カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • アロンソ アストンマーティンF1のシート問題解消に自信「2025年仕様に戻した」

    アロンソ アストンマーティンF1のシート問題解消に自信「2025年仕様に戻した」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、F1カナダGPでリタイアの原因となったシートポジションの問題について、モナコGPに向けて解決できたとの見通しを示した。

    アロンソはカナダGP決勝で23周を走行した後、背中の痛みによりマシンを降りた。原因はAMR26の極端なシートポジションにあったとされ、チームはその後、対策作業を進めてきた。

    カナダGP後に大幅な見直しを実施
    フェルナンド・アロンソはモナコGPを前に、チームとともに複数のシートポジションを検討したことを明かした。

    「先週はオンライン会議を行い、マシン内で異なるポジションを試そうとしていた」

    「それから火曜日には、僕はここに住んでいるので簡単にガレージへ行くことができた。午後に少し作業をして、今は4種類ほどの異なるポジションを用意している」

    「カナダ以降、大きく変更した。だからカナダで感じていた不快感や痛みの問題は、もうなくなっていると非常に楽観的に考えている」

    「シートポジションはほぼ2025年仕様に戻した。つまり、今は既知のベースに戻っている。実験的なものではない」

    カナダでは週末を通じて違和感に苦しんだが、シート自体を変更しても十分な改善は得られなかったという。

    ニューウェイ主導の設計思想が背景に
    今回の問題は、シート形状だけでなく、AMR26におけるシート配置そのものに起因していたとみられている。

    アストンマーティンのマネージング・テクニカルパートナーであるエイドリアン・ニューウェイは、AMR26で従来よりも大きく寝かせたドライビングポジションを採用したとされる。

    これは重心を下げることに加え、ドライバーのヘルメットがエアボックス周辺の気流へ与える影響を抑えることを狙った設計だった。

    こうした考え方は1960年代から続くF1マシン開発の流れの一部であり、ニューウェイ自身も1995年型ウィリアムズFW17でドライバーの脚を腰より高い位置に配置するレイアウトを導入したことで知られている。

    その設計は空力性能向上に貢献した一方で、腰周辺への圧力増加など快適性を犠牲にする側面もあった。

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    数ミリの違いが大きな問題に発展
    アロンソはF1マシンのシートがいかに繊細な要素であるかも説明した。

    「新しいシートや新しいコクピットスペースには常に小さな違いがある」

    「角度が1〜2ミリ違ったり、腰の下あたりに異なる圧力ポイントがあったりすると、神経を圧迫して感覚が失われ始めることがある」

    「今回がまさにそうだった」

    「この3〜4年のシートをいくつかガレージで座り比べても、おそらく違いは感じないだろう。どれも非常によく似ているからだ」

    「でも20周、30周と走り続けると、その違いを感じ始める」

    カナダGPではシートポジションが背中の痛みと神経への圧迫を引き起こしたとみられるが、アストンマーティンはモナコGPに向けて2025年仕様に近いレイアウトへ戻すことで問題解決を図った。アロンソ自身もその変更に強い手応えを感じており、市街地コースでのポイント獲得に期待を寄せている。

    【関連】
    ・2026年F1モナコGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)
    ・F1-Gate.comの速報通知をiPhoneで受け取る方法

  • アストンマーティンF1のギアボックス問題 ストロール「40km/h以下で同期を失う」

    アストンマーティンF1のギアボックス問題 ストロール「40km/h以下で同期を失う」

    アストンマーティンのランス・ストロールは、2026年F1モナコGPを前に、今季のAMR26を悩ませているギアボックス問題の実態を明かした。

    アストンマーティンは開幕以来パフォーマンス不足に苦しんでいるが、その要因のひとつがホンダ製パワーユニットと自社開発ギアボックスの協調制御にある。ストロールによれば、低速域でギアの同期が失われる問題が発生しており、モナコのような低速コーナー主体のサーキットでは大きな弱点になるという。

    初の自社製ギアボックスが抱える課題
    2025年までアストンマーティンはメルセデスからギアボックスを含むパワートレイン一式の供給を受けていた。しかしホンダとのワークス体制移行に伴い、2026年からは自社製ギアボックスを導入した。

