カテゴリー: ジャック・ヴィルヌーヴ

  • マクラーレンF1が嘲笑された理由 “パパイヤ・ルール”に隠された落とし穴

    マクラーレンF1が嘲笑された理由 “パパイヤ・ルール”に隠された落とし穴

    ジャック・ヴィルヌーヴは、F1パドックでマクラーレンの「パパイヤ・ルール」がからかわれる理由について説明した。

    ヴィルヌーヴは、同様のドライバー規定はF1では「ごく普通のこと」だと前置きしたうえで、マクラーレンがそれに“名前”を与えたこと自体が嘲笑を招いていると指摘している。

    パパイヤ・ルールとは実際のところ非常に単純だ。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリが、互いにクリーンかつフェアにレースを行い、決して接触しないことを求めるものにすぎない。これはF1の全チームに共通する、絶対的な前提条件でもある。

    しかしこのルールは、ウォーキング拠点のチームが2人のドライバーに完全な平等を与えようとする姿勢の象徴として語られるようになった。公平性の天秤を常に中央に保とうとするその方針は、モータースポーツという世界では極めて困難、あるいは不可能に近い試みでもある。

    2025年モンツァでの決定的な場面
    2025年シーズンでこの問題が最も顕在化したのは、モンツァ・サーキットだった。

    マクラーレンは、ノリスのピットストップを失敗した後、ピアストリにポジションを譲るよう指示した。ピアストリは当初、チームメイトの前を走っていたが、チームは異例の判断で彼を先にピットインさせた。その後に入ったノリスは、スローピットによって後方に落ちてしまった。

    チームのミスを是正するためのチームオーダーだったが、ドライバーズタイトルを争う真っ只中での判断は、パドック全体で賛否を大きく分ける結果となった。

    「名前を付けたこと」が最大の失敗
    ヴィルヌーヴは、パパイヤ・ルールの具体的な中身については「よく分からない」としつつも、マクラーレンが犯した最大の過ちは、その規定に名前を与えたことだと断言する。

    「正直、パパイヤ・ルールが何なのかすら分からない。ただマシンの色にちなんだ名前を付けただけだ。」

    「結局のところ、チームメイト同士はぶつかってはいけない、というルールはどのチームにもある。それが普通だ。」

    「他のチームは特別な名前やニックネームを付けない。マクラーレンがそれをやった、ただそれだけのことだ。」

    「名前がなければ、からかいようがない。それだけ単純な話だ。最終的には、これはチームルールというより、ドライバーの契約に書かれている内容でもある。それだけのことだ。」

  • なぜフェルスタッペンの相棒は苦しむのか?元F1王者が明かす決定的な違い

    なぜフェルスタッペンの相棒は苦しむのか?元F1王者が明かす決定的な違い

    ジャック・ヴィルヌーヴは、レッドブルがマックス・フェルスタッペン仕様のマシンを作っているという主張に対し、ミルトンキーンズのチームを擁護した。1997年のF1世界チャンピオンであるヴィルヌーヴは、オランダ人ドライバーがそのチャンスを最大限に生かしているのだと考えている。

    近年、レッドブルはフェルスタッペンと同等のパフォーマンスをマシンから引き出せるチームメイトを見つけるのに苦労してきた。その結果、チームがフェルスタッペンのドライビングスタイルに合わせてマシンを設計しているのではないか、という批判が生まれてきた。

    「みんながこう言う。『ああ、でもマシンはマックスのために作られている。かわいそうな、かわいそうなセカンドドライバーだ』と。でも実際は違う。マックスはマシン開発に取り組み、どんどん良くしていくんだ」とヴィルヌーヴは、ポッドキャスト『High Performance』出演時に語った。

    ただしその際、レッドブル自身が“扱いにくく、フェルスタッペン寄り”のマシンであることを認めてきた事実には触れていない。

    「もしそのマシンをドライブできない、あるいはシーズン中に何が問題なのかを理解できないなら、どんどん遅くなっていくことになる。実際に自分が遅くなっているからではない。マックスがどんどん速くなっていくからだ。それは、マシンで何が起きているのかを本当に理解できていないからなんだ。だから当然、チームはマックスと一緒に作業をするし、その結果、マシンは君にとっては運転不能なものになっていく」

    ペレスのシーズン後半失速をどう見るか
    ヴィルヌーヴは、セルジオ・ペレスのケースを例に挙げ、シーズンが進むにつれて成績が落ちていくように見える理由についても言及した。

