カテゴリー: WRC (世界ラリー選手権)

  • フォーミュラE サウジアラビア開幕戦の開催を堅持 F1とWRCは中止

    フォーミュラE サウジアラビア開幕戦の開催を堅持 F1とWRCは中止

    フォーミュラEは、中東情勢を巡って他のモータースポーツカテゴリーがサウジアラビアからイベントを移す動きを見せるなか、2026/27シーズンの開幕戦を予定通り同国で開催する方針を示した。

    新シーズンとGen4規則時代の幕開けとなるジェッダE-Prixは、12月17日から19日にジェッダ・コーニッシュ・サーキットで開催される予定だ。しかし、中東で続く紛争を受け、モータースポーツ界ではサウジアラビアでの開催を見送る動きが広がっている。

    F1は今年4月にジェッダで予定されていたサウジアラビアGPを中止。さらにFIAとWRCプロモーターは、サウジアラビアで予定されていたWRC最終戦を中止し、イタリアへ変更することを発表した。

    F1はサウジアラビアGPだけでなくバーレーンGPも開催を見送り、バーレーンGPについては来月マレーシアで代替開催される。一方、シーズン最後の2戦となるカタールGPとアブダビGPについては、予定通り開催されるかどうかが依然として確定していない。

    また、F1は水曜日に発表した2027年カレンダーで、新シーズンを中東からスタートさせる計画を明らかにしたが、現在の情勢を踏まえ、その実現可能性にも注目が集まっている。

    フォーミュラEはジェッダ開催へ準備継続
    ここ数週間では、サウジアラビアも中東での紛争への関与を深めている。ジェッダから約300kmの地域がフーシ派によるミサイル攻撃の標的となったほか、サウジアラビア側も弾道ミサイルを使用していると報じられている。

    こうした状況に加え、他カテゴリーがサウジアラビアからイベントを移しているにもかかわらず、フォーミュラEは現時点で予定通りジェッダでシーズンを開幕する方針を維持している。

    ジェッダE-Prixを実施できるかどうかについて最終的な判断を下す必要が生じるのは、マドリードでプレシーズンテストが行われる11月中旬ごろになるとみられている。

    あるフォーミュラEチームはRacingNews365に対し、ジェッダ開催について大幅な事前通知は必要ないと説明した。マドリードでのテスト終了後、貨物をジェッダへ送るか、開催できない場合には第2戦の舞台となるメキシコシティへ送るかを切り替えれば対応できるという。

    ジェッダではすでにフォーミュラE開催に向けた準備が進められており、シリーズ側は情勢を注意深く監視している。

    「安全とセキュリティが常に最優先」
    フォーミュラE共同創設者兼チーフ・チャンピオンシップ・オフィサーのアルベルト・ロンゴは、RacingNews365に寄せた声明で次のように述べた。

    「今年12月にジェッダで2026/27 ABB FIAフォーミュラE世界選手権を開幕し、革新的なGen4時代をスタートさせることを楽しみにしている」

    「すべての国際イベントと同様、我々は現地のプロモーターパートナー、当局、国際的なセキュリティ専門家と連携し、現地の状況を継続的に監視している」

    「選手権に関わるすべての人々の安全とセキュリティは、常に我々にとって最優先事項だ。ジェッダ・コーニッシュ・サーキットでの開幕戦に向けた準備は現在も進められており、何らかの進展があれば、すべての関係者に最新情報を提供する」

    フォーミュラEは現段階ではジェッダでの開幕を前提に準備を続けている。ただし、F1やWRCがサウジアラビアでの開催を見送るなか、今後の中東情勢次第では11月中旬までに開催可否を改めて判断することになりそうだ。

  • FIAが中東情勢でWRCサウジアラビア戦を中止 F1終盤戦にも波紋

    FIAが中東情勢でWRCサウジアラビア戦を中止 F1終盤戦にも波紋

    FIAとWRCプロモーターは、2026年世界ラリー選手権(WRC)の最終戦として予定されていたラリー・サウジアラビアを、WRCのカレンダーから外すことを発表した。中東地域を巡る不確実性が物流面に影響を及ぼしていることが理由とされている。

    この決定は、F1が11月末から12月にかけて中東でシーズン終盤戦を迎える約2カ月前に下された。現時点でF1のカレンダーに変更は発表されていないものの、WRCの判断によってF1のカタールGPとアブダビGPの開催にも改めて注目が集まることになる。

    WRCサウジアラビア戦をカレンダーから除外
    ラリー・サウジアラビアは11月12~15日に開催される予定だった。FIAとWRCプロモーターは、サウジアラビア自動車・モーターサイクル連盟(SAMF)、現地オーガナイザー、選手権関係者とともに、WRCイベントを予定通り実施するためのあらゆる可能性を検討してきたという。

    しかしFIA(国際自動車連盟)は、「地域における継続的な不確実性と、それが物流手配に及ぼす影響」を理由に、2026年についてはWRCとしての開催を断念すると説明した。

    ただし、ラリー・サウジアラビアそのものが中止されるわけではない。同イベントは11月12~15日に予定通り開催され、FIA中東ラリー選手権(MERC)の一戦として実施される。

    サウジアラビア側も、開催能力や安全面に問題があったとの見方を否定している。

    SAMFおよびサウジ・モータースポーツ・カンパニー(SMC)の会長を務めるハリド・ビン・スルタン・アル・アブドゥッラー・アル・ファイサル王子は、サウジアラビアはイベント開催の準備を整えていたと強調した。

    「FIAとWRCプロモーターが下した決定を尊重している」

    「サウジアラビアの準備状況や自信には何の変化もない。王国は開催する準備ができており、準備作業も進んでいた。安全かつ成功裏に国際モータースポーツを開催できる我々の能力は明確だ」

    WRCはサルディニアでシーズン終了
    サウジアラビア戦がWRCから外れたことで、2026年シーズンは10月1~4日に開催されるラリー・イタリア・サルディニアが第13戦かつ最終戦となる。カレンダー変更についてはFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)の承認が必要となる。

    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、サウジアラビア戦を維持するために関係者とさまざまな選択肢を検討したと説明した。

    「ここ数カ月、サウジアラビアのパートナー、加盟クラブであるSAMF、WRCプロモーター、そして選手権関係者と緊密に協力し、ラリー・サウジアラビアを予定通り開催するためのあらゆる可能性を検討してきた」

    「しかし、地域情勢が継続的に変化していることから、今年はラリー・サウジアラビアのWRC部門を開催しないことになった。特にイベントの準備に携わったすべての人々が多大な努力をしてきただけに、決して簡単な決断ではない」

