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  • ウィリアムズF1 コマツとの提携延長 将来マシンの主要部品開発を技術支援

    ウィリアムズF1 コマツとの提携延長 将来マシンの主要部品開発を技術支援

    アトラシアン・ウィリアムズF1チームは、コマツとのグローバルパートナーシップ契約を更新し、技術協力をさらに拡大することを発表した。新たな契約では、コマツのエンジニアが将来のウィリアムズF1マシンに搭載される主要部品の開発を支援する。

    両社は2024年から現在のパートナーシップを展開しているが、その関係はウィリアムズがF1世界選手権を制した1990年代まで遡る。

    今回の契約延長ではスポンサーシップにとどまらず、油圧分野を含む技術開発、人材育成、両社間のエンジニアリング知識の共有をさらに推進していく。

    コマツが「オフィシャル・ハイドロリック・イノベーション・パートナー」に就任
    新たなパートナーシップのもと、コマツはウィリアムズの「オフィシャル・ハイドロリック・イノベーション・パートナー(Official Hydraulic Innovation Partner)」に就任する。

    建設・鉱山機械などで長年培ってきたコマツの技術力をF1マシン開発にも活用し、油圧を含む複数の技術プロジェクトでウィリアムズを支援する。

    コマツはウィリアムズと以前から技術的なつながりを持っている。ウィリアムズがコンストラクターズ選手権を獲得した1996年と1997年には、コマツがマシンに使用される部品の開発に携わっていた。

    今回の契約更新によって、こうした歴史的な関係が再び技術開発という形で強化されることになる。コマツによれば、今後は同社のエンジニアが「将来のウィリアムズF1マシンに搭載される主要部品」の開発を支援する予定だ。

    次世代エンジニアと若手ドライバーの育成も強化
    両社は技術開発だけでなく、次世代の人材育成でも協力を拡大する。

    2024年にスタートした「Komatsu Williams Engineering Academy(KWEA)」では、世界各国から毎年10人の工学系学生を選抜し、メンタリング、実践的な経験、オンライン学習、ファクトリー訪問などを通じてエンジニアリング能力の向上を支援している。

    契約更新後もFormula StudentおよびFormula SAEのプログラムから優秀な学生を募集し、次世代のSTEM人材育成を継続する。

    また、2026年からはウィリアムズ・ドライバー・アカデミーへの支援も強化。アカデミー所属ドライバーのマシンにコマツのブランディングを追加するなど、将来F1を目指す若手ドライバーの育成にも関与していく。

    さらに2027年以降は、新たに「Komatsu Williams Leadership Academy」を展開する。世界151カ国以上で働く6万7000人を超えるコマツグループ社員を対象に、エンジニアリング知識、技術的専門性、リーダーシップに関する知見を両社で共有し、次世代リーダーを育成する。

    ウィリアムズ・レーシング F1

    今吉琢也「未来の技術につながる新たなアイデアの創出を加速」
    コマツの代表取締役社長兼CEOを務める今吉琢也は、今回の契約更新について次のようにコメントした。

    「コマツは、信頼できるパートナーとともに複雑な課題に挑戦することで、大きな技術革新を生み出すことができると考えています。アトラシアン・ウィリアムズF1チームとは、『やり抜く』、『共に創る』、『誠実に取り組む』という共通の価値観のもと、関係を築いてきました」

    「本パートナーシップをさらに発展させることで、両社の知見を共有し、次世代エンジニア人材を育成するとともに、未来の技術につながる新たなアイデアの創出を加速していきます。こうした取り組みを通じて技術力をさらに高め、イノベーションによってお客さまと社会にあらたな価値を提供していきます」

    ジェームス・ボウルズ「パートナーシップを次のレベルへ」
    ウィリアムズF1のチーム代表を務めるジェームス・ボウルズは、1990年代から続く両社の関係を強調した。

    「ともに歩んできたこの3年間に加え、コマツとウィリアムズには、私たちが最後にチャンピオンシップを獲得した時代にまで遡る長い関係があります。チーム創設50周年という節目を迎える中、コマツとのパートナーシップをさらに拡大できることを大変うれしく思います」

