タグ: F1

  • F1解説:メルセデスとマクラーレン 同じPUでもギア比が生む決定的な差

    F1解説:メルセデスとマクラーレン 同じPUでもギア比が生む決定的な差

    2026年のF1では、パワーユニットの性能差ばかりが注目されがちだ。しかし、同じメルセデス製パワーユニットを搭載するメルセデスとマクラーレンを比較すると、実際にはギアボックスの設定がマシン特性に大きな影響を与えていることが分かる。

    マクラーレンは自社製ギアボックスを採用し、メルセデスとは異なるギア比を選択。結果として加速性能と最高速に明確な違いが生まれている。

    マクラーレンは加速重視のショートギアを選択
    マクラーレンはギアボックス内部のコンポーネントを含めて完全自社開発を行っており、メルセデスよりも短いギア比を採用している。

    チーム代表のアンドレア・ステラはカナダGPで次のように説明した。

    「選択したギア比には明確なメリットとデメリットがある。我々はメルセデスよりも短いギア比を採用している。それはスタート時の加速などで利点になる」

    実際に開幕からの5戦では、同じメルセデス製パワーユニットを使用しているにもかかわらず、マクラーレンの方がスタート加速で優位に立つ場面が多く見られた。

    短いギア比は後輪へ伝わるトルクを増大させるため、発進直後や低速域での加速力向上につながる。

    特にMGU-Kの電力アシストが本格的に介入する前の区間では、この効果が大きい。

    メルセデスはエネルギー効率を優先
    一方でメルセデスは比較的長いギア比を選択している。

    低速コーナーでもエンジン回転数を高く維持できるため、バッテリー充電効率の向上が期待できるからだ。

    2026年規則ではエネルギーマネジメントが極めて重要なテーマとなっており、ギア比の違いは単なる加速性能だけでなく、回生や電力運用にも影響する。

    メルセデスやレッドブル・レーシングが長めのギア比を採用している背景には、この考え方がある。

    マイアミとカナダで見えた最高速の差
    ギア比の違いはストレート速度にも現れている。

    マイアミでは予選中に1周あたり最大8MJのエネルギー回生が許可されていたが、モントリオールでは6MJに制限された。

    マクラーレンは短いストレートではメルセデスと互角の速度を示したものの、ストレートが長くなるにつれて徐々に不利になった。

    特にマイアミ予選ではターン11手前でその傾向が顕著となった。

    マクラーレンはターン16立ち上がりで発生した問題への対策として、ターン11ブレーキング前に「スーパークリッピング」を終了させるエネルギー運用を実施。その結果、長いストレート終盤では電力残量が減少し、短い8速ギアとの組み合わせによってメルセデスより10km/h以上遅い最高速を記録するケースもあった。

    カナダでも同様だった。

    第2セクターの短いストレートでは互角だったものの、最終シケインへ向かうロングストレートではメルセデスが明確な優位性を示している。

    ギア比の違いは2026年F1の重要テーマ
    ギアボックスのデータを見ると、マクラーレンは他チームより早い段階で8速へシフトアップしている。

    一方でメルセデスは高い速度域まで7速を保持し、ロングストレートでの速度維持を重視している。

    2026年レギュレーションではエネルギー回生と電力使用がラップタイムを左右するため、ギア比の設定はこれまで以上に重要な開発項目となった。

    マクラーレンはコーナー立ち上がりや加速区間で優位性を得る一方、メルセデスは長いストレートとエネルギー管理で優位性を発揮する。

    どちらが正解というわけではなく、それぞれが異なる方法でラップタイムを生み出しているのだ。

    マクラーレンは現状維持を選択
    2026年シーズンは特例として、各チームに1回だけギア比変更が認められている。

    しかしステラは現時点で変更を検討していないことを明かした。

    「現状には満足している。規則上は変更できるが、見直すことは考えていない。最も長いストレート以外では現在の構成が多くのメリットをもたらしていると考えている」

    つまりマクラーレンは最高速の弱点を理解しながらも、加速性能や低速区間で得られるメリットの方が大きいと判断している。

    メルセデスW17が様々なサーキットで安定して速さを見せている理由のひとつが、この長めのギア比によるエネルギー運用の自由度にある。一方でマクラーレンMCL40は、よりアグレッシブな加速性能を武器に異なる方向性で戦っている。

    同じパワーユニットを搭載していても、ギアボックスの設計思想ひとつでマシンの性格は大きく変わる。その好例が、2026年のメルセデスとマクラーレンの違いだ。

  • アウディF1のビノット「シャシーは4番手」 エンジン差解消は2028年目標

    アウディF1のビノット「シャシーは4番手」 エンジン差解消は2028年目標

    アウディF1のマッティア・ビノットは、チームが掲げる2030年のタイトル争いに向けたロードマップを改めて説明し、現在のマシンについて「グリッドで4番目に優れたシャシーを持っている」との見解を示した。

    一方で最大の課題はパワーユニットにあると認め、トップチームとのエンジン性能差を埋めるには時間が必要だと説明。2027年までの解決は現実的ではなく、2028年にライバルと肩を並べることを目標に据えていることを明かした。