    現在のF1では、内燃エンジンだけでなく約475馬力に達する電動出力との連携が重要であり、ギアボックスとパワーユニットの同期精度がパフォーマンスを大きく左右する。

    アストンマーティンでは、ホンダ製パワーユニットが十分な走行距離を重ねるようになって以降、この同期制御に関する問題が顕在化してきた。

    「40km/h以下で同期を失う」
    モナコGPへの見通しを問われたストロールは、AMR26のドライバビリティ問題に加えてギアボックスの課題を認めた。

    「他の問題と同じように、僕たちはギアボックスとドライバビリティの問題を抱えている」とランス・ストロールは語った。

    「それはかなり重要な要素になると思うし、僕たちにとって大きなチャレンジになるだろう」

    さらにストロールは問題の具体的な内容を明かした。

    「カナダでは少し改善したけど、40km/h以下になるたびにギアの同期が失われる。そのため再同期させなければならない」

    モナコ特有の超低速コーナーであるグラン・ホテル・ヘアピン(旧ロウズヘアピン)では、その影響が顕著になる可能性がある。

    「例えばここ(モナコ)では、ヘアピンを通過するたびにギアの同期を失うことになる。それによって大きなタイムを失っている」

    ランス・ストロール アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソだけではないシート問題
    ストロールはまた、フェルナンド・アロンソを苦しめたシートの快適性問題についても言及した。

    カナダGPでアロンソはシートの不快感を理由にリタイアしたが、ストロールによれば同様の問題はシーズン当初から続いているという。

    「僕も長い間ずっと不快感を抱えていた。ただ対処するしかないんだ」

    「モントリオールはホームレースだったから完走しなければならなかった。ほかに選択肢はないと感じていた。今年のAMR26ではドライバーの快適性に苦しんでいる」

    現在もシート位置やペダル位置などの調整を続けているものの、根本的な解決には至っていない。

    「いろいろ試している。シート位置を変えたり、ペダルを動かしたりして快適なポジションを探している。でもAMR26では難しい課題になっている」

    モナコで露呈するAMR26の弱点
    ストロールの説明からは、アストンマーティンが単なる空力やパワー不足ではなく、車両の基礎的な統合性能に苦戦していることがうかがえる。

    特にモナコでは低速コーナーが連続するため、40km/h以下で発生するギア同期問題は他のサーキット以上にラップタイムへ直結する可能性が高い。カナダGPで表面化したシート問題と合わせ、アストンマーティンにとって今週末はマシンの根本的な課題が改めて試される一戦となりそうだ。

    【関連】
    ・アストンマーティンF1 アロンソのシート問題を修正「快適性へ小さな前進」
    ・F1-Gate.comの速報通知をiPhoneで受け取る方法

  • フェルナンド・アロンソ 22回目のF1モナコGP 今季初ポイント獲得への7つの鍵

    フェルナンド・アロンソ 22回目のF1モナコGP 今季初ポイント獲得への7つの鍵

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)にとって、2026年F1モナコGPは今季ここまでで最も大きなチャンスとなるかもしれない。

    2026年シーズンのアストンマーティンは厳しい戦いを強いられている。AMR26はグリッド後方に沈み、アロンソはいまだポイントを獲得できていない。しかし、モナコという特殊な舞台は、その流れを変える可能性を秘めている。

    今週末、アロンソは自身22回目となるF1モナコGPに臨む。

    「僕はまだ最速だ」 アロンソの揺るがぬ自信
    アロンソは、自身の能力に対する確信をまったく失っていない。

    「何かを測る必要はない。僕は最高だからだ。何かを証明する必要もないし、自分が正しいレベルにいると信じるために何かを感じる必要もない」とアロンソは語った。

    2013年スペインGPでの勝利以降、優勝からは遠ざかっている。しかし、本人の考えは変わらない。

    「僕はチャンスを待っている。その間もチームを助け、F1で必要な競争力を失わないようにしている」

    「その間もいろいろなカテゴリーで、いろいろなクルマを運転して、自分自身を試している。もしカートコースへ行って最速でなければ心配するだろう。GTカーに乗って最速でなければ心配するだろう」

    「でも今のところ、僕はまだ最速だ。だからF1でその週末が訪れるまでは、より良いクルマが手に入るのを待つだけだ」

    その言葉を裏付ける数字も存在する。

    アロンソは2024年ハンガリーGP以降、41戦連続で予選でランス・ストロールを上回っている。ストロールはF1でポールポジション1回、表彰台3回を獲得した経験を持つドライバーだが、そのチームメイトを約2年にわたり予選で圧倒し続けている。

    モナコがアストンマーティンに与える最大の好機
    今季のアストンマーティンにおいて、光るパフォーマンスを見せているのはほぼアロンソだけだ。

    カナダGPではQ2進出を果たし、レース序盤には10番手まで浮上した。しかしマシンの根本的な競争力不足により、最終的には後退を余儀なくされた。

    ところがモナコは事情が異なる。

    このサーキットは低速コーナー中心で、パワーユニット性能の影響が小さい。さらにオーバーテイクが極めて困難なため、予選順位の価値が他のどのサーキットよりも高くなる。

    アストンマーティンが苦しんでいる高速コーナー性能やパワー不足の影響は大幅に薄れ、比較的良好な低速コーナー性能が前面に出る。

    アロンソの予選での速さとモナコでの経験を考えれば、トップ10争いに加わる可能性は十分に存在する。

    モナコがアロンソに有利な7つの理由
    1.エンジンパワーの重要性が低い
    モナコはカレンダー中で最も低速なサーキットであり、長いストレートが存在しない。そのためホンダ製パワーユニットの出力不足が表面化しにくい。

