カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • フェルナンド・アロンソ「GP2エンジン」発言から10年 ホンダF1苦戦を語る

    フェルナンド・アロンソ「GP2エンジン」発言から10年 ホンダF1苦戦を語る

    アストンマーティンとホンダの新パートナーシップは、2026年F1シーズンの開幕戦から厳しい状況に直面している。パワーユニットの振動問題によりマシンは本来の性能を発揮できず、フェルナンド・アロンソはオーストラリアGPでリタイアを喫した。

    しかしアロンソは、かつてマクラーレン・ホンダ時代に発した有名な「GP2エンジン」発言を引き合いに出しながらも、現在の状況を冷静に受け止めている。

    「GP2エンジン」発言から10年 アロンソの現在の心境
    2015年の日本GPで、アロンソはホンダのパワーユニットに対して「GP2エンジン」と無線で不満を爆発させた。この発言はF1史でも象徴的な瞬間の一つとして語り継がれている。

    だが現在のアロンソは、その頃とは違う視点で状況を見ていると語る。

    「思っているほど大変ではない。理想的ではないけどね。僕たちはみんな勝ちたい。今シーズンは22人のドライバーがいて、勝てるのは1人だけだ」

    「残りの21人は精神的に難しい状況になる。僕にとっては3位でも5位でも17位でも、あまり大きな違いはない」

    「僕はF1でいろいろな時代を経験できて幸運だった。ドライブすることを楽しめたし、キャリアの半分くらいは競争力のあるマシンにも乗れた。100回以上の表彰台も達成できた」

    「だから今は、1位以外の順位でフィニッシュするなら、どの順位でも同じ痛みと同じ苦しさだ」

    アストンマーティンとホンダの“困難なスタート”
    2026年にF1へ復帰したホンダとアストンマーティンのプロジェクトは、開幕から技術的課題に直面している。

    パワーユニットのバッテリー由来の振動は深刻で、プレシーズンテストでは振動によってボディワークの一部が脱落するトラブルも発生した。さらにアロンソは「25分ほど走ると手がしびれる」と語るなど、ドライバーにも影響が出ている。

    ホンダは対策を進めておりメルボルンでも改善が試みられたが、アロンソによれば振動の感覚は「同じだった」という。

    それでもアロンソは、このプロジェクトがまだ始まったばかりであることを強調する。

    「今はチームと一緒にこの旅をしているところだ。理想的なスタートではないけど、アストンマーティンとホンダの協力関係の最初の年だ」

    「この時期を乗り越えなければならないし、僕はできる限りチームを助ける準備ができている」

    フェルナンド・アロンソ ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    10年前の“GP2発言”を振り返る
    現在の冷静な姿勢とは対照的に、2015年当時のアロンソはホンダのパワーユニットに強い不満を示していた。

    だが本人は、あの発言も単なる怒りの爆発ではなく、当時のチーム全体が感じていたフラストレーションだったと説明する。

    「10年前と比べて、今は違う視点や成熟した考え方で物事を見られるようになったと思う。でも当時の状況がそこまで劇的だったとは思っていない」

    「F1はとてもメディアに取り上げられるスポーツだ。チームメイトに勝ってチャンピオンを取れば神のように扱われる。でも苦しい時期になると、すべてが誇張される」

    「10年後になって、当時の状況を見ていた人たちの考え方も少し変わったと思う。今では、10年前に僕が言っていたことは正しかったと思う人もいるかもしれない」

    「でも当時、同じことを言っていたのは僕だけじゃない。ジェンソンもストフェルも、そしてマクラーレンも同じことを感じていた」

    「ただ人々はフェルナンドのことだけを覚えている。でも実際には、あのパワーユニットはスタートした時点で十分に成熟していなかった。今では多くの人がそれを理解している」

    アストンマーティンとホンダの共同作業
    現在のアロンソは、問題を批判するよりも解決に向けた協力を重視している。

    「僕たちは1つのチームだ。スタートはでこぼこしたものだったけど、長く続かないことを願っている。ただしすぐに解決する問題でもない」

    「今チームでできることは、よりハードに働くこと。そしてホンダをできる限りサポートすることだ」

    「アストンマーティンが持っているリソースをエンジンやパワーユニット、振動問題やデプロイメントの課題に投入することもできる」

    「今のF1はデータもGPSも解析もすべてある。そうしたリソースを活用して、ホンダが重要な部分に集中できるようサポートしていく」

    アストンマーティンとホンダのプロジェクトは、まさにスタートしたばかりだ。開幕戦では苦しい結果に終わったものの、アロンソはこの困難な立ち上がりをチームとして乗り越える姿勢を強調している。