    2030年タイトル争いへ段階的な計画
    マッティア・ビノットはF1公式ポッドキャスト「Beyond The Grid」で、アウディF1が短期的な成功を追い求めるのではなく、明確なロードマップに沿ってチームを強化していると説明した。

    「我々はチーム内で何度も話し合ってきた。2030年という目標を設定した一方で、そこへ到達するためのロードマップも持っている」

    「そのロードマップの第一歩は、まず競争力のあるチームになることだ。時にはダークホースとなり、その後は勝利を争う存在となり、最終的にはタイトル争いをするチームになることを目指している」

    ビノットによれば、2026年の目標は単純なポイント数やランキングではない。

    「競争力を持つということは、チームの一人ひとりが本当の意味で競争すること、そしてアウディであることの意味を理解することだ」

    「ただ参加するだけではなく、改善のためにあらゆる努力を尽くし、毎レースごとに基準を引き上げ続けることが重要だ」

    さらに、シーズン終了時にはファンやメディアから見てもチームの変化が分かる状態になっていることを期待しているという。

    「アウディがF1に参入し、本格的な存在になりつつあることを誰もが認識できるようになれば非常に満足だ」

    シャシーはグリッド4番手との自己評価
    アウディはジョナサン・ウィートリーをチーム代表に迎えたほか、英国拠点の設立やスイス・ヒンウィルの施設拡張など、組織強化を進めている。

    そのヒンウィルではシャシーと空力開発が行われており、ビノットは現行マシン「R26」の最大の強みがそこにあると語った。

    「シャシーについては非常に満足している。ドライバーとの議論だけでなく、GPSテレメトリーの分析からもそう言える」

    「まず風洞とシミュレーターの相関が非常に良好だった。エンジニアリングの観点では、プラットフォームとして最も重要な部分だ。我々のプロセスや手法は大きく前進した」

    さらにコーナリング性能について高く評価している。

    「我々のマシンはコーナーで本当に速い」

    「そして我々はシャシー性能だけを見れば、グリッドで4番手だと考えている。元々ザウバーだったチームがここまで到達したのは驚くべき成果だ」

    ビノットは、この結果がヒンウィルの組織改革や開発体制の改善による成果だと説明した。

    アウディ F1 マッティア・ビノット

    最大の弱点はパワーユニット
    その一方で、ビノットは最大の弱点がパワーユニットであることを隠していない。

    アウディのF1エンジンは同社初のF1パワーユニットであり、性能面やドライバビリティの両方でトップ勢との差が残っているという。

    「2030年へ向かう道の中で、次の大きなステップは2028年になると思う」

    「勝利や表彰台を争うためには優れたマシンが必要だ。それはインフラやプロセス、チーム規模だけの問題ではない」

    「現在トップチームとのギャップを測ると、最大の差はパワーユニットの性能、その制御、そしてドライバビリティにある」

    ビノットは、エンジン開発は空力開発よりも時間がかかると指摘し、根本的な改善にはハードウェア変更が必要だと説明した。

    「その差を埋めるには大きな前進が必要だ」

    「エンジンの開発サイクルは空力よりも長い。だから次の重要なステップは短期間で達成できるものではない」

    「現在のエンジンを改善し、ライバルと同じレベルに引き上げるにはハードウェアを変更しなければならない」

    「我々は2027年までにそれを実現することは不可能だと考えている。しかし2028年には正しいレベルへ到達できると見ている」

    アウディF1が示した現実的な成長シナリオ
    アウディF1の発言で興味深いのは、2030年タイトル獲得という長期目標を掲げながらも、現状を過大評価していない点だ。

    ビノットはシャシー面ではすでに一定の競争力を獲得したと自信を見せた一方、パワーユニットについては依然として大きな遅れがあることを率直に認めている。

    2026年の新レギュレーション下ではエンジン性能の重要性が高まっており、アウディにとって最大の課題はヒンウィルではなくドイツで開発されるパワーユニットの成熟にあると言えそうだ。

    そのためアウディは2027年の即時躍進ではなく、2028年にエンジン性能をトップレベルへ引き上げ、そこから勝利争いに加わるという現実的な成長シナリオを描いている。ビノットの発言は、その長期計画の現在地を示すものとなった。

  • マクラーレンF1 1000戦記念でノリスとピアストリのレゴヘルメット発表

    マクラーレンF1 1000戦記念でノリスとピアストリのレゴヘルメット発表

    マクラーレンF1とレゴグループは、チームのF1参戦1000戦目を迎える2026年F1モナコGPにあわせて、新たな共同開発商品を発表した。

    今回公開されたのは、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリの特別仕様ヘルメットを再現した「LEGO Editions」シリーズで、実際のドライバーが週末のモナコGPで着用するヘルメットと同じデザインが採用されている。

    1000戦記念カラーを再現した限定ヘルメット
    今回の製品は、マクラーレンの1000戦記念カラーリングをベースに、レゴのデザインチームと両ドライバーが共同で開発したものだ。