    一方でビン・スライエムは、サウジアラビアでのWRC開催そのものに対するFIAの姿勢は変わっていないと強調している。

    「今年はWRC部門が開催されないものの、オーガナイザー、そしてこのラリーの長期的な将来に対する我々の信頼は変わっていない」

    「FIA中東ラリー選手権のイベントは11月に予定通り開催される。我々はSAMF、SMC、オーガナイザーと引き続き緊密に協力し、イベントの成功を支援していく」

    「今後は将来に焦点を移す。2027年にFIA世界ラリー選手権をサウジアラビアへ戻すことを目指し、サウジアラビアのパートナーおよびWRCプロモーターと引き続き協力していく」

    国際自動車連盟

    F1のカタールGPとアブダビGPは現時点で変更なし
    今回の決定が注目される理由のひとつが、F1も2026年シーズン終盤に中東でのレースを予定していることだ。

    F1は11月29日にカタールGP、12月6日にアブダビGPを予定しており、いずれも現時点ではカレンダーに変更は発表されていない。WRCのサウジアラビア戦とは開催国も競技の物流条件も異なるため、今回の決定がそのままF1の開催可否を意味するものではない。

    ただしFIAは7月にも、中東情勢と貨物輸送および渡航への影響を理由として、2026年FIA世界耐久選手権(WEC)のカタール戦とバーレーン戦を取りやめ、バルセロナとモンツァで代替開催することを決めている。

    WRCでも同様に物流上の不確実性を理由としたカレンダー変更が決まったことで、年末に中東へ向かうF1についても今後の地域情勢と物流環境が焦点となる。

    現段階でF1のカタールGPとアブダビGPは予定通り開催されるスケジュールだが、FIAが別カテゴリーで相次いで中東開催の見直しを行っているだけに、シーズン終盤に向けて状況が注視されることになりそうだ。

  • トヨタ WRC史上最多タイ10度目の王座 6連覇でランチアの大記録に並ぶ

    トヨタ WRC史上最多タイ10度目の王座 6連覇でランチアの大記録に並ぶ

    TOYOTAGAZOO Racing WRTが2026年WRC(世界ラリー選手権)のマニュファクチャラーズタイトルを獲得し、通算10度目の王座に輝いた。これによりトヨタは、ランチアが保持していたWRC史上最多のマニュファクチャラーズタイトル獲得記録に並んだ。

    さらに2021年から6年連続でタイトルを獲得。こちらもランチアが1987年から1992年に記録した6連覇に並ぶ歴史的快挙となった。ラリー・チリ・ビオビオではオリバー・ソルベルグが優勝し、トヨタは残り2戦を残して2026年の王座を確定させた。

    トヨタがWRC通算10冠 ランチアの最多記録に並ぶ
    トヨタはラリー・チリを迎えた時点で、マニュファクチャラーズタイトルを数学的に確定させるために必要だったのはわずか7ポイントだった。

    そしてチリで十分なポイントを獲得し、10月のラリー・イタリア・サルディニアと最終戦サウジアラビアを待たずしてタイトルを確定させた。

    トヨタにとって今回が通算10度目のWRCマニュファクチャラーズタイトルとなる。

    最初の王座は1993年。翌1994年にも連覇を達成し、1999年には3度目のタイトルを獲得した。

    2017年にWRCへ復帰すると、翌2018年には早くもマニュファクチャラーズ王座を奪還。そして2021年から2026年まで6年連続でタイトルを獲得した。

    これによって通算タイトル数は10回となり、ランチアと並んでWRC史上最多となった。

    6連覇でもランチアの歴史的記録に並ぶ
    トヨタが達成したのは通算10冠だけではない。

    2021年に始まったマニュファクチャラーズタイトルの連続獲得記録も6年に伸びた。

    これまでWRCにおける長期支配の象徴となっていたのが、ランチアが1987年から1992年に達成した6年連続タイトルだった。

    トヨタは2021年、2022年、2023年、2024年、2025年、そして2026年と一度も王座を譲ることなく6連覇を達成。ランチアが築いたもうひとつの歴史的記録にも肩を並べた。

    ソルベルグの勝利で歴史的タイトルに花
    その記念すべき週末にトヨタへ勝利をもたらしたのが、24歳のオリバー・ソルベルグだった。

    コ・ドライバーのエリオット・エドモンドソンとともに3日間を安定して戦い抜き、9度のWRC王者セバスチャン・オジェに16.6秒差をつけてラリー・チリ・ビオビオを制した。

    3位にはヒョンデのアドリアン・フルモーが入り、首位から33.3秒差でフィニッシュした。

    ソルベルグは金曜日のオープニングステージで首位に立った。SS2終了後に一時エルフィン・エバンスにトップを譲ったものの、その後は変化し続けるコンディション、荒れた路面、難しいタイヤマネジメントに対応しながらラリーをコントロールした。

    今回がソルベルグにとって通算3度目のWRC総合優勝。2026年シーズンでは開幕戦ラリー・モンテカルロに続く2勝目となった。

    2025年のラリー・エストニアでトヨタのRally1マシンによるデビュー戦優勝を飾ったソルベルグは、フル参戦となった今季もその実力を証明している。

    エバンスのタイヤトラブルで展開が一変
    最終日を迎えた時点で、ソルベルグはエバンスに19.1秒のリードを築いていた。

    しかし、日曜日最初のカランパングエでは選手権首位のエバンスがステージ優勝。ソルベルグとの差を13.2秒まで縮めた。

    ソルベルグは続くビオビオの1回目で反撃する。右リアタイヤにダメージを負いながらもステージ最速タイムを記録し、リードを14.5秒まで広げた。

    その後、ラリーだけでなくドライバーズ選手権の行方にも大きな影響を与える出来事が起きた。

    総合2番手を走っていたエバンスが、最後から2番目のカランパングエでマシンを止めてタイヤを交換。2分以上を失い、総合5番手まで後退した。

    これによってオジェが2番手、フルモーが3番手へ浮上。ソルベルグは13.3秒のリードを持って最終ウルフ・パワーステージを迎えた。

    ソルベルグ「完璧な週末だった」
    十分なリードを持ちながらも、ソルベルグは最後までペースを緩めなかった。

    最終ウルフ・パワーステージでもエバンスを0.5秒上回るトップタイムを記録し、ステージ優勝でラリー総合優勝を締めくくった。

    「信じられないような週末でした。浮き沈みもありましたが、チームはいつも支えてくれて、いつもプッシュして、いつも僕を信じてくれました」

    「ようやく少し運も僕の味方をしてくれて、自分の仕事に集中して、自分らしく走ることができました。小さなディテールが重要なんです。そして今週末は完璧、本当に完璧な週末でした」

