カテゴリー: マクラーレンF1チーム

  • ランド・ノリス F1アブダビGP初日最速も「まだ笑える状況じゃない」

    ランド・ノリス F1アブダビGP初日最速も「まだ笑える状況じゃない」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、2025年F1アブダビGP初日にFP1とFP2の両セッションでトップに立ち、タイトル決戦に向けて幸先の良いスタートを切った。しかし、ノリス本人は依然として慎重で「まだ笑える状況じゃない」と語り、MCL39に対する手応えは万全ではないと明かした。

    ノリスは現在、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に12ポイント、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に16ポイントのリードを持って最終戦を迎えており、表彰台フィニッシュを果たせば自力でタイトルを決められる。

    FP2では2番手フェルスタッペンに0.363秒差をつけ、紙の上では完璧な初日となったが、ノリスの表情は引き締まったままだった。

    「もっと良くできる」ノリスが語る本音
    ノリスは走行後、「もちろんタイムだけを見ればすごく良い状況だけど、まだクルマにもう少し欲しい部分がある」と語った。

    「完全にハッピーでもないし、完全に自信があるわけでもない。クルマで色々なことを試している途中で、それを理解しようとしているところだ。今夜のうちにさらに改善できることがあるはずだ」

    「悪い日ではないし、ポジティブな1日だったのは確かだ。でも予選になるとみんな一気に近づいてくる。だから、まだ笑える状況じゃない」

    ランド・ノリス(マクラーレン) アブダビグランプリ

    フェルスタッペンとの接触未遂は調査の末“お咎めなし”
    FP2序盤にはノリスとフェルスタッペンの間で軽いドラマがあった。ターン1出口でフェルスタッペンがノリスの進路を避けるように動く場面があり、スチュワードが事象を調査したものの、最終的には「不問」とされた。

    ピアストリは11番手発進
    チームメイトのピアストリはFP1をルーキー枠走行のパトリシオ・オワードに譲ったため、FP2のみの出走となり11番手で初日を終えた。

  • オスカー・ピアストリ F1アブダビGP初日「ポール争いができると思う」

    オスカー・ピアストリ F1アブダビGP初日「ポール争いができると思う」

    マクラーレンのオスカー・ピアストリは、金曜のフリー走行2回目(FP2)で11番手となったものの、土曜予選では「ポールポジションを争える“かなりいい”チャンスがある」と自信を示した。

    多くのチームがFP1でルーキードライバーを起用したため、ピアストリはパトリシオ・オワードが自分のマシンを走らせる様子をピットウォールから見守る形に。

    FP2でコースに戻った際は29周を走行し、ロングランの一方、ソフトタイヤの最初のタイムラップでは十分なグリップを得られず、チームメイトのランド・ノリスに大きく遅れをとる結果となった。

    「まだ足りないところはあるけど、悪くはない」
    ピアストリはマシンを降りたあと、こう振り返った。

    「ミディアムではかなり良かったと思うけど、ソフトでは最初のタイムラップでグリップを最大限に引き出せなかった。感触をつかんでいる段階だけど、明日に向けて改善すべき点はいくつかある。でも、1回のセッションだけにしては悪くない」

    大きなセットアップ変更が必要かどうかを問われると、次のように答えた。

    「たぶん細かい部分だけだと思う。マシンはかなりいい状態にあるし、ソフトの最初のラップでグリップを引き出せなかっただけだ。もちろん小さな調整は必要だけど、何か大きな問題があるわけではない」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン) アブダビグランプリ

    「予選ではポール争いができると思う」
    カタールGPで今季6回目のポールを獲得したばかりのピアストリは、アブダビでもその勢いを保てると見ている。

    「かなりいいと思う。マシンは速そうだし、あとはもっと周回を重ねて感覚をつかむだけ。明日はもう少し周回できるし、タイヤセットも増える。うまくいけば前に行けるはずだ」