    2.電力デプロイメント規則の変更
    2026年モナコGPではFIAがエネルギーデプロイメント規則を変更している。通常より早い速度域から電力出力が制限されるため、高効率なパワーユニットを持つチームの優位性が縮小される。

    3.アクティブエアロの無効化
    安全上の理由からアクティブエアロが使用されないため、空力性能差が縮まり、追い抜きもさらに難しくなる。

    4.メカニカルグリップ重視の特性
    モナコでは空力効率よりもメカニカルグリップやサスペンション設定が重要となるため、絶対性能で劣るマシンでも競争力を発揮しやすい。

    5.エネルギーマネジメントの負担が小さい
    頻繁なブレーキングによって回生エネルギーを確保しやすく、ホンダが他コースで苦戦してきたエネルギーマネジメントの問題も目立ちにくくなる。

    6.オーバーテイクが極めて困難
    一度前に出れば後方の速いマシンを抑え続けることが可能であり、予選順位の価値が非常に高い。

    7.アロンソの豊富な経験
    モナコで2勝を挙げ、20年以上にわたって走り続けてきた経験は大きな武器となる。ドライバーの自信と精度が問われるコースだからこそ、その価値はさらに高まる。

    鍵を握るのは土曜日の予選
    理論上、モナコはアストンマーティンにとって今季最高のポイント獲得機会と言える。

    ただし、そのためには完璧な週末が必要になる。

    まず金曜日のプラクティスで十分な周回数を重ねなければならない。モナコでは周回を重ねることで少しずつ限界を探り、自信を積み上げていく必要がある。

    土曜日午前の最終プラクティスも重要だ。各チームはここで予選シミュレーションを実施し、最終調整を行う。

    そして勝負の瞬間は予選だ。

    モナコではトラフィックの影響が大きく、1周のアタックをクリーンにまとめられるかが結果を左右する。アストンマーティンはセッション運営を完璧にこなさなければならない。

    最後はアロンソ自身の仕事になる。

    モナコで2勝を挙げ、20年以上にわたってこのコースを走り続けてきた経験を持つスペイン人ドライバーが、予選でどこまでマシン以上のパフォーマンスを引き出せるか。

    決勝では好位置を守り切るだけでポイント獲得の可能性が大きく広がる。

    難しい挑戦であることは間違いない。しかし、少なくともこれまでのサーキットとは違い、今回は現実的な希望が存在する。

    それだけでも、2026年のアストンマーティンにとっては大きな前進と言えるだろう。

    【関連】
    ・2026年F1モナコGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)
    ・F1-Gate.comの速報通知をiPhoneで受け取る方法

  • ホンダF1 PU改善はFIAのADUO評価待ち「何を改善すべきかはその後に分かる」

    ホンダF1 PU改善はFIAのADUO評価待ち「何を改善すべきかはその後に分かる」

    ホンダ・レーシングのチーフエンジニアを務める折原慎太郎は、FIAがパワーユニット性能差是正制度「ADUO」に関する正式な評価結果をまだ公表していないため、ホンダは改善計画の最終決定を行えない状況にあることを明らかにした。

    2026年F1シーズンから導入された新パワーユニット規則では、競争力に大きな差が生じた場合にメーカーへ開発機会を与えるADUO制度が導入されている。カナダGPで最初の評価期間は終了したが、FIAによる分析作業は現在も続いている。

    ホンダはFIAの正式判断を待つ段階
    ADUO制度では、基準となる最も競争力の高いパワーユニットに対して一定以上の性能差が認定されたメーカーに改善が認められる。

    しかし現時点では、FIAが各メーカーへ正式な評価レポートを配布しておらず、ホンダも最終的な開発方針を確定できていない。

    折原慎太郎は現状について次のように説明した。

    「現在の状況としては、FIAの判断を待っているところです」

    「その結果を受け取れば、何を改善する必要があるのかが明確になりますし、実施しなければならない項目のリストも手に入ります。しかし現時点では、その決定を待っている状態です」

