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  • 【WEC】 ポルシェ、2年連続でマニュファクチュアラータイトルを獲得

    【WEC】 ポルシェ、2年連続でマニュファクチュアラータイトルを獲得

    ポルシェが、再び世界チャンピオンの座に輝いた。

    シュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンのスポーツカーブランドであるポルシェが、FIA世界耐久選手権のシーズン最終戦を待たず、革新的なル・マン・プロトタイプ、ポルシェ919ハイブリッドでマニュファクチュアラー部門のタイトルを獲得した。

    11月6日に上海で開催された6時間耐久レースにおいて、ティモ・ベルンハルト / ブレンドン・ハートレー / マーク・ウェバー組、およびロマン・デュマ / ニール・ジャニ / マルク・リーブ組が、それぞれ1位および4位でフィニッシュし、ポルシェが38ポイントを獲得した。

    これによりポルシェの合計ポイントは301となり、アウディ(222ポイント)およびトヨタ(207ポイント)が11月19日のバーレーンにおける最終戦でポルシェを上回ることが不可能となった。

    ポルシェAGの研究開発担当役員であるミヒャエル・シュタイナーは、現地でのタイトル獲得に際して、「ポルシェにとって2年連続となるマニュファクチュアラーチャンピオンシップのタイトル獲得は、919ハイブリッドの勇敢なコンセプトの正しさを改めて証明しました。ヴァイザッハで開発されたこのプロトタイプは、718 RS、904、917や956など、常に時代を先行していた歴史に残るポルシェのレースカーの仲間入りを果たしました。これらすべてのモデルがモータースポーツの歴史を塗り替え、市販車両の開発に大きく貢献してきました。これは、919ハイブリッドも同じです。私はチーム全員を誇りに思います」と述べた。

    LMP1担当副社長であるフリッツ・エンツィンガーは、「この大きな成功が達成できたのは、チームの多大な努力があったからこそです。メカニック、エンジニア、ドライバー、そして舞台裏の数多くの人々がタイトルに向けて懸命に戦ってきました。今日、昨シーズンに続きそれが報われました。これは、919ハイブリッドだけでなく、チームがどれほど優秀なのかを証明するものです。心の底から皆に感謝しています」と続けた。

    未来的なポルシェ919ハイブリッドにとって、これはサクセスストーリーの新たな章となる。2014年、このル・マン・プロトタイプ(LMP1)が独自のパワートレーンコンセプトとともにデビューした。ポルシェはル・マン24時間レースで2015年、2016年に総合優勝を果たし、通算18勝を挙げている。2015年は、若きチームにとって2年目のシーズンだったが、通算17回目のル・マン優勝に加えてポルシェはマニュファクチュアラーチャンピオンシップも手にした。
    昨年は、ベルンハルト / ハートレー / ウェバーが神経がすり減るようなバーレーンの最終戦でドライバー部門のタイトルを獲得した。現在、残り1戦の時点で、今年のル・マンで優勝したデュマ / ジャニ / リーブがドライバー部門をリードしている。これまでの24戦で、ポルシェ919ハイブリッドは13勝、15回のポールポジションを記録している。

    ポルシェ・チームがサーキットで栄冠を手にする一方、最も重要な成功はシュトゥットガルト近郊のヴァイザッハにあるポルシェ研究開発センターで達成されている。システム出力900PS(662kW)を発生する919ハイブリッドは、ポルシェ・モータースポーツと市販車両の開発チームが密接な連携を取って生まれた。内燃エンジンは、革新のダウンサイジングエンジン。このコンパクトな2リッターV4ガソリンエンジンにターボチャージャーが搭載され、ほぼ500PS(368kW)でリアアクスルを駆動する。フロントアクスルのブレーキエネルギーと排気エネルギーを利用する2系統のエネルギー回生システムにより生み出されたパワーは、リチウムイオンバッテリーに蓄えられる。このバッテリーのエネルギーを使用して、電気モーターがオンデマンドでフロントアクスルに400 PS(294 kW)以上の出力を供給する。

    919ハイブリッドシステムの設計において、ポルシェ・モータースポーツは先駆的な仕事をした。特に、高電圧技術の分野において、電気により未来の公道を走るスポーツカーの電圧レベルを調べるための実験室の役割を果たしている。このようにサーキットから得たフィードバックによって、市販車の開発陣が800 Vテクノロジーを採用した4ドアのコンセプトスタディであるミッションEを提唱するに至った。ポルシェ初となるEVスポーツカーは、2020年までに生産開始予定。

    関連:【動画】 2016 WEC 第8戦 上海6時間レース ハイライト

  • ポルシェ:2016 WEC 第7戦 富士6時間レース 決勝レポート

    ポルシェ:2016 WEC 第7戦 富士6時間レース 決勝レポート

    ポルシェのワークスチームがFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦する2台の919ハイブリッドは、富士スピードウェイで行われた6時間耐久レースで3位と5位に入賞した。

    これによって全9戦で争われるWECの7戦終了時点でポルシェはマニュファクチャラーズ選手権、ドライバーズ選手権ともにトップの座を維持している。トヨタは自身のホームサーキットで優勝を遂げた。244周に及ぶレースがフィニッシュした時、3つのマニュファクチャラーが参戦するLMP1クラスのトップ3台の差は僅か18秒だった。

    昨年のチャンピオンチームである、ティモ・ベルンハルト、ブレンドン・ハートレー、マーク・ウェバー組は2番手グリッドからスタートし、レース中はトップを快走する場面もありまったが、最終的には3位でレースを終えた。今年のル・マンウィナーであり現時点でのポイントリーダーであるロメイン・デュマ、ニール・ジャニ、マルク・リーブ組は6番グリッドからスタートし、マシンのバランス不足を抱えながら5位に入賞したものの、ドライバーズ選手権を争うチームがより多くのポイントを獲得したため、リードは23ポイントに減った。一方でマニュファクチュアラーズ選手権においてポルシェ(263ポイント)は、アウディ(204ポイント)に対するリードを広げた。トヨタは174ポイント。今シーズンのWECで、残るは2つの6時間レースとなる。

    富士山の麓で行われた6時間レース決勝は常時ドライコンディションの下で行われ気温は20℃前後だった。

    カーNo.1のレース展開
    スタートドライバーのマーク・ウェバーは序盤カーナンバーのアウディを追い続けた。21周目、以前F1ドライバー仲間であった小林可夢偉が駆ってハイペースを保つカーナンバー6のトヨタにポジションを譲りことになった。この時点でのポジションはトップがカーNo.8のアウディ、次にカーナンバーのトヨタ、そしてカーナンバーのポルシェという順位で、レース中、5回の給油とドライバー/タイヤ交換を含むピットストップの時を含めてこの前後関係はほとんど変わりはなかった。

    36周目、ウェバーからティモ・ベルンハルトへ交代し、73周目にはブレンドン・ハートレーがコクピットに乗り込む。110周目にウェバーが再びステアリングを握り、147周目にはまたベルンハルトへ交代する。雲が空を覆い路面温度が下がるにつれてカーナンバー1のポルシェは2位を走るトヨタに迫る。156周目、ベルンハルトはトヨタのステファン・サラザンに襲い掛かるが、一度は阻まれるが、次のラップ、ベルンハルトはオーバーテイクに成功し、トップを行くアウディとの差を縮める。そして183周目、トップに立つ。ピットストップの後、カーナンバー1はカーナンバー6の後ろの3番手でコースに復帰する。ニュージーランドのドライバーと小林は何度かポジションを入れ替る。小林可夢偉は2位を走行中にタイヤ無交換で最終ピットストップを行うが、ハートレーは220周でピットストップし、タイヤを交換してウェバーに最終スティントを託す。マーク・ウェバーはマシンのバランスに手を焼いてポジションを戻すことは叶わず、3位でチェッカードフラッグを受けることになった。

    カーNo.1のレース展開
    ロメイン・デュマはスタート直後に5番手へポジションを上げるが、1周後にはまた6番手に戻る。15周目、カーナンバー7のアウディにトラブルが発生して、ロメイン・デュマは自動的にポジションを上げた。無線からはリアの挙動が安定しないことを伝えてくる。36周を走り終えた後、ニール・ジャニが次に乗車し、ダブル・スティントをこなすことになった。コースインした直後、彼は前走車を追い上げることができたが、73周を終了してタイヤ交換した後、バランスの悪化に直面した。路面から拾ったタイヤ滓がフロントカウルに潜り込んだせいで空力に影響を及ぼした。このため110ラップ時点でのピットストップ時にフロントカウルを交換することになった。マルク・リーブはそのまま走り続け、147周目にデュマに交代し、183周目からはジャニが最後のスティントを担当した。このニール・ジャニは220ラップで給油ストップを行った時点でポジションを上げる可能性は消え、最終的に5位でフィニッシュした。

