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  • 角田裕毅 インディカー転向を否定 F1復帰に専念との報道

    角田裕毅 インディカー転向を否定 F1復帰に専念との報道

    角田裕毅は2026年シーズン、レッドブルのリザーブドライバーとして活動しているが、その視線は依然としてF1復帰に向けられている。インディカーへの転向説も浮上しているものの、本人は現時点でF1以外への移籍を考えていないようだ。

    GPblogによると、関係者への取材の結果、ホンダが支援するインディカー参戦という選択肢は存在するものの、角田裕毅自身は「F1で新たなチャンスをつかむこと」に全力を注ぐ姿勢を崩していないという。

    角田裕毅「退屈」と漏らした現在の心境
    2025年限りで5シーズン続いたフルタイム参戦に一区切りがついた角田裕毅は、2026年からレッドブルのリザーブドライバーを務めている。

    当初はマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして残留することを望んでいたが、レッドブルはアイザック・ハジャーを昇格させる決断を下した。

    現在もグランプリ会場には帯同しているものの、仕事の大半はスポンサー対応などに限られている。

    ハンガリーGPでGPblogが現在の心境を尋ねると、角田裕毅は率直に「退屈です」と答えたという。

    レースから離れた現在の立場に、競争の舞台を恋しく思っている様子がうかがえる。

    レッドブル復帰は極めて厳しい状況
    角田裕毅にとって、リザーブとして一時的にレッドブル・レーシングやレーシングブルズのシートに座る可能性は残されている。レギュラードライバーが負傷や体調不良などで欠場した場合には代役を務める可能性があるためだ。

    しかし、フルタイム復帰となると状況は大きく異なる。

    レッドブル陣営ではリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドが好調なパフォーマンスを見せており、さらにF2で活躍するニコラ・ツォロフも昇格候補として控えている。

    こうした状況から、レッドブル陣営で再びレギュラーシートを獲得する可能性は現実的には極めて低いとみられている。

    角田裕毅 F1

    ハース移籍説やアルピーヌ加入も実現性は低い
    今季序盤にはハース移籍の可能性も報じられたが、GPblogによれば、この噂に事実はなかったという。

    一方で、角田裕毅はフランコ・コラピントに代わるアルピーヌのシート獲得にも期待を寄せているとされる。しかし、この選択肢についても実現の可能性は高くないとの見方が示されている。

    そのため、2027年のF1シート獲得に向けた選択肢は限られているのが現状だ。

    ホンダ支援のインディカー構想よりF1復帰を優先
    一方で、角田裕毅にはインディカー側から関心が寄せられているという。

    GPblogによると、ホンダは自社育成ドライバーである角田裕毅をホンダエンジン搭載マシンで走らせることに前向きな姿勢を示している。

    それでも角田裕毅は、現時点ではインディカー転向を選択肢とは考えておらず、F1復帰だけに集中する意向だという。

    厳しい状況に置かれていることは本人も理解しているとみられるが、それでも最高峰カテゴリーへの復帰という目標を諦めるつもりはないようだ。

  • キャデラックF1 ブレーキ炎上の原因判明 ボッタス「内部が燃え始める」

    キャデラックF1 ブレーキ炎上の原因判明 ボッタス「内部が燃え始める」

    2026年F1シーズン前半を通してブレーキトラブルに苦しんできたキャデラックF1。その原因について、バルテリ・ボッタスがハンガリーGP後に詳細を明かした。

    キャデラックF1は問題解決を目指して新型フロントブレーキダクトを投入したものの、ハンガリーGP決勝でも再びブレーキ火災が発生。改善にはさらなる冷却性能の向上が必要との認識を示している。

    新型ブレーキダクト投入も火災再発
    キャデラックF1は2026年シーズンを通じてブレーキ関連の問題に悩まされてきた。特にオーストリアGPでは2台とも序盤にブレーキ火災でリタイアを喫するなど、深刻な課題となっている。

    F1マシンのブレーキは、ブレーキダクトから大量の空気を取り込み、1000個以上の穴が開けられたブレーキディスク内部へ送り込むことで冷却する構造となっている。ブレーキ温度は最大で約1200℃にも達するため、十分な冷却性能が不可欠だ。

