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  • ホンダF1 F1プロジェクト経験者を呼び戻し反撃へ「体制は回復できる状態」

    ホンダF1 F1プロジェクト経験者を呼び戻し反撃へ「体制は回復できる状態」

    ホンダF1が、2026年シーズン前半の苦戦から巻き返しへ向け、開発体制を強化していることが明らかになった。

    ホンダ・レーシング(HRC)のトラックサイドマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原慎太郎氏は、以前のF1プロジェクトを経験した技術者を呼び戻し、組織の立て直しを進めていることを明かした。

    RacingNews365の独占インタビューで折原氏は、問題が悪化していく過程や現在までの改善状況を詳しく説明。シーズン後半に投入されるアップグレードへの自信も明かした。

    「競争力があると思っていました」 想定外だった開幕の苦戦
    2026年レギュレーションに合わせて開発されたホンダの新型PUは、アストンマーティンとの新プロジェクトとして大きな期待を集めていた。

    しかし実際には、バッテリー由来の激しい振動、信頼性不足、エネルギーマネジメントの問題が重なり、アストンマーティンはシーズン前半をキャデラックと争うほど苦しい状況で過ごした。

    エイドリアン・ニューウェイは後に、この振動がフェルナンド・アロンソとランス・ストロールの手に神経障害を引き起こす可能性まで懸念していたことを明かしている。

    折原慎太郎氏は、その状況について率直に語った。

    「大きな衝撃だったと言えると思います。通常であれば、私たちは競争力があることを期待しています」

    「それがF1に復帰した理由でもあります。ですから、自分たちのパフォーマンスが良くないと分かった時は、本当に大きな衝撃でした。ある程度は予想していた部分もありましたが、実際にそうだと分かった時は衝撃でした」

    実は1月には異変を察知していた
    折原氏によれば、問題はバーレーンテストや開幕戦メルボルンで突然発生したものではなかった。

    2025年シーズン終了後から徐々に状況は悪化しており、2026年1月には危機感を抱いていたという。

    「状況は突然悪くなったわけではなく、少しずつ悪化していました」

    「今年の1月になって、状況が悪化していることに気付きました。昨年はトップコンテンダーではありませんでしたが、ウインターテストのような状態ではありませんでした」

    「ですから状況は徐々に悪化していて、年明けには『あまり良いポジションではないかもしれない』と感じていました」

    この証言は、ホンダがバルセロナで初めて問題の深刻さを認識したと以前説明していた内容とも一致しており、開幕前から危機的状況だったことが改めて裏付けられた。

    振動問題を克服 「誇りに思っています」
    その後、ホンダとアストンマーティンは原因究明を最優先事項として開発を進めた。

    マイク・クラックは「まず問題を理解することが最優先」と繰り返し説明し、アロンソも前半戦を「学習期間」と表現していた。

    その成果が表れたのがハンガリーGPだった。アストンマーティンは大規模なシャシーアップデートを投入し、空力性能と車体バランスを改善。さらにホンダもPU側で振動対策や耐久性向上を進めてきた。

    まもなく迎えるオランダGPでは、ホンダも2026年最初のアップグレードを投入する予定となっている。

    折原氏はここまでの成果について強い自信を示した。

    「冬季テストから現在まで、そしてファクトリーのメンバーが成し遂げたことを誇りに思っています」

    「大きな振動の問題は解決しました。そして耐久性とエネルギーマネジメントの面でも大きく前進しました」

    「今年ここまで達成してきたことを考えれば、今後についてもかなり自信を持っています」

    ホンダF1  / ホンダ・レーシング

    ザントフォールトでPUアップデート投入へ
    ハンガリーGPでは、アストンマーティンが大規模なシャシーアップデートを投入し、空力性能と車体バランスを大幅に改善した。

    次戦オランダGPでは、ホンダも2026年最初のADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)を投入する予定となっている。

    2026年のPUレギュレーションでは、性能面で基準に達していないメーカーに対し、ホモロゲーション期間中でも一定範囲の性能改善が認められている。

    ホンダはこの制度を活用し、内燃エンジンを中心としたアップグレードを投入する計画だ。

    経験者を呼び戻し体制も強化
    折原氏は、技術体制そのものも強化が進んでいると説明した。

    以前、ニューウェイはレッドブル時代を知る経験豊富なホンダのF1エンジニアが数多く離れていたことが、新プロジェクトに影響したと語っていた。

    これに対しホンダは、経験豊富な技術者を現場へ呼び戻すとともに、新世代エンジニアも半年間で大きく成長したという。

    「今年は、以前のF1プロジェクトを経験した専門家を何人か呼び戻しました」

    「また、このプロジェクトで初めてF1に携わった若いエンジニアたちも、冬季テストから前半戦までで多くの経験を積みました」

    「ですので、現在の体制はパフォーマンスと信頼性を回復できる状態にあると考えています」

    ホンダとアストンマーティンの新プロジェクトは、期待とは程遠いスタートとなった。しかし折原慎太郎氏の証言からは、最大の課題だった振動問題を克服し、組織体制も着実に立て直しつつあることがうかがえる。