  • ニューウェイのホンダ批判にF1パドック懸念 アストンマーティンとの関係悪化

    ニューウェイのホンダ批判にF1パドック懸念 アストンマーティンとの関係悪化

    2026年F1シーズン序盤、アストンマーティンとホンダのパートナーシップを巡る緊張がパドックで議論を呼んでいる。パワーユニットの問題に苦しむアストンマーティンだが、エイドリアン・ニューウェイが公の場でホンダの課題に言及したことで、関係への影響を懸念する声が広がっている。

    元F1ドライバーのラルフ・シューマッハやベテランエンジニアのゲイリー・アンダーソンは、こうした公開批判がパートナーシップの信頼関係を損なう可能性があると警告している。

    特に、日本メーカーとの協力関係においては、文化的な違いも含めて慎重なコミュニケーションが求められるとの指摘だ。

    ラルフ・シューマッハ「文化的な違いがある」
    ラルフ・シューマッハは、問題の本質は単なるエンジン性能ではなく、コミュニケーションの方法にあると指摘する。

    「私の経験から言えば、ヨーロッパと日本の間には文化的な違いがある。コミュニケーションの中である種の厳しさが生まれたと思う。そして日本側から非難のニュアンスが出てきた」

    シューマッハは、複雑な技術問題の解決に取り組んでいる状況で、パートナーを公に批判するのは適切ではないと考えている。

    「エイドリアン・ニューウェイは、振動がどこから来ているのかを突き止める必要があると言っている。だが、こういうことを関係の中で公に言うものではない」

    「本来なら、事前に話し合って『よし、一緒に解決していこう。サスペンションなどで対応できる部分もあるかもしれない』といった形で進めるべきだ」

    実際、水面下では緊張が高まっている。ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長も、問題が続く場合はアストンマーティンとの関係が「このままではいられない」と認めており、提携の行方に不透明感が漂っている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ニューウェイの“二つの役割”が問題か
    この問題に懸念を示しているのはシューマッハだけではない。ベテランF1エンジニアのゲイリー・アンダーソンも、ニューウェイの発言の仕方に驚きを示している。

    「問題がどれほど深刻なのかという点だけでなく、エイドリアン・ニューウェイがそれを公の場でどのように扱っているかにも驚いた」

    アンダーソンは、ニューウェイが技術責任者とチーム運営の立場を同時に担っていることが、発言の難しさにつながっていると指摘する。

    「エンジン契約が結ばれた当時、ホンダがF1部門の状況を明確にしていなかったとニューウェイが語ったが、これはさくらの施設にいる誰も喜ばない発言だろう」

    アンダーソンは、技術者としての役割とチーム運営者としての役割を明確に分ける必要があると強調する。

    「二つの役割を持つニューウェイは、メディア対応の際に自分がどちらの帽子をかぶっているのかを非常に慎重に示す必要がある。質問への答え方も当然変わるべきだ」

    「チーム代表であれば政治的な側面に踏み込むこともできる。しかしテクニカルディレクターとしては、エンジニアリングと事実に集中しなければならない」

    そしてアンダーソンは、ニューウェイの発言が事実だったとしても、それがホンダから最高のパフォーマンスを引き出す方法なのかは疑問だと語った。

    「チーム代表であり技術パートナーの管理者でもある以上、ニューウェイは常に政治的な側面を考えなければならない。彼の発言が彼自身の見方として正しかったとしても、そのアプローチがホンダからベストを引き出すことにつながるのかが問題だ」

    「それは時間が経てば分かるだろう。しかし私の経験から言えば、彼が取るべきやり方ではない」

    次戦に向けてパドックの関心は、この“率直な発言”が問題解決を早めるきっかけになるのか、それともアストンマーティンのガレージに新たな緊張を生むのかという点に集まっている。

  • ニューウェイ解任は不可能?アストンマーティンF1危機で浮上した株主問題

    ニューウェイ解任は不可能?アストンマーティンF1危機で浮上した株主問題

    2026年F1シーズン序盤、アストンマーティンが深刻なパフォーマンス問題に直面している。ホンダ製パワーユニットに起因するとされる振動問題により、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールがレース距離を完走できない可能性まで指摘される状況だ。

    こうした中、元F1ドライバーで現在は解説者を務めるイヴァン・カペリは、アストンマーティンがエイドリアン・ニューウェイを事実上「解任できない」状況にあると指摘した。ニューウェイはチームの株主でもあり、組織上の立場が極めて特殊なためだという。