    ホンダは自らのパフォーマンス状況を把握しているものの、正式な評価が出るまでは認められる改善範囲を確定できない。

    アップグレード投入にはまだ時間が必要
    一方で、FIAの判断が今後下されたとしても、すぐに新仕様のパワーユニットを投入できるわけではない。

    折原慎太郎は開発プロセスの複雑さについて説明した。

    「新しいエンジンを投入するプロセスには長期的な開発が必要です。まずCFDによる解析を行い、単気筒エンジンでの試験も必要になります」

    「我々はすでに初期段階の開発には着手しています」

    「次の段階ではV6エンジン全体の性能評価と信頼性試験を実施する必要があります。しかし、それには数週間かかります。短期間で終わる開発作業ではありません」

    実戦投入時期について尋ねられると、折原慎太郎は次のように答えた。

    「おそらく夏になると思います。ただ、どちらの夏かは分かりません。イギリスの夏なのか、日本の夏なのかは言えません」

    この発言からは、アップグレード投入が少なくとも数か月先になる可能性が示唆されている。

    ホンダF1 / ホンダ・レーシング

    最大の課題は燃焼性能
    FIAから正式な評価結果が出ていないとはいえ、ホンダは現状の弱点を把握している。

    折原慎太郎は、今後の開発の中心が内燃エンジン側になることを認めた。

    「現行技術を改善する分野もあります。しかし、主に改善しなければならないのは燃焼です」

    また、性能向上への近道は存在しないと強調した。

    「魔法のような解決策はありません。我々は燃焼性能を改善し続けています」

    「奇跡はありません。引き続き懸命に取り組んでいます。性能向上というのは、多くの小さな改善を一歩ずつ積み重ねていくことなのです」

    アストンマーティンの反撃も夏以降か
    ホンダ製パワーユニットを搭載するアストンマーティンは、2026年シーズン序盤から最高速や加速性能で苦戦している。

    今回の折原慎太郎の説明からは、ホンダ側も問題の中心が燃焼効率にあると認識していることがうかがえる。しかし、改善策の実戦投入には依然として時間が必要であり、性能向上が本格的に現れるのは早くても夏休み前後になる可能性が高い。

    そのため、アストンマーティンとホンダにとって2026年シーズン前半戦は、引き続き我慢の戦いになることが予想される。

  • アストンマーティンF1 アロンソのシート問題を修正「快適性へ小さな前進」

    アストンマーティンF1 アロンソのシート問題を修正「快適性へ小さな前進」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、F1カナダGP決勝をわずか23周でリタイアした。原因はマシンのシートに起因する不快感で、周回を重ねるごとに痛みが増し、走行継続が困難になった。

    アストンマーティンは今週末のF1モナコGPに向けて対応を進めており、チームのチーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラックは、アロンソとともに火曜朝から作業を行い、複数の仕様を試したことを明かした。

    カナダGPで再発したシート問題
    アロンソはジル・ヴィルヌーヴ・サーキットでの決勝を23周で終えた。雨の可能性はなく、入賞の現実的な見込みも薄れていたなか、スペイン人ドライバーはシートポジションの違和感に苦しんでいた。

    この問題はモントリオールのスプリントでも発生していた。ただし、スプリント予選でのクラッシュが原因だったのかどうかは明らかになっていない。

    アロンソはシートの位置が正しく感じられず、周回を重ねるごとに「ますます不快になっていった」と説明していた。

    クラック「火曜朝からフェルナンドと作業した」
    アロンソはモナコGPに向けて、チームが新しいシートを用意することを期待していた。その現状について問われたクラックは、RacingNews365を含むメディアに対し、作業がすでに進められていると説明した。

    「我々は火曜朝からフェルナンドとここにいて、火曜日には多くの作業を行った。多くのバリエーションを試した」とマイク・クラックはコメント。

    「今は、実際に走ることが本当のテストになる。静的には確認できるが、常に同じというわけではない。ただ、正しい方向に本当に小さな一歩を踏み出せたと思う」

    「彼は、これが改善になるだろうとやや自信を持っていた。ただ、セッションを通じて本当に快適にするために、もう一度微調整が必要になっても驚きはない」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム フェルナンド・アロンソ

    シート角度だけでは済まない複雑な調整
    クラックは、この問題が単にシート角度だけの話ではないと強調した。ドライバーの着座位置を変えれば、ペダル位置やステアリングとの距離、レギュレーション上の高さなど、周辺要素も連動して確認する必要がある。

    「ひとつだけを変えることはできない。なぜなら、そうするとペダルを変える必要があり、レギュレーション上の高さや、こうしたあらゆるもの、ステアリングホイールとの距離も確認しなければならない」

    「だから、決して単一の問題ではない。変更はひとまとまりのセットになる。実際に走っていない状態では、それが少し複雑になる」

    アストンマーティンにとって、モナコGPの走行開始後にアロンソがどこまで快適性を取り戻せるかが最初の確認点となる。静的な調整で改善の方向性は見えたものの、実走行での負荷や振動、ステアリング操作を経て、さらに細かな修正が必要になる可能性は残されている。

  • アストンマーティンF1 ニューウェイがモナコGPで現場復帰「彼を見ることになる」

    アストンマーティンF1 ニューウェイがモナコGPで現場復帰「彼を見ることになる」

    アストンマーティンのチーム代表を務めるエイドリアン・ニューウェイが、今週末の2026年F1モナコGPでチームの現場業務に復帰する見通しとなった。

    ニューウェイは2026年F1シーズン開幕戦オーストラリアGP以降、レースの現場に姿を見せていなかった。先月には、体調不良により入院した後、自宅で療養していると報じられていた。