    初めてレゴミニフィギュア版のドライバーも同梱されており、ファン向けのコレクターズアイテムとして展開される。

    オスカー・ピアストリ版は793ピースで構成され、マクラーレンの象徴的なパパイヤカラーとピアストリお気に入りのブルーを組み合わせたデザインとなっている。

    ドライバー番号や1000戦記念マシンに施された特別グラフィックも再現されており、専用ミニフィギュアとサイン入りプレート付きディスプレイスタンドが付属する。

    一方、ランド・ノリス版も793ピース以上で構成され、ノリスの特徴的な蛍光カラーの“ブロブ”デザインを採用。2026年シーズンから使用するドライバー番号「1」もレゴブロックで表現されている。

    マクラーレン オスカー・ピアストリマクラーレン ランド・ノリス

    モナコGPで実物ヘルメットを初披露
    今回発売されたレゴモデルは単なる記念商品ではない。

    ノリスとピアストリが実際にモナコGPで着用する1000戦記念ヘルメットそのもののデザインソースとなっており、サーキットと商品が完全に連動する企画となっている。

    マクラーレンにとって2026年モナコGPはF1参戦1000戦目という歴史的な節目であり、チームは特別カラーリング「Never Quits」とあわせて週末を祝う予定だ。

    10年以上続く提携が生んだ新たな記念商品
    マクラーレン・レーシングの最高マーケティング責任者ルイーズ・マキューエンは、今回の企画について次のように説明した。

    「レゴグループとのパートナーシップは、創造性、イノベーション、そして次世代のファンを刺激するという共通の価値観の上に築かれています」

    「ドライバーたちのヘルメットデザインがレゴの創造力によって再解釈され、それが実際にモナコのサーキットで命を吹き込まれる姿を見ることは、両者が共に実現できることを示す力強い表現です」

    「遊び心があり、本物であり、そして我々の歴史を新しい世代へとつなげてくれます」

    レゴグループの最高製品・マーケティング責任者ジュリア・ゴールディンも、10年以上続く協力関係の成果だと語った。

    「10年以上にわたるパートナーシップの中で、マクラーレン・レーシングの1000戦という歴史的な節目にレゴの創造力を持ち込めることをうれしく思います」

    「ファンの皆さんは自宅で組み立てながら、F1の歴史の一部を形として残すことができます」

    また、レゴF1クリエイティブリードのダニエル・ミーハンは、両ドライバーも開発に積極的に関わったことを明かした。

    「ランドとオスカーは素晴らしいアイデアをたくさん提案してくれました」

    「ファンの皆さんには組み立てながらその工夫を発見してほしいと思います」

    1000戦記念イベントの象徴的アイテムに
    マクラーレンは2026年モナコGPとスペインGPを通じてF1参戦1000戦を祝う各種イベントを実施している。

    今回発表されたレゴ版ヘルメットは、その記念プロジェクトの中でも象徴的な商品となりそうだ。

    ノリスとピアストリが実際に着用する特別ヘルメットと同じデザインをファンが自宅に飾れることから、マクラーレンの1000戦を記念する代表的なコレクターズアイテムとして注目を集めそうだ。

  • キミ・アントネッリ「メルセデスF1はエンジンだけじゃない シャシーも強力」

    キミ・アントネッリ「メルセデスF1はエンジンだけじゃない シャシーも強力」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、モナコGPを前に行われたバンディーニ賞の記者会見で、2026年シーズンを席巻しているメルセデスW17の強みについて語った。

    2026年シーズンのF1はここまでメルセデスが5連勝を達成。パドックではその成功要因として強力なパワーユニットがしばしば話題に上るが、現在ドライバーズランキング首位に立つアントネッリは、それだけが理由ではないと強調した。

    「W17の強さはエンジンだけではない」
    モナコ市街地コースは、長いストレートが少なく低速コーナーが連続するレイアウトのため、パワーユニット性能の影響が比較的小さいサーキットと考えられている。

    そのため、これまでエンジン面で不利とされてきたチームにとっては、今季初勝利を狙う絶好の舞台になるとの見方もある。

    しかしアントネッリは、メルセデスがモナコでも依然として有力候補であると考えている。

    「僕たちのチームは本当に素晴らしい仕事をしている」

    「残念ながら多くの人は僕たちのエンジンのポテンシャルばかりを語る。でも、僕たちのシャシーも本当に優秀なんだ」

    「コーナーでもとても速いし、タイヤの消耗も少ない。シャシーの観点から見ても、僕たちは非常に良い状態にある」

    カナダGPまでの5戦でメルセデスが見せてきた安定した速さは、パワーユニットだけでなく、コーナリング性能やタイヤマネジメント性能の高さにも支えられているというのがアントネッリの見解だ。

    フェラーリF1の追撃には警戒
    今週末のモナコGPでは、各パワーユニットメーカーに適用される可能性があるADUO(性能調整措置)の内容も注目されている。

    アントネッリは、その恩恵を受ける可能性が高いメーカーのひとつとしてフェラーリを挙げ、今後の勢力図が変化する可能性を認めた。

    「どのチームがADUOを受けるのか分かることになる。そのひとつがフェラーリのようだ」

    「もし対象チームがこの機会をうまく活用できれば、確実に差は縮まるだろう。それにフェラーリはシャシー面でも良い状態にある」

    アントネッリは、フェラーリのSF-26について、プレシーズンテストの段階からシャシー性能の高さは示されていたと評価している。

    アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    鍵を握るのはパワーユニットの進化
    一方で、現時点では決勝でのタイヤデグラデーションがフェラーリの課題だと指摘した。

