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  • レッドブルF1 RB22開発終了を検討 メキース「2027年型への移行は昨年より早い」

    レッドブルF1 RB22開発終了を検討 メキース「2027年型への移行は昨年より早い」

    レッドブル・レーシングは、2026年型マシン「RB22」の開発を予定より早く打ち切り、2027年マシンへ開発リソースを移す可能性を示した。チーム代表のローラン・メキースは、現行車の改善を続ける一方で、2027年の新たな技術レギュレーションへの対応を優先すべき時期が近づいていることを認めている。

    ハンガリーGPではマックス・フェルスタッペンが2位表彰台を獲得したものの、レッドブルは依然としてライバル勢に約0.3秒のパフォーマンス差があると分析。

    フェルスタッペンの卓越した能力がマシンの弱点を補っているとの認識をチーム首脳が改めて明かした。

    レッドブル・レーシングは、2026年型マシン「RB22」の開発を予定より早く打ち切り、2027年マシンへ開発リソースを移す可能性を示した。チーム代表のローラン・メキースは、現行車の改善を続ける一方で、2027年の新たな技術レギュレーションへの対応を優先すべき時期が近づいていることを認めている。

    ハンガリーGPではマックス・フェルスタッペンが2位表彰台を獲得したものの、レッドブルは依然としてライバル勢に約0.3秒のパフォーマンス差があると分析。フェルスタッペンの卓越した能力がマシンの弱点を補っているとの認識をチーム首脳が改めて明かした。

    RB22の開発終了時期を近く決定へ
    ハンガリーGPで再び表彰台を獲得したフェルスタッペンだが、RB22に対する不満は依然として変わっていない。そうした状況を受け、レッドブルは2027年型マシン「RB23」への開発移行時期を本格的に検討している。

    2027年には空力規則などが見直される予定で、現行マシンとは設計思想が大きく変わる見込みだ。そのため、例年以上に早い段階で開発の重点を切り替える可能性が高まっている。

    メキースは、今季と来季の開発バランスについて次のように説明した。

    「どこかの時点で、今シーズンと来シーズンのどちらにリソースを配分するかを決めなければならない」

    「現在のレギュレーションと2027年の規則変更を考えれば、その判断は昨年より早くなると思う。最終決定は近いうちに下すことになる」

    大量アップデートでも残る0.3秒差
    レッドブルは開幕から積極的にRB22へアップデートを投入してきた。

    「今シーズンは異例とも言える数のアップデートを投入してきた」

    「開幕戦から現在まででマシンは大きく進化した。シーズン序盤に抱えていた大きな遅れを少しでも早く埋めるためだった」

    しかし、その開発ペースを維持するのは難しいという。

    「このペースで開発を続けられるとは考えにくい。それでも、残るコンマ3秒をどう埋めるかを見つけなければならない」

    さらにメキースは、RB22が長年抱える「非常に狭いセットアップウインドウ」が根本的な課題だと認めた。

    「何年もこんなに狭い作動ウインドウのマシンを望んでいたわけではない」

    「マックスの意見を聞いていないわけではない。ただ、その改善がパフォーマンスに与える影響とのバランスを慎重に見極めている」

    レッドブル・レーシング

    「データでは見えない挙動」を感じるフェルスタッペン
    テクニカルディレクターのピエール・ワシェは以前から、フェルスタッペンはチームのデータに現れない挙動を感じ取っていると説明してきた。

    メキースも、その特別な能力を高く評価する。

    「現実には、マックスは現在の解析ツールやマシンのセンサーでは測定できないことまで感じ取っている」

    「それは彼の驚異的な感覚と技術レベルの高さによるものだ。おそらく他のどのチームでも、彼が感じていることを見逃してしまうだろう。我々もデータでは確認できないことがある」

    そして、その能力こそがレッドブル最大の武器だと語った。

    「それがマックス最大の強みだ。彼こそが、このチームの成功を支えている原動力だ」

    一方、フェルスタッペン本人は2位という結果にも満足していない。

    「もちろん表彰台は悪くない。でも興奮はしない。僕たちはTikTokを撮ったり楽しんだりするためにここにいるわけじゃない。ただ勝つためにここにいるんだ」

    ハジャー「先頭集団の足止め役は望まない」
    ハンガリーGPで6位に入ったアイザック・ハジャーも、RB22の扱いにくさを認めた。

    「本当に運転しやすくなるセットアップは結局見つからなかった」

    さらに決勝では、フェルスタッペンを助けるためフェラーリ勢やマクラーレン勢を抑える戦略を担ったことにも複雑な思いを明かした。

    「すごくフラストレーションがたまった。もっと早く、あるいはもっと遅くピットインしたかったのに、一番悪いタイミングになってしまった。レースリーダーの邪魔をするのは好きじゃない」

