カテゴリー: F1アブダビGP

  • F1アブダビGP フリー走行1回目 展開:ノリス最速発進、平川亮11番手快走

    F1アブダビGP フリー走行1回目 展開:ノリス最速発進、平川亮11番手快走

    最終戦アブダビGPのフリー走行1回目は、9名のルーキードライバーが同時投入される特異なセッションとなり、ピットレーンは序盤から混雑。昼間の高温かつダスティな路面という非代表的コンディションの中で、各チームはセットアップの方向性を探りながら慎重にプログラムを進めた。そんな中でランド・ノリスが僅差のトップタイムを記録し、タイトル最終決戦に向けて好発進を切った。フェルスタッペンは挙動への違和感を訴えながらも0.008秒差の2番手。9名のルーキー勢では平川亮が11番手と最上位につけ、最終戦の初日から存在感を示した。

    ■ 序盤:9名のルーキー投入でピット出口が混雑。各車はシステムチェック中心の静かな立ち上がり
    最終戦のFP1は砂が残るダスティな路面で始まり、各車はまずERSやブレーキバランスの確認など初期チェックを中心に走行を進めた。今回は9名のルーキー枠ドライバーが同時投入されたため、序盤のピットレーンは例年以上に混雑。上位勢も本格的なタイムアタックには入らず、走行データの取得を優先する“準備段階”のセッションとして静かにスタートした。

    ■ 中盤:路面が改善しタイムが動き始める。挙動に違和感を訴えるフェルスタッペン
    路面ラバーが乗り始めると上位勢のタイムが動き始め、フェルスタッペンがまず1分27秒台へ。だが無線では「壊れているかもしれない」「今は全部おかしい」と不満を連発し、挙動への違和感が収まらない様子が見られた。一方、ノリス、アントネッリ、サインツらも各自のプログラムを消化しつつタイムを詰め、中団から上位まで順位が頻繁に入れ替わる状態が続いた。

    ■ ルーキー9名が揃って走行:平川亮が11番手で“最上位”を記録
    このFP1で走行したルーキー枠9名は以下の通り(順位・周回数)。
    ・11位 平川亮(ハース)28周
    ・13位 ポール・アロン(アルピーヌ)27周
    ・14位 パトリシオ・オワード(マクラーレン)28周
    ・15位 アービッド・リンドブラッド(レッドブル)26周
    ・16位 岩佐歩夢(レーシングブルズ)27周
    ・17位 ルーク・ブラウニング(ウィリアムズ)30周
    ・18位 アーサー・ルクレール(フェラーリ)18周
    ・19位 ジャック・クロフォード(アストンマーティン)24周
    ・20位 シアン・シールズ(アストンマーティン)22周
    特に平川亮の11番手(28周)はセッション全体でも目立つ結果で、ハースの初日作業を確実に前進させた。ブラウニングは30周の最多周回を記録し、リンドブラッドはF1初日のプログラムを安定して遂行。岩佐のペースも良好で、レーシングブルズのデータ収集にしっかり貢献した。一方でアーサー・ルクレールはスピンもあり18周と少なめで、セットアップ作業に苦戦した。

    ■ 終盤:ノリスがフェルスタッペンを0.008秒差で逆転。ルクレールは“ゼログリップ”を嘆く
    路面改善を受けて終盤にソフトが投入されると、ノリスが1分24秒485を記録しトップへ浮上。フェルスタッペンは0.008秒差、ルクレールも0.016秒差と三強が横並びの接戦になった。一方でルクレールはロングランで「ゼログリップ」「我々は遅すぎる」と悲観的な無線を出しており、フェラーリは手応え不足が解消できないまま初日を終えた。

    ■ FP1総括:ノリスが首位発進も、本当の勝負はFP2以降へ
    FP1は昼間の非代表的コンディションで行われたため、ここでの順位が決勝ペースを反映しているわけではない。とはいえタイトルを争う3人は揃って上位に入り、ノリスは“週末を通して走れる優位性”を最大限に活かして好発進。フェルスタッペンは挙動不安を抱えながらも上位につけ、ルクレールは速さの片鱗を見せつつも安定性を欠いた。実力差が明確になるのは、日没後のコンディションで行われるFP2以降となる。

    ■ F1 アブダビGP フリー走行1回目 結果・ラップタイム

    1.ランド・ノリス(マクラーレン) – 1分24秒485
    2.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) – 1分24秒493
    3.シャルル・ルクレール(フェラーリ) – 1分24秒501
    4.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) – 1分24秒608
    5.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) – 1分24秒629
    6.ジョージ・ラッセル(メルセデス) – 1分24秒733
    7.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー) – 1分24秒742
    8.オリバー・ベアマン(ハース) – 1分24秒759
    9.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) – 1分24秒771
    10.フランコ・コラピント(アルピーヌ) – 1分24秒855
    11.平川亮(ハース) – 1分24秒934
    12.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) – 1分24秒977
    13.ポール・アロン(アルピーヌ) – 1分25秒204
    14.パトリシオ・オワード(マクラーレン) – 1分25秒246
    15.アービッド・リンドブラッド(レッドブル) – 1分25秒256
    16.岩佐歩夢(レーシングブルズ) – 1分25秒360
    17.ルーク・ブラウニング(ウィリアムズ) – 1分25秒475
    18.アーサー・ルクレール(フェラーリ) – 1分25秒490
    19.ジャック・クロフォード(アストンマーティン) – 1分25秒889
    20.シアン・シールズ(アストンマーティン) – 1分26秒432

