2026年SUPER GT第6戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝が9月20日(日)、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、GT500クラスはNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)が優勝した。
塚越とチームにとっては2022年第7戦オートポリス以来、約4年ぶりの勝利となり、野村はGT500初優勝を飾った。
GT300クラスでは、ポールポジションからスタートしたNo.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)が勝利。タイヤ無交換作戦を採ったNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rを終盤に逆転し、ポール・トゥ・ウインでSUGO戦2連覇を達成した。
Astemo HRC PRELUDE-GTが戦略で逆転
台風25号の接近が遅れた影響で決勝前には雨が上がり、路面には一部に湿り気が残っていたものの、GT500の全車がスリックタイヤを選択。3.586kmのスポーツランドSUGOを84周する約300kmのレースがスタートした。
序盤に主導権を握ったのは、ポールポジションのNo.64 Modulo HRC PRELUDE-GT(大草りき/イゴール・オオムラ・フラガ)だった。大草が快調なペースでトップを走り、予選2番手からスタートしたNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GTの野村を徐々に引き離していった。
17号車はNo.19 WedsSport BANDOH GR Supra(国本雄資/阪口晴南)にも先行され、一時は3番手まで後退。しかし、32周目に早めのピットストップを選択したことがレースの流れを大きく変えた。
翌33周目に64号車がピットインし、19号車も37周目にピット作業を行ったが、17号車はアンダーカットに成功。塚越が実質的なトップに浮上した。
一方、序盤をリードした64号車は後半にペースを上げることができず後退。19号車も順位を落とし、予選4番手からスタートしたNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)が2番手へ浮上した。
しかし66周目、No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)が100号車を攻略して2番手へ。トップを走る17号車を追った。
それでも塚越は終盤まで安定したペースを維持。39号車に4.729秒のリードを築いて84周を走り切り、Astemo HRC PRELUDE-GTに今季初勝利をもたらした。正式結果では39号車が2位、100号車が3位となった。
塚越と17号車にとっては2022年第7戦オートポリス以来となる約4年ぶりの優勝。今季GT500へステップアップした野村にとっては、GT500参戦初勝利となった。
また、Honda HRC PRELUDE-GTは第4戦富士から3戦連続で勝利。今季からGT500に投入されたPRELUDE-GTがシーズン後半に入って勢いを加速させる結果となった。
ポイントリーダーのNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)は予選11番手から追い上げて4位。No.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が5位、19号車が6位に続いた。
塚越広大「まだ言葉が出ません。ただ本当に嬉しいです」
約4年ぶりの勝利を手にした塚越は、レース直後の喜びを語った。
「終わったばかりで気持ちが落ち着いてなくて、まだ4年ぶりの勝利への言葉が出ません。ただ本当に嬉しいです。17号車のPRELUDE-GTとしていろいろ積み上げてきて、それを結果に残すことができて、スポンサーさんやチームに感謝です…」
GT500初優勝となった野村も、前半スティントで64号車を追ったレースを振り返った。
「ありがとうございます。できれば前半、自分の担当でトップの64号車を抜きたかったのですが、64号車も速くて。それにタイヤマネージメントもしなくてはならなくて、それでも前半の終盤はきつくなってしまいました。セーフティカーも入りましたが、なんとか良い形で後半の塚越選手につなぐことができました」
GT300はSyntium LMcorsa LC500 GTがポール・トゥ・ウイン
GT300では、ポールポジションからスタートしたNo.60 Syntium LMcorsa LC500 GTの吉本が序盤からトップをキープ。No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)らを従えてレースをリードした。
ピットストップを迎えると状況が変化する。No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)がタイヤ無交換作戦を採り、60号車の前へ浮上。後半は河野が56号車を追いかける展開となった。
タイヤ交換によるロスを省いた56号車だったが、終盤になるにつれてペースが低下。河野はその差を詰めるとオーバーテイクを決め、再びトップを奪還した。
その後は60号車がリードを守って80周を走破。2位の56号車に6.104秒差をつけ、昨年に続くSUGO戦2連覇をポール・トゥ・ウインで達成した。3位にはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTが入り、今季初表彰台を獲得した。
さらに河野は1分18秒207を記録してGT300のファステストラップも獲得。予選ポール、決勝優勝、ファステストラップと、60号車にとって充実したSUGOラウンドとなった。
吉本大樹「本当に完璧なレースができました」
吉本はポール・トゥ・ウインを喜びながら、56号車のタイヤ無交換作戦には驚かされたと明かした。
「本当に完璧なレースができました。でも、56号車がタイヤ無交換作戦とは思ってなかったので、ピットアウト後に先行されて厳しいなとヒヤリとしました。でもポール・トゥ・ウイン、それと河野選手の後半のペースが良くて、ファステストラップも獲れましたので、完璧なレースウィークで終えることができました。本当にありがとうございました」
