライバーであるバンドーンは、チームが大規模なレギュレーション変更と新しいホンダ製パワーユニットへの適応を進める中、フォーミュラEとWECを並行していた従来のスケジュールから、F1ガレージおよびシミュレーターでより積極的に関与する役割へと焦点を移している。

    「今はフォーミュラEが終了したので、アストンマーティンでの役割により多くの時間を割けるようになった」とバンドーンはSpeedcafeに語った。

    「今シーズン後半はより多くのレースに参加しているし、イベント前には基本的にシミュレーターで多くの時間を過ごしている。そして、進行中の開発もあって、徐々に2026年に向けたフォーカスを高めていっている」

    バンドーンのレースキャリアは今も活発で、複数のカテゴリーで成功を収めている。

    2018年から2025年までの7シーズンにわたるフォーミュラEでは103戦に出場し、4勝・17回の表彰台・8回のポールポジションを記録。2021-22シーズンにはメルセデスでチャンピオンを獲得し、2019-20シーズンにはアントニオ・フェリックス・ダ・コスタに次ぐランキング2位を獲得した。

    2024/25シーズンはマセラティから参戦し、東京での勝利がGEN3エボ時代におけるチーム唯一の勝利となった。

    マセラティが来季シトロエンに置き換わるのに伴い、バンドーンはフォーミュラEのシーズン12において、トム・ディルマンとともにジャガーTCSレーシングのリザーブ兼シミュレータードライバーに就任する。

    一方で、WECにおける2026年のフルタイムシートは、いわゆる“シリーシーズン”の展開により不透明となっていた。

    ジェネシス・マグマ・レーシングへの移籍計画はフォーミュラEの予定と重なり破談となり、当初彼の離脱を見込んでいたプジョーが再び契約を更新。これにより、2023年から所属するプジョー9X8ハイパーカーでの参戦を2026年も継続することになった。

    この復帰により、バンドーンは長年プジョーに在籍してきたジャン=エリック・ベルニュを置き換えることになる。ベルニュは開発ドライバーとして新たな役割に移行し、9X8に代わる新プロトタイプ構築計画に関与する。

    この体制は1年間限定で、ベルニュは2027年に再びレースドライバーとして復帰する予定だ。35歳のベルニュは引き続きフォーミュラEにも参戦し、名称変更された新チーム「シトロエン(旧DSペンスキー)」で走る。

    この交代は、WEC 2025年シーズン最終戦バーレーン8時間レースを前に火曜日に公式発表された。

    同レースではテオ・プルシェールが#94プジョー9X8でハイパーカーデビューを果たし、マルテ・ヤコブセン、ロイック・デュバルとともに出走する。

    来季のドライバーラインナップ詳細は未発表だが、プジョーは2026年体制としてデュバル、ヤコブセン、ポール・ディ・レスタ、バンドーンの4名を継続し、プルシェールとニック・キャシディを新たに加えることを確認した。

    一方、ミッケル・イェンセンは、バーレーン後にチームを離脱し、2027年のマクラーレンLMDhプログラムに加わる可能性がある。

    ストフェル・バンドーン アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    バンドーンはF1側でも依然としてアストンマーティンの活動に深く関与しており、レース前のミーティングやデブリーフへの参加、シミュレーターでのセットアップ調整などを通じて、アロンソとストロールをサポートしている。

    「今大事なのは、強力なチーム体制を築くことだと思う」とバンドーンは語る。「今のチームには非常に有能な人たちが揃っていて、近いうちにその成果が出始めることを願っている」

    元マクラーレンのチームメイト、フェルナンド・アロンソとの再共演についてはこう話す。

    「彼はいまでも同じモチベーションを持っていると思う。チームとの関わり方のアプローチは少し変わったと思うし、経験も増えた分、いろんな状況への対処の仕方も変わっている。以前より少し違う印象を受けるね」