    ニューウェイは株主のため解任できない
    カペリはイタリア紙のインタビューで、現在のアストンマーティンの状況について次のように語った。

    「アストンマーティンは2027年に向けて最も魅力的なチームになると思われていたが、今は疑問符がついている」

    「ホンダのパワーユニットに起因する技術的問題が、他の問題を覆い隠している」

    さらにカペリは、ニューウェイの役割の変化がチーム運営に影響している可能性を指摘する。

    「ニューウェイは真の天才だ。しかし彼には常に上司がいた。ウィリアムズではパトリック・ヘッド、マクラーレンではロン・デニス、レッドブルではクリスチャン・ホーナーだ」

    「現在はチーム代表であり、デザイナーでもある。そして土壇場まで細部を変更した結果、マシンの完成が遅れた」

    「さらに彼は組織運営の問題にも直面している。これまで考える必要がなかったことだ」

    「しかも彼は株主でもあるため、解任することもできない」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    2026年F1レギュレーションはまだ発展途上
    カペリは2026年F1レギュレーションについても言及し、現在の技術状況がまだ流動的であると指摘した。

    「エネルギー回生のために使用する最大キロワットについて議論が続いている。最大は350kWだが、アストンマーティンはそこに到達できていないと述べている」

    「他のチームも電動コンポーネントを完全には活用できていない」

    「実際には200〜250kWでテストしている状況で、すべてはまだ進化の途中だ」

    また、F1最高経営責任者のステファノ・ドメニカリが「数レースで問題は解決する」と発言したことについても、カペリは懐疑的な見方を示した。

    「私はこの状況がしばらく続くと思う」

    「大きな革新にもかかわらず、トップ4チームは接近するだろう。メルセデス、フェラーリ、マクラーレン、レッドブルだ」

    「しかしその他のチームとは大きな差があり、おそらく1秒ほど遅れるだろう」

    フェラーリとルクレールを高評価
    一方でカペリは、フェラーリの開発方向については高く評価している。

    「テストで、2026年マシンは2025年のものより明らかに良くなっていることが証明された」

    「シャルル・ルクレールはパフォーマンス改善のための特定の作業を行った。リアエンドの変更、いわゆる“マカレナ”リアウイングなどだ」

    「要するに非常に攻撃的なアプローチだ」

    また、フェラーリに移籍したルイス・ハミルトンについては、当面はルクレールが優位に立つと予想している。

    「ルクレールにはまだコンマ数秒の余力があると思う」

    「ルイスはコーナーでそれほどスムーズではなかった。まだ本能的にドライブできていない」

    「少なくとも最初のうちはシャルルが前にいるだろう」

    アントネッリや中団チームにも注目
    カペリはメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリについても高く評価した。

    「彼は非常にモチベーションが高く、態度も成熟している」

    「ラッセルの実力を測り、自分の強みと弱みを理解している」

    「彼のメンタリティが違いを生むだろう」

    さらに中団勢についても興味深いチームがあると指摘する。

    「アウディはかなり大きな形状のマシンだが、コーナーではバランスが良さそうだ」

    「アルピーヌはサプライズになるかもしれない」

    「ハースF1チームも興味深い存在だ」

    アストンマーティンとホンダの苦戦、そして2026年F1レギュレーションの複雑さが絡み合う今季の序盤戦。パドックではすでに、チームの構造そのものを巡る議論まで浮上し始めている。

  • ローレンス・ストロール アストンマーティン・ホンダF1苦戦に「非常に予想外」

    ローレンス・ストロール アストンマーティン・ホンダF1苦戦に「非常に予想外」

    2026年F1開幕戦オーストラリアGPで、アストンマーティンとホンダの新パートナーシップは厳しいスタートを迎えた。プレシーズンテストから続く信頼性問題が週末を通じて影響し、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはともにレースを完走できなかった。

    こうした状況について、アストンマーティンのオーナーであるローレンス・ストロールが初めて公にコメントし、問題は「非常に予想外だった」と認めた。

    ストロール「非常に予想外だった」
    プレシーズンテストの段階から、アストンマーティンとホンダは信頼性問題に悩まされていた。主な原因として指摘されているのはホンダ製パワーユニットに起因する振動で、特にバッテリー周辺への影響が問題視されている。

    フェルナンド・アロンソはメルボルンで次のように説明した。

    「ホンダはバーレーン以降の改修でバッテリーへの振動はかなり減ったと考えている。でもシャシー側ではまだ同じことが起きている。バッテリーを別の方法で隔離する必要があるからだ」

    オーストラリアGPでは両ドライバーともにトラブルの影響を受けた。フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはそれぞれプラクティスの1セッションを丸ごと欠場し、ランス・ストロールは内燃エンジンの問題が疑われるトラブルにより予選にも出走できなかった。