    「コマツとの関係は私たちにとって非常に特別なものです。ウィリアムズは、価値観を共有し、私たちが目指す未来を信じ、サーキット内外でともに成功を目指すことのできる企業とのパートナーシップを大切にしており、コマツとの関係はまさにそれを象徴するものです。2027年以降も、このパートナーシップをさらに発展させていくことを楽しみにしています」

    契約更新の調印式は9月2日に石川県小松市で行われ、今吉琢也、西浦泰司専務執行役員、ウィリアムズF1のマシュー・サベージ会長、ピーター・ケニオン・ボードアドバイザーらが出席した。

    今後もコマツのロゴは、カルロス・サインツJr.とアレクサンダー・アルボンがドライブするウィリアムズのF1マシンをはじめ、ガレージ、チームウェア、ファンゾーンなどに掲出される。

    ウィリアムズは現在、再びF1世界選手権を争うチームへの復活を目指して組織と技術基盤の強化を進めている。今回の契約延長は単なるスポンサーシップの継続ではなく、コマツが持つ油圧・機械分野のエンジニアリング技術を将来のF1マシン開発へ直接生かす、技術パートナーシップの強化という側面を持つ。

  • ウィリアムズF1 開発遅れの深刻な実情「他チームにはない問題に予算」

    ウィリアムズF1 開発遅れの深刻な実情「他チームにはない問題に予算」

    ウィリアムズは2026年F1シーズン、FW48の開発でライバルに後れを取っている。その背景には単なるアップデート投入の遅れだけでなく、長年の投資不足によって残された開発・製造インフラの問題がある。

    ジェームス・ボウルズ代表は、現在もコストキャップ下の貴重なリソースを「他チームには存在しない問題」の解決に振り向けていると明かした。

    2025年のコンストラクターズ選手権を5位で終えたウィリアムズは、新テクニカルレギュレーションが導入された2026年にさらなる前進を狙っていた。しかし、FW48は完成が遅れ、プレシーズンのバルセロナで行われたシェイクダウンを欠席。開幕後も重量超過とダウンフォース不足に苦しみ、現在はコンストラクターズ選手権9位に沈んでいる。

    FW48は「推測」に頼って開発
    問題は、FW48が完成する以前から始まっていた。

    ボウルズによれば、ウィリアムズが必要としていた新しいシミュレーション技術は2025年初頭にはまだ利用できず、実際に稼働したのは同年11月だった。そのころには2026年型FW48の設計はほぼ完成していた。

    「我々がやっていたのは、知識と経験に基づいて推測することだった。そして、その一部を間違えた」

    ボウルズはザントフォールトでそう認めた。

    その代表的な例が、空力開発で基準としたリアのライドハイトだった。

    「我々は間違ったリアのライドハイトで開発を進めた。ちなみにアストンマーティンも同じだった。それほど大きな違いには聞こえないかもしれないが、空力的には完全に間違った領域で開発していることになる」

    現在のF1マシンでは、フロア下面で発生させるダウンフォースが性能を大きく左右する。そのため、マシンがどの車高領域で走ることを前提に空力開発を行うかは重要だ。

    FW48はフロントランナーと比較してリアの車高が高いハイレーキ傾向のマシンとなっており、Autosportはアストンマーティンとともにその特徴が目立っていると指摘している。

    マイアミでようやく「開幕戦仕様」
    設計上の問題だけではなかった。FW48の最終的な製造ではクラッシュテストへの対応にも問題が発生し、チームはバルセロナでのシェイクダウン参加を断念した。