    オランダGPで投入されるPUアップグレードは、その再建プロジェクトが本格的な反撃へ転じるかを占う重要な一戦となりそうだ。

  • ニコラ・ツォロフ F1昇格に自信「今やるべきはF2王座獲得」

    ニコラ・ツォロフ F1昇格に自信「今やるべきはF2王座獲得」

    レッドブル育成ドライバーのニコラ・ツォロフは、レーシングブルズの2027年シート争いが激化する中でも、将来的にF1昇格のチャンスは必ず訪れると自信を示した。

    現在FIA F2選手権でランキング首位を走る19歳のブルガリア人は、今季の好調なパフォーマンスによってレッドブル育成の有力候補として評価を高めている。一方で、レーシングブルズではリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドが好成績を残しており、2027年のドライバー選考は難しい状況となっている。

    チーム代表のアラン・パーメインは先日、ツォロフを「次の候補(next in line)」と表現し、F1昇格候補として注目していることを明かしていた。

    「いつか必ずチャンスは来る」と確信
    ハンガリーGP週末、将来について何か進展があったかと問われたツォロフは、まだ具体的な話はないと認めた。

    「残念ながら、まだ何もない。でも、まだ時期としては早い。まずは夏休みを終える必要がある」

    今季はツォロフが2027年からレーシングブルズ入りするとの憶測も一部で流れたが、そうした報道は時期尚早だったとみられている。

    それでもツォロフは、自身の結果を積み重ねれば道は開けると確信している。

    「僕は今やっていることを続ける必要がある。もちろん、すべてが今と同じように進めば、いつか必ずチャンスをもらえると信じている」

    ニコラ・ツォロフ FIA フォーミュラ2選手権

    F2タイトル獲得が最優先
    ツォロフは現在、F2ランキングでガブリエーレ・ミニに20ポイント差をつけて首位に立っている。

    F1昇格の可能性よりも、まずはF2タイトル獲得に集中することが重要だと強調した。

    「僕にとって大事なのはそこだ。今はF2に集中しているし、今日のF2でより良い結果を残せば残すほど、自分自身により多くのチャンスを与えることになる」

  • ルイス・ハミルトンの復活を元F1ドライバーが称賛「再び本来の姿を取り戻した」

    ルイス・ハミルトンの復活を元F1ドライバーが称賛「再び本来の姿を取り戻した」

    2025年にフェラーリ移籍初年度の苦戦を経験したルイス・ハミルトンだが、2026年はスペインGPで移籍後初勝利を挙げるなど復調を印象づけている。

    その復活ぶりについて、かつてF1で活躍した名ドライバーたちが相次いで評価。ゲルハルト・ベルガーやデイモン・ヒルらは、苦しい時期を乗り越えて再び勝利をつかんだハミルトンの精神力と実力を高く称えている。

    ベルガー「ハミルトンは苦境から這い上がった」
    元フェラーリドライバーのゲルハルト・ベルガーは、フェラーリでの初年度に苦戦したハミルトンが再び結果を残し始めたことを喜んでいる。

    「フェラーリが勝つ姿を見るだけで誰もがうれしい。フェラーリは特別な存在だからね」

    「ルイスのこともうれしかった。フェラーリに来て過去の成功を再現したいと思っていたが、技術的にもチームメイトとの比較でも非常に難しい状況に置かれてしまった」

    「昨年は本当に厳しい一年だった。しかし今は再び本来の調子を取り戻しつつあるように見える」

    ヨハンソン「2%の勝機を勝利へ変える能力」
    元F1ドライバーのステファン・ヨハンソンは、スペインGPでのハミルトンの勝利は、王者らしいレースマネジメントだったと分析する。

    「バルセロナでのレースは、まさにルイス・ハミルトンらしい勝利だった」

    「彼は金曜日の段階で勝てる可能性を感じ取り、レース前から勝つためのプランを組み立て、それを完璧に実行した」

    「正直、あの状況で勝てたドライバーは多くないと思う。しかし彼は何をすべきかを正確に理解し、それをやり切った。それこそがチャンピオンの証だ」

    「彼らは2%しかないチャンスでも勝利へ結び付けられる。マックス・フェルスタッペンも同じタイプのドライバーだ」

    フィッティパルディ「年齢への批判を実力で覆した」
    2度のF1王者エマーソン・フィッティパルディは、自身も年齢による批判を受けた経験があるとして、ハミルトンに共感を示した。

