タグ: F1

  • F1オーストリアGP 決勝 結果・タイムシート:ジョージ・ラッセルが優勝

    F1オーストリアGP 決勝 結果・タイムシート:ジョージ・ラッセルが優勝

    2026年F1オーストリアGP 決勝の結果・タイムシート。6月28日(日)にレッドブル・リンクで2026年のF1世界選手権 第8戦 オーストリアグランプリの決勝レースが行われた。

    優勝はジョージ・ラッセル(メルセデス)。2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が続いた。アストンマーティン・ホンダはフェルナンド・アロンソは18位、ランス・ストロールがリタイアだった。

    ■ ラッセルがポール・トゥ・ウイン 今季2勝目を達成
    ジョージ・ラッセル(メルセデス)がポールポジションから好スタートを決め、レースを通して首位を譲ることなく今季2勝目を飾った。終盤はマックス・フェルスタッペンが新品タイヤで差を詰めたが、ラッセルは冷静なレース運びでトップチェッカーを受けた。

    ■ フェルスタッペン猛追も2位 アントネッリは0.375秒差の3位
    フェルスタッペンは終盤にラッセルとの差を急速に縮め、勝利を懸けて最後まで追い上げを続けた。しかし逆転には届かず2位でフィニッシュ。一方のキミ・アントネッリも終盤にフェルスタッペンへ迫り、わずか0.375秒差まで接近したものの3位となった。

    ■ ピアストリ4位 ハミルトンとの攻防を制す
    オスカー・ピアストリはレース終盤までルイス・ハミルトンからプレッシャーを受けながらもポジションを守り切り4位を獲得。ハミルトンは3ストップ戦略で追い上げを見せたが5位に終わり、フェラーリ勢は表彰台獲得を逃した。

    ■ レーシングブルズがダブル入賞 ローソン9位 リンドブラッド10位
    レーシングブルズはリアム・ローソンが9位、アービッド・リンドブラッドが10位でフィニッシュし、2台そろってポイントを獲得。予選での好位置を生かした安定したレース運びで、中団勢との争いで貴重な結果を残した。

    ■ フェラーリは苦戦 ルクレール8位に終わる
    シャルル・ルクレールは序盤こそ上位争いに加わったものの、タイヤの消耗に苦しみ順位を落とした。終盤にはランド・ノリスにも先行を許して8位でチェッカーを受け、フェラーリは期待されたレースペースを発揮できなかった。

    ■ キャデラック2台を含む4台がリタイア
    セルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスはブレーキのオーバーヒートにより序盤でリタイア。さらにカルロス・サインツJr.は電気系トラブル、ランス・ストロールはERSトラブルで戦列を離れ、高温コンディションの厳しいレースとなった。

    F1オーストリアGP 決勝 結果・タイムシート

    順位 No ドライバー チーム GAP INT POS PIT
    1 63 ジョージ・ラッセル メルセデス ― ― - 0 2
    2 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル +1.611 +1.611 ↑ 3 2
    3 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス +1.986 +0.375 ↑ 1 2
    4 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン +21.809 +19.823 ↑ 3 2
    5 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ +26.393 +4.584 ↓ 2 3
    6 6 アイザック・ハジャー レーシングブルズ +29.399 +3.006 ↑ 2 2
    7 4 ランド・ノリス マクラーレン +31.505 +2.106 ↓ 1 2
    8 16 シャルル・ルクレール フェラーリ +45.659 +14.154 ↓ 6 3
    9 30 リアム・ローソン レーシングブルズ 1L +40.471 - 0 2
    10 41 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ 1L +3.696 - 0 2
    11 98 ガブリエル・ボルトレト アウディ 1L +11.285 ↑ 1 2
    12 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ 1L +8.169 ↑ 2 2
    13 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ 1L +0.767 ↓ 2 3
    14 87 オリバー・ベアマン ハース 1L +23.426 ↓ 1 2
    15 43 フランコ・コラピント アルピーヌ 1L +2.970 ↑ 1 2
    16 31 エステバン・オコン ハース 2L +32.962 ↓ 1 2
    17 23 アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ 2L +2.150 ↑ 1 2
    18 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン 3L +53.220 ↑ 3 2
    DNF 18 ランス・ストロール アストンマーティン ― ― ↑ 3 2
    DNF 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ ― ― ↓ 3 1
    DNF 11 セルジオ・ペレス キャデラック ― ― ↓ 2 1
    DNF 77 バルテリ・ボッタス キャデラック ― ― ↓ 2 1
  • リアム・ローソン 決勝後に審議へ F1オーストリアGPでスタート手順違反の疑い