    また、ランス・ストロールの努力を称え、互いに良い関係を築いていると明かした。

    「僕らは週末を通じてよく話す。同世代だし、F1を始めた時期も近いから、共通点が多い。彼のクルマでのフィーリングについて話すこともあるし、そこに自分の意見を加えたりもする。ランスはとても努力家だよ。あとはクルマをもう少し速くするだけで、近いうちに結果が出るはずだ」

    2026年の新レギュレーションについては慎重な楽観を示した。

    「正直なところ、現時点では誰にとっても未知数だと思う。クルマはこれまでとかなり違う感触になるだろうし、レギュレーション自体も大きく変わる。だからグリッド全体で大きなサプライズがあるかもしれない」

    「とはいえ、F1で一晩にして何かが変わることはない。時間が必要だ。でもこの数カ月間でチームに加わった人たちを見れば、方向性は間違っていないと思う。その成果が見え始めることを期待している」

    アストンマーティンとプジョーの“二足のわらじ”が意味するもの
    2026年に向けて、ストフェル・バンドーンはアストンマーティンF1とプジョーWECの両プロジェクトに関与する数少ないドライバーとなる。

    ホンダとのワークス体制を強化するアストンマーティンにおいて、シミュレーターでの技術支援やセットアップの最適化を担う一方、耐久レースではステランティス傘下での開発ドライバーとして活動を続ける構図だ。

    この二重任務は、ドライバーとしての柔軟性と技術的理解力の高さを象徴しており、特に2026年の「新PU時代」におけるマルチメーカーの連携強化という潮流にも合致している。
    また、フォーミュラEから撤退した今、F1とWECの橋渡し役としての存在感はさらに大きくなるだろう。

    アストンマーティンの開発体制が整う2026年、そしてプジョーが新プロトタイプを見据える同年。ストフェル・バンドーンは、再び“技術と経験の交差点”に立つ存在となる。

  • アストンマーティンF1技術責任者 「ホンダは開発に全力、攻めの姿勢が違う」

    アストンマーティンF1技術責任者 「ホンダは開発に全力、攻めの姿勢が違う」

    アストンマーティンF1のチーフテクニカルオフィサー(CTO)エンリコ・カルディーレは、ホンダが「他メーカーよりも強くプッシュできる」と語った。2026年に向け、ホンダが唯一供給するチームがアストンマーティンであることが大きな強みになるという。

    アストンマーティンは2009年のフォースインディア時代からメルセデス製パワーユニットを使用してきたが、2026年からはホンダ製エンジンに切り替え、正式なワークスチームとなる。

    エイドリアン・ニューウェイとカルディーレの加入、そして2023年5月に発表されたホンダとの提携によって、チームは大きな転換点を迎えている。

    カルディーレはポッドキャスト『Beyond the Grid』で次のように語った。

    「開発段階では、彼ら(ホンダ)は我々のリクエストに完全に集中してくれている。他チームとの妥協をする必要がない。供給先がひとつだけというのは大きなメリットだ」

    「また、供給量が少ない分、開発の自由度が高くなり、より積極的に開発を進めることができる。複数チームを相手にするよりも“攻められる”状況にあるんだ」

    ホンダの“アグレッシブな姿勢”に驚き
    ホンダは過去4シーズンにわたりドライバーズタイトルを獲得しており、アストンマーティンにとってその実績は大きな期待材料となっている。

    カルディーレはフェラーリ在籍時には同チームのエンジン部門と協働していたが、現在は主にシャシー開発に集中しているという。

    「私は基本的にシャシー側の開発に集中しているので、ホンダの動きをすべて見ているわけではない」と前置きしつつも、「ただ、彼らのコミットメントと開発へのアグレッシブなアプローチには本当に驚いている」と称賛した。

    「彼らは非常にオープンで、我々のシャシー側からの要望にも柔軟に対応してくれている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業 F1

    2026年レギュレーションにも創造の余地
    2026年の新レギュレーションは「制約が多すぎる」との批判もあるが、カルディーレはむしろ創造性を発揮する余地があると指摘する。