  • F1アブダビGP:ヤス・マリーナ・サーキット&タイヤ解説

    F1アブダビGP:ヤス・マリーナ・サーキット&タイヤ解説

    2025年F1 アブダビGPが、12月5日(金)~12月7日(日)の3日間にわたってヤス・マリーナ・サーキットで開催される。公式タイヤサプライヤーのピレリが2025年のF1世界選手権 第24戦 アブダビグランプリのタイヤについて解説した。

    今季最後のグランプリとなるアブダビは、2022年から使用されてきたタイヤサイズがF1レース週末に登場する最後の場にもなる。

    アブダビで迎える“未来のF1”への第一歩
    来季からは18インチのリム径を維持しつつ、技術規則の大刷新により開発された新世代マシンに合わせて、タイヤはわずかにスリムになる。

    グランプリ翌週の火曜日(12月9日)には、ヤス・マリーナ・サーキットでテストが行われ、レースドライバーたちが2026年仕様のタイヤに合わせて改造されたミュールカーを走らせる(「キーワード」の段落参照)。

    その前に、2025年世界選手権最後の表彰台で祝福の時を迎える。ドライバーたちは特別仕様の名高いピレリキャップを着用する予定だ。ピレリ・デザインがデザイナーのデニス・デコヴィックとともに制作した「アブダビ・ポディウム・キャップ」は砂漠の砂丘を思わせるベージュ色で、専用のECサイト(https://store.pirelli.com)で購入できる。

    アブダビGP

    コンパウンド
    今季最終戦アブダビでも、ピレリはこれまで通りC3、C4、C5のコンパウンドを選択している。歴史的にヤス・マリーナではタイヤの“グレイニング”が見られるが、昨年以降この現象は比較的限定的となっており、現在のタイヤの耐性向上によって、通常は予選でしか使われないソフトでもレース戦略の核になり得るほどだ。このサーキットではデグラデーションは熱起因で、特に最終セクターで求められるトラクションのためリアタイヤに表れやすい。

    アブダビグランプリ

    2024年
    昨年のヤス・マリーナでは、19人のドライバーがミディアムでスタートし、唯一の例外はハードを選んだハミルトンだった。最速はワンストップで、2スティント目にハードを使用する戦略だった。トップ10フィニッシャーの中で、2回ピットに入ったのはアロンソのみ。最速ラップを狙う目的だけでソフトを履いたドライバーは1人だけだった。グレイニングとデグラデーションはいずれも限定的で、レース中盤前にピットに入ったドライバーでも、問題なく2スティントで走り切ることができた。

    アブダビGP F1

    サーキット
    ヤス・マリーナはこれまでに13回、F1シーズン最終戦を開催している。現代的で最先端の設備を持つこのサーキットは、全長5.281km、16のコーナーで構成される。長年ポストシーズンテストの会場となっているため、ドライバーにとっては馴染み深い。ヘルマン・ティルケが設計し、4年前に改修され、わずかに短くなった一方で高速化し、よりスムーズなレイアウトになったことで、特に低速のターン5とターン6の間にある1.2kmのストレートではオーバーテイクの機会が増えている。

    ターン10、11、12のセクションも興味深く、ドライバーは激しいブレーキングを行うため、マシンに大きな横荷重がかかる。路面はイングランドから輸入された骨材で舗装され、摩耗とグリップは中程度。ターン1からターン4までは今年、凹凸をならすために再舗装された。ナイトレース全般に見られるように、初回セッションから最終セッションにかけて気温が大きく低下する。走行時間帯によって路面コンディションが変化し、F1サポートレース(フォーミュラ2など)による“ラバーの乗り方”の影響も受ける。

    2025年のF1世界選手権 アブダビGP

    キーワード:ポストシーズンテスト
    12月9日火曜日、全チームがピレリ主催のグループテストに参加し、09:00〜18:00の間で走行を行う。各チームは1名のレースドライバーを起用し、翌年のマシン特性をシミュレートするよう改造されたミュールカーを走らせ、2026年仕様のタイヤをテストする。

    チームにはC2が1セット、C3・C4・C5がそれぞれ3セット、雨天時用としてインターミディエイトが1セット支給される。2026年仕様のC1とフルウェットはヤス・マリーナでは使用されない。

