カテゴリー: 佐藤琢磨

  • 佐藤琢磨 「残念であると同時に腹立たしい状況でもあった」

    佐藤琢磨 「残念であると同時に腹立たしい状況でもあった」

    佐藤琢磨が、ダブルヘッターレースとなったインディカー第6戦デトロイトのレース週末を振り返った。

    IZODインディカー・シリーズのランキング2位として週末を迎えた佐藤琢磨は、ふたつのレースでいずれもトップ10圏内を走行していた。

    だが、最初のレースでは4番手を走行中にガス欠となり、2ラップ遅れの19位でフィニッシュした。そして2レース目では8番手を走行中に押し出され、バリアと激突する憂き目に遭った。

    走り始めの段階では、No.14をつけたダラーラ・ホンダのペースにチームはあまり満足していなかったが、週末を通じてAJフォイト・レーシングは次第にコンペティティブになっていった。

    「デトロイトは興味深いコースです」と佐藤琢磨は語る。

    「公園のなかにレイアウトされているので市街地サーキットとも違うし、パーマネントコースでもありません。おそらく路面のおよそ70%はコンクリートで、しかも冬の気候が厳しいためにコースはとてもバンピーでした。そこでたくさんパッチを張り替えたので、路面の約50%は新しくなっていましたが、バンプのひどさは以前と変わっていませんでした」

    「コースレイストも見直されました。ターン2に続くミッキー・マウス・セクションが改められ、ハードブレーキングで進入するターン3まで真っ直ぐ進入するレイアウトとなりました。彼らはいい仕事をしたと思いますが、路面は相変わらずバンピーで、肉体的に辛いコースであることには変わりありません」

    「予選前のプラクティスは1度だけしかありませんでした。残念ながら、このセッションでは何度か赤旗が提示されたため、時間内にセットアップするのは難しい状況でした。僕たちはあまり好調ではなく、グリップ不足に苦しんでいました」

    予選は雨が降ったおかげで、佐藤琢磨は易々と予選グループのトップとなり、計12名のドライバーが出走する予選の第2ラウンドに進出した。だが、ここで佐藤琢磨の手が及ばない事態が起きて8番手となり、ファイアストン・ファスト6には駒を進められないこととなった。

    「僕は2番手のマイク・コンウェイを1秒以上も引き離していました。これは良かったのですが、第2ラウンドではコースが驚くほど速く乾いていきました。僕は、最初にユーズドのブラックタイア(コンパウンドが硬めのプライマリー・タイア)で1度チェック走行を行いました。それからピットに入り、新品のレッドタイア(コンパウンドが柔らかめのオルタネート・タイア)に付け替えました」

    「ところが、ウォームラップを走行中に1台のマシンがターン3でスピンしました。そこで、この部分のみイエローが出ていましたが、次の周にはもうイエローは提示されていないだろうと考えていました。ところが、ターン3ではまだイエローが提示されていたのです。僕は、最後のアタックに備えて、前を走るウィル・パワーとの間隔を開けようとしてペースを落としていました。そして、再アタックを試みたそのラップがもう少しで終わるというときにレッドフラッグが提示されたため、僕はタイムを残せませんでした。ターン3でスピンが起きるまで、僕はトップ6に入っていたので、これはとても悔しいできごとでした。イエローが提示された状況は変わらなかったにも関わらず、突然、走行を続けるには危険だと判断され、赤旗が提示されたのです。この間にタイムを記録できたのは数名でしたが、あのままローカルイエローのままコース全体がグリーンに保たれていれば数分間は残されていたので、トップ6に返り咲くことができたと思います」

    土曜日の午前中には第2レースの予選が行われたが、21番グリッドと佐藤琢磨にとってはさらに悪い結果となった。

    「チームにとって昨年のデトロイトはあまりいいレースではありませんでした。このため、このコースでマシンを速くするために必要となる情報がやや不足していました。予選に向けてはいくつかのアイデアを試しましたが、残念ながらそれらは期待と反対の効果をもたらしてしまいます。この予選結果は、なによりもインディカー・シリーズの厳しさを物語っています。なにしろ、12人の予選グループで11番手に終わってしまったのです! このときはものすごくドライブしにくくて、グリップも低く、バランスもよくありませんでした。まるでマシンがバラバラのように感じられたのです!」

