カテゴリー: WEC (FIA世界耐久選手権)

  • トヨタ、WEC第7戦富士の公式練習は2番手タイム

    トヨタ、WEC第7戦富士の公式練習は2番手タイム

    トヨタ・レーシングの3人のドライバーとTS030 HYBRID #7は、FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦富士の公式練習第1回目でトップタイムをマークしたが、午後の公式練習第2回目では、0.004秒の僅差で2番手タイムとなった。

    8月に行われたWEC第4戦シルバーストン6時間レースで、トヨタ・レーシングの初表彰台獲得に貢献した中嶋一貴が、今週末に富士スピードウェイで行われるWEC第7戦富士6時間レースにおいて、シルバーストン以来となる TS030 HYBRID #7のコクピットに戻ってきた。

    WEC第5戦サンパウロ6時間レースでTS030 HYBRIDの初優勝を飾ったアレックス・ブルツとニコラス・ラピエールのコンビに加わる中嶋一貴は、今季戦ってきたSUPER GTやフォーミュラ・ニッポンでの富士スピードウェイに関する豊富な知識や経験をチームにもたらす。

    今週末のレースはトヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)にとって里帰りを意味する。それもそのはず、THS-Rは富士スピードウェイから20キロほどの距離にある、トヨタ自動車の東富士研究所で開発されたものだ。

    前戦バーレーンでは7ヶ所あったハイブリッド・ブレーキングゾーンは、富士スピードウェイでは1.475kmの長さを誇るホームストレートへの立ち上がりである最終コーナーを含む4ヶ所に設定された。

    中嶋一貴は午前中の公式練習第1回目の大半でコックピットに収まり、このセッションでの最速タイムをマークしてニコラス・ラピエールに交代。ニコラス・ラピエールはトラブルフリーで午前中のセッションを終えた。

    午後に行われた90分の公式練習第2回目の序盤は、ニコラス・ラピエールがTS030 HYBRIDでロングスティントをこなしたが、その頃には雨雲が富士スピードウェイの上空を覆った。セッション残り30分でアレックス・ブルツが運転を引き継いだが、雨に祟られることはなく、セッションの最後に他車と軽く接触したものの、目立ったダメージはなく走行を終えた。

    最後の公式練習となる第3回目は、13日(土)の午前9時25分から1時間にわたって行われ、続く公式予選はTS030 HYBRIDが属するLMP1クラスとLMP2クラスが午後2時から20分間で実施される。14日(日)の決勝レースは、午前7時55分からの20分間のウォームアップ走行を経て、午前11時に決勝レースのローリングスタートが切られる。

    アレックス・ブルツ #7
    今日は午後のセッション終了直前に短いスティントを2回走っただけで、ほとんどの走行はニコラス・ラピエールと中嶋一貴が担当した。私はレースセットアップを担当し、良いセットアップが見つかった。もう少し進化させる必要はあるが、そんなに悪い状況ではない。富士スピードウェイは大変テクニカルで難しいコースだ。セッティングは決して完璧には決まらないから、妥協点を見つけなければならない。レースは接近戦になるだろうが、冷静に対処出来たら良い結果が残せるだろう。

    ニコラス・ラピエール #7
    今日は好調だった。2回の公式練習走行も期待が持てる結果が得られた。初めてロングスティントをこなしたが、タイヤの摩耗や、フルに燃料を搭載時と空タンクの差を確認することが出来た。何回かアウディと絡んで走る機会があったが、非常に接近した戦いになることが予想出来た。富士スピードウェイは性能差があまり出ないコースのようで、戦いはタイトになるだろう。加えて、コースの最終セクターは混雑が予想され、同時に曲がりくねっているので接触の可能性もある。総合的には非常に満足しており、現状は快調そのものだ。

    中嶋一貴 #7
    今日の午前中のセッションからTS030 HYBRIDは好調で、競争力は高いと思われ、いくつもの異なるセットアップを試した。TS030 HYBRIDから最高のパフォーマンスを引き出すべく作業を続けており、全てが順調に運んでいる。富士スピードウェイで再びTS030 HYBRIDをドライブ出来るのは嬉しいことであり、加えて、金曜日にも関わらず多くのファンがサーキットに来てくれて、本当に素晴らしい雰囲気になった。今日のペースはテスト走行を行った水曜日と比べてまずまずで、ラップタイムも若干向上している。車両に大きな変更を行っていないにも関わらずタイムが向上していることから、コースの路面状況が良くなっているのだと思う。決勝レースへ向けての準備を続けなくてはならないが、セットアップについてもまだ若干改良の余地があるだろう。

