カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • フェルナンド・アロンソ AMR26Bに手応え「まだ引き出せるポテンシャルがある」

    フェルナンド・アロンソ AMR26Bに手応え「まだ引き出せるポテンシャルがある」

    フェルナンド・アロンソは2026年F1第11戦ハンガリーGP予選で16番手となり、アストンマーティンが投入した新型AMR26Bで今季初のQ2進出を果たした。アロンソは「まだ引き出せるポテンシャルがある」と語り、大規模アップグレードを施したマシンにはさらなる改善の余地が残されているとの見方を示した。

    開幕から苦戦が続いてきたアストンマーティンだが、ハンガロリンクで投入した16項目に及ぶアップグレードは、予選で確かな前進を示した。

    アロンソは結果だけでなく、チームが進むべき開発の方向性を確信できたことが最大の収穫だったと語っている。

    「まだ引き出せるポテンシャルがある」
    アロンソは予選後、新型AMR26Bはまだ理解を深めている段階であり、本来のポテンシャルを発揮し切れていないと説明した。

    「マシンにはまだ引き出せるポテンシャルがある。新しいクルマを投入したときには普通のことだ」

    「セットアップの最適なウインドウを理解していく必要がある。もしフリー走行がもう1回あれば、セットアップを変更していたと思う」

    今回の予選ではキャデラック勢、ウィリアムズ勢、そしてハースのオリバー・ベアマンを上回る16番手を記録。順位そのものよりも、アップグレードが実際のパフォーマンス向上につながったことを高く評価した。

    さらに、ここ数年アストンマーティンを悩ませてきた風洞データと実走性能の相関についても、改善への確信を得たという。

    「順位はそれほど大きく変わらないかもしれない。でもファクトリーの雰囲気は変わる。僕たちは何を目指しているのかを正確に理解している」

    「次のアップグレードパッケージ、そして来年のマシンで何を目指すべきかも完全に分かっている」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム) ハンガリーGP予選

    久々に予選で戦える感覚を取り戻した
    予選後のインタビューでは、久しぶりに「戦えるマシン」で予選に臨めたことへの喜びも口にした。

    「間違いなくこれまでとは違う週末だった。予選ではもっと戦える感触があったし、完璧なラップや完璧なセットアップができれば結果を左右できると思えた」

    「ヘルメットのバイザーを下ろしてアタックに入るときのアドレナリンは、ここ数戦では失われていた。最後尾付近では、マシンに何をしても順位は変わらなかったからね」

    「またあの感覚を取り戻せたのは良かった。この先の数戦では、さらに良くなることを期待している」

    一方で、決勝については慎重な姿勢も崩さなかった。

    「ポイント争いはまだ少し遠いと思う。でもマシンにはまだ引き出せる性能がある」

    「このパッケージで6~7周以上走るのは初めてになる。信頼性を確認する意味でも重要なテストになるし、このクルマについてさらに多くを学べるはずだ」

    アップグレードは正しい方向へ
    チームのプレスリリースでもアロンソは、新型AMR26Bの改善を実感していると語った。

    「今週末はこれまでより競争力があり、Q2進出は正しい方向への一歩だった」

    「僕たちはまだこのパッケージを最適化している段階で、マシンにはさらに引き出せるポテンシャルがある。クルマは以前より一貫性があり、挙動も予測しやすくなったので運転しやすい」

    「明日のレースでも引き続きこのクルマについて学び、何ができるか見ていきたい」

    アストンマーティンは今回のAMR26Bを開発計画の第一段階と位置付けており、オランダGP以降も追加アップグレードを投入する予定だ。今季初のQ2進出は順位以上の価値を持つ結果であり、アロンソが語る「まだ引き出せるポテンシャル」が今後どこまで実際の速さにつながるのか注目される。

  • アストンマーティンF1 AMR26B徹底解説 ニューウェイ流アップグレードの全貌

    アストンマーティンF1 AMR26B徹底解説 ニューウェイ流アップグレードの全貌

    アストンマーティンはF1ハンガリーGPで、16項目に及ぶ大規模アップグレードを投入した。チーム内では正式に「Bスペック」とは呼ばれていないものの、ノーズからリアサスペンションまで全面的に見直された内容から、事実上の「AMR26B」と呼べる進化版となっている。

    このパッケージは、エイドリアン・ニューウェイが本格的に開発へ関与した最初の大型アップデートとなる。

    夏休み明けに予定されるホンダ製パワーユニットの性能向上と合わせ、2026年シーズン後半戦の巻き返しを狙う重要な一歩でもある。

    元F1テクニカルディレクターのゲイリー・アンダーソンと、F1公式テクニカルアナリストのマーク・ヒューズはいずれも、このアップデートは単なる空力改善ではなく、マシン全体の空力思想を再構築するためのパッケージだと分析している。

    ニューウェイが目指したのは「ディフューザーを生かす」マシン
    今回のアップデートを理解するうえで最も重要なのは、「何が変わったか」ではなく「なぜ変えたのか」だ。

    マーク・ヒューズによれば、AMR26B最大の狙いは、ディフューザーへ送り込む空気の流量を増やし、高いリアライドハイトでも安定してダウンフォースを発生できるようにすることにある。

