カテゴリー: マクラーレンF1チーム

  • オスカー・ピアストリ F1日本GP初日最速も慎重「まだ序列は変わっていない」

    オスカー・ピアストリ F1日本GP初日最速も慎重「まだ序列は変わっていない」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、2026年F1日本GPの金曜フリー走行2回目でトップタイムを記録し、厳しいシーズン序盤の中で明るい兆しを見せた。

    開幕2戦(オーストラリア、中国)でスタートできなかった状況から、ようやく迎えた実質的な初戦に向け、ピアストリは「前向きな一日だった」としながらも、勢力図そのものは大きく変わっていないとの見方を示した。

    マクラーレンはこの日、両車にエアロレーキを装着するなど実験的なプログラムを中心に走行。2026年レギュレーション下でのMCL40の理解を深める作業に重点を置いた。

    ピアストリ「良い進歩を感じられた」
    ピアストリは金曜の走行について次のように語った。

    「全体としては悪くない一日だった」

    「特にフリー走行2回目では良い進歩を感じられたし、ポジティブな手応えがある」

    「価値のあるデータも得られたし、良いポジションにいると思う」

    一方で、トップタイムを記録した結果については冷静な姿勢を崩さなかった。

    「まだやるべきことはあるし、特にメルセデスのようなライバルは非常に強い」

    「でも重要なのは自分たちのパフォーマンスに集中することだ」

    「今日の進歩をベースに、さらに競争力を高めていきたい」

    マクラーレン首脳「序列は変わっていない」
    マクラーレンのレーシング部門シニアディレクターであるランディ・シンも、チームの前進を評価しつつ現実的な見方を示した。

    「難しいスタートだったが、その中で最大限の成果を引き出すことができた」

    「FP1後にはランドのマシンに油圧系の問題があったが、チームは素晴らしい対応でデータ収集を継続できた」

    「オスカーがトップで終えたのは励みになるが、我々は現実的に見ている」

    「前戦から大きく序列が変わったとは考えていない」

    オスカー・ピアストリ F1 日本GP

    ノリスは油圧トラブルで苦戦
    一方、チームメイトのランド・ノリスは対照的に難しい一日を強いられた。

    FP2序盤に油圧トラブルが発生し、連続した走行ができない状況となり、セットアップの最適化に必要な周回数を確保できなかった。

    「難しい一日だった。必要な周回をこなせなかった」

    「FP2序盤は1周ずつしか走れない状態で、午前中もエアロ作業が中心だったから、実際のパフォーマンスを示す走行はほとんどできていない」

    最終的にノリスは4番手まで順位を上げたものの、ロングラン不足が大きな課題として残った。

    「このコースでは周回を重ねて自信を築き、セットアップを詰めることが重要だ」

    「でも今はロングランもなく、連続走行もほとんどできていないから、2〜3歩遅れている状態だ」

    「それでも最後にいくつかはまとめることができたし、多少は学べた」

    「今夜はリセットしてデータを見直し、明日は意味のある走行を取り戻したい」

    ピアストリのトップタイムは確かにポジティブな材料ではあるが、チーム内外ともに“本当の位置関係”を見極めるにはまだ早いというのが共通した認識だ。週末を通じてマクラーレンがどこまでパフォーマンスを引き上げられるかが注目される。

  • ランド・ノリス マクラーレンF1油圧漏れで出遅れ「かなり悪い一日」

    ランド・ノリス マクラーレンF1油圧漏れで出遅れ「かなり悪い一日」

    ランド・ノリスは2026年F1日本GP金曜フリー走行でマシントラブルに見舞われ、鈴鹿での金曜を「かなり悪い一日だった」と振り返った。一方で、チームメイトのオスカー・ピアストリはフリー走行2回目でトップタイムを記録し、マクラーレンにとっては明暗の分かれる一日となった。

    ノリスはフリー走行1回目を20周走って3番手につけたが、2回目はマシンの問題によってガレージでの作業が長引き、走行開始が遅れた。

    最終的には残り40分を切ってからコースに入り、他車とは異なる進行のなかでプログラムを消化。17周を走行し、4番手タイムでセッションを終えた。

    ノリス「オスカーにはペースがあるが、僕にはない」
    ランド・ノリス(マクラーレン)は、セッション後に自分とピアストリの両方に速さがあるように見えたと問われると、その見方を控えめに否定した。