  • 佐藤琢磨、WEC 第7戦 富士への抱負を語る

    佐藤琢磨、WEC 第7戦 富士への抱負を語る

    佐藤琢磨が、OAKレーシングから参戦するWEC 第7戦 富士6時間レースへの抱負を語った。

    WEC参戦の気持ちは?
    これまで耐久レースは一度も走ったことがないんですけども、メインのインディカー・シリーズが9月で終了しまして、日本でフォーミュラ・ニッポンの方で走るチャンスを得て、今回、本当に急遽OAKレーシングの方から参戦できることになって、僕自身も非常に驚いているんですけども、今は期待感が非常に高くて、非常に楽しみにしているところです。

    耐久レース参戦の抱負は?
    これまでの僕のキャリアは、ヨーロッパも現在のアメリカもずっとシングルシーターで、フォーミュラカーでやってきたんですけども、ずっとル・マンを頂点とするスポーツカーシリーズ、プロトタイプカーに興味があって、ただなかなか参戦する機会っていうのはなかったんですけど、今回、本当にOAKレーシングの代表のセバスチャン・フィリップ、彼はF3時代からの友人なんですけど、電話で連絡を受けて『参戦してみないか』と。やっぱりその言葉をもらって凄く嬉しかったです。自分にとってもドライビングの新しい世界が見えると思うし、幅も広がるし、これまで体験したことのない耐久レースを通じて、3人のドライバーと協力してひとつのレースを走る。本当に僕にとっては初めての体験なんですけど、今は闘士を燃やしてますし、自分が出来る限り最大限のサポートをチームとともにして、いいレースにしたいと思います。

    ’07 F1以来の富士スピードウェイの攻略は?
    2007年のあのスーパーアグリF1でグランプリを走ったとき、やっぱり日本GPということもあって、たくさんのファンが駆けつけてくれて、残念ながら、天候は寒い雨だったんですけども、非常にエキサイティングなレースができて。今回プロトライプカーでどういう走りができるのかっていのも正直走ってみないとわからないところがあるんですけども、チームの方とも先日シート合わせをして、マニクールの方で富士スペシャルのエアロパッケージをいくつかテストして、チームの方も本当にパーマネントコースとしては世界最長の長いストレートに合わせた新しい空力パッケージで挑む気で、非常にやる気も高いので、そのあたり僕も、インフィールド、最後のセクションは非常にテクニカルだし、あそこはダウンフォースをつけないとやっぱり速くないし、そういう意味でトータルのスピードとトップスピードと、本当に僕も初めてなんですけどこのクルマの一番おいしいところを引き出したいなと。それともうひとつ、HRDエンジンに新しくなるということで、チームも非常にマニクールのテストが好調だったので、このあたりもいい追い風になるかなと思います。

    ファンに向けて
    僕にとっては初めての耐久レースなんですけども、本当に楽しみにしています。それから今回は、中嶋一貴選手、中野信治選手、井原慶子選手、本当にこれまでもゆかりのあるドライバー達と一緒に同じフィールドで走れるっていうのはやっぱり僕としてもすごく楽しみですし、日本人選手としては最高に盛り上げたいなと思っています。決勝日は10月14日です。ひとりでも多くの皆さんが富士スピードウェイに足を運んでくれることを願ってます。僕らも最高の走りを目指していいレースをしたいと思っていますので、皆さん、たくさんの応援よろしくお願いします。

  • トヨタ、WEC第7戦 富士 プレビュー

    トヨタ、WEC第7戦 富士 プレビュー

    トヨタ・レーシングは、今週、WEC(世界耐久選手権)第7戦富士6時間レースの行われるホームコース、富士スピードウェイへと向かう。

    今大会には、中嶋一貴がアレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエールと共に、TS030 HYBRIDのドライバーラインアップに復帰する。

    中嶋一貴は、WEC第4戦シルバーストンで初の表彰台フィニッシュに貢献した後、日本で行われたSUPER GT及びフォーミュラ・ニッポンのレースに集中するためにWEC参戦から遠ざかっていた。

    その間、トヨタ・レーシングとTS030 HYBRIDは、第5戦サンパウロでWECデビュー3戦目にして記念すべき初勝利を挙げた。第6戦バーレーンでも序盤首位を走行するなど速さを示したものの、車番表示灯のトラブルに見舞われ、その後アクシデントで戦線を離脱している。

    気温が37度にも達した第6戦バーレーンと比べれば、日本で行われる第7戦富士は、はるかに涼しい中でのレースとなるだろう。

    全長4.563kmの富士スピードウェイは、耐久レースの歴史を刻んでおり、1982年から1988年まではWSC(世界スポーツカー選手権)を開催するなど国際的スポーツカーレースが行われて来た。