    オジェはローブに並ぶ通算120回目の表彰台
    2位に入ったセバスチャン・オジェも歴史的な節目を迎えた。

    今回が自身通算120回目のWRC表彰台となり、同じく9度の世界王者であるセバスチャン・ローブの記録に並んだ。

    ヒョンデのフルモーは3位に入り、自身通算13回目のWRC表彰台を獲得した。

    エバンスの後退によってサミ・パヤリが4位に浮上。ソルベルグから1分33.9秒差でフィニッシュした。エストニア、フィンランド、パラグアイで3連勝を飾ったパヤリだったが、チリではそのペースを再現できなかった。

    エバンスは5位でフィニッシュし、ウルフ・パワーステージでも2番手タイムを記録。タイヤトラブルで失ったポイントを少しでも取り戻した。

    「もちろん、できる限り効率よく速く走ろうとしていた。今朝の時点ではかなり良い状況に見えていたけど、こういうことは起こる。僕たちは戦い続ける」

    ドライバーズタイトル争いは残り2戦へ
    エバンスのタイヤトラブルによって、ドライバーズタイトル争いも接近した。

    エバンスは依然としてランキング首位を維持しているが、ラリー・チリを制したソルベルグが21ポイント差まで迫った。また、パヤリはソルベルグを4ポイント上回っている。

    次戦ラリー・イタリア・サルディニアで、エバンスが全ライバルに対して少なくとも36ポイントのリードを築けば、最終戦サウジアラビアを待たずにドライバーズタイトルを確定できる。

    また、WRC2ではヨアン・ロッセルがランチアで優勝。ロバート・ヴィルベスがWRC2チャレンジャー王者、アリ・ターカンが2026年FIAジュニアWRCチャンピオンに輝いた。

    1993年に初めてWRCマニュファクチャラーズ王座を獲得してから33年。トヨタは2026年、通算10度目のタイトルと6年連続王座という二つの記録でランチアに並び、WRC史上最も成功したメーカーのひとつとして新たな歴史を刻んだ。

  • 元マクラーレンF1代表エリック・ブーリエ WRCプロモーターCEOに就任

    元マクラーレンF1代表エリック・ブーリエ WRCプロモーターCEOに就任

    FIA(国際自動車連盟)は、世界ラリー選手権(WRC)の商業権をフランスの自動車企業コスモビリス(Cosmobilis)と投資会社パーク・スクエア・キャピタル(Park Square Capital)が取得したと発表した。これに伴い、元ロータスF1およびマクラーレンF1のチーム代表エリック・ブーリエがWRCプロモーターの最高経営責任者(CEO)に就任することも明らかになった。

    FIAのモハメド・ビン・スライエム会長は、この契約を「ラリー界にとって世紀の契約」と表現。

    WRCとヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)の歴史上、最大規模の商業契約だと位置づけている。

    WRCの商業権が新体制へ
    発表はラリー・フィンランド初日に行われた。FIAは今回の契約について、「WRCとERCにとって極めて重要な転換点」であり、「両選手権史上最大の契約」と説明した。

    新たな権利保有者であるコスモビリスとパーク・スクエア・キャピタルは、ファンを中心に据えた新たな成長戦略を掲げている。

    具体的には、ストーリーテリングの強化や映像配信の拡充、複数のプラットフォームを活用したコンテンツ展開を進めることで、世界中のファンがこれまで以上に競技へアクセスしやすい環境を目指すとしている。

    エリック・ブーリエがCEOに就任
    今回の体制変更に伴い、WRCの商業運営を担うWRCプロモーターのCEOにはエリック・ブーリエが就任した。

    ブーリエは2010年から2013年までロータスF1のチーム代表を務め、その後はマクラーレンでレーシングディレクターとして約4年半にわたりチームを率いた。

    2018年にマクラーレンを離れた後は、2022年まで開催されたフランスGPの運営にも携わっていた。

    ブーリエは新たな役職について次のように意気込みを語った。

    「私は大きな熱意と決意、そして謙虚さと強い責任感を持ってこの挑戦に臨む。この素晴らしい選手権をさらに魅力的なものにしたい」

    「FIAやパートナーとともに、すべてのイベントを世界中のファンが楽しめる特別な大会へ発展させたい」

    「目標は明確だ。WRCとERCを世界的ブランドへ成長させ、現代の技術や環境課題にも対応した持続可能な発展を実現することだ」

    FIA「ラリー界にとって世紀の契約」
    ビン・スライエム会長は、今回の契約が競技の将来に大きな意味を持つと強調した。

    「これはまさにラリー界にとって『世紀の契約』だ。かつてない規模の投資が実現したことを誇りに思う」

    「この投資はファンや競技者、加盟クラブに利益をもたらすだけでなく、ラリー競技の将来への強い信頼を示すものでもある」

    「私たちは現在だけでなく将来を見据え、長期的なビジョンを共有できる最適なパートナーを選んだ」

    「ラリーは私自身の人生を形作ってきた競技であり、その未来に深くコミットしている。新たな時代の始まりとなる重要な瞬間だ」

  • 豊田章男会長 ラリージャパン圧勝のトヨタを称賛「このチームの強さを実感」

    豊田章男会長 ラリージャパン圧勝のトヨタを称賛「このチームの強さを実感」

    TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)が2026年WRC第7戦ラリージャパンで1-2-3-4フィニッシュを達成したことを受け、TGR-WRT会長の豊田章男氏がチームとドライバーたちを称賛した。

    エルフィン・エバンスは総合優勝を飾り、セバスチャン・オジエが2位、サミ・パヤリが3位、勝田貴元が4位で続いた。トヨタ勢はホームイベントで圧倒的な強さを見せつけ、4年連続優勝と4年間で3度目の表彰台独占を成し遂げた。

    エバンスの3度目の勝利を称賛
    豊田章男会長は、ラリージャパン3勝目を挙げたエバンスに祝福の言葉を送った。

    「エルフィン、スコット、3度目のラリージャパン優勝おめでとう!」

    「昨年までの紅葉の道でも速かったし、今回の新緑の道でもエルフィンは速かった。モリゾウと走った蒲郡でもエルフィンは一番速かった」

    「きっと日本の道との相性が良いんだと思います。そして私の目の前で何度も勝ってくれたドライバーもエルフィンだけです。きっとモリゾウとの相性も抜群なんだと思います」

    さらに豊田会長は冗談交じりにこう続けた。

    「もし今度大事なラリーがあったら、ぜひモリゾウを呼んでください。すぐに秘書とスケジュールの相談をしたいと思います」

    チームの結束力に感銘
    今回のラリーではオジエとパヤリの活躍により表彰台を独占。豊田会長は新CEOの近健太氏もポディウムに立てたことを喜んだ。

    「セブとサミのおかげもあって1-2-3フィニッシュ。今回はその表彰台に新たなCEOの近も連れていってもらえました」

    また、デイ2でリタイアを喫したオリバー・ソルベルグをチーム全体で支える姿に強い印象を受けたという。

    「落ち込むオリバーにヤリ-マティやユハが声を掛け、さらにはセブがアドバイスを送り肩をポンと叩いていました。このチームの強さを改めて実感できた嬉しいシーンでした」

    シーズン後半へ気を引き締める
    豊田会長は、ラリージャパン終了後も気を緩めることなくシーズン後半へ向かう姿勢を示した。

    「今までならラリージャパンを終えて一息つける時季でしたが今回からは違います。まだまだシーズンの折り返し。そしてこの先はグラベルの厳しい道ばかり」

    「チームのみんな、まだまだハードワークをよろしくお願いします!」

    ラリージャパンで歴史的な1-2-3-4フィニッシュを達成したTGR-WRTは、マニュファクチャラーズ選手権でリードを127ポイントに拡大。次戦は6月25日から開催されるアクロポリス・ラリー・ギリシャとなる。

