カテゴリー: MotoGP

  • 小椋藍 MotoGPアラゴンGP欠場 左手親指付近を骨折し手術へ

    小椋藍 MotoGPアラゴンGP欠場 左手親指付近を骨折し手術へ

    MotoGP世界選手権でタイトル争いを繰り広げている小椋藍が、今週末に開催されるアラゴンGPを欠場することが決まった。日本でのトレーニング中に左手を負傷し、親指付近の骨折が判明。手術を受けることになった。

    トラックハウス・MotoGPチームは、小椋藍に代わってアプリリアのテストライダーを務めるロレンツォ・サバドーリを起用すると発表した。サバドーリはシルバーストンで優勝したラウル・フェルナンデスとともに、今週末のアラゴンGPに出場する。

    小椋藍は現在、アプリリアのファクトリーライダーであるホルヘ・マルティンとマルコ・ベッツェッキに続くMotoGPライダーズランキング3位につけている。しかし、今回の負傷によってスペインで行われるアラゴンGPを欠場せざるを得なくなった。

    小椋藍がアラゴンGPを欠場するのは2年連続となる。2025年には脚の負傷によって同大会への出場を断念していた。

    トラックハウスによると、小椋藍は日本でトレーニングを行っていた際に左手を負傷。その後ヨーロッパに到着してから詳しい検査を受け、左手親指付近の骨折には手術が必要であることが判明した。

    手術は8月27日(木)に行われる予定となっている。

    トラックハウスが小椋藍の欠場を発表
    トラックハウス・MotoGPチームは水曜日午後に声明を発表し、小椋藍の負傷とアラゴンGP欠場について説明した。

    「トラックハウス・MotoGPチームの#79 小椋藍は、日本でのトレーニング中に左手を負傷した」

    「ヨーロッパ到着後、左手親指付近の骨折には手術が必要であることが判明し、今週木曜日に手術を受けることになった」

    「チームは、アラゴンで行われる今大会に代役として出場する#32 ロレンツォ・サバドーリを歓迎する」

    「藍の一日も早い回復を願うとともに、このような急な要請にもかかわらず代役を引き受けてくれたロレンツォに感謝している」

    小椋藍 MotoGP

    ランキング3位の小椋藍 タイトル争いにも痛手
    今季の小椋藍はMotoGPタイトル争いに加わっており、現在ランキング首位のホルヘ・マルティンから37ポイント差の3位。ランキング2位のマルコ・ベッツェッキとの差はわずか6ポイントとなっている。

    アッセンで勝利を挙げるなど好調なシーズンを送っている小椋藍にとって、シルバーストンでの転倒は今季初めてと言える大きなレース上のミスだったが、それでも年間を通して安定した結果を残し、タイトル争いの上位に踏みとどまっている。

    一方、小椋藍の後方にはマルク・マルケス、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ、そしてチームメイトのラウル・フェルナンデスが迫っている。この3人はいずれも小椋藍から19ポイント以内につけている。

    そのため、小椋藍がノーポイントとなるアラゴンGPの結果次第では、ランキング6位まで後退する可能性もある。

    タイトル争いの重要な局面で手術を余儀なくされた小椋藍。まずは左手の回復が最優先となり、今後は手術後の状態とMotoGP復帰時期が焦点となる。

  • ギュンター・シュタイナー MotoGPではハースF1式を封印「彼らに私は必要ない」

    ギュンター・シュタイナー MotoGPではハースF1式を封印「彼らに私は必要ない」

    ハースF1で8シーズンにわたってチーム代表を務めた61歳のギュンター・シュタイナーは、MotoGPのTech3ではまったく異なるマネジメントスタイルを採用している。チームのオーナー兼代表となった現在、レース現場の日常業務には深く介入せず、戦略や商業面、ライダー契約といった大きな意思決定に重点を置いている。

    シュタイナーは、ハースF1時代のように組織のあらゆる領域を自ら管理する考えはないと明言する。

    Tech3にはすでに優れたレース運営体制があり、そこに自身が入り込むよりも、F1で培った経験や人脈をチームの成長に生かすことが重要だと考えている。

    ハースF1とは異なるシュタイナーの役割
    ギュンター・シュタイナーはF1で広く知られるようになる以前、ラリーの世界でキャリアを築いた。マツダ、プロドライブ、Mスポーツなどを経て、F1ではジャガー・レーシング、レッドブルに所属。その後、ハースのF1参戦プロジェクトを率い、2016年のデビューから2023年末までチーム代表を務めた。

    ハースではチーム運営のほぼすべてに関与していたが、ジーン・ハースとの将来方針を巡る意見の相違もあり、2023年シーズン終了後にチームを離れた。

    その後、シュタイナーは新たな舞台としてMotoGPを選択した。2025年9月、シュタイナーが率いるコンソーシアムがTech3 KTMを買収。1990年にギ・クーロン、ベルナール・マルティニャックとともにチームを創設し、35年間にわたって率いてきたエルベ・ポンシャラルの時代に終止符が打たれた。

    MotoGPへの直接的な関与はシュタイナーにとって初めてだが、その役割はハースF1時代とは大きく異なっている。

    「少し違う。結局のところ、以前ほかの仕事をしていたときは、それが私の唯一の仕事だった。だが、今はいろいろなこともやっている」

    最大の違いは、レースチームの日常的な運営から距離を置いていることだ。

    「今のところ、今年と来年については、私はもう少し後ろにいるつもりだ。技術的に見れば、ここは非常に優れたレーシングチームだからね。彼らは本当に優秀だ。私を必要としていない」