    レース後のコメント
    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「ル・マンから全てのレースで我々は勝ち続けてきました。今日は上位3台が最後まで僅差で争うエキサイティングなレースを戦い、ポディウムに上る事が出来ました。ホームグラウンドで優勝したトヨタの皆様を祝福いたします。同様にアウディの強力なパフォーマンスにも敬意を表します。今日のレースの結果、マニュファクチュアラーズ選手権においてさらに優位に立ちました。今シーズンもいよいよ残り2レースとなりましたが、最後まで精一杯戦います」

    アンドレア・ザイドル (チーム監督)
    「トヨタは勝利に値する素晴らしい戦いをしました。おめでとうございます。今日はレースを通して、彼らを上回るには少し力が足らなかったようです。2台の919ハイブリッドをドライブした6人の尽力には感謝しています。カーナンバー1はレースの半分以上に渡って前を行く2台を追いかける事が出来ましたが、残念ながら最後に履いたタイヤのセットでレースを勝つために充分なパフォーマンスを発揮できませんでした。カーナンバー2にとっては厳しい場面の多いレースでした。上海戦に向けて、今日起こった全ての出来事の分析をします。それでも919ハイブリット向きとは言えない富士で、マニュファクチュアラーズ選手権のポイント差は広げました。ドライバーズ選手権でもカーナンバー2は余裕あるリードを保っています」

    ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー1)
    ティモ・ベルンハルト
    「スタートを担当したマークから引き継いだスティントでは全て順調で、トヨタのステファン・サラザントとフェアなバトルが出来ました。一度は彼に抜き返されましたが、二度目のアタックで仕留めました。しかしトップのアウディに迫った時、LMP2クラスのマシーンを避けようとしてラインを外した際にタイヤカスを拾ってしまいました。耐久レースではよくある事ですが、特に富士ではたくさんのタイヤカスがコース上に落ちていたようです。タイヤに付着したゴムを取り除くのに時間を費やした結果、トップとの差は広がりました。トップの3台で素晴らしいレースが出来たと思います。2016年に富士で行われたこのイベントは、耐久レースの魅力が詰まっていました」

    ブレンドン・ハートレー
    「3番目にクルマに乗り込み、スムースなスティンでした。2度目のスティントではトヨタと良いバトルを戦いました。最後のピットストップで彼らはタイヤ無交換で、我々は新しいタイヤを履いてコースに戻りました。 タイヤの磨耗を考えれば当然の事ながら我々が有利になるはずでしたが、残念ながら3位に留まりました。3連勝の後だっだだけに、残念なレースでした。それでも力強いパフォーマンスを見せる事は出来ました」

    マーク・ウェバー
    「1ラップ目は全車がポジションをキープしました。その後は序盤にしてアウディとトヨタに突き放される厳しい展開の中、気温が下がると状況は良くなり何とかトップ争いに踏み止まる事ができました。2度目のスティントでは前を行く2代のピットストップで問題が起きたため、差が詰まりました。レースの殆どでトップ3は近い位置を走り、誰が勝っても不思議ではない展開でした。トヨタの勝利を祝福いたします」

    ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー2)
    ロマン・デュマ
    「スタートではリスクを取らなかったにも関わらずトラブルが発生し、クルマのコントロールに手こずりました。フロントのボディワークを調整しバランスを変更した後、だいぶ状況は改善されました。次のスティントではグリップを感じる事が出来ました。もちろん今日のレース結果に満足はしていません」

    ニール・ジャニ
    「レース序盤であまりに多くの時間を失いました。ドライバー交代せずに2つのスティトを続けてドライブしました。2度目のスティントでタイヤカスがフロントノーズを直撃してエアロダイナミクスのバランスが狂ったようです。ノーズを交換した後はトップのアウディと遜色ないペースで走れました。チャンピンになるには、まだまだ進歩が必要です」

    マルク・リーブ
    「難しい1日でした。バランスを失ったため運転するのが難しく、戦うにはクルマが遅すぎました」

    911RSRが参戦するGTE-Amクラスではメキシコシティーで勝利したポルシェカスタマーチムのKCMGが3位に入りポディウムに上がった。ポルシェワークスドライバーのリヒャルト・リーツ(オーストリア)とミヒャエル・クリステンセン(デンマーク)は、GTE-Proクラスで7位フィニッシュとなった。

    上海で行われるWEC第8戦は11月6日に開催される。

    関連:WEC 富士6時間レース 結果:トヨタがホームレースで今季初優勝!

  • ポルシェ:2016 WEC 第7戦 富士6時間レース 予選レポート

    ポルシェ:2016 WEC 第7戦 富士6時間レース 予選レポート

    ポルシェの919ハイブリッドは10月15日(土)午後に富士スピードウェイで行われたFIA世界耐久選手権(WEC)第7戦、富士6時間耐久レースの予選において2位及び6位となった。

    現世界チャンピオンであるカーナンバー1のティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組はフロントローから、現在チャンピオンシップポイントのリーダーであるカーナンバー2のロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ(ドイツ)組は6番グリッドから明日の決勝レースをスタートする。

    ポールポジションを獲得したカーナンバー8のアウディと2番グリッドのカーナンバー1のポルシェとの差は僅か0.025秒だった。このタイム差を距離に換算すると、2台の差は1.4mだった事になる。

    かつてF1日本グランプリの舞台であった富士山の麓に位置する全長4.549kmのサーキットにおけるポルシェのターゲットは、マニュファクチュアラー及びドライバータイトル連覇に少しでも近づくこと。数々の条件はあるが、結果次第ではここ日本でポルシェが両タイトルを獲得する可能性がある。決勝レースは明日10月16日午前11時にスタート予定。

    WECでは2名のドライバーによるベストタイムの平均でグリッドが決定する。富士スピードウェイにおいては、カーナンバー1ではベルンハルトとウェバー(1分23秒595で2番グリッド)が、カーナンバー2はジャニとリーブ(1分24秒134で6番グリッド)が予選アタックを担当した。

    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「今回の富士の予選は本当にギリギリの争いでした。ポールポジションと2位の差は1000分の25秒しかありません。もちろんいつも予選はぎりぎりの戦いですが、今年これほど熾烈な争いはありませんでした。決勝においても同じようにエキサイティングな激しいレースを期待せずにいられません。気象情報によると明日は少し涼しくなるようですが、我々にとって問題ではありません」

    アンドレアス・ザイドル (チーム代表)
    「またしても非常にスリリングな予選を通じて我々は何とか919ハイブリッドをフロントローに戻すことができました。富士スピードウェイのような極端に長いストレートを持つ特殊なサーキットでも我々が十分な戦闘力を持つことを証明できました。ティモもマークも完璧なアタックを決めてくれ、ポールポジションとの差は本当に紙一重でした。ニールとマルクの2号車が何故、完全な戦闘力を発揮できなかったかはこれから分析します。朝のプラクティスでは、2台とも決勝ペースではいいタイムで走れることを確認していますので、明日のスタートを楽しみにしています」

    ポルシェ919ハイブリッド カーナンバー1
    ティモ・ベルンハルト
    「言い訳するような必要はまったくありません。我々は必死にアタックして、ポールポジション獲得の可能性もありました。もちろん残念ではありますが、100分の3秒届かなかったということです。マークは2回にわたって完璧なアタックラップを敢行し、 私もいいタイムを出すことができました。もう一度予選について分析をしたら、決勝レースへ向けて頭を切り替えるべきです。明日こそが本当の勝負なのですから」

    マーク・ウェバー
    「今日のポールポジション争いは実に素晴らしいものでした。もちろん我々にとって満足のいく結果ではありませんでしたが、ティモも私も自分のベストラップには満足していますし、決勝レースへ向けての準備は整っています」

    919ハイブリッド カーナンバー 2
    ニール・ジャニ
    「今回の予選は我々にとっていいものではありませんでした。我々はじっくりと分析してなぜこういうことになったか原因を分析する必要があります。個人的にも完璧なアタックラップを決めることができませんでしたし、マシーンも完璧とはいえませんでした。いずれにしても明日に向けてすべてが正しく機能するよう確認する必要があります。どんなに厳しいバトルになったとしても、本当に熱い戦いになるはずです」

    マルク・リーブ
    「6番手グリッドは決して嬉しいものではありません。カーNo.1のクルーは可能な限りひとつにまとめましたが、我々はそれができませんでした。今日はエキサイティングな一日でしたがトラフィックに捕まるという不運もありました。各車の差はほんの僅かです。もし0.2〜0.3秒でもロスをしたら6番手になってしまう、そういうことです」

  • ポルシェ:2016 WEC 第7戦 富士6時間レース プレビュー

    ポルシェ:2016 WEC 第7戦 富士6時間レース プレビュー

    ポルシェは、919ハイブリッドで10月14日〜16日に富士スピードウェイで開催されるFIA世界耐久選手権(WEC)の第7戦に参戦する。

    この6時間耐久レースは、ポルシェにとってタイトル防衛と言うミッションに向けた重要なレースとなる。919ハイブリッドによるル・マン24時間などの勝利によって、ポルシェは世界選手権のマニュファクチュアラー部門において238ポイントを獲得し、アウディ(185ポイント)およびトヨタ(137ポイント)をリードしている。