    「ルイスとフェラーリが速さを見せて本当にうれしかった。昨年の状況は、私自身がインディカーやF1で経験したことでもある」

    「年齢を重ねると『もう速く走れない』と言われ始める。昨年は誰もが『ルクレールに勝てない』『年を取り過ぎた』とルイスを批判していた」

    「しかし今の彼は絶好調だ。これはF1にとってもファンにとっても素晴らしいことだ」

    さらにフィッティパルディは、2026年型マシンの特性もハミルトン復活の要因になっていると考えている。

    「今年のマシンは小型化され、ダウンフォースも減っている。その分、速く走らせるのが難しくなり、ドライバーの才能がより際立つ」

    「ルイスはマシンコントロールとフィーリングに優れた非常に才能あるドライバーだ。フェラーリとの2年目を迎え、エンジニアやチームのやり方も完全に理解している」

    ルイス・ハミルトン スクーデリア・フェラーリ

    ヒル「競争心がハミルトンを支えている」
    1996年F1ワールドチャンピオンのデイモン・ヒルは、ハミルトンほどの競争心を持つ人物なら苦境から立ち直るのは当然だったと語る。

    「本物は最後には必ず浮かび上がってくる。彼を半分に切っても、中身はすべて『競争心』でできているような人間だ」

    「彼は何をやっても勝ちたいタイプで、簡単に諦めることなどない」

    ヒルは、ハミルトン自身がフェラーリの開発にも大きく関与したことが復活につながったと考えている。

    「彼は冬の間に懸命に努力し、自分が望むフェラーリのセットアップをチームへ伝えてきた」

    「フェラーリは莫大な金額を払って彼を獲得した。だから彼は『ただチームのやり方に従うだけではない。自分の求める方向へマシンを作ってもらう』という姿勢を貫いた」

    「彼の実績と影響力を最大限に活用した。それは当然のことだ」

    ブーツェン「敗北から学んだから再び勝てた」
    ティエリー・ブーツェンも、ハミルトンの復活劇を高く評価する一人だ。

    「ルイスはルイスだ。彼はトップにいるべきドライバーだ」

    「昨年は自信やマシン性能など様々な要素が重なって苦しんだ。しかしマシンが改善されれば、すぐに本来の力を発揮した」

    ブーツェンは、ニキ・ラウダの言葉を引用しながら、敗北が成長につながったと指摘する。

    「ニキ・ラウダは『勝っている時には何も学べない。負けた時こそ多くを学べる』と言っていた」

    「勝てない時こそ、自分自身やマシン、チームとの関係まで徹底的に分析し、改善を重ねる。そしてそれを乗り越えた時に再び勝利をつかめる」

    「常に勝ち続けることは不可能だ。だからこそ苦しい経験が次の成功につながるのである。」

  • アイザック・ハジャー レッドブルF1で安定感向上「簡単なことを間違えていた」

    アイザック・ハジャー レッドブルF1で安定感向上「簡単なことを間違えていた」

    レッドブル・レーシングのアイザック・ハジャーは、2026年シーズン前半で安定した成績を手にできるようになった要因について、「簡単なことを確実にこなせるようになった」と明かした。

    シーズン序盤は速さを見せながらも結果につなげられなかったが、チームとともに課題を解決したことで安定感が向上。現在は表彰台を本格的に争えるレースを次の目標に掲げている。

    速さは最初からあったが「簡単なこと」ができていなかった
    2025年末にレーシングブルズからレッドブル・レーシングへ昇格したアイザック・ハジャーは、4度のF1ワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンのチームメイトという難しい役割を担うことになった。

    デビュー直後から一発の速さは示していたものの、開幕4戦でポイントを獲得できたのは1度だけ。しかしカナダGP以降は流れが一変し、トップ6フィニッシュを重ねるなど安定して上位争いに加わっている。

    ハンガリーGPの週末、ハジャーは序盤戦を振り返り、問題は速さではなくレース運びだったと説明した。

    「最初は少し難しかった」

    「開幕数戦は、簡単なことを本当にうまくできていなかった。一方で、速く走ることやリズムをつかむこと、それにマックスから大きく離されないことは、すごくうまくできていた」

    「ここ数戦では安定感を手に入れられたと思うし、チームでもいくつかの問題を解決して、僕たちの仕事がかなり楽になった」

    「クルマの信頼性が高ければ、すべてがずっと簡単になる。パフォーマンスを発揮できる状態なら、結果を出すのも難しくない」

    「もちろん満足はしているけど、本当に表彰台を争えるレースを経験したい。そのことが次の目標だ」

    週末を台無しにしていた小さなミスを克服
    ハジャーは「簡単なこと」と表現した内容について、スタートやシステム操作など、小さなミスが週末全体を狂わせていたと明かした。

    「スタートの問題は長い間続いていたし、あれは簡単に解決できるものではなかった」

    「でも僕が言いたかったのは、デプロイメントの問題やブースト機能の理解不足、それから1周目のスピンみたいなことだ。理想的ではなかった」

    「そういう小さなことが週末を台無しにしていた。慣れるまで少し時間が必要だったけど、今はすっかり落ち着いていると思う」

    信頼性の向上とマシンへの理解が深まったことで、シーズン序盤よりも着実にポイントを積み重ねられるようになったという。

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

    フェルスタッペンのレース運びは「別次元」
    近年のレッドブル・レーシングでは、アレックス・アルボン、セルジオ・ペレス、リアム・ローソン、角田裕毅らがフェルスタッペンとの差に苦しみ、シートを失ってきた。

