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  • マクラーレンF1 1000戦目 歴史を物語る12の数字

    マクラーレンF1 1000戦目 歴史を物語る12の数字

    マクラーレンは今週末の2026年F1モナコGPで、F1参戦1000戦目を迎える。1960年代にブルース・マクラーレンが築いたチームは、勝利、表彰台、タイトル、ポールポジション、そして膨大な周回数を積み重ね、F1史における最も成功したチームのひとつとなった。

    その歩みを数字で振り返ると、マクラーレンがどれほど長く、そして深くF1に足跡を残してきたかが浮かび上がる。

    — 561 —
    マクラーレンはこれまでに561回の表彰台を獲得している。

    参考までに、F1史上430戦以上に出走したチームはフェラーリ、マクラーレン、ウィリアムズ、そしてすでに消滅したロータスの4チームしか存在しない。

    — 56 —
    マクラーレンの203勝のうち、56勝は1-2フィニッシュによるものだった。

    最初の1-2フィニッシュは1968年カナダGPで、ブルース・マクラーレンとデニス・ハルムによって達成された。

    最多はセナとプロストのコンビで、1988年と1989年のタイトル争いの中で14回の1-2フィニッシュを記録した。続いて、ミカ・ハッキネンとデビッド・クルサードのコンビが13回を記録している。

    マクラーレン ブルース・マクラーレン

    — 10 —
    マクラーレンはこれまでに10回のコンストラクターズタイトルを獲得している。

    タイトル獲得年は1974年、1984年、1985年、1988年、1989年、1990年、1991年、1998年、2024年、2025年である。

    直近2シーズンの連覇によって、マクラーレンは歴代ランキングでウィリアムズを抜き、16回を誇るフェラーリに次ぐ2位へ浮上した。

    — 13 —
    ドライバーズタイトル獲得数は13回を数える。

    1974年のエマーソン・フィッティパルディを皮切りに、1976年のジェームス・ハント、1984年のニキ・ラウダ、1985年、1986年、1989年のアラン・プロスト、1988年、1990年、1991年のアイルトン・セナ、1998年と1999年のミカ・ハッキネン、2008年のルイス・ハミルトン、そして2025年のランド・ノリスが王座を獲得した。

    — 177 —
    マクラーレンはこれまでに177回のポールポジションを獲得している。

    この分野でもアイルトン・セナが46回で最多を記録している。ミカ・ハッキネンとルイス・ハミルトンがそれぞれ26回で続き、ランド・ノリスは16回まで数字を伸ばしている。

    — 184 —
    マクラーレンは184回のファステストラップを記録している。

    最多はミカ・ハッキネンの25回で、アラン・プロストの24回、キミ・ライコネンとランド・ノリスの19回が続いている。

    — 760 —
    マクラーレンはこれまでの999戦のうち760戦でポイントを獲得している。

    この記録を上回るのは877戦でポイントを獲得しているフェラーリのみだ。

    — 7,896.5 —
    マクラーレンの通算獲得ポイントは7896.5点に達している。

    最初のポイントは1966年イギリスGPでブルース・マクラーレンが獲得したもので、直近では2026年カナダGPスプリントでランド・ノリスとオスカー・ピアストリが加点した。

    マクラーレン ランド・ノリス

    — 11,943 —
    マクラーレンはF1で通算1万1943周をリードしている。

    この数字は1万6087周を記録しているフェラーリに次ぐ歴代2位となる。

    距離に換算すると5万7244kmとなり、地球をほぼ1周半する距離に相当する。

    — 106,236 —
    マクラーレンが1966年のデビューから2026年シーズンの直近ラウンドまでに走った総周回数は10万6236周に達している。

    距離にすると51万4659km。これは地球から月まで到達し、さらにその3分の1ほどを戻ってくる距離に相当する。

    今週末のモナコGPで1000戦目を迎えるマクラーレン。その歴史は、数々の勝利やタイトルだけでなく、これらの圧倒的な数字によっても証明されている。

  • FIAがひっそり撤回 F1モナコGP“2回ピット義務化”はなぜ消えたのか

    FIAがひっそり撤回 F1モナコGP“2回ピット義務化”はなぜ消えたのか

    モナコGPはF1カレンダーの中でも最も伝統あるレースのひとつだが、近年は「予選でほぼ勝負が決まる」「決勝でオーバーテイクがほとんど起きない」といった課題が指摘され続けてきた。