    クラック「今週末に彼を見ることになると思う」
    アストンマーティンの元チーム代表で、現在はチーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラックは木曜日、PlanetF1.comを含むメディアに対し、ニューウェイが3か月ぶりにレース現場へ戻る可能性を示した。

    ニューウェイが次にいつ現場に現れるのかを問われたクラックは、「見ればわかる」と語った。

    「今週末に彼を見ることになると思う。だから良いことだ。彼はここでも多くの経験を持っている」

    「ここでは多くのレース勝利がある。だから我々を前進させる助言をひとつ、あるいはふたつ得られることは確かだと思う。楽しみにしている」

    ニューウェイは木曜夕方にモナコ入りする予定で、今季後半にも複数のイベントに出席する見込みだという。

    全戦帯同ではなく価値を発揮できる場を選択
    ニューウェイは2026年F1シーズンの全レースに帯同する予定ではないことが、3月の時点で明らかになっていた。

    そのスケジュールは、前任のアンディ・コーウェルと同様に、年間10〜14戦程度の出席になるとみられている。

    ニューウェイがどのレースに出席するかは、自身がチームに最も大きな価値をもたらせる場所かどうかによって決まると考えられている。

    PlanetF1.comは3月、ニューウェイがいずれアストンマーティンのチーム代表職を退く見込みであり、昨年11月の就任以降、長期的な後任探しを主導してきたと報じていた。

    後任候補としては、レッドブル時代にニューウェイと仕事をしたジョナサン・ウィートリーが有力視されていた。その後、アウディF1チームは48時間以内にウィートリーの退任を発表している。

    ニューウェイはオーストラリアで、チーム代表の役割が設計・開発面の本来の職務から「少し」注意をそらすものになっていると語っていた。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム エイドリアン・ニューウェイ

    ホンダの振動問題解消で小さな前進
    アストンマーティンは今季序盤、新型ホンダエンジンに起因する深刻な振動問題により、AMR26のパフォーマンスが制限される苦しいスタートを切った。

    しかし、ホンダが複数の対策を導入したことで振動問題は解消され、アストンマーティンは直近3戦で少なくとも1台が完走を果たしている。

    モナコはニューウェイが昨年、レッドブルからの注目移籍を完了させた後、アストンマーティンの一員として初めて現場に姿を見せた場所でもある。低速コーナー、縁石、路面変化への対応が問われる市街地コースで、ニューウェイの復帰はチームにとって技術面でも象徴面でも重要な週末となる。

  • アストンマーティンF1 アレクサンダー・アルボンに接触との報道

    アストンマーティンF1 アレクサンダー・アルボンに接触との報道

    2027年のF1ドライバー市場で、アレクサンダー・アルボンの評価が急速に高まっている。フェラーリがシャルル・ルクレールとの契約延長を発表したことで、アストンマーティンは獲得ターゲットの見直しを迫られ、新たな候補としてアレクサンダー・アルボンに接触したと報じられた。

    さらにアルピーヌ、アウディ、そしてレッドブルもアレクサンダー・アルボンの動向を注視しているとされており、2027年に向けたドライバー市場の注目株となりつつある。

    ルクレール残留で次のターゲットはアレクサンダー・アルボン
    アストンマーティンは以前からフェルナンド・アロンソの後任候補を検討していた。

    アロンソの契約は2026年末で満了を迎える予定で、引退の可能性も取り沙汰されている。そのためローレンス・ストロール率いるチームは、将来のエース候補としてシャルル・ルクレールの獲得を目指し、マネジメント側と協議を行ったと報じられていた。

    しかしルクレールはフェラーリとの新たな複数年契約を締結。これによりアストンマーティンの計画は白紙となった。

    その結果、新たな候補として浮上したのがウィリアムズのアレクサンダー・アルボンだ。

    RacingNews365によると、アストンマーティンはカナダGPの週末にアルボン陣営へ接触したという。

    ウィリアムズ低迷でアルボンの将来にも注目
    アルボンは2022年からウィリアムズに所属し、チーム再建の中心人物として活躍してきた。

    しかし2026年シーズンのウィリアムズは苦戦が続いており、新レギュレーションへ向けて早期から開発リソースを集中したにもかかわらず、ここまでわずか7ポイントにとどまっている。

    チームメイトのカルロス・サインツJr.とともにフラストレーションを抱えているとされ、最近のレースではアルボンのボディランゲージにも不満が表れていると報じられている。

    アルボン自身の契約も2026年末で満了を迎えるため、2027年に向けて選択肢を探り始めているとの見方が強まっている。

    アウディとアルピーヌも接触
    もっとも、アストンマーティンが独占交渉できる状況ではない。

    報道によれば、アルピーヌとアウディもカナダGPでアルボンに接触したという。

    アルピーヌではフランコ・コラピントの契約状況が不透明なほか、アウディではニコ・ヒュルケンベルグが8月に39歳を迎えることから、将来的なラインアップ変更の可能性が指摘されている。