    その中でハジャーは、フェルスタッペンに最も近づいたチームメイトの一人となっている。ただし、両者が完走したレースでフェルスタッペンを上回ったことはまだない。

    それでも本人は、自身の成長は想定どおりだと語る。

    「正直に言って、自分自身に驚いたことはない」

    「ただ高いレベルで走れているだけだし、去年より確実に良くなっている」

    「2年目だから経験もまだ十分ではない。でも少しずつ成長している」

    一方で、フェルスタッペンから学ぶべき点は明確だという。

    「予選での一発の速さには満足している。でも日曜日のレース運びは、あらゆる面でマックスが本当に印象的だ」

    「僕の1周の速さは悪くないと思う。でも彼のレースマネジメントは別次元だ。今はそこを重点的に改善したいと思っている」

    安定してポイントを獲得できるようになったハジャーは、次なるステップとしてレース運びに磨きをかけ、表彰台を本格的に争える走りを実現することを目指している。

  • フェルナンド・アロンソ アルピーヌF1復帰説 グッチが年俸支援か

    フェルナンド・アロンソ アルピーヌF1復帰説 グッチが年俸支援か

    フェルナンド・アロンソの去就が2027年F1移籍市場を左右する可能性が浮上した。

    フランスメディアは、アロンソのアルピーヌ復帰が実現すれば、カルロス・サインツJr.のアストンマーティン移籍、フランコ・コラピントのウィリアムズ復帰へと連鎖する「ドミノ移籍」が起こる可能性を報じている。

    さらに、リアム・ローソンやエステバン・オコンの去就も不透明で、2027年シーズンに向けたドライバー市場は夏休み期間中に大きく動き出す可能性がある。

    アロンソのアルピーヌ復帰説が再燃
    最も注目を集めているのはフェルナンド・アロンソの去就だ。

    複数の日本メディアによると、アロンソは2027年からアルピーヌへ復帰する可能性があり、同チームの将来のタイトルスポンサーになるとされる高級ブランド「グッチ」が、2度のF1ワールドチャンピオンの年俸負担を支援する可能性もあるという。

    一方で、アロンソ本人は「F1を続けるならアストンマーティンに残る」と繰り返し語っている。ただし契約には成績に関する解除条項が含まれているとされ、一定の条件を満たさなければ離脱できる可能性も報じられている。

    アルピーヌへ移籍すれば、長年の盟友であるフラビオ・ブリアトーレとの再タッグが実現し、ワールドタイトルを獲得したチームで4度目の挑戦となる。

    スイス紙『Blick』のベテラン記者ロジャー・ブノワは、次のように断言している。

    「ピエール・ガスリーのチームメイトとなる新ドライバーはフェルナンド・アロンソになるはずだ」

    さらに「これ以上ないほど完璧な締めくくりになる」と付け加えた。

    もっとも、アストンマーティンはハンガリーGPで投入したAMR26Bによって大きく競争力を改善し、さらにザントフォールトではホンダの新型パワーユニット投入も予定されている。プロジェクトが好転し始めたタイミングで離脱するのかという疑問も残る。

    フェルナンド・アロンソとフランコ・コラピント

    サインツJr.とコラピントにも影響
    アロンソがアルピーヌへ移籍した場合、影響を受けるのがカルロス・サインツJr.とフランコ・コラピントだ。

    アルピーヌはコラピント側に対し、他チームの可能性も探るよう伝えたとされ、マネジメントはウィリアムズ復帰に向けた協議を再開したという。

    ただし、そのシナリオはサインツJr.の決断に左右される。

    サインツJr.は夏休み中にウィリアムズ首脳陣と将来について話し合う予定であり、チームの中長期的なビジョンを確認した上で去就を決める考えを明かしている。

    「夏まで待って、チームと腰を据えて話し合いたい」

    「ジェイムス(・ボウルズ)やチーム全体と、チームの将来、そして僕自身の将来について話したい」

    元F1ドライバーのマーティン・ブランドルは、サインツJr.が競争力の低い状況に長く留まるべきではないとの見方を示した。

    「彼のキャリアは停滞している。まだ若いとはいえ、このタイミングで理想的な状況とは到底言えない」

    3チームを巻き込むドミノ移籍の可能性
    もしアロンソがアストンマーティンを離れれば、その後任候補の筆頭はサインツJr.とみられている。

    その場合、

    アロンソがアルピーヌへ移籍
    サインツJr.がアストンマーティンへ移籍
    コラピントがウィリアムズへ復帰

    という3チームを巻き込む大型のドミノ移籍が実現する可能性がある。

    2027年のドライバー市場を左右するシナリオとして、今後の夏休み期間中の動向が注目される。

    ローソンやオコンの去就も不透明
    移籍市場では、他にも複数のシートが動く可能性がある。

    レーシングブルズのリアム・ローソンは、自身の将来について「何も分からない」と認め、夏休み中にチームと話し合いが行われる見通しだ。

    一方、ロジャー・ブノワはハースが今季限りでエステバン・オコンと決別するとも報じている。

    オコンはチームメイトのオリバー・ベアマンに大きく後れを取っており、この結果を受けてフェラーリ育成のラファエル・カマラが2027年にハース昇格を果たす可能性があるという。