    TS030 HYBRIDは、1992年の全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権富士1000kmレースで勝利を挙げたTS010、1999年ル・マン富士1000kmレースで2位フィニッシュを果たしたTS020などの輝かしい血統を受け継いでいる。

    木下美明 (トヨタ・レーシング チーム代表)
    我々のホームコースでのレースを前に、トヨタ・レーシングのチーム全員が特別な気持ちで臨んでおり、特に、バーレーンでの失望の後だけに、やる気に満ち溢れている。我々は、真のハイブリッド・レーシングチームだ。チームの拠点であるTMGはドイツ・ケルンにあるが、我々のトヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)は富士スピードウェイに近いトヨタの東富士研究所で開発された。ハイブリッド・システムとエンジニアにとっては、いわば里帰りとも言える。とても手強い相手に立ち向かい、成果をものにするために、全てのチームメンバーがいつものように最高の仕事へと集中せねばならない。日本で表彰台の最上段に立つことは、我々の大きな夢であり、そのためにもこの週末はチーム一丸となって全力を出し切りたい。

    アレックス・ブルツ
    トヨタのドライバーとして日本に行けるのは、非常に光栄なことだ。その特別なプレッシャーは、我々に良い効果をもたらしてくれている。富士スピードウェイは、スポーツカーレースの歴史にとって象徴的なサーキットであるとともに難しいサーキットでもある。非常に長いストレート、そして中盤でのいくつかの高速コーナー、さらには、最後の区間は、非常にテクニカルでトリッキーだ。正しいセットアップを得るためには、最も難しいサーキットのひとつだと思う。富士スピードウェイはF1で走行の経験があるが、とても熱心で素晴らしい日本のファンの前で、またレースを戦うのを楽しみにしている。日本のファンは、スポーツカーレーシングの素晴らしさを覚えているだろうし、再び、魅力的なスタイルのレースカーによるバトルを楽しんでもらえるはずだ。間違いなく“ショー”は素晴らしいものになる。

    ニコラス・ラピエール
    2009年の岡山サーキットでのレースに、過去一度だけ行ったことがあるが、それだけにこの週末が楽しみだ。私は富士スピードウェイを走ったことはないが、先週ケルンへ赴き、TMGのシミュレーターをドライブした。そして、多くのオンボードカメラの映像は見ている。とてもテクニカルなコースに長いストレートが組み合わされており、このコースに我々の車を合わせるのは、興味深いものとなる。富士山の麓で行われる6時間レースに行けることは、トヨタ・レーシングのドライバーとしての特権でもあり素晴らしい気分だ。ホームレースへ臨むことで、もちろんプレッシャーは感じるが、これは良い意味でのプレッシャーだ。

    中嶋一貴
    再びTS030 HYBRIDに乗れることに本当に興奮している。シルバーストンでの表彰台獲得から長い時間を経たようにさえ思える。その後もサンパウロで勝利を挙げるなど、チームの進捗状況は素晴らしい。だから、特別な昂揚感をもって、この週末にさらなる戦果を得るべく、本当にやる気に満ちている。富士スピードウェイは好きなサーキットのひとつであり、私は知り尽くしているし、実際に、LMP1のレースカーとは異なるが、SUPER GTで2回のレースを戦っている。富士スピードウェイで地元トヨタのファンを前に戦うのを待ちきれない。

  • アウディ、WEC第6戦バーレーンで1-2フィニッシュ

    アウディ、WEC第6戦バーレーンで1-2フィニッシュ

    アウディは、バーレーンで開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦で、マルセル・ファスラー / アンドレ・ロッテラー / ブノワ・トレルイエ組が駆るAudi R18 e-tron quattroが非常に暑い天候のもと総合優勝を獲得。今回の優勝は、アウディにとって今シーズン5回目の栄光。

    バーレーンは、レース開始時に気温34度、路面温度は45度にまで達し、今シーズンでもっともタフな6時間となった。

    アウディスポーツ チームヨーストの5名のドライバーと2台のハイブリッドカーは多大なストレスに晒されながらも、非の打ち所のないパフォーマンスを発揮。現地時刻午後4時にスタートしたレースは、その大半が夜間走行となった。レース終了時点で、マルセル・ファスラー / アンドレ・ロッテラー / ブノワ・トレルイエ組は2番手に1ラップ差のアドバンテージを生みだしていた。ル・マン優勝トリオの3人は、予選2番手からスタートし、ル・マン、シルバーストンに続き今シーズン3勝目を挙げた。

    2台目のAudi R18 e-tron quattroもまた、優勝のチャンスを充分に持っていた。ポールポジションからスタートしたアラン・マクニッシュはレース序盤、大きなリードを作りだしていたが、その後すぐに、トヨタとのバトルが起こった。トヨタはレースをリードする場面に恵まれたものの、接触事故によりリタイア。