    経験豊富で安定したパフォーマンスを持つアルボンは、複数チームにとって魅力的な補強候補となっている。

    レッドブル復帰の可能性も消えていない
    さらに見逃せないのがレッドブルの存在だ。

    アルボンはかつてレッドブル・レーシングに所属しており、現在もオーナーのチャルーム・ユーウィッタヤとの良好な関係を維持しているとされる。

    報道では、もしマックス・フェルスタッペンが2026年末でF1を離れる場合、レッドブルがアルボンを候補リストに入れているとも伝えられている。

    現時点では具体的な交渉段階には至っていないものの、アストンマーティン、アウディ、アルピーヌ、そしてレッドブルという複数チームの関心が伝えられている状況だ。

    アストンマーティンはエイドリアン・ニューウェイやホンダとの大型プロジェクトを進めており、2027年に向けたドライバー選定はチームの将来を左右する重要なテーマとなる。その候補の一人として、アレクサンダー・アルボンの名前が急浮上している。

    【関連】
    ・2027年F1ドライバー市場の噂をRN365が特集 角田裕毅や平川亮の去就にも注目

  • エイドリアン・ニューウェイ F1モナコGPで復帰か アストンマーティンは忍耐強調

    エイドリアン・ニューウェイ F1モナコGPで復帰か アストンマーティンは忍耐強調

    アストンマーティンのアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、低迷する2026年シーズンの現状について「忍耐が必要だ」と強調し、エイドリアン・ニューウェイの存在が将来の成功につながるとの見方を示した。

    2026年シーズンのアストンマーティンは、ホンダ製パワーユニットのパフォーマンス不足やシャシー開発の遅れなどに苦しみ、厳しいスタートを切っている。

    その中で、今年チームに加わったエイドリアン・ニューウェイの姿がパドックでほとんど見られないことから、その役割や健康状態を巡る憶測も広がっている。

    スペインの報道によると、ニューウェイは今週末のF1モナコGPでアストンマーティンのガレージに姿を見せる見通しだという。ただしチームは現時点で正式な発表を行っていない。

    アストンマーティンには“我々のガウディ”がいる
    バルセロナGPのプロモーションイベントに出席したペドロ・デ・ラ・ロサは、バルセロナを象徴するサグラダ・ファミリアを引き合いに出しながら、ニューウェイを世界的建築家アントニ・ガウディになぞらえた。

    「厳しいグランプリになるだろう。シーズンがどのように始まったかは皆さんも見ていると思う。しかし我々の背後には大きな投資がある」とデ・ラ・ロサは語った。

    「今日ここに座って、このガウディによる素晴らしい建築物を見ていて思ったんだ。世界最高かどうかはともかく、間違いなく革新的な建築家だった」

    「そして我々にも“ガウディ”がいる。それがエイドリアン・ニューウェイだ」

    結果が出るまでには時間が必要
    デ・ラ・ロサは、アストンマーティンの大規模プロジェクトが成果を上げるまでには時間がかかると説明した。

    「複雑な時期になると思う。しかし我々には将来に向けた素晴らしいプロジェクトがある」

    「チームというものは人でできている。我々には非常に優秀な人材と素晴らしい設備がある。今必要なのは少しの忍耐だけだ」

    「夏の間に少しずつ我々のポテンシャルを示し始めることになるだろう」

    この発言は、元トロロッソ代表のフランツ・トストが最近、「健康状態が許すなら、ニューウェイの指揮の下でアストンマーティンは成功できる」と語ったこともあり、チームの将来に対する関心が高まる中で飛び出したものだ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソの引退はまだ先?
    デ・ラ・ロサは、44歳となったフェルナンド・アロンソの将来についても言及し、現時点で引退を語るのは時期尚早だと主張した。

    「彼にはまだ多くのレースが残っている。引退しないことを願っている」

    そして、アロンソの考えがいかに変わりやすいかを示すエピソードも明かした。

    「2024年シーズン開幕前、彼は私に『引退するつもりだ』と言ったんだ」

    その言葉を信じたデ・ラ・ロサは、アロンソ最後のシーズンになると考え、全レースに帯同する計画を立てたという。

    しかし数戦後、アロンソの考えは変わった。

    「中国だったと思う。フェルナンドが私を脇に呼んで『あと2年契約を延長するつもりだ』と言ったんだ」

    「私は『2年も? 今年で引退するんじゃなかったのか?』と聞いた」

    「すると彼は『いやいや、あと2年やりたいんだ』と答えた」

    アストンマーティンの未来を左右する存在
    アストンマーティンは2026年からホンダとのワークス体制を開始し、さらにエイドリアン・ニューウェイというF1史上屈指の設計者を迎え入れた。しかし開幕から5戦を終えた段階では、その効果はまだ結果として表れていない。