    「我々はそれをセルジオ・ペレスで見てきた。毎年、彼らはシーズン序盤は互角でスタートする。でもそこで終わりだ。ペレスが遅くなったわけじゃない。マックスが、ただひたすら速くなっていっただけなんだ」

    「話はとてもシンプルだ。彼は、マシンで実際に何が起きているのかを理解できていたからだ。時にはフロントが柔らかすぎてアンダーステアが出ることもあるし、逆に硬すぎて出ることもある。あるいは、まったく別の要因による場合もある」

    「そこにエアロパッケージも加わる。地面に近ければ近いほどグリップは増す。だから非常に剛性の高いマシンが必要になる。でも、剛性の高いマシンはメカニカルグリップを失って滑りやすくなる」

    「だからこそ、ドライバーがマシンを操り、マシンが自分の身体の延長のようになり、考えなくても走れるようになる、その完璧なポイントを見つけなければならない。これができるドライバーは非常に少ない」

    ハミルトンは「すべてが簡単だ」と思っていたのか?
    ヴィルヌーヴは、ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍初年度についても言及した。カナダ人の元王者は、失望に終わったシーズンが今後にどのような影響を与えるのか、そしてイギリス人ドライバーが立て直しを迫られている点について問われている。

    「大きな影響はあった。なぜなら、多くのタイトルはチームメイト相手に獲得されたもので、本当の意味での戦いはなかったからだ。彼が本当に戦った唯一の相手はニコで、そして彼はそれに負けた。今、彼はフェラーリに来て、再び戦闘モードに入らなければならない。でも、どうやら彼は“簡単な時代”に慣れてしまったように見える」

    「少し気を抜いたり、リラックスしたり、あるいは『すべてが簡単だ』と思い始めたあとで、再びエンジンをかけ直すのは難しい。一度、自分が無敵だと思い始めたら、スピードは落ちる。そして、そこがマックスが差を生むところなんだ」

    「レッドブルがすべてのレースを楽に勝っていたシーズンでさえ、彼はまるで選手権最終戦かのように、あるいは常にランキングで後れを取っているかのように全力で走っている。状況が厳しくなり、戦わなければならないとき、彼はすでにそれに慣れている。私はそれが、今ルイスが経験しているプロセスにおいて大きな違いを生んでいると思う」

    ヴィルヌーヴの主張と食い違う事実関係
    もっとも、ヴィルヌーヴの発言は事実関係が非常に大雑把でもある。ハミルトンは2013年、2014年、2015年にロズベルグを破り、敗れたのは2016年だけだ。また、フェルスタッペンのチームメイトに関しても、2018年にダニエル・リカルドがいた時代以降、世界チャンピオン級のポテンシャルを持つドライバーはいなかった。

    さらにヴィルヌーヴは、メルセデスは誰が乗っても勝てた可能性があり、最大の武器はパワーユニットだったとも主張している。しかし2018年、FIAはワークスチームとカスタマーチームに同一仕様のエンジン供給を義務づけており、この主張の一部はすでに崩れている。

    同じ2018年には、バルテリ・ボッタスがメルセデスで1勝も挙げられなかった一方、ハミルトンは11勝を挙げており、これもまた別の主張を弱める材料となっている。

    「彼のタイトル獲得は、決して難しいものではなかった。新しいエンジンが導入された時点で、メルセデスは何年も先を行っていたし、状況が接近するたびに、ただパワーを上げるだけだった。すべてが揃っていて、すぐに使える状態だった。あの時代は、ほぼどんなドライバーが乗っても、メルセデスでなければ勝てなかったんだ」

  • 角田裕毅 レッドブルF1シート喪失にヴィルヌーヴ納得「これがトップの世界」

    角田裕毅 レッドブルF1シート喪失にヴィルヌーヴ納得「これがトップの世界」

    レッドブルの2026年のドライバー体制は発表され、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてアイザック・ハジャーが昇格し、レーシングブルズではリアム・ローソンの残留とアービッド・リンドブラッドのF1デビューが決まった。角田裕毅は組織のリザーブドライバーへと移行する。

    1997年のF1ワールドチャンピオンであるジャック・ヴィルヌーヴによれば、これらの決定はいずれも「驚くようなものではなく、数カ月前から明らかだった」という。

    ヴィルヌーヴは「我々は何カ月も前から知っていた。これは発表でも何でもない。ローソンだけが最後の疑問符だった。彼らはただ待って、待って、待っていただけだ。角田もそれを分かっていた。彼の態度を見れば分かった」と述べた。