    「チームがそうする理由は理解している。でも、できればこういう展開は避けたい」

    こうした状況を受け、レッドブルがタイトル争いよりも2027年への投資を優先するタイミングは、想定より早く訪れるかもしれない。元F1最高責任者のバーニー・エクレストンも、フェルスタッペンのタイトル獲得について「残念ながら可能性は低い」と厳しい見方を示している。

  • ホンダ新V6ハイブリッド搭載 インディカーが2028年新型『IR-28』発表

    ホンダ新V6ハイブリッド搭載 インディカーが2028年新型『IR-28』発表

    インディカーは2028年シーズンから導入する次世代マシン『IR-28』を正式発表した。ダラーラが新設計したシャシーに、ホンダとシボレーが開発する2.4リッターV6ツインターボ・ハイブリッドパワーユニットを搭載し、現行車より軽量化と高性能化を実現。より速いラップタイムと接近戦を可能にするほか、安全性も大幅に向上させる。

    IR-28は2028年シーズン開幕戦で実戦デビューする予定で、今週から本格的なテストプログラムが始まる。

    インディカーは「速さ」「レースの面白さ」「安全性」のすべてを引き上げる新世代マシンとして位置付けている。

    約45kg軽量化で接近戦を強化 新設計シャシーを採用
    IR-28は車体をゼロから設計し直した完全新型シャシーとなる。現行車より約100ポンド(約45kg)軽量化され、パワーウエイトレシオを改善。これによりドライバーはより積極的に攻めることができ、ホイール・トゥ・ホイールのバトル増加が期待されている。

    空力面では前後ウイングを全面刷新。初めて車両全体の空力を追い越し性能向上を目的に設計し、前走車に接近した際の乱気流を低減した。コーナーでも前車に追従しやすくなり、オーバーテイクの機会が増える設計となっている。

    インディアナポリス・モーター・スピードウェイ向けには、より空力的に安定した専用フロントウイングも投入される。

    また、エアロスクリーンも新設計され、軽量化と空力性能向上を両立。戦闘機を思わせるシャープなデザインとなり、安全性とスタイリングの両面を進化させた。

    サスペンションには新たに「Custom AXIS Inertance Control Suspension System」を採用。電子制御式のアンチロールバー調整機構も導入され、ドライバーは走行中により細かなセッティング変更が可能になる。さらにコクピット内のダイヤルやレバーを削減することで安全性も高めている。

    インディカー ホンダ

    ホンダ新2.4リッターV6ハイブリッドを搭載
    IR-28にはホンダとシボレーが供給する新世代2.4リッターV6ツインターボエンジンを搭載する。最高出力は最大760馬力に達し、現行エンジンよりトルク、出力ともに向上する。

    ホンダ・レーシング・コーポレーションUSA(HRC US)のデビッド・ソルターズ社長は、新世代マシンへの期待を語った。

    「30年以上にわたりインディカーと歩んできたホンダにとって、新しいアメリカ製HRC V6ハイブリッドとともにIR-28時代を迎えられることを非常に楽しみにしています」

    「インディカーは世界最高レベルのレースを展開しており、この新しいレギュレーションによって、その魅力はさらに高まります。軽量なマシン、より高性能なハイブリッドパワートレイン、さらに安全なシャシー、そして新たな空力開発という挑戦がホンダの技術者とチームを待っています」

    「これらすべての進化がインディカーを新たな時代へ導くでしょう。ホンダは今年表明した長期参戦契約のもと、その未来の一員であることを誇りに思います。IR-28がサーキットでファンを魅了する日を待ちきれません」

    ハイブリッドシステムも全面刷新される。英国Helix製モーターとBOLD Technology製リチウムイオンバッテリーを採用し、エネルギー容量は現行スーパーキャパシター方式の約14倍へ拡大。約20ポンド(約9kg)の軽量化も実現し、ドライバーはハイブリッド出力をより自由なタイミングで使用できるようになる。

    さらにトランスミッションはXtrac製の新設計となり、現行より約25ポンド(約11kg)の軽量化を果たしている。

    インディカー IR-28

    安全性も大幅向上 FIA基準を上回る設計
    IR-28はスピード向上だけでなく、安全性能も過去最高レベルを目指して設計された。

    コクピットは大型化され、より幅広い体格のドライバーに対応。冷却性能も改善され、ドライバーの快適性を高めている。

    側面衝突対策では新しいサイドストラクチャーを採用し、クラッシュ時のエネルギー吸収能力を向上。また、ノーズアップやスピン時でも車体が浮き上がりにくい構造となり、事故時の安定性も改善された。