    それでもチーム内部では悲観論は強くなく、デ・ラ・ロサの発言からは「時間さえ与えられれば巻き返せる」という確信がうかがえる。

    モナコでニューウェイが本当に現場復帰を果たすことになれば、低迷するアストンマーティンにとって象徴的な一歩となるかもしれない。そしてその先には、ホンダとの本格的な開発体制が動き出す2027年以降の大きな飛躍が見据えられている。

  • ホンダF1がアストンマーティン向けPU改善へ 夏休み前後にアップグレード投入

    ホンダF1がアストンマーティン向けPU改善へ 夏休み前後にアップグレード投入

    ホンダF1は、アストンマーティン向けパワーユニットの性能向上に向けた開発を進めており、夏季シャットダウン前後を目標にアップグレード投入を計画している。開幕当初に発生した振動由来の信頼性問題への対応が進んだことで、現在はパフォーマンス向上へと開発の重点を移しつつある。

    その第一歩として、今週末のモナコGPではドライバビリティ改善を投入する見込みだ。ホンダは燃焼効率向上やフリクション低減にも取り組んでおり、シーズン後半戦に向けて戦闘力強化を目指している。

    モナコGPで重要となるドライバビリティ改善
    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、モナコGPに向けてドライバビリティ改善を最優先課題としていることを明かした。

    「モナコではドライバビリティが非常に重要です」

    「ポジティブな点として、我々はドライバビリティを改善する方法を見つけました」

    「HRC Sakuraの開発拠点でモナコまでに改善を進める予定です。それが我々の主な目標です」

    ドライバビリティ改善は単一の要素ではなく、エンジン制御全体の最適化によるものだという。

    「例えばデータ設定やキャリブレーションです」

    「点火時期やラムダ値(空燃比)、噴射タイミングなどです。ドライバビリティを制御するためのパラメータは数多くあります」

    さらにホンダは、モナコ専用のエネルギーマネジメント最適化に向けて、アストンマーティン・テクノロジーキャンパスでドライバー・イン・ザ・ループ(DiL)シミュレーターを活用した専用セッションも実施した。

    折原伸太郎は冷却面の課題についても説明した。

    「冷却面では、モナコの低速区間が課題になります」

    「クリーンエアでもトラフィックの中でもパワーユニットが適切に機能するよう、アストンマーティンやアラムコと協力して最適な冷却仕様を見つける必要があります」

    夏休み前後に本格アップグレードを計画
    短期的な改善とは別に、ホンダは本格的なエンジンアップグレード開発も進めている。

    その中心となるのは燃焼効率の向上とフリクション(摩擦損失)の低減だ。

    「我々は改善すべき点を把握しています」

    「例えば燃焼面では改善に向けたアイデアがあり、ダイノのデータでもポジティブな兆候が見えています」

    「また、性能向上のためにはフリクションを減らす必要があります。そのような課題リストを工場で管理しながら改善を続けています」

    アップグレード投入時期について折原伸太郎は、シーズン終盤ではなく夏休み前後を目標にしていると説明した。

    「エンジン開発は長期的な仕事ですが、シーズン終了間際にはなりません」

    「夏季シャットダウンの頃には改善が見られるでしょう。それが我々の目標です」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ技研工業

    2027年開発への影響は限定的
    FIAは現在、2027年以降に向けて内燃機関と電力の出力比率を現行の50対50から60対40へ変更する案を検討している。しかし、ホンダは最終的な結論にかかわらず開発方針は変わらないとの考えを示している。

    「性能面では方向性は同じです」

    「60対40でも50対50でも関係ありません。我々は燃焼性能を改善する必要があります」

    「もし来年燃料流量が増えるのであれば追加のチューニングを行うだけです。しかし開発の方向性そのものは変わりません」

    一方で、信頼性面では課題が残る可能性を認めた。

    「燃料流量が増えた場合、信頼性の観点ではかなり難しくなるかもしれません。それが今回のレギュレーション変更で最も難しい部分です」

    ホンダF1が狙う“第二段階”の競争力向上
    開幕当初のホンダは、まず振動問題の解決にリソースを集中せざるを得なかった。そのため2026年シーズン前半はライバル勢に対して開発競争で後手に回っていた側面もある。

    しかし現在は信頼性対策が一定の成果を上げたことで、燃焼効率向上やフリクション低減といった本来の性能開発へ軸足を移しつつある。モナコGPで投入されるドライバビリティ改善はその第一歩であり、本命となる夏休み前後のアップグレードに向けた布石とも言える。