    「ホンダもそれほど前向きではなかった」
    さらにヴィルヌーヴは、ホンダの姿勢も結論を後押ししたと指摘し、「ホンダでさえ、それほど前向きではなかった。すでにメッセージが伝わっていたのは明らかだった」と語る。そして角田裕毅にとって今回の決定は、成功したF1キャリアの自然な着地点として受け止めるべきだと述べた。

    ヴィルヌーヴは「角田は幸せであるべきだし、これまでの長く実り多いキャリアに感謝すべきだ。チャンスを得て、それがうまくいかなかっただけだ。しかし彼は大きな名前を築いた。これからもレーシングドライバーとして長い未来があり、多くのお金を稼ぎ続けるだろう。日本に戻ることもあるかもしれない。彼は日本ではスターで、その立場は普通なら永遠に続く。彼は名前をつくったのだから問題ない」と続けた。

    ヴィルヌーヴ「問題は“レッドブルの2番手”ではなく、フェルスタッペンの隣にいること」
    ヴィルヌーヴは、レッドブルの2番手としての苦しさではなく、「フェルスタッペン級のドライバーの隣に並ぶこと」こそが本質的な難しさだと強調する。

    ヴィルヌーヴは「レッドブルのナンバー2であることが難しいのではない。マックスのようなレベルのドライバーの隣にいることが難しいのだ。セナの隣も、マンセルの隣も、ピケの隣も、プロストの隣も、シューマッハの隣も常に難しかった。アロンソの隣もそうだ。そういうドライバーなのだ」と語った。

    角田裕毅 レッドブル・レーシング

    リンドブラッド昇格にヴィルヌーヴが警鐘
    リンドブラッドのF1昇格について、ヴィルヌーヴは「我々はアービッド・リンドブラッドについて十分に知らない。F2から判断するのは本当に難しい。F3やF2で素晴らしくてもF1では役に立たないドライバーもいれば、逆にF1で良くなる者もいる。例えばベアマンのように」と指摘した。

    若手抜擢と見切りの速さは「レッドブルの文化」
    ヴィルヌーヴはまた、レッドブルが若手に大きく賭け、そして見切りも早いというスタイルを「これでいい」と評価する。

    ヴィルヌーヴは「判断するのは本当に難しいが、レッドブルはそういうチーム、そういう組織だ。賭けに出て、それで良しとする。ただし十分でなければすぐに手放す。ずっと置いておくことはしない。“チャンスを与える。だが足りなければ終わり”という姿勢だ」と述べた。

    そして最後に「トップレベルではそれが正しい姿勢だ。レッドブルに行くドライバーたちは分かっている。リスクを承知しているし、良いチャンスを得ていることも分かっている。あとは自分が最大限に生かすだけだ」と締めくくった。

  • ジャック・ヴィルヌーヴが称賛「ノリスは他の誰よりも抜きん出ていた」

    ジャック・ヴィルヌーヴが称賛「ノリスは他の誰よりも抜きん出ていた」

    1997年F1ワールドチャンピオンのジャック・ヴィルヌーヴは、サンパウロGP週末を振り返り、ランド・ノリスのパフォーマンスを「他の誰よりも上だった」と称賛した。

    マクラーレンのランド・ノリスはインテルラゴスで圧倒的な週末を過ごし、スプリントと決勝の両方でポール・トゥ・ウィンを達成。これにより、タイトル争いでチームメイトのオスカー・ピアストリに対し24ポイント差を広げ、マックス・フェルスタッペンに対しては49ポイントのリードを築いた。

    フェルスタッペンは週末初期のセットアップミスでQ1敗退に終わったが、ピットレーンスタートから怒涛の追い上げで表彰台に上がり、ピットスタートからの表彰台という珍しい記録を達成した。

    ヴィルヌーヴは自身のInstagramでレースをレビューし、ノリスの完璧な走りを称賛した。

    「サンパウロでは雨は降らなかったが、レース序盤から終盤まで本当にエキサイティングだった。混乱もあったけれど、ここではいつものことだ」とヴィルヌーヴは語った。

    「ランドは本当に他の誰よりも上だった。週末を通してチャンピオンを狙う走りを見せ、取りうるすべてのポイントを獲得した。ミスは一切なかった。本当に見事だった」

    キミ・アントネッリとマックス・フェルスタッペンへの評価
    メルセデスのルーキー、キミ・アントネッリも今季最高の週末を過ごした。両レースで2番手グリッドを確保し、それを2位フィニッシュにつなげた。F1デビューシーズンで初めて、チームメイトのジョージ・ラッセルを明確に上回った週末となった。