    「2021年の新レギュレーションのときも同じ感覚を覚えた」とカルディーレは振り返る。

    「一見すると制限が多くて残念に思えるが、実際に取り組んでみると、創造的な発想を生かせる余地がある。新しい解決策を見つけ、開発の中でロード(空力的な荷重)を引き出す自由度が確かにあるんだ」

    「今回のレギュレーションも同じだ。最初は“厳しすぎる”と思ったが、実際に手を動かすと、開発に使える自由度が見えてくる」

    アストンマーティン×ホンダ体制の可能性
    カルディーレの言葉からは、ホンダとアストンマーティンの協力体制が非常に密接で、双方が2026年の新時代に向けて積極的に取り組んでいる様子がうかがえる。

    1チーム体制により、ホンダはアストンマーティン専用のPU開発に全力を注ぐことが可能になり、レッドブル時代には得られなかった“完全なワークス環境”が整う。

    エイドリアン・ニューウェイ、カルディーレ、そしてホンダ——この新たな技術トライアングルがどのようなマシンを生み出すのか、2026年はその真価が問われるシーズンとなる。

  • ランス・ストロール F1サンパウロGP「角田裕毅の接触でチャンスを失った」

    ランス・ストロール F1サンパウロGP「角田裕毅の接触でチャンスを失った」

    ランス・ストロール(アストンマーティン)は、F1サンパウロGP決勝を16位で終えた。スタート時に不利とされたハードタイヤを選択したものの、グリップ不足に苦しみ、さらに角田裕毅(レッドブル)との接触によってレースが大きく崩れる展開となった。

    アストンマーティンは戦略的なギャンブルとしてハードタイヤでのスタートを選んだが、序盤からタイヤの性能不足が明らかとなり、上位争いには加われなかった。

    ストロールはガブリエル・ボルトレトとの軽い接触に続き、6周目には角田裕毅に追突されスピン。最後尾まで順位を落としたことで挽回のチャンスを失った。

    「インテルラゴスではあまりポジティブな週末じゃなかった」とストロールは語った。

    「スプリントではもう少し競争力があったけど、予選と決勝ではそうじゃなかった。角田との接触でレースのチャンスを失った」

    「そこから取り戻そうとしたけど、あの時点で多くの時間を失ってしまった。ハードタイヤもうまく機能していなかったし、最終的にはマシンのペース不足が原因だった。2週間後のラスベガスでもう一度やり直すよ」

    一方、その接触の当事者となった角田裕毅(レッドブル)は、17位でフィニッシュ。接触の責任を問われて10秒のタイムペナルティを受けたうえ、その処理手順に不備があったとしてさらに10秒の追加ペナルティを科されるなど、厳しい一日となった。

    「この週末は全体的にとても難しかった」と角田裕毅は語った。

    「チームとして多くのことを試したけど、うまくいったものもあれば、そうでないものもあった。レースの序盤はハードタイヤでいいスタートを切って、いくつかポジションを上げられた。でも残念ながらランスとの接触があって、ペナルティを受けることになったんだ。その後も追加のピットストップが必要になって、ポジティブな結果を得るのは難しかった」

    アストンマーティンのマイク・クラック最高トラックサイド責任者も「今日の結果は厳しいものだった」と振り返り、戦略的に異なるアプローチを試みたものの、十分なペースが得られなかったと説明した。チームは今季終盤に向け、ラスベガスでの巻き返しを目指す。

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1復調に手応え「正しい方向にいる」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1復調に手応え「正しい方向にいる」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、F1サンパウロGPのスプリント予選で5番手を獲得した後、チームの士気を高く維持する重要性を強調した。

    今季のアストンマーティンはシルバーストンの本拠地で苦しいシーズンを過ごしており、勢いを取り戻せずにいるが、現在ミッドフィールドの混戦の中におり、6位のレーシングブルズとは3ポイント差、さらにその後方のハースF1チームとは7ポイント差と、激しいポイント争いを繰り広げている。

