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  • ハースF1 富士TPCに7900人 坪井翔と福住仁嶺が2日間を完走

    ハースF1 富士TPCに7900人 坪井翔と福住仁嶺が2日間を完走

    7月29日(水)、静岡県の富士スピードウェイでTGRハースF1チームによるTPC(Testing of Previous Cars/旧型車テスト)が終了した。2日間にわたるテスト最終日は好天に恵まれ、坪井翔と福住仁嶺が2025年型マシン『VF-25』で精力的に周回を重ねた。

    初日は雨の影響で走行時間が制限されたものの、2日目は朝からドライコンディションとなり、気温・路面温度ともに高い厳しい環境のなかでプログラムを消化。

    2日間合計では100周を大きく超える周回を重ね、2025年マシンのデータ収集とドライバー評価を進めた。

    坪井翔が2日間最速タイムを記録
    午前のセッション3では、前半2時間を坪井、後半2時間を福住が担当。両者ともハードタイヤで走行を開始した後、新品ミディアムタイヤを装着してアタックランを実施した。

    坪井はセットアップ変更やスタート練習を挟みながら徐々にタイムを更新し、最終的に1分17秒914を記録。このタイムが2日間を通じた最速タイムとなった。

    一方、福住は最高速336.449km/hを記録しながら1分18秒442をマーク。セクター1では坪井のベストを上回る区間タイムを刻んだものの、高い路面温度の影響もあってセクター2、3でタイムを伸ばし切れず、コンマ5秒差となった。

    今回のベストタイムは昨年のTPCで記録された1分17秒470には届かなかったが、今年は真夏の高温コンディションでタイムが出にくい状況だったことが大きく影響した。坪井も「コンディションが整っていれば1分16秒台には十分入れた」と手応えを語っている。

    また、今回のテストではタイヤ温度の管理も大きな課題となった。アタックラップ後はピットでブロワーを使用してタイヤを冷却し、「プッシュラップ→インラップ→アウトラップ→プッシュラップ」というサイクルで走行を繰り返した。

    坪井は「リヤタイヤの温度管理が難しく、冷却しないと2周目はフロントとリヤのバランスがまったく合わずアタックできなかった」と振り返っている。

    午後はロングランでレースシミュレーション
    午後の最終セッション4は14時30分から17時まで実施され、午前とは異なりロングランを中心としたプログラムが組まれた。

    最初にステアリングを握った福住は、アタックランを終えた後に18周の連続走行を実施。1分24秒前後の安定したペースを維持し、レース距離を想定した走行データを収集した。

    その後、シート交換などを経て坪井が走行を担当。1分19秒133を記録した後、連続走行へ移行し、前半は1分23秒台、終盤は1分22秒台を中心に周回を重ねた。

    午後だけで2人は合計48周を走破し、2日間にわたるTPCの全プログラムを完了した。

    ハースF1チーム 富士スピードウェイ

    F1マシンで得た大きな収穫
    2日間のテストでは、スーパーGTとスーパーフォーミュラで活躍する坪井、そして今回がF1マシン初ドライブとなった福住が、ともに多くの経験を積んだ。

    福住は「1分18秒2くらいまでは見えていた。もう少しまとめられた部分はあったが、この暑いコンディションの中で攻め切れたので悔いはない」と振り返った。

    一方の坪井も、高温コンディションでもF1マシンのポテンシャルを十分に引き出せたことに手応えを示しており、日本を代表するトップドライバー2人にとって充実した2日間となった。

    なお、今回のTPCには2日間合計で7900人が来場。昨年から127.4%増となる観客が富士スピードウェイを訪れ、日本で近代F1マシンが走る貴重な機会を楽しんだ。ハースF1チームのTPCは、日本のモータースポーツファンの関心の高さを改めて示すイベントとなった。

  • レーシングブルズF1勢 マックス・フェルスタッペンの「間抜けども」発言に反論

    レーシングブルズF1勢 マックス・フェルスタッペンの「間抜けども」発言に反論

    マックス・フェルスタッペンがF1ハンガリーGPでレーシングブルズのリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドを「間抜けども」と無線で罵倒した一件について、両ドライバーが当時の状況を説明した。

    2人は、レース中にブルーフラッグ表示システムが正常に機能せず、通常とは異なる状況で周回遅れ対応を迫られていたことが混乱の原因だったと明かし、自分たちは可能な限り先頭争いの妨げにならないよう努めていたと強調した。

    ブルーフラッグ表示の不具合が混乱を招く
    ハンガリーGPでは、一時的なマーシャリングシステムのトラブルによって通常使用される電光式ブルーフラッグ表示が機能しなかった。そのため、ドライバーは手旗やミラー、ダッシュボードの情報、そしてチームからの無線に頼って状況を判断することになった。

