カテゴリー: マクラーレンF1チーム

  • ザク・ブラウンが“Uターン” ホーナーF1復帰を歓迎「戻らなければ驚き」

    ザク・ブラウンが“Uターン” ホーナーF1復帰を歓迎「戻らなければ驚き」

    マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンが、レッドブルF1の元チーム代表クリスチャン・ホーナーの復帰について見解を示した。

    かつては「ホーナー不在の方がF1は健全」とまで語っていたブラウンだが、今回の発言では一転して復帰を歓迎する姿勢を示しており、そのスタンスの変化が注目されている。

    対立関係から一転 ブラウンがホーナー復帰を歓迎
    クリスチャン・ホーナーは、レッドブルで20年間チームを率いた後、昨年7月に解任されて以降、F1復帰の可能性が取り沙汰され続けている。

    現在52歳のホーナーは、アルピーヌF1チームの少数株取得を目指すコンソーシアムに関与しているとされるほか、アストンマーティンなど複数チームとの関係も報じられている。

    そのなかで、かつて激しく対立していたザク・ブラウンが、復帰に前向きなコメントを発した。

    「クリスチャンはこのスポーツにとって素晴らしい存在だった」とブラウンは語った。

    「スポーツには常に強い個性が存在する。彼らは現れては去っていくものだが、クリスチャンが戻ってくるのは素晴らしいことだと思う。彼は非常に優れたオペレーターであり、その実績がすべてを物語っている」

    「ここ数年でチーム代表の動きはかなりあったが、彼が戻ってくるのは歓迎すべきことだ。彼の情熱と年齢を考えれば、アルピーヌであれ別の場所であれ、戻ってこないとしたらむしろ驚きだ」

    過去の発言との乖離 “Uターン”の背景
    ブラウンは以前、ホーナー不在のF1について「より健全な状態」と評しており、今回の発言は明確な方針転換と受け止められている。

    両者は2024年シーズンを通じて激しい場外戦を繰り広げており、F1の政治的なテーマを巡っても対立が続いていた。

    それでもブラウンは、個人的な対立を超えて、ホーナーの持つ存在感と実績を評価した形だ。

    復帰へのハードル 依然として残る懸念
    一方で、ホーナーの復帰には依然として課題も残る。

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、ホーナーの復帰について「かなり多くのガラスを割ってしまった」と述べ、F1復帰の難しさを指摘している。

    ホーナーはレッドブル在任中、女性従業員からセクハラや強圧的行動の疑いで告発されたが、本人は一貫して否定しており、調査では2度にわたり潔白とされた。

    それでも、その一連の騒動が与えた影響は小さくなく、F1パドック内での評価が今後の去就にどう影響するかが焦点となる。

    復帰は時間の問題か F1パドックの関心集まる
    ブラウンの発言からは、ホーナー復帰が単なる可能性ではなく、現実的なシナリオとして見られていることがうかがえる。

    アルピーヌを含めた複数チームとの関係が取り沙汰されるなかで、ホーナーがどの形でF1に戻るのか、パドックの関心は高まり続けている。

  • マクラーレン WEC復帰ハイパーカー「MCL-HY」と命名 2027年ル・マン挑戦へ

    マクラーレン WEC復帰ハイパーカー「MCL-HY」と命名 2027年ル・マン挑戦へ

    マクラーレン・レーシングは、2027年からFIA世界耐久選手権(WEC)とル・マン24時間レースの総合優勝争いに復帰するハイパーカーの名称を「MCL-HY」と発表した。

    同時に、サーキット専用車「MCL-HY GTR」と、マクラーレンのスポーツカーレース最高峰復帰に特別アクセスできるトラックデイプログラム「Project: Endurance」も明らかにされた。

    F1由来の命名規則をハイパーカーにも採用
    MCL-HYは、マクラーレン・レーシングがF1で使用してきた「MCL」の接頭辞に、ハイパーカーを示す「HY」を組み合わせた名称となる。

    これは、マクラーレンがモータースポーツ最高峰カテゴリーで統一されたブランドアイデンティティを打ち出す狙いを持つものだ。

    MCL-HY GTRはル・マン制覇の系譜を継承
    サーキット専用仕様となるMCL-HY GTRについて、マクラーレン・オートモーティブは歴史ある名称を採用した。

    「MCL-HY GTRは、1995年にル・マンで総合優勝を果たしたマクラーレンF1 GTRから始まり、その後のマクラーレンP1 GTR、マクラーレン・セナGTRへと続いた系譜を誇りを持って受け継ぐものだ」とマクラーレン・オートモーティブのチーフ・コマーシャル・オフィサー、ヘンリック・ウィルヘルムスマイヤーは述べた。