    完成したマシンは重量超過の状態で、ダウンフォースも不足していた。

    その遅れがどれほど大きかったのかを示すのが、ボウルズが明かしたマイアミGPでの状況だ。

    「我々はかなり率直に話している。マイアミで走らせたマシンは、実際にはメルボルンに持っていく予定だったマシンだった」

    5月に行われた第4戦マイアミGPで投入したFW48が、チームが本来3月の開幕戦オーストラリアGPで走らせる予定だった仕様だったという。

    つまり、ウィリアムズはシーズンが始まってからもしばらくの間、当初予定していた開幕仕様に追いつくための作業を続けていたことになる。

    さらに、FW48は重量超過でスタートしたため、通常ならダウンフォース向上に振り向ける開発リソースの多くを軽量化に使わざるを得なかった。

    Autosportによれば、バクーで開催されるアゼルバイジャンGPに投入予定のアップグレードが、ウィリアムズにとって2026年で初めて本格的に空力性能向上を目的として開発されたパッケージになる。

    ライバルがシーズン中に継続して空力アップデートを投入するなか、ウィリアムズはまず開幕時の遅れと重量問題を取り戻すことに追われてきた。

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    「他チームにはない問題」を修正
    こうした状況の根底にあるのが、ウィリアムズが長年抱えてきたインフラの問題だ。

    ボウルズは2023年にメルセデスからウィリアムズに加入して以来、グローブの設計・製造設備や業務プロセスの近代化を進めている。しかし、約20年間にわたる投資不足によって生じた差を短期間で埋めることはできないと説明する。

    「ウィリアムズを12カ月で直すことはできない」

    さらに、現在のF1ではコストキャップが設定されているため、チームが使えるリソースには限界がある。

    「今、我々はコストキャップの予算のかなりの部分を、他チームには存在しない問題を修正するために使っている」

    これは現在のウィリアムズが抱える大きなジレンマでもある。

    上位チームが利用可能な予算を現在のマシンのパフォーマンス向上に集中できる一方、ウィリアムズは同じコストキャップの枠内で、過去の投資不足によって残された設計、製造、シミュレーションなどの問題も解決しなければならない。

    ボウルズは以前から、チームの一部システムがF1のトップチームと比較して大幅に遅れていることを明らかにしてきた。現在進めている改革も、目先の数戦だけではなく今後5年間を見据えたものだという。

    マクラーレンから生産部門のキーパーソンを獲得
    その改革を加速させるため、ウィリアムズは8月、マクラーレンで最高執行責任者(COO)を務めていたピアーズ・シンを迎え入れた。

    シンはグローブで、生産プロセスの効率化や計画、施設の近代化を中心に担当する。

    ボウルズは、マクラーレンでF1のトップレベルの組織を経験してきたシンについて、チャンピオンシップを争うチームがどのような水準で機能するべきかを理解していることが大きな財産になると評価している。

    2025年にコンストラクターズ選手権5位まで浮上したウィリアムズだが、2026年は新規則への対応で再び後退した。FW48そのものを速くする作業と並行して、将来のマシンをより速く、より効率的に開発できる組織へと作り替える必要がある。

    現在の開発の遅さはその改革に伴う代償でもある。バクーに予定される本格的な空力アップデートがFW48の競争力をどこまで引き上げられるかとともに、ウィリアムズが長年のインフラ面の遅れをどれだけ早く解消できるかが、再び上位へ返り咲くための鍵となる。

  • デイモン・ヒル ウィリアムズF1のアンバサダー就任 1996年王者が再合流

    デイモン・ヒル ウィリアムズF1のアンバサダー就任 1996年王者が再合流

    1996年F1ワールドチャンピオンのデイモン・ヒルが、アトラシアン・ウィリアムズF1チームの公式アンバサダーとしてチームに復帰することが発表された。自身がタイトルを獲得してから30周年という節目の年に、名門チームへ戻る形となる。

    ヒルは1990年代のウィリアムズ黄金期を支えた中心的存在だ。テスト兼リザーブドライバーとして2年間を過ごした後、1993年にレギュラードライバーへ昇格。同年ハンガリーGPで初優勝を飾ると、1994年にはコンストラクターズタイトル獲得に貢献した。