    信頼性面では週末を通じて一定の進展も見られた。アロンソは予選Q1に出走し、敗退圏からの脱出に迫る走りを見せたものの、決勝ではパーツ保護のため途中リタイア。ランス・ストロールもマシンの調整が行われたが、チェッカーフラッグには届かなかった。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    「できるだけ早く解決したい」
    決勝前、英スカイスポーツの中継で行われた“グリッドウォーク”の中で、マーティン・ブランドルはローレンス・ストロールにこの苦しい状況について質問した。

    「厳しい状況だ」とブランドルが指摘すると、ストロールはそれに同意した。

    「そうだ。非常に予想外だった」

    そしてアストンマーティンのオーナーは、問題解決に向けた姿勢を次のように語った。

    「でも、僕たちは頭を下げて取り組み、乗り越えていく」

    ブランドルは、アストンマーティンとホンダが問題を解決するまでに「6か月は必要かもしれない」との見方も示し、ストロールにタイムラインを尋ねた。

    「答えはできるだけ早く、だ」

  • ホンダF1危機 MotoGP部門にも波及の懸念 HRC体制に影響か

    ホンダF1危機 MotoGP部門にも波及の懸念 HRC体制に影響か

    ホンダの2026年F1シーズンの厳しいスタートは、アストンマーティンだけでなく、同社のもうひとつの主要モータースポーツプログラムであるMotoGPにも影響を及ぼす可能性があると指摘されている。

    F1とMotoGPの両プログラムは現在、ホンダ・レーシング(HRC)の統合体制の下で運営されており、2026年に発生したF1パワーユニット問題が、二輪部門のリソースや意思決定にも波及する懸念が浮上している。

    ホンダはMotoGPパドックにおいて最も影響力の大きいメーカーのひとつであり、その規模は明確な利点でもある。たとえば、ここ数カ月にわたりメーカー連合(MSMA)とMotoGP Sports Entertainment(旧ドルナ)の間で生じている緊張関係に対して、ホンダは比較的距離を保つ姿勢をとってきた。

    両者は2027年から2031年まで適用される新しい商業契約を巡って交渉を続けているが、ホンダはドゥカティ、ヤマハ、アプリリア、KTMが形成するブロックとは距離を置き、あたかも自らには直接関係のない問題であるかのような振る舞いを見せている。

    しかし現実はそれほど単純ではない。世界有数の自動車グループに属するということは財務的な強みを意味する一方で、自社の直接的な領域の外で生じた問題に巻き込まれる可能性も伴う。

    現在ホンダが最も早急に鎮火しなければならない“火”は、F1で発生している。

    アストンマーティンF1の深刻なPU問題
    2026年からホンダのパワーユニットを搭載するアストンマーティンは、開幕戦オーストラリアGPで深刻な問題に直面した。

    チームオーナーのローレンス・ストロールが招聘した技術責任者エイドリアン・ニューウェイは、メディアに対してパワーユニットの問題を率直に指摘した。

    ニューウェイは、チームが正常なプレシーズンテストを完了できなかった原因がエンジンにあると説明した。バーレーンで行われた6日間の冬季テストにおいて、アストンマーティンの2台が走行した距離は合計2,111kmにとどまった。

    これに対してメルセデスは8台で21,551km、フェラーリは6台で16,121kmを走破しており、差は歴然としていた。

    ニューウェイによれば、エンジンから発生する振動がバッテリーを損傷させるだけでなく、シャシーを通じてステアリングホイールに伝わり、ドライバーの手にも影響を及ぼしているという。

    アストンマーティンのランス・ストロールは、その状況を次のように表現した。

    「どう比較すればいいのか分からない。椅子に座って自分に電気ショックを与えるようなものだと思えばいい。それにかなり近い」

    カナダ人ドライバーのストロールとフェルナンド・アロンソはいずれも、2026年F1開幕戦オーストラリアGPで完走扱いとはならなかった。

    ホンダF1 F1 ホンダ・レーシング

    HRC内部で懸念されるMotoGPへの影響
    現時点でホンダは、この問題によるブランドイメージへの影響を抑えるための積極的な発信は行っていない。

    しかし、さくらの施設にあるHRC本部では、すでに警戒アラートが発せられ、解決策の模索が急がれていると見られている。そして、その影響はすでに別のレース部門にも及び始めているという。