    ピアストリは現在、日曜決勝でタイトル争いに残る3名のうちの一人で、首位のノリスから16ポイント差、2番手フェルスタッペンから4ポイント差の3番手につけている。

  • ランド・ノリス F1アブダビGP会見「いつも通り臨む。失うものは一番多い」

    ランド・ノリス F1アブダビGP会見「いつも通り臨む。失うものは一番多い」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、タイトル決戦の舞台となるF1アブダビGPに向け、「アプローチはいつも通り」だと強調した。一方で、ランキング首位として挑む立場上「失うものは自分が一番多い」とも認めている。

    ノリスは現在、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に12ポイント差、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に16ポイント差でタイトルを争っており、最終戦で3人のうち誰が王者になってもおかしくない状況だ。

    「いつもと同じ」ノリスが語るタイトル決戦への姿勢
    ノリスは木曜日の会見で、週末の準備について問われると、次のように淡々と語った。

    「何も変わらない。毎週末と同じように臨むだけだ」

    「もちろん、前戦カタールの振り返りはする。良くなかった点、明らかにミスだった部分、そして分かりにくいけれど改善できる点。そういう通常の作業をしたうえでアブダビに来ている。それ以外は変わらないよ。チームの誰にとっても、いつも通りの準備をしているだけなんだ」

    「立場的には一番失うものが多い」
    会見では、首位に立つ者としてプレッシャーを感じるかという質問も飛んだ。ノリスはこれを認めつつも、深刻さは見せなかった。

    「もちろん順位だけ見れば、僕が一番失うものが多い。でもベストを尽くすだけだよ。あと数日間、トップのままでいられるようにね」

    「うまくいかなかったとしても、また来年挑めばいい。少しの間は痛みを感じるだろうけど、人生ってそういうものだし、また頑張るだけだ」

    そして、決戦そのものを相対化するように、こうも続けた。

    「何も失うものはないという気持ちもある。レースはレース、チャンピオンシップはチャンピオンシップ。でも30年後には、どうだったかなんてそんなに考えないと思う」

    ランド・ノリス(マクラーレン) アブダビグランプリ

    勝てば「人生の夢が叶う」ノリスが語ったタイトルの意味
    それでも、優勝の価値を問われると、ノリスの表情は一気に熱を帯びた。

    「数日後か数週間後に、また聞いてほしい」

    「これは僕の人生そのものだ。これまでの人生すべてを注いできた夢なんだ。もしそれを掴めたら、僕を支えてくれた人たち、過去16年間ずっと応援してくれた人たちにとっても意味のあることになる」

    「僕の人生が成功だったと証明できるし、子どもの頃から思い描いてきた夢を叶えたことになる。それ以上、何を言えばいいのか分からない」

    「たくさんの努力が積み重なった結果のご褒美だし、タイトルはその年で最もふさわしい人が手にするものだと思う」

  • オスカー・ピアストリ F1アブダビGP会見「3番手という立場が心を軽くする」

    オスカー・ピアストリ F1アブダビGP会見「3番手という立場が心を軽くする」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、前戦カタールでの力強い走りを経て「大きな自信」を得てアブダビGPに臨むと語った。ポイントでは16点差と不利な立場だが、過去の“三つ巴タイトル決戦”のジンクスが「わずかな comfort(心の余裕)」を与えているという。

    一時は第5戦以降ずっとランキング首位を走っていたピアストリだが、後半戦の失速によりメキシコでランド・ノリスに首位を奪われ、前戦カタールではマックス・フェルスタッペンにも逆転され3位に後退。

    それでもスプリント勝利とスプリントポールを手にしたカタール週末は、ここ数戦で最も充実した内容となった。

    「リラックスしている」とピアストリは木曜メディアデーで語った。

    「ジュニア時代にはタイトル争いの“追われる立場”だったけど、あれは本当にハードだった。今回は3人の中で“失うものが一番少ない立場”で入れていて、すごく違う感覚だよ」