    「アントネッリも本当に印象的だった。プレッシャーの中でも崩れず、チームメイトの前で堂々と戦っていた」とヴィルヌーヴは述べた。

    「そしてフェルスタッペン。ピットスタートからの追い上げ、序盤のパンクを乗り越えての表彰台、しかも2位目前まで迫った。チャンピオンシップの望みをつなぎ、とても印象的だった」

    ノリスのタイトルが“掌中に”
    サンパウロGPの勝利によって、ノリスは今後の残り3戦で「すべて2位以内」でチャンピオンを決められる有利な立場に立った。ヴィルヌーヴが指摘するように、ノリスは今季これまでのどの週末よりも成熟した走りを見せ、ついにチャンピオンへの最終局面を自らの手で引き寄せた。

  • 角田裕毅「ピークは過ぎた」 ヴィルヌーヴがレッドブルF1残留に疑問符

    角田裕毅「ピークは過ぎた」 ヴィルヌーヴがレッドブルF1残留に疑問符

    アイザック・ハジャーがF1オランダGPで初表彰台を獲得したことで、レッドブル・グループ内における角田裕毅の将来を巡る議論が再燃している。

    ザントフォールトでフランス人ルーキーが完璧なレースを披露した一方で、日本人ドライバーへの圧力は強まっている。Skyの専門家ラウンドに出演した元F1世界王者ジャック・ヴィルヌーヴは角田裕毅を厳しく批判し、パドック内で囁かれてきた見方を公然と口にした。

    「彼の価値はとっくに分かっている」とヴィルヌーヴはレッドブルに向けて語った。「彼は5年間ジュニアプログラムとトップチームにいた。彼が十分ではないことは分かっている。ピークに達してしまったんだ。ここまで来られたのはホンダの後ろ盾があったからにすぎない」

    ヴィルヌーヴは、角田裕毅を長年システム内に留めてきた支援方針そのものに疑問を投げかける。初シーズンから力強い結果を出しているアイザック・ハジャーとは対照的に、角田裕毅には将来的な成長の余地がないと断じた。

    「彼はチームを前に進めるドライバーにはならないし、マックス・フェルスタッペンに挑めるドライバーでもない。だからどうする? 数ポイントを稼ぐのがやっとだと分かっている者を残すのか、それとも新しい者に賭けるのか?」

    コリンズは学習曲線を強調
    元アストンマーティン戦略責任者のバーニー・コリンズは、より慎重な視点を示した。角田裕毅はレースごとに学習し成長していることを証明しなければならないと指摘する。

    「チームはすべてを細かく見ている。予選の1周ごと、スタート直後の1周ごと、すべての動き。小さな差が今年はグリッドに大きな違いを生む。角田は進歩していることを示す必要がある。進歩がなければ、長期的に残るのは極めて難しい」とコリンズ。

    彼女は、結果そのものではなく全体的な傾向が重要だと強調した。「どこでタイムを失っているかを理解し、それを改善していると分かれば希望はある。でも何も変わらなければ、それが雄弁に物語る」

    厳しい数字:ペレスより遅い角田裕毅
    数字は日本人ドライバーに厳しい。2025年の予選ペース平均でマックス・フェルスタッペンから0.79秒遅れ、決勝ペースでは1周あたり1.1秒遅れている。比較すると、2024年にチームの弱点と批判されていたセルジオ・ペレスですら予選で0.66秒、決勝で0.56秒の遅れにとどまっていた。

    つまり、ペレスのワースト期よりも角田裕毅は差をつけられている。ただし、開幕2戦しかチャンスを得られなかったリアム・ローソン(両カテゴリでフェルスタッペンに1.4秒以上遅れ)よりは近い。

    マルコ「アイザックは完璧に走った」
    角田裕毅が将来を懸けて戦う一方で、アイザック・ハジャーは新人シーズンで早くも初表彰台を獲得した。レッドブルのモータースポーツ顧問ヘルムート・マルコは称賛を惜しまない。

    「彼は本当に必死に戦わなければならなかった。ラッセルが何度も仕掛け、ルクレールもそうだ。だが彼は冷静に対処し、ミスをしなかった。完璧だった」とマルコ。

    さらに20歳の精神的強さにも言及した。「金曜はエンジントラブルでほぼ2回のプラクティスを失った。でも彼は『大丈夫、トップ5で予選を終える』と言った。自分に速さがあると分かっていた。そして結果を出した」

