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  • エイドリアン・ニューウェイ、レッドブル圧勝にも慎重

    エイドリアン・ニューウェイ、レッドブル圧勝にも慎重

    イギリスGPの圧倒的なワン・ツー勝利にも関わらず、レッドブルのエイドリアン・ニューウェイは、ブラウンGPとのタイトル争いが有利になったと判断するにはまだ早すぎると考えている。

    レッドブルは、イギリスGPでRB5に大幅なアップグレードを投入。セバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバーは、最新パッケージを最大限に活用し、シルバーストンでの週末を支配した。

    しかし、エイドリアン・ニューウェイは、タイヤ要因が、レッドブルがどれくらい前進したかの判断を曇らせたと考えている。

    事実、ジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロは、イギリスの低い気温によりタイヤから多くのパフォーマンスを引き出せずにいた。

    「今回のサーキットが我々に好都合になるだろうと常に考えていたし、それを望んでいた」とエイドリアン・ニューウェイは語る。

    「一部のチームは、タイヤのウォームアップに問題があったようだ。パフォーマンスの違いは他のサーキットより大きいだろう。だから、我々が他のサーキットにもこれを持ち込めるかを見なければならない」

    エイドリアン・ニューウェイは、一般的な週末であれば、状況はすぐに好転するだろうとのブラウンGPの見解について以下のように述べた。

    「ブラウンと同じ見解を感じている。今回のサーキットは我々に非常に適していたと考えている。一方、ブラウンには適さなかった。だから、一般的な週末ではなかったと我々はみている」

    「各週末に取り組み続けるつもりだし、それぞれで最善を尽くすつもりだ」

    また、ニューウェイは、一部でささやかれているドライバー間の緊張関係を否定。お互いがチームのために貢献していると語る。

    「彼ら二人は非常に好ましい関係であると考えている。彼らはお互い隠すことなく貢献しており、非常にうまくやっている」

    「例えば、マークが金曜日のP2で出て行ったとき。縁石に強くヒットした結果、マシンは止まった。マークはまずセバスチャンのところへ行き、その状況でどうすべきかアドバイスを与えた。二人の関係とても良いし、彼らにそしてチーム全体にとっても有益なものだ」

  • エイドリアン・ニューウェイ、シルバーストンの思い出を語る

    エイドリアン・ニューウェイ、シルバーストンの思い出を語る

    レッドブルのチーフ・テクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューウェイが、今年が最後のイギリスGP開催となるシルバーストン・サーキットの思い出を語った。

    エイドリアン・ニューウェイ (レッドブル)
    1973年のシルバーストンGPが僕が初めて観戦したF1レースだった。両親と出かけ、ウッドコート・スタンドの席で観戦した。父親が買ってくれたハンバーガーをスタンド席の下に落としてしまって、地面に落ちたハンバーガーを拾いに走ったのを覚えている。レースがスタートすると、ジャッキー・スチュアートが一番最初に目前に現れた。1周目の最後には他を何マイルも引き離したダントツのトップだった。

    しかしその後、ジョディー・シェクターが僕たちの目の前でコントロールを失い、12台ぐらいのアクシデントを引き起こした。まだ子どもだったから、本当に怖ろしい事故に見えた。死んだ人がいるのではないかと思ったが、奇跡的に脚を骨折した人がひとりいただけで、全員がクルマから降りてきた。初めてのF1観戦としてはとてもドラマチックだったね。それ以来、レースの虜になったんだ。レッドフラッグが振られて、再スタートになった。圧倒的にレースをリードしていたジャッキーが優勝しなかったのは驚きだった。スピンオフしたのだと思う。当時はまだ13か14歳だったので、あまり良く覚えていないけどね!

    今回が最後のシルバーストンGPになるかも知れないのは悲しい。僕にとっては思い出深いサーキットだ。レイトンハウスやウィリアムズの時代には良いレースを経験している。1991年には、僕が初めてデザインしたウィリアムズでナイジェル・マンセルが優勝した。『マンセル・フィーバー』まっただ中だったので、大勢のサン誌の読者がナイジェルの応援に来ていた。その後も良いレースがいくつかあり、沢山の幸福な思い出がある。シルバーストンこそイギリスGP開催にふさわしいサーキットだ。政治的な理由でサーキットが変わるのは大変残念なことだと思う。

    開催日程:2009年 F1 イギリスGP

  • エイドリアン・ニューウェイ:インタビュー

    エイドリアン・ニューウェイ:インタビュー

    レッドブルのチーフ・テクニカルオフィサであり、今年最も美しいマシンと評され、これまで優れたパフォーマンスを見せているRB5をデザインした空力の天才エイドリアン・ニューウェイ。

