カテゴリー: マクラーレンF1チーム

  • ランド・ノリス F1マイアミGPスプリントポール「チームへの報酬になった」

    ランド・ノリス F1マイアミGPスプリントポール「チームへの報酬になった」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、2026年F1マイアミGPのスプリント予選で1分27秒869を記録し、土曜のスプリントをポールポジションからスタートする。現チャンピオンのノリスは、選手権首位のキミ・アントネッリを0.2秒以上上回り、2026年シーズンで初めてメルセデス以外が予選形式のセッションでトップに立った。

    マクラーレンはマイアミにMCL40のアップグレードを投入しており、ノリスはSQ2で「ひどかった」と振り返る走りから一転、SQ3で完璧に近い一撃を決めた。

    ノリスにとってマイアミは2024年にF1初優勝を挙げた場所でもあり、チームとしても過去2年にわたって好結果を残してきた相性のいい舞台だ。

    ノリス「チームへのいい報酬になった」
    「素晴らしかった。僕たちにとって完璧な結果だった」とノリスはマシンを降りた後に語った。

    「チームへのいい報酬になった。マシンにはたくさんの新しいアップグレードが入っているから、また少しグリップを感じられるのはうれしいし、そのために多くの作業をしてくれたチームの男性たち、女性たちに報いることができてよかった」

    「僕はずっとマイアミが好きだった。コース上でも、コース外でもね。僕たちにとっていい結果だ。もちろん、まだ週末の始まりにすぎないし、先は長い。でも、こういう形でスタートできたのはうれしい」

    アップグレードの効果を実感「見積もりは正しかった」
    ノリスは、マイアミ・インターナショナル・オートドロームが以前からマクラーレンに合っていたことを認めつつ、今回持ち込まれたアップグレードが期待どおりの効果を発揮したと説明した。

    「このトラックがいつも僕たちに合っていることは分かっていた。でも、僕たちが持ち込んだものがいいステップになることも分かっていたし、実際にそうなった」

    「僕たちの見積もりが正しかったと証明されたのはうれしい。チームはそれに値する。彼らはこうしたすべてのものに多くの作業を注いできた。でも、今日の最初のラップから快適に感じていた。リアのグリップが少しあり、いい感触だった」

    「ここではいつもいい感触があるし、それを実行できるのはいつだっていいことだ。週末をポールで始められるのはいい」

    ランド・ノリス(マクラーレン) マイアミグランプリ

    SQ2の不振から一転「1周か2周か迷っていた」
    金曜のマイアミは路面温度が50度を超えるコンディションとなり、タイヤ温度の管理も難しい状況だった。ノリスはSQ2で苦戦したため、最終アタックを1周にするか2周にするか迷っていたという。

    「かなり大変だった」

    「僕のQ2はかなりひどかった。1秒くらい遅かったから、最後のランに向けて自信が湧くようなものではなかったし、1周にするのか2周にするのか迷っていた」

    「ウィル(ジョセフ)が僕を後押しして、『1周で行く』と言った。そしてそれがうまくいった。チーム全体のいい仕事だった。僕たちはすぐにすべてをいいウインドウに入れることができたから、彼らをとても誇りに思っている」

    「でもラップはよかった。ターン16からバックストレートにかけてを除けばよかった。完全に外してしまった」

    「風もあって難しいコンディションだった。風は大きな影響を与えることがある。ただうれしい。ここに戻ってこられてうれしい。少し時間が空いていたからね。僕にとって週末を始める完璧な形だ」

    ピアストリ「今日の結果は偶然ではない」
    チームメイトのオスカー・ピアストリは、ノリスとアントネッリに続く3番手を獲得した。ピアストリは、マクラーレンの速さが本物であり、マイアミの暖かいコンディションも助けになっていると見ている。

    「ポテンシャルはあると思う。そうだね」

    「今日の結果は偶然ではない」

    「様子を見る必要はある。メルセデスはまだとても強いと思っている。でも、今週末ここまでのところでは、彼らはそれほど支配的には見えていない。それが明日も続くかどうかを見てみよう」

    マクラーレンにとって、今回のスプリントポールは単なる一発の結果ではなく、アップグレードの方向性を示す重要な材料となった。メルセデスが2026年シーズン序盤の予選で維持してきた優位を初めて崩したことで、マイアミの週末はタイトル争いと勢力図の両面で注目度を高めることになった。

  • ランド・ノリス F1新規則に冷静評価「予選は向上もレースは変化なし」

    ランド・ノリス F1新規則に冷静評価「予選は向上もレースは変化なし」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、F1マイアミGPのメディアデーで、2026年F1シーズン中に導入されたレギュレーション変更について慎重な見方を示した。FIAによる調整は一定の改善をもたらすものの、決勝レースの性質を大きく変えるものではないと語っている。

    マクラーレンはマイアミにアップデートを投入するが、ノリスはその効果についても過度な期待を避けた。スプリント週末という制約のなかで、新パッケージをすぐに最大限引き出すのは簡単ではないという認識だ。

    ノリス「できることには限界がある」
    メディアに対し、ノリスはFIAが導入した変更について、主に予選面での改善を認めた一方、決勝への影響は限定的だと説明した。

    「正直に言って、それ以上に大きく進めるのは難しい。いくつかの問題を解決しようとすると、別の問題が出てくることが多い。レギュレーションの中でできることには限界がある」