    一方、トム・クリステンセン / アラン・マクニッシュ組も、マイナートラブルに見舞われた。25周目に、ヘッドライトの不具合により、予定外のピットストップを強いられた。また、数々のバトルを経て、左リアタイヤのエアバルブにも損傷を受けていた。このエアバルブトラブルの修復の為に、89周目にまたもや予定外のピットストップを強いられた。さらには、ヘッドライトの不具合が再発してし、115周目と117周目の2度に渡ってフロントカウルの交換を余儀なくされた。

    一方、今回で3回目の優勝を獲得したことで、アウディのハイブリッドテクノロジーは、過酷な環境下でも対応出来る耐久性を持っていることを証明してみせた。

    ル・マンで初出場して以来、2台のAudi R18 e-tron quattroを出場させることで、2組のドライバー達の年間チャンピオン獲得のチャンスはイコールとなっている。第6戦を終了して、トップと2番手のポイント差は7.5ポイントから13.5ポイント差に広がった。しかし、まだ日本と中国で開催される2レースが残されており、これらのレースで合計52ポイントが与えられるために、ドライバーの年間チャンピオン獲得争いは未だに決着していない。2週間後の10月14日、今シーズン7戦目のWECは富士スピードウェイで開催され、日本デビューを果たす。

    ディエター・ガス (アウディレース部門代表)
    「バーレーンの地で得た成功を、非常に喜んでいます。レース全体を通じてたくさんの出来事が起こった今回は、我々にとってもっともタフな6時間だったと考えています。幸いなことに、我々は2台のマシンともに重大なトラブルを発生させることなくゴールに導くことが出来ました。そのおかげで、またもや1-2フィニッシュを達成することが出来ました」

    ラルフ ユットナー (アウディスポーツ チームヨースト テクニカルディレクター)
    「たくさんの出来事に見舞われた今回の6時間レースは、私にはまるで24時間レースの様に感じられました。ドライバーにとっても、非常に過酷な状況だったと思います。一度、アンドレ(ロッテラー)に2スティント連続で走行してもらいましたが、それはあまりにもドライバーに負担を掛けすぎることが分かったので、我々はすぐにドライバーとタイヤへの負担低減のために、ショートスティントでの交代にスケジュールを戻しました。これは正しい判断でした。1-2フィニッシュという結果は素晴らしいものです。我々は今回のレースで熱によるマシントラブルに見舞われず、熱対策が万全であったことを証明しました」

    マルセル・ファスラー (Audi R18 e-tron quattroゼッケン1号車)
    「ミスを1度も起こさずに優勝出来たことが素晴らしかった。ピットストップも良かった。実は、エアロパーツの一部を失ったために、フロントノーズの交換を余儀なくされていました。フロントのダウンフォースが減ってアンダーステアが強くなっていたので、安全を優先して交換を決断したのです。しかし、今日のレースは我々に運が向いていました。トヨタと、残念ながら我がチームの同僚マシンには、数多くのトラブルが起こってしまったからです」

    アンドレ・ロッテラー (Audi R18 e-tron quattroゼッケン1号車)
    「1-2フィニッシュは、アウディにとって最高の結果となりました。レース序盤は、私にとっては苦しい展開でした。私は2スティント連続走行をして、先を行くトヨタを追い詰めていました。1周あたり最大12秒という猛烈な追い上げを見せた我々は、トヨタに強烈なプレッシャーを与えることになりました。その結果、彼らはより多くのリスクを取った走りを行い、その結果としてリタイアしてしまいました。この素晴らしい結果を与えてくれたのは、チームメイトやチームクルーの巧みなパフォーマンスだったと思います」

    ブノワ・トレルイエ (Audi R18 e-tron quattroゼッケン1号車)
    「最初に覚悟していた以上にタフなレースでした。レース序盤、アンドレが2スティント連続で走行しましたが、これはドライバーへの負担が非常に多く、最後まで集中力を維持することが困難な状況でした。これが、1スティントごとにドライバー交代していた理由ですが、これにより、我々のペースは良好に保たれました。我々のマシンはフロントの小さなパーツを失うことで、アンダーステアに悩まされていました。これが、フロントカウルを交換した理由です。マシンは最上の状態でしたし、メカニック達の作業も完璧でした」

  • トヨタ、WEC第6戦バーレーンは接触で無念のリタイア

    トヨタ、WEC第6戦バーレーンは接触で無念のリタイア

    トヨタ・レーシングはFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦バーレーン6時間レースで、チェッカーまで1時間あまり残したところでアクシデントに見舞われ、レースを終えることとなった。