    「レースをするということに関して言えば、彼らのほうが私よりいい仕事をする。だから、そこに私が入る必要はない」

    レース現場は専門家に任せる
    ハースF1時代のシュタイナーは、技術部門からレース運営、人事、商業面まで幅広い領域に関与していた。一方、Tech3では現場の指揮をニコラ・ゴヨンに任せている。

    「ここでは中間レベルまで、ニコがレーシングチームを運営している。当然、私も何が起きているのかは把握しているが、メカニックやエンジニアについて私が決めることはない。それを管理するのは彼の仕事であって、私の仕事ではない」

    シュタイナーが重点を置くのは、チームの将来を左右する、より大きな判断だ。

    「私がやろうとしているのは、商業面でチームを助けることだ。それから、ライダーに関することのような大きな決断についても手助けしている」

    特にライダー選定については、自ら積極的に関与する意向を示している。

    「そこにはかなり関わっている。私自身がそうしたいからだ。ただ、F1チームにいたころとは違う。あのときは上から下まで、すべてを管理していた」

    Tech3では既存のレース運営組織を尊重し、自身の経験がより大きな効果を生む分野に集中する。シュタイナーにとって、それがハースF1時代との最大の違いとなっている。

    Liberty Media時代のMotoGPでF1経験を生かす
    シュタイナーがTech3で特に価値を発揮できると考えているのが、契約や商業面だ。MotoGPはLiberty Mediaの参入によって大きな転換期を迎えており、シュタイナーはF1がLiberty Media傘下で変化していった過程を経験している。

    「契約については私が担当している。この業界、MotoGP全体が変化していると思っているからだ。そこでは私が役に立てると思う。以前、別のカテゴリーでLibertyが入ってきたときに同じようなことを経験しているからね」

    F1ではLiberty Mediaによる商業権取得後、デジタル戦略やファンへのアプローチ、スポンサーシップなどさまざまな領域で変革が進んだ。シュタイナーは、その環境で築いたネットワークもTech3の武器になると考えている。

    「私は多くの人を知っているし、多くの人が私のことを知っている。それはチームにとって助けになる。チーム全体をもっと大きく、より良いものにしていくためにね」

    つまりシュタイナーがTech3にもたらそうとしているのは、F1チーム代表時代の管理手法そのものではない。むしろF1で得た商業的な経験、人脈、契約交渉のノウハウをMotoGPの新しい環境に持ち込むことが狙いだ。

    Tech3は2027年に向けライダー陣刷新へ
    Tech3は今後もKTMのサテライトチームとして活動し、複数年契約によって2027年に導入されるMotoGPの新テクニカルレギュレーションにも対応していく。

    一方で、ライダーラインアップは大きく変わる可能性が高い。

    現在Tech3で走るエネア・バスティアニーニとマーベリック・ビニャーレスは、ともに2026年限りでチームを離れる見通しとなっている。

    バスティアニーニはトラックハウス・アプリリアへ移籍し、小椋藍の後任になるとみられている。一方、小椋藍はヤマハへ移籍する見通しだ。

    ビニャーレスについてはMotoGPから離れる可能性が浮上している。本人によればKTMから一度は契約を提示されたものの、そのオファーは短期間で撤回されたという。

    こうした状況から、シュタイナーとTech3はすでに2027年の新たなライダーラインアップ構築に動いている。Moto2のセナ・アギウスにチャンスを与える可能性があるほか、ホンダを離れるとみられるルカ・マリーニも候補に挙がっている。

    ハースF1ではチーム代表として組織全体を直接動かしてきたシュタイナーだが、Tech3ではその経験をそのまま再現するつもりはない。レース運営はMotoGPを熟知するスタッフに任せ、自身は契約、商業戦略、ライダー選定などチームの将来を左右する領域を担う。61歳で新たなカテゴリーに挑むシュタイナーは、F1時代とは異なる立場からTech3の成長を支えようとしている。

  • ギュンター・シュタイナー F1復帰に前向き「やりたいプロジェクトがあれば戻る」

    ギュンター・シュタイナー F1復帰に前向き「やりたいプロジェクトがあれば戻る」

    ハースF1でチーム代表を務めたギュンター・シュタイナーは、条件が整えばF1パドックに復帰する可能性があると明かした。ただし、単に役職を得るために戻るつもりはなく、自ら形を作れる「プロジェクト」であることが条件だという。

    61歳のシュタイナーはハースF1チームの立ち上げにおける中心人物のひとりで、参戦初年度の2016年から2023年までチーム代表を務めた。

    しかし、2023年のコンストラクターズ選手権で最下位に終わった後、オーナーのジーン・ハースが契約を更新せず、2024年1月にチームを離れた。

    MotoGPチームのオーナー兼CEOとなったシュタイナー
    F1を離れたシュタイナーはその後、新たな舞台としてMotoGPに進出した。投資家コンソーシアムを通じてエルベ・ポンシャラルからテック3を買収し、レッドブルKTMテック3のオーナー兼CEOを務めている。

    それでも、F1への扉を完全に閉ざしたわけではない。

    『Up to Speed Podcast』でF1復帰を検討する可能性について尋ねられたシュタイナーは、気に入ったプロジェクトがあれば戻る意思があると語った。

    「そうだね。私が気に入るプロジェクトがあれば戻るよ。ただ、いつも言っているように、単に戻って仕事をするだけなら、それはないね」

    「私にはほかにもやりたいことがたくさんあるからね。この10年、15年、いや20年くらいを振り返ってみても、私がやってきたのはいつもプロジェクトだった。仕事をするためだけに何かをやったわけじゃない」

    「ただ仕事をするだけというのは……退屈とまでは言わないけど、私にはちょっと刺激が足りないんだよ」

    「本当に自分を試されるようなものでないとね」

    シュタイナーはモータースポーツ界で幅広いキャリアを築いてきた。F1だけでなくMotoGP、ラリー、DTMにも関わり、F1ではジャガー、レッドブル、そして最もよく知られるハースで経験を積んできた。