    「現時点ではフェラーリはレースになると少し苦戦しているように見える。特にデグラデーションが出る状況ではそうだ」

    「ただ、もし開発版のエンジンを投入できれば、確実に近づいてくるだろう」

    「とはいえ簡単ではない。エンジンからパワーを引き出すのは決して容易なことではないからだ」

    「それでも、もし正しい解決策を見つけることができれば、彼らはかなり接近してくると思う。そして僕たちにとって脅威になる可能性がある」

    モナコでも揺るがない自信
    アントネッリの発言からは、ライバル勢への敬意と警戒を示しながらも、現在のメルセデスの総合力に対する強い自信がうかがえる。

    モナコGPはエンジン性能の影響が小さい特殊なサーキットだが、アントネッリはW17の真の強みはパワーユニットだけではなく、優れたシャシー性能とタイヤの使い方にあると考えている。

    「今のところ、僕はチームが行っている仕事に非常に自信を持っている。それがドライバーとして大きな力になっている」

  • ランド・ノリス F1モナコGP予想「フェラーリがポールポジション」

    ランド・ノリス F1モナコGP予想「フェラーリがポールポジション」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、2026年F1モナコGPの予選でフェラーリがポールポジションを獲得すると予想した。開幕から5戦連続でポールポジションを獲得しているメルセデスの牙城が、モンテカルロで崩れる可能性があるとみている。

    カナダGPを終えた時点で、メルセデスは予選で圧倒的な強さを発揮している。しかしノリスは、モナコ特有の低速コーナー中心のレイアウトが勢力図を変える可能性があると考えており、その恩恵を最も受けるのはフェラーリだと指摘した。

    ノリスがフェラーリ優勢を予想する理由
    ノリスが注目しているのはフェラーリSF-26の低速域でのパフォーマンスだ。モナコでは最高速よりもトラクション性能やマシンの向き変えの良さが重要になるため、フェラーリが大きなアドバンテージを持つとみている。

    「モナコはまた全く違うタイプのサーキットだ」

    「だから本当の意味で僕たちの立ち位置を確認するのはバルセロナになると思うし、それを楽しみにしている」

    「モナコは昨年も僕たちにとって悪くないサーキットだった。正直に言うと、来週のモナコではフェラーリがポールポジションを獲ると思う。彼らの低速域でのパフォーマンスは他のどのチームよりも優れている」

    「だからモナコは楽しみだ。昨年は良い結果を残せたし、自分にとって最高の週末のひとつだった。でも僕たちが苦戦している領域を考えると、圧倒的な週末になるとは言えない」

    ノリスは、シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンのどちらかが予選最速タイムを記録する可能性が高いと考えている。

    モナコで強さを見せてきたフェラーリ
    フェラーリは近年のモナコで高い競争力を発揮してきた。

    シャルル・ルクレールは過去5回のモナコGPで3回のポールポジションを獲得しており、現在のSF-26の特性もモンテカルロに適していると考えられている。

    一方でメルセデスは2026年シーズンの予選を支配しているものの、モナコでは必ずしも圧倒的な実績を残していない。メルセデス勢による最後のモナコポールは、2019年のルイス・ハミルトンまでさかのぼる。

    そのため、通常のサーキットとは異なるモナコでは、フェラーリやマクラーレンにも十分なチャンスがあるとみられている。

    マクラーレンも前線争い継続を狙う
    もっとも、ノリスはフェラーリ優勢を予想しながらも、自らのチームの可能性を否定しているわけではない。

    カナダGPではマクラーレンがメルセデスに最も近い位置で戦っており、その流れを維持したいと語った。

    「少なくともカナダでは僕たちがメルセデスと戦えていた。だからその状態を維持して、プレッシャーをかけ続けなければならない」

    ただし、カナダで投入したアップデートをモナコで継続使用するかどうかは未定だという。

    「モナコではアップデートの効果が見えにくいし、本来のポテンシャルを引き出すのも難しい」

    「継続して使うかは分からない。まずは次回きちんと機能することを確認しなければならない。モナコで使う保証はないが、テストを行ってより良い形で機能させられるか確認する」

    ルクレールかハミルトンか 注目集まるフェラーリ
    2026年シーズンの予選ではメルセデスが全ポールポジションを獲得しているが、モナコは例年その常識が通用しないサーキットとして知られる。

    特に今年は、ルクレールの母国レースであることに加え、フェラーリがルクレールとの複数年契約延長を発表した直後でもあり、注目度はさらに高まっている。

    ノリスは、その週末の主役になるのはフェラーリだと予想する。

    モナコでメルセデスの連続ポール記録を止めるチームがあるとすれば、それはフェラーリであり、ポールポジション争いの中心にはシャルル・ルクレールかルイス・ハミルトンがいるとみている。

