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  • アウディF1が規則変更に反対 「安定性が最優先」 フェルスタッペンに逆風

    アウディF1が規則変更に反対 「安定性が最優先」 フェルスタッペンに逆風

    2027年に向けて議論が続くF1パワーユニット規則の見直しについて、アウディF1が現行レギュレーションの維持を支持する姿勢を明確にした。CEOのゲルノート・デルナーは、コスト効率と開発計画の観点から「安定性」が最も重要だと強調している。

    現在、F1では2026年に導入された新パワーユニット規則の見直しが検討されており、内燃機関と電動出力の比率を実質50対50から60対40へ変更する案が議論されている。

    しかし、アウディF1やフェラーリはこうした変更に慎重な姿勢を示しているとされる。

    アウディF1 CEO「安定性が重要」
    規則変更の可能性について、デルナーはRacingNews365を含む一部メディアの取材に対し、アウディF1の立場を次のように説明した。

    「我々の立場は規則の安定性を維持することだ。それが非常に明確な見解だ」

    「新規参入メーカーであることも理由のひとつだが、もうひとつはコスト効率だ」

    「最も重要なのはコストキャップを念頭に置くことだ」

    「我々は他社より低い位置からスタートしており、技術開発の成長曲線はより急なものになっている。そのプロセスを考えると、安定性には満足している」

    2026年からワークス参戦を開始したアウディF1は、現行規則を前提に開発と投資を進めてきた。そのため、レギュレーション導入直後の大幅な変更には消極的な姿勢を示している。

    フェルスタッペンの要求に逆風
    アウディF1の立場は、60対40への変更を支持しているマックス・フェルスタッペンにとって逆風となる可能性がある。

    フェルスタッペンはこれまで、現行の50対50配分ではエネルギーマネジメントの負担が大きすぎるとして、少なくとも60対40への変更が必要との考えを示してきた。

    しかし、パワーユニット規則の変更には5メーカー中4メーカーの賛成が必要とされている。アウディF1とフェラーリが反対を維持した場合、2027年からの変更案成立は極めて難しくなる。

    また、フェラーリのカスタマーチームであるキャデラックF1も60対40案に懸念を抱いているとみられており、議論は今後も続く見通しだ。

    2027年に向けて協議継続
    それでもデルナーは、最終的には各メーカーが受け入れられる解決策が見つかるとの見方を示している。

    「議論のプロセスは進行中であり、適切に管理されている」

    「我々も他のエンジンメーカーとともにそのプロセスに参加している」

    「だから2027年には良い解決策が用意されると考えている」

    2026年の新規則導入からわずか1年で方向転換するのか、それとも現行レギュレーションを維持するのか。各メーカーの利害が交錯する中、F1の将来を左右する重要な協議が続いている。

  • アウディF1 2027年エンジン規則変更に反対「開発の助けにはならない」

    アウディF1 2027年エンジン規則変更に反対「開発の助けにはならない」

    アウディは、2027年F1パワーユニット規則の見直し案に反対する姿勢を明確にした。内燃エンジンと電動出力の比率を現在のほぼ50対50から、内燃エンジン寄りの60対40へ戻す案をめぐり、モナコでの協議を前に議論が激しくなっている。

    この案は、燃料流量を増やすことで内燃エンジン側に実質50kWを上乗せし、その一方で電動側を50kW削減するというものだ。ファンやドライバーから不評を買っている現在のパワーユニット構成を、2027年から部分的に修正する狙いがある。

    アウディが示した明確な反対姿勢
    アウディCEOのゲルノット・デルナーは、モナコでPlanetF1.comを含む一部メディアに対し、現在の規則を維持したいと語った。

    「我々としては、今あるものを維持したい。理由は2つある」とデルナーはコメント。

    「まず、我々は今のマシンに搭載しているシステムに取り組まなければならない。プロジェクトの中で最適化すべきことが数多くあり、この変更は現在のドライブトレインを最適化していく道筋の助けにはならない」

    「もうひとつはコストキャップだ」

    「その変更によって、我々が資金を投入したい他の領域から予算が奪われることになる」

    「それが我々の見解だ。ただし、FIAがこのプロセスを主導している」

    「我々もそのプロセスの一部であり、今後数日、あるいは数週間のうちに、2027年に向けた解決策とレギュレーションが出てくると考えている」

    妥協よりも現行規則維持を望むアウディ
    2027年に向けた比率変更には、パワーユニット諮問委員会でのスーパー・マジョリティによる支持が必要となる。フェラーリも懸念を示しているが、妥協の余地はあるとみられている。