    そうした状況を改善するため、FIAは2025年のモナコGPで異例の「2回のピットストップを義務付ける特別ルール」を導入した。しかし、その実験はわずか1年で終了。2026年のモナコGPでは規則から静かに削除されていた。

    期待された戦略戦は実現せず
    FIAが導入した2回ピット義務化の目的は明確だった。

    78周のレース中に最低2回のピットストップを行わせることで戦略の幅を広げ、単調になりがちなモナコGPをより面白いレースに変えようとしたのである。

    しかし実際には、期待されたような戦略の多様化は生まれなかった。

    むしろチームはルールを巧みに利用し、自チームに有利な展開を作り出した。

    象徴的だったのがレーシングブルズの戦略だ。

    後方を走るリアム・ローソンが意図的にペースを抑え、後続集団を足止めすることで、前方を走るアイザック・ハジャーに十分なマージンを与えた。その結果、ハジャーは2回のピットストップを消化しながら6位を獲得し、ローソンも8位入賞を果たした。

    本来はレースを活性化させるためのルールだったが、実際にはチームプレーによる“交通整理”を促す結果となった。

    ラッセルの行動が示したモナコの問題
    このレースではジョージ・ラッセルの行動も大きな話題となった。

    ラッセルはアレックス・アルボンの後方で身動きが取れなくなった結果、ヌーベルシケインを意図的にショートカットして前へ出るという行動に出た。

    5秒ペナルティを受けることを承知の上で順位を上げる選択をしたことは、モナコでの追い抜きの難しさを改めて浮き彫りにした。

    それほどまでに現在のモナコでは、前車に追いついても抜くことが困難なのである。

    FIAは失敗を認めて素早く修正
    結果的に2回ピット義務化は成功とは言えなかった。

    それでもFIAが評価されるべきなのは、現状を変えようと試みたこと、そして実験が期待通りの効果を生まなかったと判断すると、翌年には規則を撤回した点だろう。

    同じ失敗を繰り返さないために早期に制度を見直したことは、むしろ柔軟な対応だったと言える。

    2026年F1マシンがモナコを変える可能性
    一方で、モナコGPの将来に希望がないわけではない。

    2026年から導入された新世代マシンは、従来よりも軽量化され、機敏なハンドリングを実現している。

    もちろん、それだけで劇的にオーバーテイクが増えるとは考えにくい。モナコはF1マシンが大型化する以前から追い抜きが難しいサーキットだったからだ。

    しかし現在のグラウンドエフェクト世代のマシンは、前車に接近して走行しやすい特性を持っている。

    そのため、サン・デボーテやトンネル出口のヌーベルシケインといった数少ないブレーキングポイントでは、これまで以上に勝負が生まれる可能性がある。

    モナコGPが抱える根本的な課題は依然として残っている。それでもFIAは一度試した改革を撤回し、新世代マシンによる自然なレース改善に期待する道を選んだ。2026年のモンテカルロでは、人工的なルール変更ではなくマシンそのものの進化がレースの姿を変えるかが注目される。

  • ルノーがクリスチャン・ホーナーを“拒否” アルピーヌF1株取得計画を阻止

    ルノーがクリスチャン・ホーナーを“拒否” アルピーヌF1株取得計画を阻止

    ルノーが、元レッドブルF1チーム代表のクリスチャン・ホーナーによるアルピーヌF1への関与を阻止したと報じられている。

    報道によれば、ホーナーは投資家グループを率いて、ニューヨークを拠点とする投資ファンド「オトロ・キャピタル」が保有するアルピーヌ株式24%の取得を検討していた。

    しかし、アルピーヌの親会社であるルノーは、ホーナー陣営が関与する取引に対して拒否権を行使。結果として、この計画は前進しなかったとみられている。

    メルセデスとの交渉決裂も影響
    今回の動きは、メルセデスが同じ24%の株式取得を目指していたとの報道とあわせて明らかになった。

    トト・ヴォルフ率いるメルセデスは数カ月にわたりオトロ・キャピタルと交渉を続けていたが、チーム評価額をめぐる見解の相違から交渉は決裂したとされる。

    複数の報道によれば、オトロ側は24%の株式に約7億2000万ドルの価値を設定しており、アルピーヌ全体の評価額は約30億ドルに達する計算だった。一方でメルセデスは22億〜24億ドル程度と評価していたとされる。