    「ペースがあるのはオスカーであって、今のところ僕ではない」

    「僕たちの側としてはかなり悪い一日だったし、とにかく周回数が足りていない。この時点では望んでいたような流れではないし、特にまだ1周ごとに学んでいる段階だから、走れないことの影響は大きい」

    「最高のスタートではなかったけど、今夜は見直す時間があるし、明日に向けていくつかのことを修正していきたい」

    ノリスはその後、一晩で修正すべき点を把握するには十分な走行距離を確保できたのかとさらに問われた。

    「何周かは走れた。でも、おそらく十分ではない。僕たちは後手に回っているし、そのなかでできる限りを尽くすしかない」

    ランド・ノリス(マクラーレン) F1 日本GP

    マクラーレン首脳「油圧漏れを抱えたまま最大限を引き出した」
    マクラーレンのレーシングディレクターを務めるランディ・シンは、ノリス車に発生していた問題についてさらに詳しく説明し、チームとして限られた条件のなかで最大限の成果を引き出そうとしていたと語った。

    「フリー走行1回目の最中に油圧漏れを発見した。そして、その発生源を特定して修復しようと、できる限りのことを行った」

    「残念ながらそれは解決できなかったので、我々の狙いはそのセッションで可能な限り最善を尽くすことだった。チームは、フリー走行2回目で学べることを最大化するという点でいい仕事をしてくれた」

    「今回は通常の週末で、スプリント開催ではないのが幸運だった。だから取り戻すための走行時間は十分にある。我々は、与えられた走行のなかで学べることを最大化するという点で、いい仕事ができたと思う。走行はやや短めになったが、あれだけ走行が限られていたなかで、ランドのペースはかなり良かった」

    ピアストリ最速でも序列は大きく変わらず
    一方で、ピアストリはフリー走行2回目をトップで終えた。ただシンは、その結果が今季序盤からの勢力図の大きな変化を示しているとは見ていない。

    有望な結果かと問われたシンは、次のように答えた。

    「そうだね、フリー走行2回目としては有望だ」

    「オーストラリアでも我々はフリー走行2回目でトップだった。だから、オーストラリアからここまでで勢力順が大きく変わったとは思っていない。現時点では、とにかくマシンからできる限り多くを引き出すことに全力を尽くしている」

    「もちろん、我々は常に楽観的で希望を持っている。でも同時に、現実的でなければならない」

  • オスカー・ピアストリ F1日本GP「まずはスタートしたい」連続DNSから再出発へ

    オスカー・ピアストリ F1日本GP「まずはスタートしたい」連続DNSから再出発へ

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、2026年シーズン開幕2戦で連続DNS(未出走)という厳しい状況に直面している。

    オーストラリアではグリッドへ向かう途中のクラッシュ、中国ではマシントラブルによりフォーメーションラップ前にリタイアを余儀なくされ、いまだ決勝レースに出走できていない。

    ピアストリは鈴鹿でのメディア対応で、今週末の目標について次のように語った。

    ピアストリ「少なくともスタートシグナルを見たい」
    「それはいいね、そうなればいいよ」とピアストリは笑いながら語った。

    「明らかに今年のスタートは良くなかったけど、今週は少なくともスタートシグナルが点灯するところまでは行きたいし、そこからだと思っている」

    「自分たちがどの位置にいるかはだいたい分かっているし、大きな驚きは期待していない。ただ、しっかりとした週末を実行できればいい」

    連続DNSにも冷静な姿勢
    2戦連続でスタートできなかったことについても、ピアストリは感情的になるのではなく、学びに変える姿勢を強調した。

    「怒りはあまりなかった。最初のDNSでは多少の怒りや信じられない気持ち、失望はあった」

    「でも中国の後は、そういうものだと受け止めた。すべてが思い通りにいくわけじゃないし、怒ったり落ち込んだりしても意味はない」

    「何も変えられないからこそ、目の前のことに集中して、その状況からできるだけ多くを学ぶことが重要だ」

    「レースを見て、どういう展開になるのか、どのマシンが良さそうか、何か気づけることがないかを探した。それが自分にできることだった」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン) F1 日本GP