  • トヨタがラリージャパンを完全制圧 エバンス優勝でGRヤリスがトップ4独占

    トヨタがラリージャパンを完全制圧 エバンス優勝でGRヤリスがトップ4独占

    愛知県と岐阜県を舞台に開催された2026年WRC第7戦ラリージャパンで、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)が圧倒的な強さを見せつけた。エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が優勝を飾り、GRヤリス Rally1勢が総合トップ4を独占する歴史的な結果を達成した。

    エバンス組は競技初日のSS2で首位に立つと、その後は一度もトップの座を譲ることなく走り切り、今季2勝目を獲得。ラリージャパンでは通算3勝目となった。

    総合2位にはセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組、総合3位にはサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組が入り、トヨタ勢が表彰台を独占。さらに勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が総合4位で続き、母国ラリーでGRヤリス Rally1がトップ4を占める快挙を成し遂げた。

    エバンスが選手権首位をさらに固める勝利
    エバンスは週末を通じて安定したペースを維持。難しいコンディションの中でもミスなく走り切り、ライバルたちに付け入る隙を与えなかった。

    今季序盤から好調を維持するウェールズ出身ドライバーは、この勝利によってタイトル争いでも大きな一歩を刻んだ。

    ソルベルグがスーパーサンデーとパワーステージを制覇
    最終日のスーパーサンデーおよびパワーステージでは、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組が最速タイムを記録。追加ポイントを獲得し、存在感を示した。

    山本雄紀がWRC2で母国表彰台
    WRC2クラスでは山本雄紀/ジェームズ・フルトン組が3位表彰台を獲得した。

    山本にとってWRC2での初表彰台となり、母国ラリーで大きな成果を手にした。日本人ドライバーによる快挙に、沿道のファンからも大きな歓声が送られた。

    ■ WRC総合結果
    1位 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン
    2位 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ
    3位 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン
    4位 勝田貴元/アーロン・ジョンストン

    ■ スーパーサンデー
    1位 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン

    ■ パワーステージ
    1位 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン

    ■ WRC2クラス
    3位 山本雄紀/ジェームズ・フルトン

    母国開催のラリージャパンで、トヨタは勝利だけでなくトップ4独占という圧巻の結果を残した。日本のファンの前で成し遂げたこの快挙は、TGR-WRTにとって特別な一戦として記憶されることになりそうだ。

  • ラリージャパン デイ2:エバンス首位堅守 オジエ2位・パヤリ3位・勝田貴元4位

    ラリージャパン デイ2:エバンス首位堅守 オジエ2位・パヤリ3位・勝田貴元4位

    2026年WRC第7戦ラリージャパンのデイ2が岐阜県と愛知県で行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンスが総合首位を守った。セバスチャン・オジエが総合2位、サミ・パヤリが総合3位、勝田貴元が総合4位へと順位を上げ、トヨタ勢が上位4ポジションを独占して最終日を迎えることになった。デイ1で総合2位につけていたオリバー・ソルベルグは午後のステージでコースオフを喫しデイリタイア。優勝争いの構図が大きく変化する一日となった。

    ソルベルグ脱落で流れが一変
    愛知県のオバラ、岐阜県のエナ、マウント・カサギを各2回走行し、さらに新設されたフジオカSSSを2回走るデイ2は、8ステージ合計120.22kmという今大会最長の競技日程となった。

    朝から好天に恵まれた一方で、気温は30度を超え、マシンやタイヤ、ドライバーに厳しいコンディションとなった。

    首位エバンスと総合2位ソルベルグの差は午前中に15.7秒から10.6秒まで縮小。ソルベルグはSS7とSS9でベストタイムを記録し、エバンスを強く追い上げた。

    しかし午後最初のSS10「マウント・カサギ2」で状況は一変する。滑りやすくなったコーナーでソルベルグがラインを外し、電柱に接触。右リアサスペンションを破損して走行不能となった。

    このアクシデントにより、オジエが総合2位、パヤリが総合3位、勝田が総合4位へ浮上した。

    GR YARIS Rally1が全ステージ制覇
    午後に入るとトヨタ勢の勢いはさらに増した。

    SS10ではオジエ、SS11とSS13、SS14ではパヤリ、SS12ではエバンスがベストタイムを記録。前日のデイ1に続き、GR YARIS Rally1が全ステージ最速を独占した。

    その結果、エバンスは総合首位を維持。オジエが17.8秒差の2位、パヤリが44.4秒差の3位、勝田が1分11.3秒差の4位につけた。

    チームはソルベルグ車両の修復作業を進めており、最終日には再出走する予定となっている。

    エバンス「気を引き締めて走る必要があった」
    「全体的には良い一日でした。すべての面で完全に満足できたわけではありませんが、それもこのラリーならではのことです」

    「私たちのチームメイトは今日非常に調子が良かったので、気を引き締めて走る必要がありました。それでも、この順位で一日を終えられたのは間違いなく良いことです」

    「明日もまだ長い距離が残っているので重要な一日になるでしょうし、最後までベストを尽くして戦います」

    オジエ「昨日失ったタイムは取り戻せなかった」
    「今日はクルマのフィーリングが良くなりペースもまずまずでしたが、スピードに関しては依然として私が望んでいたほどではありませんでした」