    キャデラックF1はハンガリーGPで新設計のフロントブレーキダクトを投入し、冷却性能の改善を図った。しかし決勝ではボッタスのマシンで再びブレーキ火災が発生。最終的には壁にマシンを接触させて停止させる異例の事態となった。

    ボッタスは新パーツについて次のように説明した。

    「新しいフロントダクトは、この問題に対処して再発を防ぐことを狙ったものだった。でも今日の状況を見る限り、ブレーキにはまだもっと多くのエアフローが必要だということは明らかだ」

    「ただ、今日は非常に過酷なコンディションで、とても厳しいサーキットでもあった」

    バルテリ・ボッタス(キャデラック)

    「内部が燃え始める」とボッタスが原因を説明
    ボッタスは、ブレーキ火災が発生するメカニズムについても具体的に明かした。

    「ブレーキの温度が上がりすぎて、ある限界を超えると内部のすべてが燃え始める」

    「そうなると当然、すべてが壊れてしまう。実際、インラップではブレーキが完全に効かなくなった。ブレーキラインが焼けてしまったんだと思う」

    「だから壁にマシンを当てて止めるしかなかった」

    ブレーキラインまで焼損したことで制動力を完全に失い、安全にマシンを停止させるため壁を利用せざるを得なかったという。

    ザントフォールトまでに大幅改善は困難か
    F1はここからオランダGPまで14日間のファクトリー閉鎖期間(シャットダウン)に入るため、各チームは開発作業が制限される。

    そのためボッタスは、次戦ザントフォールトGPまでに大きなアップデートが投入される可能性は低いとの見方を示した。

    「ザントフォールトまでに新しいものはないと思う。ブレーキ関連では何かあることを期待しているけど、パフォーマンス向上のためのアップデートではないだろう」

    「いずれは、来年のマシン開発に100%集中する時期が来る」

    キャデラックF1はブレーキ火災という信頼性問題の解決を急ぐ一方で、2027年マシン開発とのリソース配分という難しい判断も迫られている。ハンガリーGPで再発した火災は、新チームにとって信頼性向上が依然として最優先課題であることを改めて浮き彫りにした。

  • マルク・マルケスとルイス・ハミルトンの共通点「必要な時に速く自己演出もうまい」

    マルク・マルケスとルイス・ハミルトンの共通点「必要な時に速く自己演出もうまい」

    MotoGPのTech3を率いるギュンター・シュタイナーが、現MotoGP王者マルク・マルケスをF1界のルイス・ハミルトンになぞらえ、その実力とセルフブランディング能力を高く評価した。

    ハースF1で約10年間チーム代表を務めたシュタイナーは、現在はRed Bull KTM Tech3のCEO兼オーナーを務めている。F1とMotoGPの両カテゴリーを知る立場から、両者の共通点について語った。

    7度の王者同士に共通する資質
    マルケスとハミルトンは、それぞれMotoGPとF1で7度のワールドチャンピオンに輝いた歴史的ライダー・ドライバーだ。

    マルケスは2025年、2020年の右腕骨折とその後の4度に及ぶ大手術を乗り越え、6年ぶりとなるタイトルを獲得。通算7度目の戴冠でバレンティーノ・ロッシに並んだ。

    一方、ハミルトンは2020年に7度目のF1世界王座を獲得し、ミハエル・シューマッハと並ぶ最多記録に到達した。2025年はフェラーリ移籍初年度に苦戦したものの、2026年にはスペインGPでフェラーリ移籍後初優勝を飾るなど復活を印象づけている。

    シュタイナー「ハミルトンに少し似ている」
    イタリアの専門誌『Motosprint』から「マルケスはF1ドライバーに例えると誰か」と問われたシュタイナーは、ハミルトンの名前を挙げた。