    「我々の理解では、交渉は打ち切られた」とルノー関係者は語ったと伝えられている。

    興味深いのは、ルノーがメルセデスを優先的な買い手として位置付けていたとされる点だ。ルノーは支配株主としての権限を持ち、他の候補者との協議を制限していたと報じられている。

    不透明になるホーナーのF1復帰計画
    ホーナーはレッドブルを離れて以降、さまざまなF1関連プロジェクトとの関係が噂されてきた。

    最近では中国の自動車大手BYDとの接触も報じられている。BYDの副社長ステラ・リーはカンヌ国際映画祭でホーナーと面会しており、同社が将来的なF1参入を検討しているとの憶測も浮上した。

    しかし、ルノーがアルピーヌの支配権維持を明確にしているなかで、アルピーヌを通じたF1復帰ルートは事実上閉ざされた格好となった。

    メルセデスとの交渉が終了し、さらにホーナー陣営の提案も拒否されたことで、アルピーヌの株式売却を巡る動きは新たな局面を迎えている。

    現時点でクリスチャン・ホーナーのF1復帰への道筋は見えておらず、今後はBYDなど新規参入候補の動向が注目されることになりそうだ。

  • F1コミッションが2027年F1レギュレーション修正を承認 TPC規則も見直し

    F1コミッションが2027年F1レギュレーション修正を承認 TPC規則も見直し

    F1コミッションは、2026年2回目の会合を開き、2027年F1シーズンに向けた複数の変更で合意した。会合にはFOM会長兼CEOのステファノ・ドメニカリも出席した。

    2026年F1レギュレーションの大幅変更を受け、F1コミッションの会合は安全性とレースの質を高めることを目的として行われている。議論の詳細は公表されていないが、FIA(国際自動車連盟)は主要な論点をまとめたメディア向け概要を発表した。

    今回の発表では、2027年F1シーズンに向けたさまざまな変更が確認された。2027年F1テストの日数を3日間から4日間へ延長する大きな変更から、各コンポーネントに関する小規模な修正まで幅広い内容が含まれている。

    2027年F1テストを1日延長
    2027年F1シーズン前のプレシーズンテストは、これまでの3日間から4日間へ拡大される。これは各チームにとって重要な変更となる。

    テストは3月に中東で開幕するシーズンを前に、バーレーンで実施される可能性が高い。

    現在はパワーユニットにおける内燃機関と電動出力の比率を50対50から60対40へ変更する議論も続いており、この案が承認された場合、追加される1日間のテストは各チームにとって非常に重要な準備期間となる。

    TPC規則も見直し
    TPC(Testing of Previous Car/旧型車テスト)に関する規則変更も承認された。

    新たな規則では、翌年のF1世界選手権で開催されるサーキットにおけるテストに制限が設けられる。

    これにより、各チームはテストプログラムの計画を見直す必要があり、旧型車を活用した走行機会の運用にも影響を与える可能性がある。

    空力とボディワークにも小規模修正
    空力およびボディワーク関連のコンポーネントについても小規模な変更が合意された。

    ただしFIAは、これらの変更内容について詳細を公表していない。

    2026年F1レギュレーション導入後も競技面や安全面の最適化は継続されており、今回の修正もその一環とみられる。

    今回F1コミッションで合意されたすべての規則変更は、今後FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)の承認を経て正式決定される。

  • ウィリアムズF1がAI戦略を加速 元Google幹部を最高情報責任者に招聘

    ウィリアムズF1がAI戦略を加速 元Google幹部を最高情報責任者に招聘

    ウィリアムズF1は、モータースポーツにおける新たな競争領域として注目される人工知能(AI)分野の強化に向け、AI分野の専門家ジェームス・スミスを最高情報責任者(CIO)として迎え入れた。

    データ活用やAI技術の進化がチーム運営や開発競争に大きな影響を与え始めるなか、ウィリアムズはライバルに先駆けて体制強化に乗り出した格好だ。

    GoogleとDeepMindで培った経験をF1へ
    ジェームス・スミスはコンピューターサイエンス分野で豊富な経験を持つ人物で、GoogleおよびDeepMindで10年間にわたって勤務。Androidのデータプラットフォーム構築にも携わった実績を持つ。