    レース不在でも変わらない準備
    2026年はまだ決勝を走れていないものの、準備の進め方自体は変えていないという。

    「レースを見ながらできるだけ多くを学ぼうとしている」

    「今のレースのやり方はかなり変わっているから、そこからできるだけ多くを吸収しようとしている」

    「でもシミュレーターに関しては特別に何かできるわけではないし、簡単に遅れを取り戻す方法もない。実際にレースでベストを尽くすしかない」

    見えている課題と現状の立ち位置
    週末を笑顔で終えるために必要なことを問われると、ピアストリは現実的な目標を口にした。

    「まずはレースにスタートすること。それができれば大きい」

    「最初の2戦はああいう形だったけど、僕にできるのは良いパフォーマンスを発揮することだけだ」

    「今年の予選には満足しているし、自分でコントロールできる部分ではうまくやれていると思う」

    「新しいマシンやレギュレーションにも適応できているし、理解も進んでいる」

    「ただ、それをレースで示す機会がなかった」

    「現状としては、メルセデスやフェラーリの後ろにいるのは明らかだ。だからこそ、コースに出たときに自分ができることを見せるだけだ」

  • ランド・ノリス マクラーレンF1に自信「2026年も最高のマシンにできる」

    ランド・ノリス マクラーレンF1に自信「2026年も最高のマシンにできる」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、2026年F1日本GPを前に、マクラーレンがメルセデスを追い上げるために全力で開発を進めており、今季マシンには「大きなポテンシャル」があると語った。

    マクラーレンは新シーズンの立ち上がりで苦しい展開を強いられている。オスカー・ピアストリはオーストラリアでグリッドに向かう途中にクラッシュし、中国ではメルセデス製パワーユニットに関連する別々のトラブルにより、2台とも決勝をスタートできなかった。

    それでもチームはコンストラクターズ選手権で3番手につけており、ノリスは現在の戦闘力を今後の巻き返しにつなげられる基盤だと捉えている。

    ノリスはマクラーレンの伸びしろを強調
    「このクルマには大きなポテンシャルがある」とノリスは語った。

    「確かに僕たちは望んでいた位置にはいない。でも、おそらく本当の問いは、去年タイトルを勝ち取った今の状況がいいのか、それとも去年タイトルを獲れずに今もう少し良いクルマを持っていた方がいいのか、ということだと思う。そして、僕の答えが何かは分かるはずだ。すべてを手に入れることはできない」

    「チームとして、僕たちは間違いなく自分たちが望む場所、目指す場所にはいない。でもチームの中では、自分たちに何ができるのかをみんな分かっている。今こそ、フェラーリや非常に好調なメルセデスを相手に、チームとして何ができるのかを証明する絶好のタイミングだ。ファクトリーにいるみんなが本当に一生懸命に働いているし、いい進展も出ている」

    「いくつかのことを改善するには時間がかかるし、僕たちは別に悪いわけではない。現時点でもまだ3番手のチームではある。ただ、3番手より1番手の方がずっといいのは確かだ。だから時間が経てば分かることだし、いくつか進めているものもある。さっき言ったように、みんなが懸命に働いている。だから僕たちは再び頂点に戻ることに野心を持っている」

    タイトル争い逆転への自信は失っていない
    コンストラクターズ選手権を連覇しているチームの一員として、ノリスは今季も開発でメルセデスを逆転し、再びタイトル争いに加われると信じている。

    「2024年にメルセデスやレッドブル、フェラーリに対して何ポイント差があったのか正確には覚えていないけど、たしか150ポイント以上離されていたと思う。それでも僕たちは巻き返してコンストラクターズを勝ち取った。今どれだけ離されているのかは分からないし、すでにかなり差はある。でも、今は必ずしもそこを考えているわけではない」

    「僕たちがまず考えているのは、最初に表彰台に戻ること、そして再びレースで勝てるようになることだ。ポイントはその結果としてついてくるし、どこまで取り返せるかを見ていくことになる」

    「僕たちはチームとして自信を持っているし、自分たちを信じている。ここ2年でタイトルを勝ち取ってきたし、去年は最強のクルマを作れたからドライバーズも獲れた。今年もまたグリッドで最高のクルマを作れると僕は確信している。ただ、それには時間が必要だ。我慢しなければならない。でも、僕はチームを強く信じているし、今年も最高のクルマを持てると思っている」

    ランド・ノリス マクラーレン フォーミュラ1カー

    中国でのダブルDNSは原因を特定
    上海でのダブルDNSは、同じメルセデス供給部品に起きた2種類の異なる問題によるものだった。ノリスは、レース間の短い期間の中で原因は特定できたと明かした。