    リアム・ローソン 決勝後に審議へ F1オーストリアGPでスタート手順違反の疑い

    レーシングブルズのリアム・ローソンは、2026年F1第8戦オーストリアGP決勝後にスチュワードの審議を受けることになった。

    対象となっているのは、レッドブル・リンクでのプラクティススタートに関する手順で、レースディレクターの指示に従わなかった疑いが持たれている。審議は71周の決勝レース終了後に行われる予定だ。

    プラクティススタート手順違反の疑い
    FIAの審議資料によると、ローソンはレースディレクターの指示違反の疑いで調査対象となった。具体的には、グリッドへ向かうラップの前に実施したプラクティススタートに関する手順が問題視されている。

    現時点では、どのような行為が規則に抵触したのか詳細は明らかになっていない。ただし、指定されたプラクティススタートエリア以外でスタート練習を行った可能性があるとみられている。

    週末2件目のスチュワード案件
    ローソンは、今週末のオーストリアGPでスチュワードによる正式な審議対象となった2人目のドライバーとなった。

    予選ではチームメイトのアイザック・ハジャーが、セーフティカーライン間の規定タイムを超過したとしてスチュワードに召喚されたが、この件については警告処分にとどまっている。

    ローソンは9番グリッドから決勝に臨んでおり、審議の結果次第ではレース後にペナルティが科される可能性がある。

    今回の件は決勝後に審議されるため、現時点では処分の有無や内容は決定していない。FIAの判断によっては、ローソンの決勝結果に影響が及ぶ可能性がある。

  • フェラーリF1 カスタマーチームは新PU投入見送り ADUOアップグレードは部品不足

    フェラーリF1 カスタマーチームは新PU投入見送り ADUOアップグレードは部品不足

    フェラーリは2026年F1第8戦オーストリアGPで、ADUO(性能均衡措置)に基づくパワーユニット(PU)のアップグレード第1弾を投入した。しかし、この新仕様はカスタマーチームであるハースとキャデラックにはまだ導入されておらず、両チームは当面従来仕様を継続する方針だ。

    FIAの規則では、メーカーは新仕様のPUをカスタマーチームにも提供する義務があるが、フェラーリはすでにこの条件を満たしている。一方で、実際のレース投入については各チームの判断に委ねられている。

    小松礼雄代表「導入時期はまだ決めていない」
    ハース代表の小松礼雄は、新仕様PUをオーストリアGPで使用しない理由について質問されると、当初は「それはフェラーリに聞いてほしい」と笑顔でかわした。

    その後、改めて理由を問われると、次のように説明した。

    「今回はアップグレード版を使用しません」

    「いつ導入するかはまだ決めていません。この新しい仕様を使うことは義務ではありません」

    また、小松礼雄はフェラーリがレギュレーション上の義務を果たしていることも強調した。

    「我々のパートナーは規則を順守しています」

    背景にあるのはスペアパーツ不足
    ドイツメディア『Auto Motor und Sport』によると、新仕様PU自体はハースとキャデラックにも供給されている。

    しかし、フェラーリのADUOアップグレードは、モナコGP後にFIAから正式承認を受けて以降、開発と生産が急ピッチで進められたことから、交換用スペアパーツの在庫が十分に確保できていない状況だという。

    フェラーリは新仕様PUについて、レース投入可能な状態であり、レギュレーションにも完全に適合していると説明している。それでもハースとキャデラックは、十分な交換部品がないまま信頼性トラブルやクラッシュによる損傷リスクを負うことを避ける判断を下した。