    同日、各チームは「ヤングドライバー」(2戦以上のF1出走経験を持たないドライバー)を2025年型マシンに乗せて走行させる。こちらには2025年タイヤが支給され、C3とC5が各2セット、C4が4セット、雨天用にインターミディエイトとフルウェットが1セットずつ与えられる。

    今回テストされる2026年仕様タイヤには、来季シーズンを通して使用される新しいサイドウォールグラフィックが施される。また、硬さを示す従来のカラーリングは維持され、アブダビではC2には括弧が付けられず、C3と区別しやすくしている。

    2025年のF1世界選手権 アブダビグランプリ

    統計コーナー
    今年でヤス・マリーナ・サーキットがアブダビGPを開催するのは17年連続となる。初開催は2009年で、優勝者はセバスチャン・ベッテルだった。UAEで最も多く勝利しているドライバーはルイス・ハミルトンで、5勝と5回のポールポジションを記録。マックス・フェルスタッペンは現在4勝で、今年その記録に並ぶ可能性がある。

    フェルスタッペンが所属するレッドブル・レーシングは通算7勝で最多。メルセデスはそれに1勝差で続く。2021年のアブダビでは、フェルスタッペンが初のドライバーズタイトルを獲得した同じ日に、メルセデスが8度目のコンストラクターズタイトルを確保している。

  • ランド・ノリス F1アブダビGP会見「いつも通り臨む。失うものは一番多い」

    ランド・ノリス F1アブダビGP会見「いつも通り臨む。失うものは一番多い」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、タイトル決戦の舞台となるF1アブダビGPに向け、「アプローチはいつも通り」だと強調した。一方で、ランキング首位として挑む立場上「失うものは自分が一番多い」とも認めている。

    ノリスは現在、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に12ポイント差、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に16ポイント差でタイトルを争っており、最終戦で3人のうち誰が王者になってもおかしくない状況だ。

    「いつもと同じ」ノリスが語るタイトル決戦への姿勢
    ノリスは木曜日の会見で、週末の準備について問われると、次のように淡々と語った。

    「何も変わらない。毎週末と同じように臨むだけだ」

    「もちろん、前戦カタールの振り返りはする。良くなかった点、明らかにミスだった部分、そして分かりにくいけれど改善できる点。そういう通常の作業をしたうえでアブダビに来ている。それ以外は変わらないよ。チームの誰にとっても、いつも通りの準備をしているだけなんだ」

    「立場的には一番失うものが多い」
    会見では、首位に立つ者としてプレッシャーを感じるかという質問も飛んだ。ノリスはこれを認めつつも、深刻さは見せなかった。

    「もちろん順位だけ見れば、僕が一番失うものが多い。でもベストを尽くすだけだよ。あと数日間、トップのままでいられるようにね」

    「うまくいかなかったとしても、また来年挑めばいい。少しの間は痛みを感じるだろうけど、人生ってそういうものだし、また頑張るだけだ」

    そして、決戦そのものを相対化するように、こうも続けた。

    「何も失うものはないという気持ちもある。レースはレース、チャンピオンシップはチャンピオンシップ。でも30年後には、どうだったかなんてそんなに考えないと思う」

    ランド・ノリス(マクラーレン) アブダビグランプリ

    勝てば「人生の夢が叶う」ノリスが語ったタイトルの意味
    それでも、優勝の価値を問われると、ノリスの表情は一気に熱を帯びた。

    「数日後か数週間後に、また聞いてほしい」

    「これは僕の人生そのものだ。これまでの人生すべてを注いできた夢なんだ。もしそれを掴めたら、僕を支えてくれた人たち、過去16年間ずっと応援してくれた人たちにとっても意味のあることになる」

    「僕の人生が成功だったと証明できるし、子どもの頃から思い描いてきた夢を叶えたことになる。それ以上、何を言えばいいのか分からない」

    「たくさんの努力が積み重なった結果のご褒美だし、タイトルはその年で最もふさわしい人が手にするものだと思う」

  • オスカー・ピアストリ F1アブダビGP会見「3番手という立場が心を軽くする」

    オスカー・ピアストリ F1アブダビGP会見「3番手という立場が心を軽くする」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、前戦カタールでの力強い走りを経て「大きな自信」を得てアブダビGPに臨むと語った。ポイントでは16点差と不利な立場だが、過去の“三つ巴タイトル決戦”のジンクスが「わずかな comfort(心の余裕)」を与えているという。

    一時は第5戦以降ずっとランキング首位を走っていたピアストリだが、後半戦の失速によりメキシコでランド・ノリスに首位を奪われ、前戦カタールではマックス・フェルスタッペンにも逆転され3位に後退。

