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  • グッチがアルピーヌF1を救うのか? ブリアトーレが描く“ベネトン再現計画”

    グッチがアルピーヌF1を救うのか? ブリアトーレが描く“ベネトン再現計画”

    アルピーヌF1チームとグッチのパートナーシップ発表は、単なるスポンサー契約以上の意味を持つ可能性がある。

    2026年にルノーが自社パワーユニット計画を終了し、チームへの投資も縮小するなか、エンストンを拠点とするアルピーヌF1は将来的な所有体制の変化が取り沙汰されている。そのタイミングで登場したのがイタリアの高級ブランドであるグッチだった。

    一見するとファッションブランドとF1チームの一般的なスポンサー契約に見える。しかしF1の歴史を振り返ると、フラビオ・ブリアトーレとイタリアのアパレルブランドが結び付いた時、その先にはチーム買収と世界タイトル獲得という前例が存在する。

    ベネトンが歩んだ“スポンサーからオーナー”への道
    1980年代初頭、イタリアのアパレルブランドであるベネトンはF1への参入を模索していた。

    最初はティレルのスポンサーとなり、その後アルファロメオへと活動の場を移した。しかしスポンサーとしてチームを支援するだけでは満足せず、1985年にトールマンを買収する決断を下す。

    このトールマンこそ、現在のアルピーヌF1へとつながるチームの原点だった。

    ベネトンはチームを買収後、名称をベネトン・フォーミュラへ変更。やがてミハエル・シューマッハを擁し、1994年と1995年にドライバーズタイトル、1995年にはコンストラクターズタイトルを獲得した。

    その成功の中心にいたのが、後にF1界屈指の辣腕マネージャーとして知られるフラビオ・ブリアトーレだった。

    エンストンに戻ってきた“仕掛け人”
    2024年、ブリアトーレはアルピーヌのエグゼクティブアドバイザーとしてF1復帰を果たした。

    その時点でルノーはすでに自社パワーユニット計画終了を視野に入れていたとみられており、将来的なチーム運営体制の見直しも避けられない状況だった。

    そうした中でブリアトーレに求められた役割は、技術責任者ではなく「ビジネスを動かす交渉人」だった。

    過去にもブリアトーレはミハエル・シューマッハ獲得、リジェ買収、スポンサー開拓など数々の大型案件を成立させてきた。彼の強みは技術開発ではなく、チームを成長軌道に乗せるための資金と人材を集める能力にある。

    グッチとの提携は、その最新事例と言える。

    グッチはスポンサーで終わるのか
    現在のアルピーヌF1は、投資会社オトロ・キャピタルが主要株主の一角を担っている。

    パドックでは将来的な資本再編の可能性も噂されており、メルセデスやクリスチャン・ホーナーを含む投資家グループの名前も取り沙汰されている。

    そのため、一部ではグッチが単なるタイトルスポンサーに留まらず、より大きな役割を担う可能性も想像されている。

    もちろん現時点でグッチによる買収計画が存在する証拠はない。しかし40年前、ベネトンも最初は単なるスポンサーだった。

    そして最終的にはエンストンのチームを手に入れ、世界王者となった。

    歴史は繰り返されるのか
    グッチとアルピーヌの提携発表に際し、フラビオ・ブリアトーレは次のように語っている。

    「エンストンのチームは常に他とは違うやり方で成功してきた。そして以前には、ファッションブランドがF1で最初にチェッカーフラッグを受けたこともある」

    この発言は単なる過去への言及ではないのかもしれない。

    1980年代、ベネトンはスポンサーとしてF1に参入し、やがてチームオーナーとなり世界王者へ上り詰めた。そして2026年、同じエンストンを拠点とするチームに再びイタリアのファッションブランドが現れた。

    グッチが本当にベネトンの足跡をたどるのかは分からない。しかし少なくともブリアトーレという男がいる限り、エンストンで起きる変化を単なるスポンサー契約として片付けるのは早計かもしれない。

  • ジョージ・ラッセルを支える恋人 カルメン・モンテロ・ムントとは?

    ジョージ・ラッセルを支える恋人 カルメン・モンテロ・ムントとは?