    「カタールでの週末を経て、自分がしっかり戦えるという大きな自信がある。もちろんタイトルを取るには多くのことが必要だけど、正しい場所にいて、正しいタイミングを逃さず、あとはどう転ぶかを見てみるだけだね」

    ランキングトップのノリスとは16点差。可能性は最も低いが、もし王座を獲得すれば「とてもクールだ」と笑う。

    「そういう大きな成果って、後からじわじわ実感が湧くものだと思う。でもシーズンオフまでもすぐだし、レースというのは結局、次の週末に向けて切り替わっていく。もし達成できたら、それはもちろんすごく嬉しいことだよ」

    ピアストリがわずかに勇気づけられているのが、“三つ巴の最終戦”におけるある統計だ。

    2007年(キミ・ライコネン)、2010年(セバスチャン・ベッテル)と、最終戦に3番手で入ったドライバーが2度とも逆転王者になっている。

    セバスチャン・ベッテル アブダビグランプリ

    「僕にとっては嬉しい統計だけど、過去にそうだったからといって今回もそうなるとは限らない。だから寄りかかるつもりは全くない。ただ、“可能だ”というほんのわずかな comfort は与えてくれるね」

    チームオーダーについて問われると、ピアストリはまだ何も決まっていないと強調した。

    「その話はしていない。何が期待されているのか、まだ分からないんだ」

    最後に母国オーストラリアのファンに向けて「ベストを尽くす」と語り、静かに決戦へ気持ちを整えていた。

    マクラーレン内の力関係と“3番手からの逆転”の現実味
    マクラーレンは今季、ノリスとピアストリを“完全に自由に戦わせる”と公言してきたが、タイトル最終決戦で両者が絡むシナリオは避けたい。一方で、前戦カタールでチーム戦略が裏目に出たことは、ピアストリの士気と判断の柔軟さをむしろ高めた印象だ。

    統計的には“3番手逆転”は過去に2回起きているものの、今年のポイント差は16点。タイトル奪取には、ノリスとフェルスタッペン双方の不運を含め、複数の条件が重なる必要がある。ただし、カタールで示した単体パフォーマンスを武器に「最低限、チャンスが生まれたときにそこに居合わせる」ことは十分可能だ。

    ピアストリの冷静さと勝負勘が、最終戦アブダビでどこまで“奇跡の構図”に関与できるのか。三つ巴決戦の結末を左右する存在になることは間違いない。

  • マクラーレンF1 チームオーダー“封印”も…条件次第でピアストリがノリス支援

    マクラーレンF1 チームオーダー“封印”も…条件次第でピアストリがノリス支援

    マクラーレンは、2025年F1アブダビGPを前に「チームオーダーは基本的に使用しない」と強調しつつも、必要な状況になればオスカー・ピアストリがランド・ノリスのタイトル獲得を支援する可能性を認めている。両者は依然としてタイトル争いの射程圏内におり、チームは最終戦を前に“公平性”と“柔軟性”の両立を図る姿勢を示した。

    カタールGP後、マクラーレンは最終戦に向けて両ドライバーに自由に戦わせる方針を改めて確認。

    しかし、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が依然として脅威である状況を踏まえ、特定のシナリオでは“片方のドライバーがもう一方を支援する”判断も排除していない。

    ピアストリに逆転タイトルの可能性が消えた場合は援護役に回る構図も
    マクラーレンは、レース中にピアストリのタイトル可能性が現実的に消えたと判断された場合、彼がノリスのために順位を譲るケースもあり得るとしている。

    例えば、ノリスが3位でフィニッシュすればタイトル獲得が決まる状況で、ピアストリとノリスが3位と4位を走行しているような場合、ピアストリにポジション移動を指示する可能性がある。

    さらには、ピアストリがフェルスタッペンの背後で2位、ノリスが4位という状況下では、チームがタイトル最優先で“2位の座を明け渡す”よう求めるケースも考えうるという。