    「HPPと一緒に取り組む中で、状況を把握するまで少し時間はかかった。でも、もちろんチームとしては大きな痛手だった。2台ともレースをスタートできないなんて、チームとして決していい見え方ではなかった」

    「もっとつらかったのは、それが僕たちのコントロール外だったという事実だ。でもHPPとともに、どうして起きたのか、なぜ起きたのかを理解するために懸命に取り組んできたし、もちろん二度と起きないようにできる限りのことをする。でも、こういうことも経験して学んでいくものだ」

    「僕たち全員にとって厳しいものだった。あんな週末を望む者はいないし、特に日曜日をああいう形で始めたい者はいない。だから本当に痛かった。でも同時に、学んで、一歩引いて、そして今週末に向けて前に進むにはいいタイミングでもあると思う」

    マクラーレンにとって開幕2戦は、結果だけを見れば大きくつまずいた形になった。ただ、ノリスの発言からは、戦闘力そのものには一定の手応えがあり、問題を切り分けながら巻き返しを狙っていることがうかがえる。鈴鹿でまず求められるのは、表彰台争いに戻るための確かな一歩になる。

  • レオナルド・フォルナローリ マクラーレンF1初走行 バルセロナで512km走破

    レオナルド・フォルナローリ マクラーレンF1初走行 バルセロナで512km走破

    レオナルド・フォルナローリは、バルセロナのカタルーニャ・サーキットでマクラーレンのTPC(旧型車テスト)プログラムに初参加し、F1マシンでの走行デビューを果たした。2025年F2王者として迎えたこの機会で、2日間にわたり合計110周・512kmを走破した。

    今回のテストは、フォルナローリにとってF1キャリアの重要な一歩となった。燃料負荷を変えながらの走行を繰り返し、低燃料・高燃料双方のコンディションで安定したパフォーマンスを示し、着実な進歩を見せた。

    初のF1走行で得た確かな手応え
    フォルナローリは今回のテストを振り返り、F1マシンでの初走行に強い手応えを示した。

    「F1マシンを実際に走らせるのは本当に信じられない感覚だ。この2日間は素晴らしい経験で、多くのことを学ぶことができた」

    「このマシンは最新世代とは異なるけど、実際にコースで走れることはリザーブドライバーとして非常に重要だ」

    「シミュレーターとの相関確認という面でも非常に有意義だった。チームのためのサポート業務にも役立つテストだったと思う」

    「この機会をくれたマクラーレンに感謝しているし、またすぐにでもマシンに乗って成長を続けたい」

    今回の走行では、単なる経験にとどまらず、シミュレーターとのデータ相関という重要な課題にも取り組んだ。これは将来的なフリー走行(FP1)出走に向けた準備として位置付けられている。

    レオナルド・フォルナローリ マクラーレン F1

    チームも高評価 若手育成プログラムの成果
    マクラーレンのジュニアドライバープログラム責任者であるアレッサンドロ・アルンニ・ブラヴィも、フォルナローリの走りを高く評価した。

    「チームとして今回のテストには非常に満足している。彼は短時間でマシンに順応し、非常に良い進歩を見せた」

    「ジュニアカテゴリーで見せてきたスピードと学習能力を今回も証明した形だ」

    「こうしたテストはリザーブドライバーとしての準備において極めて重要だし、彼のキャリアにとっても大きな一歩だ」

    「初めてのF1テスト完了を祝福したい。この経験は彼にとって忘れられないものになるはずだ」

    フォルナローリはテスト終了後すぐに日本へ移動し、鈴鹿で行われる2026年F1日本GPに帯同する予定だ。今後もTPCプログラムはシーズンを通じて継続される見込みであり、F1デビューに向けた準備が着実に進んでいる。

  • マクラーレンF1 なぜ自前PUを作らないのか?現実的な壁と将来の選択肢

    マクラーレンF1 なぜ自前PUを作らないのか?現実的な壁と将来の選択肢

    マクラーレンは2026年F1シーズンにおいて、メルセデス製パワーユニット(PU)を使用するカスタマーチームとして参戦している。しかし、中国GPでのダブルDNSという衝撃的な結果を受け、改めて「ワークス化(自社エンジン)」の可能性が議論されている。

    では、なぜマクラーレンはレッドブルのように自前エンジンを作らないのか。その答えは単純ではなく、複数の現実的なハードルが存在する。

    莫大すぎるコストと技術投資
    F1のパワーユニット開発は、単なるエンジン製造ではない。内燃エンジンに加え、バッテリー、MGU-K、制御システムなどが複雑に統合された“ハイブリッドシステム”だ。