    「多くの変更は正しい方向に進んでいる。特に予選に関してはそうだ。レースはそれほど大きく変わらない。いくつかの部分は基本的に同じままだが、予選はより一発のラップに近いものになる。それはポジティブだ」

    ノリスの見方は、マックス・フェルスタッペンが新たな変更を十分ではないと評した流れにも重なる。F1は改善に向かっているものの、すぐにレースの構図を一変させる段階にはないという評価だ。

    マクラーレンのアップデートにも慎重な姿勢
    マクラーレンの技術パッケージについても、ノリスは一定の信頼を示しながら、即効性については慎重だった。

    「すぐに大きなゲインをもたらすとは限らない」

    「僕たちには、アップデートが機能してきた良い歴史がある。だから信じたい。ただ、今回はスプリント週末だし、すべてを最大限に活用するのは簡単ではない」

    マクラーレンは昨年のような支配的な立場にはないが、日本GPでオスカー・ピアストリが表彰台を獲得するなど、上位争いに残る競争力は示している。マイアミに持ち込むアップデートは、その流れを強めるための重要な一手となる。

    ウォーキングのチームは、大幅に見直されたマシンとアップデートパッケージによって、まずフェラーリを射程に入れ、その先にメルセデスを見据える。ノリスの慎重な言葉は、期待を抑えながらも、マクラーレンが反撃の準備を進めていることを示している。

  • オスカー・ピアストリ ハミルトンがF1王座を獲得したマクラーレンMP4/23で走行

    オスカー・ピアストリ ハミルトンがF1王座を獲得したマクラーレンMP4/23で走行

    2026年F1マイアミGPを前に、マクラーレンはファンイベントで歴史的マシンのデモ走行を実施し、オスカー・ピアストリがルイス・ハミルトンの2008年タイトル獲得マシン「MP4/23」をドライブした。中東での開催中止の影響で延期された“通算1000戦目”の節目を祝う形で行われた特別イベントだった。

    この体験は単なるデモ走行にとどまらず、現代F1との対比を浮き彫りにする機会ともなった。

    ピアストリはV8自然吸気時代のシンプルさと現在の複雑なハイブリッド時代の違いを実感し、現行レギュレーションや将来像についても率直な見解を示している。

    V8時代のマシンに「特別な感覚」
    ピアストリはマクラーレンのファンイベントで、ランド・ノリス、ミカ・ハッキネン、エマーソン・フィッティパルディとともに歴代マシンのデモ走行に参加した。

    「それはクールだった」とピアストリは語った。

    「昔のマシンを運転するのはいつだって楽しい。音はかなり特別だったし、もう少しシンプルで、その感覚自体がすごくいいものだった」

    「チームにとっても特別な日だったけど、自然吸気のV8をドライブできたのは良かった」

    現代F1との対比と“シンプルさ”への回帰
    この体験は、現在のF1に対する考えにも影響を与えている。木曜のFIA記者会見で現行レギュレーションについて問われたピアストリは、過去のマシンとの違いに言及した。

    「今でも自分はF1ドライバーだと言える。それはいつでもクールなことだ」

    「嫌いな点? ネガティブな部分はあまり思いつかない」

    「正直に言えば、昨日2008年のマシンに乗って、過去のクールなマシンを見たことで、そういう要素を将来に取り戻せたらすごくいいと思う」

    「プロダクトとしては、明らかに改善のための変更が行われていると思う」

    重量問題「本当の解決には50〜100kg必要」
    ピアストリは現代F1の大きな課題として車重の重さを改めて指摘した。2026年レギュレーションで約30kgの軽量化が予定されているが、それでは不十分だと語る。

    「昨日乗ったマシンの重量は分からないけど、大きな違いを出すには50kg以上、正直言えば100kgに近いくらいは必要だと思う」

    「マシンはまだとても重い」

    「600kg台に戻せれば良いと思う」

    「500kg台やそれに近いところに戻ることはないだろう」

    「そこに到達する唯一の方法はバッテリーを外してエンジンをシンプルにすることだと思うけど、必ずしもそこまでやる必要はないと思う」


    レギュレーション変更は「正しい方向だが表面的」
    FIAがマイアミに向けて導入した調整については前向きに評価しつつも、根本的な解決には至らないとの見方を示した。

    「協力体制は良いし、変更を試みているのは正しい方向への一歩だと思う」

    「パワーユニットのハードウェアを変えない限り問題は解決しない」

    「どれだけ効果があるかは見てみないと分からない」

    マクラーレンの現状とマイアミの見通し
    2026年シーズン序盤で苦戦が続くマクラーレンは、マイアミにアップデートを投入するが、ピアストリは慎重な見方を崩していない。

    「速くなっていることを期待している。それが計画だ」

    「でも今週末にメルセデスと戦えるほどではないと思う。ただ、正しい方向には進んでいる」

    スプリントフォーマットと天候の不確実性が重なる週末については、対応力が鍵になると強調した。

    「変化の多い週末になるだろうし、他よりもうまく適応することが重要になる」

    「それができれば、本来の位置より上でフィニッシュできるチャンスはあると思う」

  • マイアミGPに潜むF1戦略リスク マクラーレン幹部が語るスプリント週末の難しさ

    マイアミGPに潜むF1戦略リスク マクラーレン幹部が語るスプリント週末の難しさ

    F1は1か月の中断期間を経て、マイアミGPで再開する。華やかな雰囲気や多くのセレブリティに注目が集まりやすい一方で、マイアミ・インターナショナル・オートドロームは、ドライバー、マシン、そして戦略部門に複雑な判断を求めるサーキットでもある。