    両ドライバーに事前共有される「全シナリオ」
    チーム代表アンドレア・ステラは、アブダビGP前にノリスとピアストリの双方に対し、どのような状況で支援が求められるのかを事前に明確化すると語った。
    突然の判断でドライバーを驚かせるのではなく、透明性と誠実さをもって決勝に臨むためだ。

    ステラはカタールGP後に次のように述べている。

    「どちらかのドライバーにタイトルを追う状況が続く限り、もう一方を排除するようなコールはしない。状況がどう展開するかを見ていくことになる」

    「我々はドライバーに対して誠実でありたいし、彼らを驚かせるようなことはしたくない。だからこそ、アブダビまでの間にランドとオスカーと話し合い、どのようにレースへ臨むかを確認するつもりだ」

    マクラーレンは最終戦を前に、平等な戦いを尊重しつつ、タイトルという最大目標を逃さないための“柔軟なチーム戦略”をすでに準備している。ノリスとピアストリ、若き両エースによる最終決戦は、戦略的にも大きな注目を集めることになりそうだ。

  • マクラーレン F1アブダビGPに挑む“ファン発案”特別リバリーを披露

    マクラーレン F1アブダビGPに挑む“ファン発案”特別リバリーを披露

    マクラーレンは、今週末のアブダビGPに向けて、シーズン最終戦を彩る特別デザインのリバリーを公開した。

    チームのパートナーであるBAT傘下ブランド「VELO」とともに展開する“Live Your Fandom”キャンペーンの一環として制作され、世界中のマクラーレンファンの情熱と創造性、そしてコミュニティの結束を象徴する仕上がりとなっている。

    今回の特別リバリーは、9名のマクラーレンファンとの共同制作によって誕生した。ファンたちが持ち寄った“忘れられない記憶”や、マクラーレンのレガシーにまつわる象徴をモチーフに、アイコンが車体アートとして組み込まれている。レーススーツ、パドックスクリーン、ガレージウォールなど、最終戦の週末を通じてチームのさまざまな要素にこのアートワークが反映される。

    マクラーレン F1 アブダビグランプリ

    ファンとの共同制作プロジェクトがついに結実
    選出されたファンたちは、今年マクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)を訪問し、CEOザク・ブラウンやランド・ノリスとの交流を含む特別な舞台裏体験に参加。その後、完成したリバリーを事前にチェックし、アブダビでの初披露を迎えることとなった。2025年シーズンのラストを飾るにふさわしいプロジェクトだ。

    「ファンこそが我々の原動力」— マクラーレンCMOのコメント
    ルイーズ・マキューエン(マクラーレン・レーシング 最高マーケティング責任者)は、今回の特別リバリーについて次のように語った。

    「我々の活動の中心にいるのは常にファンです。この特別なリバリーは、日頃の感謝を示すためのもうひとつの方法です。“Live Your Fandom”キャンペーンを通して、ファンの情熱と創造性を祝福し、それをパパイヤ・ファミリー全体で共有できる形にすることができました」

    マクラーレン F1 アブダビGP 2025

  • マクラーレンF1の内部緊張が激化:ピアストリ冷遇疑惑が豪州上院まで波及

    マクラーレンF1の内部緊張が激化:ピアストリ冷遇疑惑が豪州上院まで波及

    F1タイトル争いが最終決戦を迎えるなか、マクラーレンを巡る“ピアストリ冷遇”疑惑が異常な広がりを見せている。カタールGPの戦略ミスに端を発した騒動はついにオーストラリア上院にまで飛び火し、パドックの空気は一段と重くなった。

    疑念の中心は、7周目のセーフティカーでピットに入らなかった不可解な判断だ。一部では、ランド・ノリスに不利になるリスクを避けるため、あえてピアストリに有利な展開を拒んだのではないかとまで囁かれている。