    「一日を通してエルフィンと戦い、あちらこちらでコンマ数秒を争うなどかなりの接戦でしたが、結局、昨日失ったタイムを挽回することはできませんでした」

    「チームと一緒になって改善を図り、これまで見落としていた細かな部分を良くするためのアイデアもいくつかあります」

    勝田貴元「完全にリセットできた」
    「昨日よりも、はるかに良い一日でした。危ない場面やトラブルもなく、普段通りの非常にスムースな走りができました」

    「今日は完全にリセットして総合4位まで順位を挽回できたのは良かったです」

    「まだもう少しペースを上げる余地があると感じていますし、日本のファンの皆さんの前で、このクルマでこのような道を走ることを楽しみたいと思います」

    パヤリが存在感 3度のステージウイン
    デイ2で最も印象的な走りを見せた一人がパヤリだった。

    午前中は満足できる状態ではなかったと振り返りながらも、午後に向けた改善が奏功。SS11、SS13、SS14の3ステージでベストタイムを記録し、一気に総合3位へ浮上した。

    「3本のステージウィンを取れましたし、何より重要なのは手応えと自信が感じられ、ペースも最高だったことです」

    「今日の午後の調子を維持して走り続けたいと思います」

    ラリージャパン デイ2終了時点の総合順位
    1位 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ GR YARIS Rally1) 2時間32分05秒6
    2位 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ(トヨタ GR YARIS Rally1) +17.8秒
    3位 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン(トヨタ GR YARIS Rally1) +44.4秒
    4位 勝田貴元/アーロン・ジョンストン(トヨタ GR YARIS Rally1) +1分11.3秒
    5位 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア(ヒョンデ i20 N Rally1) +2分05.2秒
    6位 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ(ヒョンデ i20 N Rally1) +2分17.0秒
    7位 ヘイデン・パッドン/ジョン・ケナード(ヒョンデ i20 N Rally1) +3分41.8秒
    8位 ジョン・アームストロング/シェーン・バーン(フォード Puma Rally1) +4分33.7秒
    9位 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ(ランチア Ypsilon Rally2 HF Integrale) +7分17.7秒
    10位 アレハンドロ・カチョン/ボルハ・ロサダ(トヨタ GR Yaris Rally2) +7分23.4秒
    26位 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン(トヨタ GR YARIS Rally1) +50分00.0秒

    (日本時間5月30日21時50分時点)

    最終日はパワーステージが勝負の鍵
    5月31日の最終日は、額田と三河湖の2本のステージを各2回走行し、クラガイケSSSを挟む計6ステージで争われる。

    総走行距離は74.06kmと大会最短だが、最終SS20「レイク・ミカワコ2」はパワーステージに指定されており、上位タイムを記録したドライバーとマニュファクチャラーには追加ポイントが与えられる。

    エバンスが今季タイトル争いを有利に進めるために勝利を掴むのか、それともオジエが逆転への足掛かりを築くのか。さらに勝田貴元が地元日本でどこまで上位陣に迫れるかも大きな見どころとなる。

  • ラリージャパン初日:エバンス首位発進 トヨタ勢がトップ4独占

    ラリージャパン初日:エバンス首位発進 トヨタ勢がトップ4独占

    2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリージャパンが5月29日に開幕し、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組がデイ1を総合首位で終えた。

    愛知県内で行われた6本のステージ終了時点で、オリバー・ソルベルグが総合2位、セバスチャン・オジエが総合3位、サミ・パヤリが総合4位につけ、トヨタ勢が上位4ポジションを占める好スタートとなった。

    5月開催となったラリージャパンが開幕
    今年のラリージャパンは、愛知県と岐阜県を舞台に開催される5年目の大会であり、初めて秋ではなく5月開催となった。また、現行Rally1規定のマシンによる最後のターマック(舗装路)イベントとしても注目を集めている。

    前日のシェイクダウンではセバスチャン・オジエが最速タイムを記録。エルフィン・エバンスが2番手、サミ・パヤリが3番手につけるなど、トヨタ勢が好調な滑り出しを見せた。

    29日のデイ1は、アスケ(足助)、イセガミズ・トンネル(伊勢神トンネル)、イナブ/シタラ(稲武/設楽)の3ステージを2回ずつ走行。合計108.54kmの競技区間が設定された。

    エバンスがSS2から主導権を握る
    朝の路面はドライ、ダンプ、ウェットが混在する非常に難しいコンディションとなった。

    SS1ではオリバー・ソルベルグがベストタイムを記録。サミ・パヤリが0.2秒差の2番手、セバスチャン・オジエが0.9秒差の3番手に続き、GR YARIS Rally1勢が上位を占めた。

    しかしSS2で流れが変わる。

    エルフィン・エバンスがソルベルグに7.5秒差をつける圧巻のステージウインを記録し総合首位に浮上。続くSS3でも最速タイムをマークし、ソルベルグとの差を17.7秒まで広げた。

    午後の再走ステージではソルベルグが反撃しSS4を制したが、エバンスはSS5で即座にベストタイムを記録して主導権を維持。最終SS6終了時点で15.7秒のリードを築き、デイ1首位を確保した。

    ソルベルグ躍進 オジエとパヤリも好位置
    今季もトヨタ陣営で戦うオリバー・ソルベルグは、日本のターマックで初めてGR YARIS Rally1をドライブしながらも安定した速さを発揮した。

    SS3では動物を避けるため減速を強いられたものの、それ以外のステージではトップ争いを展開。総合2位で初日を終えた。

    一方、8度の世界王者セバスチャン・オジエはセットアップ面に課題を抱えながらも総合3位を確保。首位エバンスとの差は17.1秒となっている。

    サミ・パヤリは午前中に苦戦したが、デイ1最終のSS6でベストタイムを記録。総合4位までポジションを上げた。

    勝田貴元は6位 逆転へ望みをつなぐ
    母国ラリーに臨む勝田貴元はSS1でコーナリング中に側溝へ接触しマシンにダメージを負った。

    さらにパンクの影響でタイヤ選択にも制約が生じ、思うようなペースを発揮できず。それでも総合6位で初日を完走し、トップ10圏内を維持した。

    総合5位のティエリー・ヌービルとの差は5.6秒。残り2日間で巻き返しを狙う。

    ラトバラ「ほぼ完璧なスタート」
    「SS2ではエルフィンが素晴らしいタイムを記録して大きなギャップを築き、危ない場面に遭遇したドライバーもいましたが、我々のドライバーは全員走り続けていますし、上位につけてもいますので、ほぼ完璧なスタートとなりました」とヤリ-マティ・ラトバラは語った。

    「もちろん貴元はもっと良いスタートを切ることを望んでいましたが、ホームラリーは往々にして最も難しいものです。例えば、ユハ・カンクネンとカッレ・ロバンペラも、ラリー・フィンランドで初優勝したのは、何度か世界チャンピオンになった後でした。ですので私は彼に、リラックスしてドライビングを楽しむように伝えました。そうすれば、自信とスピードは自然とついてくるはずです」

    エバンス「良いスタートを切ることができた」
    「ラリー初日は良いスタートを切ることができました。午前中は路面コンディションが目まぐるしく変化し、木陰には濡れて滑りやすい箇所が多くあるなど、難しいスタートとなりました」