    特に2026年のマイアミGPは、スプリント形式によってプラクティス時間が限られるうえ、新たなレギュレーション変更や各チームのアップデート投入も重なる。

    限られた走行データのなかで、どのタイヤを温存し、どのタイミングでリスクを取るかが、週末全体の流れを左右する。

    本記事は、F1公式リスクパートナーであるMarshとの提携企画「THE RISK PERSPECTIVE」として、各チームの判断に潜むリスクの視点からマイアミGPを読み解く。

    スプリント週末で増すタイヤ判断のリスク
    マクラーレンは過去2年のマイアミGPを制しており、2025年にはランド・ノリスとオスカー・ピアストリがスプリントと決勝でワンツーを分け合い、スプリント時代で初めて週末最大ポイントを獲得したチームとなった。

    そのマクラーレンで戦略グループを率いるレーシングディレクターのランディ・シンは、マイアミに向けて多くの変数があると語る。

    「どのレースでも、タイヤの挙動には常に未知の部分がある」

    「通常は、サーキットについては年を追うごとに学び、マシンについてはシーズンを通じて学んでいく。戦略にとって現時点で最大の未知数は後者だ。まだ3レースしか終えていないからだ」

    フロントランナーの戦略担当者にとって重要な判断のひとつが、予選でどのタイムを“安全圏”と見なすかだ。最初のアタックで十分なタイムを出したマシンは、それ以降の走行を見送り、週末後半に向けてタイヤを温存できる。

    だが、その判断には、路面がどれだけ進化するか、遅いマシンがどの程度のペースを出せるかを読む必要がある。

    「今年は簡単ではない。他チームのペースに関する実測データが十分にないからだ」

    「通常、シーズン序盤は勢力図がより動きやすいし、スプリントイベントでは金曜の最初の予選セッションが難しい。あまり走行を見ていない状態で臨むことになるからだ。さらに、さまざまなマシンのアップデートも考慮しなければならない」

    「ただし、少し簡単になる点もある。スプリント予選のSQ1とSQ2の判断は、通常の予選とは微妙に異なる。もう1セットのタイヤを使うかどうかではなく、許されている1セットをどれだけ使うかを決めるだけだからだ」

    1回のフリー走行で問われるミディアムかハードかの選択
    スプリント週末では、各車にハード2セット、ミディアム4セット、ソフト6セットが割り当てられる。さらにスプリント予選では、SQ1が新品ミディアム、SQ2も新品ミディアム、SQ3進出車は新品ソフトの使用が義務づけられる。

    シンによれば、最も難しい戦略判断は、唯一のフリー走行でどのタイヤを使うかだ。

    「最も難しい戦略判断は、1回しかないフリー走行でどのタイヤを使うかになることが多い」

    「通常はミディアムかハードの選択だ。ハードを使えば、決勝で使えるハードは1セットだけになる。しかしミディアムを使えば、スプリント予選の2セグメント、スプリント、決勝を乗り切るにはミディアムが十分ではなくなる」

    「その判断を助けるための走行データはない。だから、今年の他イベントから得た情報、昨年のマイアミでの情報、そしてファクトリーでのシミュレーションや分析に頼る必要がある」

    もうひとつの重要な判断が、スプリントのスタートタイヤだ。ソフトは立ち上がりで有利になる可能性がある一方、スプリント距離でどう機能するかは十分に分からない。ミディアムを選ぶ場合でも、新品を使うか、スプリント予選で使った中古を使うかという選択が残る。

    新品タイヤはスプリントで有利かもしれないが、日曜の決勝スタートに温存したいという考えもある。

    マイアミ攻略の鍵はターン11から16の低速区間
    マイアミ・インターナショナル・オートドロームにはオーバーテイクの可能性が多いが、ドライバーが大きな差をつけるのはターン11から16にかけての複雑なスタジアム区間だ。

    この区間は低速コーナーと高低差が組み合わされ、フロリダ・ターンパイクのアクセスランプ下を縫うように走る。橋のクリアランスやクレスト通過時の安全要件を満たすため、速度は低く抑えられる。

    F1マシンは高速コーナーを駆け抜ける姿が最も映えるが、低速区間ではドライバーの精度がより明確に表れる。針の穴を通すようなライン取りで、得るものも失うものも大きい。

    2026年型マシンで変わるセットアップの考え方
    過去のマイアミでは、予選ラップに最適なダウンフォース量よりもわずかに削り、ストレートエンドでの速さを確保する妥協が一般的だった。

    しかし2026年は事情が少し異なる。3本のストレートはいずれもストレートモードゾーンとなり、マシンは自動的に低ドラッグ構成へ移行するためだ。

    第1セクターの高速スイーパーはマイアミを高速サーキットのように見せるが、実際にはF1が訪れるなかでも低速寄りのサーキットだ。各チームは低速コーナーで縁石を使い、走行ラインを狭めるため、ロール剛性を少し柔らかくする方向に向かう。

    一方で路面は非常に滑らかなため、ヒーブ剛性は高めに保つことができる。それにより、空力荷重を最適化しやすくなる。

    ノリスが語る2026年マイアミのレース像
    ランド・ノリスにとって、マイアミは特別な場所だ。2024年にF1初優勝を挙げ、2025年にはスプリントで勝利し、決勝でも2位に入った。