    豪州上院議員の“ジョーク”が象徴する異常事態
    オーストラリアのマット・カナバン上院議員は、運輸担当官に対し「マクラーレンはピアストリに不利な判断をして、彼のワールドタイトルを奪っていると思いますか?」と冗談交じりに質問した。

    軽いジョークのつもりだったが、パドックの状況は笑えない。カタール後、ピアストリ側が不信感を強めているとの憶測が広がっているためだ。

    ザク・ブラウンの“抱擁”が逆効果に:ウェバーの冷たい視線
    疑惑をさらに加速させたのは、ピアストリのマネージャーであるマーク・ウェバーの反応だった。
    F1フォトグラファーのキム・イルマンによると、ザク・ブラウンCEOがカメラの前でピアストリに抱擁しに行った瞬間、ウェバーは**「氷のような視線」**を向けたという。

    ブラウンが何と言ったかについて、ピアストリは「謝罪だった。それ以上求めることはできないね」と語った。

    しかし、ウェバーがカタールGP週末にアストンマーティンのガレージでエイドリアン・ニューウェイと並んで座っていたことが発覚し、ピアストリの将来に関する噂が一気に拡大している。

    三つ巴のタイトル決戦:ヨス・フェルスタッペンが遠隔から圧力
    アブダビGPではノリス、フェルスタッペン、ピアストリが2010年以来となる三つ巴のタイトル争いに挑む。

    フェルスタッペンの父ヨスはケニアでのラリー参戦のため現地に来ないが、「マクラーレンには緊張があるだろう」「このチャンスを逃したら次はないかもしれない」と発言し、遠隔から強烈な圧力をかけた。

    さらに「今、人々はマックスがどれほど特別かを理解している。各チームはレッドブルではなく“マックス”を相手にしている」と語り、マクラーレンへのプレッシャーを一段と増幅させた。

    アンドレア・ステラが沈静化を図る:「オスカーもタイトル候補」
    内部不穏が高まる中、チーム代表アンドレア・ステラはピアストリを擁護した。

    「オスカーはタイトルを獲れる位置にいる。歴史的に、第3の候補が勝つこともある」

    さらに疑惑を否定するように、「我々は誠実さと透明性を持って判断する。どちらか一方がタイトルを獲れるなら、その結果を尊重する」と語った。

    しかし、今年度のマクラーレンが掲げる“パパイヤ・ルール”(完全平等の扱い)は、これまでにもたびたび嘲笑の的となり、カタールGPで再び批判を浴びた。

    新たな陰謀論:「ドラマの方がF1とマクラーレンに得」
    カタール後、ザク・ブラウンが笑みを浮かべながら「F1ファンにとっては最高のギフトだ。数字にも良いだろうね」と発言したことが、さらなる陰謀論を招いた。

    「マクラーレンとF1はこのドラマで得をしているのでは?」という憶測が一部で広まり、事態はますます複雑化している。

    ブラウンは続けて「昨年アブダビで勝っているから強いはずだ」と前向きに語ったが、パドックの視線は厳しいままだ。

  • マクラーレン大誤算でタイトル争い混迷「もし負ければF1史上最大の敗北」

    マクラーレン大誤算でタイトル争い混迷「もし負ければF1史上最大の敗北」

    2025年F1カタールGPは、マクラーレンが序盤のセーフティカーで“唯一ピットに入らなかった”という判断により、確実だったはずの1-2体制を自ら崩すという波乱の展開となった。

    これにより、タイトル争いは最終戦アブダビGPへ完全にもつれ込み、ランド・ノリス、マックス・フェルスタッペン、オスカー・ピアストリの三つ巴決戦となる。

    レース後、この判断に対してパドックは衝撃と批判に包まれた。スカイ・イタリアのカルロ・ヴァンツィーニは「もしマクラーレンがタイトルを失えば、F1史上最大の敗北だ」と切り捨て、レッドブルのヘルムート・マルコも「我々なら少なくとも片方はピットに入れていた」と皮肉った。