    「肩書きなんてどうでもいい」F1復帰に求める条件
    では、シュタイナーが求める「刺激的なプロジェクト」とは何なのか。本人によれば、重要なのは自分の手で方向性を作り上げられることだという。

    「プロジェクトというのは、自分で何をするのかを形にしていけるものだ。ただどこかに入って仕事をするということじゃない」

    「私は肩書きで生きているわけじゃないからね。肩書きなんて、正直どうでもいいんだ」

    「私にとって大事なのは、自分がやりたいと思えることをやることなんだよ」

    その一例として、シュタイナーはハースを離れた後にテレビの仕事へ挑戦したことを挙げた。未知の分野だったからこそ、むしろ挑戦してみようと思ったという。

    「ハースを離れたとき、テレビの仕事を始めた。そんな業界があることすら知らなかったんだけどね。でもオファーをもらったから、『まあ、やってみるか』と思ったんだ」

    そして、テレビの世界で目標にした人物として、元F1ドライバーで現在は解説者として活躍するデビッド・クルサードの名前を挙げた。

    「デビッドくらいうまくなりたかったんだけど、まだそこまでは行ってないね! 先は長いよ。まあ、不可能かもしれないけどね」

    ギュンター・シュタイナー

    「F1チームを作る方が簡単だった」クルサードを引き合いにジョーク
    シュタイナーにとって、新しいことへの挑戦は今に始まったことではない。ハースのF1参戦を実現させた際にも、周囲からは新規チームの立ち上げなど不可能だと言われていたという。

    「F1チームを立ち上げたときも、『そんなことは絶対にできない。新しいF1チームなんて誰にも作れない』と言われたんだ」

    「それで私は、『そうか。じゃあ、やってみせようじゃないか』と思った。それだけだよ」

    そして最後は、クルサードを再び引き合いに出し、自らのテレビでの仕事をネタにした。

    「だから考えてみると、F1チームを立ち上げる方が、テレビでデビッドくらいうまくなるより簡単だったんじゃないかな」

    現在はMotoGPでテック3の運営という新たなプロジェクトに取り組んでいるシュタイナーだが、F1復帰の可能性そのものは否定していない。ただ既存チームのポストに収まるだけでは、シュタイナーを動かすには刺激が足りないようだ。自ら方向性を形作る余地があり、新たな挑戦に値するプロジェクトが現れれば、再びF1パドックでその姿を見ることになるかもしれない。

  • MotoGPがF1型「予算上限」を検討 エスペレータ「削減の余地は大きい」

    MotoGPがF1型「予算上限」を検討 エスペレータ「削減の余地は大きい」

    MotoGPがF1のような予算上限(バジェットキャップ)の導入を検討していることが明らかになった。MotoGPのスポーティングディレクターを務めるカルロス・エスペレータが、メーカーの支出を抑制する新たな財務規則について検討を進めていることを認めた。

    F1では2021年からコストキャップが導入され、マシンの設計・開発やスタッフの給与など幅広い支出が制限されている。

    MotoGPでは現時点で資金力と成績が単純に比例しているわけではないものの、エスペレータはメーカーの持続可能性を高めるという別の観点から、支出に上限を設ける価値があると考えている。

    MotoGPが予算上限を検討
    MotoGPでは現在、2027年から導入される新テクニカルレギュレーションに向けて大きな変革が進められている。そのなかで、競技面だけでなく財務面についてもF1の仕組みを参考にする可能性が浮上した。

    カルロス・エスペレータは、メーカーごとに企業としての成り立ちや組織構造が異なるため、MotoGPで統一された予算上限を設定するのは簡単ではないと説明する。

    「非常に野心的な目標だ。MotoGPのコンストラクターは、それぞれ異なる企業や背景を持ち、組織のされ方も違う」

    「検討する必要がある。ただ、やろうという意思があれば方法はある」

    F1では2021年に年間予算の上限が導入された。対象にはマシンの設計や性能開発、スタッフの給与などが含まれる一方、ドライバーの給与、最も高額な報酬を受け取る上位3人のスタッフ、マーケティング費用、移動費などは除外されている。

    各チームの支出はFIAによる財務監査を通じてチェックされており、巨額の開発費を投入し続ける競争を抑制する仕組みとなっている。

    こうした制度は、既存チームの財務状況を改善するだけでなく、新規メーカーや企業がF1に参入しやすい環境を生み出した要因のひとつとも評価されている。

    MotoGPでは「お金を使えば勝てる」状況ではない
    ただし、MotoGPとF1では事情が異なる。

    F1でコストキャップが導入された大きな目的のひとつは、チーム間の圧倒的な資金力の差がそのまま競争力の差につながる構造を緩和することだった。

    一方、MotoGPでは必ずしも最大規模の予算を投入するメーカーが最も高い競争力を発揮しているわけではない。2026年シーズンにはアプリリアが大手メーカーを上回るパフォーマンスを見せるなど、予算規模だけでは説明できない勢力図となっている。

    エスペレータも、現在のMotoGPにはコース上の競争を改善するために予算上限が必要なわけではないと強調した。

    「必要なのは別の理由からだ」

    「コース上に問題があるわけではない。そこは強調しておくことが非常に重要だ」

    「今も、いくつかのメーカーが、より大きな予算を持つメーカーを上回っているのを見ていると思う」

    つまり、MotoGPが検討する予算上限は、メーカー間のパフォーマンスを人工的に均衡させることだけを目的としたものではない。

    メーカーの支出削減に「大きな余地」
    エスペレータが重視しているのは、MotoGPへの参戦を長期的に持続可能なものにすることだ。

    最高峰クラスへの参戦には、マシン開発だけでなく、テストチーム、人員、設備、物流など多額の費用が必要となる。技術競争が激しくなれば、メーカーはライバルに遅れないために支出を増やさざるを得なくなる。