    「難しい質問だね。これまでそんなことを聞かれたことはなかった」

    「彼は少しハミルトンに似ているように思う。必要なときに速く走る能力はもちろん、自分のイメージを上手にマネジメントしているからだ」

    「もちろん、ルイスとまったく同じやり方ではない。彼は唯一無二の存在だからね。それでもマルケスも非常に優れているし、多くの勝利を挙げてきた」

    シュタイナーは、競技力だけでなく、トップアスリートとしての存在感やブランド価値を築く能力も両者の共通点として評価した。

    両者とも2026年はタイトル争いの渦中
    2026年シーズンのF1では、ハミルトンはランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリを50ポイント差で追い、史上最多となる8度目の世界王座を目指している。

    一方のマルケスはMotoGPランキング3位につけ、首位ホルヘ・マルティンとは18ポイント差。直近4戦で3勝を挙げる好調ぶりで、次戦イギリスGPを前に逆転タイトル獲得への期待を高めている。

    シュタイナーはF1とMotoGPの両世界を知る数少ない人物として、競技を超えて比較した末に、マルケスの総合力をハミルトン級と評価した。両者は異なるカテゴリーで戦いながらも、勝負強さとスター性を兼ね備えたチャンピオンとして共通する存在感を放っている。

  • シャルル・ルクレール フェラーリF1に積極開発を要求「攻め続けなければならない」

    シャルル・ルクレール フェラーリF1に積極開発を要求「攻め続けなければならない」

    フェラーリのシャルル・ルクレールは、2026年F1で激化するアップデート競争を勝ち抜くためには、現在の積極的な開発姿勢を維持することが不可欠だと強調した。

    2026年は新レギュレーション導入によって各チームの開発余地が大きく広がり、アップデートによる性能向上が過去数年よりも大きく現れるシーズンとなっている。

    フェラーリもマイアミGPやスペインGPで大規模アップデートを投入し、オーストリアGPでは新型パワーユニットを投入するなど、開発競争の先頭を走ってきた。

    新レギュレーションで激化する開発競争
    2022年から続いたグラウンドエフェクト規定の最終年となった2025年は、多くのチームが開発の限界に近づき、アップデートによる性能向上は徐々に小さくなっていた。

    しかし2026年はシャシーと空力コンセプトが全面的に刷新され、ダウンフォース生成もフロア主体からウイングの比重が高い設計へと変化。その結果、各チームはアップデートによって大きな性能向上を得られる状況となり、開発競争は例年以上に激しさを増している。

    その中でもフェラーリは、積極的なアップデート投入でライバルとの差を縮めようとしている。

    ハンガリーGPで露呈した一貫性の課題
    しかしハンガリーGPでは事前の優勝候補という評価に反し、ルクレールが4位、ルイス・ハミルトンが5位に終わった。

    コンストラクターズランキングでは首位メルセデスに72ポイント差をつけられ、ドライバーズランキングでもハミルトンは首位アンドレア・キミ・アントネッリに59ポイント差を追う状況で、フェラーリには巻き返しが求められている。

    ルクレールはレース後、SF-26の挙動には一貫性を欠く難しさがあると説明した。

    「スタートで代償を払ってしまったし、レース全体を通して特別に速かったわけでもなかった」

    「ハードタイヤでの最初のスティントは悪くなかったし、最後のソフトタイヤでのスティントもかなり良かった。でも良かったり悪かったりの波が大きすぎる。その一貫性を見つけることが、このクルマで取り組まなければならない課題だ」

    シャルル・ルクレール

    「攻め続けることが重要」
    ルクレールは、ドライバーごと、さらにはスティントごとにマシンの挙動が変化してしまう点を問題視している。

    「ルイスにとって難しいスティントもあれば、僕にとって難しいスティントもあった。すべての挙動に相関性がないように感じられるのが少し不思議なんだ」

    その一方で、現在のF1では開発競争が勝敗を左右する最大の要素になっていると指摘した。

    「アップグレードの効果は以前よりもずっと大きい。大幅な性能向上を実現できるからだ」

    「だからこそ、開発競争で優位を維持し、これまでと同じように積極的な開発を続けていくことが重要になる」

    夏休み明け以降も各チームが大型アップデートを予定しており、2026年シーズン後半戦は開発競争がタイトル争いの行方を左右する重要な要素となる。フェラーリが積極的な開発を継続しながらマシンの一貫性という課題を克服できるかが、メルセデス逆転への鍵となりそうだ。