    これまでのシーズン、ダブルディフューザー、KERS、ロス・ブラウンが関わったチームとの15年間の戦い、さらに予算限度額の設定が、F1にどれくらいの共産主義的不均衡を生むかなどの質問に答えた。

    シーズンのスタートには満足していますか?
    もちろん、嬉しく思っている。しかし、今回ほどの大規模なレギュレーションの変更があると、リサーチからせっせとやらなければならない。我々の場合、これが本格的にスタートしたのは昨年の4月。脇目もふらずに仕事に取り組まなければならない。チームを去る人や新しく入る人もいなかったので、他のチームの進行状況は全く分からなかった。自分がやったことは分かっているが、他の人と比べた時にそれがどうなのかということが分からなかった。

    シーズン前からクルマは期待通りのパフォーマンスを見せていたので、クルマの仕上がりは良かった。時々、ひどくショックことや、想定外の出来事があったりするが、それもなかった。それが確認できた後は、静かにシーズンの開幕を待った。お披露目したりということも全くしなかったので、本当にメルボルンまではどうなるか分かっていなかった。だから、開幕4戦でコンペティティブな戦いができて安堵した。

    モナコでダブルディフューザーを投入しますか?クルマの構造から考えると難しいチャレンジになると思いますか?
    その通り。ダブルディフューザーのコンセプトを我々のクルマのパッケージングや空力に取り入れるのはそれほど簡単なことではない。パフォーマンス改善に繋げる作業が難しい。モナコでは何かしらを投入する予定だ。ダブルディフューザーと呼ばれているだけで、ルールで認められた開口部というだけのことだ。しかし、それをどのように考えて自分のクルマに取り入れるかが問題だ。シーズンを通してこのテーマが様々な形で登場するだろ 。

    ディフューザーを取り入れることはメリットのみですか、それとも車体後部のパッケージングにデメリットはありますか?
    「クルマにはメリットがあると思う。それが何かは分からない。なぜなら、プッシュロッド・サスペンションのクルマにまだ統合させていないので、プッシュロッドがあった場合に大きなメリットになるかは分からない。目標は、いかに我々のクルマに取り入れるかということだ。

    新しいディフューザーにしたら、リヤサスペンションをプルロッドからプッシュロッドに変えなければならないということですか?
    もしそうするのならば、今年はダブルディフューザーは使えない。作業に1年はかかるからね。ダブルディフューザーを乗せることは可能だ。しかし、おそらくディフューザーに合わせてギヤボックスをデザインした場合よりは効果はないかも知れない。

    2台同時の投入になりますか?1台のみということは有り得ますか?
    木曜日に1台で試してみて、正常に性能を発揮したらもう一台に乗せるということもあるかも知れない。しかし、その時までこれを試す空力テストは行えない。これほど異なるものをクルマに乗せるとしたら、期待通りのパフォーマンスを見せてくれることを知りたい。モナコはとてもちゃんとしたテスト走行が行えるような場所じゃないからね。

    エンジニアとして予算限度額の中で活動を行うことは刺激になりますか?
    共産主義みたいにならなければ、予算に限度額を設けるのは素晴らしいと思う。理論的には共産主義も社会主義も素晴らしいが、歴史的に考えても実際にはうまくいかないようだ。同じ給料をもらっているはずなのに、ロシアにはラダに乗っている人もいれば、メルセデス・ベンツに乗っている人もいたからね。予算限度額について心配なのは、そういうことだ。

    小規模なインデペンデント・チームに関しては非常に有功な制度だと思う。コントロールするのも監視するのも簡単だ。しかし、他分野にも繋がりを持つ自動車メーカーなどは、どうやって監視するのだ?パーツのディスカウントをどうやって止める?理論的には最高でも、そんなことが起きるようなことになれば、結局は言い争いになったり、ズルをしたりすることになる。今までにもF1ではそういった不愉快なことがあったので、わたしはそれを心配している。

    チャンピオンシップを最後まで戦える力がチームにあると思いますか?それとも、経験不足から苦境に立たされることになると思いますか?
    リソース的にはライバル・チームよりも明らかに規模が小さいが、戦い続ける気持ちとやる気はある。それ以外は言いようがない。将来、歴史を振り返れば分かることだ。

    今シーズンの成功はチームの助けになりますか?
    今後、そうなるだろう。しかし、僅かな成功でも、チームに自信を与えてくれる。レッドブル・テクノロジーは昨年度モンツァで優勝している。デザイン・オフィスが同じクルマとなれば、チームも自信を持つことができる。より直接的だからね。