    これをゼロから構築するには、数千億円規模とも言われる投資と、数年単位の開発期間が必要になる。

    レッドブルは「レッドブル・パワートレインズ」を設立したが、その背景にはホンダの知見継承と、フォードとの提携という強力な支援がある。完全なゼロスタートではない。

    一方のマクラーレンは、現時点でそうした大規模なエンジン開発基盤を持っていない。

    メーカーではなく“レーシングチーム”である構造
    メルセデスやフェラーリ、アウディのようなチームは、自動車メーカーとしての巨大な研究開発部門を持つ。

    しかしマクラーレンは、あくまでレーシング主体の組織であり、量産メーカーのようなエンジン開発リソースは限定的だ。

    確かにマクラーレン・オートモーティブは存在するが、F1用パワーユニットの開発は市販車とは全く別次元の技術領域であり、そのまま転用できるものではない。

    マクラーレン F1

    過去の“ホンダ時代”のトラウマ
    2015年からのホンダとの再タッグは、性能不足と信頼性問題に苦しみ、結果的に決別に至った。

    当時、ロン・デニスは「ワークスでなければ勝てない」と主張していたが、現実にはワークス体制でも成功は保証されないことが証明された。

    この経験は、マクラーレンにとって「エンジンを握るリスク」の大きさを強く印象付けている。

    現在の契約と短期的な現実
    マクラーレンはメルセデスとのパートナーシップを2030年まで延長している。

    つまり、少なくともこの期間はエンジンを自社開発する選択肢は現実的ではない。

    さらに2026年の新レギュレーション初期は、信頼性トラブルが頻発しており、どのPUメーカーもまだ“完成形”には達していない状況だ。

    今回の中国GPのトラブルも、マクラーレン固有というより「新時代の過渡期」による側面が大きい。

    それでも浮上する“ワークス回帰”の可能性
    それでも今回の件で浮き彫りになったのは、「カスタマーチームの限界」という古くからのテーマだ。

    マクラーレンは2024〜2025年にタイトルを獲得したとはいえ、レギュレーションが変わるたびに優位性がリセットされる。

    その中で、PUとシャシーを完全統合できるワークス体制は、長期的な競争力という点で依然として魅力的だ。

    過去にはトヨタとの接近も報じられており、2030年以降の再編で「新たなワークスパートナー」を模索する可能性は十分にある。

    また、WECハイパーカー向けに社内パワートレイン開発を進めていることもあり、将来的な布石と見ることもできる。

    結論:作れないのではなく“今は作るべきではない”
    マクラーレンが自前エンジンを作らない理由は、技術的に不可能だからではない。

    ・コスト
    ・リスク
    ・組織構造
    ・過去の失敗
    ・既存契約

    これらを総合すると、「現時点では合理的な選択ではない」という判断に近い。

    ただし、今回のように“カスタマーの限界”が露呈する局面が増えれば、その判断が変わる可能性もある。

    2030年以降、マクラーレンが再び“ワークスチーム”という道を選ぶのか。それとも、より強力なパートナーを見つけるのか。

    今回のダブルDNSは、その分岐点を示唆する出来事だったと言える。

  • ピアストリ「少なくともグリッドには着いた」発言が裏目 マクラーレンF1の悪夢

    ピアストリ「少なくともグリッドには着いた」発言が裏目 マクラーレンF1の悪夢

    マクラーレンは2026年F1シーズン序盤で深刻な問題に直面している。中国GPでは2台とも決勝スタートを切ることができず、チームの不振がより鮮明となった。

    その中で注目を集めたのが、オスカー・ピアストリの何気ない一言だった。結果的にその発言は、わずか数分後に皮肉な形で現実となる。

    デビッド・クルサードが明かした“皮肉な一言”
    元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、自身の古巣マクラーレンの状況について言及し、現状を厳しく評した。