    インテルラゴスで行われたスプリント予選では、この3チームの中でアストンマーティンが最も好調で、ランス・ストロールもアロンソから2つ下のポジションでフィニッシュ。スプリントで貴重なポイントを狙う絶好の位置につけた。

    FP1から安定した手応え
    「FP1からクルマの感触は良かった。僕たちは4番手で、今は5番手だ。つまり、週末のスタート時点でマシンの“ウインドウ”の中にいられたということだ」とアロンソは振り返った。

    「フリープラクティスが1回しかないフォーマットでは、最初から正しい方向に入っているとすべてが楽になるんだ」

    アストンマーティンは近年、一貫してポイント圏内での結果を出せず苦戦してきたが、今回の上位スタートはチーム全体にとっての好材料となった。

    「今日はチーム全体にとって良いブーストになったと思う。僕たちは諦めていないし、毎日全力で挑み続けている」

    「ドライのままだったらポジションを守るのは比較的簡単だっただろうけど、明日は雨が降る可能性が高い。何が起こるかわからないよ」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム) F1 ブラジルグランプリ

    ストロールも手応え「楽しかった」
    スプリント当日のブラジルは雨と強風のリスクが高く、順位が大きく入れ替わる可能性もあるが、チームメイトのランス・ストロールは冷静に臨む構えだ。

    「クルマの感触はすごく良かったし、良いラップもいくつかあったから楽しかった」とストロールは語った。

    「まだスプリント予選が終わっただけだから、明日どうなるか見てみよう」

    アストンマーティンにとって再浮上のきっかけとなるか
    ここ数戦で苦戦を強いられてきたアストンマーティンにとって、今回の5番手・7番手スタートはチーム再建に向けた重要な一歩となる。アロンソが言うように「諦めない姿勢」が、今後の戦いで鍵を握りそうだ。

  • ランス・ストロール F1引退報道を一蹴「フェイクニュースだ」

    ランス・ストロール F1引退報道を一蹴「フェイクニュースだ」

    アストンマーティンのランス・ストロールは、2024年にF1を引退する可能性があったという報道について「フェイクニュースだ」と一笑に付した。

    近年、ストロールがF1を離れる意向を持っているという噂はたびたび浮上してきた。2023年にはテニス転向の可能性まで報じられたが、本人は当時もこれを否定していた。

    話題が再燃したのは、アストンマーティンのリザーブドライバーであるフェリペ・ドルゴビッチが、ポッドキャスト番組『Na Ponta dos Dedos』で「ストロールは2024年の継続を非常に迷っていた」と発言したことがきっかけだった。ドルゴビッチは番組で次のように語っている。

    「2024年と2025年の契約更新をしたとき、希望があっただけでなく、実際にチーム代表との間で話し合いもあった。2023年末には僕が2024年から参戦できる可能性がかなり現実的になっていた。ランス自身が2024年に続けない可能性もあったんだ。だから、本当にあと一歩のところまでいっていたと思う」

    この発言を受け、サンパウロGPの木曜メディアデーでストロールに真相を問う声が上がったが、カナダ人ドライバーは笑みを浮かべながら一言で否定した。

    「フェイクニュースだ」

    ストロールは現在、アストンマーティンと2026年シーズン末まで契約を結んでいる。

    2025年シーズンのアストンマーティンは苦戦を強いられており、コンストラクターズ選手権ではレーシングブルズに3ポイント差の7位にとどまっている。ストロールはここまで32ポイントを獲得し、チームメイトのフェルナンド・アロンソ(37ポイント)に5ポイント差のドライバーズランキング14位につけている。

    アストンマーティンの停滞とストロールの立場
    ストロールの否定発言は、チーム内外の不振ムードを払拭する意図も含まれていると見られる。今季のアストンマーティンAMR25は開幕直後から競争力不足が顕著で、昨年の表彰台常連から一転して中団グループに沈んだ。