    レースに優勝するというのはおかしなものだ。優勝していないときは、不可能なことのように感じる。勝てる気配もないと、ちょっとしょんぼりした気分になってしまう。実際に優勝しても、いつもと全く同じことをしただけなのにと思う。しかし、突然レースに優勝しすると、肩の重荷が下りる。ジャガー時代からいるミルトンキーンズのファクトリーのメンバーも、モンツァで優勝した時に感じた以上に楽になったのではないかと思う。

    いろいろと整えるために時間をかけられたと思いますが、レッドブルはトップチームと言えるチームになりましたか?
    この4レースはトップチームと呼ぶにふさわしいと思うが、皆さんご存じの通り、自動車レースはあっという間に状況が変化する。難しいのは、今後もそこに留まることだ。

    セバスチャンと一緒に仕事をした感想は?
    セバスチャンと一緒にいると、本当に彼の年齢を忘れてしまう。自分を表現する方法、クルマの運転、クルマについての報告の仕方などを見ていても、彼は年齢以上に成熟している。それは明かだ。非常に頭の良い青年で、非常に大きなポテンシャルがある。人間的にも良い人だ。トップドライバーにありがちな刺々しさのない人だ。

    異なるチームや異なる役割を通して、あなたは15年間もロス・ブラウンとチャンピオンシップを争ってきました。それについてはどう感じていますか?
    コースでは激しく競い合っているようだが、それは良いことだろう?でも、こういう風になったのはおもしろいことだと思う。同じ肩書きのことも良くあったが、仕事の仕方はこれ以上ないというほど異なる。仕事へのアプローチが全く違うのに、同じようにリザルトを出しているのは興味深いと思う。

    彼がいなかったら、あなたの履歴書はどうなっていましたか?
    つまらないものになっただろうね!

    アプローチの違いを説明してください。
    ロスは明らかに才能のあるエンジニアだが、彼が自分のテクニカル・チームをどのように運営しているかは、彼に聞いて欲しい。しかし、聞くところによると、エンジニアリングに関しても、テクニカル・ディレクターという仕事に関しても、かなり管理的なアプローチをとっているようだ。一方、私は管理には関心もないし才能もない。私が好きなこと、そして、私を奮い立たせるのがデザイン。幅広い意味でね。メカニカルなデザインだけに限らず、空力やクルマの全体的なパフォーマンス・パッケージも好きだ。それが私にとっては自動車レースで一番エキサイティングなことだ。直接関わることが好きだ。

    インディビジュアル・チームの開幕数戦の全体的なパフォーマンスに関しては驚きましたか?
    順位の変化は予想以上だった。大きなレギュレーション変更があったので、この数年動かなかったグリッド順位に通常よりは変化が見られるだというとは誰もが知っていた。しかし、あれほどの変化があるとは思っていなかった。

    ポジティブなものでも、ネガティブなものでも、一番大きな予想外の変化は何だと思いますか?
    個々にはサプライズはないと思う。この数年はフェラーリとマクラーレンが最後まで戦って、BMWザウバーがそのすぐ後ろという感じだったが、開幕4戦では、フェラーリ、マクラーレンBMWがQ3進出でさえ苦しんでいる。これは予想以上の大きな変化だ。

    KERS搭載車が苦戦していますが、これは想定外ですか、想定内ですか?また、この状況は、KERSを使うことに関しての決断に影響を与えますか?
    KERSのパフォーマンスは、シミュレーションで予想していたのとほとんど変わらない。だから、シーズン前も基本的な信頼性を確保するためにKERSを走らせようとした。かなり複雑なテクノロジーなんだ。しかし、これまで見てきたように、戦略的には最高だ。オーバーテイクには非常に有功なテクノロジーだが、ラップタイムだけを考えると何とも言えない。また、我々のドライバーの中でも、マークには確かにKERSを搭載すると重量制限を守るのが非常に難しくなるという問題もある。

    BMWのように体重が軽いドライバーだけKERS搭載車で走らせるということはしたくなかった。テストがほとんど行えないので、レースの週末を通した2台の比較やハンドリングなどの情報がわたしにとっては非常に重要なんだ。だから、できれば2台のスペックが完全に異なるような状況は避けたかった。

    今年はKERSを使わないということですか?
    KERSを使うチームの数にもよる。KERSを走らせるチームが増えれば増えるほど難しい状況になる。第1コーナーまでに引きずり下ろされてしまうなどの可能性が高まるからね。