    マルコは、昇格については急がないと強調した。「我々は急いでいない。重要なのは今の角田にとってコンスタントさとスピードだ」。ドライバー起用の決定は数か月先になる見通しで、マルコはメキシコGP前後を目安にするとしている。

    フェルスタッペンとハジャー、チームデュオを冗談交じりに語る
    マックス・フェルスタッペンもハジャーを称えた。「ルーキーとして素晴らしい。表彰台に値するし、週末を通じて素晴らしかった」。ただし、2人がチームメイトになった場合について問われると、冗談で「最悪だね」と返答。ハジャーも笑いながら「僕はマックスの隣に座りたくない。彼のこと好きじゃない」と応じた。

    レッドブルF1チーム代表のローラン・メキースは、冷静にその走りを評価した。「幸運な日や混乱した状況ではなかった。彼はマシンを4番手に並べ、そこからノーミスで走り切った。それは裏にある膨大な努力を示している」

    またメキースも、ドライバー選択に焦るつもりはないと強調する。「我々は全員と契約している。決めるのは我々だ。単発の結果に振り回されることはない。まだ9レース残っているし、時間をかける」

    角田裕毅についてもマルコと同様の見方を示した。「ポジティブな傾向は見えている。スパでは進歩があったし、ブダペストもそう。そして今回もポイントを取った。この流れを続ける必要がある。マックスとの差を縮め、ポイントを重ねる。それが基準だ」

  • アントネッリ F1オランダGPのルクレールとの接触は「F4レベル」と元王者

    アントネッリ F1オランダGPのルクレールとの接触は「F4レベル」と元王者

    1997年のワールドチャンピオンであるジャック・ヴィルヌーヴは、F1オランダGPで苦しい週末を過ごしたメルセデスの新人キミ・アントネッリに対し、極めて厳しい評価を下した。

    アントネッリの週末は、フェラーリのシャルル・ルクレールとの接触で幕を閉じ、10秒のタイムペナルティを受けた。さらにピットレーンでのスピード違反によって5秒加算され、計15秒のペナルティに。これに対してヴィルヌーヴは容赦のないコメントを残した。

    「非常にお粗末だった。経験のないドライバーがF4やF3でやってしまうような動きで、計算されていない動きだった」とヴィルヌーヴは評価した。

    「F1ではミスをするものだ。限界を越えてしまうこともある。でも今回のはそういうレベルですらなく、ただ単に計算が甘かった。やってはいけないことをやったんだ。その上で感情的になって、ピットレーンでも速度違反をした」

    そしてヴィルヌーヴは率直にこう言い放った。「F1は彼には荷が重すぎるのかもしれない」

    19歳のアントネッリに対してその指摘は厳しすぎるのではないかと問われると、ヴィルヌーヴは「彼はF1にいるんだ」と答えた。

    「マックスがF1に来たのは何歳だった?ルイスは?まさにその通り。だから年齢は言い訳にはならない」

    さらにヴィルヌーヴはこう続けた。「コーナーに入る前に2台分後ろにいたんだ。どこの世界で、それがうまくいくと思ったのか。誰もが知っていることだが、あのイン側のラインは機能しない。だから他のドライバーと並んでいる必要がある。マックスがランドの外側で並んで、なんとか成り立ったようにね。アントネッリの動きは単にお粗末で、F1にいる以上もっと良くなければならない」

    この場面でSky F1の同僚ナオミ・シフがアントネッリを擁護した。

    「年齢について少し彼をかばうとすれば、マックスも16歳、17歳、18歳の頃にF1に来たとき、何度も大きなミスをしていた。常に限界を少し超えるような走りをしていた。良いことは、アントネッリも限界を押し広げていること。そこに到達させる必要はない。だから今はただ、彼の計算ミスを減らすようにすればいい」

    これに対してヴィルヌーヴは反論した。「待ってくれ。付け加えたい。マックスは限界を超えていたが、タイムから0.4秒も遅れていたわけではなかった。彼は速さがあった」

    アンドレア・キミ・アントネッリ F1 オランダGP メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    アントネッリはまだルーキーシーズンの折り返しを過ぎたばかりだが、F1の同世代と比べて経験不足であることを考えれば、ヴィルヌーヴの批判は厳しすぎると感じられる部分もある。2022年にはまだF4に参戦していた彼は、F3を飛ばしてF2をわずか1年で駆け抜け、ルイス・ハミルトンの後任としてメルセデスに抜擢された。