    これはニューウェイがレッドブル時代から追求してきた「ハイレーキ」思想につながる。リア車高を高くすることでフロア下面の空気を加速させ、大きなダウンフォースを生み出すという考え方だ。

    2026年レギュレーションではこのコンセプトをそのまま適用することは難しくなったが、アストンマーティンはフロントからリアまで空気の流れを見直し、ディフューザーへより大量の空気を送り込めるマシンへ進化させようとしている。

    アンダーソンも、新パッケージ全体から「ダブルフロア」思想をさらに推し進めたことが読み取れると分析しており、フロントウイングからリアサスペンションまで、すべての変更がディフューザー性能向上という一つの目的へ集約されているとみている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム AMR26B

    細くなったノーズと新フロントウイングが空気の流れを作り直す
    最も大きく姿を変えたのがノーズとフロントウイングだ。

    ノーズは従来より大幅に細くなり、下面形状も完全に再設計された。細いノーズを採用する最大の理由は、フロントタイヤ外側へ逃がす空気よりも、タイヤ内側と車体中央へ流れる空気量を増やすためである。

    この変更に合わせ、フロントウイングも全面的に設計が見直された。

    アンダーソンは、第1エレメントのコード長を短縮し、第2エレメントを拡大したことに加え、タイヤ内側付近のV字形状を廃止してクラウン形状へ変更した点を重要な進化として挙げる。

    ヒューズも、ノーズ下面を流れる空気だけでなく、フロントタイヤ内側へ送り込まれる気流そのものを増やすことが狙いだと説明する。

    エンドプレートも新設計され、内側へ巻き込むフェンス形状を採用。上部の水平フラップは従来より前方へ移動し、角度もより下向きとなった。

    これにより回転するフロントタイヤ周囲の圧力分布が変わり、タイヤ外側では圧力を高め、内側では圧力を下げることで、より多くの空気を車体中央へ導くことができる。

    さらにメインプレーン外側下面の立ち上がりも大きくなり、タイヤ内側へ流れる空気量を一段と増やしている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム AMR26 フロントウイング

    フロア露出面積を拡大 ディフューザーへ大量の空気を送り込む
    今回のアップデートの中心となるのがフロアだ。

    ヒューズは、車体側面に露出するフロア面積が前後方向にわたって大きく拡大されたことを最大の変更点として挙げている。

    この部分を流れる空気量が増えることで、リアタイヤ内側とディフューザー側壁との隙間へ送り込まれる気流が強くなり、ディフューザーはより大量の空気を引き抜けるようになる。

    結果としてフロア全体のダウンフォースが増加し、高いリアライドハイトでも性能を維持しやすくなる。

    アンダーソンも、写真比較からボディサイドとフロアとの隙間がさらに拡大し、「ダブルフロア」コンセプトがより強化されたと分析している。

    その狙いはディフューザーだけではない。ビームウイングやリアウイングを含めたリア全体へ強力な気流を送り込み、マシン後半部全体の空力性能を底上げすることにある。

    ウェイクボード刷新でフロアへ流れる気流を最適化
    フロントタイヤ後方のウェイクボード(フロアボード)も大きく変更された。

    ボード全体は従来より低くなり、その後方に並んでいたガイドベーンは姿を消した。

    水平フラップも後方へ移設されている。

    ヒューズは、タイヤ内側を流れる空気自体が以前より力強くなったため、これまで必要だった整流デバイスの役割が小さくなった結果だと説明する。

    アンダーソンも同様に、バージボード周辺の高さが低くなり、フラップ形状も穏やかになったことで、タイヤ乱流による悪影響を減らしながらフロア前方へより安定した気流を送り込めるようになったと分析している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム AMR26B サイドポッド

    サイドポッドも再設計 アンダーカット容量をさらに拡大
    サイドポッドも見た目以上に大きく変更された。

    ラジエーター吸入口上部の張り出しは幅が広がり、角度もより穏やかになった。

    一方でサイドポッド本体は薄型化され、断面も浅くなっている。

    しかし上面は幅広い形状を維持しているため、その下に形成されるアンダーカットの容量はさらに拡大した。

    このアンダーカットは低圧領域を形成し、フロアエッジに沿って流れる空気を高速化する役割を担う。

    ヒューズによれば、細いノーズ、新しいフロントウイング、拡大されたアンダーカットは一体のシステムとして設計されている。

    ノーズ下を通った空気はフロアへ直接流れ込み、フロントタイヤ内側を回った気流はサイドポッド下面の低圧領域によって再び外側へ引き出される。

    その空気はフロアエッジに沿ってリアタイヤ前方まで流れ、最後はディフューザーへ吸い込まれていく。

    つまり今回のアップデートは、空気の流れ全体を一本のルートとして再設計したものと言える。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム AMR26B リア