    インディカーはIR-28について、シリーズ独自基準だけでなくFIA基準も含め、より厳しい方の安全基準を満たすよう開発したとしている。

    2028年から始まるIR-28時代では、ホンダとシボレーによる新世代パワーユニットと最新シャシーの組み合わせによって、さらなる高速化と接近戦、そして安全性向上が実現することになる。初期テストはロードコース、オーバルを含む複数サーキットで実施され、2028年シーズン開幕へ向けた開発が本格化していく。

  • アストンマーティン・ホンダF1の進化 ニューウェイ「レッドブル初期と同じ」

    アストンマーティン・ホンダF1の進化 ニューウェイ「レッドブル初期と同じ」

    アストンマーティンF1のエイドリアン・ニューウェイは、ハンガリーGPで投入したAMR26Bのアップデートに一定の手応えを示しながらも、チームが将来的にF1の頂点へ到達できると「約束はできない」と慎重な姿勢を示した。

    それでもニューウェイは、かつてレッドブルを王者へと導いた経験を引き合いに出し、ホンダとの新たなパートナーシップを含め、組織全体を一歩ずつ成熟させていくことが成功への唯一の道だと強調した。

    レッドブル初期時代と重なる現在のアストンマーティン
    ハンガリーGPでアストンマーティンは大規模なアップデートを投入し、フェルナンド・アロンソが今季2度目となるQ2進出を果たした。決勝ではランス・ストロールが13位、アロンソが14位とポイントには届かなかったものの、中団グループで戦える競争力を取り戻しつつあることを示した。

    さらに、夏休み明けのザントフォールトではホンダF1が新パワーユニットを投入する予定であり、シャシーとPUの両面で戦闘力向上が期待されている。

    しかし、チーム代表も兼務するニューウェイは、現在の状況を2006年にレッドブルへ加入した当時になぞらえ、短期間で結果が出るプロジェクトではないと説明した。

    「多くの意味で、レッドブルに加入した頃を思い出すよ」

    「チーム全体、文化、そして技術面を発展させていくことが重要なんだ」

    「一夜にして実現するものではない。今回はさらに、ホンダという新しいパートナーがいて、パワーユニットに何が求められるかを理解していくプロセスも加わっている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダとの挑戦も「簡単ではない」
    ニューウェイは、現在のプロジェクトが決して容易ではないことも率直に認めた。

    「正直に言えば、取り組むべきことは非常に多いと感じている」

    「グリッド後方、あるいはその近くにいる状態で、トップとの差を見ると『あれは乗り越えられない山ではないか』と思ってしまうものだ」

    一方で、レッドブルで経験した成功体験が、現在のアストンマーティンにも生かせると考えている。

    「以前の経験から言えば、もしトップまでたどり着くことができれば――もちろん約束はできないけれど――レッドブルで経験したように、ある時期には当たり前のように勝てるチームになっているかもしれない」

    「その時には、自分たちは特別なことをしているとは感じなくなるものなんだ」

    「すべては実現可能だ。ただ、そのためには必要なものを一つひとつ正しい場所へ揃えていかなければならない」

    成功は一人では築けない
    ウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルで14台のタイトル獲得マシンを設計してきたニューウェイだが、自身の実績だけでチームを勝者へ導けるわけではないと強調した。

    「これまで幸運にも素晴らしい成功を収めることができたが、私は大勢いるメンバーの一人にすぎない」

    「大切なのはチームワークだ。全員が一つにまとまり、同じ方向を向いて前へ進むこと。それが何より重要なんだ」

    ハンガリーGPで見えたシャシーの前進に続き、次の焦点はホンダF1が投入する新パワーユニットとなる。ニューウェイは頂点到達を約束こそしなかったものの、レッドブルで歩んだ成功への道筋を再びアストンマーティンで築こうとしている。

  • フェルスタッペンとハミルトンの激闘にローソン「邪魔しないことだけ考えた」

    フェルスタッペンとハミルトンの激闘にローソン「邪魔しないことだけ考えた」

    リアム・ローソンは、F1ハンガリーGPで繰り広げられたマックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンの激しいバトルを間近で目撃し、「少しストレスだった」と当時の心境を振り返った。

    レーシングブルズのローソンは周回遅れとなる場面で2台の争いに巻き込まれたが、冷静に対応。その後は戦略変更も奏功し、8位入賞を果たして前半戦を締めくくった。

    フェルスタッペンのオーバーテイクを間近で目撃
    レース序盤のピットストップで、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)はアンダーカットを成功させ、一時的にマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)の前へ浮上した。

