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  • WEC:トヨタ 2023年シーズン 第6戦 富士6時間 プレビュー

    WEC:トヨタ 2023年シーズン 第6戦 富士6時間 プレビュー

    トヨタはこの週末、静岡県の富士スピードウェイで行われるFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦富士6時間レースで6連覇を目指し臨む。

    TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は2012年に現行の世界耐久選手権に復帰して以来、9回行われた富士戦で、直近の5連勝を含む8勝を挙げており、TGRにとってのホームコースである富士は、チームにとって最も好成績を残しているサーキットでもある。

    東京の西方約100kmに位置し、長い歴史を持つ富士スピードウェイは、TGRとGR010 HYBRIDにとってのホームコース。GR010 HYBRIDのハイブリッド・パワートレーンは、富士スピードウェイ近郊に位置するトヨタ自動車の東富士研究所で設計、開発、及び、組立が行われている。

    全7戦で競われているWEC2023年シーズン、TGRは今季5勝目を目指し、この「ホーム」富士で勝利することでTGRは5シーズン連続でのマニュファクチャラー世界チャンピオンを決められる可能性がある。TGRは目下ハイパーカークラスのライバルであるフェラーリに対し、26ポイント差でリードしており、富士戦後でさらに13ポイント差をつけることができれば、最終戦を待たずしてタイトルが決まる。

    ドライバーズチャンピオン争いは、数字の上では上位6台が残り2戦でタイトル獲得の可能性を残しているが、事実上、TGRの7号車と8号車にフェラーリの2台を加えた4台のドライバーによる争いとなっている。その差は僅差のため、ドライバーズチャンピオンは11月4日(土)に決勝を迎える最終戦バーレーンまで決まることはないが、今大会富士での結果は、もちろんタイトル争いにおいて非常に重要なポイントとなる。

    前戦モンツァ6時間で勝利を飾った小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、この勝利でランキング2位へと浮上し、タイトル争いに戻ってきた。ランキング首位につけるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車に対し、7号車は23ポイント差で追う形となっている。

    今大会には、TGR2台のGR010 HYBRIDに加え、キャデラック、フェラーリ、プジョー、そしてポルシェといった総勢12台のハイパーカーがエントリー。現行WECにおける富士6時間では最多となる、プロトタイプレーシングカーによる攻防戦が、熱狂的な日本のモータースポーツファンの皆様の前で繰り広げられることとなる。

    今季WECが開催されるサーキットの中で最も1周が短いにも関わらず、ストレートは1.5kmの長さを持つ富士スピードウェイでの、大迫力のハイパーカーによる走行は、8日(金)の2回の90分間の練習走行でその姿が日本のファンの皆様の前で披露されることになる。9日(土)の午前中に1時間の最後の練習走行を経て、スターティンググリッドを決定する予選を実施。6時間で争われる決勝レースは、10日(日)午前11時にスタートが切られる。

    トヨタ 富士6時間 WEC(FIA 世界耐久選手権)チャンピオン獲得へ向け、ホーム「富士」での6連覇を目指す

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    チームの誰もがホームでのレースと、いつも支えてくれている日本のファンの皆様、トヨタの仲間やパートナーの皆様の前でレースを戦うことを楽しみにしています。ル・マンを終えた今、我々にとって次に重要なのは、これまでも強さを見せてきた富士で勝つことです。ハイパーカーの争いは激しさを増していますが、それを勝ち抜き、富士での勝利記録を伸ばすことが目標です。ファンの皆様が期待している、多くのマニュファクチャラーによる素晴らしいバトルが繰り広げられるはずです。我々は前戦、フェラーリの地元であるモンツァで勝つことができたので、当然彼らは我々のホームでのリベンジを狙ってくるでしょう。全てを正しく進め、ミスすることなく、上位で争えるよう努力を続けます。今季も残り2戦となり、チャンピオン争いにおいても重要なレースなので、全力を尽くします。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
    ホームレースは常に特別で、シーズンの真のハイライトでもあります。我々はライバルと違い、富士で多くの経験を積んできているので、走行初日の金曜日から優位に進められるはずです。富士において過去には天候が重要なファクターとなったこともありましたが、(昨年に引き続き)例年よりやや早い季節の開催となるので、週末を通してドライコンディションで戦えることを望んでいます。モンツァでの勝利によって、我々の7号車もチャンピオン争いに復帰することができたので、この勢いで富士も戦いたいと思います。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    日本でのレースは最高です。日本のファンの皆様の熱狂ぶりは誰もが知っており、全てのドライバーにとって信じられないような経験になりますが、特に我々TOYOTA GAZOO Racingのドライバーには格別です。ここ数年、チームは富士で素晴らしい結果を残してきていますし、もちろんホームレースでの勝利はとても重要なので、この週末は全てを尽くして戦います。GR010 HYBRIDは富士との相性が良いはずですが、ハイパーカークラスのパフォーマンスは非常に接近しているので、エキサイティングなバトルになるでしょう。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    富士6時間は毎年楽しみにしているレースですし、個人的にもとても楽しんでいます。富士では4勝しており、多くの素晴らしい思い出があります。日本のファンの皆様や、我々のプロジェクトを遠くから支援してくれているパワートレーン開発エンジニアやトヨタの関係者に会える特別な場所でもあります。多くの皆様にGR010 HYBRIDが活躍しているのを見ていただける唯一の機会なので、チーム全員、良いパフォーマンスを見せるべく張り切っています。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    我々のホームレースである富士スピードウェイに、両チャンピオン争いでリードして向かえられるというのは素晴らしいことですし、この週末は好結果を得てタイトル争いをさらに確実なものにすることが目標です。モンツァではハイパーカーバトルがいかに接近したものであるか、そして、わずかなミスが大きく結果に響くということもわかっていただけたと思いますし、それだけに我々は最高の状態で臨む必要があります。特にフェラーリは今シーズンを通して非常に速いので、間違いなく富士でも素晴らしいバトルになると思いますが、それも望むところですし、立ち向かう準備はできています。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    富士スピードウェイはチームにとってのホームレースであると共に、私自身にとっても母国レースであり、勝利への想いには特別なものがあります。私個人としては、富士では今年3度目のレースになりますが、スーパーフォーミュラで戦ったこれまでの2戦は表彰台の中央に立つことができなかったので、3度目の正直になることを願っています。昨年は好きなサーキットの一つでもある富士で、母国ファンの皆さんの前で勝つことができて、最高の気分でしたし、今年もまた同じ気分を味わいたいと思っています。GR010 HYBRIDを日本のファンの皆様に見ていただけるのは素晴らしいことですし、この週末もたくさんの応援を楽しみにしています。忘れられないレースをお見せしたいと思います。

  • ランボルギーニ、2024年にWEC/IMSA参戦のLMDh車両『SC63』を発表

    ランボルギーニ、2024年にWEC/IMSA参戦のLMDh車両『SC63』を発表

    ランボルギーニは、2024年に耐久レースに参戦するLMDh車両『SC63』を発表した。

    アウトモビリ・ランボルギーニのモータースポーツ部門にとって、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは、ランボルギーニ・スクアドラ・コルセ初のハイブリッド耐久レースプロトタイプであるSC63の発表のスリリングな舞台となった。

    SC63によって、ランボルギーニは、モータースポーツプログラムにこの革新的な挑戦を適用し、ブランドが自ら設定した電動化とハイブリダイゼーションという新たな方向に進み続けている。レース専用に開発された新型の3.8リッターV8ツインターボエンジン、ランボルギーニ・チェントロ・スティレがレースデザインチームと密接に協力してデザインしたボディワーク、その他革新的なデザインとテクノロジーを特徴とするSC63は、世界に誇れる宝石のようなモデルだ。

    ランボルギーニ会長兼CEOのステファン・ヴィンケルマンは「SC63は、ランボルギーニがこれまでに生産した中で最も先進的なレーシングカーだ」と語った。

    「ハイブリッドのプロトタイプで世界最大級の耐久レースに参戦する機会は、高性能モビリティの未来に対する我々のビジョンに合致している。SC63 LMDhは、我々のスクアドラ・コルセにとって、最高峰へのステップであり、モータースポーツの未来へのステップだ」