    そのため、競争力に直接的な問題が生じていなくても、一定の財務規制を設けることでメーカーの負担を軽減できる可能性がある。

    「重要なのは、なぜこれを行うのか、そしてどのように行うのかという合理的な理由を構築することだと思う」

    「我々の前にはチャンスがある。いくつかのメーカーには、予算を削減できるかなり大きな余地があると考えている」

    MotoGP側としては、単純に「F1が導入して成功したから」という理由で制度をコピーするのではなく、二輪最高峰カテゴリーに適した目的と仕組みを明確にする必要があるという考えだ。

    ギュンター・シュタイナーも予算上限を支持
    F1でコストキャップを経験した人物からも、MotoGPへの導入を支持する声が上がっている。

    元ハースF1チーム代表で、現在はテック3 KTMを率いるギュンター・シュタイナーは、MotoGPのコスト削減策として予算上限が有効だと以前から主張している。

    シュタイナーは、コスト削減を目的として1台体制を導入する案に反対した際、より直接的な解決策として予算上限を挙げていた。

    「お金を節約したいのであれば、非常に簡単な解決策がある。予算上限だ」

    「それがどこで非常にうまく機能したかは、みんな知っている。F1だ」

    F1の財務規則を熟知するシュタイナーにとって、参戦台数や競技そのものを縮小してコストを削減するより、使用できる予算そのものに制限を設ける方が合理的という考えだ。

    MotoGP独自の制度設計が最大の課題
    もっとも、実際にMotoGPで予算上限を導入する場合には多くの課題が残されている。

    F1では基本的に各チームが独立したレーシング組織として運営されているが、MotoGPに参戦するメーカーはロードバイクの研究開発や生産部門など巨大な企業活動の一部としてレース部門を抱えているケースが多い。

    MotoGP向けの研究開発費と市販車向けの研究開発費をどこまで区別するのか、ファクトリーとサテライトチームの支出をどのように扱うのか、メーカーごとに異なる組織構造をどう公平に監査するのかなど、制度設計には複雑な問題が伴う。

    それでもエスペレータは「意思があれば方法はある」として、実現の可能性を否定していない。

    MotoGPではすでに2027年からエンジン排気量を1000ccから850ccへ縮小するなど、大規模な技術規則変更が予定されている。そこに財務規則まで加われば、最高峰クラスの競争のあり方はさらに大きく変化することになる。

    現状では予算上限の具体的な金額や導入時期、対象となる支出項目などは決まっていない。だが、MotoGP側が正式に検討していることをエスペレータが認めたことで、F1で定着したコストキャップという考え方が二輪最高峰カテゴリーにも導入される可能性が現実味を帯び始めている。

  • MotoGPイギリスGP決勝 ラウル・フェルナンデス独走V 小椋藍は今季初転倒

    MotoGPイギリスGP決勝 ラウル・フェルナンデス独走V 小椋藍は今季初転倒

    2026年MotoGP第12戦イギリスGPの決勝が8月9日、シルバーストン・サーキットで行われ、ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)が今季初優勝を飾った。

    フェルナンデスはスタートでホールショットを奪うと、そのまま一度も首位を譲らず独走。ランキング首位のホルヘ・マルティン(アプリリア・ファクトリー)に2.5秒差をつけてチェッカーを受けた。3位にはマルコ・ベッツェッキが入り、アプリリア勢が表彰台を独占した。

    フェルナンデスがスプリントの失敗から雪辱
    前日のスプリントでミスを喫していたフェルナンデスは、決勝で完璧なレースを披露した。

    フロントロウからスタートしたマルティンと小椋藍(トラックハウス・アプリリア)は、ターン1でリヤのライドハイトデバイスが解除されず、ともにワイドに膨らんだ。その隙を逃さなかったフェルナンデスがホールショットを奪い、序盤から一気にリードを広げた。

    レース中盤には、マルティンとベッツェッキのアプリリア・ファクトリー勢に対して4秒以上のアドバンテージを構築。前日のスプリントではソフトタイヤの大幅な性能低下が勝負を左右したが、決勝では全ライダーがリヤにミディアム、フロントにハードを選択した。

    序盤からハイペースで逃げたことで、終盤のタイヤ消耗が懸念されたフェルナンデスだったが、最後まで危なげなくギャップをコントロール。マルティンに2.5秒のリードを残してフィニッシュし、スプリントでの失敗を最高の形で挽回した。

    この結果、シルバーストンのMotoGPクラスでは12大会連続で異なるグランプリウイナーが誕生することになった。

    アプリリアが表彰台独占
    2位には前日のスプリントを制したマルティンが入った。スタート直後のロスから挽回したものの、先行するフェルナンデスには届かなかった。

    3位争いではベッツェッキがグレシーニ・ドゥカティのアレックス・マルケスから終盤に激しいプレッシャーを受けたが、最後までポジションを守り切った。

    これにより、優勝したフェルナンデス、2位マルティン、3位ベッツェッキと、アプリリアRS-GP26がトップ3を独占。ファクトリーとサテライトを合わせたアプリリア勢にとって圧倒的な結果となった。

    4位はアレックス・マルケス、5位はペドロ・アコスタ(レッドブルKTM)、6位はファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ)が続いた。

    マルク・マルケスはタイヤを管理して7位
    現MotoGP王者マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ)は7位でレースを終えた。

    スプリントではタイヤの性能低下に苦しみ、終盤に9位まで後退していたマルケス。決勝ではその教訓を踏まえたように、積極的に前を攻めるよりもリヤタイヤのマネジメントを重視する走りを見せた。