    しかし、ピットアウト直後にハミルトンは周回遅れのローソンを抜く必要があり、その間にフェルスタッペンが背後へ接近。ホームストレートで2台がローソンをかわした直後、フェルスタッペンはターン1で果敢に飛び込み、ハミルトンを抜き返して実質3番手を奪い返した。

    その一部始終を至近距離で見届けたローソンは、バトルに巻き込まれないことだけを考えていたと明かした。

    「僕はただ邪魔をしないように、あまり関わらないようにしていただけだった」

    「周回遅れだったから、必ずしもすぐに譲る必要はなかったけど、(フェルスタッペンが)あそこで仕掛けてくるとは思っていなかった」

    「もちろん、あの遅い飛び込みは見えた。でも、そのせいで彼らの後ろで少しタイムを失ってしまって、その瞬間はちょっとストレスだった。でも、本当に素晴らしいオーバーテイクだったね」

    予想外の2ストップ戦略も奏功
    ローソンはその後、アウディ勢やチームメイトのアービッド・リンドブラッドとの争いを展開。チームは当初予定していなかった2ストップ戦略へ切り替え、これが功を奏して8位でフィニッシュした。

    ローソンは、戦略変更も突然だったと振り返る。

    「僕たちは最初から2ストップを予定していたわけではなかったので、それは驚きだった」

    「でも、レースエンジニアのアレックス(イリオプロス)とのやり取りから、後ろで何か起きていることは感じていた」

    「彼はアウディ勢については話していたけど、多くは説明しなかった。そして突然ピットインを指示されたんだ」

    「最後はソフトタイヤで長いスティントになったけど、結果的には素晴らしい判断だった」

    今回の8位入賞により、ローソンは今季前半戦を43ポイントで折り返した。メルセデス、フェラーリ、マクラーレン、レッドブル・レーシングの4強以外では最高位のドライバーとして、安定したシーズン前半を締めくくっている。

  • アストンマーティン・ホンダF1 アップデート成功を確認「再びレースを戦える」

    アストンマーティン・ホンダF1 アップデート成功を確認「再びレースを戦える」

    アストンマーティンF1は2026年F1ハンガリーGPで投入した大規模アップデートが期待通りの成果を発揮し、中団グループで再び戦える競争力を取り戻した。前戦ベルギーGPでは最後尾に沈んだチームだったが、予選ではキャデラックとウィリアムズを上回り、決勝でもハースやアルピーヌ勢と互角に戦うパフォーマンスを披露した。

    マイク・クラックは「今回の目標は再びレースを戦える状態に戻ることだった」と語り、その目標は達成できたと評価。

    今後はザントフォールトで投入予定のホンダの改良パワーユニットと、さらなる空力アップデートによって、一段の前進を目指す考えを明かした。

    「再びレースを戦える状態に戻る」が目標だった
    アストンマーティンはハンガリーGPで改良型AMR26を初投入した。アップデートの中心となった新シャシーパッケージは、エイドリアン・ニューウェイら開発陣の期待に応える結果となり、ライバル勢との差を大きく縮めた。

    マイク・クラックはレース後、今回の成果について次のように振り返った。

    「ここへ来た時、我々の最大の目標は『再びレースを戦える状態に戻ること』だった。そして、その目標は達成できたと思う。アップグレードパッケージは機能しているし、ここからさらに次のステップを投入していく」

    今回の結果は、ラップタイムの改善以上に、ライバルとの力関係が変化したことが大きな収穫だった。

    「期待していたのはラップタイムやパフォーマンスの向上だった。ただ、ライバルが何を持ち込んでくるかは分からない。だから『このチームの前に出られる』『後ろになる』とは事前には言えない」

    「だから数字だけを見て判断するしかない。そして実際の競争力はさまざまな要素によって決まる。木曜日にも言ったように、自分たちがどの位置にいるのかは誰にも分からなかった。中団は本当に僅差だからね」

    戦略面でも前進 信頼性も改善
    ハンガリーGPは決して完璧な週末ではなかった。ランス・ストロールはFP1序盤にサスペンションのトラブルで走行不能となり、FP2を欠場。実質的にアップデートの評価はフェルナンド・アロンソ1台に委ねられることになった。

    それでもアロンソは予選でQ2進出を果たし16番手を獲得。決勝ではアロンソとストロールが異なる戦略を採用し、チームはアップデートの理解を深めることを優先した。

    クラックはタイヤ選択も成功の要因だったと説明する。

    「タイヤについても忘れてはいけない。今回も通常とは異なるタイヤ選択をしたが、それは非常に良かった。ただ、それもレース全体の一部だ」

    「マシンに十分な競争力があれば、より攻めたタイヤ選択ができる。その結果としてエネルギーマネジメント、グリップ、装着するタイヤ、戦略のすべてがうまく噛み合うようになる」

