カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • アストンマーティン・ホンダF1 マイアミGPで崩壊 F2以下の衝撃タイムと107%超

    アストンマーティン・ホンダF1 マイアミGPで崩壊 F2以下の衝撃タイムと107%超

    アストンマーティンは2026年F1マイアミGPのスプリント予選で深刻なパフォーマンス不足と信頼性問題に直面し、両車が最後尾に沈む厳しい結果となった。ランス・ストロールはほぼ走行できず、フェルナンド・アロンソも107%ルールを超えるタイムに終わるなど、チームは今季最悪レベルの内容となった。

    フリー走行から兆候は現れていた。走行時間の半分をガレージで過ごし準備不足のまま予選に突入。

    その結果は、単なる不運ではなく構造的な問題を強く示唆するものとなった。F2より遅いラップタイムという異例の事態も含め、状況は深刻さを増している。

    走行不能に近いストロール 技術トラブルが直撃
    ストロールはブレーキトラブルにより、ほとんど走行できないままセッションを終えた。

    「ブレーキに問題があったけど、正確な原因はまだ分かっていない。少なくとも数周は走りたかったが、結局1周も完了できなかった。シーズン序盤から抱えている問題と同じような状況だ」

    フリー走行でも十分な走行時間を確保できておらず、マシンのセットアップも進まないまま予選に臨むことになった。今回のマイアミではアップデートも投入されておらず、問題解決の糸口すら見えない状況だ。

    アロンソは107%超え F2以下の衝撃的タイム
    アロンソは1周の計測には成功したものの、ミスにより大きくタイムを失い、1分41秒311にとどまった。

    このタイムはF1の基準から大きく遅れるだけでなく、同週末のF2最下位タイム(1分41秒157)をも下回るという衝撃的な内容だった。このF2最下位タイムは、皮肉にもアストンマーティンの育成ドライバーであるキアン・シールズ(AIXレーシング)が記録したものだった。

    さらに、このラップはSQ1トップのランド・ノリスの107%を大きく超えており、本来であればスプリント出走資格を失う可能性があった。しかしスチュワードはフリー走行でのタイムを考慮し、両車の出走を特例で許可。結果としてアストンマーティンは21番手・22番手からスプリントに臨むことになった。

    構造的問題が露呈 アストンマーティンの底打ち感
    今回の内容は単なる一度の失敗ではなく、マシンの根本的な競争力不足と信頼性問題が同時に表面化したものだ。ストロールの走行不能、アロンソの107%超え、そしてF2以下という比較は、その深刻さを端的に示している。

    アップデートなしで臨んだマイアミで状況はさらに悪化し、アストンマーティンはシーズンの中でも最も厳しい局面に突入している。ここから立て直せるかどうかが、今後の勢力図を左右する重要な分岐点となりそうだ。

  • アストンマーティンF1 アップデート未掲載に反論「何もしてなかったわけではない」

    アストンマーティンF1 アップデート未掲載に反論「何もしてなかったわけではない」

    アストンマーティン・ホンダF1は、2026年F1マイアミGPの週末において、FIAの公式アップデートリストに変更が記載されなかったことを受け、その見方に対する反論を示した。外から見れば“開発なし”とも受け取られかねない状況だが、チームはこの5週間の中断期間で多くの作業を進めてきたと強調している。

    チームアンバサダーのペドロ・デ・ラ・ロサは「何もしていなかったわけではない」と明言し、振動対策やドライバビリティ、パワー供給、重量削減といった領域での改良が行われてきたと説明。

    ただし、それらは空力アップデートのように一覧化される性質のものではなく、公式書類には反映されない“見えない開発”である点を強調した。

    アップデート未掲載が招いた誤解
    アストンマーティンのマシンAMR26は、FIAが公開したアップデートリストにおいて変更点が記載されなかった。これは通常、空力パーツなど外部から確認できる改良が対象となるためであり、今回のように記載がない場合は“開発が行われていない”という印象を与えやすい。

    しかし、チーム側はこの解釈を否定する。今回の中断期間では、目に見えるパーツの更新ではなく、内部的な改良やセットアップ領域に重点が置かれていたとされる。

    デ・ラ・ロサ「表に出ない作業がある」
    ペドロ・デ・ラ・ロサは、公式リストの限界について次のように説明した。

    「伝えるべきことはすでにすべて話されている。振動、ドライバビリティ、パワー供給、重量削減に多くの作業を行った。これらはFIAの変更表に要約できるものではない。空力ではないからだ」とペドロ・デ・ラ・ロサはDAZNの取材に対して語った。