    なお、フェラーリはFIA F2王者レオナルド・フォルナローリではなくカマラを推しているとされる。ハースの最終判断次第ではあるものの、ブラジルからのスポンサー資金もチームにとって大きな後押しになるとみられている。

  • F1エネルギーマネジメントをFIAが説明「ドライバー任せにできない理由」

    F1エネルギーマネジメントをFIAが説明「ドライバー任せにできない理由」

    2026年のF1で導入された新世代パワーユニットでは、エネルギーの配分を制御する自動アルゴリズムがレース展開を大きく左右している。スパ・フランコルシャンでは、その影響の大きさが改めて浮き彫りとなり、オスカー・ピアストリをはじめとするドライバーからも「かなりひどい」と不満の声が上がった。

    こうした状況を受け、「なぜドライバー自身にエネルギー管理を任せられないのか」という疑問も広がっているが、FIA(国際自動車連盟)のシングルシーター部門責任者ニコラス・トンバジスは、その理由は技術的な制約にあると説明した。

    「100%ドライバー任せ」は現実的ではない
    トンバジスは、ドライバーの不満には理解を示しながらも、完全な手動制御は現実的ではないと語った。

    「ドライバーたちのコメントは理解できる。現在は使用できるエネルギー量が限られており、それをどう管理するかが極めて重要になっている。その結果として様々な戦略が必要になっている」

    そのうえで、ドライバーが自由にエネルギーを使えるようにした場合の問題点を指摘した。

    「100%ドライバー任せにはできない。もし好きなタイミングで好きなだけ使えるのであれば、ドライバーはコーナー立ち上がりですべてのエネルギーを一気に使い切るだろう。そうなれば、現在問題視されている現象はさらに顕著になる」

    さらに、バッテリー保護や性能均衡のための技術的制約も存在すると説明した。

    「エネルギーの放出量や回生量、SOC(State of Charge=充電状態)の変化量には制限が設けられている。これは技術開発競争の激化を防ぐためだ。もし制限がなければ、各メーカーはさらに巨大なバッテリーを搭載しようとし、再びマシンは重くなってしまう」

    「こうした多くのパラメータを人間が合理的に制御することは不可能だ」

    2028年の60対40ルールで改善を期待
    現在の2026年レギュレーションでは、内燃エンジンと電動システムの出力比率は50対50となっている。しかしF1は2028年からこれを60対40へ変更することを決定しており、トンバジスはこれによってドライバー主体の走りを取り戻せると考えている。

    「このバランスが少し見直されれば、この分野はよりシンプルになると思う。ドライバーたちが不満を抱いているのは、エネルギー管理そのものが原因だ」

    「確かに複雑すぎる。私も100%彼らに同意する。しかし、それは根本的な問題から生じている結果だ」

    アルゴリズムは以前から存在していた
    トンバジスは、自動制御アルゴリズム自体は2026年規則以前から存在していたものの、新世代パワーユニットでは電動出力の比率が大幅に高まったことで、その重要性が飛躍的に増したと説明する。

    「オスカー(ピアストリ)は非常に賢いドライバーだが、彼が感じているのは現在もっとも支配的な要素だ。バランスが見直されれば状況は改善されるだろう。完全になくなるわけではないが、大きな前進になるはずだ」

    「こうしたアルゴリズムは以前から存在していた。しかし今年導入された新しい規則では、パワーユニットに占める電動出力の割合が大きくなったため、その重要性も大幅に高まった」

    さらに2028年には電動出力比率が47%から40%へ引き下げられることで、アルゴリズムの影響も小さくなると見通しを示した。

    「2028年には電動出力の比率が47%から40%へ下がるため、効率を左右するアルゴリズムの重要性は低下する。また、その頃には各メーカーも規則への理解を深めており、制御精度もさらに向上しているはずだ」

    今回のFIAの説明は、自動エネルギー管理が単なる利便性のためではなく、性能均衡やコスト抑制、安全性を維持するための不可欠な仕組みであることを改めて示すものとなった。一方で、2028年のルール改訂によってドライバーがより主体的にマシンを操れる方向へ向かうことも期待されている。

  • ウィリアムズF1とBARホンダが争奪戦 ジェンソン・バトン契約騒動の舞台裏

    ウィリアムズF1とBARホンダが争奪戦 ジェンソン・バトン契約騒動の舞台裏

    2004年8月5日、ウィリアムズF1はジェンソン・バトンと2005年から2年間の契約を結んだと発表した。しかし、この契約はBARホンダとの間で大きな法廷闘争へと発展し、最終的にはF1史に残る契約トラブルとして語り継がれることになった。

    契約承認委員会(CRB)は最終的にBARホンダ側の主張を認め、バトンのウィリアムズ復帰は実現しなかった。この判断は、その後のバトンのキャリアを大きく左右する転機となった。