    ジョージ・ラッセル(メルセデス)の活躍をサーキットの外から支える存在が、恋人のカルメン・モンテロ・ムントだ。2020年から交際を続けるふたりは、F1パドックでもおなじみのカップルとなっており、カルメンは多くのグランプリでラッセルを見守っている。

    ラッセルが2026年シーズンもタイトル争いを続けるなか、その陰で精神的な支えとなっているカルメンの経歴やふたりの関係にも注目が集まっている。

    金融業界で活躍する才女
    カルメン・モンテロ・ムントは1998年にスペインで生まれた。18歳でイギリスへ移住し、現在はロンドンを拠点に生活している。

    ロンドンのウェストミンスター大学でビジネスマネジメントを学び、さらにジュネーブ大学では資産配分とリスクマネジメントのディプロマを取得。卒業後は金融業界でキャリアを築いており、現在もフルタイムで働いている。

    カルメンは自身のSNSで、幼少期に家族が世界的な金融危機の影響を受けた経験が金融業界を志した理由だったと明かしている。

    2020年から続くラッセルとの関係
    ふたりは共通の友人を通じて知り合い、2020年から交際をスタートした。

    交際は比較的プライベートに保たれているが、カルメンはF1のレースウイークにたびたび姿を見せており、ラッセルの重要なレースには欠かせない存在となっている。

    2021年にはロンドンで開催された映画『ノー・タイム・トゥ・ダイ』のワールドプレミアにも揃って出席し、公の場でも関係をオープンにしてきた。

    SNSでも話題の人気インフルエンサー
    カルメンはInstagramでも高い人気を誇り、フォロワー数は84万人を超える。

    ラッセルとの旅行写真や日常の様子を投稿することも多く、F1ファンからの注目度は年々高まっている。

    ふたりはオフシーズンやレースの合間に世界各地を訪れており、その様子はSNSを通じて共有されている。


    ラッセルが語る「かけがえのない存在」
    2025年2月、交際5周年を迎えた際にカルメンはSNSでラッセルに向けて感謝の言葉を投稿した。

    「私が望み得る最も素晴らしい人と過ごした5年間。あなたという人間と、あなたが成し遂げていることをいつも誇りに思っている」

    一方のラッセルもカルメンについて「信じられないほど支えてくれている存在」と語っており、F1という厳しい世界で戦ううえで大きな支えになっていることを認めている。

    2026年シーズン、ラッセルがメルセデスのエースとして勝利を目指すなか、カルメン・モンテロ・ムントはこれからも最も身近なサポーターとして彼を支え続けることになりそうだ。

  • ホンダF1を知るトストが太鼓判「遅くとも2027年までに問題を解決する」

    ホンダF1を知るトストが太鼓判「遅くとも2027年までに問題を解決する」

    ホンダの2026年F1プロジェクトは厳しいスタートとなった。しかし、かつて同社がどん底から頂点へ這い上がる過程を見届けたフランツ・トストは、その復活を疑っていない。

    マクラーレンとの苦闘、トロロッソでの再建、そしてレッドブルとの世界制覇。ホンダの歩みを間近で見てきた元トロロッソ代表は、「遅くとも2027年までに問題を解決する」と断言した。

    苦境から頂点へ駆け上がったホンダ
    現在の苦戦だけを見れば、ホンダの新プロジェクトに厳しい視線が向けられるのも無理はない。

    だが、ホンダは過去にも同じような逆風を経験している。

    2015年にマクラーレンとのワークス体制でF1へ復帰したホンダは、深刻な信頼性不足とパフォーマンス不足に苦しんだ。パドックでは厳しい批判を浴び、F1参戦そのものを疑問視する声も少なくなかった。