    「我々はマクラーレンについて話さなければならない。僕の元チームだ。ここ数年で到達した高みから……まあ、かなり厳しい状況だと言わざるを得ない」

    「完全に歯車が外れてしまったような状態で、2台ともグランプリのスタートすら切れなかった」

    中国GPでは、ランド・ノリスのマシンはガレージから出ることすらなく、ピアストリのマシンも決勝前にトラブルが発生。結果として両車ともDNSとなった。

    「少なくともグリッドには着いた」が現実に
    ピアストリはグリッドに並ぶこと自体には成功していたが、その直後に思わぬ展開が待っていた。

    「僕はオスカーと、彼がグリッドを離れてトイレに向かうときに話したんだ。そのとき彼は『まあ今回は少なくともグリッドには着いたよ』と言っていた」

    「だが彼は、自分がトイレから戻ってきたときにマシンがリタイアしているとは思ってもいなかったはずだ」

    「明らかにマシンの信頼性に問題がある。彼らはエンジンサプライヤーであるメルセデスを指摘しているが、状況は非常に速く変わるものだ」

    なおピアストリは開幕戦オーストラリアGPでもスタート前にアクシデントに見舞われており、これで2戦連続の未出走となった。

    問われるドライバーの忍耐と将来
    クルサードは、こうした状況が続いた場合のドライバー心理にも言及した。

    「短期的な将来だけでなく、長期的に見て他にどんなチャンスがあるのかという疑問が必ず出てくるだろう」

    「レーシングドライバーは電球のようなものだ。強く輝いているときは使われ、そうでなければ外される。そしてチームがドライバーに対してそれをするように、ドライバーもチームに対して同じことができる」

    マクラーレンの不振が続けば、ピアストリを含むドライバーの将来にも影響を及ぼす可能性がある。序盤2戦で露呈した信頼性問題は、今後のシーズンの行方を左右する大きな要素となりそうだ。

  • アストンマーティンF1×ホンダ 2015年マクラーレン超えの苦境 データが証明

    アストンマーティンF1×ホンダ 2015年マクラーレン超えの苦境 データが証明

    2026年F1シーズン開幕からの2戦は、アストンマーティンとホンダにとって極めて厳しいスタートとなった。かつてのマクラーレン・ホンダ(2015年)と重なる苦境だが、現時点ではそれを上回る深刻さすら見えている。

    ホンダとフェルナンド・アロンソという“共通項”を持ちながら、チームをアストンマーティンに変えた新プロジェクト。しかし、その序盤は「再現」ではなく「悪化」と言える状況に陥っている。データはその現実を明確に示している。

    オーストラリアで露呈した“2015年以上”の出遅れ
    2015年のマクラーレン・ホンダも準備不足と信頼性問題に苦しんだが、2026年のアストンマーティン・ホンダはさらに深刻だ。

    両者に共通するのは、パワーユニットの出力不足、信頼性の低さ、そして深刻な振動問題である。しかし2026年は、それに加えてセッション欠場という事態まで発生している。

    実際、アストンマーティンはオーストラリアでフリー走行2回と予選1回を失っており、走行機会そのものが大きく制限された。

    一方で2015年のマクラーレンは、苦戦しながらも最低限の走行は確保していた。ジェンソン・バトンは完走し、周回遅れながらもレース距離を走り切っている。

    総走行距離でも2015年の136周に対し、2026年は128周と下回っており、開発とデータ収集の面でも遅れが顕著だ。

    パフォーマンスと信頼性の両面で後退
    パフォーマンス面でも、アストンマーティンはより不安定な状態にある。

    2015年マレーシアGPでのマクラーレンは、トップからおよそ2.5秒差で安定していたのに対し、2026年のアストンマーティンは1.9秒から4.5秒と大きく変動している。

    このばらつきは、マシンの根本的な不安定さを示している。

    さらに信頼性の改善という点でも、両者の差は明確だ。

    マクラーレンはオーストラリアの136周から、マレーシアでは192周へと大幅に周回数を増やし、短期間で改善の兆しを見せた。

    しかしアストンマーティンは、中国GPでも129周にとどまり、オーストラリアからほぼ横ばい。実質的に進歩が見られていない。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “再現”ではなく“悪化”したホンダの初期フェーズ
    2015年当時のホンダは準備不足が指摘されていたが、2026年も同様に、2022年に一度撤退した体制の再構築が遅れた影響が見えている。