    終盤のバーチャルセーフティカー(VSC)ではアロンソがソフトタイヤへ交換したタイミングが重なり、ストロールの後方へ下がる不運もあった。

    「2台で異なる戦略を試した。最終的には近い位置でフィニッシュしたし、VSC終了のタイミングでフェルナンドがピットレーンにいたため、数秒を失ったのは確かだ」

    マイク・クラック(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ホンダの改良PUと追加アップデートへ期待
    アストンマーティンは今季序盤、パフォーマンスだけでなく信頼性にも苦しめられてきた。しかし今回は2台とも完走し、多くのデータを収集できたことも大きな成果だった。

    クラックは信頼性向上の重要性を強調する。

    「シーズン序盤に問題があったことは周知の事実だ。パフォーマンスだけではなく信頼性も見なければならない。どれだけ速くてもマシンが壊れてしまえば意味がないし、壊れてしまえば開発も進められない」

    「開幕当初から何度も言ってきたが、まずは完走して、ドライバビリティやシフト、エネルギーマネジメントを学ぶことが最も重要だった」

    「そうした積み重ねによって問題を一つずつ解決し、信頼性を高めていくことができる」

    今後については、ホンダが現在テストを進めている改良パワーユニットがオランダGPで投入される予定であり、さらに追加の空力アップデートも控えている。

    クラックはその効果について慎重な姿勢を崩さなかった。

    「それがどれほどの効果になるかは難しい。次のレースでさらにパフォーマンスを見つけられるかどうか確認することになる」

    「ランスはFP1のトラブルでFP2を走れなかったので、最適化する時間を少し失ってしまった。これからデータを詳しく分析し、ザントフォールトでこのパッケージからさらに多くを引き出せるか見ていくつもりだ」

    今回のアップデートは、アストンマーティンが長い低迷から脱しつつあることを示す第一歩となった。ザントフォールトではホンダの改良パワーユニットと追加アップデートが加わる予定であり、中団争いからさらに上位へ迫れるかが注目される。

    【関連】
    ・アストンマーティン・ホンダF1 アップデート成功を確認「再びレースを戦える」

  • トト・ヴォルフ FIAのブルーフラッグ混乱に激怒「幼稚なエンジニアだ」

    トト・ヴォルフ FIAのブルーフラッグ混乱に激怒「幼稚なエンジニアだ」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、F1ハンガリーGPで発生したブルーフラッグ運用の混乱について、一部チームのレースエンジニアを「テレタビーズ(英国の幼児向け番組のキャラクター)」と痛烈に皮肉り、その対応を厳しく批判した。

    FIAのシステム障害によって通常のブルーフラッグ通知が使用できず、マーシャルの旗と各チームからの無線連絡に頼る異例の運用となったことが、周回遅れのマシンを巡る混乱を招いた。ヴォルフは、エンジニアがドライバーへ適切な情報を伝えなかったことが問題を悪化させたと指摘している。

    FIAのシステム障害でブルーフラッグ運用が混乱
    ハンガリーGPではFIAのシステムに不具合が発生し、自動によるブルーフラッグ通知が使用できなくなった。そのため、各ポストのマーシャルによる旗の掲示と、各チームが無線でドライバーへ周回遅れの状況を伝える方式に切り替えられた。

    この異例の運用は複数の混乱を引き起こした。オスカー・ピアストリが周回遅れのカルロス・サインツJr.を抜こうとした際には接触事故が発生。さらに終盤には、3位争いを繰り広げていたメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリも、複数の周回遅れ車両に進路を妨げられる場面があった。

    ヴォルフ「テレタビーズのようなエンジニアだ」
    Sky Sports F1のインタビューでヴォルフは、ジョージ・ラッセルの厳しいレースを振り返った後、ブルーフラッグ対応にも強い不満を示した。

    「ジョージのレースについて言えば、僕たちとして受け入れられるものではないし、十分ではなかった」

    「それに加えてマーシャリングシステムが機能せず、後方のマシンがルイス(ハミルトン)とキミ(アントネッリ)の争いを妨げていた」

    「ピットウォールに座っていながら、後ろで何が起きているのかをドライバーに伝えないチームのエンジニアがいる。ああいう『テレタビーズ』のようなエンジニアたちの対応は本当にひどい」

    「全体として、この状況にはまったく満足していない」

    ハンガリーGP

    サインツは酌量を主張もピアストリは猛反発
    ピアストリとの接触でペナルティを受けたカルロス・サインツJr.は、ブルーフラッグシステムの不具合を考慮すれば、スチュワードはより寛大な判断を下すべきだったと主張した。