    レース優勝やチャンピオンシップ争いなどはすでに経験されていますが、現状を考えて、このチームは今年チャンピオンシップ優勝できると思いますか。
    それを考えるのは早すぎるというのが、全く正直な気持ちだ。ただじっと我慢して、他の人が言ったりやったりしていることは心配せず、自分たちの仕事にベストを尽くすことだけに集中し、どういう結果が出るかを待つ、というのが、この仕事をする上でのいつものぼくの姿勢だ。

  • エイドリアン・ニューウェイ、RB5の設計を語る

    エイドリアン・ニューウェイ、RB5の設計を語る

    レッドブルのチーム・テクニカル・オフィサーであるエイドリアン・ニューウェイが、レッドブル RB5のデザインの経緯を語った。

    ルール変更の感想は?
    大規模なルール変更は久しぶりなので、今日は緊張している。なぜなら、新ルールは新しいアイデアが生まれるチャンスでもあるが、他のチームが自分が考えにも及ばなかったような事を考えている可能性も十分にある。ここ数ヶ月は、短期間にやらなければならないことが多すぎてマクラーレンの初年度以来の忙しさだった。昨年4月にスタートして以来全力で取り組んできた。

    一番大変だったことは?
    KERSを扱うにあたっての重量配分は難しい挑戦だった。スリックタイヤの復活でウェイトを少し前主軸寄りにしなければならないことは明白だったのだが、KERSで車体後方が重くなってしまうんだ。これは、バラストを動かすことで調整できる余地がほとんどないことを意味する。ドライバーの体重もこの問題に影響を与える。ホイールベースを通してクルマを動かすこともできるが、これは空力的な不利益が発生する可能性が高い。

    ライバルチームよりもクルマの発表が遅かったことは有利でしたか?
    もちろん他のクルマの写真は見たが、研究する余裕はなかったので、そういった意味ではメリットはなかった。しかし、その時間を使って自分たちの解決策をより細かく検討することができた。他のチームよりもスタッフの人数が少ない分、風洞実験にかけることができる時間も少なかった。リソースが少ない部分を補うために時間をかけたということだ。

    新レギュレーションによって、オーバーテイクにも変化が見られるようになるのでしょうか?
    これほどの規模のレギュレーション変更なので、ポールポジションと最後尾のクルマのラップタイムが昨年度よりも大きく開くだろう。昨年度はタイムも僅差で、異なる4、5のメーカーがレース優勝を果たすという、F1では久しぶりに見るシーズンだった。今年はそうはならないだろう。たとえオーバーテイクの数が増えたとしても、クルマの性能の差が大きくなるという事実は変わらない。

    コックピット内のドライバーの足位置の高さは昨年度と大きく異なりますか?
    昨年よりも高い位置だが、それほど大きな変化はない。

    クルマの外観の変化は明らかですが、その他に新しい点はありますか?
    シャシー底面がこれまでのようにフラットではなく、V字のセクションがある。

    リヤサスペンションにはプッシュロッドではなくプルロッドが用いられていますが、なぜですか?また、フロントウィングがあのような形状になったのはなぜですか?
    ひとえに新しい空力パッケージに合わせるためにやったことだ。車体後方にきれいな空気の流れを作りたかった。その解決策のひとつとしてプルロッドを使った。フロントウィングに関しては、結果的にあのような形になった。解決策は様々あると思うが、大規模なルール変更があった時のクルマのデザインは、自分たちがレギュレーションに一番適していると感じる一般的なルートやコンセプトで妥協しなければならない。全てのチームが同じルートを辿るわけではない。しかし、どのデザインがベストかは2,3年のうちに分かる。そのぐらい経てば、クルマのデザインがひとつに集中してくるからだ。しかし今年はチームによってかなりの差が出るだろう。

    新ルールになったことによって、トップチームとの差を縮めることができますか?
    それは分からない。しかし、レギュレーションの変更がある時は楽しい。すでに出来上がっているテーマを少しずつ進化させる作業ではなく、白紙からスタートするチャンスだからだ。これがレッドブル・レーシングにとってメリットになるか否かは何とも言い難い。最高の解決策を見出すことができればチームのためになるが、ルール変更は様々な方法を模索できる規模の大きなチームだけにしか適さない場合もある。

    RB5のデザインは、あなたのアグレッシブさの表れだと言えますか?
    そうだ。過去のものとはかなり異なったアグレッシブなデザインだが、エンジニアリング的にも理に適ったものであることを願う。思いつきだけではなく、本当にパフォーマンスにメリットがあるということを確認するだけの理性が必用だ。ただ、目立つためにやるだけではだめだ。RB5はその結果だ。