    ランボルギーニのチーフ・テクニカル・オフィサーであるルーヴェン・モアは「モータースポーツは、我々にとって、テクノロジーを証明する貴重で厳しい場だ。SC63は、技術的にも人間的にもエキサイティングな挑戦だ。内燃エンジン、空力効率に優れたボディワーク、そして全体的なテクニカルパッケージの開発は、我々自身の基準を常に引き上げるよう促してきたプロセスだ」

    SC63に待ち受ける未来は、実に挑戦的でエキサイティングなものだ。この車両は、ル・マン24時間レースを含む2024年FIA世界耐久選手権のハイパーカー・クラスと、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権耐久カップのGTPクラスに参戦する予定だ。イタリアのレーシングチーム、アイアンリンクスは、ランボルギーニが国際競争においてこのクルマを率いるために選んだパートナーだ。

    ランボルギーニのモータースポーツ部門責任者のジョルジオ・サンナは「今年はブランド誕生60周年であるだけでなく、ランボルギーニのモータースポーツ部門であるスクアドラ・コルセも設立10周年を迎える」と語った。

    「この10年間、私たちは素晴らしい結果を残してきた。ゼロからスタートした我々は、市販車ベースのレーシングカーで、GTカテゴリーで最も権威ある耐久レースのいくつかを制してきた。その中には、デイトナ24時間レースでのクラス優勝3回、セブリング12時間レースでの2連勝も含まれている。そして今、モータースポーツの未来に向けた最大の一歩を踏み出す準備が整った。世界最高のメーカーと自分たちを比較する準備は整っている」

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  • WEC:トヨタ7号車が接戦を制しポール・トゥ・ウィンで今季3勝目

    WEC:トヨタ7号車が接戦を制しポール・トゥ・ウィンで今季3勝目

    7月9日(日)イタリアのモンツァ・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦モンツァ6時間の決勝が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 7号車がライバルの本拠地での接戦を制し、今季3勝目を挙げた。8号車は6位でフィニッシュし、ドライバーズランキング首位の座を守った。

    6万5千人の熱狂的な観衆が見守る中、ポールポジションからスタートした小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、ハイパーカー同士の激しいバトルを制し、地元フェラーリの追撃を16秒520差で凌ぎきっての勝利を飾った。

    ドライバーズランキングをリードしているセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、3番手スタートも序盤にペナルティを受け大きくポジションダウン。その後、猛烈な追い上げを見せ4位でチェッカーを受けたが、レース後にペナルティを科され最終結果は6位に。しかし、貴重なポイントを獲得しランキング首位の座を守り、2位との差を23ポイントに広げた。

    TGRにとっては、前戦ル・マン24時間での雪辱を果たす今季4勝目。マニュファクチャラーズランキングでも2位フェラーリとの差を26ポイントへと広げることとなった。また、7号車はこの勝利でドライバーズランキング2位タイへと浮上。再びチャンピオン争いに加わることとなった。

    猛暑の中で午後12時半より開始された6時間の決勝レースは、気温と同じくらい熱い展開が1周目から待ち受けていた。ポールポジションの7号車はコンウェイのドライブでトップをキープしたが、その後方では、3番手からスタートしたブエミのドライブする8号車が、狭い第1シケインへの進入でフェラーリ51号車と接触し、8位へと順位を落としてしまった。

    15分後、7号車のコンウェイはフェラーリ50号車とプジョー93号車を従え首位を走行していたが、8号車はGTクラス車両と接触し、セーフティカーが導入されることとなった。8号車にこの2度の接触による車両ダメージはなかったが、レーススチュワードより、最初の接触で10秒、さらに2度目の接触で60秒のピットストップペナルティが科された。

    セーフティカーの導入により、首位の7号車の後方には僅差でライバル勢が連なる形となり、再スタートが切られると、7号車のコンウェイは3位に順位を落とすこととなった。一方、ペナルティを消化した8号車は総合34位まで大きく順位を落とし、コースに復帰してまもなく周回遅れとなってしまった。

    3位に後退するも、離されることなく前を行くライバルへのプレッシャーをかけ続ける7号車のコンウェイは、1時間を経過したところで最初のピットへ向かったが、隣のガレージも同時にピットインしていたため、貴重なタイムをロス。一方で8号車のブエミは1回目のピット時にペナルティを消化し、追い上げを開始した。

    ハードタイヤを装着し3位を走行するコンウェイは、その時点での最速タイムで追い上げを見せて首位の座を奪還し、ロペスへと交代した。ロペスも首位争いを続け、3時間過ぎにポルシェ5号車をかわして首位に浮上。その直後、LMP2車両のアクシデントによりこの日2度目のセーフティカーが導入された。

    ピット戦略の異なるライバル勢がセーフティカー導入前にピットインを終えていたこともあり、首位に立ったロペスの7号車は、2度ファステストラップを更新する速さを見せ、2位のフェラーリ50号車との差を広げていった。8号車も平川へとドライバー交代し、猛烈な追い上げで7位へと順位を上げた。

    的確な戦略と平川の好ペースで8号車は周回遅れから脱し、ハートレーへとドライバー交代。ハートレーはトップ6フィニッシュへ向け更なる追い上げを開始した。一方、首位争いはロペスの健闘により2台のフェラーリに対し大きな差を広げて、4時間過ぎ、小林へと最後のドライバー交代を行った。

    しかし、再度導入されたセーフティカーにより、45秒あった2位との差は帳消しとなり、最後の1時間半、小林はフェラーリ50号車からの僅差での追撃を受けることとなった。さらに8号車の不運は続き、このセーフティカー導入のタイミングで緊急給油ピットインを余儀なくされ、レース再開時には8位へと順位を落としてしまった。

    一時は後続とのマージンを失った首位の7号車小林だったが、好調なGR010 HYBRIDと共に着実にリードを広げていき、残り45分で最後のピットイン時点で2位との差は10秒に。ピットクルーの迅速な作業でタイヤを新品に交換し、小林は最後のスティントへと向かった。

    新しいタイヤへと交換した7号車の小林は、ファステストラップを更新する素晴らしい走りで後続を突き放し、2位のフェラーリ50号車に16秒520の差を付けてトップチェッカー。8号車も最後まで諦めることなくプッシュを続け、ハートレーが残り15分でタイトルを争うフェラーリ51号車とポルシェ5号車を見事オーバーテイク。4位でチェッカーを受けた。しかし、レース後に8号車は、あるラップで意図せず短時間パワートレーンの出力制限を超えていたとしてレース結果に50秒加算のペナルティを科され、最終結果は6位となった。