    一方、アウディの姿勢はより強硬だ。デルナーは、規則が決まれば対応するしかないとしながらも、望ましい方向ではないと強調した。

    「まずレギュレーションについての決定が必要だ。そのうえで、それが我々の開発プロセスに何を意味するのか、当然ながら見解を持つことになる」

    「だが、レギュレーションが導入されれば、我々はそれに適応しなければならない。そういうものだ。ただ、我々としてはそれを望んでいない。それは非常に明確だ」

    メーカー誘致のための規則が新たな対立点に
    現在のパワーユニット規則は、アウディを含む新規メーカーをF1に呼び込むために策定された。しかし、その結果として生まれたエンジン構成はファンの支持を得られず、ドライバーからも批判を受けている。

    F1は少なくとも2030年までは現在のパワーユニット構成に縛られる見通しであり、2027年案はその制約の中で、より受け入れられやすい方向へ戻すための現実的な修正案と位置づけられている。

    さらに先の2030年または2031年以降については、よりシンプルなエンジン、さらにはV8復活を求める動きもある。FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、その構想を推進している。

    デルナーは、2030年から2031年に向けた議論についても、FIA主導のプロセスに加わっていると説明した。

    「2030年から2031年に関するレギュレーションの議論はFIAが主導している」

    「我々もそのプロセスの一部であり、良いプロセスが設定されていると思う。これから何が出てくるのかに対して、我々はオープンだ」

    「我々の視点は常に、効率性と持続可能性に焦点を置いたレギュレーションを求めるというものだった」

    「私の好みを聞くなら、シリンダー数よりもターボチャージャー付きエンジンであることの方が重要だ」

    アウディは2026年F1参入に向けて現行規則を前提に開発を進めてきた。その立場からすれば、2027年の早期変更は開発計画と予算配分の両面で負担となる。だが、F1全体としては現在のエンジン構成への不満が高まっており、アウディの反対は、競技の方向性とメーカー側の投資保護がぶつかる象徴的な論点になっている。

  • アウディF1 モナコGPで特別カラーリング タツィオ・ヌヴォラーリに敬意

    アウディF1 モナコGPで特別カラーリング タツィオ・ヌヴォラーリに敬意

    アウディF1は2026年F1モナコGPで、チーム初となる特別カラーリングを披露する。今回のデザインは、モータースポーツ史に名を刻む伝説的ドライバー、タツィオ・ヌヴォラーリへのオマージュとして制作された。

    2026年シーズンからF1に本格参戦しているアウディにとって、今回が初めての特別カラーリングとなる。ニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトのマシンには、アウディの前身であるアウトウニオン時代の歴史を反映した特別なデザインが施される。

    “空飛ぶマントヴァ人”への敬意
    タツィオ・ヌヴォラーリは、第二次世界大戦前のモータースポーツ界で最も偉大なドライバーの一人として広く評価されている。

    イタリア出身のヌヴォラーリは1930年代後半、アウトウニオンの「タイプD」を駆った。そのアウトウニオンこそが、後にアウディへと発展していくブランドの源流である。

    ヌヴォラーリはキャリア通算24勝のグランプリ勝利を挙げたほか、ミッレミリアやル・マン24時間レースも制覇。1950年4月に現役を退いたが、その翌月にはシルバーストンでF1世界選手権初開催となる第1戦が行われている。

    その卓越した走りから「空飛ぶマントヴァ人(The Flying Mantuan)」の異名で知られ、現在もモータースポーツ史に残る伝説的存在として語り継がれている。

    アウディが受け継ぐアウトウニオンの歴史
    今回の特別カラーリングは、単なるレトロデザインではない。

    アウディは2026年からワークスチームとしてF1に参戦しているが、そのルーツは1930年代にグランプリレースを席巻したアウトウニオンにある。ヌヴォラーリはその象徴的な存在であり、モナコというF1を代表する舞台で歴史への敬意を示すことは、ブランドのアイデンティティを改めて世界へ発信する意味合いも持つ。

    新レギュレーション下で苦戦が続くアウディだが、モナコGPではチームの原点を象徴する特別なカラーリングとともに歴史的な週末を迎えることになる。

  • アウディF1のビノット「シャシーは4番手」 エンジン差解消は2028年目標

    アウディF1のビノット「シャシーは4番手」 エンジン差解消は2028年目標

    アウディF1のマッティア・ビノットは、チームが掲げる2030年のタイトル争いに向けたロードマップを改めて説明し、現在のマシンについて「グリッドで4番目に優れたシャシーを持っている」との見解を示した。