    KERSはオーストラリアで使いますか?
    準備ができたと感じた時に使うつもりだ。その方が断然メリットが大きい。コスト的にも見合わないとレースに投入できない。例えば海外の遠征レースには高額の輸送費がかかる。現時点では、KERSがドライバーのオーバーテイクの際の助けになるのか、まだはっきりしていない。KERSを使わないことの一番のリスクは、おそらくスタートもしくはセイフティカー導入時の再スタートでオーバーテイクされる可能性があるということだろう。

    主要諸元表:レッドブル RB5

  • エイドリアン・ニューウェイ、「RB4の仕上がり期待以上」

    エイドリアン・ニューウェイ、「RB4の仕上がり期待以上」

    レッドブルのテクニカルディレクターであるエイドリアン・ニューウェイが、自らデザインしたレッドブル RB4のここまでの戦いを評価した。

    すでに開幕5戦が終了しましたが、これまでの進捗状況をどのように評価しますか?
    「シーズンの四分の一を終えた今このポジションにいるということには満足して良いだろう。接戦の戦いになってきているが、昨年と比べると上位に近づいている。ポールポジションやレース優勝者のタイムと我々のラップタイムを比較すると分かるだろう。トップ3チームの後ろは厳しい接戦の戦いで、Q2では8位から14位までのタイム差がわずかコンマ数秒というのも珍しくない。ほんの僅かな失敗が、日曜日の午後のレースに大きな影響を与える」

    予定以上にRB4の開発に力を入れている点はありますか?
    「クルマは期待通りに仕上がっているので、全体的には満足している。トラクションの点で少し苦しんでいる部分もあるが、原因究明の作業に取り組んでいる最中だ。それ以外のパッケージ全体のパフォーマンスは期待通りだと言える。空力面も狙い通りだ。昨年は風洞テストの数値とコースでの数値の違いに苦しまされたが、今年はその点でも昨年よりも良い結果が出ている。まだいくらか数値に差があり、これは解決したいと思っているが、昨年ほど著しいものではない」

    次のモナコとカナダは特別な取り組みが必要になると思いますが、この2戦のためにクルマに加えた変更は?
    「もちろんモナコは高ダウンフォースのサーキットなので、ダウンフォースの高いリヤウイングとのバランスを取るための新しいフロントウイングを今週末は投入する。まだダウンフォースを最大にして走らせてはいないが、リヤウイングはすでに投入しているものだ。カナダは今年すでに経験している低ダウンフォースのサーキットなので、トルコで使ったフロントウイングを調整したものを用いる。この程度のスペック変更は通常の範囲内だが、その他にモナコは先週のポールリカールのテストで評価を行った改良型サスペンション・パッケージなど、新しい空力及びメカニカル・パーツを用意している。そのいくつかは、すでに話したトラクションの問題を解決するためのものだ。モナコはブレーキ・キャリパーの冷却システムにもかなり負担が大きいレースだ。ブレーキの冷却自体には問題がないのに、何度となく軽くブレーキを踏むのでキャリパーが高い熱を帯びるという不思議なサーキットなんだ。他のカギとなる要素は、アンジュレーションが特徴的なサーキットなので、クルマのメカニカル・セットアップが重要となる点だ」

    わずかなミスがバリヤへの衝突を引き起こしたりするサーキットですし、週末雨が降る可能性もあります。トラクションコントロールなしのクルマでドライバーはこのようなコンディションに対応しなければならないわけですが、何か対策はありますか?
    「トラクションコントロールがないことを補うには、クルマの様々な領域における開発作業が必要だ。まずはエンジンマッピングだ。エンジンのドライバビリティを最大限に引き出すために、どのエンジンメーカーもこの作業に取り組んでいる。最終的にはシャシーの性能もエンジンの出力に影響を受けるので、我々も無関係ではない。次に重要なのは、基本的なハンドリングという意味でドライバーに優しいクルマにするということ。これは、サスペンションと空力次第だ。トラクションコントロールが無くなったことばかりが注目されているが、実際は電子制御ドライバー補助システムが禁止になった。代表的なのはコーナー出口のエンジン・パワーを制御するシステムだが、以前はコーナーのエントリーの安定性をコントロールするためにエンジンを補助的に使っていたというのも同じように重要なポイントだ。どのチームもリヤホイールにABSを使っていたので、リヤホイールがロックアップし始めると、それを止めるためにエンジンが加速した。コーナーのエントリー・ステージではそれがある程度継続したが、もうこれもない。以前は電子制御できたことをカバーするためにシャシーがより重要視されている」

    モナコの週末を楽しみにしていますか?
    「誰だってモナコは楽しみだと思う。特別な場所だからね。他とは異なるだけに、期待も大きくなるんだよ」