    それでもスプリント勝利とスプリントポールを手にしたカタール週末は、ここ数戦で最も充実した内容となった。

    「リラックスしている」とピアストリは木曜メディアデーで語った。

    「ジュニア時代にはタイトル争いの“追われる立場”だったけど、あれは本当にハードだった。今回は3人の中で“失うものが一番少ない立場”で入れていて、すごく違う感覚だよ」

    「カタールでの週末を経て、自分がしっかり戦えるという大きな自信がある。もちろんタイトルを取るには多くのことが必要だけど、正しい場所にいて、正しいタイミングを逃さず、あとはどう転ぶかを見てみるだけだね」

    ランキングトップのノリスとは16点差。可能性は最も低いが、もし王座を獲得すれば「とてもクールだ」と笑う。

    「そういう大きな成果って、後からじわじわ実感が湧くものだと思う。でもシーズンオフまでもすぐだし、レースというのは結局、次の週末に向けて切り替わっていく。もし達成できたら、それはもちろんすごく嬉しいことだよ」

    ピアストリがわずかに勇気づけられているのが、“三つ巴の最終戦”におけるある統計だ。

    2007年(キミ・ライコネン)、2010年(セバスチャン・ベッテル)と、最終戦に3番手で入ったドライバーが2度とも逆転王者になっている。

    セバスチャン・ベッテル アブダビグランプリ

    「僕にとっては嬉しい統計だけど、過去にそうだったからといって今回もそうなるとは限らない。だから寄りかかるつもりは全くない。ただ、“可能だ”というほんのわずかな comfort は与えてくれるね」

    チームオーダーについて問われると、ピアストリはまだ何も決まっていないと強調した。

    「その話はしていない。何が期待されているのか、まだ分からないんだ」

    最後に母国オーストラリアのファンに向けて「ベストを尽くす」と語り、静かに決戦へ気持ちを整えていた。

    マクラーレン内の力関係と“3番手からの逆転”の現実味
    マクラーレンは今季、ノリスとピアストリを“完全に自由に戦わせる”と公言してきたが、タイトル最終決戦で両者が絡むシナリオは避けたい。一方で、前戦カタールでチーム戦略が裏目に出たことは、ピアストリの士気と判断の柔軟さをむしろ高めた印象だ。

    統計的には“3番手逆転”は過去に2回起きているものの、今年のポイント差は16点。タイトル奪取には、ノリスとフェルスタッペン双方の不運を含め、複数の条件が重なる必要がある。ただし、カタールで示した単体パフォーマンスを武器に「最低限、チャンスが生まれたときにそこに居合わせる」ことは十分可能だ。

    ピアストリの冷静さと勝負勘が、最終戦アブダビでどこまで“奇跡の構図”に関与できるのか。三つ巴決戦の結末を左右する存在になることは間違いない。

  • アントネッリ SNS中傷に苦悩…F1王者フェルスタッペンが裏で“救いの一言”

    アントネッリ SNS中傷に苦悩…F1王者フェルスタッペンが裏で“救いの一言”

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、カタールGP後に自身のSNSへ殺害予告を含む1100件以上の攻撃的メッセージが寄せられた件について、「つらかった」と胸中を明かした。一方で、家族や友人の支え、さらにはマックス・フェルスタッペンから直接励ましの連絡があったことで、「すぐ前を向くことができた」と語った。

    カタールGP終盤、アントネッリがミスした直後にランド・ノリスが前に出た場面を巡り、レッドブル側の一部コメントが“意図的に譲った”と示唆したことで誤解が拡散。

    これを受けてSNSでは激しい誹謗中傷が飛び交い、レッドブルは後日「明確に誤りであり、後悔している」と声明を出す事態となった。

    アントネッリ「絶対にわざと譲っていない。P3を争っていた」
    アントネッリは木曜のメディアセッションで当時を振り返り、「ああいうコメントを受けたのはつらかった。僕は絶対にあんなこと(意図的に譲る)をしない」と強調した。

    「僕はP3を争っていたし、サインツのDRS圏内に入ろうと必死にプッシュしていた。何周も汚れた空気の中で走り続け、少しずつ攻める度合いを高めていった結果、タイヤが限界を迎え、あのミスをしてしまった。だからレース後にあんなコメントを見て、正直すごく傷ついた」

    レッドブルの声明、そしてジャンピエロ・ランビアーゼ(フェルスタッペンのレースエンジニア)が直接謝意を伝えに来たことも「うれしかった」と語った。

    フェルスタッペンがDMで励まし「気にするな、相手は“脳みそがない”人たちだ」
    アントネッリによれば、フェルスタッペンはSNS中傷の件が公になった後、本人に直接メッセージを送ったという。

    「マックスは何が起きたかを見てくれていて、“気にするな。ああいう人たちは脳みそがないんだから、仕事に集中しろ”と言ってくれた。ちょっと悪い言葉も入っていたから詳しくは言えないけど(笑)、本当に励まされた」