    今大会で2023年シーズンWECのヨーロッパラウンドは終了。次戦は9月10日(日)、ハイパーカーによる激戦の舞台はTGRのホームレースである富士へと移り、そして、11月の最終戦バーレーンへと向かうこととなる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
    今日のこの結果は本当に嬉しいです。非常に強力なライバルと大接戦だったので、ハードにプッシュし攻め続けなくてはなりませんでした。鍵となったのはレース全体をミス無く戦ったことと、タイヤマネージメントでした。私の最後の長いスティントは緊張しましたし、本当に大変でした。しかし、フェラーリとのバトルは素晴らしかったですし、今日の勝利でル・マンでの雪辱を少しは果たせたかと思います。チーム、そして、ル・マンの後も本当に多大な支援を続けてくれているパートナーの皆様、及びサポートいただいている皆様に感謝いたします。8号車も追い上げてポイントを獲得し、チームにとって良い結果でした。彼らは絶対に諦めないという大事な気持ちを示してくれました。シーズンも残り2戦となりましたが、両チャンピオン防衛へ向け全力で臨みます。残り2戦も厳しい戦いになることは間違いありません。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
    フェラーリのホームで彼らに打ち勝つことができて良かったですし、チームのみんなには本当に感謝しています。ピットストップは着実かつ迅速で、タイミングも全て的確でした。特に最後のピットは素晴らしく、おかげで首位を守ってコースに復帰できました。今回の勝利は嬉しいですし、ポイント面でチームにも貢献できました。本当に大変なレースでした。このレースはタイヤのマネージメントが全てだとわかっていましたし、選択肢は幾つかありました。我々の作戦は上手くいき、一時は順位を落としたものの、選択したハードタイヤで、路面温度の上昇やセーフティカーなどもある中、順位を取り戻すことができました。そして、ホセが後続とのギャップを築き、可夢偉が最後に素晴らしいスティントで勝利をもたらしてくれました。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
    厳しい結果となったル・マンの後、ここで勝てたことはとても重要で、チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれました。今日も大変なレースでしたが、GR010 HYBRIDは好調でしたし、ペースも良く、ピットストップもタイヤ戦略も完璧でした。今季3勝目を挙げ、チャンピオン争いに復帰できたのは本当に嬉しいです。今日は走っていても気持ち良かったですし、アタックして首位を奪還し、その後は差を広げることができました。同時に、耐久レースではせっかく築いたマージンがあっという間に無くなってしまうこともわかっていましたし、セーフティカー導入により最後は可夢偉に厳しい戦いを強いることとなってしまいました。しかし、彼はその大変な役割を果たし、トップで戻って来てくれました。フェラーリの熱狂的なファンの皆様の前で勝てたことは最高です。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
    複雑な感情の入り交じる一日でした。7号車が勝ったことはとても良かったですし、彼らの素晴らしいパフォーマンスを祝福します。我々8号車にとっては厳しいレースとなってしまいました。私はスタートで接触を喫し、ペナルティを受け、さらにGTクラスのアストンマーティンとも接触してしまいました。彼らにはお詫びしたいと思います。もちろん、そこから全力で追い上げて、多くのポイントを獲得することができました。しかし、我々にとっては厳しい一日でしたし、次の富士ではもっと良い結果を狙います。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
    まず初めに、勝利を挙げたチーム全員へ祝福を送ります。7号車は可夢偉のポールポジション獲得から、素晴らしい週末でした。彼らはフェラーリとの激戦を制しました。我々8号車は、序盤のアクシデントで周回遅れになってしまったこともあり、厳しいレースとなってしまいましたが、後方から追い上げて、私は最後にタイトルを争うフェラーリ51号車とホイール・トゥ・ホイールの素晴らしいバトルを楽しむことができました。この暑さの中、3スティント連続で走るのは本当に大変で大きな挑戦でしたが、楽しかったです。今日は表彰台に立つことはできませんでしたが、我々が見せることができたパフォーマンスには満足しています。

    平川亮(8号車 ドライバー):
    フェラーリのホームレースで7号車が優勝してくれたことは良かったですし、彼らの素晴らしい走りに祝福を贈ります。残念ながら我々の8号車はレース序盤にペナルティを受けることとなってしまいましたが、決して諦めることなく追い上げ、順位を上げていきました。チェッカーまで諦めずに戦い続けたことで、レース終盤にブレンドンがフェラーリとポルシェをかわしてくれました。最終的にチャンピオン争いで重要なポイントを稼ぐことができましたし、自分たちが見せられたパフォーマンスには満足しています。次は我々のホームレースである富士なので、母国ファンの皆様の前で多くのハイパーカーを相手に戦うのを楽しみにしています。

    トヨタ WEC FIA 世界耐久選手権

    佐藤恒治社長:
    WEC 2023 第5戦 モンツァ6時間レースでは、7号車がポールトゥウィンを獲得できました。モンツァのファンは、私たちも含めてレース全体を応援してくれて、素晴らしい雰囲気の中で闘うことができました。応援してくださったすべての皆様に、心から感謝申し上げます。

    「自分たちの本当の走りを見せたい」。そんな悔しさを胸に、私たちはル・マン以降、全員で心をひとつにして、次の闘いに向けて前に進んできました。とても大切な4週間でした。そのプロセスがあったからこそ、モンツァでは、真のワンチームとして闘うことができたのだと思っています。

    7号車のマイク、可夢偉、ホセは、8号車が想定外の事態に直面する中でも、冷静に、着実に走り続けてくれました。チームを背負ってミスなく走り続けることは大変な重圧だったと思います。

    8号車のセブ、ブレンドン、亮は、1つでも順位を上げるために、最後の最後まで挑戦し続けてくれました。

    勝利のために必死に努力を重ねてくれた現場のメンバー全員を誇りに思います。

    次戦の富士でも、可夢偉代表のもと、全員で、全力で闘います。たくさんの日本のファンの皆様の前で、さらに強くなったトヨタWECチームの姿をお見せしたいと思います。

    最後に、D’station Racingの星野選手、藤井選手、スティーヴンソン選手、チーム関係者の皆様に対しまして、8号車の接触により危険な事態を招いてしまったこと、そしてモンツァでの挑戦の機会を奪ってしまったこと、心よりお詫び申し上げます。全員が安全に気持ちよく走れるレースを実現できるよう、チーム全体で振り返り、意識を徹底してまいります。

  • WEC:トヨタ7号車の小林可夢偉が0.017秒差でポールポジション獲得

    WEC:トヨタ7号車の小林可夢偉が0.017秒差でポールポジション獲得

    7月8日(土)イタリアのモンツァ・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第5戦モンツァ6時間の予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉が自身今季2度目となるポールポジションを獲得、8号車は3番手グリッドとなった。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブするGR010 HYBRID 7号車は、小林が予選を担当。

    上位2台が0.017秒という僅差の争いとなった予選で、小林はモンツァにおけるハイパーカーのコースレコードを更新する1分35秒358をマークし、見事ポールポジションを獲得した。

    セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車はハートレーが予選アタックを担当し、チームメイトのポールタイムと0.102秒差の3番手となった。

    TGRにとって今季3度目となるポールポジション獲得により、貴重な1ポイントを獲得。TGRはマニュファクチャラーズタイトル争いで2位のフェラーリとの差を19ポイントに拡げた。

    この日も夏の暑さとなったモンツァは、気温が30度を越え、路面温度も限りなく50度に近付く中で、現地時間午後3時半過ぎに15分間の予選セッションが開始された。2台のGR010 HYBRIDは、この予選に今大会使用可能な2種類のコンパウンドのうち柔らかい方となるミディアムタイヤを選択し、アタックに向かった。

    タイヤのウォームアップを終えた2台は、最初のアタックラップでハートレーが1分35秒640、小林がそれを上回り、この時点でのトップとなる1分35秒549をマーク。序盤からポールポジション争いを繰り広げた。

    翌周、小林は最初のシケインで僅かにタイムをロス。しかし、残りのラップで素晴らしいアタックを見せて挽回し、モンツァ・サーキットにおけるハイパーカーの新たなコースレコードとなるタイムを叩き出した。その直後、フェラーリ50号車が自身のタイムを更新するも、小林のタイムには僅かに届かず。

    ハートレーも2度目のアタックでタイムを更新したが、フェラーリ50号車には0.085秒及ばず、3番手。2台のGR010 HYBRIDはその後もアタックを続けたが、タイヤのグリップはピークを越えており、他の車両もタイム更新とはならず、7号車のポールポジションが決定した。

    この予選では、ハイパーカークラスの上位7台がコンマ5秒以内に入る接戦となりました。9日(日)の決勝はさらに気温が高くなる予報で、多数のハイパーカーによるエキサイティングなレースが予想される。6時間で争われる決勝レースは現地時間午後12時半(日本時間午後7時半)にスタートが切られる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    通常、6時間レースであれば、ポールポジションはあまり意味をなさないといつも言ってきました。しかし、ル・マンの後、各車のラップタイムが非常に接近してきており、そんな中でポールポジションを獲得できたことは素晴らしいですし、本当に嬉しいです。セッション序盤、コース上のトラフィックは理想的とは言えませんでしたが、なんとかクリアラップを確保してアタックしました。ここモンツァでは、全てのハイパーカーが大接戦を繰り広げている中で、リスクを負わない守りの走りはできないので、思い切ってアタックしました。路面温度が午前中の練習走行の時とは少し異なったため難しかったですが、クルマには満足しています。決勝はさらに暑くなることが予想され、タイヤ戦略が重要になるでしょう。チームはタイヤ摩耗を理解しながら、最善の方法を見出すためにハードワークを続けてきました。この週末、我々のGR010 HYBRIDはとても良い仕上がりですし、特にイタリアのファンの皆様の前での決勝レースが楽しみです。激しい戦いになるはずです。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    全てのハイパーカーが非常にタイムの接近した予選だったので、それを考えれば3番手は満足いく結果です。可夢偉の結果からわかるとおり、我々のGR010 HYBRIDにはポールを狙える力がありました。素晴らしいアタックでポールを獲得した彼を祝福します。また、彼がポールを獲得したことで、ライバルにポイントを与えず我々のタイトル争いにとっても意味がありました。私のアタックラップでは、直前にいた車両に近付きすぎ、僅かにタイムをロスしてしまいました。しかし、ポールタイムとのコンマ1秒差は無いようなもので、誰でもどこかでわずかなタイムロスはしているものです。明日の決勝で我々の2台がトップ3からスタートできるというのは素晴らしいことで、チームの努力の賜物です。