    2週間前のサンパウロで勝利を挙げたTS030 HYBRID #7は、アレックス・ブルツとニコラス・ラピエールのドライビングでスタートから2時間をリードしたが、その後勝利への可能性は遠ざかっていった。

    WECのレギュレーションでは、車両の両サイドに描かれた車番がレースの間中、発光していなければならないが、TS030 HYBRID #7は両側とも発光パネルが故障し、チームは修復のために7分を失ってしまった。

    しかし、その後チームは猛烈なスピードで漆黒の砂漠のサーキットを疾走、ファステストラップを記録しながら6位から3位へとポジションを上げた。

    しかし、残り1時20分の時点でLMP1クラスを戦う他車と接触、サスペンションにダメージを負い、ニコラス・ラピエールはTS030 HYBRID #7をコース脇に止めてリタイアを余儀なくされた。

    午後4時、強烈な日差しの下でローリングスタートが切られたとき、スタートドライバーのアレックス・ブルツは3番手グリッドから猛ダッシュを見せ、第1コーナーで2位に上がり、スタート後13分経過した時点でトップに立った。

    気温36度を超える状況下では、タイヤの摩耗が勝敗を決める最大の要素となるが、同時にドライバーも最高の状態に保つ必要がある。このため、チームはレース序盤、タイヤ交換のピットインの度にドライバー交代も行った。

    スタートからの2時間で、アレックス・ブルツとニコラス・ラピエールはリードを強固なものとしていたが、太陽が沈むと、車番パネルのトラブルにより6位へと順位を落としてしまった。

    コースに戻ったニコラス・ラピエールは、ファステストラップを塗り替えながら追い上げを開始。アレックス・ブルツも続いて速さを見せ、レースをリードする2台のアウディとの差を詰めていった。しかし、コース上の混雑の中で起きた接触により、TS030 HYBRID #7はレースを終えることとなった。

    トヨタ・レーシングの次なる挑戦は、10月14日(日)に富士スピードウェイで行われる富士6時間レース。このレースではアレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエールに加えて、中嶋一貴がTS030 HYBRID #7のコクピットに戻ってくる。

    アレックス・ブルツ
    スピードは十分だった。今日は、スポーツカーによるレースがいかに難しいかを知ることになった。ブラジルでの勝利は順調で完璧なものだったが、今日はそれ以上に学ぶところがあった。プラクティスの努力はレースで報われ、スピードが十分であることが確認でき、自信となった。後は単なる不運に過ぎない。今は富士のレースに集中するだけだ。

    ニコラス・ラピエール
    セーフティカーが退出し再スタートが切られたとき、僕は#21の後ろにいた。彼らはストレートで速かったので、抜き去るためにコーナーでイン側に飛び込んだのだが、そこで接触した。もし我々が順位を争っているとすれば僕のミスかも知れないが、彼は周回遅れだった。優勝こそ車番灯のトラブルで叶わないことは分かっていたが、表彰台は確実と思っていただけに、レースがこんな形で終わるのは残念で仕方がない。完走できなかったことは不満だが、レースのペースはアウディに比べても素晴らしいもので、戦闘力の高さは確認できた。次の富士スピードウェイのレースに向けて頑張るしかない。富士は重要なレースであり、好成績を残すべく全力でぶつかるつもりだ。

    木下美明 (トヨタ・レーシング チーム代表)
    エキサイティングなレースだったが、勝てるポジションにいただけに、本当に残念だ。車番灯の問題でピットで時間を失うのはフラストレーションが溜まった。トラブルの原因は熱によるものだ。その後もスピードは十分にあり、表彰台は確実だと思われたが、ニコラス・ラピエールが遭遇した事故のダメージは相当酷く、彼はTS030 HYBRID #7を修理のためにピットまで持ち帰ることが出来なかった。このレースに勝利するチャンスは十分あったが、モータースポーツは時に残酷なもので、今日がその日だったと言うことだ。アウディは素晴らしい仕事をした。彼らには素直に祝福を送ろう。2週間後に富士スピードウェイで彼らと対決できることを楽しみにしており、我々は明日からその準備を始める。

  • 2013年 WEC 世界耐久選手権 レース日程

    2013年 WEC 世界耐久選手権 レース日程

    FIA世界耐久選手権(WEC)は、2013年のカレンダーを発表。ル・マン24時間は6月22日〜23日、富士6時間は10月20日に開催される。

    FIA世界耐久選手権は、2010年からフランス西部自動車クラブ (ACO)が開催していたインターコンチネンタル・ル・マン・カップ(ILMC)を発展させたカタチで2012年からスタート。