河野もSUGOでの2年連続優勝に喜びを示した。
「2年連続でSUGOを勝利で終えられて、嬉しいです。去年も今年も1つ前の鈴鹿で悔しい思いをして、鈴鹿と共に得意とするSUGOは勝たなければと思って、ここに来たので。決勝は他チームもそうですが僕らもタイヤが厳しくて、それをセーブしながら、それでも56号車にタイヤ無交換で前に出られました。でも僕の方のペースが良くてプッシュし続けて勝てました。とても良いレースができたと思います。ピットも良い仕事をしてくれました。本当に良い週末になりました。ありがとうございました」

2026年SUPER GT 第6戦SUGO 決勝結果
GT500 決勝結果
1位 No.17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)
2位 No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)
3位 No.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)
4位 No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)
5位 No.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)
6位 No.19 WedsSport BANDOH GR Supra(国本雄資/阪口晴南)
7位 No.24 リアライズコーポレーション Z(名取鉄平/三宅淳詞)
8位 No.23 MOTUL Niterra Z(高星明誠/佐々木大樹)
9位 No.8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)
10位 No.38 KeePer CERUMO GR Supra(大湯都史樹/小林利徠斗)
11位 No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺/大嶋和也)
12位 No.64 Modulo HRC PRELUDE-GT(大草りき/イゴール・オオムラ・フラガ)
13位 No.12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)
リタイア No.16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)
GT300 決勝結果
1位 No.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)
2位 No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)
3位 No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
4位 No.666 seven x seven PORSCHE GT3R EVO(スヴェン・ミューラー/渡会太一)
5位 No.18 UPGARAGE AMG GT3(小林崇志/新原光太郎)
6位 No.11 GAINER TANAX Z(富田竜一郎/大木一輝)
7位 No.87 OPEN HOUSE Lamborghini GT3(元嶋佑弥/松浦孝亮)
8位 No.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/ダニール・クビアト)
9位 No.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ニクラス・クルッテン)
10位 No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)
11位 No.45 PONOS FERRARI 296 EVO(篠原拓朗/川端伸太朗)
12位 No.9 PACIFIC ウマ娘 NAC BMW(冨林勇佑/藤原優汰)
13位 No.7 CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO(ザック・オサリバン/梅垣清)
14位 No.25 HOPPY Schatz GR Supra GT(松井孝允/洞地遼大)
15位 No.31 apr LC500h GT(小高一斗/小山美姫)
16位 No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)
17位 No.2 HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威/卜部和久)
18位 No.360 RUNUP × SOL GT-R(荒川麟/金丸ユウ)
19位 No.62 HELM MOTORSPORTS GT-R(平木湧也/平木玲次)
20位 No.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)
21位 No.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)
22位 No.26 ANEST IWATA GAINER Z(安田裕信/リ・ジョンウ)
23位 No.48 健康ケーズフロンティアWMニルズGT-R(藤原大暉/ジェームス・プル)
24位 No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)
25位 No.20 シェイドレーシング RC F GT3(平中克幸/清水英志郎)
26位 No.5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/佐藤公哉)
リタイア No.30 apr GR86 GT(永井宏明/平良響)
リタイア No.32 ENEOS X PRIME AMG GT3(石浦宏明/鈴木斗輝哉)
リタイア No.22 アールキューズ AMG GT3(加納政樹/和田久)
第6戦SUGOは、GT500でPRELUDE-GTが3連勝を達成し、GT300ではSyntium LMcorsa LC500 GTがSUGO連覇を果たして幕を閉じた。決勝日の観客動員は1万9000人で、予選日の1万1100人と合わせて2日間で3万100人が来場した。