    そのため、カスタマーチームへの本格導入は、生産体制が整うベルギーGP以降になる可能性があるとみられている。

    空力アップデートも投入
    フェラーリはオーストリアGPでPUだけでなく空力面の改良も投入した。

    新しいフロントウイングのエンドプレートに加え、排気口周辺やサイドガイドベーンにも変更を加えている。

    一方で、一部メディアは、フェラーリが金曜日にマシン後方の写真を公開しなかったことにも注目。今季話題となり他チームも模倣している「エキゾーストウイング」について、FIAが禁止を検討しているとの報道もあり、その関連性が憶測を呼んでいる。

    依然としてメルセデスが優勢との見方
    フェラーリは前戦バルセロナ・カタルーニャGPでルイス・ハミルトンが移籍後初優勝を飾り、タイトル争いへの期待を高めた。

    しかし、オーストリアGP初日の走行では依然としてメルセデスが優位との見方もある。

    フェラーリのブランドアンバサダーを務めるマルク・ジェネは、次のように分析した。

    「ターン1では、アントネッリのマシンがフェラーリよりどれだけよく曲がるかが肉眼でもはっきり分かる」

    「それに、キミはここではラッセルよりも明らかに速い」

    フェラーリはADUOによるPUアップグレードと空力改良を同時投入して戦闘力向上を図っているが、現時点ではカスタマーチームへの展開は見送られており、部品供給体制が整うベルギーGP以降に導入が進む見通しとなっている。

  • 「今季初めて3周とも同じデプロイメントで走れた」 アロンソが語るホンダF1の現状

    「今季初めて3周とも同じデプロイメントで走れた」 アロンソが語るホンダF1の現状

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1第8戦オーストリアGP予選で21番手に終わったにもかかわらず、無線で「近づいている」「いいラップだった」と前向きなメッセージを送った。その真意について、アストンマーティンとホンダが結果には表れない着実な改善を積み重ねていることへの評価だったと説明した。

    アストンマーティンはランス・ストロールも22番手に沈み、2台揃って最後尾グリッドとなった。

    一方で、チーム内部ではドライバビリティやギアボックス、エネルギーマネジメントなど、今季序盤から抱えてきた課題に改善の手応えを得ており、アロンソはその進歩を高く評価している。

    無線で語った「近づいている」の真意
    予選後、無線で前向きな言葉を発した理由を問われたアロンソは、冗談を交えながらその背景を説明した。

    「もちろん、あの無線はプライベートな会話だけどね」と笑いながら切り出したアロンソは、オーストリアの高地特性やエネルギーマネジメントへの対応に苦しみながらも、大きな前進があったと明かした。

    「FP1からドライバビリティやギアボックス、シフトダウン、シフトアップ、それにエネルギー供給の一貫性について大きく改善できた。今季前半はデプロイメントが安定せず、予選ではラップごとにストレートスピードやコーナー進入速度が違っていた」

    「今回はそこを重点的に改善した結果、今季で初めて3周とも同じデプロイメントで走ることができた。そのおかげで次のコーナーへの進入速度を把握した上で限界まで攻められた」

    結果以上に価値があった改善
    アロンソは、FP1から予選までの改善幅そのものが非常に励みになったと語る。

    「FP1から予選までの改善は本当に励みになった。僕たちは最後尾だけど、一番近いライバルだったキャデラックも大型アップグレードで前進していた。それでもチームはポイント争いや表彰台争いをしている時と同じ姿勢で仕事を続けている」

    「毎週最下位だと士気を保つのは簡単ではない。でもチームの誰一人として諦めていない。毎セッション、マシンを改善しようと全力で取り組んでいる」

    「ドライバーとしても、それが大きなモチベーションになる。チームが諦めない限り、自分も諦めるわけにはいかない。だから今日の無線は、FP1から予選まで改善できたことを素直に評価した気持ちだった」

    アップグレード投入前の重要な準備期間
    アストンマーティンでは、今後予定される空力アップグレードに向けて、パワーユニットやギアボックスの運用面を徹底的に改善する方針を取っている。アロンソも、このアプローチは極めて重要だと強調した。