    2026年のホンダ製パワーユニット導入を控え、チーム内では人員再編と技術体制の刷新が進行中であり、ストロールの将来もその変化の文脈で語られてきた。

    しかし、今回の「フェイクニュース」発言によって、少なくとも本人の意思は明確に示された。2026年の新時代を迎えるまで、ストロールはチームの一員としてアストンマーティン再建の歩みを続ける構えだ。

  • アストンマーティンF1 主要7名が離脱:ニューウェイ体制で技術部門再編

    アストンマーティンF1 主要7名が離脱:ニューウェイ体制で技術部門再編

    アストンマーティンF1チームは、2026年の新しいF1技術規則とパワーユニット時代を見据え、設計部門の再編を実施したことが明らかになった。

    『Crash.net』と『The Race』によると、この動きは2026年に向けた体制強化の一環として進められており、少なくとも7名の主要スタッフがチームを離脱。なかには空力ディレクターのエリック・ブランダンや、元チーフデザイナーの芳賀昭雄の名も含まれているという。

    一部のメンバーはアストンマーティン・グループ内の別部門(先進技術など)での新たな役職に就く可能性があり、完全にF1業務から離れる形になる見込みだ。

    チームの広報担当者は「内部の人事に関してはコメントしませんし、現時点で発表することはありません」と述べ、公式な発表は行っていない。

    主要メンバーの離脱と体制の見直し
    ブランダンは2022年にメルセデスから副テクニカルディレクターとしてアストンマーティンへ加入し、今季からは空力ディレクターを務めていた人物。

    今回の再編は、CEO兼チーム代表のアンディ・コーウェルの指揮のもとで進められており、アドリアン・ニューウェイがマネージング・テクニカル・パートナーとして設計方針の中核を担っている。

    アストンマーティンは近年の積極的な人材採用でスタッフ数が急増した一方、F1のコストキャップ制度下ではリソース配分の最適化が必須となっている。

    チームは「世界タイトルを争う体制」を維持しつつも、限られた予算内で最大の成果を上げるため、構造的な合理化を進めている。

    コーウェルはこれまでに「各部門は成長してきたが、チーム全体として一体感を持って成長してきたかどうかは疑問だ」と指摘しており、ニューウェイが加わったことで“技術の方向性を一本化する”動きが加速している。

    ニューウェイが導く設計思想の転換
    ニューウェイは今年3月にチームへ加入して以来、アストンマーティンの設計体制を精査し、「どの領域を強化すべきか」「どの部分に重複があるか」を明確にした。

    その“ギャップ分析”によって、空力やシミュレーション、車体設計などの優先順位が再定義され、今後はチーム内のサイロ化(縦割り構造)を解消する方針が打ち出されている。

    今年初めには新チーフエアロダイナミシストのジョアッキーノ・ヴィーノを起用し、ニューウェイの元同僚であるジャイルズ・ウッドもシミュレーション&ビークルモデリングディレクターとして招聘。

    これにより、開発の“思想”そのものが変わりつつある。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム エイドリアン・ニューウェイ

    2026年 ホンダとのワークス体制で迎える新時代
    アストンマーティンは2026年からホンダのワークスパートナーとして新型パワーユニットを搭載し、完全な「ファクトリーチーム」として新時代を迎える。

    シルバーストンを拠点に、エンジンと車体を統合的に設計する体制が整いつつあり、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはいずれも2026年末までの契約を保持している。

    技術陣の刷新と同時にドライバー体制の安定化も図られ、コーウェルとニューウェイの指導のもと、チームはホンダとのシナジーを最大化する「統合開発フェーズ」に移行している。

    現状と今後の展望
    2025年シーズンのアストンマーティンはコンストラクターズランキング7位につけ、6位のレーシングブルズをわずか3ポイント差で追う位置にある。