    マクラーレンの判断はなぜ“致命傷”になったのか
    マクラーレンはオープニングの7周目で発動したセーフティカーのタイミングで、全チームがピットに向かう中、唯一2台をステイアウトさせた。その結果、圧倒的なペースで週末を支配していたオスカー・ピアストリのレースは崩壊し、ランド・ノリスも優勝候補から脱落した。

    解説者ラルフ・シューマッハは「ピットすべきことは誰でも分かる。優れたマシンなのにミスが多すぎる。戦略担当は見直す時期だ」と厳しい言葉を向けた。

    「パパイヤ・ルール」と呼ばれる“平等扱い”の哲学が要因ではないかとの指摘について、ノリスは「関係ない」と否定した一方で、チーム代表アンドレア・ステラは「考慮した一つではあったが、主因ではない。単純に判断を誤った」と認めた。

    ノリスは“ナンバー1待遇”になるべきか
    ノリスは現在フェルスタッペンに12ポイント差、ピアストリはさらに4ポイント後方に控える。アブダビを前に、ノリスを優先すべきという声は大きい。

    ラルフ・シューマッハは「決断の時だ。マックスは甘くない。ランドにはチームメイトの助けが必要だ」と主張する。

    しかしステラは「オスカーの勝つ権利を尊重する。2人を戦わせる」と明言し、チームオーダーを否定した。

    一方のレッドブルは“完璧な対応”
    レッドブルは即座に正しい判断を下し、戦略を成功させた。表彰式にはストラテジストのハンナ・シュミッツが登壇し、「我々は恩恵を受ける立場だった」と語った。

    チーム代表ローラン・メキースは「マックスと争う時は、相手がミスをしない前提で戦う。だからプレッシャーは増す」と説明し、自らリスクを取る姿勢が心理面でも優位に働くと述べた。

    フェルスタッペン自身もマクラーレンの判断に「興味深い動きだ」と余裕を見せ、「今日は何が起きるか分からないレースだった。まだすべて可能だ」と逆転タイトルへの手応えを語った。

    週末を支配したピアストリの落胆
    予選から決勝に至るまで週末を完全に掌握していたピアストリは、無線で「言葉が出ない」と憔悴し、レース後も「この数戦を考えても、今日は特にフラストレーションが高かった」と失望を隠さなかった。

    アブダビ決戦を前に、マクラーレンはチーム哲学と勝負の天秤をどう釣り合わせるのか――。そしてフェルスタッペンの“追撃ストーリー”は完結するのか。史上稀に見る三つ巴タイトル決戦は、すべてが最終戦に託されることになった。

  • マクラーレンのF1カタールGPでの戦略が波紋 ライバル陣「非常に驚いた」

    マクラーレンのF1カタールGPでの戦略が波紋 ライバル陣「非常に驚いた」

    マクラーレンがF1カタールGPで、7周目のセーフティカー導入時に2台をピットインさせなかった唯一のチームとなり、ライバル陣はこの判断に「非常に驚いた」と語っている。

    7周目のピットウインドウ開幕タイミングでほぼ全車が“無料のピットストップ”を選択したのに対し、マクラーレンだけがステイアウトを選択。結果としてオスカー・ピアストリの勝利、ランド・ノリスの表彰台を逃し、マックス・フェルスタッペンに逆転優勝への“生命線”を与えることになった。

    7周目のSCは「最悪のシナリオ」 ライバル陣は即ピットを既定路線として想定
    7周目のセーフティカーは、ニコ・ヒュルケンベルグとピエール・ガスリーの接触によって発生した。ピレリが1セット最大25周の制限を設けたことで、57周のレースでは7周目にピットすれば32周目の2回目のストップを挟んで十分に走り切れる計算だった。

    実際、ほぼ全車がピットインしたが、マクラーレンは例外だった。

    レッドブルのローラン・メキースは次のように語った。

    「はい、驚いた。レース後なら何が正しいかは簡単に言えるが、我々としては7周目がピットできる最初の周で、そうすると事前に決めていた。ただ、どんな思考だったのかは判断できない」