    それでもホンダは開発を止めなかった。

    改善を重ねた末に転機となったのが、2018年から始まったトロロッソとの提携だった。

    トロロッソ時代に見せた改善力
    当時チームを率いていたのがフランツ・トストである。

    トロロッソはホンダにとって実戦開発の重要な拠点となり、レースを重ねるごとにパワーユニットは競争力を高めていった。

    トストはその過程で、ホンダが問題に直面した際の姿勢を目の当たりにしている。

    課題が見つかれば原因を徹底的に分析し、改良を積み重ねる。その積み重ねが、後の成功につながった。

    レッドブルとの成功が証明したもの
    2019年からホンダはレッドブルとの提携を開始した。

    当初はトップ争いが可能かどうか疑問視する声もあったが、ホンダは着実に性能を向上させていく。

    やがてマックス・フェルスタッペンのタイトル獲得を支えるパワーユニットへと成長し、世界選手権の頂点に立つまでになった。

    トストは、その変化を最も近くで見てきた関係者の一人だった。

    「私は日本人を知っている」
    だからこそ、現在の状況についても悲観していない。

    トストは、現在のホンダ製パワーユニットが期待されたレベルに達していないことを認めながらも、問題解決は時間の問題だと考えている。

    「彼らは期待していたようには機能していないパワーユニットを作ってしまった。しかし私は日本人を知っている。遅くとも来年には問題を解決すると確信している」

    この言葉の背景には、ホンダの技術力だけでなく組織としての粘り強さへの信頼がある。

    ホンダの歴史が支える2027年への期待
    ホンダのF1活動は、常に順風満帆だったわけではない。

    しかし過去には、厳しい批判を受けながらも改善を続け、最終的に世界王者へと上り詰めた実績がある。

    トストが「遅くとも2027年までに問題を解決する」と語るのは、その歴史を知っているからだ。

    現在の苦戦はホンダにとって新たな試練かもしれない。しかしトストの見方では、それはかつて乗り越えてきた困難の延長線上にある。

    ホンダが再び競争力を取り戻せるのか。その答えを知るにはまだ時間が必要だが、少なくともトストは過去の経験から、その復活を強く信じている。

  • FIAがF1新LED表示をテスト MGU-Kの状態を青・紫・黄で可視化

    FIAがF1新LED表示をテスト MGU-Kの状態を青・紫・黄で可視化

    2026年F1カナダGPのフリー走行で、FIAは新たなLEDリアライト表示システムの試験運用を開始した。2026年レギュレーションで大幅に強化されたMGU-K(運動エネルギー回生システム)の作動状況を、後続車のドライバーがより直感的に把握できるようにすることが目的だ。

    これまでの点滅回数による表示は、コックピット内の激しい振動の中では判別が難しいとの指摘がドライバーから寄せられていた。

    FIA(国際自動車連盟)は安全性向上の観点から、色によってMGU-Kの状態を示す新システムを導入し、カナダGPで実戦テストを行った。

    2026年F1で重要性を増したリアLEDライト
    2026年のF1マシンでは、電動出力が大幅に増加した新世代パワーユニットが導入された。これに伴い、リアLEDライトの役割も従来の「エネルギー回生中の表示」から大きく拡張されている。

    今年からリアライトは、ハイブリッドシステムの作動状況を外部へ伝える情報ツールとして機能しており、ルーキードライバーの走行や特別なテストプログラムなども識別できるようになった。

    特にMGU-Kの出力状態は、マシンの速度変化に直結するため、後続車へ正確に伝えることが安全面で重要視されている。

    従来は点滅回数で3つの状態を表示
    これまでFIAはLEDライトの点滅パターンによってMGU-Kの状態を示していた。

    1回点滅はMGU-Kが最大出力350kWを発生していない状態を意味する。この段階では電力供給は継続しているものの、マシンはデレーティング領域に入り始め、加速性能が徐々に低下する可能性がある。

    2回連続点滅はMGU-Kが完全に電力供給を停止した状態を示し、マシンは内燃エンジンのみで走行している。

    高速点滅は「スーパークリッピング」と呼ばれる回生モードを表す。この状態ではMGU-Kが発電側に回り、バッテリーへエネルギーを回収している。

    しかし、こうした点滅の違いは走行中に判別しづらく、ドライバーから改善要望が出されていた。

    青・紫・黄の3色で状態を識別
    カナダGPで試験導入された新システムでは、点滅回数ではなく色そのものでMGU-Kの状態を表示する。

    青色はMGU-Kが最大出力350kWを発揮していない状態を示す。従来の1回点滅に相当する。

    紫色はMGU-Kがエネルギー供給を停止している状態で、マシンは内燃エンジンのみで走行していることを意味する。従来の2回点滅に相当する。

    黄色はスーパークリッピングによる充電状態を示す。MGU-Kが発電側として作動し、バッテリーを充電している状況だ。

    色による表示に変更することで、後続車のドライバーは一目でライバル車のエネルギー状態を把握できるようになる。

    安全性向上が最大の狙い
    FIAがこの変更を進める最大の理由は安全性の向上にある。

    MGU-Kが充電モードへ移行した際には、特にスーパークリッピング中にマシンの速度が低下するケースがある。後続車がその変化を事前に認識できなければ、接近時のリスクが高まる可能性がある。

    新しい色分けシステムによってドライバーは前方車両の状況を瞬時に把握できるようになり、不意の速度差による危険を軽減できると期待されている。

    カナダGPのフリー走行ではデータ収集とドライバーからのフィードバックが行われており、FIAは評価結果を踏まえたうえで正式導入を判断する見込みだ。

  • カルロス・サインツJr.がフォーミュラE Gen4を評価「かなり印象的」

    カルロス・サインツJr.がフォーミュラE Gen4を評価「かなり印象的」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)は、モナコE-Prixを訪れた際にフォーミュラEの新型Gen4マシンを視察し、その第一印象を「かなり印象的」と語った。