    その後、自らHuman Nativeを創業し、AIとデータ活用分野で活動してきた。

    スミスはウィリアムズの声明の中で次のように語った。

    「データとAIがサーキット内外のパフォーマンスにおいてますます重要になっているこのタイミングで、アトラシアン・ウィリアムズF1チームに加われることをとても楽しみにしている」

    「ウィリアムズには並外れた歴史があるが、私にとって最も魅力的なのは次の段階に向けた野心だ。グリッドの最前線で戦うために必要なシステム、プロダクト、そして文化を築こうとしている」

    「GoogleやDeepMind、そしてHuman Nativeの創業を通じて得た経験を持ち込み、チームが素早く動き、AIを実践的に活用し、複雑なアイデアを実際の競争力へと変える手助けができればと思っている」

    ジェームス・ボウルズ「AIはF1の新たな戦場」
    ウィリアムズF1チーム代表のジェームス・ボウルズも、今回の人事がチームの将来において重要な意味を持つと強調した。

    「F1で成功するためには、常に技術革新と優秀な人材を組み合わせてコース上の結果へと結びつけることが必要だった」

    「技術が猛烈なスピードで進化するなか、F1における最新の戦場はチームのあらゆる部門でデータとAIを活用する能力にある」

    「ジェームスはGoogleやDeepMind、そして自身の会社の立ち上げを通じて、その最前線でキャリアを築いてきた。アトラシアン・ウィリアムズF1チームに迎え入れることができて非常にうれしく思う。我々は最前線で戦うという目標に向け、引き続きテクノロジーを中心に据えていく」

    ボウルズ改革の次なる一手
    今回の採用は、ジェームス・ボウルズが進めるウィリアムズ再建プロジェクトの一端を示すものでもある。

    かつては旧式の管理体制や非効率な業務プロセスが問題視されていたウィリアムズだが、ボウルズ就任後は組織改革とデジタル化を積極的に推進してきた。

    AIを専門とする最高情報責任者の招聘は、その流れをさらに加速させる動きと言える。2026年F1シーズンに向けて各チームがデータ活用能力の向上を競うなか、ウィリアムズはテクノロジー分野への投資によって復活への歩みを続けている。

  • F1パワーランキング カナダGP首位はハミルトン アントネッリは4連勝

    F1パワーランキング カナダGP首位はハミルトン アントネッリは4連勝

    2026年F1カナダGPではアンドレア・キミ・アントネッリが4連勝を達成したが、F1公式パワーランキングではルイス・ハミルトンがトップ評価を獲得した。

    F1公式パワーランキングは、5人の審査員がマシン性能を考慮せずに各ドライバーの週末全体のパフォーマンスを採点し、その平均点で順位を決定するものだ。

    1位 ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)
    ルイス・ハミルトンはカナダGPの週末を通じて明らかに表情が明るかった。フェラーリでのマシンとの一体感は序盤から高く、イベント前にチームのシミュレーターを避けるという判断も結果的に奏功した形だ。ハミルトンはスプリントと決勝の両方でチームメイトのシャルル・ルクレールを上回る位置からスタートし、最終的にフェラーリ移籍後ベストとなる2位表彰台を獲得した。

    2位 フランコ・コラピント(アルピーヌF1チーム)
    フランコ・コラピントは、マイアミでの好内容に続き、ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットでも上昇傾向を維持した。スプリントではわずかにポイントを逃したが、予選ではアルピーヌをQ3に進め、決勝では10番手から6位まで順位を上げた。これはコラピントにとってF1での自己最高成績であり、アルピーヌにとっても大きな収穫となった。

    3位 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
    マックス・フェルスタッペンとレッドブル・レーシングは、スプリント予選とスプリントで多くの課題を抱え、先頭集団に食い込むだけの手応えを得られなかった。しかし決勝では、マクラーレンのインターミディエイトタイヤ選択が裏目に出たことでチャンスが生まれ、フェルスタッペンは持ち前の粘り強さで表彰台圏内まで浮上した。

    4位 アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)
    アンドレア・キミ・アントネッリは、マイアミではジョージ・ラッセルに対して大きな優位を築いていたが、カナダではチーム内の差が再び縮まった。メルセデス勢は週末を通じて激しい直接対決を繰り広げ、決勝ではレースペースでわずかに余裕を見せたアントネッリが、ラッセルの技術的トラブルによるリタイアもあり勝利を手にした。