    フェルスタッペンは、ルイス・ハミルトンから2位を守る攻防の最中、前方で争っていたローソンとリンドブラッドを周回遅れにするまで時間を要し、無線で「あの間抜けどもは何をやっているんだ」と怒りを爆発させていた。

    リンドブラッドは、システムの不具合がドライバー全体に混乱を招いていたと振り返る。

    「それほど難しい状況ではなかった。バーチャルミラーで前後のクルマやギャップは見えるし、実際のミラーもあるから少しは楽だった」

    「でも、追い抜いていく側のクルマにとっては残念な状況だったと思う。理想的ではなかったね」

    さらに、ブルーフラッグ表示そのものにも異常があったと説明した。

    「7周目だったと思うけど、チェコ(セルジオ・ペレス)に対するブルーフラッグが表示された。でも7周目で彼がそんなに後ろにいるはずはない。システムで何が起きていたのか分からなかった」

    「しかも番号が表示されず、ただブルーフラッグだけだった。それではあまり役に立たない。でもチームがサポートしてくれたし、ダッシュボードのデルタタイムも確認しながら、できるだけリーダーたちの邪魔にならないようにしていた」

    ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

    ローソン「邪魔にならないことだけ考えていた」
    一方のローソンも、レース終盤にはルイス・ハミルトンの直後を走行しているところへ、新しいタイヤを履いたフェルスタッペンが急接近する場面に遭遇した。

    フェルスタッペンはハミルトンとローソンを一気に抜き去る豪快なオーバーテイクを決めたが、ローソンは自身がその攻防に巻き込まれないことだけを考えていたという。

    「僕は邪魔にならず、できるだけその争いに巻き込まれないようにしていただけだった」

    「僕は周回遅れではなかったから道を譲る必要はなかった。でも、彼があそこで仕掛けてくるとは思わなかった」

    「もちろん遅い飛び込みは見えた。あの場面では彼らの後ろでかなりタイムを失ってしまって正直ストレスだった。でも、あれは素晴らしいオーバーテイクだった。本当にマックスらしい動きだった」

    「間抜けども」発言の背景が明らかに
    フェルスタッペンの「間抜けども」という無線は大きな話題となったが、ローソンとリンドブラッドの証言からは、ブルーフラッグ表示システムの不具合という特殊な事情があったことが分かる。

    両者ともリーダー争いを妨げないよう最大限配慮していたと説明しており、フェルスタッペンが後方から見ていた状況とは異なる事情が存在していたことが明らかになった。

    【関連】
    ・フェルスタッペン レーシンングブルズF1勢に激怒「間抜けどもはペナルティだ」

  • 角田裕毅 ダニエル・リカルドを絶賛「F1で最も価値ある教えをくれた」

    角田裕毅 ダニエル・リカルドを絶賛「F1で最も価値ある教えをくれた」

    角田裕毅は、これまでチームメイトとして戦ったドライバーの中で、ダニエル・リカルドから学んだ「プロフェッショナリズム」が自身にとって最も価値のある教訓だったと明かした。

    2026年ベルギーGP週末に行われた『F1 Nation』のライブポッドキャストで、角田裕毅はこれまでのF1キャリアを振り返り、ピエール・ガスリーやマックス・フェルスタッペンら世界トップクラスのドライバーとガレージを共有した経験がある中でも、リカルドの存在が特別だったと語っている。

    「最も価値があった」のはリカルドのプロ意識
    2021年にピエール・ガスリーのチームメイトとしてF1デビューを果たした角田裕毅は、その後2023年途中からレーシングブルズ(当時アルファタウリ)でダニエル・リカルドとコンビを組み、2025年にはレッドブルでマックス・フェルスタッペンともチームメイトになった。

    イベントで「歴代チームメイトから学んだ最も価値のあることは何か」と質問された角田裕毅は、次のように答えた。

    「いろいろなドライバーから多くを学びましたし、それぞれ違いました。自分自身もその時々で違う段階にいました。ピエールと組んでいた頃はルーキーだったので、本当にたくさん学びました」

    「でも、全員の中から一人を選ぶならダニエルです」

    角田裕毅が特に印象に残っているというのは、リカルドの一貫したプロフェッショナルな姿勢だった。

    「ダニエルがどんなコンディションでも、どんな状況でもチームに対して見せる振る舞いを思い返すたびに、『これほどプロフェッショナルな人は見たことがない』と思います」

    角田裕毅とダニエル・リカルド

    冷静さがエンジニアとの仕事を変える
    角田裕毅は、リカルドと自身を比較しながら、当時の課題についても率直に振り返った。

    「僕はむしろ正反対でした。悪いセッションになると、その感情をエンジニアリングルームまで引きずってしまい、エンジニアに良いフィードバックを返すことができませんでした」