    フォーミュラEのGen4は来季から導入される新世代マシンで、モナコではF1マシンとの差が5秒未満に縮まると見込まれている。最高速は335km/h、出力は600kW(815馬力)に達し、0-100km/h加速は1.8秒。現行F1マシンより30%速い加速性能を持つ、FIAシングルシーター最速の加速マシンとされている。

    サインツ「Gen4はかなり印象的」
    「Gen4を見た。かなり印象的だ」とカルロス・サインツはフォーミュラEの中継でコメント。

    「ここで友人たちに会えるのはいいことだ。僕にはフォーミュラEにいるモータースポーツの友人がたくさんいるし、才能あるドライバーも多い。彼らがここで競い、ベストを尽くしているのを見られてとてもうれしい」

    モナコE-Prixにはサインツのほか、ランド・ノリス、ガブリエル・ボルトレト、ニコ・ヒュルケンベルグ、オリバー・ベアマン、フラビオ・ブリアトーレ、クリスチャン・ホーナーも来場していた。

    F1ドライバーも注目するフォーミュラEのレース性
    フォーミュラEは、F1ドライバーの間でも注目度を高めている。理由はパドック間の人間関係だけではない。接戦とオーバーテイクの多さが、シリーズの魅力として認識されている。

    モナコのダブルヘッダーだけでも、オーバーテイク数は382回を記録した。

    「フォーミュラEは素晴らしいカテゴリーだと思う。いつもいいショーがあり、いつもエキサイティングなレースがあり、少し接触もある」とサインツは付け加えた。

    「僕の大好きなカテゴリーのひとつであるカートを少し思い出させる。レースを見るのが大好きだ」

    Gen4の導入によって、フォーミュラEは単なる電動カテゴリーではなく、F1に近いパフォーマンス領域へ踏み込もうとしている。サインツの反応は、その変化がF1側からも無視できない段階に入りつつあることを示している。

  • マックス・フェルスタッペン デイトナ24時間参戦を検討「ぜひ走りたい」

    マックス・フェルスタッペン デイトナ24時間参戦を検討「ぜひ走りたい」

    マックス・フェルスタッペンが、2027年のデイトナ24時間レース参戦を視野に入れていることを明かした。すでにニュルブルクリンク24時間レースへの強い関心を示しているフェルスタッペンだが、次なる挑戦としてアメリカの伝統的耐久レースにも興味を抱いている。

    2026年のニュルブルクリンク24時間レースではメルセデスAMG GT3をドライブし、優勝争いを展開。

    しかし終盤のメカニカルトラブルによって勝利の可能性を失い、最終的には38位でレースを終えた。それでもフェルスタッペンは24時間レースそのものを大いに楽しんだようだ。

    デイトナ24時間が次なるターゲットに
    フェルスタッペンはオランダ紙『デ・テレグラーフ』の取材で、今年中にニュルブルクリンク以外のGTレースへ参戦する予定はないと説明した。