    「グリップの変化を読み取るのは非常に困難でしたが、午前のループは良いリズムでうまく走り切ることができました。午後は路面が乾いてきて、私たちよりも後方のドライバーたちが猛追してきていました。ですので、この順位を維持するためには、明日以降もベストを尽くす必要があると認識しています」

    オジエ「さらに改善が必要」
    「ラリーのスタートとしてはまずまずでしたが、完全に理想的だったとは言えませんし、さらに良い結果を期待していました」とセバスチャン・オジエは語った。

    「クルマのセッティングに関してまだベストなポイントを見つけることができていないため、思うようにプッシュできませんでした。今夜もクルマをさらに改善し、もう少しスピードを引き出す必要があります」

    「タイム差は全体的に非常に僅かだったため、細かい部分の調整が効くはずですが、今朝のイセガミズトンネルの1本目ではタイムをかなり失ってしまいました。エルフィンは今日非常に調子が良かったので、トップとの差はかなり開いていますが、プッシュし続けます」

    ソルベルグ「チームメイトと互角に戦えた」
    「全体的には良い一日でした。このクルマで日本のステージを走るのは初めてでしたが、ペースにはかなり満足していますし、どのステージでもチームメイトと互角に戦うことができました」とオリバー・ソルベルグは語った。

    「午前中の3本目のステージでは動物を避けるために減速せざるを得ず、そこでかなりタイムを失ってしまいましたが、それ以外はすべて順調でしたし、午後は自分たちが最速だったと思います」

    「まだまだ先は長いですが、引き続きプッシュしベストを尽くします」

    勝田貴元「諦めるつもりはない」
    「今日は期待していたほど順調にはいきませんでした。コンディションは非常に難しく、濡れて滑りやすい場所を把握するのが本当に難しかったです」と勝田貴元は語った。

    「残念ながら最初のステージでパンクをしてしまったことで、その後はウェットコンディションで、ハードタイヤを使わざるを得ませんでした。午後はタイムと順位を取り戻そうと全力を尽くしましたが、タイヤ戦略がうまく機能しませんでした」

    「まだ2日間残っていますし、諦めるつもりはありません。応援してくださるファンの皆さんのために、とにかく良い走りをしたいと思っています」

    パヤリ「正しい方向性を見出せた」
    「驚くほどトリッキーな一日でした。特に午前中は路面が非常に滑りやすく苦労しました」とサミ・パヤリは語った。

    「最初のステージのタイムはなかなか良かったのですが、その後は自分が望んでいたようなペースを見つけるのに苦労しました。その状況は午後も少し続きましたが、一日の最後にはステージ優勝を果たすことができました」

    「クルマのフィーリングも本当に良かったので、明日に向けて正しい方向性を見出せたことを願っています。ラリーはまだ始まったばかりなので、プッシュし続けなければなりません」

    ラリージャパン デイ1の結果
    エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ GR YARIS Rally1) 1時間13分07.0秒
    オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン(トヨタ GR YARIS Rally1) +15.7秒
    セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ(トヨタ GR YARIS Rally1) +17.1秒
    サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン(トヨタ GR YARIS Rally1) +41.5秒
    ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ(ヒョンデ i20 N Rally1) +58.2秒
    勝田貴元/アーロン・ジョンストン(トヨタ GR YARIS Rally1) +1分03.8秒
    アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア(ヒョンデ i20 N Rally1) +1分16.3秒
    ヘイデン・パッドン/ジョン・ケナード(ヒョンデ i20 N Rally1) +2分17.0秒
    ジョン・アームストロング/シェーン・バーン(フォード Puma Rally1) +2分40.9秒
    アレハンドロ・カチョン/ボルハ・ロサダ(トヨタ GR Yaris Rally2) +3分26.6秒

    (日本時間5月29日17時30分時点)

    デイ2は最長120km超の戦いへ
    競技2日目となる5月30日のデイ2は、愛知県のオバラ(小原)、岐阜県のエナ(恵那)、マウント・カサギ(笠置山)の3ステージを各2回走行。さらに豊田市に新設されたフジオカSSS(藤岡)を2回走行する。

    デイ2は合計8本のステージ、120.22kmの競技区間が設定されており、大会期間中で最長の一日となる。

    エバンスが首位を守るのか、それともソルベルグ、オジエらが差を縮めるのか。トヨタ勢同士による上位争いに注目が集まる。

  • 勝田貴元 WRCクロアチア優勝 2連勝 最終SSで劇的逆転

    勝田貴元 WRCクロアチア優勝 2連勝 最終SSで劇的逆転

    勝田貴元(トヨタ)は2026年WRC第4戦クロアチア・ラリーで優勝を飾り、サファリ・ラリー・ケニアに続く2連勝を達成した。最終ステージで首位ティエリー・ヌービル(ヒョンデ)がクラッシュしたことで、劇的な逆転での勝利となった。

    最終ステージ直前まで1分以上の差を追う展開だった勝田にとっては、通常であれば逆転が極めて困難な状況だった。しかし、過酷なコンディションが続いた今回のラリーは最後まで波乱含みとなり、その流れを最後に引き寄せたのが勝田だった。

    最終SSで訪れた決定的な瞬間
    勝田貴元は最終ステージを前に2番手につけていたが、首位のヌービルは1分15秒4の大差を築いていた。勝負はほぼ決したかに見えたが、ラストのステージで状況が一変する。

    ヌービルはヒョンデi20 N Rally1のリアを滑らせ、コンクリートブロックに接触。フロント右に致命的なダメージを負い、ステージを完走できなかった。

    これにより勝田が首位に浮上。最後の最後で勝利を手繰り寄せ、2連勝という結果をつかんだ。

    消耗戦を生き残った安定した走り
    今回のクロアチア・ラリーは、近年でも屈指の消耗戦となったターマックイベントだった。特にステージ14では、路面に土や岩が散乱し、ドライバーたちが「グラベルのようだ」と語るほど難しいコンディションとなった。

    この区間では勝田を含む複数の上位陣がパンクに見舞われたが、勝田はタイムロスを最小限に抑えて走り切ることに成功。結果として、この対応が後の逆転劇につながる重要な要素となった。

    首位を走っていたサミ・パヤリはタイヤ交換を余儀なくされて大きく後退し、ラリーの流れは大きく動いたが、勝田は安定した走りで上位を維持し続けた。

    ライバルの脱落で浮かび上がった勝機
    ラリー序盤から波乱は続いていた。選手権上位のエルフィン・エバンスとオリバー・ソルベルグが金曜日の段階でリタイアし、優勝争いの構図は大きく変化した。