    その結果、パワーユニットは非力かつ脆弱で、振動問題も解決されていない。

    ただし今回の特徴は、マクラーレン時代よりも「改善スピードが遅い」点にある。

    2015年は数戦で一定の進歩が見られたが、2026年は2戦を終えても明確な改善が確認できていない。

    これは単なる初期トラブルではなく、より構造的な問題の可能性を示唆している。

    問われるのは“どこまで持ち直せるか”
    2015年のマクラーレンは第6戦で初ポイントを獲得し、最終的に27ポイントを積み上げた。

    では、アストンマーティンはどうか。

    現時点では、その再現すら容易ではない状況にある。

    ただし、2026年はレギュレーション変更初年度であり、開発余地は大きい。裏を返せば、挽回のチャンスも残されている。

    それでも、このスタートが「単なる遅れ」なのか、それとも「致命的な構造問題」なのか——。

    その答えは、日本GP以降の数戦で明らかになっていくことになる。

  • F1王者ランド・ノリスの蝋人形が今夏ロンドンのマダム・タッソーに登場

    F1王者ランド・ノリスの蝋人形が今夏ロンドンのマダム・タッソーに登場

    ランド・ノリス(マクラーレン)の蝋人形が、今夏にロンドンのマダム・タッソーで展示されることになった。2025年のF1ワールドチャンピオンに輝いたノリスは、今年初めに制作チームを訪れ、自身の姿を精密に再現するための作業に参加した。

    マダム・タッソーのリリースによると、制作チームはヘルメットからつま先まで、色味の確認や各部の採寸を含めて「正確なあらゆるディテール」を記録してきたという。

    F1で高い人気を誇ってきたノリスは、昨季にマックス・フェルスタッペン、そしてマクラーレンのチームメイトであるオスカー・ピアストリとの接戦を制して初のタイトルを獲得し、その知名度をさらに高めた。

    ノリス「本当に大きな名誉」
    「自分のフィギュアがマダム・タッソーに置かれるなんて、本当に不思議な気分だし、とても大きな名誉だ」とノリスは語った。

    「アーティストたちと一緒に作業するのは素晴らしかったし、彼らがこのフィギュアに注ぎ込んだ細部を見て本当に感銘を受けた。今夏にロンドンで完成したフィギュアをファンに見てもらうのが待ちきれない」

    この蝋人形は、ロンドンの施設にすでに展示されている著名人のフィギュアと並んで公開される。そこにはルイス・ハミルトン、クリスティアーノ・ロナウド、モハメド・サラー、メアリー・アープス、アンソニー・ジョシュア、キリアン・エムバペ、さらに英国王室のメンバーも含まれている。

    ランド・ノリス マクラーレン F1

    制作側も“ポールポジション級”の仕上がりに自信
    「ランド・ノリスは、現代のスポーツとカルチャーの最前線にいる存在だ。野心的で、恐れを知らず、世界中のファンから非常に高い人気を集めている」と、マダム・タッソーのゼネラルマネージャーを務めるスティーブ・ブラックバーンは述べた。

    「ランドとの作業を始めた瞬間から、我々が本当に特別なものを作っていることは明らかだった。我々のチームは、完全に本人そっくりの仕上がりを実現するために全開で取り組んできた」

    「彼は制作の全工程を通じて素晴らしい協力をしてくれた。いつものように走り回ることなく、辛抱強くじっと座ってくれていた。我々は彼のフィギュアを表彰台仕様に仕上げるべく作業を進めており、今後数か月のうちに来場者がランドのそっくりな姿と対面できることを非常に楽しみにしている」

  • マクラーレンF1 中国GPでダブルDNS 原因はメルセデス関連も責任追及せず

    マクラーレンF1 中国GPでダブルDNS 原因はメルセデス関連も責任追及せず

    マクラーレンF1は2026年F1中国GPで、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリの2台がそろってスタートできない異例の事態に見舞われた。チーム代表のアンドレア・ステラは、初期分析の結果として問題がメルセデス製パワーユニットに関連する領域で発生したことを認めた。

    ただしステラは、責任をパワーユニットサプライヤーに押し付ける姿勢は明確に否定した。

    マクラーレンとメルセデスHPP(ハイ・パフォーマンス・パワートレインズ)は「ワンチーム」としてこの失望すべき出来事に向き合い、再発防止に取り組む考えを強調している。

    アンドレア・ステラは“ワンチーム”を強調
    アンドレア・ステラは、ノリスとピアストリをスタート不能に追い込んだ問題について、メルセデスHPPと共同で原因を調査していく考えを示した。

    「我々はHPPとともに、これらのトラブルの理由を検証することになる」とアンドレア・ステラは語った。

    「そして、私がチームのみんなにもHPPにも言ったように、我々はワンチームとして進む」

    「ワンチームとして、この失望の一日と向き合うし、将来に向けて二度と起こらないようにしていく」

    ノリス車はPU電気系との通信不能
    ステラによると、ランド・ノリスのマシンではグリッドへ向かう準備の段階で、パワーユニットの電気系に問題が発生していた。該当コンポーネントとの通信ができなくなっていたという。