    それでも第1レースでは苦労が報われそうになる。スタートではパワーの先行を許したが、やがてEJ.ヴィソとトリスタン・ヴォーティエをパスして7番手となり、20周目の時点ではファステストラップを記録。その後、何人かがピットストップを行ったので佐藤琢磨は4番手となるが、間もなく佐藤琢磨は燃料を使い果たすこととなる。これでフルコーションとなったために佐藤琢磨は2ラップ遅れとなっただけで済んだが、いずれにせよ、もはや取り返しようのないハンディキャップだった。

    「計算ミスのためでしたが、メカニックたちにはいい仕事をして速いクルマを用意してくれていたので、本当に残念でした。マシンが止まったときは、電気系のトラブルだろうと思っていたので、シートベルトを外してコクピットの外に降りようとしましたが、マシンの止まったのがレスキューするのに難しい場所だったため、フルコーションとなりました。このときラリー・フォイトから無線が入り、『どうやら燃料を使い果たしたようだ』と伝えられたので、すぐさまコックピットに戻り、一部の望みにかけてピットまで戻してくれとマーシャルに頼みました」

    「2周遅れとなっていたので、現実的にはチャンスは残されていません。もちろん、どんなことが起きるかわかりませんが、プラクティスが限られていたので、レースの残り周回数をテストとして活用し、マシンの変化を見極めることにしました。このときは、マシンのバランスにはまだ満足できていませんでしたが、レース中の最速タイムは5番手か6番手という、とても勇気づけられるラップタイムを記録することができました」

    日曜日のウォームアップは、さらに期待の持てる展開となった。レッドタイアを使うドライバーもいたなか、佐藤琢磨は硬めのブラックタイアを履いて5番手タイムをたたき出した。

    「他のイベントとはタイアの振る舞いが異なっていました。新品のレッドタイアは、最初の1周目は速いけれど、5周か7周ほど走ると急激に性能が低下して、最終的にはブラックタイアよりも2秒近く遅くなります。僕は21番手からスタートしなければいけないので、スタートでは新品のレッドタイア――レース中に1度は使用しなければならない――を使い、できるだけ早い段階で義務を消化しようと考えたのです」

    もっとも、テレビで観ているだけでは気づかなかったかもしれないが、スタートの段階から佐藤琢磨のレースは間違った方向に向かい始めていた。混乱したレースのなか、戦略を駆使した佐藤琢磨は20周目に8番手まで浮上していたが、続くリスタートではヴォーティエと接触し、ターン3でレースを終えることとなった。

    「ヴォーティエのドライビングはスタート前から危険極まりないものでした。スタート・フィニッシュ・ラインの直前には90度コーナーがふたつ続くターン12とターン13があり、続くターン14は少しキンクしていて緩やかなカーブを描いています。2列に並んでスタートを切るインディカー・シリーズでは、ターン11を過ぎたところで整列するのが理想的です。僕はトリスタンのイン側にいましたが、彼が気づいていたかどうかはわかりません。なにしろ、ターン12ではコースの真ん中まで出てきたので、僕は激しく縁石に乗り上げる形となってしまいました。この縁石はあまりに高いので通常は使いません。おかげで、もう少しでスタート前にウォールにヒットしそうになるくらい、ものすごく危険な状態でした」

    「これで彼は半車身ほど僕より前を走ることになり、彼の右リアタイア近くを僕は走っていましたが、『ひょっとすると、この男はまた僕に飛びかかってくるかもしれない』と思えました。最後のキンクは、簡単に全開でクリアできるセクションですが、彼が急に右へ向かってきたため、僕はスタート前にブレーキを使わなければいけなくなりました。そうしなかったら、きっと宙を舞っていたことでしょう」