    ヌービルはその中で着実にリードを広げ、終盤には勝利が目前の状況にあったが、最後のステージでその優位性を維持することはできなかった。

    勝田はそうした状況の中で着実にポジションを上げ、チャンスを逃さなかった。

    結果以上に大きい2連勝の意味
    今回の勝利により、勝田貴元はシーズン序盤で2連勝を達成し、選手権争いにおいても大きく前進した。消耗戦となったクロアチアでの勝利は、単なる順位以上に、安定性と対応力の高さを示す内容となった。

    最終ステージで決着した今回の一戦は、2026年シーズンの流れを左右する重要な結果となる可能性がある。

  • 勝田貴元 涙のWRC初優勝 日本人34年ぶりの歴史的快挙

    勝田貴元 涙のWRC初優勝 日本人34年ぶりの歴史的快挙

    3月15日(日)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦「サファリ・ラリー・ケニア」の最終日デイ4が、ケニアのナイバシャを起点に行われた。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(GR YARIS Rally1 18号車)がWRC初優勝を達成。TGR-WRT2からエントリーしたサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)は総合3位を獲得した。

    また、前日のデイリタイアから再出走したオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)は総合10位、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)は総合11位、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合13位でフィニッシュした。

    サファリ・ラリー・ケニアの最終日デイ4は、ナイバシャ湖の南側エリアで「オセレンゴニ」と「ヘルズゲート」という2本の定番ステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は57.40kmだった。

    最終日は朝から良い天気に恵まれ、路面コンディションは概ねドライ。一部には湿ったセクションも残っていた。

    首位を争っていたチームメイトたちのデイリタイアもあり、勝田はデイ3でラリーをリードする立場となった。総合2位のアドリアン・フォルモー(ヒョンデ)に1分25.5秒、総合3位のパヤリに4分45.8秒の差をつけてデイ4に臨んだ。

    2位以下に対し十分なリードを築いていたことから、勝田は確実性を最優先に走行。オープニングのSS17オセレンゴニ1では7番手タイムを記録し、3番手だったフォルモーとの差は1分8.8秒となった。

    続くSS18ヘルズゲート1では9番手タイム。4番手だったフォルモーとの差は1分0.3秒に縮まった。

    SS17の再走となるSS19オセレンゴニ2でも勝田は堅実な走りを続け、8番手タイムを記録。6番手だったフォルモーとの差は42秒まで縮まった。

    そして迎えた最終のSS20ヘルズゲート2はボーナスポイントがかかるパワーステージ。勝田は9番手タイムで走り切り、総合2位フォルモーを27.4秒差で抑え切り、WRC初優勝を達成した。

    日本人ドライバーがWRCで総合優勝を果たしたのは、アフリカのラリー・コートジボワールを1991年と1992年に制した篠塚建次郎以来となる。また、サファリ・ラリーでは、2リッター・ワールド・ラリー・カップ(W2L)の一戦として開催された1995年大会で、トヨタ・セリカGT-FOURを駆り優勝した藤本吉郎以来となる2人目の日本人ウイナーとなった。

    WRCでもっとも過酷なイベントとして知られるサファリ・ラリーに、これまで勝田は5回出場し3回表彰台に立っている。2021年はWRC初ポディウムとなる総合2位、2022年は総合3位、2024年は再び総合2位を獲得した。

    2025年も最終日まで表彰台争いに加わっていたが、最終ステージでロールオーバー。ステージは最後まで走り切るも完走はならなかった。

    そして勝田は今年、昨年悔し涙を流した因縁のステージで優勝を決め、嬉し涙でラリーを締めくくった。

    勝田の今回の勝利により、TGR-WRTはサファリ・ラリーが2021年にWRCのシリーズに復活して以来、負けなしの6連覇を達成。トヨタとしては通算14回目のサファリ・ラリー制覇となった。

    総合2位フォルモーとも、総合4位エサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)とも大きな差がついていたパヤリは、確実性の高い走りで4本のステージを走破。前戦ラリー・スウェーデンに続く総合3位表彰台を獲得した。

    デイ3で首位を走行しながらもトラブルによりリエゾン(移動区間)でデイリタイアとなったソルベルグは、TGR-WRTのメカニックによって修理されたマシンで再出走。最終日は、同じくリエゾンで止まり再出走したオジエを抑え、総合10位でフィニッシュした。

    さらにSS19と最終SS20でベストタイムを記録し、パワーステージを制覇。日曜日のステージのみの合計タイムで競われる「スーパーサンデー」でも最速となり、最大となる10ポイントのボーナスを獲得した。

    オジエはSS17でベストタイム、SS19とパワーステージでは2番手タイムを記録。総合11位でフィニッシュし、スーパーサンデーでは2位となった。

    デイ3でマシンにダメージを負いデイリタイアとなったエバンスは、SS18でベストタイムを記録。パワーステージは3番手タイムで走り切り、総合13位でフィニッシュした。

    スーパーサンデー3位によるボーナスポイントも獲得し、ドライバー選手権では2位ソルベルグに8ポイント差、3位勝田に11ポイント差で首位を守った。

    なお、TGR-WRTはマニュファクチャラーズ選手権でも首位を維持している。

    サポート選手権のWRC2にGR Yaris Rally2で出場したガス・グリーンスミス(イギリス)はクラス2位、総合6位を獲得。ディエゴ・ドミンゲス(パラグアイ)はクラス5位、総合9位でフィニッシュした。

    勝田貴元 WRC(世界ラリー選手権)

    豊田章男(TGR-WRT会長)
    ”世界で勝てる日本人ラリードライバー”が
    日本の子供たちの憧れになる日が来てほしいとずっと思っていました。

    憧れの存在がいれば
    それを超えていこうとする子供や若者が現れます。

    勝田貴元を超えたい!と頑張る子供や若者が
    日本のモータースポーツのレベルを上げていってくれます。

    この勝利は、そんな日本の若者たちへの本当に大きなプレゼントになりました。
    貴元、ありがとう!

    貴元には、もっともっと”すごい憧れ”の存在になっていって欲しい。
    ラリージャパンで、そんな姿を見せましょう!

    一方、他のドライバーたちには
    辛いラリーをさせてしまいました。

    またみんなでポディウムに立てるよう
    サファリでの学びを次に活かしていこう!