    また、ドライバー部門では、ロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)が130ポイントで首位を走っている。このトリオは、アウディのドライバー達に37.5ポイント差、続くトヨタに38ポイント差をつけている。優勝ドライバーには25ポイントが与えられるため、計算上、日本でタイトルが決定する可能性もある。もう1台の919ハイブリッドのドライバー、ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組は直近の3レースで優勝し、ドライバー部門で一気に4位(78.5ポイント)へ浮上した。

    絵に描いたような富士山の麓にある富士スピードウェイは、セッティングを出すのが非常に難しいサーキット。1.5 kmの長いストレートでは、空気抵抗を最小限に抑える必要がある。一方、1周4.549 kmの短いサーキットに設けられた16個の非常にタイトなコーナーでは、ダウンフォースが必要ですが、WECでは空力関係の変更が制限されている。このサーキットに合わせた厳密なチューニングは困難で、その上、トップカテゴリーであるル・マン・プロトタイプ1(LMP1)における争いは熾烈を極め、ほんのわずかな優劣が勝敗を分ける。

    ヴァイザッハで開発されたポルシェ 919ハイブリッドは、システムの総合計で900 PS(662 kW)を超えるパワーを発揮する。内燃エンジンは、革新のライトサイジングエンジン。約500PS(368 kW)を発生するきわめてコンパクトなターボチャージャー搭載2リッターV4ガソリンエンジンが後輪を駆動する。フロントブレーキおよび排気のエネルギーを利用する2系統のエネルギー回生システムは電力をリチウムイオンバッテリーにストックし、これによりフロントアクスルを駆動、400 PS(294 kW)を超えるブーストを供給する。

    「LMP1では、息を飲むような戦いが展開されています」とLMP1担当副社長であるフリッツ・エンツィンガーが説明する。

    「前回のオースチン戦では、マニュファクチュアラー部門で競う3社すべてが表彰台を獲得しました。全体的に見れば、サーキットの気温の変化だけでも決定的なパフォーマンスの差につながります。また、より速いプロトタイプがGTカーをオーバーテークする際に避けることのできないトラフィックもリスクと言えます。ポイントスタンディング上では、両方の世界選手権タイトルの防衛は射程内です。しかし富士を含む残り3レース、計18時間におよぶ戦いでは何が起こっても不思議ではありません」

    さらに、チーム監督であるアンドレア・ザイドルは続けて、「一般的にいえば、前回のオースチン戦より富士では気温が下がるので、私達にとって好材料です。また、比較的ダウンフォースが大きい919は、このサーキットの難しさでもあるコーナーでは強さを発揮するはずです。2015年の富士では、激しい雨に見舞われました。季節がら、今年も十分に起こり得ることですが、我々は困難な状況にも対処できることを証明してきました」と述べた。

    ポルシェ 919ハイブリッド(カーナンバー1)
    ティモ・ベルンハルト(35歳、ドイツ)
    「クルマのセッティングは、長いストレート、高速の第1セクター、最終の曲がりくねったセクションでそれぞれ必要とされるものをバランスさせなければなりません。また、路面はどちらかと言えば滑りやすくなっています。第13コーナーでは、クリッピングポイントが見えません。また、次のコーナーはフィーリングで走り、常に走行ラインを改善する努力をしなければなりません。チャンピオンシップでの争いの厳しさを考えると、すべてを適切に管理することがカギとなります。ほんの些細なことで、マニュファクチュアラー部門の結果の行方が変わります。私にとって、この強力なクルーの一員であることが、大きな喜びです」

    ブレンドン・ハートレー(26歳、ニュージーランド)
    「私達は、3連勝のよい勢いに乗って日本入りします。富士は私の好きなサーキットで、ここ数年のWECでは素晴らしいレースが出来ています。また厳しい戦いになると思いますが、私達が目標とし、集中するのは連勝を続けることです」

    マーク・ウェバー(40歳、オーストラリア)
    「雄大な富士山を背景にした富士スピードウェイでは、いつもレースを愉しんでいます。これまでの2年間、日本ではファンの方々に暖かく迎えられました。富士は独特なサーキットです。1周の距離が短く、スローなコーナーとクイックなコーナー、そして長い直線が組み合わされたテクニカルなレイアウトです。非常に難度が高く、すべてを上手くまとめるのは困難です。最終セクターはタイトコーナーの連続ですが、実は私はこれが好きで、4WDの919には合っています。カーナンバー1として良いレースをしたいと思っています」

    ポルシェ 919ハイブリッド(カーナンバー2)
    ロマン・デュマ(38歳、フランス)
    「クルマは好調ですし、ポルシェも良い波にのれています。この状態が今後も続くことを願っています。私達ドライバーは、富士では運が味方してくれるとよいと思っていますが、そうならなくても、十分な差でチャンピオンシップをリードしているので、文句は言えません。また、日本のファンの皆さんにお会いするのを楽しみにしています。彼らはモータースポーツを愛し、楽しんでいます」

    ニール・ジャニ(32歳、スイス)
    「WECも終盤戦に差しかかり、日本ではリードを固めたいと思っています。私にとって、それが一番大切なことです。ここ最近の3戦では、運に恵まれませんでしたが、それは永遠に続くわけではありません。2015年の富士では、私達の919ハイブリッドは強さを発揮し、チームメート達を勝利に導きました。今年は、あのとき逃した優勝を果たしたいと思っています」

    マルク・リーブ(36歳、ドイツ)
    「私は富士でのレースが好きです。いつでも雰囲気がすばらしいですし、レースはこの上もなくエキサイティングです。今シーズン、それぞれのサーキットですべてのLMP1カーが強さと弱さを見せました。富士スピードウェイは、クラシックなダウンフォース重視のサーキットでも、典型的な低ダウンフォースのサーキットでもありません。私達の919ハイブリッドは、コーナーが連続するセクションで絶大な威力を発揮すると思います。長いストレートのためには、レギュレーションの範囲でエアロを少しスリムにしなければなりません」

  • ポルシェ、新型911 GT3 Cupを発表

    ポルシェ、新型911 GT3 Cupを発表

    ポルシェは、ドライブユニットを一新させたポルシェワンメイクシリーズ専用のレーシングカー、『911 GT3 Cup』のニューモデルを2017年以降、世界のサーキットでスタートラインに並べる。

    生産台数世界一を誇るこのGTレーシングカーは、さらなる駆動力を得るために4リッター水平対向6気筒エンジンをリアに搭載する。ダイレクト・フューエル・インジェクション(DFI)を採用したコンパクトなエンジンは、確かなモータースポーツテクノロジーによって最高出力485psを発生する。

    注目すべきはエンジンの性能だけではない。ディテールが幅広く革新されたことで効率性も改善した。さらにレース仕様の自然吸気エンジンの耐久性が向上したことでメンテナンス費用も抑えられている。また、堅固に取り付けたロッカーアームとセンターオイルフィードを備えたバルブドライブが初めて採用されたほか、エンジン内部におけるオイルの消泡を最適化するためにオイルセパレーターが一体化されている。クランクシャフトの剛性も大幅に向上した。

    新しいフロントエプロンとリアエンドが、ニュー911 GT3 Cupのダウンフォースを改善してトラクションと性能を強化する。人目を引く184mm幅のリアウイングは、先代のものを受け継いでいる。ホイールサイズも変わっておらず、センターロック方式を採用したワンピース構造の18インチ レーシング ホイールを装着し、フロントには270mmのミシュラン レーシングスリックタイヤ、リアには310 mmの大型トレッドタイヤが装着されている。アルミニウムとスチールによるインテリジェントな複合構造により、ボディは最高の剛性と軽さを手に入れた。ニュー911 GT3 Cupは、わずか1,200kgの車両重量でレースに臨む。

    さらに、エンジニアは、ドライバーの安全性を特に見直した。この結果、ドライバーは強固なセーフティケージと、頭部と肩部の周囲を特に頑丈に成形した革新的なバケットレーシングシートによって保護されるようになっている。また、最新のFIA基準に従う、ルーフのレスキューハッチはサイズが拡大されており、事故後の初期治療と救出を容易にする。

    ポルシェは、シュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンの主力工場にある、911のロードモデル用生産ラインにおいて911 GT3 Cupを製造する。その後、車両はヴァイザッハのモータースポーツセンターで基本的なレースチューニングが行われると、顧客への納車前に、プロのレーシングドライバーによる入念なテストがそこで実施される。911 GT3 Cupは、1998年以来、996、997および991のモデルで3,031台が生産された。これにより、ポルシェ911 GT3 Cupは、生産台数と販売台数が世界で最も生産台数が多いレーシングカーとなっている。

    ニュー911 GT3 Cupは、2017年のレースシーズンから登場する。最初のシーズンはF1レースと同時開催されるポルシェ・モービル1スーパーカップ、ポルシェ カレラカップ ドイツ、およびポルシェ カレラカップ ノースアメリカでのみ使用され、2018年以降は、カレラカップ ジャパンを含めた他のポルシェ ワンメイクシリーズに拡張される。ポルシェは、世界中のカスタマーチームのために、911 GT3 Cupで競い合う20のレースシリーズを開催している。