    5位 ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)
    ジョージ・ラッセルは、中国、日本、マイアミでアントネッリに敗れた流れを断ち切る必要があった。カナダではスプリント予選、スプリント、予選でトップに立ち、理想的な形で週末を始めた。しかし決勝では若きチームメイトを振り切れず、プレッシャーの中でロックアップを繰り返した末、マシンが停止。強さと痛恨が同居する週末となった。

    6位 アービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)
    アービッド・リンドブラッドはジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで中団勢の主役のひとりとなった。スプリント予選では8番手を獲得し、そのポジションを生かしてスプリントで最後のポイントを獲得。さらに決勝用予選でもQ3進出を果たした。残念ながらギアボックストラブルによって決勝をスタートできなかったが、そのパフォーマンスは高く評価された。

    7位 カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)
    苦戦するウィリアムズに中国GPとマイアミGPで貴重なポイントをもたらしていたカルロス・サインツJr.は、カナダでも結果を残した。決勝では9位でフィニッシュし、さらにスリックタイヤではなくインターミディエイトタイヤでスタートした数少ないドライバーのひとりだったことを考えれば、その走りはより印象的だった。

    8位 リアム・ローソン(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)
    リアム・ローソンの週末はFP1でのマシントラブルによって幕を開け、その影響でスプリント予選にも参加できなかった。依然として不利な状況に置かれながらも、決勝用予選では12番手を獲得。決勝では周囲のアクシデントや混乱を生かしながら7位まで順位を上げ、レーシングブルズのポイント獲得に貢献した。

    9位 アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)
    数字だけを見れば、アイザック・ハジャーはレッドブル・レーシング昇格後最高となる5位フィニッシュを記録した。しかしレース内容は決して順調なものではなかった。ルクレールに対する激しいディフェンスでペナルティを受けたほか、黄旗区間で十分に減速しなかったとしてさらにペナルティを科された。それでも後続に対して十分なマージンを持っていたことで、大量ポイント獲得につなげた。

    10位 オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)
    ハースF1チームはアップデートパーツを投入したにもかかわらず、モントリオールでは苦しい週末を過ごした。スプリント予選、スプリント、予選では成果を挙げられなかったが、オリバー・ベアマンは決勝で16番手から10位まで順位を上げて貴重な1ポイントを獲得。チームにとって数少ない明るい材料となった。

    惜しくもトップ10入りを逃したドライバーたち
    トップ10入りまであと一歩だったのは、スプリントでは存在感を示したものの決勝でインターミディエイトタイヤ戦略により後退し、その後リタイアしたランド・ノリス、アストンマーティンをけん引しながらもシートトラブルで早々にレースを終えたフェルナンド・アロンソ、そして2026年の新規参戦チームであるキャデラックF1で有望なペースを見せながらサスペンショントラブルに見舞われたセルジオ・ペレスだった。

    カナダGP 2026年のF1世界選手権

  • マドリンク建設に暗雲 Dromo DesignがTilke Groupを著作権侵害で提訴

    マドリンク建設に暗雲 Dromo DesignがTilke Groupを著作権侵害で提訴

    2026年F1スペインGPの開催地となるマドリード市街地コース「マドリンク(Madring)」が、新たな法的トラブルに直面している。

    これまで建設計画を巡っては政治的な対立や工事の進捗をめぐる議論が続いてきたが、今回はサーキット設計そのものを巡る著作権問題が浮上した。イタリアのDromo Designが、後任としてプロジェクトを引き継いだTilke Groupを著作権侵害で提訴し、ドイツの裁判所が一部資料の使用差し止めを命じたことが明らかになった。

    Dromo DesignがTilke Groupを提訴
    マドリンクの設計は当初、イタリアのDromo Designが受注していた。しかし2025年9月、発注元であるIFEMAは契約を解除し、その後プロジェクトはTilke Groupへ引き継がれた。

    Dromo Designの創設者兼CEOであるヤルノ・ザッフェリは、Tilke Groupが同社の著作権で保護された設計資料や図面、モデル、開発手法を利用して工事を継続していると主張している。