    ホンダの四輪と二輪の両部門に関係するある幹部は次のように語った。

    「MotoGPにも間違いなく影響は出る。我々はF1と同じ組織構造を共有している。今はまず、その問題の解決に努力を集中させることになる」

    自動車業界全体が減速するなかでも、ホンダの二輪事業は比較的堅調な販売実績を維持している。

    しかし、それでもMotoGP部門を率いる石川譲と本田太一にとっては、4月1日に塚本光が退任した後の体制の中で、自分たちの主張を強める材料にはなりにくい可能性がある。

    日本企業特有の組織文化も影響する。

    日本のチームと長く仕事をしてきた関係者は次のように説明する。

    「日本の企業文化では、上層部からの指示に対して部下が異議を唱えることは非常に珍しい」

    MotoGP復調のタイミングで起きたF1問題
    皮肉なことに、このF1の“火事”が起きたのは、MotoGPにおけるホンダが数字の上では回復の兆しを見せ始めていた時期だった。

    昨シーズン、ホンダは2024年と比較して最も改善幅の大きかったメーカーとなり、獲得ポイントは35%増加。これによりコンセッションランクはDからCへと引き上げられた。

    2週間前に開催されたMotoGP開幕戦タイGPでは、ジョアン・ミルがVR46ドゥカティのファビオ・ディ・ジャンアントニオと5位争いを繰り広げていた。しかし残り5周でリアタイヤが崩壊し、結果を残すことはできなかった。

    2027年にはMotoGPで大規模なレギュレーション変更も予定されている。そうした状況の中で、HRC首脳部がF1問題の解決に向けてどのような判断を下すのか、MotoGPスタッフの間では不安が広がっている。

    HRC統合体制の中心にいる渡辺康治
    この状況の中で最も大きな責任を負う立場にあるのが、HRC社長の渡辺康治だ。

    渡辺康治の指導の下、ホンダは2022年に二輪と四輪のレース活動を単一の組織に統合した。目的はリソースの最適化と技術シナジーの創出、とりわけ当時深刻な低迷に陥っていたMotoGPの競争力を引き上げることだった。

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  • ホンダF1 ニューウェイの「神経損傷」発言に困惑 渡辺康治「データはない」

    ホンダF1 ニューウェイの「神経損傷」発言に困惑 渡辺康治「データはない」

    2026年F1シーズンの開幕戦オーストラリアGPで苦戦したアストンマーティンとホンダの関係を巡り、新たな緊張の兆しが浮かび上がった。アストンマーティンの技術部門を率いるエイドリアン・ニューウェイが、ドライバーが神経損傷の危険にさらされる可能性に言及したことに対し、ホンダ側が疑問を示した。

    ホンダ・レーシングの渡辺康治社長は、日本メディアの取材に対し、ニューウェイの発言には裏付けとなる数値データがないと説明。アストンマーティンとホンダの協力体制が、開幕直後から大きな注目を集めている。

    渡辺康治「ニューウェイが代弁した理由に困惑」
    ホンダ・レーシング社長の渡辺康治は、アストンマーティンのマシンを巡るエイドリアン・ニューウェイの発言について疑問を示した。

    「ドライバー自身が、自分にしか分からない感覚的なことを言うならまだしも、なぜニューウェイが彼らに代わって話したのか、少し困惑しています」と渡辺康治は語った。

    ニューウェイは、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールがアストンマーティンのマシンを運転することで恒久的な神経損傷の危険にさらされる可能性があると公に主張していたが、ホンダ側はそれを裏付ける数値データを持っていないという。

    ホンダ社長も現地入り 協力体制を再確認
    今回の発言は、アストンマーティンとホンダの関係に緊張が高まっていることを示す最も明確な兆候のひとつとみられている。両者のパートナーシップは、シーズン序盤の苦戦を受けて厳しい視線にさらされている。

    渡辺康治はまた、ホンダの三部敏宏社長がオーストラリアGPを訪れ、チーム共同オーナーのローレンス・ストロールと直接会談したことも明らかにした。両者の協力関係そのものが揺らぐ可能性もあるとの憶測が広がる中での訪問だった。

    「三部社長はもともとエンジニアなので、我々にさまざまな技術的な示唆を共有してくれました。そして『できるだけ早く競争力のある環境を作ろう』という温かいメッセージもいただきました」と渡辺康治は語った。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    開発体制の見直しを示唆
    渡辺康治は、現在の状況が両組織の協力体制の見直しを必要としていることも認めた。

    「我々は今までと同じままではいられません」

    「開発を加速させなければなりません。それはパワーユニットの出力を上げることだけではなく、マシンと一体となってどのように開発を進め、スピードを上げていくかということです。我々はひとつのチームとして協力していきたいと思っています」