    一方で最大の課題はパワーユニットにあると認め、トップチームとのエンジン性能差を埋めるには時間が必要だと説明。2027年までの解決は現実的ではなく、2028年にライバルと肩を並べることを目標に据えていることを明かした。

    2030年タイトル争いへ段階的な計画
    マッティア・ビノットはF1公式ポッドキャスト「Beyond The Grid」で、アウディF1が短期的な成功を追い求めるのではなく、明確なロードマップに沿ってチームを強化していると説明した。

    「我々はチーム内で何度も話し合ってきた。2030年という目標を設定した一方で、そこへ到達するためのロードマップも持っている」

    「そのロードマップの第一歩は、まず競争力のあるチームになることだ。時にはダークホースとなり、その後は勝利を争う存在となり、最終的にはタイトル争いをするチームになることを目指している」

    ビノットによれば、2026年の目標は単純なポイント数やランキングではない。

    「競争力を持つということは、チームの一人ひとりが本当の意味で競争すること、そしてアウディであることの意味を理解することだ」

    「ただ参加するだけではなく、改善のためにあらゆる努力を尽くし、毎レースごとに基準を引き上げ続けることが重要だ」

    さらに、シーズン終了時にはファンやメディアから見てもチームの変化が分かる状態になっていることを期待しているという。

    「アウディがF1に参入し、本格的な存在になりつつあることを誰もが認識できるようになれば非常に満足だ」

    シャシーはグリッド4番手との自己評価
    アウディはジョナサン・ウィートリーをチーム代表に迎えたほか、英国拠点の設立やスイス・ヒンウィルの施設拡張など、組織強化を進めている。

    そのヒンウィルではシャシーと空力開発が行われており、ビノットは現行マシン「R26」の最大の強みがそこにあると語った。

    「シャシーについては非常に満足している。ドライバーとの議論だけでなく、GPSテレメトリーの分析からもそう言える」

    「まず風洞とシミュレーターの相関が非常に良好だった。エンジニアリングの観点では、プラットフォームとして最も重要な部分だ。我々のプロセスや手法は大きく前進した」

    さらにコーナリング性能について高く評価している。

    「我々のマシンはコーナーで本当に速い」

    「そして我々はシャシー性能だけを見れば、グリッドで4番手だと考えている。元々ザウバーだったチームがここまで到達したのは驚くべき成果だ」

    ビノットは、この結果がヒンウィルの組織改革や開発体制の改善による成果だと説明した。

    アウディ F1 マッティア・ビノット

    最大の弱点はパワーユニット
    その一方で、ビノットは最大の弱点がパワーユニットであることを隠していない。

    アウディのF1エンジンは同社初のF1パワーユニットであり、性能面やドライバビリティの両方でトップ勢との差が残っているという。

    「2030年へ向かう道の中で、次の大きなステップは2028年になると思う」

    「勝利や表彰台を争うためには優れたマシンが必要だ。それはインフラやプロセス、チーム規模だけの問題ではない」

    「現在トップチームとのギャップを測ると、最大の差はパワーユニットの性能、その制御、そしてドライバビリティにある」

    ビノットは、エンジン開発は空力開発よりも時間がかかると指摘し、根本的な改善にはハードウェア変更が必要だと説明した。

    「その差を埋めるには大きな前進が必要だ」

    「エンジンの開発サイクルは空力よりも長い。だから次の重要なステップは短期間で達成できるものではない」

    「現在のエンジンを改善し、ライバルと同じレベルに引き上げるにはハードウェアを変更しなければならない」

    「我々は2027年までにそれを実現することは不可能だと考えている。しかし2028年には正しいレベルへ到達できると見ている」

    アウディF1が示した現実的な成長シナリオ
    アウディF1の発言で興味深いのは、2030年タイトル獲得という長期目標を掲げながらも、現状を過大評価していない点だ。

    ビノットはシャシー面ではすでに一定の競争力を獲得したと自信を見せた一方、パワーユニットについては依然として大きな遅れがあることを率直に認めている。

    2026年の新レギュレーション下ではエンジン性能の重要性が高まっており、アウディにとって最大の課題はヒンウィルではなくドイツで開発されるパワーユニットの成熟にあると言えそうだ。

    そのためアウディは2027年の即時躍進ではなく、2028年にエンジン性能をトップレベルへ引き上げ、そこから勝利争いに加わるという現実的な成長シナリオを描いている。ビノットの発言は、その長期計画の現在地を示すものとなった。