  • アストンマーティンF1 アレクサンダー・アルボンに接触との報道

    アストンマーティンF1 アレクサンダー・アルボンに接触との報道

    2027年のF1ドライバー市場で、アレクサンダー・アルボンの評価が急速に高まっている。フェラーリがシャルル・ルクレールとの契約延長を発表したことで、アストンマーティンは獲得ターゲットの見直しを迫られ、新たな候補としてアレクサンダー・アルボンに接触したと報じられた。

    さらにアルピーヌ、アウディ、そしてレッドブルもアレクサンダー・アルボンの動向を注視しているとされており、2027年に向けたドライバー市場の注目株となりつつある。

    ルクレール残留で次のターゲットはアレクサンダー・アルボン
    アストンマーティンは以前からフェルナンド・アロンソの後任候補を検討していた。

    アロンソの契約は2026年末で満了を迎える予定で、引退の可能性も取り沙汰されている。そのためローレンス・ストロール率いるチームは、将来のエース候補としてシャルル・ルクレールの獲得を目指し、マネジメント側と協議を行ったと報じられていた。

    しかしルクレールはフェラーリとの新たな複数年契約を締結。これによりアストンマーティンの計画は白紙となった。

    その結果、新たな候補として浮上したのがウィリアムズのアレクサンダー・アルボンだ。

    RacingNews365によると、アストンマーティンはカナダGPの週末にアルボン陣営へ接触したという。

    ウィリアムズ低迷でアルボンの将来にも注目
    アルボンは2022年からウィリアムズに所属し、チーム再建の中心人物として活躍してきた。

    しかし2026年シーズンのウィリアムズは苦戦が続いており、新レギュレーションへ向けて早期から開発リソースを集中したにもかかわらず、ここまでわずか7ポイントにとどまっている。

    チームメイトのカルロス・サインツJr.とともにフラストレーションを抱えているとされ、最近のレースではアルボンのボディランゲージにも不満が表れていると報じられている。

    アルボン自身の契約も2026年末で満了を迎えるため、2027年に向けて選択肢を探り始めているとの見方が強まっている。

    アウディとアルピーヌも接触
    もっとも、アストンマーティンが独占交渉できる状況ではない。

    報道によれば、アルピーヌとアウディもカナダGPでアルボンに接触したという。

    アルピーヌではフランコ・コラピントの契約状況が不透明なほか、アウディではニコ・ヒュルケンベルグが8月に39歳を迎えることから、将来的なラインアップ変更の可能性が指摘されている。

    経験豊富で安定したパフォーマンスを持つアルボンは、複数チームにとって魅力的な補強候補となっている。

    レッドブル復帰の可能性も消えていない
    さらに見逃せないのがレッドブルの存在だ。

    アルボンはかつてレッドブル・レーシングに所属しており、現在もオーナーのチャルーム・ユーウィッタヤとの良好な関係を維持しているとされる。

    報道では、もしマックス・フェルスタッペンが2026年末でF1を離れる場合、レッドブルがアルボンを候補リストに入れているとも伝えられている。

    現時点では具体的な交渉段階には至っていないものの、アストンマーティン、アウディ、アルピーヌ、そしてレッドブルという複数チームの関心が伝えられている状況だ。

    アストンマーティンはエイドリアン・ニューウェイやホンダとの大型プロジェクトを進めており、2027年に向けたドライバー選定はチームの将来を左右する重要なテーマとなる。その候補の一人として、アレクサンダー・アルボンの名前が急浮上している。

    【関連】
    ・2027年F1ドライバー市場の噂をRN365が特集 角田裕毅や平川亮の去就にも注目

  • フェルスタッペン レッドブルF1の弱点を懸念「モナコでは新しい背中が必要」

    フェルスタッペン レッドブルF1の弱点を懸念「モナコでは新しい背中が必要」

    マックス・フェルスタッペンはカナダGPで表彰台を獲得したものの、その結果はレッドブル・レーシング内部で高まる懸念を覆い隠すものではなかった。

    オランダ人ドライバーはカナダGPの週末を通じて、路面のバンプに対して神経質な挙動を見せるマシンに苦しめられており、F1で最も過酷な市街地コースであるモナコでは、その弱点がさらに露呈する可能性を懸念している。

    狭いコース幅、不均一な路面、そして悪名高い縁石を持つモナコでは、しなやかに路面へ追従するマシンが求められる。しかし現時点でフェルスタッペンは、レッドブルがそのようなマシンを手にしているとは考えていない。

    「路面が荒れている場所ではどこでも僕たちにとって厳しいことになる」とフェルスタッペンは Motorsport.com に語った。

    「それは今のマシンの哲学に関係している。バンプへの対応とダウンフォース量のバランスをどう取るかということだ」

    「まだ最適な状態ではない。マイアミではもう少し良かったけれど、あそこはそれほどバンピーではなかった。だから僕たちにとって適切なセットアップを見つけやすかったんだ」