    リアウイングとリアサスペンションも全面的に見直し
    リアウイングもフロント同様、翼断面を変更した。

    第1エレメントはコード長を短縮し、第2エレメントは外側で拡大、第3エレメントもわずかに大型化されている。

    これにより翼全体の荷重分布を最適化し、ディフューザーとの連携性能を向上させるとともに、コーナリング時のダウンフォース回復性能改善も狙っている。

    リアタイヤ前方の整流フィンも穏やかな形状へ変更され、一部エレメントは廃止された。

    タイヤ乱流を抑えながら床下気流を乱さない方向へ進化している。

    リアサスペンションではアッパーアーム内側の取付位置を変更し、アンチリフト特性やリアロールセンター、キャンバー変化を最適化するとみられる。

    その結果として荷重が集中するリアウイング支柱間には、新たな補強ストラットも追加された。

    軽量化とホンダPUが揃って初めて真価を発揮する
    アンダーソンは、今回のアップデート最大の成果は軽量化だと評価している。

    アストンマーティン自身もAMR26が最低重量を上回っていたことを認めており、余分な重量はブレーキングやコーナリング、加速性能、タイヤ摩耗などあらゆる面で不利となる。

    重量を削減できれば、それだけでラップタイム短縮につながる。

    もちろん空力面でも着実な改善は見られるが、現行レギュレーションでは劇的な空力進化だけで数秒ものタイム短縮を得ることは難しい。勝負を分けるのはコンマ数秒、あるいはコンマ01秒単位の積み重ねだ。

    今回のAMR26Bは、単なるアップグレードではなく、ニューウェイが思い描く空力コンセプトへマシン全体を近づけるための基盤作りと位置付けられる。

    そして夏休み明けにはホンダ製パワーユニットのアップグレードも控えている。シャシーとパワーユニットの進化が揃ったとき、アストンマーティンF1はようやく2026年型マシンの本来のポテンシャルを発揮できることになるかもしれない。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

  • エイドリアン・ニューウェイ ホーナーのアストンマーティンF1加入説「知らない」

    エイドリアン・ニューウェイ ホーナーのアストンマーティンF1加入説「知らない」

    クリスチャン・ホーナーのアストンマーティンF1入り説について、エイドリアン・ニューウェイが初めて公の場で言及した。しかし、噂を否定も肯定もせず、現体制への信頼を強調。チームは組織改革を継続しながら、AMR26Bの開発を次の段階へ進める方針を示した。

    ニューウェイはハンガリーGPで、クリスチャン・ホーナーとの再共闘の可能性を問われると「その噂は耳にしているが、コメントできることは何もない」と回答した。

    一方で、アストンマーティンF1の現経営陣には満足していると述べ、小規模な組織変更の可能性には触れつつも、大きな体制変更を示唆することはなかった。

    ホーナーのアストンマーティンF1入り説にニューウェイは回答を回避
    クリスチャン・ホーナーは2025年7月にレッドブルを離れて以降、F1復帰先として複数のチームとの関係が取り沙汰されている。

    中国のBYDが計画するF1新規参戦プロジェクトや、フラビオ・ブリアトーレとの関係が深いアルピーヌ、さらにエイドリアン・ニューウェイが率いるアストンマーティンF1などが候補として報じられてきた。

    ホーナーはレッドブル時代のチーム代表兼CEOよりも上位の立場、すなわちチームの株主や共同オーナーのような役職でなければ復帰に興味を示していないとも伝えられている。

    そのホーナーとの再タッグについて質問されたニューウェイは、慎重な姿勢を崩さなかった。

    「クリスチャンについての噂は耳にしている。でも、それ以上コメントできることはない。本当に何も知らないんだ」

    そのうえで、現在のアストンマーティンF1首脳陣への信頼を強調した。

    「言えるのは、私たちは現在のシニアマネジメントチームに非常に満足しているということだ。多少の小さな調整はあるかもしれないが、アストンマーティン・レーシングにいる人材にはとても満足している」

    「シニアメンバーの組織については、もう少し調整を加えることはあるだろう。しかし、人材そのものには非常に満足している」

    エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    組織改革とAMR26B開発は順調に進展
    ニューウェイはまた、開幕戦オーストラリアGP後に下した大きな決断についても説明した。

    アストンマーティンF1はAMR26の開発を一時的に遅らせ、その期間を組織づくりや開発体制の再構築に充ててきた。

    「メルボルン後にマシン開発をいったん遅らせ、今に向けて人材の統合や組織づくり、開発ツールの整備、そして自分たちへのプレッシャーを少し和らげて、どう開発を進めるべきかを見直すことに集中するという判断を下した」

    「その取り組みは非常に順調に進んでいると感じている」

    さらに今回ハンガリーGPで投入したAMR26Bとも呼べる大規模アップグレードに加え、夏休み明けのオランダGP、続くアゼルバイジャンGPでも改良を続ける予定だと改めて説明した。

    「今回ここへ持ち込んだマシン、そしてザントフォールト、さらにバクーへ投入するアップデートも含め、技術的な進化は非常に大きな前進だと感じている」

    「もちろん、私たちは大きな巻き返しを図っている最中だ。これで最速のマシンになるかと言われれば、残念ながらそうではない。しかし、以前の状態から確かな前進になっているかと聞かれれば、私はそう信じている」

    ホーナー去就よりも現体制強化を優先
    ニューウェイの発言からは、ホーナー招聘の噂を否定はしなかったものの、現時点でアストンマーティンF1が大規模な経営陣刷新を計画している様子はうかがえなかった。