  • アウディF1が“反対派の急先鋒”に 2027年エンジン規則見直しで対立激化

    アウディF1が“反対派の急先鋒”に 2027年エンジン規則見直しで対立激化

    2026年F1レギュレーションを巡る議論がさらに激しさを増している。FIAとFOM(フォーミュラワン・マネジメント)は、2027年からパワーユニットの電動依存度を引き下げる規則変更を検討しているが、その最大の反対勢力としてアウディの名前が浮上している。

    一方でF1のCEOであるステファノ・ドメニカリは、将来的なV8エンジン復活への支持を公然と表明しており、メーカー間の思惑の違いが表面化し始めている。

    2027年規則変更を巡る攻防
    現在FIAとFOMは、2026年から導入された新世代パワーユニットの電動比率が高すぎるとの懸念を受け、2027年から内燃機関と電動出力の比率を「60対40」に見直す案を推進している。

    さらに2030年から2031年頃には、持続可能燃料を使用する軽量なV8エンジン搭載マシンへの移行構想も議論されている。

    ステファノ・ドメニカリはフランス紙『レキップ』に対して、その方向性を強く支持した。

    「私はこの動きを1000%支持している」

    「よりクリーンな燃料、より軽いマシン、そしてV8エンジンによって、我々はモータースポーツ本来の姿を取り戻すことができる。それこそが私がF1を愛してきた理由だ」

    アウディが強く反発する理由
    しかし舞台裏では、規則変更に対する反対意見も根強い。

    『Auto Motor und Sport』によると、現時点で2027年の見直し案を全面的に支持しているのはメルセデスとレッドブルのみだという。

    ホンダは妥協の余地を残しているとされるが、フェラーリとアウディは慎重な姿勢を崩していない。

    特にアウディは、F1参戦2年目で大規模なエンジン再設計を迫られることを大きな負担と考えている。

    報道によれば、アウディは2028年により大規模なアップデートを計画しており、その前倒し実施によって約1000万ユーロ(約17億円)の追加コストが発生すると見積もっている。

    2026年から本格参戦を開始したばかりのアウディにとって、わずか1年で設計方針を変更することは技術面でも財政面でも大きなリスクとなる。

    フェラーリにも別の事情
    フェラーリの懸念はアウディとは異なる。

    フェラーリは現在、ADUO(追加開発機会制度)を活用しながら2026年型パワーユニットの改善に取り組んでいる。

    もし2027年から再び大きな設計変更が実施されれば、せっかく縮めつつあるメルセデスとの差が再び広がる可能性がある。

    そのためフェラーリの技術陣は、まず現行パッケージの競争力向上を優先しているとされる。

    キャデラックが“決定票”を握る可能性
    規則変更を成立させるためには、FIAのスーパー・マジョリティ制度に基づき、登録されている6社のパワーユニットメーカーのうち4社の賛成が必要となる。

    そのため、2028年からワークスパワーユニット導入を予定しているキャデラックF1チームの立場が重要になる可能性がある。

    ただしパドック関係者の多くは、現在フェラーリ製カスタマーパワーユニットに依存するキャデラックが、政治的にはフェラーリ寄りの立場を取るとみている。

    その場合、規則変更の成立はさらに難しくなる。

    フェルスタッペン問題とも直結
    この議論が注目を集めている理由のひとつが、マックス・フェルスタッペンの発言だ。

    フェルスタッペンは2026年レギュレーションに対して公然と不満を表明し、将来的にF1を離れる可能性まで示唆している。

    ドライバー側からも「レースそのものが面白くなくなる」との懸念が広がる中、FIAとFOMは規則修正による軌道修正を模索している。

    ただしドメニカリは現在の規則への反対意見が広範囲に広がっているとの見方を否定した。

    「ルールについて不満を言っている人はごく少数だ」

    「これらの変更は必要だった。そうでなければメーカーはエンジン供給をやめていただろう」

    「我々は完全な電気自動車にはしたくなかった。そのため新たなメーカーを呼び込む妥協案を見つけた」

    2026年レギュレーション誕生の背景にはアウディやホンダなど新規・既存メーカーの参入維持という目的があった。しかし皮肉にも、そのレギュレーションの修正を巡って現在はアウディ自身が最大の反対勢力となっている。