    トヨタ WEC FIA 世界耐久選手権

  • WEC:トヨタ 2023年第5戦モンツァ6時間 公式練習レポート

    WEC:トヨタ 2023年第5戦モンツァ6時間 公式練習レポート

    FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦モンツァ6時間の公式練習が7月7日(金)に開始され、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)はル・マン24時間以来となるサーキットでの走行を再開した。

    TGRは、シリーズチャンピオン争いにおいて重要な週末となるこの大会で、今季4勝目を挙げて、現在トップにつけているマニュファクチャラーズ、及びドライバーズ選手権でのリードをさらに広げることを目指しており、初日となったこの日は順調なスタートを切った。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、1分36秒363というタイムをマークし、フェラーリ50号車を0.170秒抑えてのトップで終え、また、現在チャンピオン争いでドライバーズランキング首位につけるセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車はフェラーリ50号車から0.153秒差の3番手につけた。

    伝統ある高速サーキットのモンツァで13台のハイパーカーが争うことになる今大会、そのバトルはさらに激しさを増しており、初日から上位8台が1秒以内に入る接戦となった。

    9日(日)の決勝へ向けた準備は暖かな陽気の下、午前11時半からの90分間にわたる公式練習第1回目で開始され、チームは2台のGR010 HYBRIDの空力やメカニカルセッティング、制御システムなどを比較し、レースウィークに向けた車両セットアップのベースを作るための作業に集中した。

    6日(木)の朝方サーキットを襲った雨の気配はこの日は全くなく、セッションは終了2分前に出された赤旗までクリーンに進み、7号車はコンウェイが序盤にマークしたタイムによりこのセッション4番手。8号車はブエミがマークしたタイムでセッション6番手となった。

    夕方から開始された公式練習第2回目では、2台共にモンツァで使用可能な2種類のタイヤコンパウンドの比較に集中し、また、路面温度が50度近くにまで上昇したこのセッションでは、クルマのパフォーマンスだけでなく、ミディアムとハードの両コンパウンドの耐久性の分析なども行った。

    この公式練習第2回目のセッション開始早々に小林とハートレーがそれぞれのベストタイムをマーク。7号車はそのタイムがこのセッションだけでなく、この日の総合ベストタイムとなり、また、8号車は3番手で続くこととなった。

    3時間に及んだこの日の練習走行は、ほぼ中断もトラブルも無く進み、最高速度とブレーキパフォーマンスがラップタイムの鍵となる1周5.793kmのモンツァ・サーキットで、チームは車両セットアップを最適化するための多くのデータを収集した。

    8日(土)は午前中に最後の練習走行を行った後、決勝のスターティンググリッドを決定する15分間の予選が、ハイパーカークラスは現地時間午後3時半(日本時間午後10時半)に開始される。6時間で争われる決勝は9日(日)現地時間午後12時半(日本時間午後7時半)にスタートが切られる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    ル・マンの後、またGR010 HYBRIDをドライブできて良い気持ちです。今日は全てが順調で、良いレースウィークのスタートを切ることができました。今日の優先事項は、2種類のタイヤコンパウンドをテストし、どちらが決勝で我々にとって最適となるか見出すことでした。クルマのバランス面でも進展が見られたので、この方向で進めていきます。ハイパーカー上位勢のタイム差は非常に小さいので、クルマのパフォーマンス向上に取り組む必要があります。明日もハードにプッシュし、予選の結果がどうなるか待ちたいと思います。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
    モンツァのような伝統的なサーキットでレースを戦うために、私の好きな国の一つであるイタリアを再訪できて嬉しいです。走り始めからバランスは良かったので、今日はさらなるパフォーマンスを引き出すために一日を費やしました。GR010 HYBRIDの感触はとても安定しているので、正しいタイヤを正しいタイミングで選択することが重要になってくると思います。ハイパーカー同士がコンマ数秒差で争っているのは素晴らしいです。予選も非常に接近した、エキサイティングなものになると思いますが、我々もベストを尽くし、日曜日の決勝で良い結果を残せるよう頑張ります。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    トラブル無く、充分な走行距離をこなすことができた順調な一日でした。ラップタイムは非常に接近しており、それぞれのパフォーマンスを推し量るのは難しいです。モンツァではブレーキングと空力での車両バランスが特に重要であり、その面でも今日の2回の練習走行は有意義でした。ここで速く走るためには、ブレーキングが安定し、最高速が速いクルマが必要です。今日は暑い一日でしたが、日曜日はさらに暑くなりそうです。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    モンツァに戻れて本当に嬉しいです。昨日は雨でしたが、今日は好天に恵まれたので、このような好コンディションで多くの周回をこなすことができ、異なるタイヤセットや空力などを試せたのは良かったです。2回の練習走行を追えた時点で見る限り、我々には競争力があると思いますが、まだレースウィークは始まったばかりです。これからさらに作業を続け、走行データから学び、可能な限りクルマからパフォーマンスを引き出す必要があることはわかっています。ハイパーカークラスの争いは非常に僅差なので、レースウィークをトラブル無く、また、ミス無く進めていくことが重要です。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    クルマに大きなトラブルもなく、順調な初日でした。上位争いは非常に接近しているように見え、現時点で予選へ向けてどのチームが強いのかを予想することは困難です。5つの異なるマニュファクチャラーによる争いになるでしょう。予選にも集中はしますが、決勝はこれまでにないほどの接近戦になる可能性があり、もちろんそこで勝利することこそが最大の目標です。我々は車両セットアップや異なるタイヤコンパウンドのテストをしながら、予定通りにプログラムを進めています。まずは良いレースウィークのスタートを切ることができました。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    今日の2回の練習走行を通してクルマのバランスを最適化するため、車両セットアップのための幾つかのテストや暑いコンディション下でのタイヤテストなどを行いました。決勝日はもっと暑くなりそうなので、タイヤにはさらに厳しい状況になるでしょう。これまでのところは順調で、GR010 HYBRIDもとても力強く感じています。全ての最適化を進め、決勝へ向けて準備を整えていきます。

    トヨタ WEC FIA 世界耐久選手権

  • WEC:トヨタ7号車がポール・トゥ・ウィンで今季2勝目 / スパ6時間

    WEC:トヨタ7号車がポール・トゥ・ウィンで今季2勝目 / スパ6時間

    FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝が4月29日(土)にベルギーで行われ、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)のGR010 HYBRID 7号車がポール・トゥ・ウィン。最後列からスタートした8号車は猛烈な追い上げを見せ2位でフィニッシュし、トヨタは開幕戦以来、今季2度目の1-2フィニッシュを達成した。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車は、アクシデントの多発するレースでポール・トゥ・ウィンを達成し、トヨタは開幕戦セブリング、第2戦ポルティマオに続き、今季開幕から3連勝となった。

    セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、予選でのアクシデントにより最後列グリッドからの追い上げを強いられたが、見事に2位でフィニッシュ。ドライバーズ選手権では2位の7号車に5ポイント差で首位を守っている。

    トヨタは、これでスパ7連覇を達成し、マニュファクチャラー選手権では2位のフェラーリに対し、33ポイントへとリードを拡大して、全7戦で戦われている2023年シーズン中盤戦となる第4戦、6月10日(土)から11日(日)にかけて行われるル・マン24時間100周年記念大会へと臨むことになる。