    「明らかに失望の一日であり、かなりフラストレーションのたまる一日だった」とステラは述べた。

    「なぜなら我々はコース上で走るためにレースをしているのであって、今日は他のクルマがレースをしている一方で、2台のマクラーレンがガレージの中にいるのを目にしたからだ」

    「今日起きたのは、ランドのクルマでグリッドへ向かう周回の準備中に、パワーユニットの電気系に問題があることが確認されたということだ。このコンポーネントと通信することができなかった」

    「我々はその問題の修正を試みた。我々は、その部品そのものを交換しなくても済むように、可能な限り多くの部品を交換しようとした。なぜなら、その部品自体を交換するには非常に時間がかかり、レーススタートには間に合わなかったからだ」

    「しかし問題を修正する方法はなく、ランドのクルマはガレージを離れられる状態にまったくなっていなかった」

    ステラは、当初はECU側の可能性も疑い、短時間で交換できることから対応を試みたことも明かした。

    「我々はECUの交換を試みた。というのも、バッテリーとの通信ができていない状態だった一方で、ECUの交換は数分で済むからだ」

    「ECUが原因かもしれないと仮定し、ECU交換に踏み切ったが、状況は変わらなかった」

    マクラーレン F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ピアストリ車は同領域の別トラブル
    一方のオスカー・ピアストリは、マシン自体は問題なくグリッドまで到着した。しかしフォーメーションラップ前になると再始動できなくなり、そのままマクラーレンのガレージへ押し戻されることになった。

    ステラによれば、こちらも同じくパワーユニットの電気系に属するコンポーネントが関係していたが、ノリス車とは別種のトラブルだったという。

    「オスカー側では、クルマはまったく問題なくグリッドまで行くことができた」とステラは説明した。

    「しかしグリッドに着いてから、ランドと似た形で再びクルマに火が入らなくなった。ただ、オスカー側では問題の診断はより容易で、やはりパワーユニットの電気系にある同じコンポーネントの問題のようだが、性質としては異なる問題に見える」

    同時発生は“異例で特徴的ではない”
    ステラは、同じレースで、同じ系統のコンポーネントに、しかも致命的な2件のトラブルが同時発生したことについて、極めて異例だと認めている。

    「同じコンポーネントで、ほぼ同時に2つの致命的な問題が起きるというのは、かなり例外的であり、そのコンポーネントの性格としても普通ではない」とステラは語った。

    「このケースでは、それはパワーユニットの電気系にある」

    そのうえで、当該領域はマクラーレンが直接管理する部分ではなく、メルセデスHPPからの報告を全面的に信頼しているとした。

    「明らかに、これはマクラーレンの管理下にないクルマの領域なので、我々はHPPから報告される内容に完全に依存しているし、その報告を全面的に信頼している」

    「そして現時点での彼らの報告によれば、2つの問題は性質が異なる。だから、同じタイミングで、同じグランプリで、しかも両方とも致命的だったというのは、単なる偶然のように見える」

    マクラーレン側要因の可能性は現時点で低い
    クラッシュネットから、車両側とのインターフェースが原因である可能性について問われたステラは、現段階ではその可能性は低いとの見方を示した。ただし、今後の詳細調査次第では評価が変わる余地も残している。

    「現時点では、それがケースだとは見えていない」とステラは述べた。

    「ただ、言ったように、診断や部品の点検ができているのはまだその段階までだ」

    「もう少し深く調べることができれば、より包括的な評価が可能になるし、実際にマクラーレン側に何かあったのかどうかも確認できるだろう」

    根本原因はなお特定に至らず
    またステラは、メルセデス側も現時点では不具合の発生理由そのものまでは特定できていないと説明した。データや外観上の確認だけでは、より具体的な根本原因を指し示す材料がまだ得られていないという。

    「現時点で、これらの問題は“何が起きたのか”という意味では理解されているが、“なぜ起きたのか”という根本原因の意味ではまだ完全には理解されていない」

    「これには点検、物理的な点検が必要になる。なぜなら、利用可能なデータや、あるいは表面的な外観確認からは、ある特定の、より詳細な根本原因を示すものは何もないからだ」

    「一般的に、問題があるのはある領域だと言えるところまでだ」