    2027年の見直し案が成立するのか、それとも2026年仕様が維持されるのか。今後数か月のメーカー間交渉が、2030年代のF1の方向性を左右することになりそうだ。

  • アウディが握るマックス・フェルスタッペンの未来 2027年F1規則問題の焦点

    アウディが握るマックス・フェルスタッペンの未来 2027年F1規則問題の焦点

    2027年F1パワーユニット規則の見直しをめぐる議論が大きな山場を迎えている。

    現在、FIAとFOMは電動出力の比率を引き下げる規則変更を進めようとしているが、その実現を左右する存在としてアウディが急浮上している。これは単なる技術規則の議論ではない。結果次第ではマックス・フェルスタッペンの将来にも影響を及ぼしかねない重要な局面となっている。

    フェルスタッペンが不満を募らせる2026年F1
    現在の2026年型パワーユニットは内燃機関と電動出力が50:50に近い構成となっている。しかし、このエネルギーマネジメント中心のレーススタイルに対し、マックス・フェルスタッペンは強い不満を抱いている。

    「エネルギーマネジメントの問題は冗談みたいなものだ。本当に苦痛だ」

    「もっとプッシュしようとするとエネルギーがなくなる。するとクリッピングが増えてしまうし、違うギアを使わなければならない。その結果、コーナーでは遅くなり、次のストレートでは速くなる」

    「僕にとってこれはレースではない。本当に、本当にフラストレーションが溜まる」

    フェルスタッペンは以前から現行規則への不満を隠しておらず、改善が見込めない場合にはF1を離れる可能性も示唆している。

    2027年規則変更には4メーカーの賛成が必要
    こうした状況を受け、FIAは2027年から内燃機関と電動出力の比率を60:40へ変更する案を推進している。

    しかし変更を実現するためには、パワーユニット・アドバイザリー委員会で6メーカー中4メーカーの支持を得る必要がある。

    現時点で賛成しているのはメルセデスとレッドブルのみ。

    フェラーリとキャデラックは反対姿勢を明確にしており、ホンダとアウディは中立的な立場を維持している。

    つまり規則変更の成否は、事実上アウディとホンダの判断に委ねられている。

    なぜFIAはアウディを重視しているのか
    FIAとFOMが現在最も重視しているのはフェラーリの説得ではなく、アウディとの合意形成だ。

    フェラーリはADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)の扱いを巡って強硬姿勢を崩しておらず、妥協点を見つけるのは容易ではない。

    一方のアウディは、技術面よりもコスト面を問題視している。

    2026年から新規参入する同社は、わずか1年後の2027年に再びパワーユニット開発をやり直すことに慎重であり、推定1000万ドル(約16億円)の追加投資が必要になるともみられている。

    そのためコストキャップの調整や技術要件の緩和など、何らかの妥協案が提示されれば態度を変える余地があると考えられている。

    ホンダはアウディの判断を見守る立場
    ホンダは現時点で明確な賛否を示していない。

    折原伸太郎はカナダGPで次のように語っている。

    「我々はFIAの決定を尊重します。ですので、現在はその判断を待っています」

    こうした姿勢から、パドックでは「アウディが賛成に回ればホンダも続く可能性が高い」との見方が広がっている。

    アウディが握るフェルスタッペンの未来
    FIAとFOMが避けたいのは、問題を先送りして2028年に再び同じ議論を繰り返すことだ。

    もしアウディとホンダが賛成に回れば、メルセデスとレッドブルを加えた4メーカーの支持が確保され、2027年規則変更は実現に大きく近づく。

    反対にアウディが首を縦に振らなければ、規則変更は頓挫する可能性が高まる。

    そうなれば、現行のエネルギーマネジメント重視の方向性に不満を抱くフェルスタッペンの将来にも影響を及ぼしかねない。

    2027年F1規則問題の中心にいるのはフェラーリでもホンダでもない。いま最も重要な一票を握っているのはアウディであり、その判断がF1の将来とフェルスタッペンの未来を左右しようとしている。

  • ペーター・ザウバー アウディF1を擁護「批判は時期尚早」

    ペーター・ザウバー アウディF1を擁護「批判は時期尚早」

    アウディの2026年F1シーズンは厳しい船出となっているが、チーム創設者のペーター・ザウバーは、ドイツメーカーへの批判は早計だと擁護した。

    アウディはワークス体制への完全移行初年度に、信頼性の問題やパワーユニットのドライバビリティ不足、さらに絶対的なパフォーマンス不足に苦しんでいる。一部では「大手メーカーとして恥ずかしいスタート」との厳しい声も上がっている。