    「その通りだ。仮にマイアミやカナダでアップグレードを投入していたとしても、デプロイメントやギアボックスといった細かな部分がまだ整っていなかったと思う」

    「新しいパッケージが来るまでの間に、そうした部分を改善する時間として使っている。決して小さな問題ではないし、ラップタイムにも大きく影響する要素だ」

    「順位はここ4戦と変わらない。でも今日の予選は、そのどれよりも満足感があった」

    ホンダとチームへの信頼は揺るがない
    最後にアロンソは、サーキットだけでなくファクトリーで働くスタッフやホンダの努力にも敬意を示した。

    「もちろん、ここだけではなくファクトリーでも同じだ。毎週ライバルとの差が広がっているように見える状況で、1000人ものスタッフのモチベーションを維持し、さらにパフォーマンスを追求するのは簡単ではない。それでも僕たちは団結している」

    「全員が全力で働いている。彼らは僕たちドライバーにとっても刺激になっている。僕たちはタイムシートを見るたびに悪いニュースしか感じられないけど、ガレージやミーティング、デブリーフ、そしてファクトリーを見ると、彼らがどれだけ高いレベルで努力を続けているかが分かる」

    「結果には表れていなくても、彼らは非常に高いレベルで仕事をしている。その姿を見ると、自分自身もさらに努力し、最高のパフォーマンスを発揮しなければならないと感じる」

    アストンマーティンはオーストリアGPでも最後尾に沈んだが、アロンソはラップタイム以上に運用面での改善を高く評価している。夏以降に予定される大型空力アップグレードへ向けて、チームとホンダは基礎部分の完成度を高め続けており、今回の予選はその積み重ねを実感できた一戦となった。

    【関連】
    ・フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1 AMR26Bに期待「3秒速くなれば最高」

  • F1オーストリアGP 決勝:持ちタイヤ数&タイヤ戦略予想

    F1オーストリアGP 決勝:持ちタイヤ数&タイヤ戦略予想

    2026年F1第8戦オーストリアGPは、メルセデスのジョージ・ラッセルがポールポジションからスタートする。しかし、レッドブル・リンクではポールポジションが勝利を保証するわけではない。

    高いタイヤデグラデーション(性能劣化)と路面温度55℃に達する酷暑が予想されるなか、決勝では2ストップ戦略が基本となる一方、状況次第では3ストップ戦略も有力な選択肢となる可能性がある。

    2ストップが本命 ハードタイヤ2セットが鍵
    ピレリのシミュレーションでは、最速戦略は「ミディアム→ハード→ハード」の2ストップとされている。

    この戦略では1回目のピットストップを17~24周目、2回目を44~52周目に行うのが理想とされる。

    この戦略を実行できるのはハードタイヤを2セット温存している7台で、偶然ではなく、その7台はいずれもグリッド上位7台を占めている。

    一方で、マックス・フェルスタッペンは異なる選択肢を残している。新品ハード2セットに加え、新品ミディアム2セットも温存しており、「ミディアム→ハード→ミディアム」の2ストップも選択可能だ。この戦略では18~24周目と44~50周目でのピットインが想定されている。

    同様の戦略はトップ10に入った他のレッドブル陣営のマシンにも用意されている。

    F1 オーストリアGP タイヤ戦略

    高温で3ストップ戦略も現実味
    10日前の予測では1ストップと2ストップの差はわずかだった。しかし現在は状況が大きく変化している。

    オーストリアは現在、ヨーロッパを襲う熱波の影響を受けており、決勝日は気温34℃、路面温度は55℃前後まで上昇する見込みだ。

    こうした高温条件ではタイヤ摩耗が大きく増加し、デグラデーションは前戦バルセロナ・カタルーニャGPとほぼ同水準になるとピレリは分析している。

    その結果、1ストップは現実的な選択肢からほぼ消え、3ストップが2ストップと互角、純粋な計算上ではわずかに速い戦略となっている。

    ただし、ピレリのモータースポーツディレクターであるダリオ・マラフスキは、交通状況など実際のレース要素を考慮すると3ストップは約5秒不利になると説明している。

    F1 オーストリアGP 持ちタイヤ数

    3ストップ戦略が現実味を帯びる最大の理由は、強力なアンダーカット効果にある。

    タイヤ劣化が大きいレースでは、新品タイヤへ早めに交換することで一気にポジションを奪える可能性が高まる。誰かが早めに動けば、それに対抗する形で各チームが次々とピットへ向かう「ピットストップ合戦」が始まる可能性もある。