    「レースはひどい展開でした。数周ごとにイエローが出て、まともではありませんでした。それでも、僕は8番手まで浮上しました。あるとき、僕はトリスタンをオーバーテイクしましたが、すぐさま強引に抜き返されました。彼はそこら中で暴れ回って、いろいろなドライバーと接触していました」

    「そして僕にとって最後のリスタートは……。ターン3ではいろいろなドライバーがサイド・バイ・サイドで進入していくのを何度も見ました。僕自身、最初のレースではパワーとやりました。ブレーキングで、僕はトリスタンとフェアに戦い、コーナーに進入していきましたが、突然、彼は縁石に大きく乗り上げ、この影響でテールを振り出し、これが僕のマシンにぶつかり、僕ははじき出されるようにタイアウォールと接触してしまいました。これはものすごく残念であると同時に、ものすごく腹立たしい状況でもありました」

    不幸中の幸いといえるのは、次のレースまであと数日しかないことだろう。インディカー・シリーズの一団は南に向かい、ハイスピード、ハイバンクで知られるテキサス・モーター・スピードウェイでの一戦に臨む。

    「レースではとてもコンペティティブに戦えるマシンを用意してくれたチームに深く感謝しています。面白い結果を得られたかもしれないレースがこんな結末に終わってしまい、とても申し訳なく思っています」

    「でも、まだたくさんのレースが控えています。僕たちはテキサスのスーパースピードウェイに戻ってハイスピードバトルを行った後、ショートオーバルでの2連戦に挑みます。僕たちのマシンはオーバルでの好調なので、この先のレースを楽しみにしています」

  • 佐藤琢磨、NHK  Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達」に出演

    佐藤琢磨、NHK Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達」に出演

    佐藤琢磨は、8日(土)に放送されるNHK Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達」に出演。パティシエの青木定治とクロストークを行う。

    「SWITCHインタビュー 達人」は、異なる分野で活躍する2人の“達人”が出会い、語り合う番組。ただし、単なる対談番組でなく、番組の前半と後半でゲストとインタビュアーを「スイッチ」しながら、それぞれの「仕事の極意」について語り合う。

    番組では、佐藤琢磨とパティシエ・青木定治の対談。今年インディレース初優勝を成し遂げた佐藤琢磨とスイーツの本場パリで活躍する青木定治が世界を制する技と秘けつを語りあう

    SWITCHインタビュー 達人達(たち)「佐藤琢磨×青木定治」
    4月にアメリカのインディカーレースで日本人初優勝を果たしたカーレーサー・佐藤琢磨。貸し切りの鈴鹿サーキットを舞台に1万分の1秒の速さを求め、歴史的な勝利をもぎ取った秘密が明かされる。一方、スイーツの本場パリでも随一の人気を誇るトップパティシエ・青木定治。青木の名を高めた抹茶を始めとする和の素材など食材への徹底的なこだわりと、味を支える職人技とは? 2人が、日本人が世界で勝ち抜く秘けつを語りあう。

    <放送局>
    NHK Eテレ

    <放送日&時間>
    6月8日(土) 午後10時00分〜午後11時00分

  • 佐藤琢磨、クラッシュリタイアでレースを終える (インディカー第7戦)

    佐藤琢磨、クラッシュリタイアでレースを終える (インディカー第7戦)

    佐藤琢磨は、ダブルヘッダーとなったデトロイトの2レース目をクラッシュリタイアで終えた。

    佐藤琢磨は、土曜日に行われた予選の結果によって、このレースは21番グリッドからスタート。10周目に起きたアクシデントを利用してハードタイヤへとスイッチし、この作戦によって8番手までポジションをアップした。

    残る周回をトップグループで戦うチャンスをつかんだ佐藤琢磨だが、23周目のリスタート直後にターン3でルーキーのトリスタン・ボーティエ(Schmidt Peterson Motorsports)と接触し、タイヤバリアに突っ込んでリタイアとなった。最終的に佐藤は23位となり、レース終了時点でのポイントスタンディングは6位となった。