    2026年のマシンは大きく変わっているが、ノリスはそれがレースの性質を根本的に変えるとは考えていない。

    「ある意味では、それほど多くのことは変わらない」

    「高速の第1セクターがあり、非常に低速の中間セクターがある。ストレートとコーナーの配置を考えると、バッテリーをどう使うか、あるいはどう温存するかという点で、かなり良いレースになる可能性がある」

    「オーバーテイクのために使いすぎれば、次のストレートで相手がすぐに抜き返してくることは分かっている。でも、素晴らしいレースになるかもしれない。本当に様子を見る必要がある」

    「過去数年、このサーキットでは僕たちは非常に良いパフォーマンスを発揮してきた。ドライバーとしてだけではなく、チームとしてだ。昨年はペースという点でシーズン最高のサーキットのひとつだったし、今年も他の場所より少しマシンに合っているかもしれない」

    2024年ノリス初優勝を決めたセーフティカーの妙
    マイアミGPは2022年に初開催された。そのなかで最も印象的なレースのひとつが、2024年のノリス初優勝だった。

    ノリスは6番手スタートで、フロント集団の後方につけていた。ほかの上位勢と同じくミディアムでスタートし、タイヤを労わりながら無理に攻めすぎず、前のマシンがピットに入るなかで順位を上げていった。

    27周目には首位に立ち、オーバーカットを機能させていたが、決定的だったのは29周目に出たセーフティカーだった。

    通常のグリーンフラッグ下でのピットストップは17秒を失うが、セーフティカー中ならそれが9秒に縮まる。ノリスはピットに入りながら首位を守ることができた。

    ノリスにとって幸運なタイミングだったのは事実だが、早めにピットへ入り、アンダーカットを仕掛けたり、新しく速いタイヤでアンダーカットを防いだりする側は、まさにこうした展開をリスクとして背負っている。

    2023年フェルスタッペンのハードタイヤ戦略
    2023年のマイアミでは、マックス・フェルスタッペンが9番手スタートから異なる道を選んだ。トップ10のうち8台がミディアムを履くなか、フェルスタッペンはエステバン・オコンとともにハードを選択した。

    速いマシンが本来より後方にいる場合、ロングスティントを狙い、ミディアムやソフト勢がピットインしたところでトラックポジションを得る戦略は珍しくない。

    ただしフェルスタッペンの場合、より頑丈なハードで長く攻め続け、コース上で順位を上げていった。3周目に8番手、4周目に6番手、8周目までに5番手、9周目には4番手に浮上。14周目にカルロス・サインツ、15周目にフェルナンド・アロンソを攻略し、チームメイトのセルジオ・ペレスの背後に迫った。

    ペレスが20周目終わりにピットインすると、フェルスタッペンは首位に立った。その後もプッシュを続け、45周目に自らのピットストップを行った時点で、ペレスのわずか1.7秒後方に戻った。

    大きなタイヤ差を生かして容易に抜き返し、そのまま勝利へ向かった。マイアミでフェルスタッペンが越えるべき山は大きかったが、完璧な戦略によって、その登りを穏やかな散歩のように見せた。

    華やかさの裏で問われるリスク管理
    マイアミGPはショーとしての華やかさが際立つ一方で、F1チームにとっては判断の連続となる週末だ。限られたプラクティス、タイヤ配分、スプリント形式、新レギュレーション、アップデート投入、そして低速区間とストレートモードの組み合わせが、戦略とセットアップの難度を押し上げる。

    速さだけではなく、どのリスクを取り、どのリスクを避けるか。その判断の精度が、2026年マイアミGPの結果を大きく左右することになる。

    Source: Formula1.com / Marsh

  • マクラーレンF1が警鐘 2026年PUは限界 ハード変更議論が継続

    マクラーレンF1が警鐘 2026年PUは限界 ハード変更議論が継続

    2026年F1レギュレーションを巡る調整は、マイアミGPに向けた暫定的な修正にとどまらない可能性がある。FIAと各チームが合意したエネルギー管理の変更は一定の改善をもたらす見込みだが、より根本的な問題は依然として残されている。

    その中でマクラーレンは、現在の問題を完全に解決するにはパワーユニットそのもの、すなわちハードウェアに踏み込んだ変更が必要になるとの見解を示した。単なる運用調整では限界があるという認識が、すでにパドック内で共有されつつある。

    マイアミ向け修正は「対症療法」に近い
    今回の調整では、エネルギー回生量の削減やスーパークリッピングの350kWへの拡張によって、2026年型マシン特有の挙動が緩和される見込みだ。リフト・アンド・コーストは減少し、ストレート終盤での急激な失速も抑えられるとされている。

    実際のデータでも、短〜中距離の加速区間後のブレーキングでは、従来に近い速度推移へ戻る傾向が確認されている。ただし、長いストレートでは依然として最高速の落ち込みが残る可能性がある。