    ドライバーズタイトルは最終戦でミハエル・シューマッハとの接触により惜しくも逃したが、1996年には8勝を挙げ、最終戦日本GPでの勝利によって悲願のワールドチャンピオンに輝いた。父グラハム・ヒルに続き、親子2代でF1王者となった初の例でもある。

    ウィリアムズ在籍4年間で、ヒルは21勝、20回のポールポジション、19回のファステストラップを記録。英国ではBBCスポーツ・パーソナリティ・オブ・ザ・イヤーを2度受賞するなど、国民的英雄として高い人気を誇った。

    歴史と未来をつなぐアンバサダー陣
    2026年のウィリアムズは、強力なアンバサダー陣を揃える。1996年にヒルとチームメイトだったジャック・ビルヌーブ(1997年王者)は2年目のアンバサダー契約を継続。さらに、Wシリーズ3度のチャンピオンであり、インディNXTおよびLMP2でも勝利経験を持つジェイミー・チャドウィックも名を連ねる。

    チャドウィックは、チームのF1アカデミー新加入ドライバーであるジェイド・ジャケのサポートと育成も担当する予定だ。

    ヒルは今回の復帰について次のように語った。

    「ウィリアムズは私にとって本当に特別な場所だ。キャリアを決定づける瞬間のいくつかはここで生まれた。このスポーツの一員となり、あのような成果を達成できたことを非常に幸運に思っている。アンバサダーとして戻ってくることは本当に光栄だ。チームの歴史を祝福し、そのレガシーと未来を支える機会になる」

    チーム代表ジェームス・ボウルズもヒルの復帰を歓迎した。

    「デイモンをアトラシアン・ウィリアムズF1チームのアンバサダーとして迎えられることは名誉だ。彼ほどこのチームを象徴する人物は多くない。デイモンは我々の歴史の中でも最も成功した時代を形作った存在であり、ウィリアムズでワールドチャンピオンとなり、今もチームにインスピレーションを与え続けるレガシーを残している。

    ジェイミー・チャドウィックとジャック・ビルヌーブが引き続きアンバサダーを務めることも大変うれしく思う。彼らはウィリアムズが大切にしてきた歴史、扉を開き才能を育てる姿勢、そして再び最高峰で戦うという野心を体現している。彼らのような人物が前進する我々を代表してくれることを誇りに思う」

    ウィリアムズ・レーシング F1 デイモン・ヒル

  • ウィリアムズF1 バーレーンテストで挽回 3日間で422周を走破

    ウィリアムズF1 バーレーンテストで挽回 3日間で422周を走破

    ウィリアムズはバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われた2026年F1プレシーズンテスト第1週を終え、3日間で合計422周を走破した。バルセロナで出遅れた分を取り戻すことが今回の大きな目標だったが、その点については一定の成果を得た形だ。

    最終日午前はカルロス・サインツJr.がFW48をドライブし、68周を走行して1分37秒186を記録。午後はアレクサンダー・アルボンが78周を重ね、ベストは1分36秒665だった。サインツJr.とアルボンの2人で、3日間合計420周以上を積み重ねたことになる。

    新レギュレーション下で大きくコンセプトが変わったマシンに対し、まずは走行距離を確保することが最優先課題だった。サインツJr.はテストの意義を次のように語った。

    「ここ数日、本格的にマシンをテストしてこれだけ多くの周回を重ねられたのは良かった」

    「いくつかの点ではまだ遅れを取り戻している段階だが、僕自身だけでも210周以上を走れたことで、今季に向けて何が期待できるのかをより深く理解できた」

    「マシンは非常に異なっていて、シーズンは厳しいものになるだろう。ただ、それは新しいことではないし、僕はその挑戦に向けて準備はできている」

    「パフォーマンスについて詳しく語ったり、直接のライバルと正確に比較したりするにはまだ早いが、少なくとも現時点ではチーム間の差は昨年ほど接近していないのは明らかだ」

    「重要なのは、今後数週間で重点的に取り組むべき主要な領域を特定できたことだ。メルボルンに向けて段階的に前進できることを願っている」

    「チームとしてやるべきことは山ほどある。時間を無駄にしている余裕はない」

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    一方のアルボンも、厳しい3日間になることは織り込み済みだったと明かす。