    チームの本拠地があるドイツ・ケルンから僅か120kmしか離れていない、1周7.004kmの壮大なスパ・フランコルシャン・サーキットへ多くのチーム関係者とその家族も含む7万2千人もの大観衆が現地を訪れ、今季最多となる13台のハイパーカーを含む、37台のレーシングカーによる迫力のバトル、また、読めない「スパ・ウェザー」と様々なチーム戦略、そして、数多く発生したアクシデントと、今大会も多くのファンの皆様を魅了した。

    雨はほぼ止んでいるものの、路面はウェットで、コースのライン上は乾いてきているところもあるというタイヤ選択が悩ましい状況で、午後12時45分にレースがスタート。フォーメーションラップ中にもコースアウト車両が続出し、フォーメーションラップをもう1周延長し、2周目から本格戦が開始された。

    7号車のコンウェイはスリックタイヤでのスタートを選択し、ポールポジションからスタートを切るも、レインタイヤを装着した後続勢にかわされ、7位へと後退。しかし、タイヤが十分に暖まると追い上げを開始した。一方、最後列36番手からのスタートとなった8号車は、こちらもスリックタイヤを選択し、ブエミが序盤から猛プッシュ。1周で15ものポジションアップを果たした。

    その後開始10分でセーフティカーが導入されたが、レースが再開されると2台のGR010 HYBRIDは猛プッシュでポジションアップ。7号車のコンウェイは僅か2周で首位を奪還。8号車のブエミもGTとLMP2クラスの車両をかわし、10周目には7位へ。勢いの止まらない8号車は、グリッケンハウスとポルシェ5号車もかわし、4位で最初のピットストップへと向かった。

    首位を行くコンウェイは、一時2位のキャデラック3号車に30秒ほどの差をつけたが、レース開始から1時間半が経過したところで、このキャデラック3号車がクラッシュ。この日2度目のセーフティカー導入となった。これにより8号車は3位へ。2時間を過ぎると、今度は2位のポルシェ6号車がトラブルでコース上にストップ。GR010 HYBRIDは1-2体制となった。

    7号車はロペス、8号車は平川が中盤を担当。車両のバランスに苦しむ8号車の平川に対し、7号車のロペスは順調にリードを広げ、その差は1分ほどにまで広がった。しかし、レースが3時間半の折り返しを過ぎる頃、3度目のセーフティカーが導入され、上位勢のマージンは帳消しに。残り2時間を切り、僅差で首位を行く7号車はロペスから小林へと最後のドライバー交代。8号車は平川からハートレーへと交代し、2台の首位争いになるかと思われたが、再度セーフティカーが導入され、このバトルは中断。

    レースが再開されて残り45分、先に7号車の小林がピットへ向かい、最後の給油とタイヤ交換を行い、翌周に8号車ハートレーもピットイン。ハートレーは小林の前でコースへ復帰したが、小林がファステストラップの走りでこれをかわし、首位を奪還。さらにハイペースで走行を続け、8号車との差を広げていった。

    小林の7号車は、低温で滑りやすく難しいコンディションとなった6時間レースで148周を走り抜き、トップでチェッカー。今季2勝目を挙げました。7号車から16.637秒遅れてハートレーの8号車がチェッカーを受け、トヨタは開幕戦以来今季2度目の1-2フィニッシュ。トヨタは、6月10日(土)11日(日)に行われるル・マン24時間レースへ向けた完璧な勝利を収めることができた。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、最高の結果を得ることができました。チームと、今回の結果を達成するために大変な努力でサポートしてくれたみんなに感謝します。ここスパをGR010 HYBRIDで走るのはとてつもない体験で、特に大観衆が見守る中では格別でした。今日は特に、ここスパではこれまで見たことがないほどの大観衆で、多くの応援を感じることができました。今大会は、特にタイヤマネージメントの面で難しい挑戦となりました。新品タイヤは素晴らしいグリップ力を発揮してくれますが、摩耗してくるとどのくらいプッシュできるか判断するのが難しくなります。困難なレースだったことを考えれば、トラブル無く、1-2フィニッシュを果たせたのは本当に嬉しいです。私のスティントでは、8号車とのバトルになり、チームメイト同士の戦いということで簡単ではありませんでしたが、良いレースを見せられたと思います。ル・マンでもこの勢いが維持できることを望んでいます。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
    大変なレースでしたが、我々2台共に素晴らしい結果になりました。レーススタート時のタイヤ選択が難しかったですが、恐らくもう雨は降らないだろうと思っていました。とにかく全力でコース上に留まり、トラブルなく生き残らなくてはなりませんでした。スタート直後は大きく順位を落としましたが、コースが乾き始めると、我々のタイヤ選択が正しく、前走車をパスしていくことができました。レースは順調でしたが、後続とのギャップを築いた途端にセーフティカーが導入され、そのギャップが失われてしまうので大変でした。我々はピットの判断も良く、可夢偉とホセも素晴らしい走りで最後までプッシュしてくれました。また、8号車も素晴らしい走りで2位に入り、チームとしてこのような結果が得られて本当に満足しています。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    こんな難しいレースで、チームとして1-2フィニッシュが果たせて本当に嬉しいです。いつも通りスパはコースコンディションが難敵でした。我々はまだ濡れているところが残っている路面でスリックタイヤスタートという難しい選択をしましたが、マイクが素晴らしい走りをしてくれたおかげで、それが実を結びました。また、耐久レースでは良くあることですが、今日のレースは様々な感情が湧く展開となりました。首位で充分なリードを保っていたと思っていたら、セーフティカー導入でそれがゼロにリセットされてしまったり、後続車が自分のクルマよりも良いタイヤを装着し、それを抑えなくてはならないこともありましたが、エンジニアやピットクルー、そして、マイク、可夢偉と、もちろん8号車のチーム全員が最高のパフォーマンスを発揮してくれました。この週末は、ハードに働き続けた全員のためにも、本当に素晴らしい結果です。簡単なことではありませんでしたが、努力が報われました。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    最高の追い上げで2位フィニッシュを果たせました。36番手グリッドからのスタートで2位まで順位を上げ、最後は勝利を争っての2位というのは、本当に素晴らしい結果です。優勝した7号車は完璧なレースを展開していましたし、チームのためにも本当に嬉しいです。波乱のレースで、特にスタート直後のウェットコンディションは大変でしたが、トラブルに見舞われないよう、慎重に順位を上げていきました。6月のル・マンへ向けて良い準備になったと思います。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    我々は大幅なポジションアップを果たし、チームにとっても最高の結果となりました。セバスチャンは難しいコンディション下で素晴らしいスタートを切り、見事に順位を上げました。タイヤ選択は本当に難しかったですが、結果的には正しい判断でした。7号車は、特にレース中盤では我々8号車よりも僅かにペースが良く、優勝に値する走りでした。我々の2台は異なる方向性のセットアップであったこともあり、終盤、可夢偉に付いていくことはできませんでした。我々は予選のアクシデントでタイヤを1セット失っていたこともあり、2位でフィニッシュし、多くのポイントを獲得できたことに本当に満足しています。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    スターティングポジションを考えれば、とても満足のいく結果です。簡単ではないレースウィークでしたが、決して諦めることなく戦い続けました。エンジニア、メカニック、そして、もちろん素晴らしい走りをしてくれたセバスチャンとブレンドンの全員へ、本当に感謝しています。残念な結果となった予選のあとに取り戻すことができた、みんなの頑張りによる素晴らしい結果です。チームの1-2フィニッシュは完璧で、ル・マンへ向けた最高の準備になったと思います。ル・マンが今から楽しみです。

    トヨタ WEC(FIA 世界耐久選手権)

  • WEC:トヨタ 2023年 第3戦 スパ・フランコルシャン6時間 プレビュー

    WEC:トヨタ 2023年 第3戦 スパ・フランコルシャン6時間 プレビュー

    トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)は、世界で最も壮観なサーキットのひとつであるベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで、4月29日(土)に決勝レースが行われる2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースに挑む。