    アストンマーティンにとっては、シーズン後半戦に向けて戦闘力を引き上げる重要な局面となりそうだ。

  • アストンマーティンF1 モナコGPで変幻自在の特別カラー マーデンと共同企画

    アストンマーティンF1 モナコGPで変幻自在の特別カラー マーデンと共同企画

    アストンマーティンは2026年F1モナコGPで、プリンシパルパートナーであるマーデンとの共同プロジェクトとして、特別カラーリングを投入する。

    このプロジェクトは「From Rock to Racetrack(岩石からサーキットへ)」と名付けられ、鉱物資源が最先端技術へと変貌していく過程をマシンデザインで表現したものだ。

    単なるスポンサー施策ではなく、鉱業企業であるマーデンの事業そのものを可視化した試みであり、AMR26はモナコ市街地を走行しながら色彩を変化させる特殊な外観を備える。そこには、地中から採掘された鉱物が社会インフラや先端産業を支える素材へと生まれ変わる「変革」の物語が込められている。

    走行中に色が変化するモナコ限定カラーリング
    今回の最大の特徴は、特殊なカラーシフト素材を用いた虹色のラッピングだ。

    光の当たり方や見る角度によって色彩が変化し、マシンがコーナーへ進入した瞬間と立ち上がった瞬間でまったく異なる表情を見せる。

    この発想はアストンマーティンの限定ハイパーカー「ヴァラー」や「ヴァルハラ」に採用されている高級塗装「アンドロメダ・レッド」から着想を得たものだ。

    使用されたサテン仕上げの特殊フィルムは、停止状態でも立体感と動きを感じさせる効果を持ち、ゴールド、銅、アルミニウム、鉄といったマーデンの事業を支える鉱物資源をモチーフにした色彩が取り入れられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム モナコGP

    F1マシンだからこそ生じた技術的課題
    完成したデザインは自然に見えるが、その実現には数多くの制約が存在した。

    F1マシンではわずかな重量増加や表面の段差でも空力性能に影響を及ぼすため、特殊ラッピングを車体全体へ施工することはできなかった。

    フィルムを追加すれば重量が増し、素材の厚みや端部の段差が空気の流れを乱す可能性がある。そのため虹色素材は空力的な影響が比較的小さい部分へ限定的に配置された。

    さらに通常のラッピングで用いられる保護用ラミネート加工も採用できなかった。耐久性は向上するが重量増加につながるうえ、カラーシフト効果そのものを損なう可能性があったためだ。

    その結果、軽量性と耐久性を両立するために特別な素材加工と印刷技術が導入された。

    モナコ限定デザインを実現するための綿密な準備
    シーズン中のF1チームにとって特別カラーリングの導入は想像以上に複雑な作業となる。

    車体パーツをラッピング工程へ回すタイミングを確保しなければならず、シルバーストンのAMRテクノロジーキャンパスと現地サーキット双方での作業計画が必要だった。

    さらにレース用シャシーの組み立てスケジュールを妨げることなく進めなければならず、プロジェクトはかなり前から準備が進められていた。

    単なるデザイン変更ではなく、レース活動そのものと並行して進められるエンジニアリングプロジェクトだったと言える。

    100種類以上のパターンから生まれた最終デザイン
    今回のカラーリングを特徴づけるもうひとつの要素が六角形パターンである。

    マーデンのロゴから着想を得たこのデザインは、アストンマーティン・レーシンググリーン、露出したカーボン地、そして虹色素材を自然につなぐ役割を担っている。

    このパターンには美観だけでなく実用的な意味もあった。

    特殊素材には通常のグラデーション印刷を施せないため、六角形を組み合わせることで色が自然に変化しているような錯覚を作り出したのである。

    開発段階では100種類以上のパターンが検討され、最終デザインへ至るまで約30案のコンセプトが比較評価された。

    マーデンも設計段階から継続的にフィードバックを行い、共同で方向性を磨き上げた。

    新たなデジタル技術まで生み出した開発プロセス
    このプロジェクトはデザイン開発の枠を超え、アストンマーティンに新しいツール開発を促した。

    チームは六角形パターンを自在に生成できる専用ソフトウェアを開発し、車体形状ごとに最適なデザイン配置を可能にした。

    さらに高精度レンダリングとモナコ市街地の仮想シミュレーションを活用し、実際の太陽光や街路環境の下でカラーシフト素材がどのように見えるかを事前検証した。

    こうして完成したAMR26の特別カラーリングは、静止状態ではなく「動くことで完成するデザイン」として設計されている。

    モナコだからこそ成立したブランドストーリー
    今回の取り組みは単なるスポンサー露出を超えたブランド表現と言える。

    マーデンは鉱物資源を発掘し、それを産業や社会の発展につなげる企業であり、アストンマーティンはその素材を活用する最先端技術の象徴でもある。

    AMR26がモナコの狭い市街地を駆け抜けるたびに色彩を変化させる姿は、まさに「岩石からサーキットへ」というテーマそのものを視覚化したものだ。

    華やかなモナコGPの舞台で、アストンマーティンとマーデンはF1マシンを巨大な広告媒体ではなく、企業理念を語るキャンバスとして活用したのである。