    一方で、ピアストリはその説明を受け入れず、サインツJr.の状況認識の欠如を厳しく非難した。

    「ブルーフラッグの問題があったことは知っていた。でも、マーシャルの旗はすべて掲示されていた」

    「僕はすぐ後ろにいたし、何が起きたのか信じられなかった。周回遅れのマシンに接触されるなんて、レースで起こるとは思わないことのひとつだ」

    「彼が僕を見ていなかったことはどうでもいい。見えていなかったことも、誰も知らせなかったことも、あるいは周囲への認識がまったく欠けていたことも受け入れられない」

    「彼はフェルナンドと最下位争いを、まるでワールドチャンピオン争いをしているかのように戦っていた。そのせいで僕はレースのリードを失った」

    「彼は他人には厳しいことを言うタイプだ。他のドライバーからも、これまで走り方について批判されてきた。今回のようなことをしたなら、一度自分自身を見つめ直した方がいい」

    今回のブルーフラッグ運用の混乱は、FIAのシステム障害だけでなく、各チームの情報伝達にも課題があったことを浮き彫りにした。ヴォルフの厳しい批判は、レース運営とチーム双方の改善を求める声として波紋を広げそうだ。

  • ハースF1 富士TPC初日終了 福住仁嶺がF1初走行で77周を走破

    ハースF1 富士TPC初日終了 福住仁嶺がF1初走行で77周を走破

    ハースF1チームは7月28日、富士スピードウェイでTOYOTA GAZOO Racing(TGR)とのドライバー育成プログラムの一環として実施しているTPC(Testing of Previous Cars/旧型車テスト)の初日を終了した。

    この日は午前・午後の2セッションが行われ、福住仁嶺がF1マシンでの初走行を含めて計77周を走破。午後は天候の変化に翻弄されながらも、2025年型マシン『VF-25』で貴重な走行距離を積み重ねた。

    午前はF1初ドライブで54周を走破
    当初3時間で予定されていた午前セッションは、午後からの天候悪化が予想されたため1時間延長され、9時から13時まで実施された。

    ウエットコンディションでスタートしたセッションでは、まず昨年に続いてTPCへ参加する坪井翔が15周を担当。その後、マシンは福住へ引き継がれ、シートやペダル類の調整を終えた福住が自身初となるF1マシンでの走行に臨んだ。

    福住はウエットタイヤで走行を開始すると、路面の乾燥に合わせてスリックタイヤへ変更。1プッシュ・2クールダウンを繰り返すプログラムを消化しながら徐々にペースを上げ、DRSも使用した走行でベストタイム1分18秒080を記録した。最高速度は336.449km/hに達し、午前だけで54周を走破した。

    午後は雨待ちの展開 終盤にはオーバーランも無事帰還
    午後のセッションは、午前の延長に伴い予定より1時間遅れの14時30分にスタートした。

    昼過ぎから再び雨が降り始めたものの、水量がウエットタイヤには不足していたため、福住は序盤に9周を走行したあと約1時間の待機を強いられた。

    その後、雨脚が強まったタイミングで走行を再開すると、ベストタイムを1分33秒745まで更新。さらに終盤にもコースへ戻ったが、雨が強くなったGRコーナー(第1コーナー)でオーバーランを喫した。幸いマシンはバリアなどへの接触はなく、そのままピットへ戻り、午後の走行を終えた。

    午後は福住のみが23周を走行し、予定されていた坪井の走行は行われなかった。

    ハースF1チーム トヨタ

    2日目も福住と坪井がセッションを分担
    富士TPC初日は、午前のドライコンディションと午後の不安定な天候という対照的な条件のなかで終了した。

    福住は初めてF1マシンをドライブしながら1日で77周を走破。チームにとっても車両やタイヤ、各種システムのデータを収集する充実した一日となった。

    29日の2日目は、午前のセッション3を福住、午後のセッション4を坪井が担当する予定となっている。

  • ホンダF1 PUアップデートに自信「1周あたりのタイムは確実に短縮」

    ホンダF1 PUアップデートに自信「1周あたりのタイムは確実に短縮」

    ホンダF1は、アストンマーティンがハンガリーGPで投入したシャシーアップデートに続き、今後予定しているパワーユニット(PU)のアップデートによってさらなるパフォーマンス向上を実現できるとの自信を示した。

    アストンマーティンはF1ハンガリーGPでフェルナンド・アロンソが14位、ランス・ストロールが13位とポイント獲得には届かなかったものの、11戦ぶりに投入した「AMR26B」とも呼べる大規模アップデートは確かな前進をもたらした。