    佐藤琢磨 (23位)
    「ターン3で接触し、リタイアとなってしまいました。とても残念です。あそこはもう何度も2台が並んで走り抜けているコーナーです。ブレーキングで真横に並びかけていたわけですから、私がアウト側にいることを彼は知っていたはずです。そのような状況では1台分のスペースを相手に与えるようにとドライバーズミーティングで全員が確認をしていたのですが、アクシデントは起こってしまいました。起こってしまったことは仕方ありませんが、マシンが土曜日よりいいセッティングになっていただけに本当に残念な結果です」

  • 佐藤琢磨、19位でフィニッシュ (インディカー第6戦)

    佐藤琢磨、19位でフィニッシュ (インディカー第6戦)

    佐藤琢磨は、インディカー第6戦デトロイトの決勝レースを19位で終えた。

    予選8番手だった佐藤琢磨だが、ダリオ・フランキッティのグリッド降格の影響で7番手から決勝をスタート。レース序盤に2つポジションをアップして順調に戦っていましたが、1回目のピットストップに入るタイミングを1周遅らせたのが裏目に出て、燃料切れでコース上にストップ。

    オフィシャルにリードされてピットに戻ることはできたが、そのときにはすでにトップに3周もの差をつけられていた。それでも、少しでも多くのシリーズポイント獲得することと、明日の日曜日に行われる決勝2日目に向けたデータ収集のため、走行を続け、19位でゴールした。

    佐藤琢磨(19位)
    「慎重にスタートし、順位を少し上げて1回目のピットストップを迎えようとしていました。『次の周にピットインする』と無線で指示を受けていましたが、『もう1周行ける』と指示が変わってピット入口を通り過ぎました。そうしたら、ターン2を過ぎたあたりで燃料切れの症状が出て、コース上にストップしました。レースに復帰するのは難しいと考えてマシンから降りかけましたが、オフィシャルがピットに戻してくれることを期待してコクピットに残りました。その結果、レースに戻ることができ、明日に向けて周回を重ねました。どうしてもソフトタイヤでの走りを経験しておきたかったのです。終盤はいいペースで走れていましたが、まだトップグループとの間には差があることがよく分かりました。今日以上の走りを実現するためのデータを集めることはできたと思います」

  • 佐藤琢磨、予選8番手から優勝を狙う (インディカー第6戦)

    佐藤琢磨、予選8番手から優勝を狙う (インディカー第6戦)

    佐藤琢磨は、インディカー第6戦デトロイトの予選を8番手で終えた。

    インディ500の興奮も醒めやらぬうちに、インディカー・シリーズはミシガン州デトロイトに舞台を移した。ダウンタウンのすぐ北、デトロイトリバーに浮かぶベルアイルのストリートコースにおいて、今週末には第6、第7戦のダブルヘッダーが開催される。

    午前中に行われたプラクティスは晴天下のドライコンディションだったが、予選が始まる直前に雨が降り始め、第1ステージの第1グループは完全なウエットコンディション、第2グループは次第に乾いて行くコンディションでの戦いとなった。
    第2ステージは開始直後だけがハーフウエットで、ファイナルステージは完全なドライコンディションとなり、目まぐるしく変化するコンディションに合わせてマシンを調整するのは大変難しい状況となった。

    佐藤琢磨は、ウエットコンディションを得意としており、予選第1ステージはトップタイムで悠々とクリア。しかし、第2ステージではタイムアタック中に赤旗が出される不運に見舞われ、ファイナルステージ進出を逃した。それでも予選結果は8番手で、決勝レースではトップ争いの期待できるポジションを確保した。