  • オスカー・ピアストリ F1史に残る“あの投稿”から4年「記念日メッセージありがとう」

    オスカー・ピアストリ F1史に残る“あの投稿”から4年「記念日メッセージありがとう」

    2026年シーズンのF1はサマーブレイクを迎えたが、マクラーレンのオスカー・ピアストリがSNSで披露した“ひと言”が、ファンの間で再び話題となっている。

    きっかけは、F1史に残る契約騒動の発端となった「あの投稿」から4年を迎えたことだった。ピアストリは多くの祝福メッセージに対し、らしいユーモアで応じている。

    F1史に残る「アルピーヌには乗らない」投稿から4年
    2022年8月、フェルナンド・アロンソがアルピーヌからアストンマーティンへの電撃移籍を発表すると、アルピーヌは当時リザーブドライバーだったオスカー・ピアストリを2023年のレースドライバーに起用すると発表した。

    しかし、その直後にピアストリは自身のX(当時はTwitter)で、F1史に残る有名な声明を投稿する。

    「今日の午後、僕の同意なしにアルピーヌF1が来年僕が彼らのために走るというプレスリリースを出したと理解している。これは事実ではないし、僕は2023年に向けてアルピーヌと契約していない。来年アルピーヌで走ることはない」

    この投稿はF1界に大きな衝撃を与え、その後、契約問題はFIAの契約承認委員会(Contract Recognition Board)に持ち込まれた。

    最終的に委員会はマクラーレンとの契約の有効性を認め、ピアストリは2023年からマクラーレンのドライバーとなった。

    オスカー・ピアストリ

    「記念日メッセージをありがとう」と一言
    そして、その歴史的な投稿からちょうど4年を迎えた今年、ピアストリはXで短くこう投稿した。

    「記念日メッセージをありがとう」

    わずか一文ながら、当時の騒動を知るF1ファンには思わず笑ってしまうような投稿となり、多くの反響を集めた。淡々としたユーモアは、ピアストリらしいキャラクターがよく表れている。

    マクラーレン移籍は成功だった
    結果的に、マクラーレンへの移籍はピアストリにとって大きな成功となった。

    2024年ハンガリーGPでF1初優勝を飾ると、その後も勝利を重ね、ここまで通算9勝を記録。2025年には一時ドライバーズランキング首位に立ったものの終盤に失速し、チームメイトのランド・ノリスにタイトルを譲った。

    2026年ハンガリーGPでもアップグレード版MCL40で優勝争いに加わるだけの速さを見せていたが、周回遅れにしようとしたカルロス・サインツJr.との接触に加え、終盤にはギアボックストラブルに見舞われてリタイアとなった。

    それでも、マクラーレンのアップデートが高い競争力を備えていることは示されており、ピアストリにとっては後半戦へ向けて明るい材料となっている。4年前の「あの投稿」がなければ実現しなかった現在のキャリアは、いまやF1を代表する成功例のひとつとなっている。

  • メルセデス会長 フェルスタッペンとの交渉決裂「信念を売ることになる」

    メルセデス会長 フェルスタッペンとの交渉決裂「信念を売ることになる」

    2027年シーズンのドライバーラインアップをジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリで固めたメルセデスF1。その裏では、マックス・フェルスタッペンとの交渉が進められていたものの、最終的には契約条件を巡る考え方の違いが決裂の要因となったようだ。

    イタリア人ジャーナリストのフランコ・ヌニェスは、メルセデス会長オラ・ケレニウスが「信念を売ることになる(sell his soul)」と感じたことが、交渉打ち切りにつながったと明かしている。

    フェルスタッペンは大幅減俸も受け入れる姿勢
    Motorsport ITのYouTubeチャンネルでフランコ・ヌニェスは、フェルスタッペンがオラ・ケレニウス会長と直接交渉を行っていたと報告した。

    メルセデスはF1チームの株式を3分の1保有しており、ジム・ラトクリフが同じく3分の1を所有。残る28.3%をチーム代表のトト・ヴォルフが保有している。

    ヌニェスによると、フェルスタッペンはレッドブルで受け取っている年間約8000万ユーロ(約145億円)から、約5000万ユーロ(約91億円)まで大幅な減俸を受け入れる用意があったという。