    「我々が腕を組んでいたと思う人がいないようにしてほしい。日本にマシンを置いてきて、そのエンジンとギアボックスでテストを行ったことは非常に生産的だった。空力の改善や変更が存在しないからといって、マシンの皮膚の下で作業が行われていないということにはならない」

    この発言が示す通り、今回の開発は“外から見えない領域”に集中している。振動の低減やパワーユニット周辺の最適化などは、構造や組み付け、制御に関わる要素が多く、パーツ単位のアップデートとして記録されにくい。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    コース上の証明が求められる段階
    ただし、こうした主張が評価されるかどうかは、最終的にコース上のパフォーマンスに委ねられる。マイアミのフリー走行では依然として後方に沈む結果となっており、“見えない開発”の成果がすぐに表れる状況ではない。

    デ・ラ・ロサも、まずは現状の変化を慎重に見極める必要があると認めている。

    「まず、変更がレースに向けて正しい方向に進んでいるかを分析しなければならない。そのうえで、何が使えるのかを理解する必要がある。開発プログラムは続いているが、時間を与えなければならない」

    アップデート未掲載という事実と、内部で進められている開発との間に生じたギャップ。アストンマーティン・ホンダF1は、その“見えない作業”を結果として示せるかが問われている。

  • フェルナンド・アロンソ F1マイアミGP初日「振動は改善したが速さは変わらない」

    フェルナンド・アロンソ F1マイアミGP初日「振動は改善したが速さは変わらない」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)は、2026年F1第4戦マイアミGP初日を終え、マシンのフィーリングと課題について語った。特に焦点となったのは、日本GP以降に対策が進められてきたホンダ製パワーユニットの振動と、依然として改善されていないパフォーマンス面だった。

    インターバル期間を経て投入された対策により振動は軽減されたものの、他チームがアップデートを進める中で競争力の差は広がりつつあるという認識を示している。

    「振動は良くなっていた。日本GP以降、この3戦の間にいくつか修正を入れたので、エンジンの振動は少なくなっている。ただ残念ながらパフォーマンスには手をつけていない」

    「だから僕たちはまだ他と比べて少し遅れていると思う。彼らは日本以降にクルマを改善しているし、僕たちは信頼性だけを改善した。なのでパフォーマンス面では少し後ろにいる状況だ」

    パフォーマンスが開幕3戦から悪化しているのか、それとも単に周囲が進歩した結果なのかという点については、後者との見方を示した。

    「クルマ自体は同じだ。他のチームは日本やここマイアミでアップデートを入れてきている。だから僕たちは少し差を広げられていると思う」

    「ただそれは受け入れているし、僕たちのシーズンプログラムは他とは少し違う。今は落ち着いて進める必要がある」

    アストンマーティンは現時点で信頼性の確保を優先する段階にあり、パフォーマンス改善は今後の課題となる。振動問題の進展は見られたものの、競争力の面では依然として厳しい状況が続いている。

  • ランス・ストロール F1マイアミGP初日「ブレーキに問題があった」

    ランス・ストロール F1マイアミGP初日「ブレーキに問題があった」

    ランス・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)は、2026年F1第4戦マイアミGP初日を振り返り、スプリント予選での走行中断の原因がブレーキトラブルにあったことを明かした。アップデートなしで臨んだ週末は厳しい立ち上がりとなり、十分な走行機会を得られなかった。

    セッション中にはコース上でストップする場面が見られ、その後の走行は叶わなかった。原因については現在も調査中だという。

    「ブレーキに問題があった。正確にはまだ分からないので、今調べているところだ」とストロールはコメント。

    本来であればアタックラップを含めて周回を重ねる予定だったが、トラブルによって計画は崩れた。

    「1周か2周は走れると思っていたけど、問題が出てしまって今日は走れなかった」

    また、限られた走行の中で得られた手応えについても、シーズンを通して抱えている課題が解消されていないと語った。

    「それほど多くはない。今シーズンずっと抱えているのと同じ問題が多い」

    アストンマーティンはこの日、信頼性とパフォーマンスの両面で苦戦。ストロールの走行不足は週末全体の戦略にも影響を及ぼす可能性があり、厳しいスタートとなった。

  • アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイ体制は「広報上のオウンゴール」

    アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイ体制は「広報上のオウンゴール」

    アストンマーティンF1は、エイドリアン・ニューウェイを中心に据えた2026年F1プロジェクトで大きな期待を集めてきた。しかし、AMR26が競争力を示せない状況のなかで、その体制そのものに対する疑問が強まっている。