    シミュレーション上では一定の改善が見込まれているものの、その効果が明確になるのはマイアミおよびモントリオール以降とされている。

    ステラ「根本解決にはハードウェア変更が必要」
    アンドレア・ステラは、より大きな改善にはハード面の変更が不可欠だと指摘した。

    「もしFIAが完全に自由にパワーユニットを使うことを許した場合、現実的にはチームはラップタイムを最大化する方向で使うことになる」

    「しかしラップタイムの最適化は、自然なドライビングや予選でのフルプッシュ、あるいはレース中の速度差といった要素を必ずしも考慮しない」

    「今回のような調整は、ドライバーがフルプッシュできる状態を作り、レース中の速度差を減らすために必要だ」

    「より本質的な改善、たとえばエネルギー不足の解消や、高速コーナーで減速が不足するような状況を改善するには、ハードウェアに手を入れる必要があるかもしれない」

    「例えばバッテリー容量の増加や、内燃エンジンの燃料流量を増やすことが考えられる」

    「ただし、こうした変更は1戦ごとに導入できるものではなく、シーズン単位でも難しい可能性がある」

    「それでも、より根本的に改善するための議論はすでに始まっている。規則として十分な余裕を持たせることで、ショーとしての魅力と、ドライバーが限界まで攻められる環境の両立を図る必要がある」

    マクラーレン

    残る“エネルギー制約”とF1の本質
    パフォーマンスディレクターのマーク・テンプルも、新世代PUにおける「エネルギー制約」は完全には消えないとの見方を示した。

    「新しいパワーユニットでは、エネルギーをどこで使うかを考える必要がある状況は残る。『エネルギー不足』という言い方は強すぎるかもしれないが、効率的に使う必要があるフォーミュラであることは確かだ」

    「以前のようにパワーユニットを気にせず走ることはできないが、それは過去に燃料管理が重要だった時代と大きくは変わらない」

    「ここ数年は燃料管理の影響が小さかっただけで、レースにおいて完全に無関係だったわけではない」

    「今回の変更によって、リフトして効率を落とし、再び加速するような直感に反する挙動は排除されるはずだ」

    「ただし、想定していなかった問題が出てくる可能性もあり、その場合は再評価が必要になる」

    今回の議論が示しているのは、2026年F1が単なる調整段階を超え、「設計思想そのもの」の見直しに入りつつあるという点だ。エネルギー配分というコンセプトは維持される一方で、そのバランスをどこに置くべきか──その答えは、すでに次の規則サイクルに向けて模索が始まっている。

  • オスカー・ピアストリ F1予選の変化を説明「想定外のデータを見る必要がある」

    オスカー・ピアストリ F1予選の変化を説明「想定外のデータを見る必要がある」

    マクラーレンのオスカー・ピアストリは、2026年F1レギュレーションによって予選のアプローチが大きく変化したことを明かし、従来とはまったく異なる準備とドライビングが求められている現状を説明した。

    新世代マシンでは、単純に限界まで攻めるのではなく、エネルギーマネジメントを前提とした走りが必要となっており、結果として“全開で走ること”が最速につながらないケースが増えている。

    この状況はドライバーにとってもファンにとっても従来のF1とは異なる感覚をもたらしている。

    予選は“感覚”から“データ主導”へ
    ピアストリは、新レギュレーションへの適応について、これまでにない形での分析が求められていると説明する。

    「かなりエネルギーを使っていると思う。主に、これまで見てこなかったような予想外の領域を見ているからだ」

    「予選ラップを始めるときに、どのタイミングでフルスロットルにするべきかを探っている。これまでそんなことを気にする必要はなかった。どのコーナーでどうアクセルを踏み直すか、そのコーナーの速度によってバッテリーやパワーユニットの挙動が変わる。そういった、今までやる必要のなかったことをすべて理解しようとしている」

    従来であればブレーキングやライン取りといった“ドライバーの感覚”が中心だったが、現在はエネルギーの使い方がラップタイムの大半を左右している。

    「探すべきものが直感的ではない。ここで少し遅らせてブレーキを踏むといった、普通のドライバーの調整とは違う。クルマを限界まで持っていき、タイヤの感触を感じるようなものではなく、反応がすぐに返ってくるわけでもない」

    「すべてを試行錯誤で確かめなければならない。本当に正しくできているのかを理解するためにね。かなり大変だし、多くのエネルギーを使っているが、現時点ではそれがラップタイムの大部分を占めている」

    オスカー・ピアストリ マクラーレン F1

    “全開で走れない予選”への不満と現実
    ピアストリは、本来のように限界まで攻める予選を望みつつも、現状ではこの新しいアプローチを受け入れるしかないと認める。

    エネルギー回収とデプロイの最適化が重要となることで、ドライバーは意図的にアクセルを戻したり、異なる区間でエネルギーを使う必要があり、その結果として一見遅く見える走りが最速となるケースもある。

    この特性は、従来の「一発の限界アタック」というF1予選の魅力を損なっているとの指摘も多い。

    マイアミでの調整が転機になる可能性
    こうした状況を受け、FIAはマイアミGPからエネルギー回収量の上限を8メガジュールから7メガジュールに引き下げる調整を導入する。

    これによりマシン自体の最高速度は低下するものの、リフト・アンド・コーストやスーパークラッピングの必要性が軽減され、より自然に限界を攻められる予選へと近づくことが期待されている。

    「これらの調整によって、そういったことにそこまで集中しなくてもよくなるといいね」とピアストリは語った。

    新レギュレーション下での予選は、ドライバーの“感覚”から“戦略とデータ”へと軸足を移している。マイアミでの変更が、そのバランスをどこまで取り戻せるかが注目される。

  • マクラーレンF1 ランビアーゼの新役職を説明「長期起用を想定」

    マクラーレンF1 ランビアーゼの新役職を説明「長期起用を想定」

    マクラーレンは、2028年までに加入することが決まっているジャンピエロ・ランビアーゼについて、チーム内で長期的に重要な役割を担う存在になるとの見通しを示した。ザク・ブラウンは、ランビアーゼがレース運営部門で大きな役割を果たすとともに、将来にわたってチームに貢献できる人物だと評価している。