    チームは現在、組織文化の改革と技術開発体制の整備を優先事項としており、ハンガリーGPで投入したAMR26Bを皮切りに、ザントフォールト、バクーへと続くアップグレードで競争力向上を目指していく。

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1 AMR26Bに好感触「路面に吸い付く」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1 AMR26Bに好感触「路面に吸い付く」

    アストンマーティンF1はF1ハンガリーGPで16項目に及ぶ大規模アップグレードを施したAMR26Bを初投入し、フェルナンド・アロンソは「クルマは格段に良くなった」と手応えを語った。新パッケージは狙いどおりの効果を発揮していると評価する一方で、「まだ第一歩に過ぎない」と慎重な姿勢も崩さなかった。

    FP1ではランス・ストロールが左リアサスペンションのトラブルで走行を終えたものの、アロンソは13番手を記録。FP2では赤旗やトラフィックの影響で十分なアタックはできなかったが、新仕様マシンの進化を強く実感している。

    「クルマは路面に吸い付くようになった」
    11戦を経て実戦投入されたAMR26Bについて、アロンソは第一印象を非常に前向きに語った。

    「間違いなく格段に良くなった。クルマは路面に吸い付くような感覚があって、コーナーでグリップをコントロールしやすい。以前よりはるかに予測しやすく、運転しやすいクルマになっている」

    ただし、それで満足しているわけではない。

    「これはまだ最初の一歩だ。シャシーだけでなくエンジンでも、まだパフォーマンスを見つけていかなければならない。でも、間違いなく正しい方向へ進んでいる」

    セットアップにもまだ伸びしろ
    FP2ではフランコ・コラピントのクラッシュによる赤旗やトラフィックの影響で十分な周回を重ねることができず、アロンソのアタックラップもトラックリミット違反で抹消された。

    それでもアロンソは、まだ速さを引き出せる余地があると見ている。

    「赤旗やトラフィックで周回を最大限に生かすことができなかった。今日は新しいパーツをテストし、これまでとは大きく異なるセットアップの方向性を理解することに集中した。今夜さらに分析すれば、予選までにもっとパフォーマンスを引き出せるはずだ」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    開発の相関関係を確認「来年にも重要」
    アロンソが今回のアップグレードで最も評価したのは、シミュレーションどおりの成果が実車でも確認できたことだった。

    「確実に良くなっているし、おおむね僕たちの予想どおりだ。新しいパッケージがクルマにもたらすと考えていた変化が、実際にサーキットでも確認できた。こうした相関関係は来年のプロジェクトにとっても非常に重要なんだ」

    さらに、夏休み明けのオランダGPで投入が予定されているホンダの新型パワーユニットにも期待を寄せた。

    「ザントフォールトは新しいエンジンを試す良い機会になる。僕たちは一歩ずつ前進している」

    今回のアップグレードによってAMR26Bは空力性能やドライバビリティの改善を示し、チームが開発段階で予測していた効果も実車で裏付けられた。アロンソは「チームには前向きな雰囲気が生まれている」とも語っており、大規模アップデートは競争力の向上だけでなく、2027年マシン開発へ向けた重要な自信にもつながっているようだ。

  • アストンマーティンF1 AMR26Bのスペア不足 ストロールFP2欠場で部品を空輸

    アストンマーティンF1 AMR26Bのスペア不足 ストロールFP2欠場で部品を空輸

    アストンマーティンF1は、F1ハンガリーGPで投入した大規模アップグレード仕様「AMR26B」のスペアパーツを英国シルバーストンのファクトリーからハンガロリンクへ緊急空輸している。

    ランス・ストロールはFP1で左リアサスペンションが破損した影響でFP2を走行できなかったが、チームは予選までに修復を完了させる見込みだ。

    今季最大規模となる16項目のアップグレードを夏休み前最後のレースに間に合わせたアストンマーティンF1は、開発を優先したことで十分なスペアパーツを現地へ持ち込めておらず、急きょファクトリーから部品を取り寄せる対応を迫られた。

    スペア不足でFP2の修復が間に合わず
    ストロールはFP1開始から40分足らずで左リアサスペンションが破損し、ターン3進入でスピンを喫して走行を終了した。

    チーム代表を務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、故障原因がサスペンションだったことを認める一方、アロンソ車には同じ問題が起きる心配はないと判断していたと説明した。

    「だからフェルナンドはそのまま走行を続け、FP2にも出走することができた。しかし、スペアパーツが不足していたため、残念ながらランスのマシンを2回目のセッションまでに修復することはできなかった」

    さらにデ・ラ・ロサは、必要な部品の一部は現地で確保し、不足分はシルバーストンから空輸していることを明かした。

    「現地にある部品と、ファクトリーから空輸している部品を組み合わせて修復することになる」

    また、新仕様マシンはセットアップだけでなくドライバーも順応する時間が必要だとし、「ランスは新しいクルマの感覚をつかむための貴重な走行時間を失ってしまった。セットアップだけでなく、ドライバー自身もこのクルマに適応しなければならない」と語った。