    ウィリアムズは契約成立を確信
    2004年8月5日、ウィリアムズはバトンが2005年と2006年にチームへ加入すると正式発表した。

    当時、ウィリアムズはBARホンダが保有していた契約オプションを期限内に行使しなかったため、バトンはフリーエージェントになったと判断していた。

    フランク・ウィリアムズは当時、契約の有効性に強い自信を示していた。

    「まず明確に言えるのは、我々はジェンソンとの契約を保有しているということだ」

    「BARはこれに異議を唱えているようだ。しかし我々は、BARがジェンソンを引き留めるオプションを失効させたと確信している。2005年に彼がウィリアムズで走ることに疑いはない」

    BARホンダが即座に異議申し立て
    しかし、BARホンダ代表だったデビッド・リチャーズは発表直後から反論した。

    BARホンダは、すでに2005年の契約オプションを正式に行使しており、バトンは引き続きチームの所属であると主張。この問題はF1契約承認委員会(Contract Recognition Board:CRB)に持ち込まれることになった。

    そして2004年10月20日、CRBはBARホンダ側の主張を全面的に支持。2005年について有効な契約はBARホンダとの契約のみであり、ウィリアムズとの契約は認められないとの裁定を下した。

    判定を受け、バトンは次のようにコメントした。

    「もちろん今回の裁定には失望している。でも原則として、CRBが下した判断は尊重すべきだと考えている」

    「このプロセスを通じて、BARはサーキットでも非常にプロフェッショナルだった」

    一方、フランク・ウィリアムズも裁定を受け入れながらも無念さを隠さなかった。

    「当然ながら、この結論には失望している」

    「ジェンソンは、そのために法的な争いを起こす価値があるドライバーだと考えていた。強力な法的助言に基づいて動いたものであり、今回の挑戦を後悔してはいない」

    2006年契約も買い取りで決着
    しかし、騒動はこれで終わらなかった。

    ウィリアムズは2006年については依然として有効な契約を保有していると主張。一方のバトンは、BARホンダへの残留を希望し、移籍を望まなくなっていた。

    最終的には、バトンが推定1800万ポンド(当時)の違約金を支払い、ウィリアムズとの契約を買い取る形で決着したと報じられている。正確な金額は公表されていない。

    バトンは当時、次のように語っている。

    「フランクと僕の問題を解決できて本当にうれしい」

    「決して居心地のいい状況ではなかった。でも、これ以上事態が悪化する前に解決できたことに感謝している」

    結果的にF1王者への道を切り開く転機に
    この契約騒動は、結果的にバトンのF1キャリアを大きく変える出来事となった。

    BARホンダは2006年からホンダF1となり、バトンは同年のハンガリーGPでF1初優勝を達成。その後、ホンダのワークスチームは2008年限りで撤退したものの、チームはブラウンGPとして再出発を果たす。

    そして2009年、バトンはブラウンGPでドライバーズタイトルを獲得。もし2005年にウィリアムズへ移籍していれば、このシンデレラストーリーは実現していなかった可能性が高く、今回の契約騒動はF1史を大きく変えた一件として今なお語り継がれている。

  • ホンダF1 折原慎太郎が明かす苦戦の真相「問題の深刻さは1月に判明」

    ホンダF1 折原慎太郎が明かす苦戦の真相「問題の深刻さは1月に判明」

    2026年から導入されたF1新レギュレーションで、アストンマーティンとのワークス体制をスタートさせたホンダ。しかし、シーズン序盤はパフォーマンス不足や信頼性トラブルに苦しみ、期待された船出とはならなかった。

    ホンダF1のトラックサイドマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原慎太郎が『Autosport』の独占インタビューで、問題の深刻さを本格的に認識したのは2026年1月だったことを明かした。

    なぜ開発段階では見抜けなかったのか、その経緯と現在の改善状況を説明している。

    昨年末は「問題ない」と判断も 1月に状況が一変
    2026年に向けた新世代パワーユニットの開発は、2025年末の時点では順調に見えていたという。

    折原慎太郎は、当初の状況について次のように振り返った。

    「おそらく昨年末の時点では、それほど悪い状況ではありませんでした。性能やドライバビリティはまだ開発段階でしたが、見た限りでは問題ないように思えました」

    しかし、年が明けた2026年1月になると状況は急変した。

    「1月になって、一部の領域で問題というより、性能が上がったり下がったりを繰り返していることが分かりました。性能向上が見つかっても、同時に信頼性の問題も見つかるという状態でした」

    ホンダは信頼性を最優先したため、得られた性能向上の一部をあえて後退させざるを得なくなり、その結果として開発スピードも鈍化した。

    「1月の段階で、自分たちの性能と信頼性では競争力がないと認識しました。バルセロナで走り始めると、他メーカーと比べて性能面で明らかに劣っていることが分かりました。また、バッテリー側にも問題が見つかりました」