    しかし、1月開催のデイトナ24時間レースについては別の考えを持っている。

    F1シーズン開幕前に行われるデイトナ24時間は、通常であればF1との日程衝突がなく、現役F1ドライバーでも参戦しやすいイベントとして知られている。

    フェルスタッペンは参戦の可能性について次のように語った。

    「もし出場するなら、シーズンに向けたトレーニングプログラム全体を調整しなければならない」

    「普段は1月から新シーズンに向けた準備を始める。その計画を変える必要があるし、家族とも相談しなければならない」

    現時点ではまだ具体的な計画ではないものの、関心は非常に高い。

    「今のところはアイデアの段階で、まだ具体的ではない。考える時間は十分にある」

    「でも、ぜひやってみたいと思っている」

    GT3クラスでの挑戦を希望
    興味深いのは、フェルスタッペンが最高峰のGTPクラスではなくGT3マシンでの参戦を望んでいる点だ。

    「もし出るなら、再びGT3カーで走りたいと思う。最速クラスのGTPではなくね」

    現在フェルスタッペンは自身のシミュレータープロジェクトやGT3活動にも力を入れており、F1以外のモータースポーツへの情熱を隠していない。

    ニュルブルクリンク24時間レースで見せた速さは、F1ドライバーとしてだけでなく耐久レースドライバーとしても高いポテンシャルを持つことを証明した。

    ニュルブルクリンク再挑戦も計画
    フェルスタッペンの関心はデイトナだけではない。

    初挑戦で勝利を逃したニュルブルクリンク24時間レースへの再挑戦もすでに視野に入っている。

    「来年のニュルブルクリンク24時間レースが再びF1のない週末に開催されるなら、また走りたいと思う」

    耐久レースへの意欲を隠さないフェルスタッペンにとって、2027年はF1王者とGTレーサーという二つの顔をさらに本格化させるシーズンになるかもしれない。

    F1での将来についてはたびたび憶測が飛び交う一方で、今回の発言はフェルスタッペンが現役F1ドライバーとして活動を続けながら、耐久レースでのキャリア拡大も真剣に考えていることを示している。デイトナ24時間とニュルブルクリンク24時間の両方に挑戦する姿が実現すれば、モータースポーツ界にとって大きな話題となりそうだ。

  • ピエール・ガスリーに迫るコラピント 無線が示したアルピーヌF1の新たな力関係

    ピエール・ガスリーに迫るコラピント 無線が示したアルピーヌF1の新たな力関係

    アルピーヌF1は2026年シーズン、メルセデス製パワーユニットへの変更によって大きく競争力を向上させた。その中で注目を集めているのが、フランコ・コラピントの急成長だ。

    2025年シーズンを無得点で終えたコラピントは、今季すでに複数回の入賞を記録。カナダGPでは自己最高となる6位を獲得し、パドック内での評価を高めている。

    一方で、その活躍がチーム内の力関係にも変化をもたらしつつあるとの見方が浮上している。

    コラピントはカナダGPでガスリーを上回った
    F1ジャーナリストのティム・ハウラニーと解説者のネルソン・ファルケンブルフは、ポッドキャスト『Nailing the Apex』でアルピーヌの現状について議論した。

    ファルケンブルフはコラピントについて高く評価した。

    「マイアミでも素晴らしかったが、モントリオールではさらに良かったと思う。プラクティス走行なしで、寒いコンディションの中、ハードタイヤで送り出された」

    カナダGPではピットストップ後にウォールへ接触しかける大きな瞬間もあったが、それ以外は週末を通じて安定した走りを披露したという。

    ファルケンブルフは「それが唯一のミスだった。週末を通じてガスリーを完全に上回っていた」と評価している。

    ブリアトーレ発言はコラピントではなくガスリー向け?
    今週、フラビオ・ブリアトーレは2027年のドライバーラインアップ決定について、メルセデスの動向を見極めてから判断すると発言した。

    これはマックス・フェルスタッペンの去就次第で、ジョージ・ラッセルやアンドレア・キミ・アントネッリが市場に出る可能性を見据えたものと受け止められている。

    一見すると、アルピーヌがコラピントの将来を保留しているようにも見える。しかしファルケンブルフは異なる見方を示した。

    「普通に考えれば『コラピントより優れたドライバーを探している』という解釈になる」

    「だが現時点ではそんなに単純ではない。コラピントがセカンドドライバー確定というわけではないが、比較対象はガスリーになりつつある」

    ガスリーの無線に現れた焦り
    ファルケンブルフが特に注目したのは、カナダGP終盤のガスリーのチームラジオだった。

    レース終盤の約15周にわたり、ガスリーはレースエンジニアに対して、自身がコラピントと同等のペースで走れているかを何度も確認していたという。

    ファルケンブルフはその様子について次のように語った。

    「ガスリーはプレッシャーを感じ始めていると思う」

    「先週末のグランプリ終盤のオンボード無線を聞けば、その焦りや落胆が伝わってくる」

    「コラピントは新しいシャシーを手にしてから、この新しい力関係を心から楽しんでいることは間違いない」

    結果としてコラピントは6位、ガスリーは8位でフィニッシュ。アルピーヌのエースとしてチームを牽引してきたガスリーだが、コラピントの台頭によって、これまでとは異なる立場に置かれ始めている。

    アルピーヌ内部の勢力図が変わる可能性
    コラピントは昨年まで将来性を評価されながらも結果を残せずにいた。しかし2026年型マシンとの相性の良さもあり、ここ数戦で評価を急上昇させている。