    ブラッド・ビンダー(レッドブルKTM)が8位、ルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)が9位。ルーキーのディオゴ・モレイラ(プロ・ホンダLCR)が10位に入り、ホンダ勢2台がトップ10に入った。

    小椋藍は7番手走行中に今季初の決勝転倒
    前日のスプリントで2位表彰台を獲得していた小椋藍は、決勝では無念のリタイアとなった。

    小椋はフロントロウ3番手からスタートしたものの、ターン1でリヤのライドハイトデバイスが解除されず、マルティンとともにラインを外してポジションを落とした。

    その後は7番手まで挽回してレースを進めていたが、中盤に単独転倒。これが小椋にとって2026年シーズンの決勝レースで初めての転倒となり、ポイント獲得はならなかった。

    転倒相次ぐ決勝 バニャイアもリタイア
    オープニングラップではジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)とアレックス・リンス(モンスター・ヤマハ)が接触し、両者が転倒した。このインシデントについてFIMスチュワードは追加措置を科さない判断を下した。

    その後もエネア・バスティアニーニ、イケル・レクオーナ、カル・クラッチロー、フランチェスコ・バニャイア、小椋がそれぞれ転倒。完走は16台となった。

    タイトル争いをリードするマルティンは2位で着実にポイントを積み重ねた一方、ドゥカティ・レノボはマルク・マルケスが7位、バニャイアがリタイアと厳しいイギリスGPとなった。

    シルバーストンではフェルナンデスがスタートからフィニッシュまで主導権を握り、アプリリア勢が表彰台を独占。前日に表彰台を獲得した小椋にとっては悔しい結末となった。MotoGPの次戦は8月末に開催されるアラゴンGPとなる。


    2026年MotoGP第12戦イギリスGP 決勝結果
    1位 ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)
    2位 ホルヘ・マルティン(アプリリア)
    3位 マルコ・ベッツェッキ(アプリリア)
    4位 アレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ)
    5位 ペドロ・アコスタ(KTM)
    6位 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ)
    7位 マルク・マルケス(ドゥカティ)
    8位 ブラッド・ビンダー(KTM)
    9位 ルカ・マリーニ(ホンダ)
    10位 ディオゴ・モレイラ(LCRホンダ)
    11位 フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ)
    12位 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
    13位 ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ)
    14位 ポル・エスパルガロ(KTMテック3)
    15位 トプラク・ラズガットリオグル(プラマック・ヤマハ)
    16位 アウグスト・フェルナンデス(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)
    リタイア 小椋藍(トラックハウス・アプリリア)
    リタイア フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)
    リタイア カル・クラッチロー(LCRホンダ)
    リタイア イケル・レクオナ(グレシーニ・ドゥカティ)
    リタイア エネア・バスティアニーニ(KTMテック3)
    リタイア アレックス・リンス(ヤマハ)
    リタイア ジョアン・ミル(ホンダ)

  • MotoGPイギリスGP:ホルヘ・マルティンがスプリント制覇 小椋藍2位

    MotoGPイギリスGP:ホルヘ・マルティンがスプリント制覇 小椋藍2位

    ホルヘ・マルティン(アプリリア)が、2026年MotoGP第12戦イギリスGPのスプリントでポール・トゥ・ウインを飾った。10周のレースを一度も首位から譲らず、今季3勝目となるスプリント勝利を挙げた。

    2位には小椋藍(トラックハウス・アプリリア)が入り、マルコ・ベッツェッキ(アプリリア)が3位。アプリリア勢が表彰台を独占する一方、ドゥカティ勢は苦戦し、アレックス・マルケス(グレシーニ)の4位が最上位となった。

    マルティンがポールから全周回をリード
    今季2度目のポールポジションを獲得したマルティンは、スタートでホールショットを奪うと、そのままレースを支配した。

    序盤は小椋藍が背後につけ、さらにVR46のファビオ・ディ・ジャンアントニオも上位争いに加わった。2周目にはディ・ジャンアントニオがファームで小椋藍のインを狙ったものの、ラインを外してしまい、小椋藍が2番手を守った。

    この攻防によってマルティンは0.5秒以上のリードを築くことに成功。その後も徐々に差を広げ、終盤まで一度もプレッシャーを受けることなくチェッカーを受けた。

    最終的に小椋藍との差は1.5秒。新しいエアロパッケージを投入したアプリリアで、2024年MotoGP王者のマルティンが今季3度目、通算19度目となるスプリント勝利を手にした。

    小椋藍が2位 アプリリア勢が表彰台独占
    小椋藍はスタート直後から2番手をキープ。ディ・ジャンアントニオから一度は仕掛けられたものの、落ち着いてポジションを守り、最後までマルティンに次ぐ2位を走り切った。

    3位には、負傷からの回復途上にあるベッツェッキが入った。ベッツェッキは6周目、マゴッツへの進入でマルク・マルケスのインに大胆に飛び込み4番手へ浮上。その後、コプスでディ・ジャンアントニオも攻略し、表彰台圏内へと進出した。

    これにより、マルティン、小椋藍、ベッツェッキというアプリリア勢がトップ3を独占。ファクトリーとトラックハウスを合わせたアプリリア陣営にとって、圧倒的なスプリントとなった。

    ドゥカティ勢が苦戦 マルク・マルケスは9位
    対照的に苦しいレースとなったのがドゥカティ勢だった。

    ブランド最上位はアレックス・マルケスの4位だったが、3位ベッツェッキからは約3秒遅れ。終盤にディ・ジャンアントニオを抜いて順位を上げたものの、表彰台争いに加わることはできなかった。