    佐藤琢磨 (8番手)
    「おもしろい予選でした。激しい雨でしたが、予選が始まると路面は瞬く間に乾いていきました。セミウエットのコンディションでは余裕を持ってトップタイムを出せましたから、予選に対して自信を持つことができました。第2ステージはハードタイヤでチェック走行をして、ソフトタイヤに履き替えてアタックに出ていきました。そのアウトトラップ中に1台のマシンがターン3でスピンして止まっており、そのセクションだけにイエローフラッグが出されていました。前を走るマシンとの間隔を広げるためにスピードを落として1周し、もう一度ターン3がローカルイエローのままだったことを確認し、アタックを始めました。そうしたら、そのラップの最中にレッドフラッグが出されたのです。あのタイミングでレッドを出す理由はなかったと思います。結局、私は一度もアタックを行うことなく予選を終えなくてはなりませんでした。がんばってくれているクルーたちのためにも、本当に悔しくてなりません」

  • 佐藤琢磨 「インディ500から多くのことを学び、いい経験を積めた」

    佐藤琢磨 「インディ500から多くのことを学び、いい経験を積めた」

    佐藤琢磨が、インディ500のレース週末を振り返った。

    佐藤琢磨は、IZODインディカー・シリーズのポイントリーダーとして伝統的な「マンス・オブ・メイ」を迎え、AJフォイト・レーシングのダラーラ・ホンダを駆り、13位でレースを終えた。インディ500に通算4回出場した佐藤琢磨にとってこれは過去最高の成績であり、ここから連続週で集中的にレースが開催されるシーズン中盤戦にマルコ・アンドレッティに続くチャンピオンシップ2位で突入することになる。

    インディ500で4度の優勝という伝説的な記録を持つフォイトのチームに所属しているだけでも多くの関心を集めたが、さらに琢磨はポイントリーダーでもあったことから、その注目度は否が応にも高まった。

    「本当に心地よい気分でした」と佐藤琢磨はコメント。

    「たくさんのファンに応援してもらい、いたるところで名前を呼んでもらいました。AJのチームの一員としてインディにやってきたことで、とても心強い気持ちになれました。メディアの取材やスポンサー・イベントもたくさんあって大忙しでした!」

    佐藤琢磨は、プラクティスが始まった当初から全長2.5マイル(約4km)のトラックで力強い走りを示した。

    「開幕当初からエキサイティングなシーンがたくさんあったので、僕たちは大きな期待を抱いてインディにやってきました。勢いもありましたが、新しいチャレンジに向けて気持ちを切り替える必要がありました。僕たちはロードコースや市街地コースでは強力でしたが、今回はオーバル、それもインディ500という、これまでとはまったく違う環境で戦うことになるのです」

    「昨年、チームがダラーラDW12に用いていたセッティングをベースにし、そこから開発を進めていくことにしました。チームは本当にやる気満々で、一致団結して仕事に取り組んでいました」

    「天候はまずまず安定していたので、作業は順調に進み、セットアップがどんな働きをするかも確認できました。1日だけちょっと間違った方向に進んだ日がありましたが、それを除けば毎日、期待のできる状況が続いていました」

    予選を迎えると、ホンダ・ユーザーはトップ9にひとりも食い込めず、2012年と同じようにシボレー・ユーザーがアドバンテージを有していることが明らかになる。佐藤琢磨は18位となり、インディ500ウィナーでインディカー・シリーズ・チャンピオンに輝いたこともあるスコット・ディクソンやダリオ・フランキッティ(ともにホンダ・ユーザー)と並ぶ6列目グリッドからスタートすることになった。

    「予選でトップ9に入れなかったのは残念でした」

    「けれども、チップ・ガナッシ勢と同じ6列目グリッドだったことは興味深いと思います。僕たちはなにひとつミスを犯しませんでした。できることはすべてやりきったのです」

    「翌日のバンプデイで、僕はついに大きなパックとなった集団のなかで走ることができました。僕たちは、たとえば5台をエントリーするアンドレッティ・チームが常に集団走行を行っていたような贅沢なことを、これまでのプラクティスでは経験できなかったので、これはとても重要でした。自分たちに欠けている領域がどこなのかを確認できて、とてもよかったと思います。なにしろ、混雑した状況で起きる激しいタービュランスのなかでマシーンがどうなるかを、それまでは知る手立てがなかったのです」