    Porsche 911 GT3 Cup911 GT3 Cup

  • ポルシェ:WEC 第6戦サーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間 レポート

    ポルシェ:WEC 第6戦サーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間 レポート

    ポルシェのワークスドライバー、ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組が駆る919ハイブリッドは、真夏を思わせる陽気のテキサス州オースティンで行われた世界耐久選手権2016シリーズ第6戦において勝利した。

    3番グリッドからスタートした現チャンピオンチームであるこの3名は、7月のニュルブルクリンク戦から3戦連続での優勝を果たしたことになる。

    もう1台の919ハイブリッドをドライブした今年のル・マン ウィナー、ロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組は、5番グリッドから4位入賞し、ドライバーズ選手権では引き続きリードを保っている。

    気温35度というドライバーとメカニックに過酷なコンディションのもと、現地時間の午後5時にレースはスタートした。太陽が沈み気温が下がるにつれて、919ハイブリッドはその実力を発揮する。素晴らしいピット戦略にも助けられ、レースが中盤に差し掛かるころ、ベルンハルト/ハートレー/ウェバーは後続に差をつけてトップに立った。

    今回の勝利は2014年にデビューした919ハイブリッドにとって12勝目となり、そのうち7勝がベルンハルト/ハートレー/ウェバー組によるものとなる。ポルシェはマニュファクチュアラー部門で238ポイントを獲得し、アウディ(同185)、トヨタ(同137)をリードしている。ドライバー部門ではデュマ/ジャニ/リーブ組が37.5ポイント差でトップに立ち、続くアウディのトリオをリードしている。

    カーナンバー1のレース展開
    マーク・ウェバーはスタート直後に3位から2位に上がるが、少ししてアウディの2台に先行を許す。28周後に3番手のままピットインしたウェバーはブレンドン・ハートレーに代わる。4位でコースに戻ったハートレーはトヨタのアンソニー・デビッドソンとのバトルを制し、3位のポジションを取り戻した。続いてティモ・ベルンハルトが58周目にコースに入ったが、フルコースイエロー(FCY)が提示されたため76周目にピットに呼び戻され、短いスティントを終えた。再び919ハイブリッドに乗り込んだウェバーの2度目のスティントもFCYにより僅か18周で終了し、95周目でステアリングを託されたハートレーは3位で走行を続ける。カーナンバー8のアウディのピットストップが長引いたことにより、ハートレーは2位に浮上。122周目、このレース3度目のFCYは、カーナンバー1のポルシェにとって最高のタイミングとなり、ベルンハルトはトップでコースインする。133周目にはカーナンバー7のアウディのクラッシュにより、FCYが掲出された。ベルンハルトはウェバーへ代わるが、165周目のピットインでそれまでと同様にタイヤ交換を行った後、ベルンハルトがコースに戻りトップでチェッカーを受けた。

    カーナンバー2のレース展開
    ロマン・デュマはスタートからほどなくしてトヨタのマイク・コンウェイを抜き4位になる。しかし4周目、もう一台のトヨタに乗るセバスチャン・ブエミにパスされ再び5位に戻った。28周目にコースインしたニール・ジャニが35周目にデビッドソンを攻略する。57周目、919ハイブリッドに乗り込んだマーク・リーブは4位で走行を続けるが、76周目のFCYでピットに呼び戻され、デュマと交代する。その後のFCYの最中である94周目にデュマはジャニへと代わるが、スローパンクチャーのため112周目に想定外のピットストップを行う。コックピットに留まったジャニはアウディのトラブルにより4位に浮上し、134ラップを終えた時点でリーブへ、162ラップ後にデュマへと繋ぐ。デュマはこの日2度目のスローパンクチャーにみまわれたため、レース終了12分前にタイヤ交換のためにピットへ戻るが、4位をキープしたままフィニッシュした。

    レース後のコメント
    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「週末が始まって以来、高い気温が我々に厳しい事は分かっていました。それでも状況をうまくマネージメントして勝つことが出来ました。残り3戦で2つのタイトルを連覇するという目標も現実味を帯びてきました。間もなく日本に向かいますが、我々に有利な涼しい気候に期待しています。今はテキサスに来ているクルー、そしてヴァイザッハにいるスタッフ全員にありがとうと伝えたいです。チャンピオンシップ獲得に向けて、また一つ階段を上がったと思うと、とても良い気分です。富士でのレースに向けて労を惜しまずに準備を進めます」

    アンドレア・ザイドル (チーム監督)
    「クルー全員による素晴らしい努力に感謝し、勝利を祝福します。レース序盤の路面温度が高かった頃、アウディよりペースは劣っていました。ミスを犯さなかったドライバー、素早いピット作業、完璧な戦略と信頼性の高いテクノロジーといった全ての要素が組み合わさって、優勝することが出来ました。厳しいレースだったのは間違いありません。カーナンバー2は早い段階でフロントのダウンフォースを失い、優勝するチャンスが無くなりましたが、ポイントを獲得し2つのタイトル連覇という最大の目標に近づく事が出来ました。次戦までの3週間を残り3レースの準備に充てたいと思います」

    ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー1)のドライバーのコメント
    ティモ・ベルンハルト(35歳、ドイツ)
    「3連勝を飾れて嬉しい限りです。シーズン序盤は我々にとって厳しいレースが続きましたが、今日もミスやトラブルがなくフィニッシュまで走り切りました。始めのスティントは日が沈む頃だったので視界も悪く難しかったのですが、レースが進み涼しくなるにつれ我々のペースは良くなって行きました。アウディとギャップを詰めたところで出たFCYのタイミングが私たちのピットインと重なったのもラッキーでした」

    ブレンドン・ハートレー(26歳、ニュージーランド)
    「レースは順調そのものでした。スタートの高い気温でアウディが有利なのは明らかでしたが、あきらめずに戦い勝つことが出来ました。暗くなってからのペースは互角だったと言えます。FCY時の戦略が上手く行きました」

    マーク・ウェバー(40歳、オーストラリア)
    「フェアなバトルが繰り広げられたタフなレースでした。ティモとブレンドンは見事な走りを見せてくれました。スタートしてすぐに良いリズムを掴みました。中盤まで状況が変わることはなく、2台のアウディが速いペースでトップを走り続けたのは驚く事ではありません。我々はクリーンなレースでチャンスを待ち、しかるべき時が来たらプッシュしなければいけない事も分かっていました。しかしアウディにトラブルが起き、FCYにも助けられました。暑い中、クルーはピットストップで素晴らしい仕事をしてくれました」

    ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー2)のドライバーのコメント
    ロマン・デュマ(38歳、フランス)
    「スタートを担当した最初のスティントでは気温が高く、スリックタイヤでウェットを走っているような感覚でした。次のスティントではトラフィックに阻まれました。全体では2度のスローパンクチャーと1度のノーズカウル交換でレースを失いました。ポイントを獲得したと言う意味ではポルシェにとって良いレースでしたが、私たちの車両にとってはそうとは言えません。ル・マンでは幸運にも助けられて勝利した分を支払っているのかも知れませんね。でも、そんな状況もこれで終わるでしょう」

    ニール・ジャニ(32歳、スイス)
    「最初のスティントでトヨタとバトルを楽しみ、オーバーテイクも出来ました。しかし様々なカテゴリーのレースが行われ違う種類のラバーが残っていたため、グリップに悩まされました。いくつかの場面ではドライブすることさえも難しく、アンダーステアは厳しいものでした。理由は分かりませんが、フロントのダウンフォースを失っていたのです。ノーズカウルを交換した後、幾らかは良くなりました。私はスローパンクチャーで時間をロスするなど、全くツキがないレースでした」

    マルク・リーブ(36歳、ドイツ)
    「最初のスティントではアンダーステアで時間を失いました。フロントカウルを代えたおかげでラバーをピックアップせずに済んだ次のスティントはアンダーステアも消えて、だいぶ良くなりました。ユーズドとニューを混ぜて履いたスティントでも919ハイブリッドは素晴らしい走りを見せてくれました。今日は我々の日ではありませんでしたが、919ハイブリッドは高温下でもその高い信頼性を証明しました。
    始めのスティントは日が落ち始めた頃だったので、コックピットの温度も問題ありませんでした」

  • ポルシェ、パナメーラ4 E-ハイブリッドの予約受注を開始

    ポルシェ、パナメーラ4 E-ハイブリッドの予約受注を開始

    ポルシェは、パリモーターショーでワールドプレミアとなる『パナメーラ4 E-ハイブリッド』の予約受注を10月11日(火)より全国のポルシェ正規販売店にて開始する。価格は¥14,070,000(税込)

    このプラグインハイブリッドモデルは、電子制御式の4WDを備え、電気モーターのみによる航続距離は50kmに達する。システム最高出力は約340kW(462PS)を発生、燃料消費量は新ヨーロッパ走行サイクル(NEDC)で2.5リッター/100kmとなっている(CO2排出量は56g/km)。