    ストロール「このアップグレードだけですべては変わらない」
    アップグレード投入を前に、ストロールはチーム全体が大きな期待を寄せていることを明かしていた。

    「みんなワクワクしている。この週末をしばらく前から待ち続けてきた。いい結果になってくれることを願っている」

    一方で、今回のアップグレードがどれほど効果を発揮するかは実際に走ってみなければ分からないという。

    「このパッケージが何をもたらしてくれるのか見てみよう。明日走れば、僕たちの期待どおりなのか、それ以上なのか、それとも期待ほどではないのか、多くの答えが分かると思う」

    ただし、このアップグレードだけですべての課題が解決するとは考えていない。

    「もちろん、このアップグレードだけで僕たちが望んでいるものすべてを手に入れられるわけではない。シーズンはまだ長いし、これからもできる限りパフォーマンスを積み重ねていかなければならない」

    また、今回のアップデートは主にシャシー側の改善であり、パワーユニットの性能向上も不可欠だと強調した。

    「ストレートでパワーが足りないことは分かっている。だからエンジンの性能向上も必要だ」

    夏休み明けのオランダGPで投入予定のホンダの新型パワーユニットについては、「ザントフォールトで少し改善される予定だ」と期待を寄せつつも、現時点ではトップ勢との差を一気に埋めるものではないとの見方を示した。

    「それだけでメルセデスと戦えるようになるわけではない。今の時点でメルセデスとレッドブルのどちらのエンジンが一番いいのかは分からないけれど、少なくとも僕たちとの差を縮めることが重要なんだ」

    最後に、アップグレードによって目指すべき位置について問われると、ストロールは率直にこう語った。

    「そうなってくれることを願っている。少なくとも中団チームと戦えるようになりたい」

    ランス・ストロール(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    アロンソもAMR26Bに手応え
    一方、フェルナンド・アロンソもAMR26Bを高く評価している。

    「クルマは格段に良くなった。路面に吸い付くような感覚があって、以前よりはるかに予測しやすく、運転しやすい」

    さらに、新パッケージが開発段階で予測していた効果を実車でも確認できたことを収穫に挙げた。

    「全体的に、数値も相関関係も僕たちが期待していたとおりだった。それは来年のマシンや今後投入するアップグレードに向けても非常に励みになる」

    一方で、「まだシャシーとエンジンの両方で改善すべき点は残っている」としながらも、「これは今後につながる多くの前進の第一歩になることを願っている」と前向きな見通しを語った。

    ストロールはFP2の走行機会を失ったものの、アストンマーティンF1はシルバーストンからスペアパーツを緊急空輸して対応を進めている。大規模アップグレードを施したAMR26Bが、予選以降どこまで中団争いへ食い込めるか注目される。

  • エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティンF1 AMR26大改修「第一印象は有望」

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティンF1 AMR26大改修「第一印象は有望」

    アストンマーティンF1のエイドリアン・ニューウェイは、ハンガロリンクで、F1ハンガリーGPに投入したAMR26の大規模アップグレードについて、「計画全体の第一段階」に過ぎないと説明し、夏休み明けのオランダGP、さらにイタリアGP、アゼルバイジャンGPでも追加アップデートを投入する方針を明らかにした。

    FIAの技術資料では16項目に及ぶ変更が確認されており、実質的には「Bスペック」とも呼べる大改修となった。

    初日はランス・ストロールがサスペンショントラブルで走行を切り上げたものの、フェルナンド・アロンソは予定どおりデータ収集を実施。ニューウェイは「暫定的な結果は有望だ」と手応えを語っている。

    16項目の大改修は「まだ第一段階」
    ハンガリーGPで公開されたAMR26には、ロングノーズ化、新型フロア、サイドポッド吸気口の刷新、リヤ周辺の見直しなど16項目ものアップグレードが施された。

    ニューウェイは、現時点では評価の途中段階であるとしたうえで、今後も段階的な開発を続けると説明した。

    「まだ新しいパッケージを理解している段階だ。現時点での暫定的な結果は有望だ」

    「これはパッケージの一部にすぎない。ザントフォールトでさらにアップデートを投入し、その後モンツァとバクーでも追加のステップを予定している。今回が計画していたアップグレードの第一段階だ」