    しかし、メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは落ち着いている。

    「今年の彼のシーズンは、我々が予想していた通り『アップダウンの繰り返し』だ」とヴォルフはメディアに語った。

    「昨年モンツァで彼にチャンスを与えると発表したとき、我々は同時に、学習の年になるだろうと説明した。だから髪をかきむしりたくなる瞬間もあれば、素晴らしい瞬間もあるだろうと。それは今シーズンを象徴している」

    「FP1でのミスは週末全体を難しくした。だが決勝では、フリーエアに出たとき、マクラーレン勢の後ろで最速の走りを見せた。そしてルクレールとの事故に関わってしまい、彼のレースを終わらせてしまったが、それでも攻めに行く姿勢は示した」

    「アップダウンは当然だし、それは今季に期待していたことだ。1日1日が来季に向けた学びになる。我々はコンストラクターズタイトルを争っているわけではない。もちろん2位や3位は重要だが、来年に比べれば相対的に意味は小さい。大事なのは来年、確実にポイントを取ることだ」

  • 角田裕毅 レッドブルF1でのパフォーマンスをヴィルヌーヴ酷評「役立たず」

    角田裕毅 レッドブルF1でのパフォーマンスをヴィルヌーヴ酷評「役立たず」

    角田裕毅は数日前、レッドブルでの厳しい状況やマックス・フェルスタッペンとの比較について語った。角田裕毅は「マックスと比べるのはフェアではない」と主張したが、元F1王者のジャック・ヴィルヌーヴは辛辣な意見を示した。

    SoyMotorに引用された発言の中で、ヴィルヌーヴは角田裕毅を「おそらくフェルスタッペンがF1で持った最悪のチームメイト」と断じた。

    「アロンソをフェルスタッペンの隣に置くのもいいだろう」

    レッドブルが今季獲得したコンストラクターズポイント194のうち、角田裕毅が稼いだのはわずか7点。比較で大きく見劣りする状況に、角田裕毅は「同じクルマを与えられるかどうかだ」とコメントしていたが、ヴィルヌーヴはこれを一蹴した。

    「多くの人は『クルマがマックス用に作られているから不公平だ』と言う。だが、マックスだけが本当にチームに良いフィードバックを与えているのかもしれない。だからクルマは彼に合わせて開発される。チームはセカンドドライバーをわざと困らせようとしているわけじゃない」と指摘し、角田裕毅を事実上「役立たず」と評した。

    角田裕毅 レッドブル F1 レッドブル・レーシング

    角田裕毅は比較を避けつつもフェルスタッペンを「現役最強のドライバー」と称えたが、この点にはヴィルヌーヴも同意した。「問題はマックスのような存在がほとんどいないことだ。昔は同じレベルのドライバーが複数いたが、今は多くが“良いドライバー”止まりで“例外的”な存在はいない。だからこそマックスが際立って見える」と述べた。

    その上でヴィルヌーヴは角田裕毅に見切りをつける。「もう4〜5年の経験がある。全力を出し切ったが、それでも十分ではなかった。それがすべてだ。彼はこのチャンスを切望し、手に入れたが結果を残せなかった。エリートチームでのチャンスを与えられ、しかし実力不足が露呈した。本人も今それを痛感し、苛立ちからさらに悪い走りをしてしまっている」と厳しく語った。

    さらにヴィルヌーヴはフェルスタッペンにふさわしい相手を挙げる。「ルクレールをマックスの隣に置けば、彼が本当にどれだけ凄いか分かる。今のアロンソを隣に置くのもいいだろう。あるいはノリスと比べれば、彼が“例外的”なのか“ただの良いドライバー”なのかが見えてくる。そうして初めて本当の基準が測れるんだ。マックスは例外的だが、これまでのチームメイトは十分なレベルではなかった。それを『かわいそうだ』と片付けるのは間違いで、単純に“良い”程度の実力しかなかったということだ」と締めくくった。

  • キャデラックF1参入 ジャック・ヴィルヌーヴが重大な疑問を呈す

    キャデラックF1参入 ジャック・ヴィルヌーヴが重大な疑問を呈す

    キャデラックの2026年F1参入は長らく待たれており、10年ぶりにF1が11チーム体制へ戻ることになる。FIAの選定プロセスを勝ち残った唯一のチームであり、最終的な承認を得るまでに大きなハードルを乗り越える必要があった。