    電気エネルギーのみによる航続距離は50km
    ポルシェにおいて、「ハイブリッド」という言葉は、持続可能なモビリティだけでなく、パフォーマンスとも同義語。このことは、2015年と2016年のル・マン24時間レースを919ハイブリッドで連覇したことが如実に物語っている。そしてパナメーラ4 E-ハイブリッドにもこの哲学が貫かれている。

    新しいポルシェのプラグインハイブリッドは、つねに電気の力のみで走るEパワーモードでスタートし、ゼロエミッション車として最高速度140km/h、最大航続距離50kmまで走行が可能。それと同時に、このパナメーラは、ラグジュアリーサルーンにおけるスポーツカーでもある。この4WDのポルシェは最高速度が278km/hに達し、静止時から遅滞なく700N・mのシステムトルクを発生。この4ドアハイブリッドスポーツカーはわずか4.6秒で100km/hに到達することが可能。トルクは4輪全てに伝達され、標準装備の3チャンバーエアサスペンションが快適性とダイナミズムの最適なバランスを常時確保している。

    ポルシェ918スパイダーをベースとした新しいハイブリッドコンセプト
    最高のパフォーマンスが得られるのは、偶然ではない。新型パナメーラ4 E-ハイブリッドは、このセグメントでは見られなかったハイブリッドコンセプトを採用している。それは918スパイダーをベースとしたコンセプト。652kW(887PS)の918スパイダーは、ニュルブルクリンク北コースをこれまでの市販車の最速タイムで走り抜けた車両。6分57秒というその記録的なラップタイムを可能にした要因のひとつは、2つの電気モーターがもたらす追加パワーにあった。

    この918スパイダーと同様、パナメーラの電気モーターのパワー、すなわち100kW(136PS)の出力と400N・mのトルクは、ドライバーがアクセルペダルに触れるとすぐに引き出される。先代モデルでは、エレクトリックドライブの追加パワーを引き出すためには、ペダルを80%以上踏み込む必要があった。しかし今や、電気モーターとガソリンエンジンが最初から完璧な調和を取りながら連動するようになっている。

    918スパイダーと同様、いつでも追加のパワーを得るために電気モーターを利用することができる。これにより、新しい2.9リッターV6ツインターボエンジンのパフォーマンス(243kW/330PS、450N・m)と相まって、電気モーターとターボチャージャーをベースにした圧倒的なブーストが可能になっている。

    パナメーラ4 E-ハイブリッドでは、電気エネルギーは車両の最高速度も向上させている。この新しいタイプの“E-パフォーマンス”(さらなるパワー、さらなるドライビングの愉しみ、より少ない燃料消費量)は、ポルシェでは未来のパフォーマンスキットと考えられている。

    新しいハイブリッドモジュールと迅速なシフトチェンジの8速PDK
    V6ガソリンエンジンのクラッチと相まって、この電気モーターは新世代のポルシェのハイブリッドモジュールの到来を告げている。先代モデルの電子制御油圧式のシステムとは異なり、ニューパナメーラのクラッチは、電気クラッチアクチュエータ(ECA)によって電気機械的に制御されるため、応答時間がよりいっそう短縮されている。

    他の第2世代のパナメーラモデルと同様、極めて迅速かつ効率的にシフトチェンジを行う新しい8速ポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)により動力が4輪に伝達される。このトランスミッションは、先代モデルの8速オートマチックトルクコンバータトランスミッションに置き換わるもの。

    電気モーターに電力を供給するのは、液冷式のリチウムイオンバッテリー。バッテリー(ラゲッジコンパートメントのフロアの下に設置)は、エネルギー容量が9.4kWhから14.1kWhに増大したにもかかわらず、重量は同じまま。この高電圧バッテリーは、230V、10A接続でフル充電されるまでにわずか5.8時間しかからない。パナメーラに標準装備される3.6kWのチャージャーの代わりに、オプションの7.2kWの車載チャージャーと230V、32A接続を選択した場合は、バッテリーはわずか3.6時間でフル充電される。

    ハイブリッド専用のディスプレイを備えたポルシェ アドバンストコックピット
    第2世代パナメーラの特徴の一つに、新たに設計されたディスプレイと操作コンセプトがある。このモデルにはタッチパネルと、個別に設定が可能なディスプレイを備えたポルシェ アドバンストコックピットが標準装備されている。アナログのレブカウンターの両側に2つの7インチディスプレイが設置され、よりインタラクティブなコックピットを形作っている。また、他のパナメーラモデルとは対照的に、パナメーラ4 E-ハイブリッドにはハイブリッド専用のパワーメーターが装備されている。ハイブリッド専用ディスプレイの直感的な操作はスーパースポーツカーである918スパイダーに採用されているものに由来する。パワーメーターは現在使用している電気パワーやエネルギー回生の状況などを表示する。

    12.3インチタッチスクリーンはPCMの集中管理およびディスプレイユニットとして機能する。ドライバーはダッシュボードにあるこのディスプレイでもメータパネルでもハイブリッドシステムに関する様々な情報にアクセスすることができる。ブーストアシスタントとハイブリッドアシスタントは実用的かつ有益。ブーストアシスタントディスプレイはブーストに利用できるエネルギーを表示し、ハイブリッドアシスタントは電気走行のパワーに関連する様々な情報を目に見える形で表示する。

    “Hybrid Auto”モードで究極の効率性
    ステアリングホイール内蔵のモードスイッチを備えたスポーツクロノパッケージは、パナメーラ 4 E-ハイブリッドでは標準装備となっている。モードスイッチとポルシェ コミュニケーションマネージメント システム(PCM)を使っていくつかのドライビングモードを選択することができる。これらのモードには、 “スポーツ”、そしてスポーツクロノパッケージを装備したパナメーラモデルには “スポーツプラス”がある。ハイブリッド専用のモードは、“Eパワー”、“ハイブリッド オート”、“Eホールド”および“Eチャージ”がある。

    パナメーラ4 E-ハイブリッドでは、常にエレクトリックパワーのみの”Eパワー”モードでスタートする。“ハイブリッド オート”モードは全く新しく開発されたドライビングモードで、選択するとパナメーラは究極の効率性を実現するために自動的にエレクトリックシステムとエンジンの駆動を組み合わせる。

    “Eホールド”モードでは、バッテリーの充電状態を維持することにより、例えば目的地の環境保護域内をゼロエミッションで走行する場合など、ドライバーは電気モーターのみで走行することが可能になる。また、“Eチャージ”モードではV型6気筒エンジンによってバッテリーが充電される。このため、ガソリンエンジンは実際の走行に必要なレベル以上の出力を発生する。

    パフォーマンスを最大限に発揮するのが“スポーツ”と“スポーツ プラス”モード。これらのモードでは、V型6気筒ツインターボエンジンが常に作動する。“スポーツ”モードでは、バッテリーの充電が常に最小限に保たれ、必要なときに十分なブーストを得ることができる。

    “スポーツ プラス”モードは最大限のパフォーマンスを発揮するためのもので、パナメーラは最高速度の278 km/hに達する。このモードでは可能な限り早くV型6気筒ツインターボエンジンを利用してバッテリーを充電する。

    プラグインハイブリッドモデル、パナメーラ4 E-ハイブリッドを含む新型ポルシェ パナメーラのラインナップはヨーロッパでは4モデルで、全て4WDとなる。日本で予約受注を開始しているモデルラインナップは、パナメーラ ターボ(404kW/550PS)、パナメーラ4S(324kW/440PS)、パナメーラ4 E-ハイブリッド(340kW/462PS(システム最高出力))の3モデルとなる。これらのモデルはスポーツカーとラグジュアリーセダンを高い次元で融合したグランツーリスモコンセプトを象徴し、他に類をみないダイナミズムと快適性の組み合わせを実現している。

    Porsche Panamera E-Hybrid

  • ポルシェ、メキシコの初WECで初勝利

    ポルシェ、メキシコの初WECで初勝利

    ポルシェのワークスドライバー、ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組は、メキシコシティで行われた世界耐久選手権2016シリーズ第5戦の6時間レースにおいて勝利を収めた。

    これによりポルシェ919ハイブリッドはマニュファクチュアラー部門でのリードだけでなく、ロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)組が4位入賞し、ドライバーズ選手権でも大きくリードを広げた。

    F1と同じ全長4.304kmのコースで記録されたファステストストラップは、ブレンドン・ハートレーが114周目に記録した1分25秒880だった。

    ポルシェが革新的なポルシェ919ハイブリッド・プロトタイプカーを2014年にデビューさせてから、今回の勝利は通算11回目になる。今シーズンに限ってもル・マン24時間を含めて919ハイブリッドは4つのレースを制している。ベルンハルト/ハートレー/ウェバーにとってはWECにおける6回目の優勝に当たる。ポルシェのマニュファクチュアラー部門のポイントは201となり、アウディ(158)、トヨタ(112)をリードしている。またデュマ/ジャニ/リーブ組はドライバー部門を41ポイント差でリードしている。