    また、ランビアーゼともすでに“誤解は完全に解消した”と話した。

    「GP(ランビアーゼ)も話しに来てくれて、マックスともクリアにした。それはよかった。あの件のあと、本当にたくさんのサポートが届いたし、それで気持ちを切り替えることができた」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    SNSとの向き合い方「週末は極力見ない。友人から連絡が来て初めて状況を知った」
    アントネッリは普段からレース週末はSNSをほとんど見ないと語る。

    「週末は集中したいのでSNSはあまり見ない。でもレース後に友達から“こんなことになってるよ”とメッセージをもらって、初めて状況を知った。見たときはつらかったけど、今はもう忘れたよ」

    一時、Instagramのプロフィール画像を黒い画面に変更したが、現在は元に戻している。

    誤解から中傷へ──19歳のルーキーが抱えた重圧と、それを超えて迎える最終戦
    今回の騒動は、誤解に基づく批判がSNS上で急速に増幅され、若いドライバーを追い詰める典型例と言える。一方で、レッドブル自身が誤った示唆を撤回し、フェルスタッペンらが直接サポートしたことは、F1界全体として若手を守る姿勢を示した形となった。

    19歳のアントネッリは、つらい経験を経ながらも「この週末に集中するだけ」と語り、ルーキー最終戦となるアブダビGPへ気持ちを切り替えている。

  • マックス・フェルスタッペン F1アブダビGP決戦前に心境「失うものは何もない」

    マックス・フェルスタッペン F1アブダビGP決戦前に心境「失うものは何もない」

    マックス・フェルスタッペンは、タイトル決戦となるF1アブダビGPを前に「とてもリラックスしている」と語り、シーズン後半にレッドブルとともに「苦しい時期から巻き返してきたことに満足している」と強調した。

    フェルスタッペンは現在ドライバーズ選手権2位。首位ランド・ノリスとの差は12ポイント。8戦で5勝を挙げる圧巻の追い上げで射程圏に捉え、わずか数カ月前にピアストリから104ポイント差をつけられていた状況を考えれば、異例の逆襲と言える。

    週末直前も「普段通り」 娘との時間やGT3の準備に集中
    フェルスタッペンは木曜メディアデーで、アブダビ入りまでタイトル争いのことは特に考えていなかったと明かした。

    「娘と一緒に過ごしたり、来年のGT3の準備をしたり、シムレースチームの計画を立てたりしていた。普通のことをして過ごしていた」

    「何も失うものはない」 タイトル決戦でもプレッシャーなし
    この週末に向けた心境について問われると、フェルスタッペンは極めて冷静だった。

    「とてもリラックスしている。失うものは何もない。ただここに来られて楽しんでいる。というより、僕はシーズン後半を本当に楽しんできた。チームと一緒に、苦しい時期からどう巻き返してきたかをね」

    「レース後のデブリーフで失望や苛立ちを感じていたところから、再び勝って笑えるようになった。最高だよ。ただ受け入れるだけだ」

    「僕にとってはここに座ってタイトルを争えていること自体が“ボーナス”だ。すべてはシンプルなんだ。いい週末にしたいけど、結局は僕のコントロールの範囲外でもある。ただ楽しむつもりだ」

    マックス・フェルスタッペン アブダビグランプリ

    タイトル争いの分岐点は「選べない」
    今季の中でタイトルを逃し得た“決定的瞬間”があったかという問いには、フェルスタッペンは首を振った。

    「結局は24戦で争われるタイトルだ。良いレースもあればそうでないレースもある。僕たちは勝つには十分なペースがなかったレースも多かった。でも、いま僕たちはここにいる」

    「シーズン全体としては本当に誇りに思っているよ。後半戦にどう巻き返したかも含めてね。最後まで楽しみ続けたい。ただ特定の瞬間を選ぶのは難しい」

  • F1アブダビGP:岩佐歩夢や平川亮など9名のルーキーがFP1で走行

    F1アブダビGP:岩佐歩夢や平川亮など9名のルーキーがFP1で走行

    今週金曜のアブダビGPフリー走行1回目(FP1)では、合計9名のルーキードライバーが走行する。マクラーレン、フェラーリ、レッドブル、ウィリアムズ、レーシングブルズ、ハース、アストンマーティン、アルピーヌがFP1でラインナップ変更を実施する。

    F1の規定では、フルタイムドライバーは2025年シーズンを通して2回、ルーキー(グランプリ出走が2回以下の者)にシートを譲ることが義務付けられており、これは昨年の1回から増加している。

    ヤス・マリーナ・サーキットは、来週のテストを前にしたこの種の走行機会として以前から人気があり、シーズン最終戦の週末としてもよく選ばれてきた。では、今週金曜に走るのは誰なのか?