    さらに厳しかったのがマルク・マルケスだ。レース後半にリアグリップが大幅に低下し、次々とポジションを失った。

    ベッツェッキに抜かれた後、ペドロ・アコスタ(KTM)、ジョアン・ミル(ホンダ)、フランコ・モルビデリ(VR46)にも先行を許し、最終的にはポイント獲得圏ぎりぎりの9位。10位との差はわずか0.027秒だった。

    ディ・ジャンアントニオも序盤には表彰台を争っていたものの、終盤に後退した。

    マルティンがランキング首位を拡大 小椋藍と17ポイント差
    今回のスプリント勝利によって、マルティンはMotoGPライダーズランキングでのリードを拡大した。

    ランキング2位の小椋藍との差は17ポイント。3位ベッツェッキは首位から27ポイント差、4位マルク・マルケスは29ポイント差、5位ディ・ジャンアントニオは31ポイント差となった。

    小椋藍にとっても、タイトル争いでマルティンとの差が広がったとはいえ、2位表彰台で重要なポイントを獲得。シーズン後半戦に向けてランキング2位を維持している。

    転倒者も相次ぐシルバーストンのスプリント
    10周で争われたスプリントでは転倒も相次いだ。

    小椋藍のチームメイトであるラウル・フェルナンデスはフロントロウからスタートしたものの、オープニングラップで6番手まで後退し、レース中盤を前にクラッシュした。

    グレシーニで代役参戦しているイケル・レクオナは1周目の終盤にトップ10圏内から転倒。このインシデントはFIMスチュワードによる審議対象となったが、追加措置なしと判断された。

    地元イギリスのカル・クラッチローも序盤に転倒。一度はレースに復帰したものの、その後ピットに戻ってリタイアとなった。

    予選でレコードタイムを記録してポールポジションを獲得したマルティンは、その速さをスプリントでも結果につなげた。小椋藍とベッツェッキも表彰台に入り、シルバーストンではアプリリアの高い競争力が鮮明になった。

    MotoGP イギリスGP スプリント

    2026年MotoGPイギリスGP スプリント結果
    1位 ホルヘ・マルティン(アプリリア) 19分49秒066
    2位 小椋藍(トラックハウス・アプリリア) +1.530秒
    3位 マルコ・ベッツェッキ(アプリリア) +3.974秒
    4位 アレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ) +6.956秒
    5位 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ) +8.651秒
    6位 ペドロ・アコスタ(レッドブルKTM) +10.745秒
    7位 ジョアン・ミル(ホンダHRC) +10.826秒
    8位 フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ) +12.539秒
    9位 マルク・マルケス(ドゥカティ) +13.965秒
    10位 ディオゴ・モレイラ(LCRホンダ) +13.992秒
    11位 ブラッド・ビンダー(レッドブルKTM) +14.142秒
    12位 ルカ・マリーニ(ホンダHRC) +14.344秒
    13位 ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ) +14.540秒
    14位 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ) +15.213秒
    15位 エネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3) +16.892秒
    16位 アレックス・リンス(ヤマハ) +20.194秒
    17位 フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ) +23.722秒
    18位 ポル・エスパルガロ(レッドブルKTMテック3) +24.380秒
    19位 アウグスト・フェルナンデス(ヤマハ) +27.593秒
    20位 トプラク・ラズガットリオグル(プラマック・ヤマハ) +34.332秒
    DNF ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)
    DNF カル・クラッチロー(LCRホンダ)
    DNF イケル・レクオナ(グレシーニ・ドゥカティ)

    マルティンはポールから完璧なレースを展開し、小椋藍を抑えて今季3度目のスプリント勝利。アプリリア勢が歴史的な表彰台独占を達成する一方、ドゥカティ勢はマルク・マルケスが9位、バニャイアが17位に終わるなど明暗が大きく分かれた。

  • MotoGPイギリスGP:ホルヘ・マルティンがレコードでPP 小椋藍3番手

    MotoGPイギリスGP:ホルヘ・マルティンがレコードでPP 小椋藍3番手

    2026年MotoGP第12戦イギリスGPの公式予選が8月8日(土)、シルバーストン・サーキットで行われ、ポイントリーダーのホルヘ・マルティン(アプリリア)がコースレコードを更新してポールポジションを獲得した。

    マルティンは1分56秒160を記録。ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)がわずか0.021秒差の2番手に続き、小椋藍(トラックハウス・アプリリア)が3番手に入り、アプリリア勢がフロントロウを独占した。

    マルティンが最終アタックで逆転 コースレコード更新
    金曜日にはファクトリー・アプリリアのマルコ・ベッツェッキがコースレコードを更新し、シルバーストンでのアプリリア勢の速さを印象づけていた。

    しかし、その記録は土曜日の予選Q2でさらに塗り替えられた。

    15分間のQ2はアレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ)が1分56秒868で最初の基準タイムを記録。その後、マルク・マルケス(ドゥカティ)がターン2で危うい場面を切り抜けながら1分56秒527をマークし、トップに浮上した。

    残り3分になるとベッツェッキが1分56秒456までタイムを縮めたが、ラウル・フェルナンデスが1分56秒181を叩き出してコースレコードを更新。初のポールポジション獲得に大きく近づいた。

    その直後には小椋藍も好タイムを記録して上位につけたが、最後にマルティンがすべてを上回った。最終アタックで1分56秒160を記録し、フェルナンデスを0.021秒差で逆転。今季2度目、MotoGP通算22回目のポールポジションを獲得した。

    小椋藍が3番手 アプリリアがフロントロウ独占
    小椋藍もトラックハウス・アプリリアのRS-GPで速さを発揮し、トップから0.189秒差の3番手を獲得。マルティン、フェルナンデス、小椋藍というアプリリア勢によるトップ3独占が実現した。