    シャシー性能の改善が確認されたいま、チームの視線はホンダ製PUの進化へと向けられている。

    16項目のアップデートでシャシーは前進
    アストンマーティンはハンガリーGPでFIAに申告した16項目のアップデートを投入し、実質的な「AMR26B」仕様へ進化させた。

    シーズン序盤のAMR26はダウンフォース不足に苦しみ、シャシー性能が大きな課題となっていた。しかし今回のアップデートによって中団トップを争うレーシングブルズやアウディに迫る競争力を見せ、ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンも「彼らのアップデートが羨ましい」と語るほどの進歩を遂げた。

    予選でも改善は数字に表れている。スパ・フランコルシャンではポールタイムとの差が5.405%だったのに対し、ハンガリーでは3.369%まで縮小。コース特性は異なるものの、トップとの差を着実に縮めたことが確認された。

    フェルナンド・アロンソも「僕たちは6か月遅れている。だから今はアップデート競争に勝たなければならない」と語り、今回のアップデートを今後の開発の土台として評価している。

    ホンダF1「PU改善でタイムは確実に縮まる」
    シャシーの改善が確認された一方で、アストンマーティン最大の課題は依然としてホンダ製PUにある。エンジン面でのハンディキャップは依然として大きく、後半戦の競争力を左右するのは、今後投入予定のPUアップデートだ。

    ホンダF1の折原慎太郎トラックサイドエンジニアは、その効果について自信を示している。

    「パワーユニットの改善によって、1周あたりのタイムは確実に短縮できるでしょう」

    アストンマーティンはシャシー性能を向上させたことで、PUの改善効果をより引き出せる環境を整えた。折原も、アップデートによる上積みがラップタイムに直結するとの見通しを示しており、ホンダにとっても後半戦は真価が問われる戦いとなる。

    ホンダF1 / ホンダ・レーシング

    相関も改善し開発は次の段階へ
    今回のアップデートでは、シミュレーションと実車データの相関が改善されたことも大きな成果となった。

    アロンソは「アップデートでどれだけ改善が必要なのかを数値化できるようになった」と語り、開発の方向性に確かな手応えを得ている。

    エイドリアン・ニューウェイが明かした計画では、ザントフォールトでホンダ製PUのアップデートと追加パーツを投入し、その後モンツァまたはバクー、あるいは両大会でさらなる改良を実施する予定だ。

    シャシーがようやく開発の土台に到達した今、次に問われるのはホンダ製PUの進化である。PUアップデートが期待どおりの成果をもたらせば、アストンマーティンは中団上位争いへ本格的に加わる可能性を大きく高めることになりそうだ。

  • ピアストリ激高の無線騒動をマクラーレンF1代表が鎮火「怒りに任せた発言だった」

    ピアストリ激高の無線騒動をマクラーレンF1代表が鎮火「怒りに任せた発言だった」

    F1ハンガリーGPでオスカー・ピアストリがチーム無線で怒りを爆発させた場面について、マクラーレンF1のアンドレア・ステラ代表が「レース直後に本人から説明があり、チーム内に問題はまったくない」と強調した。

    一方、ピアストリ本人はレース後、怒りの矛先はマクラーレンの戦略ではなく、接触したカルロス・サインツJr.に向けられたものだったと説明。「受け入れられない」と厳しく非難し、「まずは自分自身を見つめ直すべきだ」と痛烈な言葉を浴びせた。

    怒りの無線はレース直後に本人が説明
    ハンガロリンクでポールポジションのランド・ノリスを序盤にかわして首位に立ったオスカー・ピアストリだったが、39周目に周回遅れのカルロス・サインツJr.と接触。サインツJr.はフェルナンド・アロンソと最下位争いを続けており、この接触でピアストリは大きくタイムを失った。

    アンダーカットの効果が非常に大きいハンガロリンクでは、この遅れが決定的となり、ノリスがピットストップ後に逆転。さらにピアストリは56周目にギアボックストラブルとみられる問題でリタイアを喫した。

    無線ではサインツJr.に対して激しく怒りをぶつけたほか、チームに対しても「今は話しかけないでくれ。あれを考慮してくれてありがとう」と皮肉交じりの言葉を発していた。

    なお、この接触についてスチュワードはサインツJr.に全面的な責任があると判断し、5秒加算ペナルティを科している。

    ピアストリ「チームの責任ではない」
    レース後のピアストリは、自身が無線で怒りをあらわにした理由について、チームの戦略ではなく、サインツJr.との接触だったと明言した。

    「怒っていた理由は、周回遅れのマシンにぶつけられたことだった」

    「ピットストップのタイミングは問題なかったし、ハミルトンへのアンダーカットを防ぐという意味でもごく普通の判断だった。あの接触さえなければ、僕はランドの前に戻れていたはずだ」