    ザッフェリはスペイン紙『El País』に対し、「これは特権を求める話ではない。契約が尊重されるべきだということだ」と述べた。

    さらに、「IFEMAは我々の設計、図面、モデル、そして手法を非常に明確な条件の下で受け取った。もしそれらの資料が、その条件を無視したままマドリードGPの建設や改良、宣伝、商業利用に使われるのであれば、それはスポーツの問題ではなく法的な問題だ」と訴えた。

    Dromo Designは巨額の損害賠償を求めており、訴訟はドイツ・ケルンの裁判所で進められている。

    ドイツ裁判所は一部差し止めを命令
    訴訟を審理しているドイツの裁判所は、独立した鑑定人による調査を実施。その結果、Tilke GroupがDromo Designによって作成された文書を保有していることを確認した。

    これを受け裁判所は暫定措置として、Tilke Groupが当該資料を使用することを禁じる命令を出している。

    もっとも、この判断は著作権侵害そのものを最終認定したものではなく、あくまで訴訟継続中の保全措置という位置付けだ。

    IFEMAは全面否定
    一方で、マドリンク計画を主導するIFEMA側は冷静な姿勢を崩していない。

    広報担当者は『El País』に対し、「IFEMAは2025年9月、公共契約法に基づいてDromoとの契約を解除した。それは契約記録に完全に文書化され、Dromoにも通知された重大な契約不履行によるものだった」と説明した。

    さらに、「Dromoはこの契約解除に対して正式な異議申し立てを行っていない」と主張した。

    また、Dromo Designが過去に提起した別の請求についても、すでに2度にわたり裁判所によって退けられたとしている。

    IFEMAは現時点で正式な訴状の通知も受けていないとし、自らの法的立場に自信を示している。

    スペイングランプリ

    マドリンクの象徴的なコーナー「ラ・モニュメンタル」のデザインはDromo Designが手掛けた

    スペインGP開催への影響は限定的か
    最大の関心事は、2026年9月に予定されるF1スペインGPの開催へ影響が及ぶかどうかだ。

    現時点では、その可能性は低いとみられている。

    今回の訴訟は建設差し止めを目的としたものではなく、主な争点は著作権利用に対する補償金の支払いだからだ。

    ザッフェリは、「我々の試算では、契約終了に関する請求額だけでも600万ユーロを超える」と説明している。

    さらに、「サーキットのイメージ、レイアウト、地図、映像コンテンツ、あるいは我々の設計から派生したあらゆる資産が利用されているのであれば、それらは別途評価されなければならない」と主張した。

    ただしザッフェリは、イベント開催そのものを妨害する意図はないと強調している。

    「我々はマドリードを止めたいわけではない。我々の仕事を利用するのであれば、正当な権利に基づき、正当な対価を支払ってほしいだけだ」と述べた。

    争点は開催可否ではなく知的財産権
    今回の訴訟で注目すべき点は、F1スペインGPの開催そのものよりも、サーキット設計に関する知的財産権の扱いにある。

    ドイツ裁判所がDromo Designの資料保有を認定したことで、今後はそれらの資料がどの程度マドリンク計画に利用されたのかが最大の争点となる見通しだ。

    仮にDromo Design側が勝訴した場合でも、現時点では工事停止やレース中止ではなく、多額の損害賠償が発生する可能性が高いとみられている。

    そのためマドリンク建設計画にとって最大のリスクは、2026年F1スペインGPの開催可否ではなく、完成後に発生する法的・財務的負担となりそうだ。

  • アストンマーティンF1のアップグレードは8月末 ストロール「一夜では起きない」

    アストンマーティンF1のアップグレードは8月末 ストロール「一夜では起きない」

    ランス・ストロールは、アストンマーティンが次の大規模アップグレードを夏休み明けのF1オランダGPまで投入しない見通しであることを明らかにした。

    アストンマーティンは今季ここまで各戦でアップグレードを投入しておらず、まずはパワーユニットに起因する振動問題の解決を優先してきた。開幕戦オーストラリアGPを前に、チーム代表のエイドリアン・ニューウェイは、振動の激しさによってストロールとフェルナンド・アロンソが神経損傷のリスクにさらされていると明かしていた。