    シルバーストンでは金曜日からアプリリア勢が高い競争力を示しており、予選でもその勢力図は変わらなかった。ファクトリーとサテライトを合わせた3台がフロントロウを占め、イギリスGPでのアプリリアの強さを改めて証明する結果となった。

    マルティンは直近の数戦で苦戦していたものの、シーズン序盤に使用していたセットアップへ戻したことでRS-GPへの自信を取り戻しており、その手応えをポールポジションという結果につなげた。

    ポイントランキングではマルティンが小椋藍を14ポイントリードしており、タイトル争いの上でも重要なポールポジションとなった。

    ドゥカティ最上位はディ・ジャンアントニオ マルケス6番手
    ドゥカティ勢の最上位はファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)の4番手で、トップとの差は0.255秒。負傷を抱えながら走行しているベッツェッキが5番手に入り、マルク・マルケスは6番手にとどまった。

    マルク・マルケスはQ2序盤、ファーム・カーブで大きく足を出す危うい場面がありながらも、その後は弟アレックス・マルケスを上回って暫定トップに立った。しかし、終盤のアタックではマルティンやフェルナンデスのタイムを脅かすペースを最後までまとめ切れず、2列目最後尾からスタートすることになった。

    事前に有力候補のひとりと見られていたアレックス・マルケスは7番手。Q1から勝ち上がったフランコ・モルビデリ(VR46)が8番手に続いた。

    KTM勢ではペドロ・アコスタが最上位の9番手。グレシーニで代役参戦しているイケル・レクオナはQ1を突破して10番手に入り、存在感を示した。

    ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ)が11番手、ジョアン・ミル(ホンダ)が12番手でQ2を終えた。

    バニャイアは今季ワースト16番手
    Q1ではモルビデリとレクオナがQ2進出枠を獲得した一方、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)はわずか0.050秒届かず13番手となった。

    ディオゴ・モレイラ(LCRホンダ)が14番手、ルカ・マリーニ(ホンダ)が15番手。フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)は1分57秒891にとどまり、今季ワーストとなる16番手に沈んだ。

    バニャイアはドゥカティ勢で唯一Q2進出を逃しており、苦戦が続くシルバーストンでスプリントと決勝に向けて大きな課題を残した。

    17番手はアレックス・リンス(ヤマハ)、18番手はブラッド・ビンダー(KTM)、19番手はエネア・バスティアニーニ(KTMテック3)。カル・クラッチロー(LCRホンダ)が20番手、ポル・エスパルガロ(KTMテック3)が21番手となった。

    22番手はトプラク・ラズガットリオグル(プラマック・ヤマハ)、23番手はアウグスト・フェルナンデス(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)となった。

    MotoGP イギリスGP 予選 小椋藍

    2026年MotoGP第12戦イギリスGP 予選結果
    1番手 ホルヘ・マルティン(アプリリア) 1分56秒160
    2番手 ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア) +0.021秒
    3番手 小椋藍(トラックハウス・アプリリア) +0.189秒
    4番手 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ) +0.255秒
    5番手 マルコ・ベッツェッキ(アプリリア) +0.296秒
    6番手 マルク・マルケス(ドゥカティ) +0.367秒
    7番手 アレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ) +0.379秒
    8番手 フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ) +0.729秒
    9番手 ペドロ・アコスタ(KTM) +0.772秒
    10番手 イケル・レクオナ(グレシーニ・ドゥカティ) +1.162秒
    11番手 ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ) +1.334秒
    12番手 ジョアン・ミル(ホンダ) +1.883秒
    13番手 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ) 1分57秒433
    14番手 ディオゴ・モレイラ(LCRホンダ) 1分57秒596
    15番手 ルカ・マリーニ(ホンダ) 1分57秒877
    16番手 フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ) 1分57秒891
    17番手 アレックス・リンス(ヤマハ) 1分57秒940
    18番手 ブラッド・ビンダー(KTM) 1分58秒081
    19番手 エネア・バスティアニーニ(KTMテック3) 1分58秒120
    20番手 カル・クラッチロー(LCRホンダ) 1分58秒140
    21番手 ポル・エスパルガロ(KTMテック3) 1分58秒414
    22番手 トプラク・ラズガットリオグル(プラマック・ヤマハ) 1分58秒590
    23番手 アウグスト・フェルナンデス(ヤマハ・ファクトリー・レーシング) 1分58秒842

    ポイントリーダーのマルティンがレコード更新のポールポジションを獲得し、フェルナンデスと小椋藍が続いてアプリリア勢がトップ3を独占したイギリスGP予選。一方、王者マルク・マルケスは6番手、バニャイアは16番手に沈み、シルバーストンで明暗が大きく分かれる結果となった。

  • マルク・マルケスとルイス・ハミルトンの共通点「必要な時に速く自己演出もうまい」

    マルク・マルケスとルイス・ハミルトンの共通点「必要な時に速く自己演出もうまい」

    MotoGPのTech3を率いるギュンター・シュタイナーが、現MotoGP王者マルク・マルケスをF1界のルイス・ハミルトンになぞらえ、その実力とセルフブランディング能力を高く評価した。

    ハースF1で約10年間チーム代表を務めたシュタイナーは、現在はRed Bull KTM Tech3のCEO兼オーナーを務めている。F1とMotoGPの両カテゴリーを知る立場から、両者の共通点について語った。