    これまでメルセデスの給与体系ではフェルスタッペンの高額年俸が障害になると報じられていたが、本人は移籍実現のために条件面で譲歩する姿勢を示していたとされる。

    3年契約を巡る考え方の違いが決定打
    しかし、交渉は契約期間を巡って行き詰まった。

    フェルスタッペンは3年契約を希望していた一方、ケレニウス会長の任期は残り約2年。そのため、自身の任期を超える長期契約を結ぶことは「信念を売ることになる」と考えたという。

    こうした原則的な判断から交渉は決裂し、ヴォルフ代表はチームの安定性を優先。ジョージ・ラッセルとアントネッリのコンビを2027年も継続する決断を下したと報じられている。

    ラッセル自身も最近、「来季も100%メルセデスのドライバーだ」と語っており、契約延長への自信を示している。

    移籍先候補はマクラーレンのみとの見方
    メルセデスとの交渉が実現しなかったことで、フェルスタッペンの移籍先候補はさらに限られることになった。

    フェラーリは2027年も現行ラインアップを維持する見通しであり、仮にレッドブルを離れるとしても、有力候補はマクラーレンくらいしか残されていない。

    しかし、マクラーレンもランド・ノリスとオスカー・ピアストリが長期契約下にあるとみられており、ヌニェスは「フェルスタッペンのマクラーレン移籍を語る人は幻を見ているようなものだ」と否定的な見方を示した。

    今回の報道が事実であれば、メルセデスはフェルスタッペン獲得という大きなチャンスよりも、組織としての原則と長期的な安定を優先したことになる。一方で、フェルスタッペンの将来については依然として不透明な部分も多く、今後の動向に引き続き注目が集まりそうだ。

  • アストンマーティンF1内部試算 メルセデスPUならQ3進出可能だった

    アストンマーティンF1内部試算 メルセデスPUならQ3進出可能だった

    アストンマーティンF1は、ハンガリーGPで投入したエイドリアン・ニューウェイ設計による新型シャシーによって今季初のQ2進出を果たした。一方でチーム内部では、ホンダ製パワーユニット(PU)の性能不足が依然として最大の課題であり、もしメルセデス製PUを搭載していればQ3進出も十分可能だったとの試算を行っているという。

    オランダGPではホンダが改良型PUを投入する予定で、その効果が後半戦の戦いを左右する重要な鍵となりそうだ。

    ホンダPUは1周あたり約1.5秒遅れと試算
    BBC Sportによると、アストンマーティンF1は内部分析で、現在のホンダ製PUは「最良のパワーユニットと比較して1周あたり約1.5秒遅れている」と評価しているという。

    2026年型マシンAMR26BはハンガリーGPで大規模アップデートを受け、フェルナンド・アロンソが今季初めてQ2進出を達成。決勝でもランス・ストロールが13位、アロンソが14位と、チームにとって今季最高の総合成績を記録した。

    シャシー面では大きな前進を遂げたものの、依然としてPU性能が足かせになっているというのがチームの見立てだ。

    なお、FIAはマイアミGP後の評価でレッドブル・フォードの内燃エンジン(ICE)を最高水準と位置付けた一方、メルセデスF1代表トト・ヴォルフは、ハイブリッドシステム全体を含めればメルセデス製PUが最も高性能だと説明しており、多くの関係者もこれに近い見方を示している。

    メルセデスPUならアロンソはQ3圏内だった可能性
    この試算を予選結果に当てはめると、アストンマーティンのポテンシャルは大きく変わる。

    アロンソはハンガリーGP予選Q2で1分19秒808を記録し、ランド・ノリスのトップタイムから2.352秒遅れていた。

    ここからチームが見積もる1.5秒の差を差し引くと、理論上のタイムは1分18秒308となる。このタイムであればQ2で7番手となり、マックス・フェルスタッペンとアービッド・リンドブラッドの間に入る計算だ。