    元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、ニューウェイをチーム代表の役割に置いた判断に疑問を呈し、さらにジョナサン・ウィートリーのアウディ離脱発表後にローレンス・ストロールが出した声明について、アストンマーティン側の「広報上のオウンゴール」だったと指摘した。

    ニューウェイのチーム代表起用に「想像したことはなかった」
    エイドリアン・ニューウェイは2024年8月にアストンマーティンF1加入が発表され、2025年3月にマネージングテクニカルパートナーとして正式に着任した。そこから2026年F1レギュレーションに向けた新車プロジェクトを主導してきた。

    しかし、AMR26が実戦で競争力を欠いていることが明らかになると、状況は一変した。ニューウェイが巻き返すという期待はなお残っている一方で、批判は増えており、特にニューウェイをチーム代表的な役割に置いた判断に視線が集まっている。

    クルサードは、F1でニューウェイの働き方をよく知る人物のひとりだ。1994年にニューウェイ設計のウィリアムズでF1デビューし、1997年から2004年まではマクラーレンで再びニューウェイと仕事をした。さらに2005年にレッドブルへ移籍した後も、同年末にニューウェイが加入し、2009年のクルサード引退まで同じチームで過ごした。

    クルサードはポッドキャスト『Up to Speed』で、ニューウェイについてこう語った。

    「キャリアの大半でエイドリアンと一緒に仕事をしてきたが、彼がチーム代表になる姿はまったく想像したことがなかった」

    「彼は非常に優れた技術的思考を持っている。レーシングドライバーであり、技術的な問題解決の専門家だ」

    その一方で、クルサードはチーム代表に求められる政治的・メディア対応的な側面について、ニューウェイに向いている役割ではないとの見方を示した。

    「チーム代表が常に対処しなければならないF1の政治、そして時にメディアとの間で生まれる政治は、繊細な問題だ。特にエイドリアンの年齢、60代半ばという年齢ではなおさらだ」

    「年月を重ねると、自分が進んでやることと、もうやらないことがあると分かってくる。なぜなら、これから先の道のりは、すでに歩んできた道のりより短いからだ」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    ストロール声明は「広報上のオウンゴール」
    クルサードは、ジョナサン・ウィートリーをめぐるアストンマーティンの対応についても言及した。

    ウィートリーのアウディ離脱は、ニューウェイの恒久的な後任としてローレンス・ストロール率いるアストンマーティンに加わる将来と関係していると見られている。しかし、アウディがウィートリーの退団を発表した直後、ストロールはアストンマーティンの公式チャンネルを通じて個人声明を出し、ニューウェイが引き続きその役職にとどまると強調した。

    クルサードは、この動きの背景に強い関心を示しつつ、アストンマーティンの広報チームにとっては結果的に逆効果だったと指摘した。

    「これは長期的な戦略だ。だから、ローレンス・ストロールの声明の先にあるものをもっと知りたい。あの声明では、エイドリアンがチームのパートナーであり、株式を持っており、当初の計画を続けていくと再確認していた」

    「私には、これは短期的な戦略だったものを修正しただけのように見える。そして実際には、広報上のオウンゴールになった。多くの人に疑問を抱かせたからだ。『本当にうまくいくのか?』と」

    「今では、我々がすでに思っていたこと、つまり決して機能しないのではないか、という考えを抱かせている」

    アストンマーティンは、ニューウェイ加入、ホンダとのワークス体制、フェルナンド・アロンソの存在によって、2026年F1シーズンの大きな注目チームと見られていた。しかし、現時点では期待が成果に結びついておらず、チームの技術体制とマネジメント構造の両方が問われる状況になっている。