    バッテリートラブルで貴重なテスト時間も失う
    バッテリー関連の不具合は、冬季テストにも大きな影響を与えた。

    アストンマーティンとホンダはライバルとの差を縮めるため、多くの走行データを必要としていたが、トラブルによってその機会を失うことになった。

    「今年の初めには、自分たちが良い状況ではないことを認識していました。昨年末の段階でも競争力不足は感じていましたが、ここまで深刻だとは予想していませんでした」

    最大の課題は「すべてが同時に変わったこと」
    折原慎太郎によれば、今回の苦戦には単一の原因があるわけではない。

    2026年レギュレーションでは、パワーユニットのあらゆる要素が一斉に変更されており、その複雑さが最大の課題になっているという。

    「どのコンポーネントが最も難しいかを一つ挙げるのは難しいです。今回のレギュレーションでは、すべてが大きく変わりました」

    「例えばMGU-Kは約120kWから350kWへと大幅に出力が増えました。それだけでも非常に大きな変化です」

    「さらに内燃エンジン側でも燃料流量が変更されています。つまり、すべてが大きく変わったこと、その組み合わせこそがホンダにとって最大の難しさでした」

    現在のホンダ製パワーユニットは内燃エンジンの出力不足が大きな課題となっており、ザントフォールトで投入予定のアップグレードは、この弱点を改善することを主目的としている。

    ホンダF1 / ホンダ・レーシング

    MGU-H廃止がドライバビリティに大きく影響
    一方、電動系では効率向上だけでなく、ドライバビリティの改善も重要なテーマとなっている。

    折原慎太郎は、その大きな要因としてMGU-H廃止を挙げた。

    「MGU-Hがなくなったことも、パワーユニットメーカーにとって非常に大きな課題です」

    「これはパワーユニットメーカーにとって最も興味深いポイントかもしれません。私がこれまで何度も話してきたドライバビリティですが、その大部分はMGU-Hがなくなったことに起因しています」

    「目標とする過給圧を維持することが、パワーユニットサプライヤーとして非常に難しくなりました。どれか一つの部品が最大の課題というより、やはりすべての変更が同時に起きたことが最大の難しさでした」

    ザントフォールトで反撃開始へ
    ホンダは競争力を完全に取り戻すには時間がかかると認めているが、その第一歩としてザントフォールトで新仕様エンジンを投入する予定だ。

    このアップグレードは内燃エンジン性能の改善に特化したもので、すでにハンガロリンクで実施されたフィルミングデーで初走行を終えている。

    開発責任者自らが明かした今回の証言からは、ホンダが苦戦した理由は単なる設計ミスではなく、新レギュレーションでパワーユニット全体の設計思想が一変したことにあったことが浮き彫りになった。ザントフォールトでのアップグレードが、その巻き返しの第一歩となるか注目される。

  • デビッド・クルサード再評価 元マクラーレンF1メカニック「過小評価されている」

    デビッド・クルサード再評価 元マクラーレンF1メカニック「過小評価されている」

    マクラーレンで長年メカニックを務めたインディ・ラルが、デビッド・クルサードの功績が十分に評価されていない現状を「悲しい」と語った。

    クルサードは1996年から2004年まで9シーズンにわたってマクラーレンに在籍し、13勝を挙げたほか、2001年にはドライバーズランキング2位を獲得。しかし、チームメイトだったミカ・ハッキネンの2度のワールドタイトルの陰に隠れ、その貢献は過小評価されているとラルは指摘している。

    「13勝は運だけでは成し遂げられない」
    クルサードは1996年にウィリアムズからマクラーレンへ移籍。1995年最終戦オーストラリアGPではピットレーンでクラッシュを喫し、ウィリアムズからのボーナス50万ポンドに加え、マクラーレンとの契約で設定されていた優勝ボーナス150万ポンドも失うという不運に見舞われた。

    それでもマクラーレンでは9年間にわたり活躍し、1997年、1998年、2000年にランキング3位、2001年には2位とタイトル争いにも加わった。

    一方で、1998年と1999年に連続で世界王者となったハッキネンの存在が大きく、クルサード自身もチーム内ではハッキネンの方がタイトル獲得に適した立場だったと振り返っている。

    ラルは『Autosport』の取材で、クルサードの評価について次のように語った。

    「とても楽しい時代だった」

    「デビッドがあまり評価されていないのは少し悲しい。彼は調子が良い日は本当に速かった。ミカやミハエル・シューマッハーを相手に13勝を挙げるなんて、運だけでできることではない。デビッドは非常に献身的だった」

    デビッド・クルサードとミカ・ハッキネン(マクラーレン)

    ハッキネンとは特別な信頼関係
    一方でラルは、ハッキネンとはより深い関係を築いていたことも明かしている。

    当時のマクラーレンはテストで度重なる技術的トラブルに苦しみ、それがハッキネンの自信を大きく揺るがしていたという。

    「僕はミカととても親しくなった。ある年はテストで故障が続き、それが彼を壊しかけていた。自信という意味でも、まさに分岐点になりかねない状況だと感じたので、僕は彼に寄り添うようになった」