    スパ6時間レースは、トヨタにとって6連覇を目指す第4戦ル・マン24時間レース100周年記念大会の前哨戦とも言えるレースであり、ル・マンへ向けた準備のためハイパーカーエントリーは更に増え、今大会は合計13台がグリッドに並ぶ。

    11台のハイパーカーによる激戦が繰り広げられた先週末のポルティマオでは、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車が勝利を挙げており、開幕戦セブリングも制しているトヨタは、チームとして今季開幕からの3連勝を目指す。

    ポルティマオで完璧な勝利を飾った8号車の3名は、ドライバーズ選手権でも首位に立った。一方で開幕戦セブリングウィナーである7号車の小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名は、ポルティマオでは不運なトラブルに見舞われるも、諦めず9位でチェッカー。貴重なポイントを追加し、首位を13ポイント差で追う形になっている。

    スパ・フランコルシャンは、世界選手権黎明期の1953年からカレンダーの一戦に加わっており、長い耐久レースの歴史においても象徴的なサーキット。トヨタは、現行WECにおいてスパでは過去10戦を戦い、昨年の7号車による勝利を含めた7勝という記録を残しており、ハイパーカー時代に入ってからは過去2戦2勝。

    ベルギー、アルデンヌの森の中に位置するスパ・フランコルシャン・サーキットの1周7.004kmと長いコースは、「スパ・ウェザー」と称される、予測不能な天候で知られており、また、魅力的な高速コーナーの組み合わせによるレイアウトでファンとドライバーに愛されている。チームの本拠地が位置するドイツ・ケルンが、このスパから国境を挟んで120kmほどしか離れていないこともあり、「ホーム」として多くの応援が期待できる。

    レースウィークは27日(木)、2度にわたる90分間の練習走行で開始され、28日(金)午前中の最後の練習走行で、午後に待つ予選への最終準備を行う。6時間にわたる決勝レースは29日(土)の現地時間12:45(日本時間午後7時45分)に、38台による激戦のスタートが切られる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
    スパは、最大の目標であるル・マン前の最後の実戦であり、我々にとって非常に重要なレースです。また、チームにとってはホームレースでもあり、イベント中には、チーム本拠地のケルンから多くの関係者が家族連れで応援に来てくれるので、皆様に会えるのも楽しみの一つです。スパにはいつも多くの観客が集まってくれますが、今年はハイパーカーも増えるので、さらに盛り上がるでしょう。ライバルはレース毎に強くなっており、また、スパではさらに台数が増えることになるので、チームにとっても、ドライバーにとっても、忙しくタフな週末になると思います。スパは素晴らしいサーキットですが、色んなことが起こりうるので、上位を争うためには、車両セットアップやタイヤなど全て正しく把握し、ミス無く戦うことが必要です。多くの意味でル・マン前哨戦として理想的なレースであり、ここで好結果を残せれば、記念すべき100周年大会へ向けた完璧な準備となるでしょう。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
    スパは毎回良いイベントで、大好きです。スパには自信を持って臨みますが、まだシーズンは始まったばかりで、未知数な部分も多いです。上位を争えるポテンシャルがあることは確かですが、スパではライバルが更に増えます。レースの世界では、状況が急激に変わることも多いので、レース毎に対応していくしかありません。スパはシーズン最大のレースであるル・マン前の最後のレースであり、ル・マンに自信を持って臨むためにも、ここでの結果は重要です。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
    スパはとても特別な場所で、ドライブするのも最高だし、ベストサーキットのひとつだと思います。我々はずっとスパでは良いレースを戦ってきていますが、天候が大きな問題です。天気の変化は神のみぞ知るところですが、過去、春夏秋冬と全ての四季を1日で経験したこともありました。チーム、ドライバーにとって、そして、戦略の面でも大きな試練となります。加えて、次戦ル・マンは目の前なので、必要事項全てをしっかりテストし、また、我々自身も100%の準備をすることが重要です。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
    スパはハイスピードで、ランオフエリアも少ない、昔ながらのコースなので本当に走っていて楽しいですし、これまでに何度も良いレースを戦ってきました。WECではこれまでに5回勝っており、その記録を6に伸ばせればと思っています。また、スパでは天候とタイヤマネージメントがキーになります。1セットのタイヤでダブルスティントを走らなければならないので、タイヤ摩耗のコントロールがとても重要ですが、簡単にはいかないでしょう。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
    スパは、ドライバー誰もが5本の指に入ると思うコースで、みんな訪れるのを楽しみにしていると思います。アップダウンが大きく、美しいコースで、流れるようなレイアウトも本当に素晴らしいです。また、スパは耐久レースでの歴史も古く、いつも大観衆が迎えてくれる、特別な場所です。伝説的なスパ・ウェザーで知られていますが、今年の改良型GR010 HYBRIDでは、新しいレインタイヤとの組み合わせをほとんど経験していないため、その点では未知数な部分がまだ残っています。ただ、それもル・マンへ向けた最終準備のひとつのステップになるはずです。

    平川亮(8号車 ドライバー):
    私自身はスパが好きですが、GR010 HYBRIDでレースを走ったことがありません。昨年のレースでは私のスティントが来る前にトラブルに見舞われてしまったので、今年はようやくレースできることを楽しみにしています。レース毎に競争は激しさを増しているので、今回のスパもさらにチャレンジングなレース展開になるということは間違いないですし、スパならではの天候もどうなるかわかりません。ル・マンへ向けた重要なレースなので、好結果で終えて完璧な準備ができるように集中します。

    トヨタ WEC (FIA 世界耐久選手権)

  • WEC:トヨタ 2023年 第1戦 セブリング1000マイル 予選レポート

    WEC:トヨタ 2023年 第1戦 セブリング1000マイル 予選レポート

    3月16日(木)、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで2023年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦セブリング1000マイルの予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)のGR010 HYBRIDは2番手、3番手グリッドを獲得した。

    トヨタの2台のGR010 HYBRIDは、米国耐久レースの聖地とも言えるセブリングでハイパーカーのライバル9台と僅差の予選アタックバトルを展開。

    ブレンドン・ハートレーがアタックを担当したGR010 HYBRID 8号車は1分45秒281の好タイムをマークするも、ポールポジションのフェラーリには0.214秒及ばず、それでも最前列2番手グリッドを確保した。

    小林可夢偉がアタックしたGR010 HYBRID 7号車もまた、僅差での好走を見せた、8号車から0.267秒遅れの3番手。TGRは全7戦で争われる今季のWEC開幕戦を、2台揃って勝利を狙える好位置からスタートすることとなった。

    小林は、この日予選の前に行われた公式練習3回目でハイパーカーの最速ラップタイムを更新した。しかし、このセッション中、7号車はロペスがアクシデントに見舞われ、車両右後部にダメージを負ってセッションを終えることとなってしまった。メカニックの迅速な作業により7号車は予選までに修復を終え、小林のドライブで、予選セッション開始のグリーンライトと共にコースへと向かった。

    今シーズンからの規則変更で、タイヤウォーマーであらかじめタイヤの温度を上げておくことができなくなったため、これまでのシーズンのように、新品タイヤで走りだしてすぐに最速ラップを刻むことができなくなった。ドライバーは数周にわたってタイヤを暖めなくてはならず、本格的なアタックが開始されたのは、15分間の予選セッション後半に入ってからだった。

    セッションが後半に入り、フロリダの太陽が地平線に沈む頃、ハートレーの駆るGR010 HYBRID 8号車がまず1分45秒台に入れる好タイムでタイムシートのトップに浮上し、7号車の小林も同じく1分45秒台に入れ、チームメイトに続いた。しかし、フェラーリの50号車がこの2台を上回るタイムを叩き出してトップへ浮上。ハートレー、小林共にアタックを続け、さらにタイムを縮めたものの、惜しくもポールポジションには届かず。8号車が2番手、7号車は3番手グリッドとなった。