    ゼネラルモーターズの支援を受けるこのプロジェクトは大規模な変更と全面的な再構築を経て承認されたが、デビューに向けて残された課題も多く、ドライバーラインナップの決定もその一つだ。

    1997年のF1ワールドチャンピオン、ジャック・ヴィルヌーヴは自身がかつてアメリカ資本のBAR創設に関わった経験を持ち、この新チームの行方を注視している。彼はRacingNews365のインタビューでこう語った。

    「そこで何が起きているのか誰もわからない。1年前と同じチームじゃない。プロジェクト全体が変わってしまった。強引な形で参入したのも良い方法じゃなかったが、とにかく彼らは入った。それはいいとして、問題はこれからだ。彼らは何をするのか?どんなドライバーを選ぶのか?誰を配置するのか?」

    ヴィルヌーヴは新チームの成功例として、アウディのワークスチーム化を控えるザウバー(ステーク)の現状を引き合いに出した。

    「アウディが入ってくるサウバーを見ればわかるだろう。ジョナサン・ウィートリーが加わって、同じマシンでも結果が出始めている。エネルギーや働き方が変わったんだ。だから大きな成果を期待できる」

    一方でキャデラックの成否は、少なくとも最初の3シーズン使用するフェラーリ製パワーユニットの出来にも左右されると指摘する。

    「キャデラックについてはまだわからない。彼らは経験豊富なドライバーが欲しいと言っているが、本当に良い経験豊富なドライバーを必要としている。我々にはどのエンジンが良いのかもわからない。それは大きな問題だ。まあ、そのうちわかるさ」

    現時点でキャデラックは少なくとも1人のドライバーを決定しているはずだったが、依然として未発表のままだ。経験豊富な2人で固めるのか、若手とのバランスを取るのかは不透明で、候補としてはセルジオ・ペレスやバルテリ・ボッタスの名前が挙がっている。若手を起用しない場合、この2人の可能性が高まると見られている。

    ヴィルヌーヴはキャデラックが「ピュアレーサー」と呼ぶタイプのドライバーを起用するには、相応の資金を投じる必要があると強調した。

    「それは彼らがどれだけ資金を投じるかにかかっている。そういうドライバーを手に入れるには、新チームとして大きな小切手を切らなきゃならない。でも今のF1の価値を考えれば、その大きな小切手も昔に比べれば取るに足らない額だ」

  • ジャック・ビルヌーブ 「2026年F1新PUでメルセデスが独走することはない」

    ジャック・ビルヌーブ 「2026年F1新PUでメルセデスが独走することはない」

    1997年F1ワールドチャンピオンのジャック・ビルヌーブは、2026年から導入される新しいF1パワーユニット(PU)でメルセデスが再び圧倒的な優位を築くという見方を否定した。

    2026年シーズンに向けて、F1のレギュレーションはシャシー面とエンジン面の両方で大幅な改定が行われる。2026年型F1マシンはこれまでよりも小型で30kg軽くなり、DRSは廃止され、代わりにアクティブ・エアロダイナミクスが採用される。

    これらのマシンは、持続可能なバイオ燃料を使用する内燃エンジンと電動パワーを50対50で分担する再設計されたエンジンで駆動される。

    現行のエンジンはここ数年開発凍結の対象となっていたが、それが終了することで、特に注目が集まっているのは、最後にエンジン規定が変更されたときに生み出したものを考えるとメルセデスだ。

    2014年にターボハイブリッド時代が始まったとき、メルセデスはコンストラクターズ選手権を8年連続で制覇する快進撃を開始した。噂では、メルセデスは2026年でも再び最速エンジンを作り上げるかもしれないと言われている。

    今年4月には、1社だけが順調で、それがメルセデスだと信じられており、他のメーカーはF1 2026年型エンジンの開発で深刻な問題に直面していると報じられた。

    しかし、ビルヌーブは証拠はないと指摘する。今回は全メーカーが関連技術を十分に理解しており、メルセデスは以前のような優位性を享受できないと考えている。

    「2014年、メルセデスはライバルより5年のアドバンテージを持っていて、他チームが自分たちのパワーユニットを改善し始める頃には、より強力なエンジンをすでにガレージに用意していた」とビルヌーブはあるベッティングプラットフォームに語った。