    チームのみんなよろしく頼みます。

    ユハ・カンクネン(チーム代表代行)
    貴元とアーロンがこのラリーで優勝したことを、チーム全員が心から喜んでいます。これまで何度も優勝にあと一歩というところまで迫っていましたが、今回の勝利はまさに彼らにふさわしいものです。貴元は素晴らしいドライバーですし、日本人ドライバーが再びWRCのラリーで優勝する姿を見ることができたのは、私たちにとって本当に嬉しいことです。サファリ・ラリーは41年前、私がWRCで初優勝したラリーでもあり、これほど難易度の高いイベントで優勝できたというのは、まさに特別なことです。今回のサファリ・ラリーは、WRCのカレンダーに復帰して以来、最も過酷なラリーでしたし、私たちにとってもジェットコースターのような週末でした。昨日は3台がリタイアするという大惨事もありましたが、オリバー、セブ、エルフィンは今日懸命にプッシュし、チームのために日曜日のポイントを最大限獲得してくれました。貴元が優勝し、サミも多くのステージ優勝を含む素晴らしい走りで再び表彰台に立ったので、我々としては大いに喜ぶことができます。

    エルフィン・エバンス(GR YARIS Rally1 33号車)
    間違いなくタフな週末でした。頭を使って走ろうとしましたが、それでもラリー全体を走り切ることはできませんでした。ラリーではこのようなことも時々あるのは分かっています。今日の走りにも少しがっかりしています。午前中の最初のステージはかなり遅く、コンディションも理想的ではありませんでした。頑張ったのですが、期待していたほどのポイントは獲得できませんでした。それでもチャンピオンシップの首位を維持できているのは嬉しいですし、次のクロアチアが楽しみです。貴元とアーロンは一生懸命努力してきたので、この勝利は彼らにふさわしいと思いますし、とても嬉しいです。

    セバスチャン・オジエ(GR YARIS Rally1 1号車)
    今日はできる限り多くのポイントを獲得しようと努めましたが、パワーステージのようなコンディションで限界までプッシュをするのは決して簡単ではありません。轍の中ではクリーンに走ることを心がけましたが、本気でプッシュすればもっと速く走れたはずです。スピードという点では良い週末だったと思いますが、このラリーは一年の中でスピードが最も重要ではないイベントでもあります。それでも、貴元がチームと自分自身のために優勝を勝ち取り、本当に嬉しいです。長年の努力が報われた、まさに彼にふさわしい勝利です。

    オリバー・ソルベルグ(GR YARIS Rally1 99号車)
    今日の目標は、昨日の悔しさを晴らすために最後の力を出し切ることでした。とにかく挽回しようと全力を尽くしましたが、スーパーサンデーとパワーステージで優勝するという素晴らしい一日になりました。挽回するためにできる限りのことをやり切ったので、今日の結果には本当に満足しています。自分たちが優勝できなくとも、貴元とアーロンがラリーで勝ったことを嬉しく思います。これまでの貴元の努力と情熱を考えれば、彼は本当にこの勝利にふさわしいと思います。

    勝田貴元(GR YARIS Rally1 18号車)
    この結果を成し遂げることができて、本当に素晴らしい気分です。フィニッシュラインを通過した時の気持ちを言葉で表わすのは難しいですが、とにかくクレイジーでした。これまで本当に多くの困難な瞬間を経験してきたので、それらの記憶が頭の中を駆け巡りました。決して楽な道のりではありませんでしたが、ついにここまで来ることができました。自分と一緒に一生懸命努力してくれたアーロン、そして常に僕を信じてくれたチームの皆に感謝します。今日は小さな岩ひとつひとつが目に入ってしまい、それを避けるのは本当に大変でしたが、何も問題なく走り切ることができました。こんなにも強いクルマとサポートを提供してくれたチームに感謝します。自分たちがここまで来られたのは決して諦めなかったからですし、これからもこのような結果を出せるように努力し続けます。

    サミ・パヤリ(GR YARIS Rally1 5号車)
    再び表彰台に立つことができて本当に嬉しいです。今回はまさに冒険のような、非常にタフなラリーでしたが、それがこのイベントの本質です。特に金曜日に発揮したパフォーマンスは良かったと思いますし、ベストタイムを5本記録することができたので最高です。今日も自分たちにスピードはありましたが、とにかくトラブルなく完走することが一番重要でした。一週間を通してクルマを最高の状態に保ってくれたチームに感謝します。また、貴元とアーロンの初優勝を、私とマルコは本当に嬉しく思っています。

    サファリ・ラリー・ケニアの結果
    1 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン(トヨタ GR YARIS Rally1)3h16m05.6s
    2 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア(ヒョンデ i20 N Rally1)+27.4s
    3 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン(トヨタ GR YARIS Rally1)+4m26.1s
    4 エサペッカ・ラッピ/エンニ・マルコネン(ヒョンデ i20 N Rally1)+6m07.3s
    5 ロバート・ヴィルヴェス/ヤッコ・ヴィッロ(シュコダ Fabia RS Rally2)+11m37.8s
    6 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン(トヨタ GR Yaris Rally2)+12m09.0s
    7 ファブリツィオ・ザルディヴァー/マルセロ・デル・オハネシアン(シュコダ Fabia RS Rally2)+12m20.0s
    8 アンドレアス・ミケルセン/ヨルン・リストゥルード(シュコダ Fabia RS Rally2)+12m30.7s
    9 ディエゴ・ドミンゲス/ロヘリオ・ペナーテ(トヨタ GR Yaris Rally2)+13m28.4s
    10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン(トヨタ GR YARIS Rally1)+16m44.5s
    11 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ(トヨタ GR YARIS Rally1)+17m30.7s
    13 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ GR YARIS Rally1)+26m20.9s

    (現地時間3月15日19時00分時点のリザルト)

    第3戦終了時点でのドライバー選手権順位
    1 エルフィン・エバンス 66ポイント
    2 オリバー・ソルベルグ 58ポイント
    3 勝田 貴元 55ポイント
    4 アドリアン・フォルモー 47ポイント
    5 サミ・パヤリ 32ポイント
    6 セバスチャン・オジエ 26ポイント
    7 ティエリー・ヌービル 25ポイント
    8 エサペッカ・ラッピ 21ポイント
    9 ロバート・ヴィルヴェス 10ポイント
    10 ガス・グリーンスミス 8ポイント

    第3戦終了時点でのマニュファクチャラー選手権順位
    1 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team 157ポイント
    2 Hyundai Shell Mobis World Rally Team 114ポイント
    3 TOYOTA GAZOO Racing WRT2 35ポイント
    4 M-Sport Ford World Rally Team 23ポイント

    次回のイベント情報
    WRC次戦は4月9日から12日にかけてクロアチアで開催される「クロアチア・ラリー」だ。2021年にWRCとして初開催されたイベントで、今回は2年ぶりの開催となる。

    ホストタウンは首都ザグレブから、アドリア海に近い都市リエカへと移動する。ターマック(舗装路)のステージは路面コンディションの変化が大きく、グリップが変わりやすいのが特徴だ。

    コースは中高速コーナーとテクニカルなコーナーがミックスされた、攻め甲斐のあるステージで構成されている。