    近年のレッドブル・リンクはオーバーテイクが多いサーキットだったが、今年は従来の3か所のDRSゾーンに代わってオーバーテイクモードが導入される。その効果は未知数であり、追い抜きやすさによって戦略も大きく左右されそうだ。

    F1 オーストリアGP タイヤパフォーマンス差

    アンダーカットが戦略を左右

    後方勢はソフトスタートも有力
    今年のC5ソフトタイヤは昨年より耐久性が向上しており、今週末はグレイニングやブリスターの兆候も確認されていない。

    そのため、2025年にニコ・ヒュルケンベルグが最後尾から9位まで追い上げたような「ソフト→ミディアム→ハード」の2ストップも魅力的な選択肢となる。

    この場合、1回目のピットは14~20周目、2回目は39~45周目が理想とされる。

    スタート時の高いグリップを生かせるため、後方グリッドだけでなく順位アップを狙うドライバーにとっても有効な戦略となる可能性がある。

    決勝は2ストップが基本戦略となる見通しだが、高温によるタイヤ摩耗、アンダーカット、オーバーテイクモードの効果など複数の要素が絡み合う。レース展開次第では3ストップへ切り替えるチームが現れ、戦略勝負がレース結果を大きく左右する一戦となりそうだ。

  • フェラーリF1代表 ADUO開発は「非常にリスクが高かった」 コスト制限下の舞台裏

    フェラーリF1代表 ADUO開発は「非常にリスクが高かった」 コスト制限下の舞台裏

    フレデリック・バスール代表は、フェラーリが2026年F1オーストリアGPで投入したパワーユニットのアップグレードについて、FIAのADUO制度の判定前から開発を進めていたことを明かし、「非常にリスクが高かった」と舞台裏を語った。

    2026年から導入されたADUO制度では、FIAが各メーカーの内燃エンジン(ICE)の性能を評価し、最も優れたメーカーを基準として、それより性能が劣るメーカーにのみ開発アップグレード枠が与えられる。

    フェラーリはレッドブル・フォードに次ぐ性能と判定され、追加開発の権利を得たが、その判定結果が出る前から開発を進めていたという。

    判定前から開発を進行「非常にリスクが高かった」
    バスール代表は、パワーユニット開発には長い準備期間が必要であると説明し、ADUO制度の判定を待たずに開発を進めた理由を明かした。

    「エンジンはリードタイムが非常に長く、一部の部品は完成まで何か月もかかる」

    「だからコストキャップの観点から見れば、ADUO、少なくともエンジンのステップ2を非常に早い段階で進めるのは、我々にとって非常にリスクが高かった」

    もしフェラーリがFIAから基準メーカー(ベンチマーク)に認定されていれば、アップグレード権利は与えられず、開発費だけが発生する可能性があった。そのため、制度判定前からの開発着手は大きな賭けだったという。

    一方でバスール代表は、今回投入したアップグレードによる性能向上については慎重な見方を示した。

    「だから今週末に大きなパフォーマンス向上を期待しているわけではまったくない」

    フェラーリはオーストリアGPで初のパワーユニットアップグレードを投入。金曜日は走行距離を稼ぐため旧仕様の練習用エンジンも併用しながら、新仕様を静かに実戦投入した。

    金曜は苦戦も「改善すべきはすべて」
    しかし、新パワーユニットを投入した初日のフリー走行では期待した結果は得られなかった。

    ルイス・ハミルトンはFP2を5番手、シャルル・ルクレールは8番手で終え、トップからはそれぞれ大きく離された。

    バスール代表は、その要因をスペインGPと似た環境条件に求めた。

    「今日はコンディションに少し苦しんだ。標高や気温、路面温度、そして空気温度という点では、バルセロナ・カタルーニャGPと少し似ていたと思う」

    「条件は全員同じだが、我々はかなり苦戦した。セットアップ、マシン、ドライビングなど、あらゆる面で改善しなければならない。明日はもっと良い仕事をしたい」

    さらに、タイヤマネジメントが鍵となったバルセロナ・カタルーニャGPとの違いについても言及した。

    「バルセロナではタイヤのデグラデーションがもっと大きく、それが少なくとも決勝では最大のパフォーマンス要因だった」

    「ただ、予選でもポールポジション争いはできていた。純粋なポテンシャルという意味では我々はそこにいる。ただ今は大きく離されているし、バルセロナでも金曜日は決して良くなかった」