    「この3日間が簡単ではないことは分かっていた。スピードを上げていき、新しいマシンと新しいレギュレーションを理解し始める必要があったからだ」

    「ポジティブなのは、かなりの周回を重ねられたこと、そしてマシンが信頼性を示していることだ。テスト初週としては決して当たり前のことではない」

    「僕自身にとっても、新しいマシンに慣れるのは本当にチャレンジだったが、そのすべての特性を発見していくのは楽しい」

    ウィリアムズは今後、膨大なデータ解析を進めながら次回テストへ向けた改良を進める。より完成度の高いパッケージで開幕戦オーストラリアGPに臨めるかどうか、その土台はこの422周に詰まっている。

  • ウィリアムズF1 バーレーン初日で順調な滑り出し 遅れ挽回へ

    ウィリアムズF1 バーレーン初日で順調な滑り出し 遅れ挽回へ

    ウィリアムズは2026年F1プレシーズンテスト初日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで着実なプログラムを消化し、FW48の基礎データ収集に集中した。

    前日に200キロメートルのプロモーション走行を終えていたチームは、この日さらに周回を重ね、開発の遅れを補うための土台作りを進めた。

    アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)は午後に68周を走行し、1分37秒437を記録。午前を担当したカルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)は77周を走り、1分38秒221をマークした。

    「走行距離という点では、我々にとってポジティブな一日だった」とジェームス・ボウルズは語った。

    「我々の目標は常に、シャシーとパワーユニットを理解するために必要な走行距離を積み重ねること、そして潜在的な問題を修正し始めることにあった。問題は多く出てくるだろうが、今後3日間でしっかりとしたベースラインを築き、その上でパフォーマンスを開発していく」

    ウィリアムズ・レーシング F1 バーレーングランプリ

    前日に200キロメートルの走行を行ったFW48は、この日さらに多くの周回をこなした。想定どおりだったのかと問われると、ボウルズは次のように答えた。

    「そうだ。クルマに関して言えば、大きな欠点はない。特別に悪い部分もないが、細部を徹底的に検証する必要があるのは明らかだ」

    「今日興味深かったのは風だ。これまでここで経験してきたコンディションとはまったく異なる東南東の風で、特に1コーナーと10コーナーでいくつかの難しさを生んでいる」

    「それ以外では、ドライバーからのフィードバックは総じてポジティブだ。バランスも極端に外れているわけではなく、事前の準備作業なしでこの状態にあるのは良い出発点になる。明日に向けて良い基盤ができた」

  • ウィリアムズF1、バルセロナ不参加が生んだ“コスト上限ボーナス”

    ウィリアムズF1、バルセロナ不参加が生んだ“コスト上限ボーナス”

    ウィリアムズは2026年F1シーズンの幕開けを前に、バルセロナで行われた非公開プレシーズンテストに唯一参加しなかったチームとなった。代わりにファクトリーでの準備とバーチャル・トラック・テスト(VTT)に注力し、今週開幕するバーレーン公式テストへ照準を合わせている。

    この判断について、チーム代表ジェームス・ボウルズは、FIAのコスト上限規定に関連した“恩恵”が生じる可能性を認めた。

    「良いニュースは、ホテルと渡航費はコスト上限の対象外コストだ」とジェームス・ボウルズは語った。

    つまり、スペインに渡航しなかったことで旅費が削減できたとしても、それ自体はコスト上限に直接的なメリットをもたらすわけではないという。

    一方で、走行そのものを行わなかった点については別の見解を示している。

    「トラックで走らないことは、健全なコスト上限上のメリットをもたらす」

    もっとも、ボウルズは今回の欠席を積極的に評価しているわけではない。

    「だが、はっきり言っておくと、あの移行期においてはトラックで走っていた方がよかった」

    バルセロナ不参加の背景
    2026年はパワーユニットとシャシーの両面で大規模なレギュレーション変更が行われた最初の年であり、バルセロナでのシェイクダウンは各チームにとって新型マシンの初期トラブルを洗い出す重要な機会だった。