    カーナンバー1のレース展開
    4番手グリッドからスタートしたブレンドン・ハートレーは同じチームのマーク・リーブをオープニングラップの1コーナーでかわし2台のアウディの直後に付けた。21周目にはカーナンバー#7のアウディ(アンドレ・ロッテラー)を抜いて2番手に浮上した。35周が終了した時点でハートレーはフルコースイエローを利用して早めのピットストップを敢行し、ステアリングをマルク・ウエバーに託し、フレッシュタイヤへ交換しながらも2位をキープしてコース上に復帰できた。リスタートの直後、ウェバーは#8のアウディ(ルーカス・ディ・グラッシ)を抜き去り、トップに浮上し、次のピットストップの前のラップまでその座を維持した。スタートから74周終了時点でウェバーはディ・グラッシの直後でピットに入る。ポルシェのクルーがここで素早く作業を終え、ティモ・ベルンハルトはふたたびレースリーダーとしてコースに復帰した。110周目にはティモのリードは10秒以上まで増えており、次のフルコースイエローを利用して2台の919が同時にピットへ向かうことになった。その時点ではピットストップを109周か110周かがはっきりしなかったため、ベルンハルトはピットレース入口のホワイトラインをカットしてコースに戻る羽目になってしまった。これによってカーナンバー# 1はペナルティを課せられることになる。ハートレーが搭乗している120周目にそのペナルティを消化してレースリーダーの座を譲ったが、134周目に彼はベースボールスタジアムセクションにおいて#8のアウディ(ロイック・デュバル)を捉えることに成功。137周目、ハートレーは再びピットインを行いレインタイヤに履き替えてそのままコースに復帰する。140周目、#8のアウディ(オリバー-・ジャービス)がコースオフを喫した。レースディスタンスの2/3が終了した時点でポルシェはワン‐ツー体制を築き上げていた。162周でハートレーからベルンハルトへドライバーを交代し、今度はインターミディエイトタイヤでピットを離れた。この間にポジションは2番手へ後退。というのも、ロッテラーがステアリングを握る#7のアウディがスティント初期の遅れを目覚ましい勢いで取り戻していたためだ。ロッテラーが172周目にピットインした時ベルンハルトがトップへ返り咲いた。199周目、彼はスリックタイヤに変更するべく最後のピットインを行いそのままレースへ復帰。勢いを増す雨の中226周目にはコースオフを喫したが、トップのまま230周を終えて勝利を手にした。

    カーナンバー2のレース展開
    マーク・リーブはスタート時に2番手から4番手へとポジションを落としたが#7のアウディ(ロッテラー)がストップしたことで3位へ浮上。35周目の最初のピットストップの時、チームメイトの車両が同時にピットインしており、ピットを離れる際に時間を要したため、#2 ポルシェも時間をロスした。ニール・ジャニは#5のトヨタ(中嶋一貴)の後、4番手でコースに復帰した。この2台は激しいバトルを展開しジャニは40週目にパスすることに成功した。75周終了時点でフルコースイエローが提示されている間にジャニはロマイン・デュマと後退し3番手のままコースへ復帰。デュマは先行車とのギャップを確実に詰めていき110周時点でリーブに交代するが、この時もまた2台の同時ピットが必要であり、混乱を招いた。リーブは2番手でコースに復帰するが127周目にハートレーに先行された。その代わり、彼は136周目にアウディを駆るデュバルを攻略し2番手に復帰する。そしてその翌周、リーブはレインタイヤを装着してふたたびコースへ戻りた。148周目、LMP2カーとの接触があり左リアのボディワークに損傷を受けた。154周終了時点でレースコントロールから支持が出たためリーブはリアエンド交換のためピットインを余儀なくされる。これでポジションは3番手へ後退する。さらに乾いていく路面に対して彼が装着していたレインタイヤは足枷となり、166周目には#6のトヨタ(ステファン・サラザン)にかわされる。169周を終えた時点でリーブはジャニへ交代し、インターミディエイトタイヤで走り続ける。ポルシェのピットクルーがトヨタよりも素早く作業を完了したためジャニは3番手へポジションを戻したが、178周目に再びトヨタの先行を許す。194周終了時にジャニはインタミディエイトからスリックタイヤへ替えるために早めのピットストップを敢行し、最終スティントを担当することになったデュマがポジションを4位まで上げてチェッカードフラッグを受けた。

    レース後のコメント
    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「激しいバトルと変わりゆく路面コンディションのおかげで、今回は私が今まで見た中で最もスリリングなレースのひとつでした。1位と4位という成績は我々にとって大きな前進です。勝利の数を増やしたことはもちろんのこと、マニュファクチュアラーズ選手権、ドライバー選手権ともにリードを大幅に増やすことができたからです。すべての人々に感謝の気持ちでいっぱいです。これからすぐにヴァイザッハへ帰ってオースティンで行われる次のレースに向けて慎重に準備をします。ふたつのタイル防衛という目標へ向けて、2週間後まで努力を続けます」

    アンドレア・ザイドル (チーム監督)
    「何と言ったらいいのでしょう。またしても3つのマニュファクチュアラーが表彰台を分けることになりました。ふたつの世界選手権を防衛するというミッションへ向けて、ポイントを獲得すべく努力を重ねてきました。チャレンジングな週末とレースの結果に対して、チーム全員に祝福を送りたいと思います。今日はすべてのタイミングで正しい判断を下すのがとても難しい状況の連続でした。カーナンバー1は完璧なレース運びで勝利に相応しい働きをしました。カーナンバー2のクルーに対しては目まぐるしく変わる天候に対して私達の戦略が完璧とはいえず、さらにLMP2車両に車体後部を接触されるという不運もありました。その後は選手権ポイント獲得のために集中することにしました。またこの特殊なサーキットで私達のマシーンが勝利できる力を持っていることを証明できたことで、今後の選手権獲得へ向けてより自信を深めることができました」

    ティモ・ベルンハルト (カーナンバー1)
    「これほど素晴らしいスポーツカーレースは他にありません。私が乗り込んだ時ポジションは3位で#8のアウディとのギャップを充分に広げていきました。そしてレースの終盤に来た2回目のスティントの最後の20分は極めて難しい状況でした。セクター3が前のラップよりも激しく濡れていたのです。ここで私は軽いミスを犯しましたが、幸運なことにどこも接触することなく走り続けることができました。チームがこの特殊なコンディションと新しいサーキット、そして特殊な標高に対して素晴らしい準備を施してくれました」

    ブレンドン・ハートレー (カーナンバー1)
    「何というレースでしょう。このレースに勝てて最高の気分です。スタートは順調でした。ターン1でマルクを抜いて3番手に立つことができました。アウディがやや苦しい状態にあることは見ていてもわかったと思いますが、私はトラフィックにつかまってしまい、ディ・グラッシに10秒の先行を許してしまいました。しかし私はロッテラーを後に従えて素晴らしいバトルを展開することができ、最終的にリードを築き上げることができました。ストップアンドゴー・ペナルティのせいで一時的に3位までポジションを落としましたが、マシーンのフィーリングは素晴らしく、ピットクルーが最高の仕事をしてくれました」

    マーク・ウェバー (カーナンバー1)
    「ポルシェとカーナンバー1のクルーにまた勝利をプレゼントすることができました。レース序盤、私の最初のスティントではルーカス・ディ・グラッシがほとんど常に背後から脅かしており、素晴らしいバトルを演じることができました。今日最も重要だったことはトラフィックを読み、リズムを掴むことでした。さらにコースコンディションも猫の目のように変わりました。雨が降っただけでなく、乾くのも早かったのです。我々は日差しが指すことまでは望んでいませんでした。コースが早いうちに冷めてコンディションが改善されることを予想していたのです。またタイヤチョイスもチームにとって難しい判断でしたが、今回も彼らは素晴らしい仕事をしてくれました」

    ロマン・デュマ (カーナンバー2)
    「私は3番目のスティントを担当し、数秒でもタイムを削るよう奮闘しました。しかしその努力も2台の同時ピットストップによって元へ戻されてしまいました。最終スティントでは力を振り絞って前を行くマシーンを捉えようとしましたが今日は12ポイントを稼ぐのが精一杯でした」

    ニール・ジャニ (カーナンバー2)
    「残念ながら今日の私達は自分達でペースを乱してしまいました。天気予報が外れたため、一度ならずタイヤ選択を間違えました。今日は最強のライバルが後方に沈んだため、本来であればドライバーズ選手権で12ポイント以上を稼ぐことができたはずで、残念に思います。とはいえチームメイトのマシーンが勝ってポルシェのマニュファクチュアラー選手権ポイントを稼いだのは嬉しいことです」

    マルク・リーブ (カーナンバー2)
    「2番手からスタートして4位でフィニッシュすることはもちろん望ましいことではありません。スタートは簡単ではありませんでした。アウディの2台はうまく連携をとっており、ブレンドンには驚か?│れました。私の最初のスティントでは特にトラフィックの処理に手こずりました。レース後半になって霧雨や本格的な雨が降り、コースコンディションはトリッキーな状態でした。タイヤチョイスを何度もミスしました。本当であればもう少し上のポジションを得られるはずでしたから、今回の結果はいささか悔いが残ります」