    シルバーストンとの連携強化へ
    そのため、アストンマーティンの本拠地であるシルバーストンとの連携強化が今後の重要課題になると渡辺康治は説明した。とくに今週末の中国GPの後、ホンダのホームレースとなる日本GPを前に体制を整える必要があるという。

    「シルバーストンとの協力関係をさらに深めていくことも重要になると思います。そのために、経営を担当する立場として組織強化に取り組んでいきます」と渡辺康治は述べた。

    メルボルンでは改善の兆しも
    一方で、渡辺康治はオーストラリアGPの週末について、慎重ながらも前向きな評価を示した。

    「今後に向けて改善のポテンシャルを感じる部分もありました」

    「ランスは振動が『バーレーンの半分くらい』だと言っていました。その表現は感覚的なものかもしれませんが、いずれにしてもドライバーが以前より少し良く運転できる状態になっていることは明らかでした」

    Source: GMM

  • ホンダF1振動問題 日本GPでPUアップデート アストンマーティンの命運握る

    ホンダF1振動問題 日本GPでPUアップデート アストンマーティンの命運握る

    2026年F1開幕戦オーストラリアGPで、アストンマーティンはフェルナンド・アロンソとランス・ストロールの2台が実質的に戦闘力を発揮できない厳しい週末を過ごした。チームはレース中に一度リタイア扱いとなりながらも再びコースに戻り、ポイント争いではなくデータ収集を優先する異例の対応を取った。

    背景にあるのはホンダ製パワーユニットの深刻な振動問題だ。

    アストンマーティンの2026年型マシン「AMR26」は本来のポテンシャルを発揮できておらず、チームは日本GPに向けて予定されているホンダの対策アップデートに大きな期待を寄せている。

    振動問題がAMR26の本来の性能を隠している
    アストンマーティンの週末は厳しいものだったが、チーム内部では必ずしも悲観的な見方だけではない。

    フェルナンド・アロンソは予選17番手に終わったものの、首位からの差は約2.4秒にとどまった。金曜プラクティスの状況を考えれば、これは予想以上に競争力があった結果と受け止められている。

    実際、チームの当初予測ではトップから約4秒遅れになると見られていた。

    アロンソは予選後、FP2から予選までの間にセットアップ変更だけで約2秒の改善を得たと説明している。これはマシンの潜在能力を示す一方で、十分な走行データを集められていない現状も浮き彫りにしている。

    原因はホンダのパワーユニットにある。バッテリーやモーターに発生する過度な振動により、AMR26は十分な周回を重ねることができず、データ収集が大きく制限されている。

    さらにパワーユニットはバッテリー展開をすぐ使い切ってしまうため、本来よりも大幅に遅いペースで走らざるを得ない。

    その結果、エイドリアン・ニューウェイ率いる技術陣はマシンの空力特性や挙動を正確に評価できない状態にある。特に高速コーナーでは本来の限界まで攻めることができず、マシンの真のパフォーマンスを確認できない。

    状況はそれだけではない。振動対策として高燃料で走らざるを得ないため、低燃料でのパフォーマンス評価も不可能になっている。

    こうした要素を踏まえ、チーム内部では「信頼性が少し改善されるだけでもAMR26のパフォーマンスは大きく解放される」という見方が広がっている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    渡辺康治が示した日本GPまでの改善スケジュール
    オーストラリアGP後、ホンダ・レーシング社長の渡辺康治は現状と今後の計画について説明した。

    「バッテリーやモーターの振動を抑える対策を実施しており、一定の効果が確認できています」と渡辺康治は語った。

    「その結果、走行できる周回数はある程度増やすことができました」

    「ドライバーにも振動について確認しましたが、バーレーンテストよりかなり改善していると感じているようです。ランス(ストロール)は『問題は半分くらいになった』と言っていました」

    「ただし、まだパワーユニットの使い方には制限があります。現時点ではパワーユニットやマシンの性能について語れる段階ではなく、本来の使い方はできていません」

    「エイドリアン・ニューウェイとは毎日話をしています。アストンマーティンの競争力を早く確保するために何をすべきか、どの対策をいつ実施するべきかを一緒に検討しています」

    「パワーユニットだけでもシャシーだけでもありません。マシン全体として競争力を持たせることが重要です」

    「最初の目標は日本GPです。その頃までには振動対策を進め、パワーユニットを本来の形で使える状態にしたいと考えています」

    なお次戦の中国GPではアップデートは予定されておらず、スペアバッテリーも不足しているため、メルボルン同様に慎重な運用が必要になるという。

    日本GPが2026年シーズンの分岐点に
    現時点でホンダのパワーユニットがどれほどの出力や電力効率を持っているのかは、正確に評価できない状態にある。過度な振動によって、本来の性能を発揮する条件で走らせることができないためだ。