    こうしたコメントは、次戦モンテカルロでのレースを前にした懸念を和らげるものではない。

    近年のモナコでレッドブルは好不調の波を経験しており、このコースでは純粋な速さ以上に乗り心地や安定性が重要になることも多い。

    モナコが究極の試練に
    もしモントリオールでRB22の弱点が露呈したのであれば、モナコではその問題がさらに拡大する可能性がある。

    低速コーナー、高低差、そして攻撃的な縁石の組み合わせは、モナコをドライバーとマシンの双方にとって最も厳しい週末のひとつにしている。

    フェルスタッペンは今後待ち受ける挑戦についてユーモアを交えながら語ったが、その言葉には明確な警告も含まれていた。

    「ああ、それは最高になりそうだね。新しい背中を注文しないといけないと思うよ」

    冗談の裏側には深刻な技術的課題がある。

    フェルスタッペンは、原因究明のための作業を続けているものの、レッドブルはまだ決定的な解決策を見つけられていないことを認めた。

    またカナダGP後には、週末のセットアップ方針についてチームと意見が一致していなかったことも明かしており、レッドブルが直面する繊細なバランス調整の難しさを浮き彫りにした。

    「原因が正確に分かっていればいいんだけどね。いくつか考えはあるし、今後はそこを重点的に取り組んでいくつもりだ」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    ローラン・メキースは楽観姿勢を維持
    フェルスタッペンがモンテカルロの市街地コースで厳しい週末を覚悟している一方で、レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、より冷静な見方を示している。

    レッドブルの2026年シーズンは復活の物語となっている。

    ミルトンキーンズのチームはシーズン序盤に苦戦を強いられ、自社製パワーユニットには競争力があったものの、RB22のシャシーは期待に届かなかった。

    マイアミで投入された大規模アップグレードによって大きな前進を果たしたが、乗り心地に関する問題は依然として解決されていない。

    それでもメキースは、この問題がチームの手に負えないものだとは考えていない。

    「2026年中に解決できないと考えるような問題は、まだ何ひとつ見えていない」とローラン・メキースはコメントした。

    「ファクトリーではあらゆる分析を行い、問題を解決するだけでなく、ラップタイム向上にもつながる解決策を探している」

    「というのも、問題だけを解決するのなら比較的簡単かもしれない。しかしそれでマシンが遅くなってしまっては意味がない。問題を解決しながらラップタイムも向上させなければならない。それが複雑なところだ」

    「我々は複雑な問題が好きだ。我々にはそうした課題がたくさんある。そしてシーズン序盤から根本的な問題を解決してきたのと同じように、今回もさらにいくつかの課題を克服できると確信している」

    しかし、レッドブルがそのパズルを十分な速さで解くことができるかは別問題だ。

    路面のバンプに苦しむマシンに対してモナコは容赦なく、そしてマシンへの信頼を失ったドライバーに対してはなおさら厳しい。

    フェルスタッペンにとって次戦はライバルとの戦いというよりも、RB22そのものとの耐久戦になるかもしれない。

  • ルイス・ハミルトン F1モナコGPへ自信「パワーが支配しない唯一のコース」

    ルイス・ハミルトン F1モナコGPへ自信「パワーが支配しない唯一のコース」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、2026年F1カナダGPでフェラーリ移籍後最高位となる2位表彰台を獲得した。その勢いを携え、次戦モナコGPに向けて強い自信を示している。

    2026年シーズンのフェラーリはコーナリング性能では高い評価を受けながらも、ストレートスピード不足に苦しんできた。しかし、エンジンパワーの重要性が比較的低いモナコ市街地コースは、その弱点を最小限に抑えられる舞台となる可能性がある。