    ペーター・ザウバー「成功は一夜にして生まれない」
    82歳のペーター・ザウバーはスイス紙『Blick』に対し、現在の評価は時期尚早だと語った。

    「チームにはもっと時間を与えなければならない」

    「アウディはエンジンとギアボックスをゼロから開発しなければならなかった」

    「成功は一夜にして生まれるものではない。だから、多くの批判は時期尚早だ」

    ザウバーは、長年モータースポーツの現場を見てきた経験から、新規プロジェクトが短期間で結果を出すことの難しさを強調した。

    ドライバーも認めるパワー不足と課題
    一方で、現役ドライバーたちは現在の課題を隠していない。

    ニコ・ヒュルケンベルグはモントリオールで、アウディが複数の面で遅れを取っていると認めた。

    「僕たちは最速のマシンに遅れを取っていて、それは複数の要因が組み合わさったものだ」

    「パワーユニットのドライバビリティには、まだかなり改善の余地がある。僕たちは最もパワフルなエンジンを持っているわけではないし、それは分かっている」

    「信頼性についても改善する必要がある」

    ガブリエル・ボルトレトも同様の見解を示している。

    「最終的には単純にパワーが足りない」

    「それは公開されているデータを見れば分かる」

    「プロジェクトが始まったばかりということを考えれば、僕たちは素晴らしい仕事をしている。でも他のチームと比べると、その差は明らかだ」

    アウディ陣営は開発の進展に一定の手応えを感じているものの、現状では競争力不足を認めざるを得ない状況にある。

    開発は継続中 新パーツ投入も
    それでもヒュルケンベルグは、チームが着実に前進していると語る。

    「ここにはいくつか新しいパーツがある。大規模な進化パッケージではないけれど、継続的な開発の一環だ」

    「マイアミから何が変わったのか、とても興味がある」

    2026年シーズン開幕からまだポイントを獲得できていないヒュルケンベルグだが、アウディはアップデートを重ねながら改善を進めている。

    ADUO制度の判断が勢力図を左右
    アウディとホンダは、新レギュレーション下で苦戦するパワーユニットメーカーを支援するADUO制度の対象になるとみられている。

    しかし現在ではフェラーリも支援対象入りを期待しており、FIAの判断に注目が集まっている。

    シャルル・ルクレールもメルセデスの優位性を認めた。

    「今のところ、メルセデスには大きなアドバンテージがあると思う。特にパワーユニットに関してはそうだ」

    「僕たちがADUOの対象にならなかったら驚くだろう」

    「ストレートでは、メルセデスのエンジンやフォードのエンジンと比べて、少しパフォーマンスが足りないと感じることがある」

    2026年F1シーズンは、メルセデスがパワーユニット面で先行しているとの見方がパドック内で広がっている。アウディ、ホンダ、フェラーリがどこまで差を縮められるのか。そしてADUO制度がどのメーカーに適用されるのかが、今後の勢力図を左右する大きな焦点となりそうだ。

  • アウディF1 カナダGPで戦略裏目 マクニッシュ「最適な判断ではなかった」

    アウディF1 カナダGPで戦略裏目 マクニッシュ「最適な判断ではなかった」

    アウディは2026年F1カナダGP決勝で、ニコ・ヒュルケンベルグが12位、ガブリエル・ボルトレトが13位に終わり、ポイント獲得を逃した。

    雨予報を見越して2台ともインターミディエイトタイヤでスタートする戦略を選択したが、路面は想定以上に早く乾き、追加フォーメーションラップも重なったことで序盤から後手に回る展開となった。

    アラン・マクニッシュ「天候判断がレースを左右した」
    レーシングディレクターのアラン・マクニッシュは、スタート時のタイヤ判断が結果に大きく影響したと説明した。

    「レースは天候とタイヤ選択に大きく左右された。コンパウンド選択は非常に難しい判断であり、当時入手していた情報を基にインターミディエイトを選んだが、結果的にはスタート遅延があり、最適な戦略にはならなかった」

    「そこから順位を取り戻すのは難しく、最終的には12位と13位だった。ただ、信頼性面や週末を通してクリーンに走り切れたことにはポジティブな部分もある。とはいえ、ペースをより良い結果につなげるには、まだ改善すべき点がある」

    「それでも、マイアミと比べれば前進できた感覚はある。特に週末全体の一貫性やオペレーション面では改善が見られた」

    ヒュルケンベルグ「かなり早い段階で苦しくなった」
    ニコ・ヒュルケンベルグは、序盤の展開によってレース全体が難しくなったと振り返った。

    「僕たちにとっては厳しいレースだった。振り返れば、スタート時のコンディションは僕たちの予想とは違う方向に進んでいた。当時持っていた情報を考えればリスクを取る価値はあったが、結局序盤は思ったように展開せず、かなり早い段階で苦しい状況に追い込まれた」