    このため、日本GPで予定されているアップデートが成功すれば、アストンマーティンの戦力図が大きく変わる可能性もある。

    一方で、もし振動問題が解決しなければ、AMR26の潜在能力をほとんど発揮できないままシーズンを戦うことになる。

    アストンマーティンにとって、日本GPは2026年シーズンの行方を左右する重要な節目となりそうだ。

    Source: RacingNews365

  • アストンマーティン・ホンダF1関係崩壊の懸念 バクストン「完全な災難」

    アストンマーティン・ホンダF1関係崩壊の懸念 バクストン「完全な災難」

    アストンマーティンは2026年F1開幕戦オーストラリアGPで厳しい結果に終わり、チームの将来に早くも不安が広がっている。フェルナンド・アロンソとランス・ストロールの両ドライバーがリタイアに終わり、期待されていた新体制は苦しいスタートとなった。

    2026年はシルバーストンを拠点とするアストンマーティンにとって大きな転換点になると見られていた。

    ローレンス・ストロールは新風洞や最新設備への巨額投資を行い、さらに元レッドブルのテクニカルディレクターであるエイドリアン・ニューウェイを迎え入れるなど体制を強化。そして今季からはホンダとの独占パワーユニット提携も始まり、大きな期待が寄せられていた。

    しかし、プレシーズンテストでは走行距離を十分に稼げず、開幕戦メルボルンでは両マシンとも完走できなかった。

    ウィル・バクストン「完全な災難だった」
    この状況について、F1ジャーナリストのウィル・バクストンはポッドキャスト番組で厳しい見方を示した。

    「完全な災難だった。最初から最後まで災難だった」とウィル・バクストンは語った。

    「アストンマーティンがマシンをグリッドに並べ、スタート直後に何台かを抜き、予想より多くの周回を走ったことを成功のように描こうとしてはいけない。フェルナンド・アロンソが何周も遅れてレースに戻ったとしてもだ」

    「これは災難だ。今年こそが勝負の年だったはずだ。エイドリアン・ニューウェイのマシン、ホンダのエンジン、ローレンス・ストロールは今年のレギュレーション変更にすべてを賭けていた。戦うための年だったのに、彼らはそうなっていない」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    ホンダとの関係悪化の可能性
    ウィル・バクストンはさらに、アストンマーティンがホンダとの関係の始まり方を誤った可能性があると指摘した。

    「今のアストンマーティンには大きな問題が2つある。ひとつは自壊しかねないほど振動しているエンジンだ」

    「そしてもうひとつは、ホンダとの関係の始まり方が完全に間違っているように見えることだ。正しいかどうかは別として、彼らはホンダを“バスの下に投げ込んだ”ような形になっている」

    ウィル・バクストンは、ホンダがかつてマクラーレンと組んでいた時代の状況にも触れながら警鐘を鳴らした。

    「契約を結ぶ前に、ホンダがどんな状況にあるのかきちんと調査したのか?もししていなかったなら、するべきだった。ホンダのプログラムの多くが解体され、人材がレッドブル・パワートレインズなどへ移ったことは誰にとっても驚きではなかった」

    「もしすべての責任をホンダに押し付けるなら、それはまさにマクラーレンがやったことと同じだ。そしてホンダがようやく力を発揮し始めたころ、ホンダはマクラーレンに愛想を尽かしてレッドブルに移った」

    「レッドブルはその後、ホンダが積み上げてきた成果をすべて手にした」

    日本文化を踏まえた警告
    ウィル・バクストンは、日本企業との関係においては信頼や忠誠心が非常に重要であるとも指摘した。

    「最初の週末からホンダを非難するような形になれば、日本の文化では誇りと忠誠心が非常に重要だ」

    「私は、週末が終わる前にその関係を完全に壊してしまった可能性があると感じている。そしてそれこそが何より大きな問題だ」

    「どの観点から見ても、これは災難だ」

  • アストンマーティン・ホンダF1苦境 デラロサ「ホンダは設計変更が必要」

    アストンマーティン・ホンダF1苦境 デラロサ「ホンダは設計変更が必要」

    アストンマーティン・ホンダF1にとって2026年F1開幕戦オーストラリアGPは厳しいスタートとなった。フェルナンド・アロンソはレース中に2度のリタイアを喫し、チームは信頼性とパフォーマンスの両面で大きな課題を抱えていることが明らかになった。