    ■ パト・オワード – マクラーレン
    パト・オワード - マクラーレン / アブダビグランプリ
    マクラーレンのリザーブドライバーであるパト・オワードは、今季2回目となる走行機会を得る。

    メキシコ人ドライバーのオワードは、夏の終わりに終了した2025年NTTインディカー・シリーズでアロー・マクラーレンからランキング2位となっており、母国メキシコシティで行われたFP1ですでにMCL39をドライブし、13番手でセッションを終えている。

    26歳のオワードは金曜に特別な注目を浴びることになる。今回はオスカー・ピアストリのマシンをドライブするためで、オーストラリア人のピアストリは今週末のアブダビで自身初の世界タイトルを争う立場にある。

    ■ アーサー・ルクレール – フェラーリ
    アーサー・ルクレール スクーデリア・フェラーリ / アブダビグランプリ
    アーサー・ルクレールは再び兄シャルルとともにアブダビGPのフリー走行1回目に参加し、ルイス・ハミルトンのマシンを1時間のセッションで引き継ぐ。

    ルクレール兄弟は12か月前の同セッションで、チームメイトとして同時に走行した初の兄弟というF1史を作った。

    アーサー・ルクレールはハミルトンのSF-25をドライブし、今季フェラーリに課されたルーキー起用義務の最終枠を果たす。モナコ出身の彼は過去2年間、スクーデリアのデベロップメントドライバーを務めてきた。

    ■ アービッド・リンドブラッド – レッドブル
    アービッド・リンドブラッド レッドブル・レーシング / アブダビグランプリ
    2026年にレーシングブルズから参戦することが確定しているアービッド・リンドブラッドは、今季最後にレッドブルのF1マシンを再び走らせる。

    F2で今季2勝を挙げ、最終戦を前にランキング6位につけるイギリス人ドライバーは、すでに2度RB21をドライブしている。

    18歳のリンドブラッドはシルバーストーンとメキシコシティで同マシンを走らせており、今回も角田裕毅が離れるマシンを1時間のオープニングセッションで引き継ぐ。

    ■ ルーク・ブラウニング – ウィリアムズ
    ルーク・ブラウニング ウィリアムズ・レーシング / アブダビグランプリ
    アレクサンダー・アルボンは、アブダビGP週末のフリー走行1回目で自身のFW47をルーク・ブラウニングに託す。

    23歳のブラウニングにとってこれが4回目のFP1出走で、今年はこれまでバーレーンとメキシコシティ、また2024年のアブダビ最終戦でも走行している。

    リンドブラッド同様、ブラウニングも現在F2に参戦しており、ドライバーズランキング4位につけている。

    ■ 岩佐歩夢 – レーシングブルズ
    岩佐歩夢 ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム / アブダビグランプリ
    リアム・ローソンに代わり、日本人ドライバーの岩佐歩夢がレーシングブルズから走行する。

    岩佐はこれが5回目のフリー走行1回目出走となり、今年はバーレーンでレッドブル、そしてレーシングブルズとしてメキシコシティで走行している。昨年もRB時代の同チームで2回出走している。

    岩佐は今年、日本のスーパーフォーミュラに参戦し、最終戦鈴鹿での優勝によってタイトルを獲得した。

    ■ 平川亮 – ハース
    平川亮 ハースF1チーム / アブダビグランプリ
    ハースではエステバン・オコンがFP1を欠場し、リザーブドライバーの平川亮が今季5回目の走行を行う。

    平川はシーズン序盤にアルピーヌの一員としてスタートし、鈴鹿で同チームのFP1を走行していたが、4月にハースへ加入した。

    その後、平川はバーレーン、バルセロナ、メキシコシティでアメリカチームのFP1に参加してきた。

    ■ ジャック・クロフォード – アストンマーティン
    ジャック・クロフォード アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム / アブダビグランプリ
    アストンマーティン・ヤングドライバーのジャック・クロフォードは、今回もフリー走行1回目に登場する。今年すでにF1デビューを果たした後、再びチームからの起用となる。

    クロフォードはランス・ストロールのAMR25を再びドライブする予定で、メキシコシティでもカナダ人ドライバーのマシンを担当している。

    アメリカ人ドライバーのクロフォードは、2025年のF2シーズンでこれまでに4勝を挙げており、週末の最終2レースを前にランキング2位となっている。

    ■ シアン・シールズ – アストンマーティン
    シアン・シールズ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム / アブダビグランプリ
    シアン・シールズは、アブダビGPのフリー走行1回目でアストンマーティンからF1デビューを果たす。

    スコットランド出身のシールズは金曜の1時間セッションでフェルナンド・アロンソのマシンを担当し、アストンマーティンはアブダビで唯一2人のルーキーを起用するチームとなる。

    シールズは今年AIXレーシングからF2に初参戦しており、最高位は12位となっている。

    ■ ポール・アロン – アルピーヌ
    ポール・アロン - アルピーヌF1チーム / アブダビグランプリ
    最後に、ポール・アロンがアブダビのフリー走行1回目でアルピーヌA525をドライブする。