    また、スペアパーツが限られているため、慎重に評価を進めているという。

    「スペアパーツが非常に不足しているので、慎重に走らせながら、このパッケージについて学んでいるところだ」

    今回のAMR26は大幅な仕様変更となったが、基本設計は従来型を踏襲している。

    「シャシーも基本レイアウトもフロントサスペンションも同じだ。つまり大きく変わったのは空力面であり、非常に空力中心の進化と言える」

    ニューウェイは、開幕前には十分な研究時間を確保できなかったことも明かした。

    「マシン投入まで十分な研究時間がなかった。そのため、一度立ち止まって問題を理解し、このパッケージへとつなげる作業が必要だった」

    「まずは最低限の競争力を取り戻したい」
    FP2終了後にはアロンソもアップグレードの効果について前向きな評価を示した。

    「感触は良かった。数値やシミュレーションとの相関も期待どおりで、それは来年のマシンや今季後半のアップグレードに向けても非常に励みになる」

    「もちろん僕たちはまだ大きく遅れているけれど、これは良い進歩へ向けた最初の一歩になってくれることを期待している」

    ニューウェイ自身も、今回のアップグレードを前進と評価しながらも、すぐに優勝争いへ加われるとは考えていない。

    「非常に大きな前進ではあるが、我々はまだ追い上げる立場にある」

    「これで最速マシンになるかと言われれば、残念ながらそうではない。しかし以前より大きく前進できるかという問いには、『そうだ』と答えられる」

    一方で、具体的な目標を設定する考えはないという。

    「私は目標を設定することは好きではない。問題を論理的に解決し、全員が協力し合える文化を築くことの方が重要だ。そうすれば結果は自然についてくる」

    さらに、勝てない時期と勝っている時期の違いについても持論を語った。

    「勝てていない時は越えられない山のように感じる。しかし勝っている時は、自分たちは何も特別なことをしていないように感じるものだ」

    そして、2026年シーズン前半を率直に振り返った。

    「ここまでのレースは完全な悪夢だった。まずは最低限の競争力を取り戻したい。それが当面の目標だ。そして、そこからさらに前進していきたい」

    エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ストロールのトラブルはアップデートとは無関係
    初日の大きな誤算となったのは、FP1でランス・ストロール車に発生した左リヤサスペンションのトラブルだった。わずか11周で走行を終えたことで、チームは2台体制で十分なデータを収集できなかった。

    ニューウェイは、原因究明を急いでいるものの、現時点では今回のアップグレードとの直接的な関連は確認されていないと説明した。

    「現在、何が起きたのかを全員で懸命に調査している。原因を理解して初めて今後の対応を判断できる」

    さらに、トラブルが発生した箇所は今回変更した部分ではなかったと明かした。

    「問題が起きた箇所自体は変更していない。外装など細かな変更はあるが、その意味では非常に予想外だった。原因を理解するまでは、それ以上のコメントは難しい」

    また、FP1でアロンソに縁石を避けるよう無線で指示した理由については、サスペンショントラブルではなく空力データ取得のためだったと説明した。

    「縁石を避けるよう指示したのは空力データを取得していたからだ。縁石による挙動の変化があるとデータが乱れてしまう」

    一方で、再び確認された振動についてはホンダが解析を進めている問題だとし、自身の担当分野ではないとの認識を示した。

    「振動についてはホンダに聞くべき内容だ。彼らはデータ上で状況を把握しており、解決策に取り組んでいる」

    16項目に及ぶAMR26のアップグレードは、アストンマーティンにとって巻き返しへ向けた第一歩に過ぎない。ニューウェイが明かしたように、ザントフォールト、モンツァ、バクーでも改良版が投入される予定であり、チームはシーズン後半にかけて段階的な進化を続けていく。

  • ホンダF1 AMR26B初走行で新たなPU振動を確認「原因は把握」

    ホンダF1 AMR26B初走行で新たなPU振動を確認「原因は把握」

    ホンダは、2026年F1第11戦ハンガリーGP初日の走行で、アストンマーティンが投入した大規模アップグレード仕様のマシンから新たなパワーユニットの振動を確認した。従来とは異なる現象だが、原因はすでに特定しており、対策による改善も確認できたという。

    アストンマーティンはハンガロリンクでAMR26の大幅な改良版を投入。ホンダはFP1とFP2を通じて車体変更に伴うPUのテレメトリーデータを収集し、土曜日のFP3と予選に向けて分析とセットアップの最適化を進める。

    AMR26アップグレードの初走行をホンダも全面支援
    2026年F1第11戦ハンガリーGPが7月24日(金)、ブダペストのハンガロリンクで開幕し、大会初日はフリー走行1回目とフリー走行2回目が行われた。

    アストンマーティンは今回のハンガリーGPで、空力やシャシーを広範囲に見直した大規模なアップグレードを投入した。実質的なBスペックともいえる改良車の走行開始に向け、ホンダもパワーユニット側から準備と支援を続けてきた。

    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、改良車が初めてコースへ送り出された瞬間について、ホンダにとっても特別なものだったと説明した。

    「本日は、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワンチームが車体のアップグレードを投入しました。ホンダとしてもそのサポートに全力で取り組んできただけに、マシンがコースへ送り出される瞬間は、私たちにとっても気持ちが高まるものでした」

    従来とは異なるPU振動も原因を特定
    アップグレードされたマシンの評価において、FP1は重要なセッションとなった。ホンダとアストンマーティンは走行を通じて多くのデータを集めた一方、パワーユニットに振動が発生していることも確認した。

    折原によれば、今回確認されたオシレーションは、これまでAMR26で問題となっていた振動とは異なる現象だという。ただし、原因についてはすでに把握しており、金曜日の走行中に対策を調整したことで改善も確認できた。

    「FP1は重要なセッションとなり、多くの貴重なデータを収集することができました。パワーユニットに振動(オシレーション)が発生していることを確認しましたが、その原因はすでに把握しています」

    「今回の振動はこれまで発生していたものとは異なる現象であり、本日は各セッションを通じて対策の調整を進め、その効果による改善も確認することができました。この取り組みは週末を通して継続していきます」