    マックス・フェルスタッペンのレースエンジニアとして知られるランビアーゼは、将来的にマクラーレンの「ヘッド・オブ・レーシング」に就任する予定だ。

    ブラウンはその起用について、現在アンドレア・ステラが担っている広範な業務の一部を引き継ぐ狙いがあると説明し、同時にレッドブルの再建にも時間がかかるとの見方を示した。

    ランビアーゼの役割はステラの負担軽減
    マクラーレンCEOのザク・ブラウンは、ジャンピエロ・ランビアーゼの加入について強い期待を口にした。

    「GPが我々に加わることを非常に楽しみにしている」とブラウンは語った。

    「CEOとしての私の仕事は、将来に向けて安定性と見通しを確保することだ。我々には成長の余地を持った非常に才能ある人材がたくさんいると思っている」

    ブラウンは、アンドレア・ステラが現在チーム内で極めて多くの役割を担っていることを強調した。

    「レース運営の面では、実際のところアンドレアは3つの仕事をしている。我々は時々、彼が2つの仕事をしていると話すが、実際には3つだ。彼はチーム代表であり、レースチームを率いていて、さらにテクニカルディレクター的な立場でも大きな役割を果たしている」

    「アンドレアはそれらをまとめる接着剤のような存在だ。今では多くのチームでCEOとチーム代表がいて、チーム代表の役割自体も進化している」

    「これらのチームは非常に大きい。そうした役割すべてで優れた存在になろうとするなら、アンドレアは2つの仕事をこなす能力は十分にあると思うが、3つを担わせるのは負担が大きい」

    そのうえでブラウンは、ランビアーゼがその部分で大きな役割を果たすと説明した。

    「だからこそ、GPはそこに入ってきて大きな役割を果たすことになると思う。そして私の仕事は、常にその先を見据え、このスポーツの中で誰が役割を担い、成長していけるかを見極めることだ」

    「GPの経験と年齢を考えれば、彼はマクラーレンで長くやっていける人材であり、成長していける人物だと思っている」

    ブラウンはレッドブル軽視を否定
    ブラウンは一方で、ランビアーゼの離脱がレッドブルの衰退を示すものだと単純に見るべきではないとも語った。ここ数年でレッドブルからはクリスチャン・ホーナー、エイドリアン・ニューウェイ、ロブ・マーシャル、ジョナサン・ウィートリーらが去っているが、それでも簡単に見限るべきではないという立場だ。

    「レッドブルを見限るのは非常に愚かなことだと思う」とブラウンは述べた。

    「同時に、アウディも非常にいい仕事をしていると思う。だから他のチームがすぐにグリッドを上がってくると考えないのも愚かなことだと思う」

    「状況は時間とともに広がるのではなく、むしろ収束していくはずだ。そしてこのスポーツがどれほど早く変化するか、また人やチームがどれほど早く競争力を持ち、時には失うかも我々は見てきた」

    ブラウンは、現在のレッドブルには立て直しの局面があるとの認識も示した。

    「彼らは少しリセットをしなければならない状況だと思う。多くの人材を失った。クリスチャン、ウィートリー、いずれはGP、ニューウェイ、ダン・ファローズもそうだ」

    「彼らのピットウォールの大半は変わった。私はローレン・メキースを高く評価しているし、とてもいい仕事をしていると思う。彼は技術的な理解があり、若く、失った人材を補い、チームを再構築していかなければならない立場にある。そして彼ならそれができると私は確信している」

    「マクラーレンも同じように、非常に大きな才能を持ちながら、それを解き放つ必要があった。おそらくレッドブルも同じだ。彼らはそれほど昔ではない時期まで圧倒的だった。だから内部には多くの才能がある。ただ、それをもう一度正しい方向に向け直す必要があるのだと思う」

    マクラーレンが見据える長期体制
    今回の発言から見えてくるのは、マクラーレンがランビアーゼを単なる補強ではなく、将来の体制づくりを支える中核人材として迎え入れようとしていることだ。ブラウンは、ステラに集中している役割を整理しながら、長期的な安定性を確保する狙いを明確に打ち出した。

    一方で、ブラウンはレッドブルについても依然として高く評価しており、人材流出だけで直ちに競争力低下と結びつける見方には慎重だった。ランビアーゼの移籍はマクラーレンにとって将来への布石であると同時に、レッドブルにとっては再編の過程を象徴する動きとして受け止められそうだ。

  • マクラーレンF1 フェラーリの“マカレナ”リアウイングに疑問「合法なのか」

    マクラーレンF1 フェラーリの“マカレナ”リアウイングに疑問「合法なのか」

    マクラーレンは、フェラーリが投入した革新的な“マカレナ”リアウイングを目の当たりにした瞬間、まず「それは本当に合法なのか」という疑問を抱いたことを明かした。プレシーズンテストの段階で注目を集めたこの可動式ウイングは、2026年F1レギュレーションの解釈を巡る象徴的な事例となっている。

    一方で、FIAはこの設計に対して明確に問題なしとの見解を示しており、各チームが想定していた以上に設計自由度が残されている現実も浮き彫りとなった。結果として、今季のマシン開発は“収束”ではなく“分岐”へと進んでいる。