    さらに、このタイムはQ3でニコ・ヒュルケンベルグが記録した1分18秒686も上回っており、メルセデス製PUを搭載していればQ3進出は十分現実的だったことになる。

    もちろん、燃料搭載量やエネルギーマネジメント、空力特性など単純比較できない要素はあるものの、少なくともシャシー性能そのものは中団争いに加われるレベルまで改善したことを示す試算と言える。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    オランダGP投入予定の新PUが反撃の鍵
    アストンマーティンF1は昨季までメルセデス製PUを使用していたが、2026年からホンダとのワークス体制へ移行した。

    しかし新世代PUは開発初年度ということもあり、序盤戦では振動や冷却、エネルギーマネジメントなど複数の課題を抱えてきた。

    その状況を打開するため、ホンダは夏休み明けのオランダGPで改良型PUを投入する予定となっている。今回のアップデートでは約50馬力向上するとの報道もあり、実現すればメルセデスとの差を大幅に縮める可能性がある。

    今回のハンガリーGPでは、ニューウェイ設計の新型シャシーが十分な競争力を持つことを示した。今後はホンダの改良型PUが期待どおりの性能を発揮できるかが、アストンマーティンF1が後半戦で継続的にポイント争いへ加わるための最大の焦点となりそうだ。

  • キミ・ライコネン フェラーリF1時代の“乾いた路面でフルウェット“事件の真相

    キミ・ライコネン フェラーリF1時代の“乾いた路面でフルウェット“事件の真相

    2009年F1マレーシアGPで、フェラーリがキミ・ライコネンに乾いた路面でフルウエットタイヤを装着した“珍事件”の舞台裏が、当時チームに所属していたロブ・スメドレーの証言によって17年越しに明らかになった。

    当時は「なぜあの判断を下したのか」と長年語り草となっていたが、スメドレーはポッドキャストで、雨雲を読み違えた結果、ピットウォールが混乱状態に陥っていたことを率直に振り返っている。

    雨を先読みしたフェラーリの賭けが裏目に
    2009年当時は給油が認められていたため、各チームは燃料搭載量に応じたピット戦略を組んでいた。

    ライコネンも18周目前後で予定されたピットストップを迎えるタイミングだったが、セパン上空には黒い雨雲が迫っており、フェラーリ首脳陣は「まもなくモンスーン級の豪雨が来る」と判断した。

    その結果、通常のレインタイヤではなく、最も排水性能の高いフルウエットタイヤを装着してコースへ送り出すという大胆な戦略を選択した。

    しかし、雨は予想どおりには降らず、ライコネンは完全に乾いた路面をフルウエットタイヤで走行することになった。

    「これは大混乱だ」ピットウォールで感じた違和感
    当時フェリペ・マッサ側のエンジニアだったロブ・スメドレーは、ポッドキャスト『High Performance Podcast』で当時を次のように振り返った。

    「同僚を悪く言うつもりはないが、あのマシンは僕の担当ではなかった」

    「クリス・ダイヤーとアンドレア・ステラが『雨が降り始めた』『ウエットタイヤにしよう』と話しているのが聞こえた」

    ところが実際には通常のウエットタイヤではなく、フルウエットタイヤを装着する決断が下されたという。

    スメドレーは、その瞬間に「これは大混乱になる」と感じたと明かした。

    さらにレーダー画面を見ると、確かに雨雲は存在していたものの、本格的な豪雨はまだ20分ほど先だったという。

    ライコネンも思わず困惑「何なんだこれは」
    当然ながら、ライコネン本人も状況を理解できなかった。

    スメドレーによると、ライコネンはピットレーンを出た直後に思わず驚きの声を上げたという。

    一方、当時ライコネンのレースエンジニアだったアンドレア・ステラ(現マクラーレンF1代表)は、「もうすぐ雨が来るからタイヤを労わって走ってほしい」と無線で説明し、ドライバーを落ち着かせようとした。

    しかしライコネンは納得せず、不満を漏らしながら周回を重ねた。

    乾いた路面ではフルウエットタイヤは急速に摩耗し、ライコネンは1周あたり約10秒も失う苦しい走行を強いられた。

    雨は来たが時すでに遅し
    約3周後、ようやく本格的な雨が降り始めた。

    だが、その頃にはフルウエットタイヤはすでに使い物にならないほど傷んでおり、フェラーリはライコネンを再びピットへ呼び戻してインターミディエイトタイヤへ交換するしかなかった。