    「でもダニエルは、どんな状況でも本当に落ち着いていて、いつもチームに前向きなエネルギーを与えていました」

    リカルドと過ごした約1シーズンを通じて、角田裕毅は感情をコントロールし、冷静にチームへ情報を伝えることの重要性を学んだという。この姿勢は、マシン開発やレース運営においてドライバーが果たすべき役割を理解する上でも大きな財産となった。

    現在も続く師弟のような関係
    角田裕毅はリカルドとコンビを組んでいた当時、オーストラリア人ドライバーを「メンター」と表現したこともあり、その敬意は現在も変わっていない。

    一方、8勝を挙げたリカルドはF1の現役を退き、現在はフォード・レーシングのブランドアンバサダーとして活動している。先日のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは角田裕毅と再会し、笑顔で交流する姿も見られた。

    世界王者フェルスタッペンやF1優勝経験者ガスリーからも多くを学んだ角田裕毅だが、自身の成長に最も大きな影響を与えた存在としてリカルドの名前を挙げたことは、両者が築いた信頼関係の深さを物語っている。

  • ランド・ノリス F1ハンガリーGP勝利の裏側「ステラ代表は金曜から勝利を確信」

    ランド・ノリス F1ハンガリーGP勝利の裏側「ステラ代表は金曜から勝利を確信」

    ランド・ノリスは、2026年F1第11戦ハンガリーGPで今季2勝目を挙げ、マクラーレンにとっても前半戦を締めくくる重要な勝利をもたらした。しかし本人は、金曜日の時点では優勝など到底考えられなかったと明かしている。

    一方で、マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は早い段階からチームの可能性を信じていたようだ。ノリスはレース後の記者会見で、ステラ代表が金曜日に「賭けをしよう」と持ちかけてきたエピソードを披露し、週末を通じてどのように自信を深めていったのかを語った。

    ステラ代表は金曜日から自信を持っていた
    ノリスは、初日の走行ではマシンの感触に大きな不満を抱いており、勝利を争えるとは考えていなかったという。

    「正直、勝てるなんて全く思っていなかった。特に最初のフリー走行の後はね」

    「アンドレアは実は僕と賭けをしたがっていたんだ。FP1ではペースにもマシンのフィーリングにもかなり落胆していたからね。FP2では少し改善したけど、それでもフェラーリは別次元に見えていた。予選であれだけ接近できるなんて、本当に予想していなかった」

    その流れを変えたのは、土曜日に吹いた風だったという。

    「でも金曜日から土曜日にかけて風向きが変わって、その風が僕たちのマシンにはすごく合っていた。急にクルマへの信頼が高まって、もっとプッシュできるようになった」

    「その時にはポールポジションを獲れると思ったし、レースにも勝てるという自信が生まれた」

    40周にわたってピアストリを抑え続けた
    決勝ではオスカー・ピアストリとの直接対決を制したことが、自身にとっても特別な意味を持つ結果だったと振り返る。

    「レースペースは予想していたよりずっと良かったし、タイヤのデグラデーションも想像より小さかった。でも個人的には、自分のベストレースのひとつだったと思う」

    「こういう抜くのが難しく、前のマシンに付いていくのも難しいサーキットで、オスカーについていけたんだ。40周くらいにわたって0.8秒以内を維持できた」

    その一方で、自身がチームメイトより速かった理由については、ノリス自身も明確な答えを持っていない。

    「それができたことで、何が起きても勝てるという自信になった。僕にはかなり大きなアドバンテージがあった。でも、その理由は分からない。クルマは同じだからね。ただ最近は本当に調子がいいと感じている」

    マクラーレン

    答えは『ハードワーク』
    ノリスは現在の好調ぶりについて、才能ではなく積み重ねてきた努力の成果だと強調した。

    「昨年から本当にたくさんのことに取り組んできた。パフォーマンスを最大限引き出すことへの自信も大きくなったし、エンジニアと一緒にこのクルマを理解するために努力してきた」

    「このマシンは決して簡単なクルマじゃない。常に限界で走る方法を見つけるのは難しいんだ」

    「どうして速くなれたのかって? 答えはシンプルだよ。ハードワークさ。エンジニアたちも懸命に働いてくれたし、僕自身も自分とドライビングスタイルを改善するために努力してきた。それが答えだ」

    金曜日には優勝を諦めかけていたノリスだったが、マシン特性とコンディションが噛み合ったことで状況は一変した。そして、そのチャンスを確実に結果へ結び付けた背景には、本人とチームが積み重ねてきた地道な努力があった。