    しかしながら、決勝レースへ向けた車両セットアップや戦略の準備は順調に進んでおり、トヨタは世界チャンピオン防衛へ向け、現行WECでの40勝目を目指し、明日17日(金)の現地時間正午(日本時間18日午前1時)にスタートするセブリング1000マイルに挑む。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    ベストを尽くしましたが、予選ではフェラーリが僅かに速かったです。彼らは素晴らしい仕事をしたと思います。プロローグや公式練習走行の時点で、彼らの速さ、また、予選でそのパフォーマンスを示してくることはわかっていました。彼らと良いバトルができて楽しかったです。我々はここ数日、決勝レースへ向け車両セットアップで懸命な努力を続けてきました。我々が戦っているのは耐久レースであり、最も重要なのは明日金曜日に行われる決勝レースです。準備はしっかり整っていると思いますし、スターティンググリッドも悪くないので間違いなくチャンスはあります。エキサイティングなレースになるでしょう。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    予選の前から期待に溢れていました。鼓動が高まり、ル・マンでのハイパーポール前のようでした。このコースはミスしやすい箇所が多くあり、また沈みかけた夕日で視界も遮られるなど、難しい状況でしたが、それでもベストを尽くし、アタックしました。もう少しタイムを削れたコーナーもあったかも知れませんが、良いアタックラップができたと思います。フェラーリは素晴らしいアタックで、彼らに祝福を贈ります。最前列グリッドからのスタートが目標だったので、それがほぼ達成できたことに満足していますし、最高のレースになることを楽しみにしています。

    トヨタ WEC FIA 世界耐久選手権

  • WEC:トヨタ 2023年シーズン プロローグ・テスト レポート

    WEC:トヨタ 2023年シーズン プロローグ・テスト レポート

    トヨタは、3月11日(土)と12日(日)の両日、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われた2023年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)プロローグテストに参加。17日(金)に決勝レースが行われるシーズン開幕戦セブリング1000マイルレースへ向けた準備を進めた。

    TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRIDはこのプロローグテストで初めて、昨年も戦ってきたプジョーとグリッケンハウスに加え、キャデラック、フェラーリ、ポルシェ、ヴァンウォールといった新たなハイパーカークラスのライバルを迎えて走行。エキサイティングな耐久レースの新時代が幕を開けた。

    TGRはこのプロローグテストで開幕戦へ向けた準備を開始。小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の8号車共に順調に走行。2日間の総合では、ロペスが1分48秒208の最速タイムをマークした7号車がトップ。ハートレーの8号車が僅か0.008秒差の2番手タイムで続いた。

    TGRはこの2日間、4回のセッション合計で、2台あわせて587周、3500km以上という距離を、テストで最も重要な要素である、トラブルフリーで走破した。これにより、エンジニアにとって貴重な、レースウィークへ向けたセットアップを加速させるためのデータを収集。チームは5シーズン連続のWEC世界チャンピオン、6年連続のル・マン24時間制覇という挑戦を開始した。

    2023年仕様として改良されたGR010 HYBRIDは、セブリング走り始め早々から軽量化と空力の見直しによる効果が現れた。これにより、ドライバーとエンジニアは、独特の荒れた路面で知られる1周6.019kmのセブリングでのテストの機会を、車両セットアップ、また、タイヤ評価へフル活用することができた。

    テストが開始された11日(土)は好天に恵まれ、気温も最高31度にまで達した。午前中のセッションでは、1回赤旗中断があったが、ロペスが最速タイムをマーク。8号車は平川のタイムで2番手につけた。

    3度の赤旗中断があった午後のセッションでは僅かにタイムダウン。ここでは8号車のブエミが、トップタイムとなったキャデラックから0.014秒遅れの2番手タイム。7号車はロペスのタイムで3番手となった。

    プロローグテスト初日、TGRはハイパーカークラスで最多となる2台合計278周、1673kmを走破し、新シーズンへ向けた冬季オフシーズンのチームによる努力が効を奏したことを示すことができた。

    日本の東富士とドイツ・ケルンのチームメンバーによる強力な開発体制に加え、テクニカルパートナーからの技術的な貢献もチームを支えている。デンソーはスパークプラグ、アイシン/デンソー共同開発によるフロントモーターを供給。そして、レイズの軽量マグネシウム鍛造ホイール、アケボノのモノブロックブレーキキャリパー、モービルワンの油脂類が採用されている。

    12日(日)も前日同様の作業が続けられ、ドライバー、エンジニア、メカニック共に、蒸し暑いコンディションの中で完璧な作業をこなした。3度の赤旗により30分ほどタイムを失うことになったが、午前中のセッションでは7号車のコンウェイがトップタイム。8号車のブエミが0.008秒差の2番手で続いた。

    このプロローグテスト最後となった日曜日午後のセッションも、GR010 HYBRIDは標準的な作業をこなした。ここでは8号車のハートレーがトップタイムをマークし、このタイムが8号車にとってのプロローグテストでの最速タイムに。7号車はコンウェイのタイムが僅差の2番手となった。このセッションも2度の赤旗が出されたが、チームはチェッカーフラッグが振られるまで周回を重ね、ハイパーカークラスでは最多の周回を走破した。

    TGRはこのあと、2日間にわたって車両を完全に整備し直すと共にセットアップと戦略の微調整を行い、いよいよ始まるレースウィーク初日となる15日(水)は2度の公式練習走行に臨む。16日(木)にはこの新シーズン最初の戦いとなる予選が行われ、1000マイル(約1600km)という長丁場で争われる決勝レースは17日(金)の現地時間正午(日本時間18日午前1時)にスタートが切られる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
    これまでのところは順調です。テストはとても上手く行き、ラップタイムも悪くないように見えますが、あくまでまだテストの段階であり、レースウィークはまた違ったものになるでしょう。さらに改善できる点を見出す必要があります。今季は新たなライバルが増えますが、実際のところ、我々がテストや練習走行でやるべきことはあまり変わりません。自分たちのスピードを見極め、車両のバランスとセットアップを改良するための準備に集中する必要があります。今年は予選も決勝レースもこれまでとは大きく異なり、わずかなミスで大きく順位を落としかねません。そのため、今後の目標は明確で、決勝レースへ向けて最善のポジションを得るためのスピードを見出すことです。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
    とても堅実な2日間でした。セットアップの比較やタイヤ、様々なテストなどやるべきことがたくさんありましたが、多くを達成して学ぶことができ、全てがスムーズに進みました。我々は予定したプログラムに専念し、ペースという点では全てが上手くいっているように見えます。現時点でライバルとの状況がどうなのかをいうのは難しいです。我々は自分たちのことだけしかわかりませんし、2台共に調子は良いです。重要な2日間となりましたが、我々も可能な限りの準備を進めています。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー):
    全体的に良いスタートとなりました。チームとして良いペースを見せられましたが、ここまでの結果は必ずしも金曜日の決勝レースで何が起こるかを反映したものではありません。プロローグテスト2日目は、ライバル勢もかなり良くなってきて、タイムも接近しています。この進化が今後も続くことは間違いないので、上位で戦い続けるためにも、更なるスピードを求めて努力を続ける必要があります。ともあれ今回のプロローグテストでは、2台揃って速さを見せることもできたので、良いスタートが切れたと思いますし、週末が楽しみです。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
    セブリングに戻って新たなハイパーカーのライバルと戦えるのは楽しいことで、良いプロローグテストとなりました。タイムシートに多くのハイパーカーが並んでいるのを見るのは嬉しいですし、耐久レースにとっても素晴らしい瞬間です。このチャレンジングなコースと、暑いコンディションの中で、2日間にわたって競争力を保ち、信頼性も高かったのは良かったです。しかし、ライバル勢がどこまでプッシュしているのか、どれだけのポテンシャルを秘めているのかはわかりません。それは金曜日の決勝レースで明らかになるでしょう。良いデータも得られたので、これから解析し、来週は好結果を目指し戦えることを期待しています。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
    全てのハイパーカーが一緒にコースを走っているのを、ようやく見ることができて感無量です。我々はチームのハードワークのおかげで、このプロローグテストの2日間をトラブル無く順調にこなし、ほとんどのテスト項目をやり切ることができました。ドライバーとしても車両の感触は良かったですし、スピードもありました。昨年に比べて車両のバランスという点で良い進化を遂げているように感じます。競争力はあると思いますが、現時点でわかっているのは自分たちの状況であって、ライバルがどのようなことを行っているのかはわかりません。レースウィークへ向けて、さらに性能を引き出すよう努力を続けます。