    全11チームは1月26日から30日までの5日間のうち、最大3日間の走行が許可されていたが、ウィリアムズは現地入りせず、FW48の完成度向上を優先する判断を下した。

    エンジンサプライヤーであるメルセデスは、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリの走行により、新型パワーユニットの信頼性を示したとされる。一方、ウィリアムズはアレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツJr.による実走テストを行えなかった。

    ウィリアムズ・レーシング

    2026年F1コスト上限とは
    F1のコスト上限とは、各チームが単年度で使用できる運営費の上限額を定めた制度であり、2021年に導入された。

    各チームおよびパワーユニットメーカーは、毎年詳細な財務報告をFIAに提出しなければならない。規定違反は厳しく管理されており、手続き上の不備であっても問題視される。

    2026年のチーム支出上限は、従来の1億3500万ドルから2億1500万ドルへと引き上げられている。

    ウィリアムズにとって、1月をバーチャル中心で過ごした判断がどこまで実戦的な成果につながるのか。その答えは、バーレーンでの公式テストで明らかになる。

  • ウィリアムズF1、FW48が示した“クラシック・レッドブル”の影

    ウィリアムズF1、FW48が示した“クラシック・レッドブル”の影

    2026年F1マシンとして登場したウィリアムズFW48は、そのフロント周りにおいて、かつてレッドブルが完成形へと昇華させた思想を色濃く感じさせるマシンとなっている。

    本来であればバルセロナでのプライベート・シェイクダウンに参加する予定だったウィリアムズだが、クラッシュテスト不合格の影響により走行を見送ることになった。そのFW48が、今週シルバーストンでようやく初走行を果たし、実車画像からその設計思想が明らかになりつつある。

    フロントサスペンションに見えるRB19の面影
    デジタルレンダリング公開時、FW48には「サスペンションロッドが見えない」という違和感が指摘されていた。しかし、シルバーストンでの実走写真によって、その構成はより明確になった。

    ウィリアムズはフロントにプルロッド、リアにプッシュロッドというレイアウトを採用している。これは現行グリッドの多くが選ぶ前後プッシュロッド構成とは一線を画す選択だ。

    とりわけ注目されるのは、フロント上側ウィッシュボーンの強い傾斜角である。このジオメトリーは、2023年に圧倒的な支配力を誇ったレッドブルRB19を想起させるものだ。

    このレイアウトはブレーキング時のアンチダイブ特性を高め、フロントの過度な沈み込みを抑制する効果を持つ。RB19では、この特性が高速域での安定性とタイヤマネジメントに大きく寄与していた。

    21勝を挙げた史上最強クラスのマシンから着想を得るという判断は、極めて現実的な選択と言える。

    ウィリアムズ・レーシングウィリアムズは、2023年に圧倒的な強さを見せたレッドブルRB19と同様のフロントサスペンションを採用した。

    フロントウイングと保守的な外装設計
    FW48でさらに目を引くのがフロントウイングだ。下部形状にスコープ状のアーチを持ち、気流を巧みにシャシー下部から後方へと導く意図が読み取れる。

    一方で、それ以外の外装エアロは比較的オーソドックスな構成に留まっている。これは意外というよりも、むしろ現段階では合理的だ。バルセロナでの3日間の走行を失ったウィリアムズにとって、まず優先すべきは空力の奇抜さではなく、データ収集と信頼性確認だからだ。

    焦点は走行距離と相関確認
    2月にはバーレーン・インターナショナル・サーキットで2回のプレシーズンテストが控えている。FW48はそこで初めて本格的な走行距離を重ね、空力とメルセデス製2026年パワーユニットとの相関確認が進められることになる。

    現時点のFW48は、完成形というよりも“検証用ベースパッケージ”に近い存在だ。それでも、そのフロントサスペンションに見えるレッドブル的思想は、ウィリアムズが2026年レギュレーション時代をどう戦おうとしているのかを雄弁に物語っている。