    「サーキットの外でも一緒に多くの時間を過ごし、信頼関係を築いた。そういう時間には、お互いにより率直な話ができる。ミカには驚異的な生まれ持った才能があった」

    ラルは、ハッキネンの卓越した才能を認めながらも、クルサードもまた同時代のトップドライバーたちと互角に戦い続けた実力者だったと強調。マクラーレン黄金期を支えた両ドライバーの功績は、ともに正当に評価されるべきだとの考えを示した。

  • アストンマーティンF1大躍進 元フェラーリ技術者「トップ勢と同じ開発ペース」

    アストンマーティンF1大躍進 元フェラーリ技術者「トップ勢と同じ開発ペース」

    2026年F1ハンガリーGPで投入されたアストンマーティンF1の大規模アップグレード「BスペックAMR26」が、チームに待望の前進をもたらした。

    元フェラーリおよびウィリアムズのエンジニアであるロブ・スメドレーは独自データを分析し、このアップグレードによってアストンマーティンは「シーズンを通じた開発競争でトップチームと同じペースを維持した」と高く評価した。

    一方で、ホンダの新パワーユニット投入が予定されるオランダGP以降には、さらなる飛躍への期待も示している。

    独自データが示したAMR26の進化
    ハンガリーGPでは16項目に及ぶ大規模アップデートを投入したアストンマーティン。フェルナンド・アロンソは今季初めて予選Q2進出を果たし、決勝ではランス・ストロールが13位、アロンソが14位でフィニッシュした。

    このパッケージによって、アストンマーティンはキャデラックを上回り、さらにウィリアムズも逆転したとの見方が広がった。

    ウィリアムズのカルロス・サインツJr.は「アストンマーティンは今や中団最高のシャシーを持っている」と評価したが、この見解について現場運営責任者マイク・クラックは「そうは思わない」と否定している。

    そんな中、ロブ・スメドレーはポッドキャスト『High Performance Racing』で独自に入手したデータを公開し、BスペックAMR26の実力を分析した。

    コーナー性能は圧倒 エンジン性能が課題
    スメドレーが最初に示したのは、アロンソとサインツJr.の速度トレース比較だった。

    分析によると、最低コーナースピードではアロンソがほぼすべてのコーナーで上回っており、「ダウンフォース量が大幅に増えたことで、より安定し、高性能なマシンになっている」と評価した。

    一方で、ストレートでは状況が逆転する。

    スメドレーは次のように説明している。

    「メルセデス製パワーユニットと両車の空力抵抗の差によって、アロンソはストレートで大きく不利になっている」

    実際、サインツJr.はストレートで最大約10km/hも高速だったという。

    そのため、ウィリアムズはコーナーでは劣るものの、ストレートスピードで大きくタイムを取り戻していたことがデータから明らかになった。

    トップ勢と同等の開発ペースを維持
    スメドレーが特に注目したのは、予選ポールポジションとの差をシーズンを通じて比較したデータだった。

    スペインGP以前のアストンマーティンは、ポールタイム比で平均4.1%遅れていた。

    しかし、スペインGP以降は各トップチームが新アップデートを投入したことで、その差は約5%まで広がっていた。

    ところが、ハンガリーGPでは再び3.9%差まで縮小した。

    スメドレーはこの結果について次のように分析している。

    「数字だけ見れば0.2%改善しただけとも言える。しかし重要なのは、トップチームがアップデートを重ねる中でも、アストンマーティンは同じ開発ペースを維持できたということだ」

    つまり、一度失った競争力を取り戻しただけでなく、開発競争そのものでも先頭集団に食らいつけるようになったことを意味しているという。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダ新PUが次の鍵
    もっとも、この分析にはまだ新しいホンダ製パワーユニットは含まれていない。

    ホンダはオランダGPで改良型PUを投入予定であり、ハンガリーGP後にはBスペックAMR26との組み合わせでフィルミングデーも実施した。

    スメドレーは、ザントフォールトはエンジン性能への依存度が高いサーキットであることを踏まえ、「アストンマーティンはホンダがこの新エンジンで一段階引き上げてくれることを本当に必要としている」と期待を寄せた。

    また現時点ではキャデラックやウィリアムズは上回ったものの、「ハースにはまだ及んでいない」との見方も示している。

    さらなるアップデートも投入予定
    アストンマーティンの開発はここで終わらない。

    エイドリアン・ニューウェイは、オランダGP、さらにイタリアGPまたはアゼルバイジャンGPに向けても追加アップデートを準備していることを明かしている。

    スメドレーは「本当に彼らが求めていたのは安定した開発プラットフォームだった」と語り、さらにシミュレーションと実車の相関性が改善されたことも高く評価した。

    「関係者に聞く限り、実際のマシンはシミュレーションが予測した通りの性能を発揮した」という。

    元アストンマーティン代表のオトマー・サフナウアーも当初は懐疑的だったものの、「シミュレーション通りの結果が得られた」と相関性の改善を認めている。

    今回のアップグレードは、単なる一時的な性能向上ではなく、開発の方向性が正しかったことを裏付ける重要な成果となった。ここにホンダの新パワーユニットと今後の追加アップデートが加われば、アストンマーティンが中団争いからさらに上位勢へ迫る可能性は十分に高まりそうだ。