    FP2ではフェルナンド・アロンソが無線で振動を訴える場面もあり、ホンダとアストンマーティンにとっては、性能評価と並行して挙動を安定させる作業が必要となった。

    ただし、現象の原因を特定できていることに加え、すでに対策の効果が表れている点は前向きな材料となる。今後は走行条件やマシンセットアップの変化に合わせながら、振動をさらに抑え込んでいくことになる。

    ホンダF1 本田技研工業

    車体変更に合わせたPU最適化を継続
    今回のアップグレードでは、マシンの空力特性や冷却、荷重のかかり方などが従来仕様から大きく変化している。ホンダは金曜日の走行で、車体変更に伴うパワーユニットのテレメトリーデータも多数取得した。

    折原は、土曜日のFP3から予選にかけて、収集したデータの分析とセットアップの最適化を重点的に進めるとしている。

    「また、車体アップグレードに伴うPUのテレメトリーデータも数多く取得しており、FP3から予選にかけては、その分析とセットアップの最適化を重点的に進めていきます」

    アストンマーティンは初日、ランス・ストロールがFP1で左リアサスペンションの問題により走行を止め、FP2を欠場。アロンソもFP2で19番手にとどまったため、アップグレードの純粋な性能を十分に示すまでには至らなかった。

    それでも、ホンダは限られた走行のなかで振動の原因を把握し、対策による改善を確認した。土曜日は新しい車体特性に合わせたPUの最適化を進めながら、AMR26Bの本来の性能を引き出す作業に取り組む。

  • フェルナンド・アロンソ ニューウェイとホンダF1を信頼「疑いはまったくない」

    フェルナンド・アロンソ ニューウェイとホンダF1を信頼「疑いはまったくない」

    アストンマーティンF1のフェルナンド・アロンソは、チームの現状が厳しい状況にあるにもかかわらず、エイドリアン・ニューウェイと2027年からパワーユニットを供給するホンダに対して揺るぎない信頼を示した。

    ハンガリーGPのFIA公式記者会見でアロンソは、AMR26Bのアップグレードだけでなく、チームの将来について問われると、「疑いはまったくない」と断言。ニューウェイが最高のマシンを完成させ、ホンダも現在の課題を必ず克服すると語った。

    「ニューウェイが最高のマシンを作ることに疑いはない」
    アロンソは、今回投入されたAMR26Bを開発の第一歩と位置づける一方で、本格的な飛躍にはさらなる時間が必要だと説明した。

    それでも、チームの将来には強い確信を持っているという。

    「答えが欲しいとは思っていない。チームについては、とても明確なイメージを持っている。すべての問題は解決できると信じている」

    そして、チームの技術部門を率いるエイドリアン・ニューウェイへの絶対的な信頼を口にした。

    「疑いはまったくない。本当にまったく疑っていない。エイドリアンが遅かれ早かれグリッドで最高のマシンを作り上げると信じている」

    さらに、今回のアップグレードを評価する上で重要なのは、単純な結果ではなく、開発の方向性を確認することだと強調した。

    「このパッケージが最初の一歩になることを期待している。最初の数戦で得られる理解が重要だし、来年以降もさらなる進化があることは間違いない」

    ホンダF1にも絶大な信頼「40年間そうしてきた」
    アロンソは、現在のパワーユニットが抱える課題についても悲観していない。

    アストンマーティンは2027年からホンダ製パワーユニットを搭載する予定だが、その開発についても確信を持っていると語った。

    「パワーユニットについても疑いはない」

    その理由として、ホンダが長年にわたり困難を乗り越えてきた実績を挙げた。

    「ホンダが問題を解決するのは時間の問題だと思っている。彼らは40年間のレース活動で、それをずっとやってきたからだ」

    一方で、現時点では開発の遅れを取り戻す過程にあり、その苦しみを受け入れながら前進していると説明した。

    「僕たちは出遅れた状態からスタートした。そのプロセスと週末の苦しみを今は経験している。でも全員が力を合わせて問題を解決しようとしている」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    焦点は「いつ競争力を手にするか」
    アロンソは、チームが成功すること自体には何の疑いもないとしながらも、唯一の不確定要素は、その時期だと語る。

    「問題は、いつ競争力を持つようになるかということだけだ。それが唯一の疑問だ」

    その答えは、ハンガリーGPとオランダGPで得られるデータから見えてくる可能性があるという。

    「次の2戦で、その手応えを少しつかめるかもしれない」

    短期的な結果には一喜一憂せず、ニューウェイとホンダという強力なパートナーへの信頼を改めて示したアロンソ。アストンマーティンの再建プロジェクトは始まったばかりだが、2度のF1ワールドチャンピオンは、その未来に「疑いはまったくない」と言い切った。

  • アストンマーティンF1 AMR26Bに早くも試練 ストロールのリアサスが破損

    アストンマーティンF1 AMR26Bに早くも試練 ストロールのリアサスが破損

    ラランス・ストロールが、2026年F1ハンガリーGPのフリー走行1回目(FP1)でマシントラブルに見舞われた。アストンマーティンが大規模アップグレードを施した「AMR26B」の実戦デビューは、開始早々に暗雲が立ち込める展開となった。