    エストニア出身のアロンは昨年F2選手権で3位となっており、今回もピエール・ガスリーのマシンを担当する。

    21歳のアロンは今年5回目のFP1出走となり、すでにザウバーからシルバーストーンとハンガロリンクで走り、さらにアルピーヌからモンツァとメキシコシティでも走行している。

  • マクラーレンF1 チームオーダー“封印”も…条件次第でピアストリがノリス支援

    マクラーレンF1 チームオーダー“封印”も…条件次第でピアストリがノリス支援

    マクラーレンは、2025年F1アブダビGPを前に「チームオーダーは基本的に使用しない」と強調しつつも、必要な状況になればオスカー・ピアストリがランド・ノリスのタイトル獲得を支援する可能性を認めている。両者は依然としてタイトル争いの射程圏内におり、チームは最終戦を前に“公平性”と“柔軟性”の両立を図る姿勢を示した。

    カタールGP後、マクラーレンは最終戦に向けて両ドライバーに自由に戦わせる方針を改めて確認。

    しかし、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が依然として脅威である状況を踏まえ、特定のシナリオでは“片方のドライバーがもう一方を支援する”判断も排除していない。

    ピアストリに逆転タイトルの可能性が消えた場合は援護役に回る構図も
    マクラーレンは、レース中にピアストリのタイトル可能性が現実的に消えたと判断された場合、彼がノリスのために順位を譲るケースもあり得るとしている。

    例えば、ノリスが3位でフィニッシュすればタイトル獲得が決まる状況で、ピアストリとノリスが3位と4位を走行しているような場合、ピアストリにポジション移動を指示する可能性がある。

    さらには、ピアストリがフェルスタッペンの背後で2位、ノリスが4位という状況下では、チームがタイトル最優先で“2位の座を明け渡す”よう求めるケースも考えうるという。

    両ドライバーに事前共有される「全シナリオ」
    チーム代表アンドレア・ステラは、アブダビGP前にノリスとピアストリの双方に対し、どのような状況で支援が求められるのかを事前に明確化すると語った。
    突然の判断でドライバーを驚かせるのではなく、透明性と誠実さをもって決勝に臨むためだ。

    ステラはカタールGP後に次のように述べている。

    「どちらかのドライバーにタイトルを追う状況が続く限り、もう一方を排除するようなコールはしない。状況がどう展開するかを見ていくことになる」

    「我々はドライバーに対して誠実でありたいし、彼らを驚かせるようなことはしたくない。だからこそ、アブダビまでの間にランドとオスカーと話し合い、どのようにレースへ臨むかを確認するつもりだ」

    マクラーレンは最終戦を前に、平等な戦いを尊重しつつ、タイトルという最大目標を逃さないための“柔軟なチーム戦略”をすでに準備している。ノリスとピアストリ、若き両エースによる最終決戦は、戦略的にも大きな注目を集めることになりそうだ。

  • フェルナンド・アロンソ 三つ巴F1タイトル最終決戦に興奮「絶対に見逃さない」

    フェルナンド・アロンソ 三つ巴F1タイトル最終決戦に興奮「絶対に見逃さない」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、今週末アブダビで行われる歴史的な三つ巴タイトル決戦を「世界がどうあっても見逃せない」と語り、自身がコックピットにいるかどうかに関わらず最後まで見届ける決意を示した。

    今季は苦しいシーズンとなったアロンソだが、ランド・ノリス、マックス・フェルスタッペン、オスカー・ピアストリの3人が数ポイント差でアブダビ入りすることを知らされると、表情を明るくした。

    「そう、全員すぐそこにいる。信じられない展開だ」とアロンソは日曜に笑顔で語った。

    「またしてもマクラーレンが少し速かったと思うけど、状況というものは常に影響する。そして次はアブダビだ。スポーツにとって素晴らしいし、3人にとっても素晴らしい。どの3人がチャンピオンになってもおかしくない」

    アロンソは優勝候補を挙げることを拒み、次のように続けた。

    「僕は車に乗っているつもりだ――そう願っている。でももし乗れなかったとしても、ここに来てあなたたちと一緒に見るよ。世界がどうあっても見逃さない。3人全員の成功を願っている」

    スペイン紙『Marca』にも同様に語り、「3人全員がタイトルを争っている。スポーツにとって素晴らしい状況だ」と述べた。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    一方、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、カタールGPで起きたポイント変動の大きさをまったく把握していなかったことを明かし、報道陣を驚かせた。

    「どうしてマックスが12ポイント差なの?」とハミルトン。フェルスタッペンが優勝し、ノリスが表彰台を逃したことを聞かされると、「本当に?どこでピアストリはフィニッシュしたんだ?」と目を瞬かせた。

    多くのドライバーはコース脇の大画面でレース状況を把握するが、ハミルトンは「もっとスクリーンがあれば助かる」と微笑み、「レースは見えなかったけど、すごくエキサイティングだね」と付け加えた。