    2026年からホンダのパワーユニットを搭載して新時代を迎えたアストンマーティンだが、振動問題やエネルギーマネジメントの課題が浮上している。

    チーム関係者も問題解決には時間が必要だとの見方を示しており、設計レベルでの変更が必要になる可能性があるという。

    開幕戦で露呈した信頼性問題
    オーストラリアGPでは、フェルナンド・アロンソがスタート直後の混乱の中でポジションを上げるなど好調な立ち上がりを見せた。

    しかしその後、マシンの信頼性トラブルによって状況は一変する。アロンソは14周目にマシンを止めることになり、一度リタイアを余儀なくされた。

    その後、データ収集のため一時的にレースへ復帰したものの、走行は合計21周にとどまり、最終的にレースを完走することはできなかった。

    チーム代表エイドリアン・ニューウェイはメルボルンの段階で問題の深刻さを認めており、マシンの振動はフェルナンド・アロンソやランス・ストロールに神経損傷を引き起こす可能性すらあるレベルだったと説明していた。

    それでもニューウェイは今回のレースを「学習の機会」と位置付けており、収集されたデータが次戦中国GPに向けた改善に役立つと述べている。

    またホンダ側も、中国GPではバッテリーの走行距離をさらに伸ばせる見通しであり、振動問題も徐々に減少しているとの見解を示している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    デラロサ「ホンダは設計変更が必要」
    アストンマーティンのアンバサダーで元F1ドライバーのペドロ・デラロサは、メルボルンでスペインのDAZNに対してチームの現状を説明した。

    「これは長いプロセスになる。まず信頼性を確保し、その後にパフォーマンスを改善しなければならない」とデラロサは語った。

    「そしてソフトウェアの小さな調整だけではなく、エネルギー回生やデプロイメント、パワー供給の動作をより良くするための改善も必要だ」

    さらにデラロサは、問題の根本的な解決にはホンダ側の設計変更が必要になるとの見方を示した。

    「ホンダは設計変更をしなければならない。だから、それがいつになるかを予測するのは難しい」

    「ホンダがどんな解決策を見つけるのか、そしてそれをいつ導入できるのかを見る必要がある」

    「ただし、1レースごとに大きく変わるようなものではない。これは中期的なプロセスになる」

  • 【動画】フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・ホンダF1で圧巻スタート

    【動画】フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・ホンダF1で圧巻スタート

    2026年F1オーストラリアGPでは、17番手スタートだったフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)がスタート直後の混乱を突いて一時10番手までポジションを上げる場面があった。その鋭い出足の映像が公開され、開幕戦の印象的なシーンとして注目を集めている。

    2026年の新レギュレーション下では、スタート時のエネルギーマネジメントがレース序盤の展開を大きく左右する。

    実際にオーストラリアGPでは、ブースト不足で失速するマシンも見られた一方で、アロンソのようにスタート直後にポジションを大きく上げるケースも発生した。

    フェルナンド・アロンソは、スタート直後の状況について次のように振り返った。

    「間違いなく、スタートと最初の2周がレースで一番楽しい時間だったと思う」

    「2周だけとはいえ10番手にいたのは予想外だった。でもスタート自体は僕たちの問題ではない。ほかのドライバーがブーストなどで苦しんでいたなか、僕たちはクリーンな1周目を走れた」

    しかしアロンソのレースは、その後マシントラブルに見舞われて長時間のピット滞在を強いられる展開となり、最終的にはリタイアという結果に終わった。

    「ただ、もちろん10番手は完全にポジションが合っていなかった。すぐに17番手まで落ちて、そのあとデータ上で小さな問題が見つかったのでマシンを止めなければならなかった」

    「修復できたと思って再びコースに戻ったけれど、別の問題が出てきたので、2回目のストップをする必要があった」


    2026年F1はスタート手順も大きく変化
    2026年F1シーズンでは、新パワーユニット規則の導入に伴いスタート手順にも変更が加えられている。

    MGU-Hが廃止されたことで、ターボを作動領域まで回転させる負担が内燃エンジン側に集中。これによりスタート準備は従来よりも繊細な作業となり、ブースト不足によるスタート失速のリスクが指摘されていた。

    この問題に対応するため、FIAとF1コミッションはグリッドのLEDを利用した「5秒予告」を導入した。

    スタート手順では、通常の赤信号5灯シーケンスの前に青色LEDが5秒間点灯し、ドライバーにターボ準備の時間が与えられる。青色LEDが消灯した瞬間に赤信号のシーケンスが始まり、全消灯でスタートとなる仕組みだ。

    この5秒間でドライバーはエンジン回転を引き上げ、ターボを適切な作動領域に持ち込むことが可能となる。

    わずか数秒の準備時間とエネルギー管理が結果を分ける新時代のスタートは、今後のレースでも大きな見どころとなりそうだ。