    フェラーリは新しいパワーユニットを投入したものの、初日は期待した速さを見せられなかった。ただし、バスール代表はアップグレードの効果を短期的に判断するのではなく、まずはセットアップとマシン全体の最適化を優先すべきとの考えを示しており、予選以降で巻き返せるかが注目される。

  • レッドブルF1 メキース代表がフェルスタッペンに謝罪「完全にチームの責任」

    レッドブルF1 メキース代表がフェルスタッペンに謝罪「完全にチームの責任」

    レッドブルのチーム代表ローラン・メキースは、2026年F1オーストリアGP予選でクラッシュを喫したマックス・フェルスタッペンについて、ドライバーにケガはなく無事であることを明らかにするとともに、事故の原因はチーム側にあり「全面的に責任を負う」と謝罪した。

    フェルスタッペンはQ3最後のアタックでターン9に進入した際にRB22のコントロールを失い、グラベルを横切ってバリアにクラッシュ。自力でマシンから降りたものの、この事故により5番手で予選を終えることになった。

    メキース代表「マックスにチャンスはなかった」
    メキース代表は、まずフェルスタッペンの無事を報告した上で、事故は通常とは異なるメカニカルトラブルによるものだったと説明した。

    「この波乱の予選で最も重要なのは、マックスが無事だったことだ」

    「彼はQ3最初のアタックで素晴らしいラップを決め、最後のアタックでもターン9までは非常に速かった。しかし、そこでマシンを失ってしまった」

    「今回の事故のメカニズムは非常に特殊なものだった。我々はマシン後方の空力性能を失ってしまい、その結果、マックスにはマシンを立て直すチャンスがまったくなかった」

    「チームとして、この件について全面的に責任を負う。そしてマックスに謝罪したい」

    事故直後にはチームメイトのアイザック・ハジャーが、ストレートモードのリアウイングが正常に閉じなかった可能性を指摘していたが、メキース代表は詳細には触れなかったものの、チーム側の問題だったことを認める形となった。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    Q2は新品ソフト3セット戦略を優先
    メキース代表は、Q2でフェルスタッペンが1回のアタックのみで10番手通過となり、ピエール・ガスリーをわずか0.040秒上回って辛うじてQ3進出を決めた場面についても説明した。

    「Q2でマックスを2回目のアタックへ送り出さなかったのは、確かに非常に際どい判断だった」

    「しかし、決勝に向けて戦略の選択肢を増やすため、予選では新品ソフトタイヤを3セットだけ使用する方針を決めていた。そのためにはリスクを取る必要があると判断していた」

    結果的にフェルスタッペンはQ2突破には成功したものの、Q3ではマシントラブルによるクラッシュで上位グリッド獲得のチャンスを失うことになった。

    レッドブルは今回の事故についてドライバーに責任はないと明言しており、決勝では5番グリッドから巻き返しを目指す。

  • 2026年F1オーストリアGP 決勝スターティンググリッド

    2026年F1オーストリアGP 決勝スターティンググリッド

    2026年F1第8戦オーストリアGPの決勝スターティンググリッドが発表された。

    予選ではジョージ・ラッセル(メルセデス)がポールポジションを獲得。Q3終盤にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がターン9でクラッシュする波乱が発生したものの、ラッセルは黄旗区間で適切に減速したことが確認され、ポールポジションが維持された。

    フロントローにはシャルル・ルクレール(フェラーリ)が並び、3番手にはルイス・ハミルトン(フェラーリ)が続く。ランキング首位のキミ・アントネッリ(メルセデス)は4番手から決勝に臨み、クラッシュを喫したフェルスタッペンは5番グリッドを確保した。

    3列目にはランド・ノリスとオスカー・ピアストリのマクラーレン勢が並び、4列目にはアイザック・ハジャー、リアム・ローソン、アービッド・リンドブラッドとレッドブル陣営の3人がトップ10入り。11番手以下ではピエール・ガスリーがアルピーヌ勢最上位の11番手、アウディはガブリエル・ボルトレトとニコ・ヒュルケンベルグが12番手、14番手に並ぶ。