  • F1ハンガリーGPの青旗混乱をクルサードが批判「まるで幼稚園の初日だった」

    F1ハンガリーGPの青旗混乱をクルサードが批判「まるで幼稚園の初日だった」

    2026年F1ハンガリーGPで発生したブルーフラッグ(青旗)システムのトラブルについて、元F1ドライバーのデビッド・クルサードが、周回遅れの対応をしたドライバーやチームを厳しく批判した。

    レース中はFIAの自動ブルーフラッグ通知システムが一時的に停止し、マーシャルによる手動での青旗提示に切り替えられた。その影響で首位争いを繰り広げるドライバーたちは何度も周回遅れに行く手を阻まれた。

    クルサードは、たとえシステムに問題があったとしても、ドライバーやチームには十分に対応できる状況だったと指摘している。

    システム障害は「言い訳にならない」
    ハンガリーGPではブルーフラッグ通知システムの不具合により、多くの周回遅れマシンがトップグループの接近に気付くのが遅れた。

    その影響はレース展開にも及び、首位争いを演じていたオスカー・ピアストリはカルロス・サインツJr.との接触でタイムを失ったほか、マックス・フェルスタッペンもレーシングブルズ勢の対応に激怒し、無線で「間抜けども(morons)」と怒りをあらわにしていた。

    しかし、クルサードは『Up to Speed』ポッドキャストで、システム障害だけを理由にすることはできないと語った。

    「まるで学校の初日だった。いや、幼稚園の初日と言った方がいいくらい、ドライバーたちのブルーフラッグへの反応はひどかった」

    「ライブタイミングに問題があったと言う人もいるだろう。でも、自分の周囲の状況を把握する意識というものがあるし、エンジニアがピットウォール越しに状況を確認することだってできる」

    デビッド・クルサード

    「ピットウォールを見れば分かる」
    クルサードは、現代のF1ではデータへの依存が強まっているものの、エンジニア自身がコースを見れば十分に対応できたはずだと主張した。

    「中継でも話したが、今では多くのチームが、いわゆる『バカ席(prat perch)』と呼ばれるエンジニアリングウォールから実際にコースを見ることが少なくなっている」

    「トト(・ヴォルフ)の場合はガレージの中に座っているが、昔はエンジニアもチーム代表もピットウォール越しにコースを見て、周囲の状況を把握していた」

    「予選でピットアウトしたマシンとのタイミングまでは読めない。しかし決勝では各車が一定のペースで周回している。だから誰が近づいているかは普通に分かる」

    「いや、“普通に”ではない。絶対に分かる。今回の対応はまったく十分ではなかった」

    データ依存への警鐘
    今回のブルーフラッグ混乱では、FIAの自動通知システムの一時的な停止が発端となった一方で、チーム側の情報共有やドライバー自身の状況認識にも課題が浮き彫りとなった。

    クルサードは今回の騒動を、単なるシステムトラブルではなく、データや自動通知への依存が進む現代F1への警鐘と位置づけた。テクノロジーが進化した時代だからこそ、ドライバーとチームにはコース上の状況を自ら把握し、適切に判断する基本的なレースマネジメントが欠かせないと強調し、ハンガリーGPでの対応は「まったく十分ではなかった」と厳しく締めくくった。

  • F1最終2戦にも暗雲 WECが中東ラウンド中止で代替開催を決定

    F1最終2戦にも暗雲 WECが中東ラウンド中止で代替開催を決定

    2026年FIA世界耐久選手権(WEC)がシーズン終盤に予定していたカタールとバーレーンでの開催を断念したことで、F1でも今季最終戦の開催を巡る不透明感が一段と高まっている。

    WECは安全面や物流への影響を理由に欧州での代替開催を決定した。一方、F1は依然としてカタールGPとアブダビGPをカレンダーに残しているものの、情勢次第では代替開催地への変更も視野に入れた検討を続けているとみられる。

    WECがカタールとバーレーン開催を正式中止
    FIAは29日、WECの終盤2戦について開催地を変更すると発表した。

    当初、ルサイル・インターナショナル・サーキットで開催予定だったカタール戦は10月18日にスペイン・バルセロナで6時間レースとして実施。さらにシーズン最終戦として予定されていたバーレーン戦は、11月8日にイタリア・モンツァへ移される。