  • ポルシェ、ニュルブルクリンクで昨年の勝利を再現 / WEC 第4戦

    ポルシェ、ニュルブルクリンクで昨年の勝利を再現 / WEC 第4戦

    ポルシェの世界チャンピオンチームであるティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組は、ニュルブルクリンクで開催されたWEC2016年シーズン第4戦の6時間レースで、昨年の勝利を再現した。

    919ハイブリッドによるこの優勝により、ポルシェはFIA世界耐久選手権のマニュファクチュアラー部門におけるリードを広げた。ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組は、4位となり、ドライバー部門の首位を守った。

    初開催となった2015年と同様に、今年のWECドイツ戦も成功のうちに幕を閉じた。58,000人の観衆が、好天に恵まれたアイフェル山脈のサーキットで、息を呑むようなモータースポーツを堪能した。

    ポルシェ919ハイブリッドにとって、この勝利はシルバーストンおよびル・マン戦に続く3回目の優勝となった。このプロトタイプは2014年にデビューしてから累計優勝回数が10回となり、ベルンハルト/ハートレー/ウェバー組にとっては5回目の勝利。現在、ポルシェは164ポイントでアウディ(129ポイント)とトヨタ(97ポイント)をリードしています。デュマ/ジャニ/リーブ組は、ドライバー部門で2位に33ポイント差をつけてリードしている。

    カーナンバー1のレース展開:
    スタート直後、ティモ・ベルンハルトはカーナンバー8のアウディを抜き、3位から2位にポジションを上げる。15周目以降、彼は首位を走るカーナンバー7のアウディにアタックするがオーバーテークには至らなかった。最初のピットストップの直前、カーナンバー1のポルシェがようやく先頭に出る。31周を終了した後のピットストップで、給油、タイヤ交換、ドライバー交代を行ったが、ポルシェのピットクルーは他のどのチームよりもすばやく作業を完了した。これによりブレンドン・ハートレーがレースをリードしたが、プレッシャーがかかる。45周目および48周目に、ハートレーは2台のアウディに先行され、3位に後退。チームはタイヤ空気圧の低下を検出し、予定より早いピットストップを指示する。53周を終了して、ハートレーはクルマをマーク・ウェバーに託した。ウェバーは86周走行後にトップでベルンハルトと交代。レース後半に突入した直後、3回目のフルコース・イエローが出され、この間に2台ともピットに入る。109周目からハートレーが再びステアリングを握る。この時点で、タイトルディフェンダー達は2位のポジションで走行していた。そして4回目のフルコース・イエローの間140周目にウェバーにドライバー交代し、首位に立つ。165周終了後、5回目のフルコース・イエロー中にベルンハルトがコックピットに乗り込む。194周でレースがフィニッシュとなり優勝を決めた。

    カーナンバー2のレース展開:
    スタート後ニール・ジャニは4位のポジションをキープ。22周目、第1コーナーで3位のカーナンバー8のアウディにアタックし、パスするかと思われたが、ブレーキングでリアのグリップを失い、コースアウト。しかし、ジャニは4位で走行を続けた。30周終了後、マルク・リーブにドライバー交代。もう1台の919ハイブリッドがスローパンクチャーでピットに戻り、2台のアウディが予定のピットストップを行うと、57周目にリーブが首位に立つ。62周を終え、彼はクルマをロマン・デュマに託す。91周終了後、カーナンバー2のドライバー達は2回目のフルコース・イエローのチャンスに恵まれ、再度ピットストップとドライバー交代を行う。その後、交代したジャニが首位をキープ。3回目のフルコース・イエロー中、108周走行後のピットストップから、リーブの悪夢のスティントが始まる。138周目、彼がGTE-Amクラスのポルシェ(カーナンバー88)を抜こうとした際、接触してしまう。139周目以降、ノーズコーンを付け替えたジャニは2位で走行を続けるが、ほどなく首位を奪還。147周終了後、彼は先の接触によるドライブスルーペナルティにより、3位に後退。156周目、ジャニはカーナンバー8のアウディのオーバーテークを試みるが、コースの外に押し出される。これにより、ジャニは2台のアウディに挟まれることになった。2位および3位のポジションを争う3台は、時折接触が発生するほどのスリリングなバトルを展開した。165周目に5回目のフルコース・イエローが出され、その間に次のピットストップを行った。172周後、運営側からリアの修理が指示され、予定にないピットストップを行った。ジャニがチェッカーまでドライブし、4位でフィニッシュした。

    レース後のコメント:

    ミヒャエル・シュタイナー (ポルシェAG 研究開発担当役員)
    「厳しいレースでしたが、私達は長い間戦ってきています。祖国での優勝をとても喜んでいます」

    フリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)
    「すばらしいの一言です。私達は過去10戦中9戦で勝利を飾っています。これには、ル・マン24時間レースでの2勝も含まれます。この結果を持って夏休みに入ることができます。これ以上望むことはありません。カーナンバー2は残念でした。この車両も十分に優勝を狙うことができるポジションでした。しかし、4位も立派な結果です。私達はすばらしいレースとモータースポーツの真髄を目の当たりにすることができ、今はメキシコ戦を愉しみにしています。それまで、ここニュルブルクリンクのチームとヴァイザッハのチームの全員がすばらしい休暇を過ごせるよう願っています]

    アンドレア・ザイドル (チーム監督)
    「サーキットとヴァイザッハのチームの全員が勝ち取った結果を誇りに思います。カーナンバー1のクルー達は、私達の919ハイブリッドのポテンシャルのすべてを引き出し、ほとんど問題も発生しませんでした。スローパンクチャーも、ピットストップの回数に影響しませんでした。残念だったのは、カーナンバー2が不運なアクシデントに見舞われ、トップを譲らざるを得なかったことです。私達は、マニュファクチュアラー部門でのポイント差を広げ、カーナンバー2のドライバー達も、ドライバー部門の貴重なポイントを稼ぎました。今シーズン3つ目となるエアロパッケージも今日のレースに間に合いました。その裏には大変な努力がありました。というのも、これはル・マンの準備と並行して進められたからです。そして、この新しいパッケージは、週末を通してその威力を発揮しました。私達のクルマは明らかにサーキットにおいて最速であり、この勢いに乗って今後の海外戦に臨みたいと思っています」

    ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー1)のドライバーコメント

    ティモ・ベルンハルト(35歳、ドイツ)
    「レース序盤、私は2位にポジションを上げることができ、トップにプレッシャーをかけ続けました。最初のスティントでは、2、3回、トップを走るアウディに並びかけました。一旦はオーバーテークしたのですが、GTクラスのトラフィックに集中していたためブレーキングポイントを逃し、アウディに抜かれてしまいました。2回目のスティントでは、ファステストラップを記録することができました。最終スティントも簡単ではありませんでした。私にとって、今日の勝利の味は格別です。これまで厳しい戦いで、それはここ故郷の地でも同じでしたが、チャンピオンシップ最初の3戦の不運を跳ね返す原動力となりました」

    ブレンドン・ハートレー(26歳、ニュージーランド)
    「ポルシェ、メカニック、エンジニア、ティモそしてマークに感謝しています。再び表彰台の頂点に立ったときの気分は最高でした。レース序盤は順調で、最初のピットストップではピットクルーによる素早い作業のおかげでトップのアウディを抜くことができました。その後はトラフィックに手こずり、スローパンクチャーにも見舞われてピットに予定より早く戻らなければなりませんでした。2回目のスティントは、もっと愉しむことができました。コースがクルマのバランスにとても合っているようでした。アウディを退けて首位に立つことができました」

    マーク・ウェバー(39歳、オーストラリア)
    「ポルシェが自国での優勝を果たすことができ、とても嬉しく思っています。手強いライバル達を相手に、すばらしい戦いをしました。今シーズン、苦戦を強いられていたカーナンバー1のメカニック達にとって、今日は最高の日となりました。マニュファクチュアラー部門のポイントを獲得することもできました。決勝当日のサーキットのコンディションは、それまでとはまったく異なりましたが、私はクルマのパフォーマンスおよび自分達のドライビングにとても満足しています。今日のレースは混乱気味で、フルコース・イエローでタイムをロスしました。これは、私の前のクルマがレギュレーションで規定された80 km/hを下回る速度で走行していたからです。そして、カーナンバー2はドライブスルーペナルティを課されてしまいました。我々はサーキットでアウディとすばらしいバトルをしていましたし、幾度かの接触もまったく気になりませんでした。私にとって今日一番大事だったのはアウディに勝つことでした」

    ポルシェ919ハイブリッド(カーナンバー1)のドライバーコメント

    ロマン・デュマ(38歳、フランス)
    「私はフルコース・イエロー直前にクルマに乗り込み、多少タイムをロスしました。これは、前を行くクルマが80 km/h以下で走行したからです。2回目のフルコース・イエローはよいタイミングで、私達にとって大きなチャンスとなりました。919は好調だったので、もう少しよい結果を期待していましたが、いずれにしてもチャンピオンシップのポイントを稼ぐことができました」