    アルピーヌ首脳陣が2027年の判断を急いでいないのは、外部市場の動向だけでなく、チーム内部で起きている勢力図の変化を見極めたいからかもしれない。

    少なくともカナダGP終了時点では、シートを守る立場にあるのはコラピントではなく、むしろガスリーの方だという見方も徐々に広がり始めている。

  • 宮田莉朋 F2チームメイトのコルトン・ハータを称賛「多くを学べる」

    宮田莉朋 F2チームメイトのコルトン・ハータを称賛「多くを学べる」

    宮田莉朋は、2026年FIA F2でハイテックのチームメイトとなったコルトン・ハータとの関係について、ここまで「とても良い」と語った。

    インディカーで9勝を挙げたハータは、F1新規参戦チームであるキャデラックのテストドライバーに就任し、F1昇格を目指して2026年からF2に転向した。欧州以外で実績を築いてからF2に挑むという点で、宮田莉朋は自身の歩みと重なる部分があると見ている。

    欧州外で実績を築いた2人の共通点
    「彼はかなりいい人だと思います」と宮田莉朋はPlanetF1.comなどに語った。

    「彼はインディカー、そしてIMSAから来ました。シングルシーターも耐久レースもやっていました。2年前の自分の状況ととても似ていると感じました」

    宮田莉朋はスーパーGTで経験を積み、スーパーフォーミュラでシングルシーターに復帰。その後、世界耐久選手権とF2に参戦するため欧州へ渡った。

    2026年は宮田莉朋にとってF2で3年目のシーズンだが、ハイテックからの参戦は初めてとなる。ロダン、ARTを経て加入したハイテックで、ハータとともに豊富なレース経験を持つラインアップを形成している。

    宮田莉朋「彼から多くを学べる」
    「僕たちには多くの経験があると思いますし、一緒に懸命に取り組んで、マシンのパフォーマンス、そしてもちろんドライビングも改善しようとしています」と宮田莉朋は続けた。

    「僕はすでにF2で経験がありますが、それでも彼から多くを学べますし、チームからも学べます」

    「ここまではとても良いです」

    ハータも開幕前、宮田莉朋をチームメイトに持つことの価値を強調していた。若いF2グリッドを相手に、自身の経験がどれほど有利になるかを問われると、ハータはその見方をやや抑えた。

    「人々が考えるほど大きなアドバンテージではないと思う」

    「この段階では、18歳であれ25歳であれ、ほぼ完成されている。途中で学ぶ小さなことはいくつかあるけれど、純粋な速さという点では、自分の最大値にかなり近いところにいる」

    「でも、その経験があるのはいいことだ」

    「とても助けになるのは、宮田莉朋がチームメイトにいることだと思う。彼にはF2で多くの経験があるし、今年の僕にとって非常に役立つと思う」

    序盤3大会で見えたハイテックの土台
    2026年F2序盤3大会を終え、宮田莉朋は22ポイントを獲得してランキング9位。ハータは16ポイントで、その3つ下につけている。

    ハータはここまで全フィーチャーレースで入賞。宮田莉朋はメルボルンで5位を2回、マイアミのフィーチャーレースで6位に入り、ハイテックのベストリザルトを記録している。

    キャリアの出発点は異なっていても、欧州のF2に適応しながらF1への道を探るという意味で、宮田莉朋とハータは似た課題に向き合っている。ハイテックにとっては、単なる若手育成型ではなく、経験値の高い2人が互いの知見を持ち寄るラインアップが、2026年シーズン序盤の強みになっている。

  • ジェンソン・バトンが語るF1モナコGPの魅力「街全体が勝利を祝ってくれる」

    ジェンソン・バトンが語るF1モナコGPの魅力「街全体が勝利を祝ってくれる」

    ジェンソン・バトンは、F1キャリアを通じて長年暮らしたモナコについて、単なる華やかな街ではなく、レーシングドライバーにとって理想的な拠点だったと振り返った。

    2009年のF1モナコGPを制したバトンは、モナコでの勝利を「興奮、アドレナリン、安堵が一度に押し寄せる瞬間」と表現し、フェルナンド・アロンソが今後インディ500に再挑戦すれば、モータースポーツのトリプルクラウン達成の可能性があるとも語った。

    モナコはレーシングドライバーにとって理想的な生活拠点
    ジェンソン・バトンは、モナコにはヨット、華やかさ、ナイトライフという一般的なイメージがある一方で、実際に暮らすとまったく違う側面も見えてくると語る。

    「モナコはいつも、自分にとって小さな別世界のように感じられた」

    「レーシングドライバーにとって、そこは生活の一部になる。F1キャリアを通じて何年もそこに住んでいたけど、モナコを特別にしているのは華やかさ以上に、レーシングドライバーの拠点として本当に素晴らしい場所だということだ」