    この決定は、中東地域で続く紛争が安全性や貨物輸送、国際移動に及ぼす影響を慎重に検討した結果だ。

    WECのフレデリック・ルキアンCEOは、チームやマニュファクチャラーに十分な準備期間を確保する必要があったと説明した。

    「ここ数か月、中東情勢を注意深く見守ってきた」

    「数週間前まではカタールとバーレーンで開催できると楽観視していた。しかし現在の状況では代替案へ切り替えざるを得ない」

    「メーカーやチーム、そしてWEC運営が必要な準備を進められるよう、このタイミングで決断することが物流面で不可欠だった」

    また、FIA会長モハメド・ビン・スライエムも最後まで開催継続を模索したことを明らかにした。

    「ここ数か月、カタールとバーレーンのパートナーと協力し、開催維持に向けあらゆる選択肢を検討してきた」

    「しかし地域情勢を考えれば、チームや関係者、そしてモータースポーツファンの安全を最優先しなければならない」

    「容易な決断ではないが、モータースポーツコミュニティの安全確保が最優先だ」

    F1も最終2戦の代替開催を検討
    WECの決定により、F1が11月29日に予定するカタールGP、12月6日に予定するアブダビGPにも改めて注目が集まっている。

    現時点で両レースとも2026年カレンダーに残されており、正式な変更は発表されていない。しかし、現地情勢が改善しない場合に備え、F1は複数の代替開催案を検討しているとされる。

    有力候補の一つがイモラ・サーキットだ。2025年までF1を開催していた実績があり、短期間でグランプリ開催に対応できるインフラを備えている。

    ただし、12月のイモラは低温によってタイヤのウォームアップが難しくなるほか、悪天候のリスクも大きな課題となる。

    もう一つの候補として挙がるポルティマオは、近年F1開催実績があり冬場の気候も比較的温暖だ。しかし、2027年からのF1復帰に向けた施設改修工事が予定されているため、開催可能性は以前より低下しているという。

    このほか、トルコのイスタンブール・パークや、すでに2026年カレンダーへ組み込まれているサーキットでダブルヘッダーを実施する案も検討対象となっている。

    2026年カレンダーはすでに大幅変更
    F1は2026年シーズン序盤にも中東情勢の影響を受け、大幅な日程変更を余儀なくされた。

    バーレーンGPとサウジアラビアGPはシーズン途中で中止となり、当初24戦だったカレンダーは22戦へ縮小。その後、マレーシアGP復活という異例の措置により、セパンで10月2日から4日に「バーレーンGP」として開催されることが決定した。

    このレースは「フォーミュラ1 ガルフ・エア・バーレーンGP・イン・マレーシア」の名称で実施され、アゼルバイジャンGP、シンガポールGPと合わせたアジア3連戦を構成する。

    この追加によって2026年シーズンは23戦へ戻ったものの、WECが中東ラウンドの中止を正式決定したことで、F1もシーズン最終盤の開催について慎重な判断を迫られる状況となっている。

    現時点でF1から変更は発表されていないが、今後の地域情勢次第では、シーズン最終2戦の開催地が変更される可能性も残されている。

  • レッドブルF1 フェルスタッペン流出阻止へ 2029年までの高額契約オファー報道

    レッドブルF1 フェルスタッペン流出阻止へ 2029年までの高額契約オファー報道

    マックス・フェルスタッペンの去就を巡る憶測が加熱するなか、レッドブル・レーシングが2029年末までの契約延長を提示したと報じられた。現行契約に含まれる離脱条項の発動条件を満たしたとされる今、チームは高額契約によってエースの流出阻止を図ろうとしている。

    ドイツ紙『BILD』によると、新契約には大幅な報酬アップに加え、現契約で問題となっている成績条項を撤廃する内容が盛り込まれているという。

    さらにスペイン紙『MARCA』も、レッドブルが契約を2029年まで延長し、年俸増額を提示してフェルスタッペンの残留を目指していると伝えている。

    契約延長オファーの背景は「離脱条項」
    フェルスタッペンは2026年F1第11戦ハンガリーGP終了時点でドライバーズランキング6位。首位アンドレア・キミ・アントネッリとは100ポイント以上の差をつけられている。

    現行契約には、夏休みの時点でランキング2位以内に入っていなければ契約解除を選択できるパフォーマンス条項が含まれているとされ、『BILD』はこの条件がすでに満たされたと報道。フェルスタッペンには10月までに離脱条項を行使するか判断する猶予があるという。

    このため、2026年夏から秋にかけては、F1ストーブリーグ最大の焦点になる可能性が高まっている。

    レッドブルは大型契約で流出阻止へ
    こうした状況を受け、レッドブルは新たな契約延長オファーを提示したとされる。

    報道によれば、新契約は2029年までの長期契約となるだけでなく、大幅な年俸アップも含まれており、フェルスタッペン陣営は数週間前から内容を検討しているという。『MARCA』は、現在のフェルスタッペンの年俸は約6500万ユーロ(約121億円)と推定されており、レッドブルはさらに報酬を引き上げることで契約延長への合意を目指していると伝えている。