    派手さはないが、狙いは明確だ。FW48は、過去の成功例を冷静に分析し、そのエッセンスを自らのマシンに落とし込むという、極めて現実的な一歩を踏み出している。

  • アレクサンダー・アルボンがウィリアムズF1を鼓舞「厳しい数か月を経てきた」

    アレクサンダー・アルボンがウィリアムズF1を鼓舞「厳しい数か月を経てきた」

    ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンが、2026年マシンFW48での初走行を終えたあと、前向きなメッセージを発信した。水曜日に行われたシェイクダウンで、アルボンはついに新車で最初のラップを刻み、厳しい準備期間を経たチームへの信頼と自信を示している。

    ウィリアムズはバルセロナで行われた最初のウインターテストを前に、複数の問題に直面していた。

    中でも、義務付けられているクラッシュテストのひとつを通過できなかったことで、テストウイークへの参加を断念せざるを得ず、貴重な走行距離を失う結果となった。

    それでも、困難な数週間を経て、チームは徐々に前進し始めている。火曜日には2026年シーズン用の新しいカラーリングを発表し、翌日にはFW48がついにサーキットで初走行を迎えた。この日はカルロス・サインツとアレクサンダー・アルボンの両名が、新車のステアリングを握っている。

    アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ・レーシング

    走行後、アルボンは自身のSNSでこの日を簡潔に振り返り、ファンに向けて励ましの言葉を送った。

    「FW48での最初のラップを走った。僕たちが望んでいた形でのシーズンのスタートではなかったけれど、再びステアリングを握れるのは本当に素晴らしい気分だ。これは僕たちのシーズンを決めるものではない。数か月にわたる厳しい状況の中で、今日ここシルバーストンに僕たちを連れてきてくれたグローブの全員の努力と決意に心から敬意を表したい。次はバーレーンだ。素晴らしい一年にしよう」

    ウィリアムズが序盤に抱えたトラブルが、2026年シーズン全体にどのような影響を及ぼすのかは、まだ判断が難しい。一方で、メルセデス製パワーユニットの後押しを受け、サプライズとなる可能性も残されている。アルボンの言葉からは、チームがすでに前を向き、戦う準備を整えつつあることがうかがえる。

  • ウィリアムズF1代表「メルセデスPUでマクラーレンやアルピーヌより有利」

    ウィリアムズF1代表「メルセデスPUでマクラーレンやアルピーヌより有利」

    ウィリアムズF1チーム代表のジェームス・ボウルズは、2026年F1レギュレーション初年度において、メルセデスのカスタマーチームの中で最も恩恵を受けるのはウィリアムズだと語った。長年にわたる協力関係と、パワーユニット以外の領域にまで及ぶ統合体制が、その理由だという。

    アストンマーティンがホンダへ移行したことで、メルセデスは2026年も引き続き最大のパワーユニット供給者となる。

    ワークスのメルセデスに加え、マクラーレン、ウィリアムズ、そして自社PU計画を断念したアルピーヌがカスタマーとして名を連ねる構図だ。

    ボウルズは、バルセロナで行われたシェイクダウンでメルセデスPU勢が合計1,136周を走破した点に触れつつ、その安定性と準備の完成度を高く評価した。

    「メルセデスはこの分野で本当に強い。こうしたレギュレーション変更への対応が非常にうまく、すべてを一つにまとめ上げてくる。」とボウルズは述べた。

    そのうえで、同じメルセデスPUを搭載する他チームとの違いについて、次のように説明している。

    「アルピーヌにとっては、我々よりも学習曲線が急になる可能性が高い。我々は非常に長い期間、メルセデスと密接に組んできたし、彼らのギアボックスも使用している。ここはマクラーレンとの明確な違いだ。」

    こうした背景から、ウィリアムズは単なるPU供給以上の“統合”という面で優位に立てるとボウルズは見ている。

    ウィリアムズ・レーシング

    「我々の状況には違いがあり、それがアドバンテージになる可能性がある。ただ言えるのは、マシン全体のまとまりは非常に良いということだ。統合はできているが、最終的にはバーレーンで高い走行距離を安定して重ねることで、それを証明する必要がある。」