    「それまでのマシーンの仕上がりは良かったのですが、トラフィックのなかでのフィーリングに関しては不満が残りました。スタビリティをもっと向上させると同時に、しっかりと向きが変わるマシーンに仕立てる必要がありましたが、これはセッティングを変更することでうまく対応できました。この作業は決勝レース2日前の金曜日に行われるカーブデイまで続きました。あとほんの少しだけ仕上げたいところでしたが、まずまずのレベルまで到達していると思われました」

    だが、このような状況はレースでも変わらなかった。

    「(最終ラップに優勝を賭けてフランキッティにアタックし、残念ながらクラッシュに終わった)昨年に比べると、予選順位はひとつ上がっています。けれども、僕のイン側にガナッシの2台が並んでいるのは、なかなか面白いと思いました。アンドレッティ・オートスポーツは本当に強そうで、チーム・ペンスキーの速さは群を抜いていました。DW12で戦う初年度となった昨年、おそらくどのチームもそこまでのスピードには達していなかったのでしょうが、今年は誰もがコンペティティブになっているようでした」

    「僕のスタートに特別な部分はありませんでした。いくつかポジションを落としましたが、徐々に順位を取り戻していきました。それは、いつもどおりチャレンジングな戦いでしたが、順位を上げていくのは楽しいものです。ピットストップでのメカニックたちは素晴らしい仕事をしてくれて、僕を大いに助けてくれました。僕はチャージを開始し、一時は6番手まで浮上しました。この時点ではホンダ・ユーザーのトップで、これには非常に勇気づけられましたが、それ以上順位を上げるのは難しそうにも思えました。僕の前を走るマシーンはどれも非常に速く、追い越すのは至難の業のように思えたのです」

    そして、佐藤琢磨はカルロス・ムニョスをパスしようとして失敗に終わり、スピンを喫して大きく遅れた。

    「カルロスのラインは非常に興味深いものでした。彼はコースのインサイドにある白線のさらに内側を走るくらい、コーナーを小さく曲がっていたのです。通常、誰かの後ろを走行するときは、そのドライバーの少しイン側を覗くようにラインを取り、ターンインも前のマシーンより早めに行います。さもないとフロントウィングに風が当たらず、巨大なアンダーステアを招きかねないからです」

    「けれども、カルロスはバンクの下の方を走っているため、ノーズをイン側に覗かせるのはとても難しい状況でした。そこで僕はバンクの上側に上がり、アウト側のラインを狙いましたが、ターンの出口で彼もバンクの上側に上がってきたため、僕はエアを失う形となりました。これで大きくダウンフォースを削られたマシーンは不安定になり、激しいタイヤの摩耗ですでにグリップの確保に苦労していたリアが限界に達してしまい、最終的にスピンしてしまったのです」

    「ただし、幸いにもどこにもマシーンを当てずに済んだので、そのままレースを続けることができました。ここでラリー・フォイトが好判断を示したおかげで僕らは周回遅れになることを免れ、リードラップに留まることができましたが、29番手までポジションを落としたうえに、行わなければいけない作業もいくつか抱えてしまう状態でした」

    最終的にリアタイアにブリスターが発生してそれ以上順位を上げられなくなるまで奮闘した結果、佐藤琢磨はトップ20まで追い上げた。

    「この頃からとても苦しくなり、問題を解決するまでには2スティントか3スティントが必要な状況となります。とても辛い展開でした」

    グリップがひどく低下したために予定よりも早くピットストップを行った佐藤琢磨は、他のドライバーとはピットストップのタイミングがずれる形となった。

    「トップグループとはちょうどハーフ・スティントくらいずれている状況でした。これは非常にいい結果をもたらす可能性もありましたが、残念ながらそうはなりませんでした」

    佐藤琢磨にとって不運だったのは、この後、ほとんどフルコースコーションにならなかったことにある。このため、トニー・カナーンは記録を塗り替える平均スピードで栄冠を勝ち取ることとなった。