    「その瞬間は本当に腹が立っていた。『腹が立った』では足りないくらいだ。ランドが前に出た時点で追いつくペースはないと分かっていたし、優勝のチャンスはそこで終わった」

    「だから無線で怒っていたのは首位を失ったことに対してだった。でも、それはチームの責任ではない」

    「受け入れられない。まずは鏡を見るべきだ」
    サインツJr.は、青旗警告がステアリングに表示されなかったシステムトラブルが原因だった可能性を示唆していたが、ピアストリはその説明を一蹴した。

    「マーシャルポストでは至る所でブルーフラッグが振られていたし、僕は1セクターもの間ずっと彼の後ろにいた。本当に何が起きたのか信じられなかった」

    「周回遅れのマシンにぶつけられるなんて、レースで想定するようなことじゃない。彼が見えていなかったなんて、正直どうでもいい」

    「見えていなかったことも、誰も彼に伝えなかったことも、あるいは状況認識が完全に欠けていたことも、すべて受け入れられない」

    さらにピアストリは、サインツJr.の普段の言動にも言及し、厳しく皮肉った。

    「彼は最下位争いを、まるで世界選手権を争っているかのようにフェルナンドと戦っていた。そのせいで僕はレースの首位を失った」

    「彼は他人を批判することも多いし、逆に自分もコース上で厄介だと言われることがある。ああいうことをしたのなら、まずは自分自身を鏡で見つめ直した方がいい」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    ステラ代表「2人のバトルは公平だった」
    レース後、アンドレア・ステラ代表は、ピアストリ本人が発言の真意を説明したことを明かし、チーム内に不和はないと強調した。

    「まず最初に言いたいのは、レース直後にオスカー本人が、あのコメントは怒りに任せて発したものだったと説明してくれたということだ」

    「今日のレース展開や、2人のマクラーレンドライバーによる争いは、すべて公平で素晴らしいレースだった」

    「その点について、チーム内にはまったく問題はない」

    ステラ代表は、首位を失った最大の要因はサインツJr.との接触であり、マクラーレンの戦略やノリスとのバトルに問題はなかったと改めて説明した。

    今回の一件について、チームとドライバー双方の説明がそろったことで、ピアストリの怒りは戦略やチームオーダーではなく、レースを左右したサインツJr.との接触に向けられたものだったことが明確になった。

  • チェコ大統領がF1ハンガリーGPで“カメラマン”に その意外な素顔とは

    チェコ大統領がF1ハンガリーGPで“カメラマン”に その意外な素顔とは

    F1ハンガリーGPのパドックで、ドライバーや関係者を撮影する一人のフォトグラファーが注目を集めた。その人物は、チェコ共和国の大統領ペトル・パベル氏だった。

    現役の国家元首でありながら、長年にわたってモータースポーツ写真を撮影してきたパベル大統領は、F1のプロカメラマンとして必要な認定資格も取得しており、週末を通してサーキットでシャッターを切った。

    政治家だけでなくプロカメラマンとしても活動
    パベル大統領は政治家になる以前、軍人として輝かしい経歴を築いた人物だ。2015年から2018年までNATO(北大西洋条約機構)軍事委員会議長を務め、旧ワルシャワ条約機構加盟国出身者として初めて同職に就任した。2023年3月にチェコ共和国大統領へ選出されている。

    一方で写真撮影は長年の趣味であり、F1イベントで撮影活動を行うための認定資格も取得。ハンガリーGPでは通常の報道カメラマンと同様にサーキットやパドックでドライバーたちを撮影していた。

    ル・マンやMotoGPでも撮影経験
    パベル大統領のモータースポーツへの情熱はF1にとどまらない。

    今年はル・マン24時間レースでもカメラを手に現地を訪れており、これまでにもチェコ・ブルノで開催されたMotoGPやスーパーバイク世界選手権、アメリカのNASCAR、サウジアラビアで行われるダカール・ラリーなど、数多くの国際イベントで撮影を続けてきた。

    写真を通じた社会貢献も
    写真は趣味の域を超え、社会貢献にもつながっている。

    昨年には自身が撮影した作品をまとめた写真集をチャリティーオークションに出品し、約3万ユーロを集めた。集まった資金は、子どもやひとり親家庭、高齢者を支援する団体へ寄付されている。

    国家元首として多忙な公務をこなしながらも、プロ資格を持つフォトグラファーとしてF1をはじめとするモータースポーツを撮影し続けるパベル大統領。その意外な一面は、ハンガリーGPのパドックでも大きな話題となった。