    2012年は、アウディがマニュファクチャラーズチャンピオンとドライバーズワールドチャンピオンの両タイトルを獲得している。

    2013年もWECは昨年と同じく全8戦で争われるが、開催地と日程に変更がみられている。

    昨年セブリング12時間で開幕したWECだが、2013年はセブリング12時間がWECから外れ、シルバーストン6時間でシーズンを開幕する。

    WECのハイライトであるル・マン24時間は第3戦として6月22日〜23日に開催され、第5戦にはオースティン6時間が加わる。

    日本では第6戦として富士6時間を10月20日開催。11月30日のバーレーン6時間が最終戦となる。

    2013年 FIA 世界耐久選手権 カレンダー

    Round 開催日 レース 開催国
    1 4/14 シルバーストン6時間 イギリス
    2 5/4 スパ6時間 ベルギー
    3 6/22〜23 ル・マン24時間 フランス
    4 9/1 サンパウロ6時間 ブラジル
    5 9/22 オースティン6時間 アメリカ
    6 10/20 富士6時間 日本
    7 11/10 上海6時間 中国
    8 11/30 バーレーン6時間 バーレーン
  • 佐藤琢磨、WEC富士戦と上海戦に参戦決定

    佐藤琢磨、WEC富士戦と上海戦に参戦決定

    佐藤琢磨は、OAKレーシングが走らせるスポーツプロトタイプカーを駆って10月にアジア圏内で開催されるFIA世界耐久選手権シリーズ(WEC) に出場し、スポーツカーレースデビューを飾ることになった。

    OAKレーシングはエンジンをホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)製にスイッチし、LMP1クラスへの復帰を果たす。

    佐藤琢磨は、オンローク・オートモーティブが設計と製作を担当したシャシーにHPDのAR6 LMV8エンジンを搭載した#15 OAK/ペスカローロ LMP1を駆り、WECの終盤2戦(10月13〜14日/富士、10月27〜28日/上海)に出場する。

    チームからLMP1に参戦していたドライバーのベルトラン・バゲッティとドミニク・クライハマーも、今回初参戦の佐藤琢磨とともにアジアで開催されるレースに出場する。ふたりは、イギリス、ブラジル、バーレーンで開催されたレースでは#35 モーガン2012 LMP2を駆った。

    昨日、佐藤琢磨はフランスのマニクールでマシーンのシェイクダウンを行った。新しいHPD製エンジン、そしてOAK製LPM1シャシーにとっても、これが初の走行となった。走行は本日も続けられる予定で、琢磨にとってはマシーンを習熟するチャンスとなる。

    OAKレーシングのスタッフは、その大半が今週末バーレーンで開催される6時間レース出場のため中東に滞在中だが、LMP1を走らせるチームはフランスに留まって新しいパッケージの評価を行うとともに、長いストレートを持つ富士にあわせた空力セットアップの最適化を行っている。その後、10月10日に富士で予定されているテストセッションにあわせて日本に向かう。

    佐藤琢磨
    「OAKレーシングとレースに参戦できることをとても楽しみにするとともに、闘志を燃やしています。僕はこれまでシングルシーターのレースだけに出場しており、LMP1のフィーリングはそれとは異なったものですが、その第一印象はとてもよく、この新しい経験にスリルを覚えています。日本でもレースに出場していたセブ(・フィリップ)のことはよく知っています。彼と再び一緒にレースができることを嬉しく思うと同時に、チームとの信頼関係を築くうえでも大切な役割を果たしてくれています。木曜日はOAK-HPD LMP1をシェイクダウンしただけでしたが、すべて計画どおりに運びました。新しいエンジンを搭載するとともに、評価のために空力パッケージをアップデートしており、金曜日と10月10日に富士で行われるテストではたくさんの作業を行う予定です。レースまでに学ばなければいけないことがたくさん残されていますが、日本の熱心なファンが待つレースに参戦する週末がやってくることを楽しみにしています。チームにもたくさんの声援が送られるはずなので、日本の皆さんの前で再びレースができることを待ちきれない思いでいます」

    セバスチャン・フィリップ(チーム監督)
    「アジアのレースで琢磨がチームに加わってくれることを嬉しく思います。僕たちが初めて出会ったのは2000年のことで、当時はふたりともホンダからF3レースに参戦していました。彼がいかに早いドライバーで、才能に恵まれているかは、そのとき直に確認しています。しかも、彼は本当にナイスガイなので、チームと僕たちのLMP1プログラムに大きく貢献してくれると信じています。シェイクダウンテストは、いまのところすべて順調です。HPDエンジンをシャシーに適合させるため、デザイン・チームはハードワークをこなしています。富士で好成績を収められることをいまから楽しみにしています」