    雨のタイミングを完璧に当てれば戦略的な成功例となるはずだったが、実際には約3周早すぎた判断が裏目に出てしまった。

    結果としてライコネンは最後尾まで順位を落とし、最終的には14位でレースを終えた。

    17年経っても語り継がれるフェラーリ屈指の戦略ミス
    この2009年マレーシアGPは、その後モンスーンによる赤旗中断でレースが再開されず、ハーフポイントが与えられたことでも知られている。

    その中でもライコネンの「乾いた路面でフルウエットタイヤ」という判断は、F1史に残る戦略ミスのひとつとして語り継がれてきた。

    今回のスメドレーの証言によって、その背景には雨雲レーダーへの過信や現場での意思決定の混乱があったことが改めて明らかとなり、フェラーリ史に残る失策の舞台裏がようやく関係者自身の口から語られることになった。

  • レッドブルF1黄金時代の立役者 ヘルムート・マルコの功績を元密着記者が証言

    レッドブルF1黄金時代の立役者 ヘルムート・マルコの功績を元密着記者が証言

    レッドブルF1の黄金時代を支えたヘルムート・マルコの功績について、長年チームに密着してきたジャーナリストが改めてその重要性を語った。

    近年はクリスチャン・ホーナーとの対立が注目を集めたマルコだが、実際にはチーム創設からドライバー育成まで数々の重要な決断を主導し、現在のレッドブルF1の礎を築いた人物だったという。

    チーム創設から黄金時代まで支えた存在
    2025年限りでレッドブルF1を退いたヘルムート・マルコは、引退後のインタビューでクリスチャン・ホーナーとの確執について率直に語り、大きな話題となった。

    しかし、レッドブルF1に長年密着し、その経験を著書『Inside Red Bull Racing: A Season with F1’s Most Thrilling Team』にまとめたジャーナリストのマット・マジェンディ氏は、『Road To Success』ポッドキャストで、マルコの本当の功績はそれ以上に大きいと強調した。

    「ヘルムートについて見落とされがちなのは、フェルスタッペン陣営に近い存在というだけではなく、このチームの歴史そのものに極めて大きな役割を果たしてきたことだ」

    ジャガー買収からホーナー抜擢まで主導
    マジェンディ氏によると、マルコは共同創業者ディートリッヒ・マテシッツの親友であり、現在のレッドブルF1誕生にも大きく関わっていたという。

    「彼はディートリッヒ・マテシッツの親友だった。そして、マテシッツにジャガーF1チームの買収を決断させたのも彼だった」

    さらに、ファクトリーの再整備を推進しただけでなく、30代前半だったクリスチャン・ホーナーを初代チーム代表に起用するよう後押ししたことも明かした。

    「ファクトリーの再整備を推し進めたのもマルコだった。そして驚くべきことに、30代前半だったクリスチャン・ホーナーをチーム代表に起用するよう後押ししたのも彼だった。当時はかなり大胆な人事だと受け止められていた」

    レッドブル育成プログラムの中心人物
    マルコはドライバー育成でも欠かせない存在だった。

    「彼はアカデミーの責任者でもあり、その分野でも極めて重要な役割を担っていた」

    レッドブル育成プログラムは、セバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペンをはじめ、多くのトップドライバーをF1へ送り出してきた。マルコはその責任者として長年にわたり才能の発掘と育成を担い、チームの競争力を支え続けた。

    マテシッツ死去で権力構図が変化
    マジェンディ氏は、マルコとホーナーの関係が悪化した背景についても言及した。

    「すべてが崩れ始めた理由は、マテシッツが亡くなったことで権力の空白が生まれたことだった」

    「その結果として主導権争いが起き、その後の展開は誰もが見た通りだ。今では体制は落ち着いたが、多くの人材がチームを去る結果となった」

    「彼らは長年にわたって素晴らしい成果を築き上げた。それだけに、最後が対立という形で終わってしまったのは残念だった」

    ヘルムート・マルコ(レッドブル・レーシング)