  • ホンダF1は追いつけない?“屈辱的”ADUO見直しの議論

    ホンダF1は追いつけない?“屈辱的”ADUO見直しの議論

    2026年F1のパワーユニットを巡り、ホンダにとって看過できない“前提”が出来上がりつつある。

    The Raceによると、F1首脳陣とパワーユニットメーカーの間で、ADUO(追加開発・アップグレード機会)の運用見直しを巡る議論が進められているという。

    問題は、その議論の出発点だ。

    ADUOの正式な評価は現時点で確定していない。それにもかかわらず、パドック内ではホンダが支援対象となる可能性が高いとの前提で話が進められているようだ。

    まだ“負けていない”のに始まる救済議論
    本来、ADUOは評価の結果として適用される制度だ。誰がどれだけ遅れているのかが確定し、その上で開発機会が与えられる。

    しかし今回の流れは逆だ。

    評価が確定する前に、特定メーカーを前提とした制度見直しが議論されている。

    これは極めて異例の状況と言える。

    そしてその“前提”に置かれているのがホンダである以上、この議論は技術的な問題にとどまらない意味を持つ。

    “救済される側”というレッテル
    仮にホンダが最終的に遅れていると評価されるとしても、それは結果論だ。

    だが現状は、その結果が出る前から「助けられる側」として扱われている構図になっている。

    しかもその必要性を、ライバルであるメルセデスのトト・ヴォルフが公然と口にしている。

    「問題を抱えているエンジンメーカーは1社だけだ。我々はそこを助ける必要がある」

    この発言が示すのは、単なる現状認識ではない。

    “誰が遅れているか”という議論を、事実上固定してしまう力を持っている。

    複数回アップグレードでも足りないという前提
    現行のADUO規則では、4%以上の遅れがあれば2026年に最大2回のアップグレードが認められる。

    ホンダはこの4%側に位置している可能性が高く、制度上はすでに複数回の開発機会を得られる立場にあるとみられている。

    それにもかかわらず見直し議論が浮上しているということは、こうした枠内の開発では追いつけない可能性があると見られているということだ。

    つまりホンダは、制度上の最大支援を前提としてもなお足りないと判断されている。

    この認識自体が、すでに一つの評価と言える。

    “支援”の中身は開発力そのもの
    ADUOは単なるアップグレード回数の問題ではない。

    内燃機関やターボ、MGU-K、バッテリーといった主要構成の改良に加え、開発予算やベンチテスト時間の拡大も含まれる。

    それでもなお制度見直しが議論されているという事実は、単なる技術的遅れではなく、開発サイクルそのものに差があるとの見方を示唆している。

    ホンダF1 本田技研工業

    “同意”を巡る温度差
    ただし、この案が実現するかは別問題だ。

    アウディやレッドブル・フォードが、2026年のパワーユニットをゼロから開発しながら支援なしで競争力を発揮している現状を踏まえれば、この措置に対する温度差が生まれるのは避けられない。

    実際、こうした規則変更にはパワーユニットメーカーの大多数に加え、FIAとFOMの承認が必要とされる。

    誰をどこまで引き上げるのかという問題は、単なる技術論ではなく、利害が直接ぶつかる領域でもある。

    “救済”の前提が意味するもの
    今回のADUO見直し報道が示しているのは、制度の変更そのものではない。

    それが必要とされている理由だ。

    評価が確定する前から、特定メーカーが支援対象と見なされる。

    そして、その支援ですら不十分かもしれないと考えられている。

    この二重の前提こそが、ホンダにとって最も重い意味を持つ。

    それは単なる技術的遅れではなく、“追いつけないかもしれない存在”として見られているという現実だからだ。

    なお、ホンダ救済を巡るADUO規則見直しについては、その後、投票が直前で停止される異例の展開となっている。

    今回の投票停止は、こうした議論の難しさを象徴する動きとも言える。

  • ランス・ストロール F1レギュレーションを痛烈批判「F3の方が1000倍楽しい」

    ランス・ストロール F1レギュレーションを痛烈批判「F3の方が1000倍楽しい」

    ランス・ストロール(アストンマーティン)は、2026年F1レギュレーションに対してこれまでで最も強い言葉で批判を展開した。マイアミGPを前にしたメディア対応で、現行マシンのコンセプトやレースの在り方そのものに疑問を投げかけている。

    一方で、同じパドック内でも見解は分かれており、バルテリ・ボッタスやF1首脳陣は現状をより冷静に評価している。ドライバー体験と競技全体の方向性、そのギャップが改めて浮き彫りとなった。