    一方、アストンマーティンはフェルナンド・アロンソとランス・ストロールが最後尾の21番手、22番手から追い上げを目指す。

    2026年F1オーストリアGP 決勝スターティンググリッド

    1番手:ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    2番手:シャルル・ルクレール(フェラーリ)

    3番手:ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    4番手:キミ・アントネッリ(メルセデス)

    5番手:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    6番手:ランド・ノリス(マクラーレン)

    7番手:オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    8番手:アイザック・ハジャー(レッドブル)

    9番手:リアム・ローソン(レーシングブルズ)
    10番手:アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)

    11番手:ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
    12番手:ガブリエル・ボルトレト(アウディ)

    13番手:オリバー・ベアマン(ハース)
    14番手:ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)

    15番手:エステバン・オコン(ハース)
    16番手:フランコ・コラピント(アルピーヌ)

    17番手:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    18番手:アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)

    19番手:セルジオ・ペレス(キャデラック)
    20番手:バルテリ・ボッタス(キャデラック)

    21番手:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
    22番手:ランス・ストロール(アストンマーティン)

    決勝はレッドブル・リンクで71周にわたって行われる。ポールシッターのラッセルが今季4勝目を挙げるのか、それともフェラーリ勢やアントネッリ、5番手から巻き返しを狙うフェルスタッペンが優勝争いに加わるのか、大きな注目が集まる。

    【関連】
    ・F1オーストリアGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)

  • フェラーリF1代表 ダブルイエロー議論も「レースコントロールを信頼する」

    フェラーリF1代表 ダブルイエロー議論も「レースコントロールを信頼する」

    フェラーリは2026年F1第8戦オーストリアGP予選でシャルル・ルクレールが2番手、ルイス・ハミルトンが3番手を獲得した。

    終盤にはマックス・フェルスタッペンのクラッシュによってイエローフラッグが提示される中、ジョージ・ラッセルがタイムを更新してポールポジションを獲得。それでもチーム代表のフレデリック・バスールは、メルセデスと互角に戦えたことを前向きに評価した。

    予選2番手・3番手を前向きに評価
    予選Q3終盤、ルクレールとハミルトンは一時1番手、2番手に並び、フェラーリがフロントロウ独占に迫る走りを見せた。しかし、その直後にフェルスタッペンが最終コーナー手前でクラッシュ。黄旗区間を通過したラッセルが減速しながらもタイムを更新し、ポールポジションを奪った。

    予選後、F1 TVのインタビューで、この結末に落胆しているかと問われたバスールは、それよりもチームの競争力を重視すると語った。

    「いや。まず前向きに受け止めているのは、2番手と3番手を獲得し、予選でメルセデスと戦える位置にいて、おそらく決勝でもいいペースを見せられることだ」

    「それが最も重要だ。まだシーズンは15戦残っているし、一番大切なのはパフォーマンスだからだ」

    イエローフラッグの運用については議論の余地があるとしながらも、最終的にはレースコントロールの判断を尊重する姿勢を示した。

    「今回の件については、メディカルカーが出動している状況でダブルイエローではなかったことが妥当だったのか、いくらでも議論できる」

    「それにミニセクターのデータもないので、5%減速したかどうかも確認できない。それでもレースコントロールを信頼するしかないし、私はその判断を尊重する」

    スクーデリア・フェラーリ

    ルクレールの復調に自信
    ルクレールはモナコとバルセロナ・カタルーニャGPで予選クラッシュを喫し、決勝でもリタイアが続いていたが、今回は2番手を獲得して巻き返しを果たした。

    しかしバスールは、ルクレールの速さそのものを疑ったことは一度もなかったと強調した。

    「心配していたのは、むしろ君たちジャーナリストの方だった。私は正直、まったく心配していなかった」

    「モナコでも最後のアタックではポール争いをしていて、マックスよりコンマ2秒速かった。バルセロナでクラッシュした時も非常にいいラップだった。速さはずっとあった」

    「ミスが続くとプレッシャーは大きくなるものだ。だから今回、いいラップをまとめてすべてを噛み合わせられたことは彼にとって良かった。でも速さ自体は最初からあった」

    決勝はタイヤマネジメントが鍵
    前戦バルセロナ・カタルーニャGPでは、フェラーリは優れたタイヤマネジメントと3ストップ戦略で勝利を飾った。しかし、バスールは同じ展開になるとは考えていない。