    フランスとイタリアがすぐ近くにあり、海沿いから山道、イタリア国境付近のカフェまで簡単に移動できる環境は、ドライバーやアスリートにとって理想的だったという。

    バトンは、モナコ在住時代に多くのスポーツ選手やF1のライバルたちと顔を合わせ、一緒にサイクリングすることもあったと振り返る。

    モナコGPは「ミスがまったく許されない」特別な一戦
    バトンにとって、モナコGPは他のどのグランプリとも違う存在だった。

    「F1での勝利はすべて意味がある。でもモナコには、歴史があるからこその特別な重みがある。これまで何人もの偉大なドライバーがここで勝ってきたことを考える」

    「そして、ミスの余地がまったくないことにすぐ気づく」

    予選が週末全体を決めるほど重要である一方、決勝も精神的には極めて厳しい。バトンは、周回を重ねるごとにバリアが近づき、コースが狭くなっていくように感じると表現した。

    「半秒たりともリラックスする機会はない。特に勝利のチャンスがあると分かっているときはなおさらだ」

    2009年の勝利と“スーパーマンデー”
    2009年にモナコGPを制したバトンは、チェッカーを最初に受けた瞬間について、興奮と安堵が同時に訪れるものだったと振り返る。

    「モナコを特別にしているのは、街全体が一緒に祝ってくれることだ」

    「バルコニーの人々、ピットウォールから身を乗り出すメカニック、港のヨットにいるファン、どこを見ても満員のグランドスタンド。公国全体が表彰台の祝福の一部になるように感じる」

    バトンは、2009年の勝利翌日を「スーパーマンデー」と呼び、月曜の正午から深夜、あるいは翌朝早くまで祝ったと明かした。

    トリプルクラウンはアロンソに可能性
    モナコGPは、ル・マン24時間レース、インディ500と並ぶモータースポーツのトリプルクラウンの一角を成す。

    バトン自身はモナコを制しているが、3つすべてを獲得する未来は想像していないという。ル・マンには挑戦したものの勝利には届かず、インディ500については強い敬意を示しながらも「自分向きではない」と語った。

    一方で、フェルナンド・アロンソについては、トリプルクラウン達成に最も近い存在だと見ている。

    「フェルナンドはおそらく、誰よりもトリプルクラウンを達成するチャンスがある。彼はすでにモナコとル・マンで勝っていて、インディでもリードしたことがある。もしもう一度挑戦したいなら、間違いなくチャンスはある」

    初めてのモナコGPで起きたヘアピンの接触
    バトンは最後に、自身初のモナコGPにも触れた。初めてモナコを走ったのは、実はF1マシンでのレースだったという。

    その年、バトンはペドロ・デ・ラ・ロサとレース序盤にヘアピンで接触した。

    「今でも彼は、あれは自分のコーナーだったと言っている。でもヘアピンのアウト側から抜こうとするのは、うまくいくはずがなかった」

    バトンはその出来事を今では笑い話として振り返っており、デ・ラ・ロサについては今年後半の別の「Jenson’s Journal」で改めて登場すると予告した。

  • F1カナダGP 勝者と敗者5選 アントネッリ4連勝 ラッセルは悪夢の結末

    F1カナダGP 勝者と敗者5選 アントネッリ4連勝 ラッセルは悪夢の結末

    カナダGPはメルセデス勢の明暗が分かれた週末となった。アンドレア・キミ・アントネッリが4連勝を達成して選手権で大きくリードを広げた一方、ジョージ・ラッセルは優勝争いの最中にトラブルでリタイア。タイトル争いの流れはさらに大きく動いた。

    フェラーリではルイス・ハミルトンが加入後最高位となる2位表彰台を獲得した一方、シャルル・ルクレールは「キャリア最悪級」と振り返る苦しい週末に。

    マクラーレンも戦略ミスで大量得点の機会を逃した。F1公式サイトのローレンス・バレットが選んだ「勝者と敗者」を振り返る。

    勝者:アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
    アントネッリはモントリオール入りの時点で3連勝中。スプリントではラッセルとの激しい争いに敗れたものの3位を確保し、今季初のスプリント表彰台を獲得した。

    決勝でもラッセルにプレッシャーをかけ続け、チームメイトがパワーユニットトラブルで脱落すると首位に浮上。その後はレースを完全にコントロールし、最終ラップにはファステストラップも記録した。