    率直な人柄も高く評価
    マジェンディ氏は、マルコの人柄についても印象を語っている。

    「見た目は厳しく、まるで映画の悪役のような雰囲気もある。ドライバーを容赦なく切る場面もあった」

    「それでも実際にはユーモアのある人物で、いつも冗談や皮肉を交えながら話していた」

    「私が取材してきたスポーツ界でも、これほど広報に縛られず、自分の考えを率直に話す人物はほとんどいなかった。それはジャーナリストとして非常に新鮮だった」

    ホーナーとの確執ばかりが注目されがちなヘルムート・マルコだが、ジャガー買収の実現、ファクトリー整備、ホーナーの抜擢、そしてドライバー育成プログラムの構築まで、その功績は現在のレッドブルF1の成功を語るうえで欠かせないものだったことを、元密着記者は改めて強調している。

  • マックス・フェルスタッペン「TikTokを撮るためにF1をやっているわけじゃない」

    マックス・フェルスタッペン「TikTokを撮るためにF1をやっているわけじゃない」

    2026年シーズンは苦戦を強いられながらも、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンはチームの姿勢に一切の妥協はないと強調した。

    シーズン前半を振り返ったフェルスタッペンは、改善の手応えを認めつつも、「TikTokを撮るためにF1をやっているわけじゃない」と語り、勝利だけを追い求める王者の哲学を改めて示した。

    苦戦の2026年前半「良い瞬間もあったが問題も多かった」
    2026年はシャシーとパワーユニットのレギュレーションが刷新され、レッドブル・レーシングにとっては自社開発のレッドブル・パワートレインズ製パワーユニットを実戦投入する初年度となった。

    フォードと共同開発した内燃機関は高く評価されているものの、パワーユニット全体ではメルセデス勢が優位に立ち、レッドブル・レーシングはシーズン序盤から苦戦を強いられた。

    それでもシャシーアップデートの効果で競争力は徐々に向上し、フェルスタッペンは直近4戦で3度の表彰台を獲得。ハンガリーGPでは2位に入り、復調の兆しを見せている。

    ベルギーGPでViaplayの取材に応じたフェルスタッペンは、ここまでのシーズンを次のように振り返った。

    「そう言えるね。もちろんシーズン序盤はかなりひどかった。たくさん問題があった」

    「その一方で、オーストリアのように優勝争いができそうだった週末もあった」

    「だから前向きな瞬間もあったけれど、全体としてはうまくいかなかったことの方が多かった」

    「満足していない。勝ちたいし支配したい」
    フェルスタッペンは、苦しい状況でもチームの取り組みを誇りに思っていると語る一方、それだけでは満足できないと断言した。

    「もちろん、ここまで僕たちがやってきたことには誇りを持っているし、実際にそう思っている。でも、まだ十分じゃない」

    「僕たちはもっと上を目指している。勝ちたいし、支配したい。それがいつだって目標なんだ」

    マックス・フェルスタッペン

    「TikTokを撮るためにF1をやっているわけじゃない」
    現在ランキング6位につけるフェルスタッペンは、タイトル争いではキミ・アントネッリに100ポイント差をつけられている。それでも、表彰台や好結果だけでは満足できないと語り、自身がF1で戦う理由を明確にした。

    「もちろん表彰台はうれしい。でも、それで興奮することはない」

    「僕たちはTikTokを撮るためにF1をやっているわけじゃない」

    「ここにいる理由はただ一つ。勝つためだ」

    去就には含みもレッドブル残留が基本線
    フェルスタッペンは夏休み入り時点で契約解除条項を行使できる条件を満たしたことで、その去就にも注目が集まっている。

    マクラーレンとの接触が報じられる一方で、現時点では「第二の家族」と表現するレッドブル・レーシングへの残留を望んでいるとみられている。

    2026年は思うようなシーズンではない。それでもフェルスタッペンの目標は変わらない。レッドブル・レーシングとともに再び勝利を重ね、F1を支配する存在へ返り咲くことだけを見据えている。