ロマン・グロージャンは、インディカーのマーカム戦であと一歩のところまで迫った初優勝を逃し、レース後に「少し泣いた」と明かした。
デイル・コイン・レーシングのグロージャンは、大胆な2ストップ戦略と絶妙なタイミングで出たコーションを味方につけて首位争いに浮上。終盤にはトップに立ったものの、アンドレッティ・グローバルのマーカス・エリクソンに残り5周で逆転を許し、2位でチェッカーを受けた。
グロージャンは54周目、その直前にピットストップを済ませた直後にコーションが出たことで大きな恩恵を受けた。
90周で争われたレースの69周目、首位を走っていたエリクソンがグロージャンに14秒のリードを築いた状態からピットイン。これにより、スイス生まれのフランス人ドライバーであるグロージャンがトップに立った。
しかし、エリクソンはそこから上位勢を次々と攻略。残り5周、ヘアピンでグロージャンを抜き去り、優勝を手にした。
「エリクソンが追いつくなんてあり得ないと思った」
レース後、グロージャンはエリクソンがピットに入った瞬間、勝利をほぼ確信していたと振り返った。
「レース終盤は、タイヤと燃料で37周くらい走らなければならないことは分かっていた。それはチャレンジになると思っていた」
「28号車(マーカス・エリクソン)がピットに入るのを見たとき、僕たちに追いつけるわけがないと思った」
「10号車(アレックス・パロウ)が後ろにいた。それはいつだって心配だけど、ギャップを広げられた。これなら大丈夫だと思った。でも次に気づいたときには、28号車が迫ってきていた」
燃料面ではホンダのサポートが大きかったという。
「ホンダは僕たちと素晴らしい仕事をしてくれた。本当にうまくやってくれて、フィニッシュラインを越えたときにタンクが空になるよう、正確な燃料の数字を出してくれた」
「守るためにできることはほとんどなかった。今日はそういう日じゃなかったんだ」
「少し泣いた。嘘はつかない」
初優勝が目前で消えたグロージャンは、レース後に感情を抑えきれなかったことを認めた。
「少し泣いた。嘘はつかない」
「でも、自分でコントロールできることをコントロールする。それは僕が読んだアンドレ・アガシの本に書いてあった言葉だったと思う。僕は自分にできることをすべてやった」
「28号車の戦略がどうやって機能したのかは分からない。おそらく短いピットレーンが彼らを助けたんだと思う。それに、多くのドライバーが燃料をセーブしなければならなくなって、スペースができたことも影響したんだろう」
「もちろん、まだレースを見返してはいない。チームと自分のパフォーマンスにはとても満足している。来週のフリーダム250に向けて希望を持てる。また素晴らしいレースになると思う」
グロージャンはインディカー参戦5シーズンでいまだ未勝利。今回が通算6度目の2位となった。
2位は2023年のバーバー戦以来で、その際にはチーム・ペンスキーのスコット・マクラフリンに次ぐ順位だった。
さらにグロージャンは、カテゴリーを問わず2011年以来、レースで勝利していない。最後の勝利はGP2シリーズ(現在のFIA F2)時代にハンガロリンクで挙げたものだ。
「勝ち方を忘れたわけじゃない」
長く続く未勝利について、グロージャンは冗談交じりに、勝つためにはカテゴリーを下げる必要があるかもしれないと語った。
「僕はできることをすべてやった。F1には10年間いた。F1では、勝てるマシンがなければレースには勝てない」
「確かに、レースで勝っていない期間は長い。でも、勝ち方を忘れたとは思っていない。ただ、それをするチャンスに恵まれなかっただけだと思う」
「だから、これからも挑戦する。レースを続けるよ。もしかしたらゴーカートのレースに出たほうが勝つチャンスはあるかもしれない。あるいは自転車レースかな」
「確かに長いよ。最悪だ。今日、パロウとの差を広げたときは、これはいいと思った。でも、もう燃料もタイヤも何も残っていなかった。ただ、すべてを出し切った」
あと一歩でインディカー初優勝を逃したグロージャンだが、戦略と燃料管理を駆使して勝利争いを演じた今回の2位は、次戦に向けた大きな手応えとなった。インディカーは8月23日にワシントン市街地で開催されるフリーダム250で次戦を迎える。