  • トヨタ、WEC第6戦バーレーンを3番手グリッドからスタート

    トヨタ、WEC第6戦バーレーンを3番手グリッドからスタート

    トヨタ・レーシングは、WEC(世界耐久選手権)第6戦となるバーレーン6時間レースの予選で3番手のタイムを記録。9月29日(土)に行われる決勝レースは、2列目3番手グリッドからスタートを切る。

    午後4時から20分間にわたって行われた予選セッションで、アレックス・ブルツとニコラス・ラピエールは、僅か2周のタイムアタックでポールポジションから0秒440の遅れで3番手のグリッドを獲得。明日の長く、暑いレースへと挑む。

    予選のタイムアタックを担当したのはニコラス・ラピエール。彼とTS030 HYBRID #7はセッション開始と同時にコースイン。約10分間の走行を行い、週末で最も早いタイムを記録した時点で、戦略のためにタイムアタックを終えた。

    気温が35度に達した午前中の公式練習第3回目は、まずアレックス・ブルツがTS030 HYBRIDをドライブし、30分間にわたる走行で様々なセットアップ評価を行い、明日の6時間レースへ向けての準備を整えた。

    公式練習第3回目のセッションが半分を過ぎたところで、アレックス・ブルツからニコラス・ラピエールにドライバーを交代。セットアップ調整を継続すると共に、午後に待ち受ける公式予選に向け準備を整えた。

    明日29日(土)は午後12時25分からの20分間のウォームアップ走行の後、午後4時(日本時間午後10時)に6時間レースのローリングスタートが切られる。

    ニコラス・ラピエール
    コース上が空いているうちに2周のタイムアタックを行った。ラップタイムに関しては午前中の走行に比べて大きく前進したが、残念ながら最前列グリッドを獲得するまでには至らなかった。この結果が明日どう出るかだが、予選とレースのペースは異なる。レースペースにおいては今週我々はずっと好調であり、それが明日も変わらないことを願っている。明日は非常に長いレースになるだろう。コース上の混雑はそれほど問題にならないだろうが、問題は暑さであり、TS030 HYBRIDとドライバー両方にとって厳しいものになるだろう。タフなレースになるだろうが全力を尽くす。

    木下美明 (トヨタ・レーシング チーム代表)
    この暑いコンディションを考慮すると、ここバーレーンでは全てのチームがタイヤの摩耗と戦うことになるだろう。我々は予選に全てを賭けることは避けた。6時間レースは長いので、我々は決勝レースにおけるタイヤマネージメントとセットアップの最適化に注力した。明日の決勝レースには期待を持っている。アラン・マクニッシュとアウディのポールポジション獲得には賛辞を送りたい。我々のサンパウロでの勝利の後、アウディが必ず巻き返してくるであろうことは想定していた。明日のレースは非常にタフな戦いになるだろう。

  • トヨタ、WEC第6戦バーレーンの公式練習初日は2番手タイム

    トヨタ、WEC第6戦バーレーンの公式練習初日は2番手タイム

    トヨタ・レーシングは、今週末行われるFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦バーレーン6時間レースに向けて、公式練習初日に2番手タイムを記録して順調なスタートを切った。

    2週間前の前戦ブラジルで優勝という結果を残したTS030 HYBRIDは、再びアレックス・ブルツとニコラス・ラピエールのドライブでこの週末のWEC第6戦に挑む。

    公式練習第1回目でTS030 HYBRIDが記録したベストラップタイムは、1日を通して2番手のタイム。チームは夜の公式練習2回目セッションではロングランのセットアップに専念した。

    公式練習第1回目は、土曜日に行われる決勝レースのスタートと同じ午後4時に開始され、トヨタ・レーシングはアレックス・ブルツが最初にTS030 HYBRIDのステアリングを握った。気温は35度に達しており、TS030HYBRIDにとってもドライバーにとっても厳しい挑戦となった。

    公式練習第1回目の最初の1時間はアレックス・ブルツが終始リードし、日が沈んだ残り30分でニコラス・ラピエールに交代。ニコラス・ラピエールはレースに向けての準備を進め、TS030 HYBRID #7はトップタイムでこのセッションを終えた。

    公式練習第1回目と第2回目の間に夜のとばりが降りたにもかかわらず、気温32度の熱暑の下、ニコラス・ラピエールが操るTS030 HYBRIDの煌々と輝くヘッドライトが暗闇を切り裂いた。

    WECのレギュレーションでは、全てのドライバーが夜間の公式練習で最低5周の走行をこなさなくてはならない。このため午後8時30分から開始された公式練習2回目では、ニコラス・ラピエールが最初に走行し、セッションの残り時間が20分になったところでアレックス・ブルツに交代。両ドライバーは問題なくレギュレーションをクリアした。