    平川亮(8号車 ドライバー):
    セブリングに戻れてとても嬉しいですし、2日間のプロローグで充実した走りができたことに満足しています。結果だけ見れば悪くないですが、ライバルがどのようなプログラムをこなしていたのかわからないので、パフォーマンスについて語るのは時期尚早です。とは言え、ここまでのところは満足していますし、この週末に向けて、ハードワークで改良された車両を順調に走らせてくれたチームに感謝しています。これから数日、休息を取って英気を養い、レースウィークに全力で挑みます。

    トヨタ WEC(FIA 世界耐久選手権)

  • トヨタ、改良型GR010 HYBRIDで2023年のWECシーズンに挑む

    トヨタ、改良型GR010 HYBRIDで2023年のWECシーズンに挑む

    トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)は、2023年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)に向けて改良されたハイパーカー GR010 HYBRIDを発表した。トヨタはこの新たな時代のスタートとなる2023年シーズンのWECで、シリーズチャンピオンとル・マン24時間レースのチャンピオンを防衛すべく、改良型GR010 HYBRIDで挑む。

    トヨタは、これまでに5年連続でのル・マン24時間レース勝利及び4シーズン連続でWECのシリーズチャンピオンを獲得するなどの実績を収めてきた。

    現チャンピオンであるトヨタは今季、記念すべき100周年を迎えるル・マン24時間レースも含めた全7戦で、これまでよりも増えるハイパーカークラスのライバルからの挑戦を受けることになる。

    ハイパーカークラスには、これまでのプジョー、グリッケンハウスに加え、キャデラック、フェラーリ、ポルシェ、そして、ヴァンウォールが新たに加わり、計13台がWECのグリッドに並ぶ予定。シリーズ最大のイベントであるル・マン24時間レースでは、さらなる台数が参戦することも予定されており、伝統の耐久レース制覇という栄誉をかけた戦いはさらに激しさを増すことになるだろう。

    2021年1月に最初のハイパーカーとしてデビューしたGR010 HYBRIDは、その後も細かい領域での進化を続けており、2022年シーズンも信頼性と効率の最適化が進められてきた。

    GR010 HYBRIDに搭載される、520kW(707PS)を発揮する3.5リッターエンジンと200kW(272PS)を発揮する電気モーターが組み合わされた、高性能レーシングハイブリッドパワートレーンは、10年以上にわたるル・マン24時間レース参戦で培われてきたトヨタならではの知見により、軽量化と信頼性の更なる強化が図られている。

    2023年仕様のGR010 HYBRIDで最もわかりやすい進化のポイントは、ボディーワークに見て取れる。車両前部の左右に新たに配されたダイブプレーン空力デバイスと、小型化されたリアウィングのエンドプレート、その他細かなディテールの変更により、操作性と空力安定性が向上している。

    また、ブレーキの冷却とレース中の迅速な冷却設定の変更を目的として、車両前後に新たにベンチレーションが設けられた。加えて、夜間走行時の視認性向上のため、ヘッドライトのレイアウトが変更された。

    レギュレーションで許される1040kgを達成するため、GR010 HYBRIDの車両重量を軽減する作業が進められてきた。これはまだGR010 HYBRIDが設計段階だった2020年に決められたハイパーカーのレギュレーション変更に対応しきれなった部分を補うものだ。

    GR010 HYBRIDは今年もまた、ワイン製造時の廃棄物や農産物から100%生成されたバイオ燃料を使用する。これにより少なくとも65%のCO2排出削減が見込まれ、耐久レースにおけるサスティナビリティ向上への継続的な取り組みに貢献することになる。

    これらの努力に加え、エネルギー使用量と排出ガスを抑制するために、タイヤウォーマーの使用も禁止されることとなった。そのため、ミシュランは耐久性とパフォーマンスを維持したまま、温度上昇が早く、素早くピーク性能に達するようにデザインされた、新たなコンパウンドのタイヤを開発した。

    GR010 HYBRIDは、トヨタが長期にわたり開発協力を続けてきたパートナー企業の技術的集積のおかげで勝利を積み上げてきたが、それは今も続いている。デンソーはラジエーターとスパークプラグ、アイシン/デンソー共同開発によるフロントモーターを供給。そして、レイズの軽量マグネシウム鍛造ホイール、アケボノのモノブロックブレーキキャリパー、モービルワンの油脂類が採用されている。

    トヨタの2023年ドライバーラインナップは今年も変更なく、ル・マンの勝者とWECのチャンピオン経験者のみという強力な体制で臨む。GR010 HYBRID 7号車は小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名が6年目のシーズンを戦う。昨年のル・マン24時間を制し、WECの世界チャンピオンも獲得したセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名がタイトル防衛を目指し8号車をドライブする。

    そして、2023年のテスト&リザーブドライバーは、中嶋一貴が担当する。2021年シーズンを以てレーシングドライバーを勇退した中嶋は、3度のル・マン24時間レース勝利と世界チャンピオンの経験者、そして、2度のスーパーフォーミュラチャンピオンでもある。彼はTOYOTA GAZOO Racing ヨーロッパの副会長とテスト&リザーブドライバーを兼任することとなる。

    WECの2023年シーズンは、3月11日(土)と12日(日)に行われるプロローグテストで幕を開け、その翌週末、3月17日(金)に行われるセブリング1000マイルレースが開幕戦となる。そして、4月16日(日)の第2戦ポルティマオ6時間(ポルトガル)、4月29日(土)の第3戦スパ・フランコルシャン6時間(ベルギー)戦を経て、シーズンのハイライトとなる第4戦ル・マン24時間レースを迎える。今年のル・マン24時間レースは100周年という記念すべき大会であり、6月10日(土)から11日(日)にかけて開催される。シーズン後半の3戦は、7月9日(日)のモンツァ6時間(イタリア)、9月10日(日)の富士6時間、そして、11月4日(土)のバーレーン8時間(バーレーン)と、全7戦で争われる。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    待ちに待ったシーズンを迎えます。これだけ多くのマニュファクチャラーがハイパーカークラスに参戦するというのはファンの皆様にとっても素晴らしいことですし、チームとしても新たなライバルの登場に気持ちが高まっています。特にル・マン100周年という記念すべき年でもありますし、強力なライバルと優勝を争い、ファンの皆様に楽しんでいただける、記憶に残るシーズンにしたいと思っています。我々は立ち止まることなく、常に「もっといいクルマづくり」を推し進めていきます。そのために、昨年に続きGR010 HYBRIDには幾つかの改良を施して2023年に挑みます。これらのアップデートは東富士とドイツ・ケルンのチームメンバー、パートナーやサプライヤーの皆様との強い協力関係により生み出されたもので、関係者全員の尽力に感謝したいと思います。この改良型車両を、ロールアウトとプレシーズンテストで走らせたドライバーたちの印象は、とても好感触で、ル・マン制覇とWECタイトル防衛に向けた自信を与えてくれるものでした。

    パスカル・バセロン(テクニカル・ディレクター)
    我々は絶え間ない改善を目指す長期計画の一環として、ドライバビリティ、信頼性と整備性の更なる向上など、GR010 HYBRIDの改良を進めました。2022年にはホイールサイズ変更という非常に大きな変更を行いましたが、それは我々が抱えていた幾つかの問題に対処するためであり、期待通りの効果が得られました。今回の2023年シーズンへ向けた改良点はこれらの改良における次のステップであり、プレシーズンテストでは心強い結果が得られています。今年、新たなハイパーカークラスのライバルと戦うことは、特にファンの皆様にとってはエキサイティングだと思いますが、我々のアプローチは変わりません。やるべきことはいつも同じで、我々の目的は勝利であり、そのために、ミス無く車両パッケージ性能を最大限引き出すこと、それこそが我々のレースへの取り組み方です。信頼性とレースを通してのペースの安定性、そして、アクシデントを避けることは、これまでと変わらず重要な要素であり、改良型GR010 HYBRIDと共に2023年シーズンもチャンピオン防衛とル・マン勝利を目指し戦っていきます。

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