    ストロール「レギュレーションは完全に間違っている」
    ストロールは、2026年レギュレーションについて明確に否定的な見解を示した。

    「うまくいけば、ハーフスロットルや、レースや予選を台無しにするあらゆる要素が改善されることを願っている」

    「まだ“本来のF1マシン”には程遠いと思う。バッテリーのことを気にせず、常に全開でプッシュできる状態じゃない」

    「僕たちはあるべき姿から大きくかけ離れている」

    「レギュレーションは本質的に完全に間違っている。僕はエンジニアじゃないけど、できることはたくさんあるはずだ」

    その不満は、単なるパフォーマンスではなくドライビング体験そのものにも及んでいる。

    「今のF1は、運転していてそこまで楽しくない」

    「休みの間に他のカテゴリーのクルマにも乗った。フォーミュラ3のマシンもテストしたけど、あれは1000倍楽しかった」

    「なぜなら、自分の右足次第だからだ。どれだけパワーを使うかは自分で決められるし、それがそのまま返ってくる」

    “かつてのF1”との決定的な違い
    ストロールは過去のF1と比較し、現在のカテゴリーが持つ個性の希薄化にも言及した。

    「V8やV10時代のオンボード映像も見たけど、当時はもっと激しくて、もっとエキサイティングだった」

    「今と比べると、あの頃の方がずっと濃密だった。残念だけど、またああいう方向に戻ってほしい」

    さらに、この問題については多くのドライバーが同様の考えを持っているとしつつも、自由に発言できない状況があると示唆した。

    「同じことを言えるドライバーもいれば、契約の関係で言えないドライバーもいる」

    「それがF1だ。とても政治的な世界になり得る」

    ランス・ストロール F1レギュレーション

    ボッタスは慎重姿勢「正しい方向への一歩」
    一方で、キャデラックF1のバルテリ・ボッタスはより抑制的な評価を示した。

    「まだ小さな一歩だけど、正しい方向への一歩だ」

    「もっと大きな変更もできるだろうが、同時に結果を出しているチームを不当に不利にしてはいけない」

    現行レギュレーションの課題を認めつつも、バランスを重視する立場を取っている。

    ドメニカリは危機論を否定「F1は非常に健全」
    こうしたドライバーの不満とは対照的に、F1 CEOのステファノ・ドメニカリは強く現状を肯定した。

    「F1にはまったく問題はない。非常に良い状態にある。それだけははっきりさせておきたい」

    ドライバーの“現場感覚”と、運営側の“全体最適”の間にある温度差は明確であり、2026年レギュレーションを巡る議論は今後も続いていく可能性が高い。

  • ホンダF1 PUハードウェア改良 アストンマーティン振動問題に根本対処へ

    ホンダF1 PUハードウェア改良 アストンマーティン振動問題に根本対処へ

    アストンマーティンとホンダは、2026年F1シーズン開幕から深刻な苦戦を強いられてきたが、マイアミGPに向けて重要な転機を迎えている。ホンダはパワーユニットにハードウェア変更を投入し、車体側でも改良が進められた。

    開幕3戦では振動問題とバッテリーの信頼性が大きな課題となり、グリッド最後尾に沈む場面もあった。こうした状況を受け、両者は短期的な対策だけでなく、根本的な改善に踏み込んでいる。

    ホンダPUに初のハードウェア変更 信頼性改善へ
    ホンダはこれまでメカニカルな対策を積み重ねてきたが、マイアミGPではついにハードウェア変更に踏み込んだ。

    F1トラックサイドエンジニアの折原伸太郎は、詳細こそ明かさなかったものの「信頼性のための変更」であることを認めている。今季はこれまで正式なスペック変更は行われておらず、今回が実質的な初のアップデートとみられる可能性もある。

    今回の変更の主目的は、ドライバーに不快感を与えていた深刻な振動の抑制と、バッテリーを含む信頼性の改善だ。性能向上ではなく、あくまでレギュレーション上許可されている信頼性改善の範囲に収まる。

    振動問題は“原因対処”へ シルバーストンでは不可能だった開発
    これまでの対策は、いわば症状を抑える応急処置に近いものだった。

    鈴鹿ではステアリングコラム周辺の試験パーツが振動低減に効果を示したが、これはレースには使用されず、マイアミにも持ち込まれていない。今回の変更は、振動の発生源そのものに対処することを狙ったものだ。