    公式練習3回目は、28日(金)の午前10時50分から1時間にわたって行われ、公式予選はTS030 HYBRIDが属するLMP1クラスとLMP2クラスが午後4時30分から20分間で実施される。29日(土)の決勝レースは、午後12時25分から20分間のウォームアップ走行を経て、午後4時にスタートが切られる。

    アレックス・ブルツ
    今日の最も強烈な印象は暑さだった。走り始めのコースは汚れており、そのせいでセットアップとバランスに少し問題が生じたが、レースに向けて理想的な性能を得られるように解決に努めている。ここはレースの間にコンディションが変化する非常にトリッキーなコースであり、それこそがこの週末のチャレンジと言える。ブラジルでは勝利を挙げたが、ここバーレーンではまたゼロからの出発だということは忘れてはならない。再びTS030HYBRIDを完璧に仕上げ、表彰台の頂点を狙っていく。

    ニコラス・ラピエール
    私がここを最後に走ったのは5年前のことだ。かなり難しいコースなので、リズムを取り戻すのに何周か必要だった。このコースには数多くの急減速ポイントがあるので、しっかり覚えておく必要がある。夜は照明があまりないので難しいが、長いストレートが何本かあるので追い抜きは問題ない。公式練習第2回目のセッションでは、タイヤの状態を確かめるべくロングランを行った。結果は良好で、これから我々はデータを分析し、決勝レースの戦略を立てなくてはならない。タイヤマネージメントがキーになるだろう。

  • トヨタ、WEC第6戦バーレーン プレビュー

    トヨタ、WEC第6戦バーレーン プレビュー

    トヨタ・レーシングは、ブラジル・サンパウロでの初勝利を誇りに、世界耐久選手権第6戦バーレーンへと臨む。

    2週間前にインテルラゴス・サーキットでアレックス・ブルツとニコラス・ラピエールがポールポジションから勝利を果たしたTS030 HYBRID #7は、ブラジルから直接、中東のバーレーンへと運ばれた。

    中嶋一貴は、今週末のSUPER GT参戦のため日本に残るが、アレックス・ブルツとニコラス・ラピエールはチームと共に灼熱の砂漠にも近いバーレーンでの戦いに挑む。

    バーレーン・インターナショナル・サーキットは、首都マナマに2004年に完成した5.421kmのコースで、LMP1のレースカーが走るのは初めてとなる。

    サンパウロでも実力を発揮したトヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)が機能するブレーキングゾーンは7か所設定され、スーパーキャパシタにより蓄えられた300馬力のパワーが鋭い加速に活かされる。

    9月27日(木)に2回の公式練習(16:00と20:30)が行われ、28日(金)は3回目の公式練習(10:50〜11:50)に続きLMP1とLMP2の予選(16:30〜16:50)が行われる。決勝レースは29日(土)ウォームアップ(12:25〜12:45)の後、午後4時にローリングスタートが切られる。

    木下美明 (トヨタ・レーシング チーム代表)
    ブラジルからバーレーンまでたった2週間で、トヨタ・レーシングにとっての初勝利を祝っている余裕はないが、確かに勝利の喜びは味わった。今は、バーレーンに全ての照準を合わせ、またすぐに同じ喜びを味わうべくモチベーションを高めており、もちろんこの週末も狙っている。勝利は感動をもたらしてくれるが、それだけでなく最大の満足を得るために、再び週末をトラブルフリーで戦い、燃費の向上と素早いピットストップを図るつもりだ。我々は再びアウディに戦いを挑むために、懸命に働き、活動のあらゆる面の最適化を推し進めなくてはならない。

    アレックス・ブルツ
    ブラジルでの勝利を味わい、再びTS030 HYBRIDで戦うことを待ちきれない。ブラジルは、チームの誰にとっても特別な週末となったが、シーズンは進行しており、すぐにバーレーンでの戦いが待っている。バーレーンでは、F1と共にLMP1のテストも行っており、コースは熟知している。気温は40度を超える暑い週末となり、我々にとっては新たなチャレンジとなるが、準備は出来ている。サンパウロではいくつか改良を示せたが、楽観視はできない。我々は表彰台の頂点を目指してプッシュし続ける。

    ニコラス・ラピエール
    サンパウロへ向けて迅速な対応をする必要があり、この数日は本当に私もチームも多忙だった。私は先週TMGへ赴き、チームと共に勝利を祝ったが、チーム全員のモチベーションを確認する良い機会となった。楽しみにしている次戦バーレーンは、私にとって良い記録の残るコースだ。2007年のGP2バーレーン大会で私は勝利を挙げており、とても良い思い出となっている。我々はブラジルでTS030 HYBRIDが非常に競争力が高いことを示せた。今、我々は自信を持ってバーレーンに臨むが、戦いはとても厳しく、激しいバトルとなるだろう。