    フェルスタッペンは今季ここまで4度の表彰台を獲得しているものの、優勝はまだなく、新世代マシンへの不満も隠していない。そのため、一時的な休養(サバティカル)の可能性も依然として取り沙汰されている。

    一方で、マネージャーのレイモンド・フェルミューレンは最近、「マックスは現契約を尊重するつもりだ」と説明している。それでもレッドブルが正式な延長契約を提示したとすれば、口頭での意思確認だけでは安心できないというチーム側の危機感の表れとも受け取れる。

    さらに2027年にはマクラーレン移籍の噂も絶えず、メルセデスやアストンマーティンと並んで候補として名前が取り沙汰されている。フェルスタッペン本人は将来について明確な回答を避け続けており、チームの競争力や今後の勢力図を見極めたうえで判断する考えとみられている。

    最大の課題は金銭面ではなく競争力だ。エイドリアン・ニューウェイら主要技術者の離脱を経て、レッドブルは以前のような圧倒的な速さを失っており、フェルスタッペンを引き留めるには再び優勝争いができるマシンを示すことが不可欠となる。

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)

    ハジャーの去就にも影響
    フェルスタッペンが残留を決断した場合、2027年以降もアイザック・ハジャーとのラインアップが維持される可能性は高まる。

    ハジャーはレッドブル昇格初年度から安定した走りを見せ、歴代のチームメイトと比較してもフェルスタッペンとの差を小さく保っている。

    ローレン・メキーズ代表もハンガリーGPで、その評価を口にした。

    「かなり久しぶりに強力なセカンドドライバーを得られたのは良いニュースだ。それはシーズン前から掲げていた目標でもあった。アイザックは着実に結果を残し、チームやマックスから多くを学んでいる」

    さらにメキーズは、フェルスタッペンにとってもチームメイトとの実力差が縮まることは歓迎すべきことだと説明した。

    「2台のマシンの競争力が近づいているのは、マックスにとっても良いことだ」

    2027年の体制について明言は避けたものの、「将来についてはまだ話し合っていないが、アイザックが素晴らしい仕事をしていることは誰の目にも明らかだ。論理的な決断を下すことになる」と語り、ハジャーが長期構想に含まれていることを示唆した。

    フェルスタッペンの決断がストーブリーグを左右
    フェルスタッペンが2029年までの契約延長を受け入れれば、キャリアの全盛期を引き続きレッドブルで過ごすことになる。

    一方で、このオファーを拒否し、離脱条項を行使すれば、2027年に向けたドライバー市場は一気に動き出す可能性がある。

    現時点ではレッドブルもフェルスタッペン側も契約延長を正式には認めていない。しかし、高額オファーによる引き留めが事実であれば、この夏最大の話題は「フェルスタッペンは不満を抱えているか」ではなく、「レッドブルが彼を引き留められるか」に移りつつある。

  • ランス・ストロール ホンダF1に期待も現実的「メルセデス並みは難しい」

    ランス・ストロール ホンダF1に期待も現実的「メルセデス並みは難しい」

    アストンマーティンF1のランス・ストロールは、F1ハンガリーGP後、ザントフォールトで投入予定のホンダF1新パワーユニットに期待を寄せながらも、「メルセデスと同じくらい速くなれるかといえば、おそらくそこまではいかないだろう」と現実的な見方を示した。

    一方で、ハンガリーGPで初投入されたAMR26Bの大規模アップデートについては「チーム史上最も励みになるアップデートかもしれない」と高く評価。マシンの進歩を実感したことで、今後はホンダF1のパワーユニット改善が競争力向上の鍵になるとの認識を明かした。

    ホンダF1新PUに期待も「メルセデス並みは難しい」
    ストロールは、今週ハンガロリンクでテストされるホンダF1の新パワーユニットについて、期待を寄せながらも慎重な姿勢を崩さなかった。

    「ザントフォールトでエンジンアップデートがどれだけ効果を発揮するか見てみないと分からない。でも、それでもサーキット次第な部分はある」

    そして、その効果については現実的な見方を示した。

    「エンジンが改善されたからといって、メルセデスと同じくらい速くなれるか? そうなればいいと思うけど、おそらくそこまではいかないだろう。だからバクーやモンツァのようにパワーが重要になるサーキットでは、やはりもっと厳しい戦いになるはずだ」

    アストンマーティンは今季、シャシー性能の不足とホンダ製パワーユニットの出力不足に苦しんできた。ハンガリーGPでは空力アップデートで前進を果たしたが、ストロールは真の競争力を得るためにはパワーユニットの改善が不可欠との考えを示した。