    マイク・クラックは次のように説明している。

    「振動を減らすための大規模なパッケージに取り組んできた。発生源だけでなく、ドライバーを含むすべてのシステムに対して対策を行っています」

    さくらの施設での“実車連動テスト”が転機に
    今回の改善の鍵となったのが、日本のさくらの施設で行われた開発だ。

    アストンマーティンは鈴鹿戦後にマシンを日本へ残し、ホンダは車体と接続した状態でエンジンをテストすることが可能になった。これまでできなかった「シャシー連動でのベンチテスト」が実現したことで、振動の原因解析が大きく進んだ。

    折原伸太郎は次のように語っている。

    「振動については良い進展がありました。そしてその対策を今回のイベントに導入しています」

    「バッテリー側でも良い進展があり、ドライバーの振動についても改善が見られています」

    さらに、折原自身が実際にマシンに乗り込んで振動を体感するテストも行われており、現場レベルでの検証が強化された。

    4週間での開発は限界も “大規模改良は進行中”
    もっとも、今回のアップデートが完全な解決策ではない可能性もある。

    折原は「大規模なハードウェア変更を実装するには4週間は短いです」と認めており、今回の改善はあくまで途中段階だ。それでも「さくらで非常に懸命な作業が行われました」と強調している。

    つまり、マイアミ仕様は“応急処置+本格改善の入口”という位置づけだ。

    パフォーマンス解放はFIA判断待ち ADUOも焦点
    現時点でホンダは、性能向上のためのアップグレードを投入できない。

    これはFIAが各メーカーのアップグレード枠(ADUO含む)をまだ確定していないためであり、シーズン中の開発制限の扱いも議論中だ。

    折原は将来の改善について問われると、

    「いくつかアイデアはありますが、説明はできません」

    と述べるにとどめている。

    つまり、現段階では「問題の特定と信頼性回復」が優先されており、本格的な性能改善は制度確定後に本格化する見通しだ。

  • ホンダF1救済のADUO規則修正案 投票が直前で停止 暗雲漂う

    ホンダF1救済のADUO規則修正案 投票が直前で停止 暗雲漂う

    2026年F1シーズンにおけるパワーユニット規則の焦点となっているホンダ救済策が、予想外の形で足踏みを強いられている。アストンマーティンとの新体制で苦戦が続く中、追加開発機会を与えるための規則修正案が検討されていたが、その採決が直前で停止されたことが明らかになった。

    この問題は単なる技術論争ではなく、各メーカーの利害が絡む政治的な駆け引きの様相も呈している。

    ホンダの苦戦は広く認識されている一方で、ライバルに有利となるルール変更への慎重姿勢が、今回の決定に影響を与えた可能性が高い。

    ホンダ救済の柱 ADUO規則緩和案の中身
    議論の中心となっているのは、ADUO(追加開発・アップグレード機会)制度の見直しだ。

    現行レギュレーションでは、ADUOによるアップグレードはシーズン内で累積できず、FIAが適格と判断した最初の1回に限って付与される仕組みとなっている。

    「ADUOのホモロゲーションアップグレードはシーズン内で累積されず、本条項の基準に従ってFIAが適格と判断した最初の機会にのみ付与される」と規則には明記されている。

    今回の提案は、この制限を緩和することで、ホンダに複数回の開発機会を与えるというものだった。これにより段階的な改善が可能となり、シーズン中の巻き返しを現実的なものにする狙いがあった。

    特に重要視されていたのがコストキャップ面での緩和であり、追加リソース投入によって開発の自由度を高める効果が期待されていた。

    PUAC投票は異例の「集計後停止」
    この規則修正案は、F1のパワーユニット諮問委員会(PUAC)で投票にかけられていた。

    PUACはFIAとFOMが合わせて1票を持ち、これに各エンジンメーカー(キャデラックを含む)が加わる構成となっている。

    規則変更には“スーパー・マジョリティ”が必要であり、FIA/FOMの賛成に加え、メーカー側では1社を除くすべての支持が求められる。

    当初、この投票結果はマイアミGP週末に公表される見込みだった。

    その中で、ホンダのトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアである折原慎太郎は、状況について次のように語っている。