    「その後も、自分たちが望んでいたような回復ペースはなかった。周囲のライバルたちはもっと早く前に進んでいたので、そこには理解し改善しなければならない点がある」

    「全体として、多くを振り返る必要のある厳しい週末だった。すべてをしっかり分析し、そこから学びを得てモナコへ向かいたい」

    ボルトレト「クリーンな展開ならポイントも可能だった」
    ガブリエル・ボルトレトは、戦略による後退が大きかったと語った。

    「僕たちにとっては長いレースだった。インターミディエイトタイヤでスタートしたのは、それがうまくいく可能性があると感じていたからだが、雨はすぐに止んでしまい、その判断が結果的に不利になった」

    「追加ピットストップによって争いから脱落し、その後は自分たちのペースを管理するレースになった。それでもポジティブな点として、2台とも完走し、チームにとって重要なデータを集められたことは良かった」

    「もちろん少し残念ではある。クリーンな週末と普通のレース展開なら、今日はポイント獲得も可能だったと思う。でも、それがレースだ。今はモナコに集中している」

    アウディF1はポイント獲得こそ逃したものの、マイアミ以降のパフォーマンス改善とオペレーション面での前進を感じさせる週末となった。モナコGPはまったく異なる特性を持つ市街地戦となるが、チームは今回得たデータと課題を次戦へつなげたい考えだ。

  • アウディ 日本でF1初参戦シーズンを盛り上げる全国施策を展開

    アウディ 日本でF1初参戦シーズンを盛り上げる全国施策を展開

    アウディ ジャパンは、2026年F1シーズンのAudi Revolut F1 Team初参戦に合わせ、日本国内でファンエンゲージメントを高めるマーケティング施策を本格展開している。

    3月に鈴鹿サーキットで開催されたF1日本GPを皮切りに、ブランドブース、観戦ツアー、全国ディーラーでの店舗装飾、ポッドキャスト展開などを通じて、アウディのF1挑戦をより身近に感じられるブランド体験の場を広げている。

    F1日本GPでアウディブランドを体験型で訴求
    アウディ ジャパンは、3月27日から29日に鈴鹿で開催されたF1日本GPのFAN ZONEにブランドブースを出展した。

    ブースには、アウディのハイパフォーマンス電動グランツーリスモ「Audi RS e-tron GT performance」の限定車「Audi RS e-tron GT performance exclusive edition」を展示。来場者に向けて、アウディの先進性と電動化技術を印象づけた。

    さらに、アウディのモータースポーツの歴史を紹介するパネル、Audi Revolut F1 Teamのマシン紹介、ニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトのドライバー紹介パネル、レースで使用されるタイヤなども展示。F1初参戦に向けたブランドの挑戦を、多角的に伝える内容となった。

    VIP観戦ツアーでブランド体験を強化
    日本GP期間中には、アウディの顧客向けにVIP Suite Premiumでの観戦ツアーも実施された。

    参加者は、フォーリングスのキャップやフラッグなどAudi Revolut F1 Teamの応援グッズを手に、ラグジュアリーな空間でレースを観戦。観戦ルームには、F1という世界最高峰の舞台に挑むアウディへの期待と声援が集まり、熱気ある雰囲気に包まれた。

    全国ディーラーにもF1の世界観を展開
    鈴鹿での盛り上がりは、全国のアウディ正規ディーラーにも広がっている。

    ショールームでは、ドライバー2名の等身大パネルやレース結果を紹介するリザルトボードを展示し、店舗全体をF1カラーで演出。スタッフはF1応援ユニフォームを着用し、レース開催国にちなんだスイーツで来場者をもてなすなど、Audi Revolut F1 Teamを身近に感じられる空間づくりを行っている。

    Audi City銀座、Audi City日本橋、Audi世田谷、Audi名古屋瑞穂の4店舗では、巨大ウィンドウステッカーやイルミネーションウォールなどの特別デコレーションも展開。ショールームの外からも、アウディのF1参戦を印象づけるビジュアルを掲出している。

    アウディ F1

    ポッドキャストで新たなファン層にも接点
    シーズン開幕前からは、F1の魅力を伝えるオリジナルポッドキャスト番組「J-WAVE Podcast RACING FOR PROGRESS supported by Audi」も配信されている。