    成績面では苦戦が続くものの、チームは2026年のレギュレーション転換を“リセットの機会”と捉え、組織改革と設計哲学の再構築を急いでいる。

    ニューウェイ×コーウェル体制が示す“再出発”の意思
    今回の再編は単なるリストラではなく、「設計思想そのものの再構築」を目的とした戦略的動きだ。

    アドリアン・ニューウェイの加入は、空力・車体パッケージングの両面で革命的な転換点となる可能性が高く、アンディ・コーウェルの経営的手腕によって、ホンダとのワークス連携を最大限に活かした“システムとしての最適化”が進んでいる。

    この再構築が成功すれば、アストンマーティンは2026年以降、フェラーリ、マクラーレン、メルセデス、そしてレッドブルと肩を並べる本格的なタイトルコンテンダーへと飛躍するかもしれない。

  • アストンマーティンF1ホンダとのワークス体制は「エンジニアにとって解放的」

    アストンマーティンF1ホンダとのワークス体制は「エンジニアにとって解放的」

    アストンマーティンF1チーム代表兼CEOのアンディ・コーウェルは、2026年からのホンダとのワークス体制を「解放的(liberating)」と表現し、その背景にある技術的変化や協働プロセスを語った。メルセデスのカスタマーチームからホンダのワークスチームへと移行するこの転換は、チーム運営の根幹を大きく変えることになるという。

    2025年限りでホンダとレッドブルの提携が終了し、レッドブルはフォードとの「Red Bull Powertrains」プロジェクトに移行。

    一方でホンダはアストンマーティンと組み、ワークスチーム体制で新時代に臨む。

    カスタマーチームからの脱却:「ブラックボックス」が消える
    コーウェルは「カスタマーチームでは“編集できないブラックボックス”を扱うようなものだった」と語り、ホンダとの新しい関係によって得られる自由度を強調した。

    「ワークスチームになると、膨大なシステムについてホンダのエンジニアたちとオープンに話し合える。我々の共通言語は“ラップタイム”だ。質量、放熱性能、燃料消費、重心、空力機会──すべてをラップタイムに換算して議論する」

    こうした連携により、エンジンパッケージが空力面に与える影響や、冷却システム設計の最適化など、マシン全体のコンセプトを早い段階で擦り合わせることが可能になる。「エンジニアにとって本当に“解放的”なんだ」とコーウェルは述べた。

    さくらの施設との連携とギアボックス開発
    コーウェルによれば、2026年からアストンマーティンはメルセデス製ではなく自社製ギアボックスを使用する。
    「シルバーストンとさくらの両拠点で試作ギアボックスを何カ月も走らせてきた。両エンジニアチームの協力関係は見事だ。データのやり取りも完璧で、シルバーストンの技術者がリアルタイムでさくらのダイナモテストの様子を見られる仕組みになっている」

    これにより、パワーユニットとシャシーの融合開発が前例のないレベルで進行しているという。

    ホンダの“情熱”とエンジニア文化への共鳴
    コーウェルは2024年と2025年にホンダの施設を訪問した際、「飢え、創造性、そして情熱」に感銘を受けたと語る。
    「ホンダはエンジニア主導の企業で、モータースポーツが心臓部にある。単にエンジンを作るだけでなく、ラップタイム全体への貢献を考えている。そこが他とは違う」

    メルセデスのカスタマー時代には制約が多く、マシン設計をエンジンに合わせて妥協せざるを得なかったが、ホンダとは「最初から共同設計できる」。これこそがワークス化の最大の利点だという。

    ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム
    ニューウェイがもたらす相乗効果
    さらにコーウェルは、エイドリアン・ニューウェイの存在がホンダとの関係構築を後押ししていると明かした。

    「エイドリアンはホンダをよく知り、彼らを理解し、尊敬している。それが会話をスムーズにし、技術的な議論をすぐに深いレベルへ導いてくれる」

    彼自身がメルセデスHPPの元トップエンジニアであることも相まって、アストンマーティンとホンダの協力体制は強固な基盤を築きつつある。

    未知数の2026年シーズンへ:「技術主導チーム」の挑戦
    コーウェルは「まだ他チームとの比較はできないが、我々は性能開発、効率向上、軽量化、信頼性の高いシステムづくりに向けて全力で取り組んでいる」と述べる。