    「我々はFIAの決定を待っている。最終的な判断には従うことになる」

    しかし、その後に明らかになったのは、メーカー側にも予期されていなかった展開だった。投票はすでに集計された後で停止され、公表自体が見送られたという。

    支持不足か 再調整の可能性
    この異例の判断について公式な説明は出されていないが、関係者の間ではいくつかの見方が浮上している。

    ひとつは、提案が必要な支持を得られなかった可能性だ。

    一部メーカーが現行案に難色を示し、修正なしでは賛成に回れない状況だったとみられている。

    これは、ホンダ救済の必要性が理解されつつも、競争バランスを崩すリスクへの警戒が依然として強いことを示している。

    ADUO適用タイミングも揺らぐ
    今回の問題は、ADUO制度全体の運用にも影響を及ぼしている。

    そもそも、どのメーカーにADUOが適用されるかを判断する最初の基準時期についても確定していない。

    カナダGP後まで延期される可能性と、当初の「第6戦終了後(現在はモナコGP)」を維持する案が並存している状況だ。

    この不確定要素は、開発スケジュールを左右する重大な問題であり、ホンダにとっては巻き返しのタイミングそのものが揺らいでいることを意味する。

    規則変更が実現するかどうか、そしてその内容がどこまで踏み込んだものになるのか。今回の投票停止によって、ホンダ救済を巡る議論は新たな局面に入った。

    Source: The Race

  • アストンマーティン・ホンダF1 マイアミGPで車体軽量化とPU改良も効果限定

    アストンマーティン・ホンダF1 マイアミGPで車体軽量化とPU改良も効果限定

    アストンマーティンはマイアミGPを前に、AMR26に複数の改良を投入した。ホンダ製パワーユニットのハードウェアアップデートに加え、車体の軽量化やドライバビリティ改善など、幅広い対策が施されている。

    ただし、その内容はあくまで最低限の競争力確保を目的としたものであり、ポイント争いに直結するような大幅な戦力向上には至っていない。現場責任者の発言からも、依然として根本的な課題が残されていることが明らかになった。

    振動対策へPUハードウェア改良 さくらの施設で継続開発
    アストンマーティンのトラックサイド責任者マイク・クラックは、今回のアップデートの背景について次のように説明した。

    「我々はレース後にマシンをさくらの施設へ残し、抱えている問題に取り組み続けた。そして今回、信頼性を改善するためのパッケージを持ち込んだ」

    ホンダのトラックサイド責任者である折原慎太郎も、振動対策の進展について言及している。

    「振動を測定するための静的テストを実施し、多くのデータを収集することができました」

    「パワーユニットのハードウェア面でも改善を行っています」

    今回の改良の中心は、これまで問題となってきた振動の低減にある。パワーユニット単体だけでなく、車両全体での対策が進められている。

    軽量化とドライバビリティ改善も同時進行
    アップデートはパワーユニットにとどまらず、シャシー側にも及んでいる。クラックは車両全体の改善についても言及した。

    「我々は信頼性だけでなく、車重やドライバビリティの改善にも取り組んだ。それは大きな課題だった」

    「クルマには変更がある。振動を根本から低減するための取り組みに加え、すべてのシステムでその影響を軽減するための広範なパッケージを導入した」

    ステアリングを含む複数の領域に手が入れられており、ドライバーの扱いやすさ向上も狙いとなっている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    それでも遠いポイント圏 首脳陣は現実認める
    今回の改良によってグリッド降格ペナルティが発生することはないが、戦力面での大幅な前進にはつながっていない。

    ホンダ側はFIAのADUO適用の可能性について問われても、「いくつかアイデアはあります」と述べるにとどめ、具体的な方向性は明かさなかった。

    一方でクラックは現状を冷静に受け止めている。

    「シーズン中に大きく差を縮めるのは非常に難しい。これは開発競争だ。我々は競争力を持つチームであり、グリッド後方にいるべきではない」

    「改善は必要だが、同時に現実的でなければならない。経験豊富な2人のドライバーが後方にいる状況にはフラストレーションがあるし、それをマネジメントしなければならない」

    改良は確かに進んでいる。しかし、それは巻き返しというよりも“最低ラインへの復帰”に近い。AMR26の根本的な課題は、依然としてチームの前に立ちはだかっている。

    Source: AS