    なお、ウィリアムズは車両製作の遅れにより、バルセロナのシェイクダウンを欠場しており、実走データは存在しない。ただし、ボウルズはバーチャル・トラック・テスト(VTT)によって、計画していた作業はすべて消化できたと強調する。

    「アルピーヌやマクラーレンがなぜ苦労したのかについて、コメントはできない。我々について言えるのは、VTTでやりたかった走行距離はすべてこなしたということだ。」

    その目的は、単なる距離稼ぎではなかったという。

    「我々はシステムに負荷をかけていた。冷却系を限界まで使い、最適化できているかを確認し、将来に向けてどのように変更できるかを理解するためだ。これは将来に向けた最適化作業だった。」

    実走を欠いた不利はあるものの、長年にわたるメルセデスとの協業体制と、シミュレーションを活用した準備が、2026年F1シーズンでウィリアムズを他のカスターチームより一歩前に押し出す可能性がある。

  • ウィリアムズF1代表、レッドブルPUの信頼性を絶賛「本当に圧倒的だ」

    ウィリアムズF1代表、レッドブルPUの信頼性を絶賛「本当に圧倒的だ」

    ウィリアムズは2026年F1レギュレーション初年度に向けた最初のバルセロナ・テストウィークに参加できなかった唯一のチームとなった。だが、チーム代表のジェームス・ボウルズは、サイドラインから他チームの動向を注意深く見ており、ライバル勢の仕上がりには強い印象を受けたという。

    2025年シーズンを早い段階で切り上げ、2026年F1新レギュレーションに全振りする判断を下したウィリアムズだったが、準備は決して順風満帆とは言えない状況にある。

    テスト不参加は計画的な判断だったものの、理想的とは言えず、他チームの走りを外から眺める形となった。

    そうした中でボウルズが最も強い賛辞を送ったのがレッドブルだった。

    「まず言いたいのは、レッドブルには本当に感銘を受けている。特にパワーユニットだ。ゼロから作り上げて、あの段階ですでにこれほどの信頼性を見せているのは本当に圧倒的だ。本当によくやっている」

    フェラーリについても、安定感という点で高く評価している。

    「フェラーリは非常に安定しているように見える。究極のペースについてはまだ疑問が残るかもしれないが、コンスタントさという意味では、今回もとても印象的だ」

    メルセデスに関しては、驚きはなかったとしつつ、その完成度の高さを強調した。

    「メルセデスについては正直、驚きはない。私自身、長くあのチームにいたから分かる。彼らはレギュレーション変更を正しく解釈し、最初から信頼性の高いパッケージを作るのが本当にうまい。テスト初日からいきなりレースシミュレーションを走らせたのは、非常に印象的だった」

    ウィリアムズ・レーシング F1 レッドブル・レーシング

    さらに、バルセロナで多くの視線を集めたアストンマーティンにも言及した。

    「アストンマーティンもただただ印象的だ。エイドリアン・ニューウェイは本当に創造的なデザイナーだし、彼がやったことを見るのは純粋に楽しい。ウィッシュボーンが『本当にそこにあっていいのか?』と思うような位置に付いていたりする。でも、結局のところ、彼はまたやってのけた」

    もっとも、ボウルズは現時点での評価には慎重な姿勢も崩していない。

    「今の段階で勢力図を判断するのは、誰にとっても難しい。なぜなら、我々が今見ているマシンは、メルボルンで走るマシンそのものではないからだ。だからこそ、シーズン序盤は面白い。どのチームも印象的ではあるが、現時点で正確な立ち位置を見極めるのは難しい」

    テストに参加できなかったウィリアムズにとっては歯がゆい立場ではあるが、ボウルズの言葉からは、2026年F1新時代の序盤戦がいかに予測不能で、刺激的なものになるかが強く伝わってくる。