    「ホンダの方法論や情熱、目標への執念は本当に印象的だ。2026年にそれがどう実を結ぶか、楽しみでならない」

    アストンマーティンF1×ホンダの“解放的”パートナーシップとは
    メルセデス依存のカスタマー体制から脱却し、ホンダと共に自らの手でマシンを作り上げる──。

    アストンマーティンが目指すのは、単なるパワーユニット供給契約ではなく、真の意味での「共創」だ。その象徴的な言葉が、アンディ・コーウェルの「liberating(解放的)」という一言に凝縮されている。

  • アストンマーティンF1×トイ・ストーリー限定コラボ 「I / AM DROP」発表

    アストンマーティンF1×トイ・ストーリー限定コラボ 「I / AM DROP」発表

    アストンマーティン・アラムコF1チームは、ピクサー映画『トイ・ストーリー』との特別コラボレーション「I / AM DROP」を発表した。1995年の映画公開から30周年を迎える同作を祝うこの企画では、チームのスピリットと作品の象徴である友情・チームワーク・想像力が融合する。

    コラボの中心となるのは、バズ・ライトイヤーをモチーフにした限定ミニヘルメットと、トイ・ストーリーのキャラクターをあしらった特製フーディ。いずれもファン限定の抽選で入手可能なコレクターズアイテムとなる。

    友情とチームワークの象徴、アンディの部屋からF1ガレージへ
    本コラボは、チームの「I / AM DROPS」シリーズの最新作として位置づけられ、トイ・ストーリーの仲間たちがアストンマーティン・アラムコのテクノロジーキャンパスから2025年メキシコGPまで旅をする物語を描く。アストンマーティンのブランドDNAでもある「好奇心・勇気・協調」を体現し、1914年にライオネル・マーティンとロバート・バムフォードがアストン・ヒルを登ったその精神を現代に重ね合わせている。

    チームは声明で「アンディの部屋の仲間たちと同じように、チームの全員が役割を持ち、共に前進する理由がある」とコメント。続けて「我々は常に挑戦を乗り越え、成長し続けてきた。誰も一人では勝てないというメッセージを、このコラボで表現した」と述べている。

    アストンマーティン F1 トイ・ストーリー

    コレクションの内容
    ■ Buzz Lightyear Mini Helmet世界中で愛されるスペースレンジャー、バズ・ライトイヤーに着想を得た限定ミニヘルメット。トイ・ストーリーの懐かしさとアストンマーティンのデザインが融合し、グランプリ観戦にも、あるいは“銀河系緊急事態”にも対応する逸品。

    ■ Toy Story × Aston Martin Aramco Characters Hoodieトイ・ストーリーのアイコンたちをアストンマーティン流にアレンジした限定フーディ。遊び心と上質さを兼ね備え、冒険心を忘れないすべての大人に向けたアイテムだ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    文化とレースをつなぐ「I / AM DROPS」シリーズ
    このコラボは、ローリング・ストーンズ、サンタン・カップ、DJドム・ドーラなどと展開してきた「I / AM DROPS」シリーズの最新作でもある。アストンマーティン・アラムコは、音楽やファッション、映画といったカルチャーとの融合を通じてファンとの新しい接点を作り出しており、今回の『トイ・ストーリー』とのタッグもその一環として発表された。

    アストンマーティン・アラムコによる「I / AM DROPS」シリーズは、単なる限定グッズではなく、ブランド体験そのものをストーリー化する“感情型マーケティング”の代表例だ。トイ・ストーリーの「仲間とともに成長する」というメッセージを、F1チームのチームワーク精神に重ねる演出は巧みで、レースファンだけでなく幅広い層への共感を狙っている。

    また、30周年を迎える世界的IPとのコラボにより、F1が映画・ポップカルチャーの領域へ積極的に踏み出している点も注目だ。