    4連勝により選手権リードは43ポイントまで拡大。タイトル争いでさらに優位な立場を築いた。

    敗者:ジョージ・ラッセル(メルセデス)
    スプリントで優勝し、流れを取り戻したかに見えたラッセルだったが、決勝では再び不運に見舞われた。

    ポールポジションからスタートしながら序盤に順位を落としたものの、その後首位を奪還。アントネッリとの激しいバトルを制しつつあったが、マシントラブルで無念のリタイアとなった。

    マシンを降りた際にはヘッドレストをコースへ投げ捨てるほど怒りをあらわにし、「誰かが僕にタイトル争いをさせたくないみたいだ」と嘆いた。

    勝者:ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
    ハミルトンは週末を通じてシャルル・ルクレールを上回るペースを披露した。

    スプリントではウォール・オブ・チャンピオンズへの接触などで6位に終わったが、決勝では見事に修正。終盤にはマックス・フェルスタッペンをオーバーテイクし、フェラーリ移籍後最高位となる2位を獲得した。

    モントリオールでの表彰台は通算11回目となり、ミハエル・シューマッハの最多記録まであと1回に迫った。

    敗者:シャルル・ルクレール(フェラーリ)
    ルクレールはカナダGPを「キャリアで最悪、あるいはそれに近い週末」と表現した。

    最終的には4位まで挽回したものの、カナダでの表彰台なしは7年連続。さらに直近4戦中3戦でハミルトンの後塵を拝した。

    マシンへの信頼感を最後まで得られず、苦しい週末となった。

    勝者:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
    フェルスタッペンは週末を通じてRB22に苦しみ、不満を隠さなかった。

    スプリントは7位に終わったが、決勝では低温かつ滑りやすいコンディションで真価を発揮。一時は2番手まで浮上した。

    終盤にハミルトンへ順位を譲ったものの3位表彰台を獲得。今季初表彰台となり、レッドブルの進歩を示す結果となった。

    敗者:マクラーレン
    マクラーレンは大きな期待を抱いて迎えた週末だったが、決勝でのタイヤ選択が裏目に出た。

    ランド・ノリスとオスカー・ピアストリをインターミディエイトタイヤでスタートさせたが、追加フォーメーションラップ後には雨が止み、すぐにスリックタイヤへ交換せざるを得なくなった。

    ノリスは追い上げを見せたもののギアボックストラブルでリタイア。ピアストリもアレックス・アルボンとの接触による10秒加算ペナルティでポイント圏外に沈んだ。

    カナダGP 2026年のF1世界選手権

    勝者:フランコ・コラピント(アルピーヌ)
    コラピントはマイアミでの好調を維持し、カナダでも力強いパフォーマンスを披露した。

    スプリントで9位に入り、決勝では見事な走りで6位を獲得。F1キャリア最高成績を更新した。

    直近4戦で3度目の入賞となり、チームメイトのピエール・ガスリーとの差もわずか5ポイントまで縮めた。

    敗者:アレックス・アルボン(ウィリアムズ)
    アルボンは3年連続でカナダGP完走を逃した。

    ヘアピンでピアストリに追突される不運な形でリタイアを喫しており、本人に大きな落ち度はなかった。

    しかし開幕から5戦を終えて獲得ポイントはわずか1点。厳しい状況が続いている。

    勝者:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
    アルボンとは対照的に、サインツJr.は今季ベスト級の週末を過ごした。

    スプリントでは今季最高となる10位。決勝ではインターミディエイトスタートという戦略ミスを挽回し、中盤スティントで力強いペースを発揮した。

    9位入賞は今季3回目。ドライバーズランキングでも13位につけている。

    敗者:アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)
    リンドブラッドは初走行のモントリオールでスプリント予選トップ10入りを果たすなど、週末を通じて高いポテンシャルを見せた。

    スプリントではアイザック・ハジャーの不運もあり8位で初ポイントを獲得。決勝でもトップ10グリッドからのスタートを決めていた。

    しかしスタート前に1速へギアが入らないトラブルが発生し、レースへの挑戦は事実上そこで終わった。

    タイトル争いの流れを決定づけたカナダGP
    カナダGP最大の勝者は間違いなくアントネッリだった。ラッセルのリタイアによって選手権で43ポイント差を築き、4連勝で王座争いの主導権を完全に掌握した。

    一方でハミルトン、フェルスタッペン、コラピントらはそれぞれ今季の転機となり得る結果を手にした。逆にマクラーレンやルクレールは、自らのミスや不運によって大きなチャンスを逃した週末となった。カナダGPは2026年F1シーズンの勢力図を改めて浮き彫りにした一戦だった。