    モナコはフェラーリの長所が際立つ舞台
    ハミルトンは、モナコが今季のフェラーリにとって大きなチャンスになると考えている。

    「パワーが支配するコースではない唯一のサーキットだと思う」

    「間違いなくマシン性能が重要になるし、僕たちのクルマはそこで本当に強いと思う」

    「今週末と同じエネルギーを持って現地入りできるように集中する。エンジニアたちとしっかり研究して、FP1からクルマを正しい位置に持っていけるようにしたい」

    モナコではオーバーテイクが極めて難しく、予選結果がレースの行方を大きく左右する。そのため、週末序盤から適切なセットアップを見つけることが重要になる。

    ハミルトンは、カナダGPで得た手応えをそのままモンテカルロへ持ち込みたい考えだ。

    フェラーリの最大の武器はシャシー性能
    現在のパドックでは、フェラーリSF-26がグリッド屈指のシャシー性能を持つとの評価が広がっている。

    今季のSF-26は高速域よりもコーナリング性能で強みを発揮しており、フェラーリ独自の排気流を活用したウイングレットコンセプトもライバル陣営の注目を集めている。

    さらに低速コーナー主体のモナコはフェラーリの特性と相性が良いとみられている。

    そのため、シャルル・ルクレールあるいはハミルトンが、今季ここまで全勝を続けているメルセデス勢の連勝を止める存在になるのではないかとの期待も高まっている。

    依然として残るストレートスピード不足
    一方で、ハミルトンはフェラーリの課題についても隠していない。

    カナダではコーナーやブレーキング区間でライバルに食らいつきながらも、ストレートに入るたびに差を広げられる状況が続いたという。

    「パワー不足さえなければ、僕たちは彼らと戦えている」

    「でも残念ながら今はそういう状況じゃない。正直なところ、もっとパワーが欲しいと思っている」

    「コーナーではついていけるし、追いかけることもできる。でもアクセルはこれ以上踏めない」

    「それなのに彼らはストレートで少しずつ離れていく。ブレーキングでまた追いついて、ストレートでまた離される。本当に難しい」

    「オーバーテイクして1秒以内に入っても、それでも相手は離れていく。それだけ彼らにはパワーがあるし、僕たちは大きく劣っている」

    ハミルトンの言葉からは、現在のフェラーリが抱える根本的な課題への苛立ちも垣間見える。

    ADUOがフェラーリ反撃の鍵となるか
    ただし、ハミルトンは近く導入される追加開発・アップグレード機会(ADUO)に期待を寄せている。

    新たな制度によって性能不足を抱えるメーカーに改善の余地が与えられる見込みであり、フェラーリもその恩恵を受ける有力候補とみられている。

    「この新しいルールによって、パフォーマンス改善に挑戦できることを本当に願っている。そうなれば僕たちも再び戦いに加われる」

    そして最後に、モナコへの期待をこう締めくくった。

    「でもモナコは楽しい週末になるはずだ」

    フェラーリにとって訪れた絶好の機会
    モナコはフェラーリの弱点を完全に消し去るコースではない。

    それでもストレート性能の影響が小さくなることで、SF-26本来のコーナリング性能やシャシー性能が最大限に発揮される可能性がある。

    カナダGPで移籍後最高成績を手にしたハミルトン、そして母国戦を迎えるシャルル・ルクレール。フェラーリにとって2026年シーズン初勝利の可能性が最も高い週末になるかもしれない。

  • エイドリアン・ニューウェイ F1モナコGPで復帰か アストンマーティンは忍耐強調

    エイドリアン・ニューウェイ F1モナコGPで復帰か アストンマーティンは忍耐強調

    アストンマーティンのアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、低迷する2026年シーズンの現状について「忍耐が必要だ」と強調し、エイドリアン・ニューウェイの存在が将来の成功につながるとの見方を示した。

    2026年シーズンのアストンマーティンは、ホンダ製パワーユニットのパフォーマンス不足やシャシー開発の遅れなどに苦しみ、厳しいスタートを切っている。

    その中で、今年チームに加わったエイドリアン・ニューウェイの姿がパドックでほとんど見られないことから、その役割や健康状態を巡る憶測も広がっている。

    スペインの報道によると、ニューウェイは今週末のF1モナコGPでアストンマーティンのガレージに姿を見せる見通しだという。ただしチームは現時点で正式な発表を行っていない。

    アストンマーティンには“我々のガウディ”がいる
    バルセロナGPのプロモーションイベントに出席したペドロ・デ・ラ・ロサは、バルセロナを象徴するサグラダ・ファミリアを引き合いに出しながら、ニューウェイを世界的建築家アントニ・ガウディになぞらえた。

    「厳しいグランプリになるだろう。シーズンがどのように始まったかは皆さんも見ていると思う。しかし我々の背後には大きな投資がある」とデ・ラ・ロサは語った。

    「今日ここに座って、このガウディによる素晴らしい建築物を見ていて思ったんだ。世界最高かどうかはともかく、間違いなく革新的な建築家だった」

    「そして我々にも“ガウディ”がいる。それがエイドリアン・ニューウェイだ」

    結果が出るまでには時間が必要
    デ・ラ・ロサは、アストンマーティンの大規模プロジェクトが成果を上げるまでには時間がかかると説明した。

    「複雑な時期になると思う。しかし我々には将来に向けた素晴らしいプロジェクトがある」

    「チームというものは人でできている。我々には非常に優秀な人材と素晴らしい設備がある。今必要なのは少しの忍耐だけだ」

    「夏の間に少しずつ我々のポテンシャルを示し始めることになるだろう」

    この発言は、元トロロッソ代表のフランツ・トストが最近、「健康状態が許すなら、ニューウェイの指揮の下でアストンマーティンは成功できる」と語ったこともあり、チームの将来に対する関心が高まる中で飛び出したものだ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソの引退はまだ先?
    デ・ラ・ロサは、44歳となったフェルナンド・アロンソの将来についても言及し、現時点で引退を語るのは時期尚早だと主張した。

    「彼にはまだ多くのレースが残っている。引退しないことを願っている」

    そして、アロンソの考えがいかに変わりやすいかを示すエピソードも明かした。

    「2024年シーズン開幕前、彼は私に『引退するつもりだ』と言ったんだ」

    その言葉を信じたデ・ラ・ロサは、アロンソ最後のシーズンになると考え、全レースに帯同する計画を立てたという。

    しかし数戦後、アロンソの考えは変わった。

    「中国だったと思う。フェルナンドが私を脇に呼んで『あと2年契約を延長するつもりだ』と言ったんだ」

    「私は『2年も? 今年で引退するんじゃなかったのか?』と聞いた」

    「すると彼は『いやいや、あと2年やりたいんだ』と答えた」

    アストンマーティンの未来を左右する存在
    アストンマーティンは2026年からホンダとのワークス体制を開始し、さらにエイドリアン・ニューウェイというF1史上屈指の設計者を迎え入れた。しかし開幕から5戦を終えた段階では、その効果はまだ結果として表れていない。