    ストロールはセッション序盤、ターン3進入で突然マシンのコントロールを失ってスピン。そのままコース脇にマシンを止めたことで赤旗が提示された。

    リアサスペンション破損で赤旗
    リプレイ映像では、ストロールはターン2を立ち上がった直後にマシン後部の挙動が乱れ、ターン3進入で突如スピン。ドライバーのミスというよりも、車両側の異常が原因とみられる動きだった。

    ストロール自身も無線で「リアサスペンションの故障だ」と伝えており、F1 TVのテクニカル解説でも、今回AMR26Bで刷新されたリアサスペンションが原因である可能性が指摘された。

    また、一部では左リアタイヤの装着不良の可能性も取り沙汰されているが、現時点で原因は明らかになっていない。


    スペア不足への懸念も浮上
    F1 TVのテクニカルアナリスト、サム・コリンズは「もしアップデートパーツの破損であれば、アストンマーティンにとって大きな問題になるかもしれない。今週末はスペアパーツが十分ではないことをチーム自身が認めている」と懸念を示した。

    アストンマーティンは今大会でノーズ、フロア、リアサスペンションなど16項目に及ぶ大規模アップグレードを投入。AMR26Bとして初めて実戦投入されたが、その重要パーツとみられるリアサスペンションにトラブルが発生した可能性がある。

    幸いにもストロールはバリアへの接触を避けたため、マシンは回収後に大きな外傷は確認されず、追加の修復作業は最小限で済む見込みだ。セッションは約6分間の中断を経て再開された。

    今回のトラブルが部品そのものの不具合なのか、それとも組み付けや個別の問題なのかは、アストンマーティンの調査結果が待たれる。今回のアップグレードの信頼性を占う上でも、週末を通じて注目が集まりそうだ。

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  • アストンマーティンF1 AMR26Bに16項目の大改修 FIA資料で全貌判明

    アストンマーティンF1 AMR26Bに16項目の大改修 FIA資料で全貌判明

    アストンマーティンF1が2026年F1ハンガリーGPで投入する「AMR26B」の全容が明らかになった。

    FIAが公開したアップデート申告書によると、同チームは今季最大規模となる16項目に及ぶ改良を実施。エイドリアン・ニューウェイ主導で開発されたBスペックマシンが、苦戦を続けたシーズン前半の流れを変えられるかに注目が集まっている。

    AMR26はここまで重量超過やダウンフォース不足に加え、ホンダ製パワーユニットとのマッチングや信頼性にも課題を抱え、グリッド最後尾に沈む場面も少なくなかった。アストンマーティンは小規模な改良を積み重ねるのではなく、マシンの根本的な弱点を見直す大規模アップデートをハンガリーGPまで温存してきた。

    FIAが明かした16項目の大規模アップデート
    FIAの技術資料によると、アストンマーティンはAMR26Bに16項目の新パーツを投入した。

    変更対象はフロア、ボディワーク、サイドポッド、エンジンカバー、ディフューザー、ノーズ、フロントウイング、リアウイング、冷却ルーバー、リアサスペンションなど、車体のほぼ全域に及ぶ。

    特にフロアについては、許可されているすべての空力面を見直したほか、フロア前縁のベーンやフットプレート、リアタイヤ前方の形状も刷新。サイドポッドとエンジンカバーは後方への気流を改善するために再設計され、フロントウイング、エンドプレート、細長くなった新ノーズはフロントの空力性能向上を狙っている。

    これらの変更はすべて、ダウンフォース増加とマシン全体の性能向上を目的としたものだ。今季ここまでフェルナンド・アロンソとランス・ストロールが繰り返し訴えてきた空力性能不足の改善が期待されている。

    ニューウェイ主導で「根本から作り直した」AMR26B
    アストンマーティンは今季序盤、小規模アップデートを重ねる開発方針を採らず、エイドリアン・ニューウェイの指揮のもとでBスペック車の完成を優先してきた。

    マイク・クラックはブダペストで次のように説明している。

    「エイドリアンも以前話していたように、今回のアップデートは大規模な空力アップデートと軽量化が中心だ。それが今回の開発の核になっている」

    今回投入された16項目は、2026年シーズンで各チームが持ち込んだアップデートの中でも最大規模とされる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ライバル勢も開発を継続 それでも最大の注目はアストンマーティン
    ハンガリーGPでは各チームもアップデートを投入している。

    マクラーレンはフロアやリアウイングなどを改良し、メルセデスは冷却性能向上を目的にエンジンカバー出口を変更。レッドブルは「マカレナ」リアウイングやディフューザーを改良し、フェラーリもリアウイングをアップデートした。

    そのほかウィリアムズ、レーシングブルズ、ハース、アウディ、キャデラックも新パーツを投入した一方で、アルピーヌだけがアップデートを持ち込まなかった。

    しかし、規模という点ではアストンマーティンが群を抜いている。16項目に及ぶAMR26Bの大改修は、ニューウェイ体制初の本格的な成果を示す重要な一歩であり、今週末の走行結果は今後の開発方針を占う試金石となりそうだ。

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