    「それは合法なのか?」マクラーレンが抱いた第一印象
    マクラーレンのチーフデザイナーであるロブ・マーシャルは、フェラーリのリアウイングを初めて見た際の率直な反応を明かした。

    「我々は今回のレギュレーションがかなり規定的なものになると思っていた」

    「昔は数値ベースの単純なボックス制約だったが、今は複雑なCADモデルで制御されている。一見すると自由度は低く、マシン形状はほぼ決まってしまうように見える」

    「だが実際に最初のイベントに来てみると、他チームのマシンにはまったく異なる解決策がいくつもあった」

    「フェラーリのリアウイングを見たとき、誰もが『なるほど…でもこれ本当に合法なのか?』と思ったはずだ」

    「そして答えは『合法だ』だった。だから『よくやった』ということになる」

    この“マカレナ”ウイングは、フラップが約270度回転する構造を持ち、ストレートでは航空機の翼のように揚力を生み出して最高速を高める設計とされる。従来のDRSとは異なる思想であり、空力概念そのものを拡張するアプローチだ。

    マクラーレン vs スクーデリア・フェラーリ

    レギュレーションは“収束”ではなく“多様化”を生んだ
    2026年F1レギュレーションは、当初は設計の自由度を大きく制限し、各チームのマシンが似通うと予想されていた。しかし現実には、マーシャルの証言が示すように、その逆の現象が起きている。

    「すべてのマシンに、我々がまったく考えていなかった要素が何かしらある」

    フロントウイング形状もチームごとに大きく異なり、「同じものになる」という予測は完全に外れた。フェラーリはリアウイングだけでなく、エキゾースト出口でも独自の解決策を採用しており、設計競争はむしろ活発化している。

    アウディとアストンマーティンも独自路線を提示
    マーシャルはフェラーリ以外にも、複数のチームの設計に言及している。

    「グリッド全体を見渡すと、特に興味深いのはアウディのサイドポッドだ」

    「誰もが無難な設計になると思っていたが、彼らは明確に異なるアプローチを採っている」

    さらにアストンマーティンについても言及し、サスペンション設計における独創性を評価した。

    「アストンマーティンのサスペンションは非常に興味深い。リアはかなり野心的で、フロントもまた興味深い構造だ」

    「我々が昨年採用したコンセプトに近い部分もある」

    “抜け道”ではなく“解釈勝負”の時代へ
    今回のフェラーリの事例が示しているのは、レギュレーションの“抜け穴”を突いたというよりも、“解釈の幅”を最大限に活用した設計競争への移行だ。

    FIAが即座に合法と判断したことは、今後も同様の革新が各チームから登場する余地を残していることを意味する。結果として2026年F1は、規則による均質化ではなく、創造性による差別化が勝負を分けるシーズンになりつつある。

  • F1 ザク・ブラウンがA/Bチーム批判 メルセデスとアルピーヌ接近に警鐘

    F1 ザク・ブラウンがA/Bチーム批判 メルセデスとアルピーヌ接近に警鐘

    マクラーレンのCEOザク・ブラウンは、F1チーム間の関係強化や共同出資の動きに対して、改めて強い懸念を示した。とりわけ、メルセデスがアルピーヌF1チームの少数株取得に関心を示している状況について、「スポーツの公平性を損なうリスクがある」と警告している。

    すでにメルセデスは今季からアルピーヌにパワーユニットを供給しており、仮に資本関係まで加われば両者の結びつきはさらに強まる。

    ブラウンはこうした流れが、F1全体の競争構造に影響を及ぼす可能性を問題視している。

    「A/Bチーム構造は避けるべき」ブラウンの一貫した立場
    ブラウンは以前から、チーム間の共同所有や“姉妹チーム”のような関係に反対してきた。レッドブルとレーシングブルズの関係についても、繰り返し懸念を表明している。

    「我々の考えはまったく変わっていない。こうしたモデルからは、できるだけ早く、できるだけ遠ざかる必要がある」とブラウンは語った。

    「現代のF1でそれが許されるのであれば、スポーツの公平性が損なわれる重大なリスクがある」

    “11の独立チーム”という前提が崩れるリスク
    ブラウンは、ファンの信頼という観点からも問題を指摘する。

    「ファンが望んでいるのは、11の独立したチームが競い合う姿だ。それが崩れれば興味を失うことになる」

    その具体例として、2024年シンガポールGPでダニエル・リカルドがファステストラップポイントを獲得し、結果的に別チームに影響を与えた事例を挙げた。

    さらに、過去の技術的な問題や人材移動にも言及する。

    「アストンマーティン/レーシングポイントのブレーキダクト問題のような知的財産の問題もあった。スタッフが一晩で移籍するケースもある」

    「その際、我々は待たされるか、あるいは金銭的な調整を求められる。それはコスト上限にも影響する」

    資本関係と人材共有がもたらす“不公平”
    ブラウンは、チーム間の人材移動や技術共有が、競争上の不公平につながると指摘する。

    「補償なしで人材が行き来する場合、それは財務面でもスポーツ面でも不公平なアドバンテージになる」

    「フェラーリとハースの間でも人材の行き来があるが、知的財産は頭の中にも存在する」

    こうした構造は、単なる協力関係の範囲を超え、競争の前提そのものを揺るがしかねないという見方だ。

    アルピーヌF1チーム メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    サッカーを例にした“利益相反”の危険性
    ブラウンはサッカーを引き合いに出し、同一オーナーによる複数チーム運営の問題点を説明した。