    それでもチーム内部では悲観論は強くなく、デ・ラ・ロサの発言からは「時間さえ与えられれば巻き返せる」という確信がうかがえる。

    モナコでニューウェイが本当に現場復帰を果たすことになれば、低迷するアストンマーティンにとって象徴的な一歩となるかもしれない。そしてその先には、ホンダとの本格的な開発体制が動き出す2027年以降の大きな飛躍が見据えられている。

  • F1のV8エンジン回帰論は「我々にとって良いこと」 フォーミュラE CEOが歓迎

    F1のV8エンジン回帰論は「我々にとって良いこと」 フォーミュラE CEOが歓迎

    2026年F1レギュレーション導入からわずか数戦で、パワーユニットの将来を巡る議論が加熱している。電動出力比率を50%まで高めた新世代パワーユニットにはドライバーや関係者から批判の声が相次ぎ、FIAのモハメド・ビン・スライエム会長やF1のステファノ・ドメニカリCEOも2030年以降のV8エンジン復活を支持する姿勢を示している。

    そうした流れを、意外にも歓迎しているのがフォーミュラEだ。シリーズCEOのジェフ・ドッズは、F1が再び内燃機関中心へ回帰することは、電動カテゴリーであるフォーミュラEの価値をむしろ高めると主張している。

    F1が認めた「想定外の現実」
    ドッズはスペインのSoy Motorに対し、まずF1が現状を認識し方向修正に動いていることを評価した。

    「まず彼らを評価しなければならない。期待していたようには進んでいないことを認識し、その声に耳を傾けて変化を起こそうとしているからだ」とドッズは語った。

    「どんな組織でも、フィードバックに反応し課題へ対応する能力が必要だ。その点は高く評価すべきだと思う」

    2026年から導入された新レギュレーションでは電動出力の比率が大幅に引き上げられた。しかし、その影響でエネルギーマネジメントへの依存度が増し、ドライバーから不満の声が上がっている。

    マックス・フェルスタッペンは新世代F1マシンについて「ステロイドを打ったフォーミュラEのようだ」と評したことでも話題となった。

    「予想外ではなかった」
    ドッズは現在の状況について、多くの関係者にとって予見可能なものだったと指摘した。

    「おそらく驚くようなことではなかったし、驚くべきでもなかったと思う。難しくなることは分かっていた」

    「期待していた通りにならなかった部分はあるかもしれないが、多くの人はこうした状況になる可能性を予想していたと思う」

    この発言は、現在パドック内で進んでいる2027年以降のパワーユニット見直し議論とも重なる。メルセデスやレッドブルはFIA案を支持する一方で、アウディなどは慎重姿勢を示しており、すでに妥協案の模索も始まっている。

    フォーミュラEにとっては追い風
    興味深いのは、ドッズがF1の方向転換をフォーミュラEにとっての好材料と捉えている点だ。

    「彼らが変更することは我々にとって良いことだと思う。なぜなら彼らは内燃機関の選手権であり、我々は電動選手権だからだ」

    「非常に分かりやすい話だ」

    近年のF1は電動化を強く推進してきたが、その結果としてフォーミュラEとの立ち位置が曖昧になるとの指摘もあった。

    しかしF1がV8エンジンへ回帰し、フォーミュラEが完全電動カテゴリーとして進化を続ければ、両シリーズの個性はこれまで以上に明確になる可能性がある。

    V8復活はまだ遠い未来
    もっとも、ドッズはV8復活を期待するファンやドライバーに対し、実現までは長い時間がかかると指摘した。

    「2030年や2031年はまだかなり先の話だ」

    「もしF1ドライバーがV8復活を楽しみにしているなら、そこへ到達するまでの3〜4年を楽しみに待たなければならない」

    「かなり長く感じるだろう」

    実際、現在の2026年F1パワーユニットはメーカー各社が莫大な投資を行って開発しており、短期間で放棄することは現実的ではない。

    パドックで広がるV8支持論
    それでもV8復活を支持する声は日に日に大きくなっている。

    モハメド・ビン・スライエム会長は2030年または2031年までのV8復活を公言しており、ステファノ・ドメニカリCEOも同様の考えを示している。

    一方で、ベテラン記者のロジャー・ブノワは現行レギュレーションに極めて厳しい見方を示した。

    「私にとって、ここまでは完全な失敗だ」

    「ルールは単純であればあるほど良いという古い格言がある。それはサッカーにもF1にも当てはまる」

    さらにブノワは現在のエネルギーマネジメント中心の競技性についても疑問を呈した。

    「私はこのエネルギーマネジメントシステム全体に非常に批判的だ。マックス・フェルスタッペンは最初から正しかった」

    「今なおこれほど議論されているという事実自体が、根本的に何かがおかしいことを示している」

    F1が電動化路線を修正しつつある今、皮肉にもその恩恵を受ける可能性があるのはフォーミュラEかもしれない。両カテゴリーの役割が明確になれば、モータースポーツ全体としても新たなバランスが生まれることになりそうだ。