    「残り数周となったところでリスタートとなりましたが、順位を取り戻すのは遅すぎました。今日はたくさんのライバルたちをオーバーテイクしましたが、それでも結果は13位でした。いい1日になるように思われたものの、結果的にそこから多くのことを学び、またもやインディアナポリス・モーター・スピードウェイでいい経験を積むことになりました。来年、ここに戻ってくるのが待ちきれない気分です!」

    「TK、ジミー、そしてKVレーシング・チームのみんなには心からおめでとうと申し上げます。彼らがウィニングサークルで喜んでいる姿を見るのは、僕にとっても嬉しいことでした」

    ここからインディカー・シリーズは毎週のようにレースが開催される時期を迎えるが、その手始めとなるのが今週、デトロイトの市街地コースで行われるダブルヘッダー・レースである。

    「“500”は信じられないようなレースです。そこで2週間半を過ごしたかと思うと、僕たちは荷物をまとめて、そのままデトロイトに向かわなければいけない。これは大変な作業ですが、デトロイトに行くのは楽しみです。ここから僕はチャンピオンシップに集中しながら戦っていくことになります」

  • 佐藤琢磨 「13位という結果は本当に悔しい」 (インディ500)

    佐藤琢磨 「13位という結果は本当に悔しい」 (インディ500)

    佐藤琢磨は、インディ500を13位で終えた。

    18番グリッドからスタートした佐藤琢磨は、1回目のピットストップを31周目に迎えた時点で14番手までポジションアップ。このあとすぐにトップ10入りを果たし、50周目を迎える前に6番手まで順位を上げた。

    ところが、佐藤琢磨は57周目のターン2で他車の巻き起こしたタービュランスを浴びてスピン。

    なんとかマシンをコントロールして壁にヒットすることは避けたが、エンジンをストールさせたために1ラップの周回遅れに陥った。

    佐藤琢磨とチームはフルコースコーションのタイミングを巧みに利用して周回遅れから脱出し、再びトップ争いに復活することを目指した。

    しかし、マシンのセッティングが万全ではなく、タイヤに負担をかける走りとなっていたことから、思うようにポジションを上げていくことができず、13位でのゴールとなった。

    佐藤琢磨(13位)
    「スタート直後のマシンはハンドリングがよく、ライバルたちをオーバーテイクしていくことができました。ペースもよかったと思います。しかし、ハンドリングが次第に悪くなっていきました。ほかのマシンの後ろに入ると神経質な動きを見せるようになっていきました。57周目にスピンを喫したのは、すぐ前を走っていたドライバーが独特なラインどりをして、そのタービュランスを浴びたためでした。壁にヒットせずに済んだのはラッキーでしたが、そのあともマシンはグリップが上がらず、タイヤにブリスターが出ていたほどでした。厳しいレースで、真ん中の順位まで戻すのが精一杯でした。13位という結果は、今日のレースがインディ500であることを考えると本当に悔しいです。しかし、もう次の週末はデトロイトでのレースです。これからもチャンピオンシップはさらにし烈になっていくことでしょう。我々はトップを狙い、シーズン序盤からの勢いを保って、6月の連戦を戦っていきたいと考えています」

    関連:インディ500 結果:トニー・カナーンが優勝、佐藤琢磨は13位

  • 佐藤琢磨、カーブデイはオイル漏れが発生し19番手 (インディ500)

    佐藤琢磨、カーブデイはオイル漏れが発生し19番手 (インディ500)