    その問題はマイアミGPで解決され、ストロールとアロンソはそろって完走を果たした。ストロールは進展についてこう説明した。

    「そうだね、マイアミで振動を直せた。それは良かった」

    「レースを完走できたし、今季初めて2台ともチェッカーフラッグを受けた。それは一歩前進だったと思う」

    「そして今は、もっと多くのダウンフォースとパワーを見つける必要がある。それができれば、もっといい状態になる。だから、そこに集中している」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ただし、AMR26のパワーとダウンフォース向上はすぐには実現しない見込みだ。新パーツの投入時期について問われたストロールは、スパもしくはその次のザントフォールトになると語った。

    「スパか、その次のレースにアップグレードがある。どちらかは分からない。ザントフォールトだね」

    「それでトップ争いができるようになるのか? いや、そうではない。でも、こういうことは一夜で起きるものではない。みんな可能な限り懸命に取り組んでいるし、できるだけ早くラップタイムをマシンにもたらすために、できることはすべてやっている」

    振動問題の解消は、アストンマーティンにとって最低限の土台を取り戻す作業だった。だが、ストロールの発言は、チームがまだ競争力そのものを引き上げる段階には入っていないことも示している。

    夏休み明けまでアップグレードが届かないという事実は、アストンマーティンの開発計画が短期的な修正ではなく、中期的な再構築に近い性格を持っていることを物語る。ストロール自身も、それだけでトップ争いに加われるとは考えておらず、AMR26の改善にはなお時間が必要だと認めている。

  • マクラーレンF1 1000戦目に“1戦の謎” 2005年アメリカGPが鍵

    マクラーレンF1 1000戦目に“1戦の謎” 2005年アメリカGPが鍵

    マクラーレンは今週末の2026年F1モナコGPで、チーム史上1000回目のグランプリ参戦を祝う準備を進めている。

    ライバルのフェラーリが2020年F1トスカーナGPで1000戦目を迎えてから約6年。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリは、60年前にブルース・マクラーレン自身が初めてF1に参戦したモンテカルロの地で、この歴史的節目を迎えることになる。

    なぜ1000戦目ではなく999戦目に見えるのか
    マクラーレンの記録には、ひとつの“数え方の違い”が存在する。

    統計上では、マクラーレンは1003回のエントリーに対して998回のグランプリスタートとなっており、単純計算ではモナコGPは999戦目、そして次戦のバルセロナ・カタルーニャGPが1000戦目となるはずだ。

    しかしマクラーレンは、2005年アメリカGPを正式な参戦レースとしてカウントしている。

    2005年アメリカGPがカギ
    2005年のインディアナポリスで開催されたアメリカGPは、F1史上でも最も物議を醸したレースのひとつだった。

    当時ミシュランタイヤを使用していた7チームは、安全上の重大な懸念からフォーメーションラップ終了後にピットへ戻り、決勝をボイコットした。

    マクラーレンのドライバーだったキミ・ライコネンとファン・パブロ・モントーヤもその一員だった。

    結果的にブリヂストン勢3チーム、計6台だけがスタートしたため「6台レース」として知られている。

    それでも両ドライバーはグリーンシグナルとともにフォーメーションラップを開始していたため、マクラーレンはこのレースをチームの通算586戦目として正式に記録している。

    2026年中国GPはカウントされていない
    一方で、今季の中国GPでランド・ノリスとオスカー・ピアストリがスタートできなかったケースは記録に含まれていない。

    ノリスはガレージ内でトラブルに見舞われ、ピアストリもパワーユニットの電気系統トラブルによってグリッドからマシンを押し出されたため、両者ともフォーメーションラップを開始できなかった。

    マクラーレンは「フォーメーションラップを開始したかどうか」を基準としており、2005年アメリカGPと2026年中国GPの扱いが異なる理由はそこにある。

    60年の歴史で“スタートできなかった”のはわずか4戦
    この基準で見ると、マクラーレンが1966年F1モナコGPでデビューして以来、グランプリをスタートできなかったケースはわずか4回しかない。

    ■ 1966年ベルギーGP(ブルース・マクラーレンがスタートできず)

    ■ 1966年オランダGP(ブルース・マクラーレンがスタートできず)

    ■ 1983年モナコGP(ニキ・ラウダとジョン・ワトソンがともに予選落ち。マクラーレン唯一のダブルDNQ)

    ■ 2026年中国GP(ランド・ノリス、オスカー・ピアストリともにスタートできず)