    その後ハミルトンはこう続けた。

    「マックスには素晴らしい車がある。でも彼自身もその車で信じられないことをやっている」

    フェラーリのシャルル・ルクレールは、カタールでの惨敗の中で唯一楽しめたのは「頭の中でタイトル争いの計算をすることだった」と苦笑した。

    「大画面でレースを見ながら、計算していた。それが僕のレースで一番エキサイティングだった」と語った。

    さらに、カタールGPでノリス寄りの展開に影響したと批判されたメルセデスのルーキー、アンドレア・キミ・アントネッリは、どのドライバーを応援しているかについて隠さなかった。

    「僕は信じているよ」とアントネッリはフェルスタッペンの逆転タイトルへの期待を口にした。

    「彼は成し遂げると思う。失うものが何もない状況にいるからね」

    三つ巴決戦が生む“F1らしさ”──ベテランドライバーの視点が示すもの
    アロンソの発言には、タイトル争いの核心が描かれている。

    自身のシーズンが上手くいかなくても、レースそのものへの情熱が衰えない。特に今年は、マクラーレン勢とフェルスタッペンが互いに異なる強みを持ちながら、最後の最後まで激しく競り合ってきた。

    アロンソが言う「状況が常に影響する」という一言は、今年の混迷を象徴している。

    マクラーレンのスピード、レッドブルの経験値、各レースでの偶発要素。どれが決定打になるのか、アブダビまで読めない。

    ハミルトンとルクレールのコメントも、別の角度から“今年の異常さ”を物語る。

    フェラーリの2人は、タイトル争いに直接絡めない状況でありながら、その推移には強い関心を寄せている。特にハミルトンがポイント差を知らなかったという場面は、カタールの混戦ぶりと混乱を象徴している。

    メルセデスのアントネッリがフェルスタッペンを推す姿は、若い世代が“勝者のメンタリティ”をどう捉えているかを示し、次世代ドライバーの価値観が垣間見える。

  • 角田裕毅 レッドブルF1契約の“交渉禁止条項”を明かす「他と話せなかった」

    角田裕毅 レッドブルF1契約の“交渉禁止条項”を明かす「他と話せなかった」

    レッドブル加入後わずか2戦で苦戦が続き、去就を巡る憶測が飛び交っていた角田裕毅が、2026年のレースシートを失うに至った背景として「契約が外部との交渉を禁じていた」ことを明かした。

    レッドブルは今週、2026年のラインナップを正式発表。アイザック・ハジャーが昇格し、角田裕毅は来季のレースシートを失い、テスト兼リザーブドライバーとして残留することになった。

    “外部からの関心はあったが、契約で動けなかった”
    角田裕毅は、他チームあるいは他カテゴリーからの関心があったことを示唆したが、具体的な相手については明かさなかった。

    しかし、そうした可能性はすべてレッドブルとの契約によって封じられていたという。

    「契約があったので、僕にはできることがあまりなかったです。外部からいくつか興味はあったんですけど、その契約が理由で彼らと話すこともできなかったんです」

    「だからこそ、完全にレッドブルのシートに集中していました。ここ数年ずっと僕の優先順位はレッドブルのシートでしたし、レッドブル・ファミリーは僕が育ってきた場所でもあります」

    “2026年に走れない”と知らされたのはカタールGP直後
    角田裕毅が2026年のF1シートを失うことを知らされたのは、カタールGPの直後だった。

    「タフでした。レースの直後にヘルムート(マルコ)から告げられました」

    その時の心境について問われると、意外にも冷静だったと語る。

    「驚くことに大丈夫でした。大丈夫…ではないですけど、なんとか大丈夫という感じです。翌朝もいつも通り朝食を頼んで、同じものを食べていました」

    「まだ、自分がこれで最後のレースになるって理解しきれていないのかもしれません。アブダビが終わってから、もっと強く感じるのだと思います」

    角田裕毅 レッドブル F1

    角田裕毅を縛った“契約の壁”とその影響
    今回の発言で特に重いのは、角田裕毅が他チームと交渉する自由を契約上まったく持っていなかった点だ。

    通常、F1ドライバーは契約の最終年や状況によって早い段階から翌年のシートを探るが、角田裕毅はそのチャンスすらなかった。このため、レッドブルが判断を下した後に“他の選択肢へ動く道”がほとんど残されていなかったことになる。

    加えて、レーシングブルズ側のシートもアイザック・ハジャーとリアム・ローソンで埋まり、レッドブル・ファミリー内でのレースシートは完全に消滅していた。

    “最後の週末”を迎える角田裕毅の心境
    2025年アブダビGPは、角田裕毅にとって“最後のF1週末”になる可能性がある。それでも、本人はまだ実感が湧いていないという。

    レッドブルとは引き続きリザーブ兼テストとして活動を続ける予定だが、レースシートを失う重い現実と向き合う週末となる。