    ランス・ストロール(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    「チーム史上最も励みになるアップデート」
    エイドリアン・ニューウェイの指揮のもと、アストンマーティンはハンガリーGPで16項目に及ぶ空力アップデートを投入。予選ではQ1敗退を喫したものの、決勝では13位まで順位を回復し、ストロールはマシンの進歩を実感したという。

    「本当に良かった。今週末は大きな前進を果たした。まだ中団の先頭争いをできる位置ではないけれど、十分に戦えるところまで来ている。もちろん、もっとパワーが必要だし、パフォーマンスもさらに向上させなければならない。ダウンフォースもパワーももっと必要だけど、この方向で開発を続けていくだけだ」

    さらに、今回のアップデートがチームにとって大きな転機になるとの手応えも口にした。

    「本当に素晴らしいことだ。これは本当に長い間で最も励みになるアップデートだし、もしかしたらこのチームの歴史の中でも一番かもしれない」

    また、決勝で早めにソフトタイヤへ交換した理由については、戦略ではなくクリーンエアを確保するためだったと説明した。

    「昨日の予選は本当に悪くて、ウィリアムズ勢の後ろに埋もれてしまっていた。このコースはオーバーテイクが難しいから、とにかく前が空いた状態で走りたかったんだ」

    ストロールは今回の空力アップデートによってアストンマーティンが正しい開発の方向性を見いだしたと感じている。そのうえで、今後はホンダF1の新パワーユニットとさらなる空力アップデートが加わることで、チームが中団争いでどこまで競争力を高められるかに期待を寄せた。

  • フェラーリF1 メルセデスの“予選トリック”導入へ ハンガリーGPで極秘テスト

    フェラーリF1 メルセデスの“予選トリック”導入へ ハンガリーGPで極秘テスト

    フェラーリは2026年F1ハンガリーGPで、メルセデスが予選で使用しているエネルギーマネジメント手法のテストを実施していたことが明らかになった。

    この手法は、予選ラップのフィニッシュライン直前で意図的にアクセルを戻すことで、バッテリー出力を最大限維持したままラインを通過する“リフトオフ・トリック”と呼ばれるものだ。

    わずか0.05秒程度のタイム短縮効果とされるが、僅差で争われる現在のF1ではポールポジションを左右する可能性もあり、フェラーリは今後の実戦投入を視野に検証を進めている。

    メルセデスが編み出した予選用エネルギーマネジメント
    このテクニックは、メルセデスが2026年シーズン中盤から完成させたものだ。

    F1では予選ラップ終了時、バッテリー残量がゼロに近づくと電力供給を一気に止めることはできず、FIAが定める「ランプダウンレート」に従って毎秒50kW以上の段階的な出力低下を行わなければならない。

    そのため通常はフィニッシュライン手前で350kWの最大出力を維持できなくなる。

    しかしレギュレーションには「バッテリー残量がゼロになる前にドライバーがアクセルを戻した場合、このランプダウンレートは適用されない」という例外規定が存在する。

    メルセデスはこの規則を活用し、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリにイヤホンから警告音を送り、決められたタイミングでアクセルを戻させるシステムを完成させた。

    これによりフィニッシュラインまで最大350kWの電力を維持でき、アントネッリはイギリスGPとベルギーGPでポールポジション獲得にこの手法を活用した。

    なお、シーズン序盤にはMGU-Kを緊急停止させる別の方法が使われていたが、日本GP後にFIAが禁止。その後メルセデスは現在のリフトオフ方式へ切り替えている。

    スクーデリア・フェラーリ

    フェラーリもハンガリーGPで実走テスト
    ライバルチームもこの手法に注目しており、フェラーリはハンガリーGP金曜フリー走行でシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンの両名が同様の手法を試した。

    テレメトリーデータでは、ルクレールがフィニッシュライン直前でアクセルを戻し、そのまま速度を維持してラインを通過する様子が確認されている。

    両ドライバーは金曜走行でメリットを評価したが、最終的にフェラーリは予選でこの戦略を採用しなかった。

    ハンガロリンクは回生量が多く、最終コーナーからフィニッシュラインまでの距離も長いため、もともと電力に余裕がある「エネルギーリッチ」なサーキットだ。このため、このトリックによるタイム短縮効果は限定的と判断された。

    土曜日の予選では通常どおり全開のままフィニッシュラインを通過する設定に戻されていた。

    わずか0.05秒でも価値は大きい
    このテクニックで得られるアドバンテージは約0.05秒とされる。

    一見すると小さな差だが、現在のF1では予選順位が100分の1秒単位で決まるケースも珍しくない。

    実際、ハンガリーGPではハミルトンはオスカー・ピアストリ妨害による3グリッド降格処分を受ける前、ランド・ノリスのポールタイムまでわずか0.012秒差だった。

    一方で、この手法には重大なリスクもある。

    ドライバーがバッテリー残量ゼロになる前にアクセルを戻せなかった場合、ランプダウン規定違反となり失格処分を受ける可能性がある。

    そのためチームはサーキット特性や電力消費量、得られるタイム短縮効果を総合的に評価し、リスクに見合うかどうかをレースごとに判断している。

    メルセデス自身もハンガリーGPではこの手法を使用しておらず、フェラーリも今回のテスト結果を踏まえ、より効果が期待できる高速サーキットでの本格投入を検討していくとみられる。