    こうした歴史を踏まえると、マクラーレンがモナコGPを「1000戦目」と位置付ける理由は明確だ。チームは単なる決勝スタート数ではなく、「フォーメーションラップを開始したグランプリ」を正式な参戦記録として扱っており、その定義に基づけばモンテカルロでの節目は正真正銘の1000戦目となる。

  • F1ゲーム2026年版レーティング公開 アントネッリ83点にファンから疑問の声

    F1ゲーム2026年版レーティング公開 アントネッリ83点にファンから疑問の声

    2026年シーズン版としてアップデートされた公式F1ゲーム『F1 25』のドライバーレーティングが公開され、ファンの間で大きな議論を呼んでいる。

    2025年のF1世界王者はランド・ノリスだったが、総合評価(Overall)ではマックス・フェルスタッペンが95でトップ評価を維持。

    一方で、2026年シーズン序盤をリードするアンドレア・キミ・アントネッリが中団レベルの83評価に留まったことなどが話題となっている。

    フェルスタッペンが最高評価を維持
    Codemastersが公開したレーティングでは、マックス・フェルスタッペンが総合95で全ドライバー中トップとなった。

    ランド・ノリスは94、ジョージ・ラッセルは93、シャルル・ルクレールは92と続き、F1のトップ争いを繰り広げるドライバーたちが高い評価を受けた。

    また、ルイス・ハミルトンは経験値98、フェルナンド・アロンソは99とベテラン勢らしい数値を記録している。

    アントネッリの評価に疑問の声
    今回特に注目を集めているのがアンドレア・キミ・アントネッリの評価だ。

    2026年シーズン序盤でランキング首位に立つアントネッリだが、総合評価は83。これはオリバー・ベアマン、アイザック・ハジャーと同点であり、ピエール・ガスリーやバルテリ・ボッタスを下回る数値となっている。

    経験値70というルーキーらしい数字が影響しているものの、現在の実績を考慮すると過小評価ではないかとの声も上がりそうだ。

    ルーキー勢の評価は控えめ
    2026年のルーキーたちは全体的に慎重な評価となった。

    ガブリエル・ボルトレトは80、リアム・ローソンは79、フランコ・コラピントは73。さらにレッドブル・レーシングのアービッド・リンドブラッドは総合68と全ドライバー中最低評価となっている。

    リンドブラッドは経験値32、アウェアネス60と極めて低い数字が設定されており、将来性よりも実績不足が強く反映された形だ。

    ゲームと現実のギャップ
    ドライバーレーティングは毎年議論の対象となるが、今回も現実の成績とのギャップが指摘されている。

    特にアントネッリやオスカー・ピアストリの評価についてはファンの間でも意見が分かれそうだ。一方でフェルスタッペン、ノリス、ラッセルがトップ3を形成する構図については、多くのファンが納得できる内容と言えるだろう。

    今後のシーズンが進むにつれ、Codemastersがアップデートで数値を見直すのかにも注目が集まりそうだ。

    2026年版F1ゲーム ドライバーレーティング一覧
    ■ マックス・フェルスタッペン:95
    ■ ランド・ノリス:94
    ■ ジョージ・ラッセル:93
    ■ シャルル・ルクレール:92
    ■ ルイス・ハミルトン:91
    ■ オスカー・ピアストリ:91
    ■ フェルナンド・アロンソ:90
    ■ カルロス・サインツJr.:86
    ■ アレクサンダー・アルボン:85
    ■ ニコ・ヒュルケンベルグ:85
    ■ セルジオ・ペレス:85
    ■ ピエール・ガスリー:84
    ■ バルテリ・ボッタス:84
    ■ エステバン・オコン:84
    ■ アンドレア・キミ・アントネッリ:83
    ■ オリバー・ベアマン:83
    ■ アイザック・ハジャー:83
    ■ ガブリエル・ボルトレト:80
    ■ リアム・ローソン:79
    ■ ランス・ストロール:77
    ■ フランコ・コラピント:73
    ■ アービッド・リンドブラッド:68

    今回のレーティングはフェルスタッペンが依然として最高評価を維持する一方で、ランキング首位を走るアントネッリや急成長を続けるルーキー勢の評価について大きな議論を呼びそうだ。シーズンの結果が積み重なるにつれ、今後のアップデートでどのような修正が加えられるのかも注目される。