    ニール・ジャニ(32歳、スイス)
    「今日のレースで優勝する可能性も十分にありました。レース序盤は、あちこちでポジション争いが起こっていて、とても難しい局面でした。フルコース・イエローで首位に立ったときは、運が私達に味方してくれたと思いましたが、その後は見放されました。他車と接触した後はアウディに挟まれて難しい状況になりました。彼らをストレートでオーバーテークするのは、ほぼ不可能でした。私はブーストを一杯まで貯えましたが、それでもアウディの前に出ることはできませんでした。そして、大混戦が始まりました。いずれにしても4位は何も無いよりはましで、チャンピオンシップに向けてポイントは大歓迎です」

    マルク・リーブ(36歳、ドイツ)
    「トラフィックが難しいレースでした。サーキットでは遅いクルマに追い付くことは避けらないことなので、いつでも少なからず運に左右されるからです。私達のクルマは好調でした。私がドライブスルーペナルティを課されてしまい、チームに申し訳なく思っています。トラフィックの中ではよくある状況なのですが、正しい答えを出すか、間違った答えを出すか、決断を迫られている場面でした。私はギャップを利用しようとしましたが、その決断は間違っていました。彼がもう少し間隔を空けてくれるだろうと予想していました。十分に優勝を狙えたので悔しいですし、接触してしまったカーナンバー88に対しても申し訳ない気持ちで一杯です」

  • ポルシェ、8気筒エンジンのための新工場を開設

    ポルシェ、8気筒エンジンのための新工場を開設

    ポルシェは、革新的な8気筒エンジンを生産するための工場を新たに竣工し、エンジンの製造を新たなステージに推し進める。

    シュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンの中心に位置する工場は最先端の生産方式によって管理され、フル稼働時には400名の従業員が1日当たり約200基のV型8気筒エンジンを生産する。ポルシェはこの新しい生産施設に約8,000万ユーロの投資を行った。

    「ポルシェは、設計から生産にいたるまで、スポーティな高性能エンジンの象徴です。さらに私達は新しいエンジンによって、この領域で更なる強化を図ります。こうして未来に向けて、お客様に運転する楽しみを提供することを保証し、また従業員に将来の仕事を確保します。同時にポルシェを、エレクトリックモビリティの新時代に導く重要な基盤を創設します」とポルシェAG社長のオリバー・ブルーメは語る。

    ポルシェの新しいエンジン工場は、フォルクスワーゲングループ内の相乗効果にも寄与する。今後VWグループ全てのV型8気筒エンジンは、シュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンにて製造される予定となっている。

    ポルシェAGの労使協議会議長のウーヴェ・ヒュックは「ツッフェンハウゼンはポルシェの伝説が生まれた場所であり、それは現在も生き続けています。最初の市販車である初代ポルシェ356モデルは66年前にここで製造されました。108名の従業員が働き、年間369台が製造されました。それが今日では、エンジンの生産のみで1,200名以上の従業員を雇用するまでに至りました。ポルシェの魂はエンジンの中に存在します。そして今、ポルシェは魂を生み出す新しい拠点を持とうとしています。しかし、ポルシェは新しいテクノロジーと建物だけに投資するわけではありません。人にも投資し、従業員のためにふさわしい労働条件を提供します。なぜならポルシェが成功を収めるためにもっとも重要な要素は、従業員だからです。新しいエンジンの生産施設は、ツッフェンハウゼン、シュトゥットガルトおよびバーデン=ヴュルテンベルク州、スポーツカー製造の未来、そしてとりわけポルシェの従業員に対する責任を担っています。ポルシェは単に発言するのみでなく、実際の取組で自動車産業における基準を打ち立てます。」と述べた。

    製造とオートメーションの柔軟な連携
    新しいエンジン工場の核となるのは、製造とオートメーションが調和して効率的に連結される柔軟な生産システム。まずこのシステムは、ニューパナメーラに搭載される革新的なV型8気筒エンジンの、非常に精度の高い工程を含む組み立てに導入される。そのため、十分な訓練を受けて高い技能を持つ従業員が、多くの責任を担っている。

    「私達はチームを計画段階から集中的に関与させ、新しい工場のために450以上のアイデアをもらいました」とポルシェAGの生産およびロジスティック担当取締役アルブレヒト・ライモルドは述べている。

    「これらの要望とアイデアは職場環境への最高の貢献となり、生産品質と作業条件の双方でプラスになっています。」

    たとえば、人間工学的な代表例となるアッセンブリーステーションは、各従業員が個別に調節することができる。従業員は、単調さを避けるために様々な種類の作業に携わり、組み立て工程全体について段階的に訓練を受けている。

    「究極の目標は全ての作業者がエンジン全体に精通することにあります」とライモルドは述べている

    彼らは最新のマシンと工具によってサポートされる。約100のイノベーションが生産システムのコンセプトに組み込まれている。たとえば、ポルシェは従業員による設定が可能な産業用運搬車両を導入した。リチウム-チタンバッテリーを積んだ電動運搬装置は、工場の2つのフロアをまたいで設置された16,000個の磁石によるグリッドネットワークによって導かれ、動き回る。柔軟な対応力を持つことによって、今後の製品変更や新方式に対して、生産工程を容易に適応させることができる。

    電子制御ツールも柔軟性に優れたシステムを採用している。たとえば、電子生産ネットワークを介してトルクやスピードのプリセットをいつでも変更することができる。つまり電子制御ツールは、特定の使用場所に限定されることなく、新しい仕事場に取り付けるだけで、原則的に組立工程で広く使用できる。さらに、人間工学的に最適化された工具によって、使いやすさが向上し、作業はいっそう容易になる。新しいエンジンの組み立ては3.5分ごとに始まり、95のワークピースキャリアが、全長432mのU形のラインに沿ってエンジンを運ぶ。110の作業サイクルのうち71サイクルが製造エリアにあり、8気筒エンジンが6.2時間で製造される。新しいV型8気筒エンジンの生産工程においてはデジタル化とデータ管理機能の活用がさらに増えている。

    ポルシェAGのアグリゲートおよびコンポーネント部門の責任者であるクリスティアン・ウィルは、「エンジンが完成してテストされた後、各エンジンについて約2,300のデータユニットを回収することが可能です。製造開始からかなり早い時期に品質変動を検出して不具合の発生を防ぎます」と述べている。

    柔軟な成長を可能にする多機能な工場構造
    2014年初頭に建設が始まった新しいエンジン工場は、ポルシェの主要生産拠点の西側の拡張ゾーンにある。建物のフロア面積は約10,000m2で、工場は1階のロジスティクスと上階のエンジン組み立ての2つの階に分割されている。多機能構造の生産エリアには、フレキシブルな使用を阻害するような恒久的な構造物はほとんどない。コンセプトは、新しいテーマ内容と製品を追加する際の選択肢が失われないようにすることにある。そのため、新エンジン工場の区画と周辺には拡張のための準備がなされている。建物はポルシェが拡張するために取得した25,000m2の区画の北東ゾーンに建設された。更なる拡張工事のために建物の反対側のスペースを使用できるように、正面に沿ってオフィスとソーシャルスペースを備えた3階建てのエントランスエリアがある。内部には、上階にもうひとつの作業階を設けられるようにスペースを確保して設計されている。

    ポルシェは、エンジン工場の建造物の持続可能性についてもマイルストンを達成する。新しい建造物が属する場所は、ドイツ持続可能な建築物協会(DGNB)からゴールド認証の事前証明書をドイツで最初に受けた産業地区である、プラント4の一部にあたる。建物は40の持続可能性基準に基づいて評価を受けた。とりわけ、建物の屋根の太陽光発電システムは年間242,500kW/hの電気エネルギーを発生する。これは従来の発電に比べて、発生するCO2に換算すると、105トンの削減となる。さらに、広大な屋根が植物により緑化されており、大気環境の改善に寄与している。

    投資プログラムによってよりいっそうのパワフルな成長を遂げるポルシェ
    ここ数年でポルシェは3億ユーロ以上をシュトゥットガルト-ツッフェンハウゼンの主要生産拠点に投資してきた。ポルシェは、新エンジン工場(以前のワイヤー工場)に隣接する旧トランスミッション製造施設を、中核ワークショップに変更することを計画している。若いポルシェ従業員のための新しいトレーニングセンターを以前の路面電車の停留所跡地に建設した。ポルシェAGは、将来のプロジェクトに向けて中心部の事業用地をさらに開発するために、シュトゥットガルトの保有地を2倍以上の600,000m2に拡大した。数年以内に10億ユーロを超える追加の投資を計画しており、更なる成長を後押しするために必要な資金を確保する。

    革新の主なけん引役は、初のフル電動スポーツカー。ツッフェンハウゼンだけでも1,000以上の新しい仕事がこの製品のために創出される。ポルシェは約7億ユーロを主要生産拠点に投資し、今後の数年間に新しい塗装工場と単独の組立工場を建設する。エンジン工場は、電気駆動部を製造するために拡張され、既存のボディ製造ショップは拡張される。ヴァイザッハ開発センターなどへの投資も行われる。