    「そのときのことがあったから、多くの人は2026年にも同じことが起きると予想している。しかし、今回は他のメーカーが不意を突かれることはないと思う」

    「全員がこれらのパワーユニットの動作を十分に理解した状態からスタートするのだから、なぜメルセデスだけが再び大きな飛躍を遂げられるというのか? 技術は同じで、適用の仕方が違うだけだ」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    メルセデスのエンジン優位についての噂はあくまで噂にすぎない。各設計部門で舞台裏で何が起きているかを本当に知っている人はいない」

    ビルヌーブの、メルセデスが2026年の標準になるという事実はないという立場は、レッドブルの上級顧問であるヘルムート・マルコも支持している。

    レッドブルは初めてエンジンメーカーになるという賭けに出ており、フォードと提携してF1 2026年用エンジンを開発している。

    メルセデス、レッドブルに加えて、フェラーリ、アウディ、ホンダも新規則用のエンジンを開発中だ。

    「メルセデスは自らを有力候補と宣言しているが、それを証明するものは何もない」とマルコは『Kleine Zeitung』に語った。

    「内燃エンジンの開発だけでも驚くべきものだ。そのエンジンは私の芝刈り機のものより小さい!

    新しいマシンでは重要な要素が3つか4つある。内燃エンジンは我々も到達しているし、耐久性の問題がなければゲームチェンジャーにはならない。決定的なのはバッテリーで、我々は従来型の解決策から始めている。そして燃料も非常に重要な要素だ。開発はパートナーのエクソンと非常にうまく進んでいる」

    ルノーも当初はエンジン競争に参戦する予定だったが、プロジェクトを中止した。その結果、ワークスチームのアルピーヌはメルセデス製エンジンのカスタマー契約を結んだ。

  • ジャック・ヴィルヌーヴ 「フェルスタッペンがレッドブルをF1王者にした」

    ジャック・ヴィルヌーヴ 「フェルスタッペンがレッドブルをF1王者にした」

    ジャック・ヴィルヌーヴは、マックス・フェルスタッペンを自身とレッドブルの成功を生み出した“キングメーカー”と称し、「彼がそのチームをチャンピオンにした」と語った。

    1997年F1ワールドチャンピオンであるカナダ人のヴィルヌーヴは、27歳のフェルスタッペンをミルトンキーンズ拠点のチームが近年支配力を発揮した“鍵”と位置づけ、RacingNews365の独占インタビューでそう強調した。

    レッドブルはすでにその座から転落しているが、2022年と2023年にコンストラクターズ選手権を連覇。フェルスタッペンも2021年から2024年にかけて4度のドライバーズタイトルを獲得している。2023年には史上最多の21勝(うち19勝がフェルスタッペン)を挙げ、1988年のマクラーレンMP4/4が持っていた数々の記録を塗り替えた。

    その年、フェルスタッペンとレッドブルはドライバーズ選手権で575ポイント、コンストラクターズ選手権で860ポイントという史上最多得点を記録。特にフェルスタッペンは個人ポイントだけで、セルジオ・ペレスとルイス・ハミルトン(当時2位と3位)の合計を上回っており、1人でもコンストラクターズタイトルを獲れた計算になる。

    それでもヴィルヌーヴは、圧倒的な強さを誇ったRB19ではなく、フェルスタッペンこそが決定的な存在だったと断言する。

    「彼はチームを引っ張った。彼がそのチームをチャンピオンにした」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング F1 ジャック・ヴィルヌーヴ

    F1は近年、ドライバーの影響力が小さい時代に入ったと考える人もいるが、この見方をヴィルヌーヴは一蹴した。

    「ドライバーはとても重要だ。フェルスタッペンを見ればわかる」

    また、フェルスタッペンとともに成功を築いた重要人物として、チーフテクニカルオフィサーを務めたエイドリアン・ニューウェイの存在も指摘。

    「彼とエイドリアン・ニューウェイの2人が鍵だったが、その中でも彼(フェルスタッペン)が最も重要な要素だった」

    レッドブルの衰退は2024年シーズン初頭から始まり、チーム代表クリスチャン・ホーナーを巡る騒動が発端となった。ホーナーは解任され、2025年イギリスGP後にはローラン・メキースが後任に就任している。

    ヴィルヌーヴはホーナーについても「チームをどう運営するか、そのやり方は素晴らしかった。グループ全体が理解していた」と称賛しつつ、「その後、少しおかしくなってしまったが、彼(フェルスタッペン)は極めて重要で、まさにキーエレメントだった」と強調した。