    7度の王者同士に共通する資質
    マルケスとハミルトンは、それぞれMotoGPとF1で7度のワールドチャンピオンに輝いた歴史的ライダー・ドライバーだ。

    マルケスは2025年、2020年の右腕骨折とその後の4度に及ぶ大手術を乗り越え、6年ぶりとなるタイトルを獲得。通算7度目の戴冠でバレンティーノ・ロッシに並んだ。

    一方、ハミルトンは2020年に7度目のF1世界王座を獲得し、ミハエル・シューマッハと並ぶ最多記録に到達した。2025年はフェラーリ移籍初年度に苦戦したものの、2026年にはスペインGPでフェラーリ移籍後初優勝を飾るなど復活を印象づけている。

    シュタイナー「ハミルトンに少し似ている」
    イタリアの専門誌『Motosprint』から「マルケスはF1ドライバーに例えると誰か」と問われたシュタイナーは、ハミルトンの名前を挙げた。

    「難しい質問だね。これまでそんなことを聞かれたことはなかった」

    「彼は少しハミルトンに似ているように思う。必要なときに速く走る能力はもちろん、自分のイメージを上手にマネジメントしているからだ」

    「もちろん、ルイスとまったく同じやり方ではない。彼は唯一無二の存在だからね。それでもマルケスも非常に優れているし、多くの勝利を挙げてきた」

    シュタイナーは、競技力だけでなく、トップアスリートとしての存在感やブランド価値を築く能力も両者の共通点として評価した。

    両者とも2026年はタイトル争いの渦中
    2026年シーズンのF1では、ハミルトンはランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリを50ポイント差で追い、史上最多となる8度目の世界王座を目指している。

    一方のマルケスはMotoGPランキング3位につけ、首位ホルヘ・マルティンとは18ポイント差。直近4戦で3勝を挙げる好調ぶりで、次戦イギリスGPを前に逆転タイトル獲得への期待を高めている。

    シュタイナーはF1とMotoGPの両世界を知る数少ない人物として、競技を超えて比較した末に、マルケスの総合力をハミルトン級と評価した。両者は異なるカテゴリーで戦いながらも、勝負強さとスター性を兼ね備えたチャンピオンとして共通する存在感を放っている。

  • F1アメリカGPでMotoGPデモ走行実現へ リバティ・メディアが共演を計画

    F1アメリカGPでMotoGPデモ走行実現へ リバティ・メディアが共演を計画

    F1とMotoGPが、2026年のF1アメリカGPで同じ舞台に立つ可能性が高まっている。報道によると、リバティ・メディアはサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でMotoGPのデモ走行を実施する計画を進めているという。

    MotoGPは世界最高峰の二輪ロードレース選手権であり、F1は四輪モータースポーツの頂点に位置づけられるシリーズだ。

    2017年からF1の商業権を保有するリバティ・メディアは、Netflixのドキュメンタリー『Drive to Survive』をはじめ、Apple TVやIMAX、LEGOとの提携などを通じてF1の人気拡大を牽引してきた。

    2025年にはMotoGPの商業権も取得したが、その際にはMotoGP関係者から「F1と同じ手法をそのまま持ち込むべきではない」との声も上がっていた。

    COTAでMotoGPマシンのデモ走行を計画
    Motorsport.comによると、10月に開催されるF1アメリカGPの週末に、MotoGPマシンによるデモンストレーション走行を実施する案について具体的な協議が進められている。

    会場となるCOTAでは、MotoGPマシンが数周にわたってデモ走行を行い、F1ファンが世界最高峰の二輪レースを間近で体感できる機会を提供することが狙いだ。

    ただし、この週末はMotoGPがオーストラリアGPを開催しているため、現役MotoGPライダーの参加は予定されていない。また、走行に使用されるのも実戦用マシンではなく、ショーバイクになる見込みだ。

    将来的な併催レースの予定はなし
    リバティ・メディアはF1とMotoGP双方のプロモーション強化を模索しているが、現時点では両シリーズによる合同グランプリを開催する計画はないという。

    それでも、世界最高峰の四輪と二輪が同じF1開催週末に姿を見せる今回の取り組みは、両カテゴリーのファン層を広げる新たな試みとして注目を集めそうだ。

  • 中上貴晶 MotoGP日本GPにワイルドカード参戦「開発成果をレースで証明したい」

    中上貴晶 MotoGP日本GPにワイルドカード参戦「開発成果をレースで証明したい」

    ホンダ・レーシング(HRC)は7月22日、2026年MotoGP第16戦日本グランプリ(10月4日決勝/モビリティリゾートもてぎ)に、HRC開発ライダーの中上貴晶がワイルドカードで参戦すると発表した。

    2025年からHRCの開発ライダーを務める中上貴晶は、現在MotoGPマシンの開発を担当しており、今回の日本GPでは実戦環境でテストの成果を確認する重要な機会となる。

    千葉県出身の中上貴晶は、全日本ロードレース選手権GP125クラスでタイトルを獲得した後、ロードレース世界選手権へ進出。Moto2では2勝を挙げ、2018年にMotoGPクラスへ昇格した。2018年から2024年まで7シーズン連続でMotoGPにフル参戦し、2025年からはHRC開発ライダーとしてホンダのマシン開発に携わっている。

    中上貴晶は母国グランプリへの参戦決定について、次のように喜びを語った。

    「日本グランプリにワイルドカードライダーとして参戦できることを大変うれしく思います。現在はHRC開発ライダーとしてホンダのMotoGPマシンの開発に取り組んでおり、このレースはテストで積み重ねてきた成果を実戦の中で評価できる貴重な機会になります」

    「母国グランプリで日本のファンの皆さんの前を走れることは、私にとって特別なことです。週末を通してできる限り多くの有益なデータを収集し、ホンダMotoGPマシンの競争力向上に貢献したいと思います」

    中上貴晶にとって、日本GPでのワイルドカード参戦は、開発ライダーとして磨き上げてきたホンダの最新パッケージを実戦で検証する重要な役割を担うレースとなる。