    アストンマーティンのマイク・クラックも同調した。

    「ええ、とても驚いた。事前準備でこうしたケースは議論する。全員が入って2台だけが入らなかったという事実が、たぶんミスだったことを示している。みんなが来ると思っていたので驚いた」

    フェラーリのフレデリック・バスールも、25周ルールの前提から7周目のSCは「最悪」として想定済みだったと明かす。

    「レース前に、最悪のケースは7周目のセーフティカーだと言っていた。みんながそこで入り、次は32周目に入るからだ。この状況でMcLarenだけが違う戦略にしていた。正直、理解できなかった」

    ウィリアムズも“奇策”を検討したが結局は通常戦略を選択
    ウィリアムズはアレックス・アルボンがポイント外だったため“何か違うことをする”案もあったが、最終的には通常どおりピットインした。

    ジェームス・ボウルズはこう説明した。

    「アレックスについては議論があったが、結論は『16秒速いから』というものだった。カルロスは確実に入る。結果として正しい判断だった」

    マクラーレンは「全車が入るとは想定していなかった」
    マクラーレンのアンドレア・ステラは、2台がピットで渋滞し不利になることを避けるため、全車が入るとは思っていなかったと説明している。

    その判断は誤算となり、ピアストリは2位、ノリスは4位でフィニッシュ。最速のマシンを持ちながら戦略で取りこぼし、フェルスタッペンは優勝とともにタイトル争いの“命綱”を確保。ノリスとの差はわずか12ポイント、ピアストリも16ポイント差で最終戦アブダビへ向かうことになった。

  • マックス・フェルスタッペン マクラーレンF1の戦略は「興味深い動きだった」

    マックス・フェルスタッペン マクラーレンF1の戦略は「興味深い動きだった」

    F1カタールGP決勝で優勝したマックス・フェルスタッペンは、序盤のセーフティカー(SC)周回でピットに入らず走行を続けたマクラーレンの戦略について「興味深い動きだった」と語った。ピアストリとノリスは唯一ステイアウトを選択し、これが勝敗を左右する結果になった。

    ピレリが課したタイヤ最大25周制限の条件下で、18台がSC中にピットインする中、ピアストリとノリスのみが走行を継続。

    これによりフェルスタッペンはリードを奪い、今季7勝目を挙げた。ドライバーズランキングではノリスとの差を12ポイントに縮め、最終戦アブダビへ望みをつないだ。

    フェルスタッペン「“興味深い動きだな”と思った」
    レース後、フェルスタッペンはマクラーレンの判断について次のように語った。

    「“それは興味深い動きだな”と思った。もちろん僕らには少しギャップができたけれど、こちらも25周を走り切るためにタイヤを生かさなければならなかった。このサーキットでは摩耗がとても大きい。でも、うまくいったよ」

    ピアストリはポールポジションからスタートして主導権を握っていたが、マクラーレンの判断によってフェルスタッペンが先行。最終スティントで巻き返すには距離が足りず、ピアストリは2位、ノリスは4位でフィニッシュした。

    マックス・フェルスタッペン

    「難しい週末でも勝つことができた」フェルスタッペンのレース総括
    フェルスタッペンは今季7勝目を挙げた自身のレースについても語った。

    「僕らにとって本当に素晴らしいレースだった。あのセーフティカーでピットインを選んだのは正しい判断だった。ここで勝てて本当に嬉しいし、最後まで戦い続けることができる。信じられないよ」

    「僕らにとって少し難しい週末だったと思うけれど、それでもレースに勝つことができた。それが最も重要なことだ」

    フェルスタッペンはランキング2位に浮上し、首位ノリスとは12ポイント差。3位のピアストリも依然としてタイトル争い圏内におり、最終戦アブダビは3者によるタイトル決戦の舞台となる。