    「彼らは減速していても僕たちより速かった!」と冗談を飛ばしつつ、決勝は別の戦いになると語った。

    「でも毎日違うレースだ。2週間前にタイヤマネジメントがうまくいったからといって、明日もうまくいくとは限らない」

    「クリーンエアの中で走ること、自分たちのマシンとタイヤに集中することが大切だ。ライバルとの争いばかりを気にしてはいけない。前戦でもそれができたし、明日も同じことを目指したい」

    フェラーリは予選でメルセデスに一歩及ばなかったものの、フロントロウに迫る速さを示した。バスールは結果そのものよりも競争力を重視しており、決勝ではタイヤマネジメントとレース運びによって逆転を狙う構えだ。

    【関連】
    ・マックス・フェルスタッペン 黄旗対応に驚き「シングルイエローはクレイジー」

  • F1オーストリアGP予選 ピレリ総括「2ストップ中心も3ストップに勝機」

    F1オーストリアGP予選 ピレリ総括「2ストップ中心も3ストップに勝機」

    ジョージ・ラッセル(メルセデス)が2026年F1第8戦オーストリアGP予選でポールポジションを獲得した。レッドブル・リンクで行われた予選Q3では1分06秒113を記録し、2番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)に0.2秒以上の差をつける圧巻の走りを披露した。

    3番手にはルイス・ハミルトン(フェラーリ)が続き、ランキング首位のキミ・アントネッリ(メルセデス)は4番手。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は最後のアタックでアクシデントを喫したものの、最初のアタックタイムで5番手グリッドを確保した。

    ラッセルがソフトタイヤで最速タイム
    ラッセルは予選を通じてC5ソフトタイヤを使用し、4セットを投入。新品ソフトで臨んだ最後のアタックで最速タイムとなる1分06秒113を記録し、ポールポジションを手にした。

    単独アタックではソフトタイヤが最も高いパフォーマンスを発揮し、上位5人はいずれもフリー走行3回目からソフトタイヤを中心に予選への準備を進めていた。

    FP3でもラッセルが1分07秒096でトップタイムを記録。アントネッリは同じタイヤでの2回目のアタックで2番手タイムをマークし、ロングランでも好調さを見せた。

    予選日は気温36度、路面温度53度まで上昇する厳しいコンディションとなり、決勝でも同様の暑さが予想されている。

    ピレリ「2ストップが最有力」
    ピレリのモータースポーツディレクターを務めるダリオ・マラフスキは、決勝は2ストップ戦略が最も競争力の高い選択肢になるとの見方を示した。

    ミディアム(C4)とハード(C3)はロングランでほぼ同等のデグラデーション特性を示しており、グリップ面ではミディアムがわずかに優位だという。

    ミディアムスタートのチームは、ハードタイヤを2セット温存していれば、その2セットでレースを走り切る戦略が可能。一方でミディアムを2セット残している場合は、中盤をハード、終盤を新品ミディアムとするプランも考えられるとしている。

    オーストリアGP タイヤ

    ソフトスタートや3ストップも選択肢
    一部チームは土曜日のロングランでソフトタイヤもテストしており、スタート時の高いグリップを生かす戦略も検討されている。

    その場合は14~20周付近で最初のピットストップを行い、ミディアム、ハードへとつなぐ2ストップが想定される。

    さらにピレリは、ソフトスタートから全3種類のコンパウンドを使う3ストップ戦略にも可能性があると分析。シュピールベルクではアンダーカット効果が大きいため、早めのピットストップでライバルより先に動く戦略が有効になる可能性があるという。

    通常は交通の影響やオーバーテイクを考慮すると3ストップは2ストップより約2秒遅いと見積もられるが、クリーンエアを確保できれば逆に2ストップより速く走れる可能性もあると説明。マラフスキは、ハミルトンが同様の戦略で勝利を収めたバルセロナ・カタルーニャGPの例を挙げ、「リスクを取るチームが現れるかもしれない」と決勝の戦略戦を展望した。