    「プレミアリーグで同じオーナーの2チームが対戦し、一方は負けても問題なく、もう一方は降格がかかっている状況を想像してほしい」

    「それが我々が直面し得るリスクだ」

    PU供給以上の関係は不要と主張
    ブラウンは、チーム間の関係はパワーユニット供給に留めるべきだと強調する。

    「エンジンサプライヤーとしての関係が限界であるべきだ」

    「すべてのチームは、可能な限り独立している必要がある。それがスポーツの健全性を守る唯一の方法だ」

    なお、この主張は特定のチームを名指ししたものではないとしつつも、メルセデスによるアルピーヌ株式取得の動きについて問われると、「誰であっても同じだ」と明言した。

    チーム間の結びつきが強まる現在のF1において、ブラウンの警鐘は、今後のガバナンスやレギュレーション議論に影響を与える可能性がある。

  • マクラーレンF1 マイアミGPで“完全新車”投入 カナダでも「MCL40は別物に」

    マクラーレンF1 マイアミGPで“完全新車”投入 カナダでも「MCL40は別物に」

    マクラーレンは、2026年F1シーズンの流れを変えるため、マイアミGPとカナダGPにかけてMCL40に大規模アップグレードを投入する。チーム代表のアンドレア・ステラは、北米2戦で「完全に新しいマシン」と呼べる仕様になると説明した。

    開幕からメルセデスに先行を許しているマクラーレンだが、日本GPではオスカー・ピアストリが優勝争いに加わり、キミ・アントネッリに次ぐ2位を獲得した。

    バーレーンGPとサウジアラビアGPが開催されなかったことで生じた5週間の中断期間を使い、チームは2026年F1レギュレーション下で大きな開発余地を持つ空力パッケージの改良に集中してきた。

    北米2戦で投入される「完全に新しいMCL40」
    ディフェンディングチャンピオンであるマクラーレンは、2025年シーズン終盤までドライバーズ選手権争いに巻き込まれた影響もあり、2026年型マシンの開発初期段階では出遅れた。さらに、長年のサプライヤーであるメルセデスの新型パワーユニットを理解する必要もあり、シーズン序盤は苦しい立ち上がりとなった。

    中国GPではランド・ノリスとオスカー・ピアストリのいずれも決勝をスタートできず、チームにとっては厳しい現実を突きつけられた。しかし、日本GPでは全体パッケージへの理解が進み、ピアストリが優勝争いに絡むまで競争力を引き上げた。

    「我々の意図としては、北米のレースに向けて、特に空力アップグレードの観点から、完全に新しいマシンを投入するという考えは常にあった。だから、この計画を維持することができた」と、ステラはウォーキングにあるチーム本拠地でのメディアデーで語った。

    「もちろん、カレンダーが変更されたことは少し助けになった。他のすべてのチームにとっても同じだと思うが、レースで忙しくするよりも、より流れを整えてマシンのアップグレードに取り組むことができた」

    「ただ、全体として言えば、マイアミとカナダを通じて、完全に新しいMCL40を見ることになる。改めて強調したいのは、これは我々の競争相手の多くにも期待されることだという点だ。だから、必ずしも勢力図が変わるということではなく、同じ時間枠の中で誰がより多くのパフォーマンスを加えられたかを確認することになる」

    マクラーレン F1 マイアミグランプリで大幅アップグレード

    メルセデスとの差を縮めるための開発競争
    マクラーレンは現在、チームズ選手権で首位メルセデスから89ポイント差の3位につけている。ステラは、メルセデスとの差を認めつつ、フェラーリに対してもまだ回復すべき部分があると語った。

    「メルセデスを見ると、我々には取り戻すべきパフォーマンスがある。ある程度はフェラーリに対してもそうだ。ただ、裏側で進めてこられた開発についてはかなり満足している」

    「日本での最後のレースはすでにまずまず競争力のあるパフォーマンスだったことを考えると、マイアミ、そしてカナダでは、もう少し競争力のあるMCL40を見ることができるはずだ。だから、次のレースを間違いなく楽しみにしている」

    HPPとの連携改善でパワーユニット理解も前進
    マクラーレンは、新しい2026年型パワーユニットへの理解でも前進している。ステラは、メルセデスのハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)との連携、そしてシミュレーションツールの共同開発が、開幕戦オーストラリア時点から大きく改善したと説明した。

    「HPPとの協力という意味でも、HPPと一緒にシミュレーションツールを開発するという意味でも、オーストラリアでの状況と比べて大きな前進を遂げた。だから、チームとして我々は今、はるかに準備が整っていると思う」

    「シーズン序盤には、カスタマーチームであることの自然な結果として、赤字が存在していた可能性がある。プログラミングが非常に押し込まれていたからで、パワーユニットの観点からもそうだった。それは問題なかったし、我々としても受け入れる準備ができていた。そしてHPPとともに非常に建設的に処理した」

    「だが、シーズンが進んだ今、このギャップは埋められたと思う。我々は、パワーユニットから最大限を引き出すために必要なすべてのツールを持っているはずだ」

    マクラーレンにとって、マイアミGPとカナダGPは単なるアップデート投入の場ではなく、MCL40が2026年F1の開発競争に本格的に加わる転機となる。メルセデスとの差をどこまで縮められるかは、北米2戦で投入される新仕様の完成度にかかっている。