    佐藤琢磨は、決勝レース前の最後プラクティスとなるカーブデイで39周を走行。223.7mphを記録し、19番手だった。

    システムチェック後、佐藤琢磨のマシンにオイル漏れが発生。チームはマシンの修復に取り組み、佐藤琢磨のスタートは出遅れた。

    修理は素早くなされたが、チームディレクターのラリー・フォイトは、複数回にわたって佐藤琢磨をピットに呼び寄せた。

    「オイル漏れがあったのは残念だ。問題を解決し、レーストラックやクルマの他のパーツにオイルはないことを確実にしたかった」とラリー・フォイトはコメント。

    「本当に注意深く行った。それがピットの出入りを繰り返し、クリーンで乾いているであることを確認するために全てを取り除いた。今日リスクを冒す理由はないからね」

    佐藤琢磨
    「今日はレース前の最後のプラクティスだったので、トラフィックにおけるマシンの感触を確認するのが重要でした。今日はとても涼しく、おかげでマシーンのスピードは上がりました。No.14 ABCサプライ・ホンダはまずまずの状態にありますが、まだ完璧というわけではありません。僕たちのレースカーは力強い走りをしてくれるでしょうが、最後の最後までマシンを改良できるように努力していきます」

    インディ500の決勝レースは、日本時間27日(月)の1:00からスタート。佐藤琢磨は18番グリッドからスタートする。

  • 佐藤琢磨、カートイベントに参加

    佐藤琢磨、カートイベントに参加

    佐藤琢磨が、インディ500の予選後、テキサス州ヒューストンでカートイベントに参加した。

    インディ500の予選を18番手で終えた佐藤琢磨は20日(日)、10月にインディカー第15戦が開催されるヒューストンに移動。

    佐藤琢磨は、地元メディアのメンバーを相手に最後日からスタート。特設コースを5ラップ走行し、2位でフィニッシュした。

    佐藤琢磨は、ヒューストンの日本人メンバーから歓迎を受け、テキサスと日本のグッズの入った福袋を受け取った。

    「このイベントは、僕にとってとても特別なものでした。それぞれのレースに挑む前は頭の中をリセットしなければなりません。チーム全体が本当にやる気満々だし、僕達はとても良い状態にあると思います」と佐藤琢磨は述べた。

    佐藤琢磨がポイントリーダーとして挑むインディ500は、25日(土)にレース直前唯一の走行の機会となるカーブデイのプラクティスが行われ、26日(日)に決勝が開催される。

    Takuma Sato

  • 佐藤琢磨 「予選結果には少しがっかり」 (インディ500)

    佐藤琢磨 「予選結果には少しがっかり」 (インディ500)

    佐藤琢磨は19日(日)、予選が行われていない時間を利用し、決勝に向けたマシンセッティングを行った。

    単独走行の予選とは対照的に、決勝レースは他車の作り出す乱気流の中を高速で走る戦いとなるため、マシンセッティングは違ったものが求められる。

    前日の予選で18番手となった佐藤琢磨はライバルたちと接近した状態で周回を重ね、ポジションを入れ替えながら107周を走り、サスペンションやウイングの調整を行い、決勝への準備を整えた。

    「インディ500前半の最終日としてはとてもいい1日でした。この7日間、メカニックたちは懸命に働いてくれましたし、チームもいい仕事をしてくれました。昨日の予選結果には少しがっかりしていますが、僕たちはレースセッティングを行う今日の作業に集中し、決勝を戦ううえで必要な混雑した状況でもたくさん走行することができました」と佐藤琢磨はコメント。

    「この数日間で、単独走行しているときのマシンの状況は改善されましたが、それ以外にも改善が必要なエリアが見つかったので、さらに進化することができました。トラフィックのなかを走っていると、単独走行ではわからないことが見えてきます。今日も改善を図りましたが、徐々によくなっているものの、まだ完全に目標に到達したわけではありません」

    「今日はたくさんの走行ができて本当によかったと思います。これからの数日間、僕はメディア・イベントなどに参加するので、データ解析はエンジニアたちに任せることになります。できれば、カーブデイまでにすべてが明らかになり、レースに向けてさらにマシンが改善されることを期待しています」

    インディ500は、25日(土)にレース直前唯一の走行の機会となるカーブデイのプラクティスが行われ、26日(日)に決勝が開催される。