    F1実況で知られるJ-WAVEナビゲーターのサッシャ氏と、同じくJ-WAVEナビゲーターの川口ゆりな氏が、F1やモータースポーツを親しみやすく解説。エピソード4まで公開され、YouTubeでの総再生回数は2026年5月11日時点で29万回を超えている。

    専門的なテーマをわかりやすく伝える構成により、既存のF1ファンだけでなく、これからモータースポーツに触れる層にもアプローチする狙いがある。

    アウディは、モータースポーツを単なる競技ではなく、技術革新の場であり、ブランド価値を高める重要なプラットフォームと位置づけている。F1初参戦シーズンを通じて、日本国内でもブランド体験とファン接点を拡大し、Audi Revolut F1 Teamへの関心を継続的に高めていく。

  • アウディF1「PU性能が不足」 ル・マン哲学で2030年の頂点目指す長期計画

    アウディF1「PU性能が不足」 ル・マン哲学で2030年の頂点目指す長期計画

    アウディF1は2026年シーズン序盤の苦戦を認めつつも、長期的な視点で頂点を目指しているようだ。新たにレーシングディレクターに就任したアラン・マクニッシュは、現時点で最大の課題がパワーユニットにあることを率直に認めた。

    一方で、シャシー面については「予想以上のスタート」と評価。ル・マンで培った耐久レースの哲学を引き合いに出しながら、「2030年までにタイトル争いをできるチームになる」という現実的なロードマップを描いている。

    アラン・マクニッシュ「最大の課題はパワーユニット」
    アラン・マクニッシュは、マイアミGPでF1.comに対し、アウディの現状について率直に語った。

    「パワーユニット側について言えば、間違いなくそこが最大かつ最も難しい仕事だ」

    「初めて参入する分野だから、多くを学ばなければならない」

    「現時点では、まだピークパフォーマンスを発揮できているとは思っていない」

    「そこには改善すべき点があるし、パフォーマンス面でも少し不足している」

    アウディは2026年からワークス体制でF1参戦を開始したが、新レギュレーション下では独自PU開発の難しさに直面している。特に序盤戦では信頼性やエネルギーマネジメント面で苦戦が目立っていた。

    “予想以上”のシャシー性能を評価
    その一方で、マクニッシュは車体側についてはポジティブな評価を下している。

    「マシン側については、非常に良い仕事をしていると思う」

    「全体として、我々がここまで良いスタートを切ると予想していた人は多くなかったのではないか」

    アウディは開幕4戦でコンストラクターズランキング8位、2ポイントを獲得。結果だけを見ると苦しいスタートだが、一発の速さやQ2進出など、断片的には競争力を見せている。

    現場ではオペレーション面のミスや信頼性問題も発生しているが、マクニッシュは「新規参入チームとしては悪くない出発点」と捉えているようだ。

    ル・マン経験から語る“長期戦”の重要性
    マクニッシュは、アウディのプロジェクトを耐久レースになぞらえながら、短期的な結果だけを追うべきではないと強調した。

    「私のこれまでのレース経験、特にスポーツカーの世界から学んだことがある。ル・マンは完璧な例だが、常にスプリントではない」

    「個々のレースは短期決戦でも、チャンピオンシップは耐久戦であり、長期的なビジョンが重要なんだ」

    「その点で言えば、我々は未来に向けてかなり良い形で築き上げていると思う」

    アウディ首脳陣は、このプロジェクトに対して2030年までにタイトル争いへ到達することを期待していると報じられている。

    “新参者”として現実的な目標設定
    マクニッシュは、現時点で過度な期待を抱くべきではないとも語った。

    「我々は現実的でなければならない」

    「我々は新参者だ。サーキット内外で学ばなければならないことが非常に多い」

    「そういう観点から見れば、現時点の我々は非常に良いスタートを切れていると思う」

    短期的な目標については、安定したQ3進出とポイント獲得を掲げた。

    「Q3争いに加わり、安定してポイントを狙える位置に行きたいと思っている」

    「ただ、それが毎回可能だとも分かっているわけではない」

    「だからこそ、これは長期プロジェクトの1年目なのだと理解する必要がある。次の1戦だけに固執するのではなく、我々がどこへ向かっているのかというビジョンを持つことが重要なんだ」

    2026年F1の新規ワークス参戦組として注目を集めるアウディだが、マクニッシュの発言からは“即結果”ではなく、“数年単位で頂点へ向かう計画”を重視している姿勢が色濃く見えてくる。

    Photo:Audi