  • ウィリアムズF1 カルロス・サインツJr.に年俸56億円超オファー報道

    ウィリアムズF1 カルロス・サインツJr.に年俸56億円超オファー報道

    ウィリアムズF1がカルロス・サインツJr.に対し、年間3000万ユーロ(約56億円)という大型契約を提示し、残留を目指していると報じられた。一方で、F1ハンガリーGPではオスカー・ピアストリとの接触事故をめぐる批判が続いており、去就とともにその対応にも注目が集まっている。

    サインツJr.は夏休み期間中に将来をじっくり検討すると明かしているが、ウィリアムズ代表のジェイムス・ボウルズは来季以降もアレクサンダー・アルボンとともにチームの中核として引き留める考えを崩していない。

    3000万ユーロ契約でサインツJr.慰留か
    ドイツ紙などの報道によると、ウィリアムズはサインツJr.に年間3000万ユーロという破格の契約延長オファーを提示したという。この金額が事実であれば、F1でもトップクラスの高額年俸となる。

    サインツJr.は今季、マシン性能への不満をたびたび口にしてきたが、ハンガリーGP終了後には「夏休みを利用して落ち着いて将来を決めたい」と語り、去就について明言を避けた。

    一方、ボウルズ代表はサインツJr.とアルボンの両ドライバーへの信頼を改めて強調した。

    「この冬、私たちは予想以上に多くの弱点を抱えていることが明らかになった」

    「その影響で大きく後退してしまった。今季も全力を尽くしているが、本当に重要なのは2027年以降に向けてすべてを正しい状態に整えることだ」

    さらに両ドライバーについて次のように語った。

    「彼らは困難な状況でも常にチームを支え続けてくれた。本当に素晴らしいドライバーだ。少なくとも毎週末ポイントを争える環境を与えられるべき存在だが、現状ではそれができていない」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    ピアストリとの接触で批判集中
    しかし、ハンガリーGPではサインツJr.の評価を揺るがす出来事が起きた。

    周回遅れとなっていたサインツJr.は、表彰台争いを展開していたマクラーレンのオスカー・ピアストリと接触。サインツJr.は「ピアストリが見えなかった」「十分な青旗警告を受けていなかった」と主張したものの、オンボード映像では複数の青旗表示を通過していたことが確認された。

    その後、ウィリアムズはステアリング上のブルーフラッグ警告システムに不具合があったことを認めたが、ピアストリは納得しなかった。

    「彼が僕を見ていなかったかどうかなんて、正直どうでもいい。それは受け入れられないことだ」

    さらに今回の接触について、「レースで見た中でも最も愚かな出来事のひとつだった」と厳しく非難した。

    一方のサインツJr.は謝罪する意思はないと断言した。

    「いや、謝る必要はない」

    「普通のレーシングインシデントだ。彼も表彰台争いをしていたのだから、もう少し慎重であるべきだったのではないか」

    「青旗の問題もあったし、彼ももう少し良いポジション取りができたはずだ」

    この説明には、X(旧Twitter)のコミュニティノートでも反論が付けられるなど議論が拡大している。

    GPDA理事としての姿勢にも厳しい視線
    ピアストリはさらに、サインツJr.がGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事であることにも言及した。

    「彼は普段から他のドライバーにはかなり厳しいことを言っている」

    「以前から『彼はコース上でフラストレーションを感じさせる存在だ』と言っているドライバーもいる。だから、ああいうことをしたなら、一度自分自身を見つめ直した方がいいと思う」

    一方、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは通常のタイムペナルティだけでは不十分だったと指摘した。

    「私ならカルロス・サインツJr.には次戦のグリッド降格も科すべきだ」

    「そうしなければ前例になってしまう。このようなことは許されるべきではない」

    2027年へ向けたチーム作りは継続
    接触騒動は大きな波紋を呼んだものの、ウィリアムズ首脳陣はサインツJr.への評価を変えていない。2027年の新レギュレーションを見据えた長期的な再建計画においても、サインツJr.とアルボンを中心に据える方針は揺らいでおらず、高額契約提示の背景にもその強い期待があるとみられる。今後、サインツJr.が夏休み明けにどのような決断を下すのかが注目される。