    「このバッジは、マクラーレンを定義する瞬間を意味している。MCL-HY GTRによって、我々は最も焦点を絞り、本物で、妥協のないトラックカーの次章を書いている」

    5月4日に2027年型レースカーを正式公開
    今回の発表は、2027年型レースカーとそのサーキット専用仕様の正式公開に先立つものだ。両車はマクラーレン・レーシングとマクラーレン・オートモーティブの緊密な協力によって開発されている。

    「マクラーレンの名をスポーツカーレースの頂点へ戻すことは大きな節目であり、マクラーレン・レーシングとマクラーレン・オートモーティブの全員にとって、素晴らしい系譜を持つマクラーレンのレーシングカーに続く新しいハイパーカーの名称を共有できるのは誇らしい時だ」とマクラーレン・エンデュランス・レーシングのエグゼクティブディレクター、ジェームス・バークレーは語った。

    「我々はスポーツカーレースの黄金時代にあり、ハイパーカーカテゴリーは引き続き非常に成功している。そして、我々の新しい車名はそれに敬意を示すものだ。我々の開発車両MCL-HYは、最初のロールアウトに先立ち、非常にクールなテストカラーリングで公開される」

    マクラーレンは、1995年にF1 GTRでル・マン24時間レースを制した歴史を持つ。MCL-HYという名称は、その伝統を継承しながら、F1、WEC、ル・マンを横断する現代のマクラーレン・モータースポーツ戦略を象徴するものとなる。

  • マクラーレンF1 11歳ハリー・ウィリアムズと育成契約 ハミルトン超え最年少

    マクラーレンF1 11歳ハリー・ウィリアムズと育成契約 ハミルトン超え最年少

    マクラーレンは、英国のカート有望株ハリー・ウィリアムズをドライバー育成プログラムに加えた。11歳のウィリアムズは、1998年に13歳でマクラーレンのジュニア部門に加入したルイス・ハミルトンよりも2歳若く、同チーム史上最年少の育成ドライバーとなった。

    ルイス・ハミルトンは2007年に22歳でF1デビューし、翌2008年にマクラーレンで自身初のワールドチャンピオンを獲得した。マクラーレンの若手育成プログラムから生まれた最も成功したドライバーであり、ウィリアムズはその系譜に続く存在として注目される。

    11歳のハリー・ウィリアムズがマクラーレン育成入り
    チェシャー出身のハリー・ウィリアムズは、今回の加入について次のようにコメントした。

    「マクラーレン・ドライバー育成プログラムに参加できることに本当に興奮しています」とウィリアムズは語った。

    「彼らは才能を育てることで知られているので、カートで成長を続け、将来的にシングルシーター・レーシングへ進んでいく中で、このチームに加われるのは素晴らしいことだと思います」

    「チームから学べることを楽しみにしていますし、このエキサイティングな機会を与えていただいたことに感謝しています」

    ウィリアムズは2021年にスーパー・ワン・シリーズでカートを始め、2022年にカデットカテゴリーへ昇格した。その後フュージョン・モータースポーツと契約し、2023年には国内外の選手権に参戦した。

    2024年には英国IAMEインター・ウォータースウィフト部門で選手権トップ10に入り、国際カートシーンでの活動も継続。2025年にはブリティッシュ・オープン王者となり、イタリア・ウォータースウィフト・シリーズでOプレートを獲得し、ヨーロッパ・ウォータースウィフト選手権では5位に入った。

    マクラーレン F1

    ハミルトンとノリスに続く存在へ
    ジュニアクラスへ転向したウィリアムズは、OKN-JのSKファイナルカップでいきなり3位に入り、早くも存在感を示した。2026年はここまでOKジュニアカテゴリーのWSKスーパー・マスター・シリーズに参戦している。

    今後は同じカテゴリーで、WSKユーロ・シリーズ、チャンピオンズ・オブ・ザ・フューチャー・シリーズ、FIAカート選手権にも出場する予定だ。

    マクラーレンのチーフ・ビジネス・アフェアーズ・オフィサーであるアレッサンドロ・アルンニ・ブラービは、ウィリアムズの加入について次のように述べた。

    「ハリーをマクラーレン・ドライバー育成プログラムに迎え入れることができ、とても嬉しく思っている」

    「ハリーは素晴らしいカート選手であり、これまで国内外の舞台で印象的な走りを見せてきた。今後、マクラーレンのドライバーとしてどのように成長していくのかを見るのを楽しみにしている」

    「我々の目標は、F1、インディカー、世界耐久選手権のレースプログラムへと長年にわたってつながる一貫したパイプラインを構築することだ。才能ある若いカート選手であるハリーを加えることは、その姿勢を示している」

  • マクラーレンF1 フェルスタッペン獲得論をけん制「2人を替えるつもりはない」

    マクラーレンF1 フェルスタッペン獲得論をけん制「2人を替えるつもりはない」

    ザク・ブラウンがマックス・フェルスタッペンのマクラーレン移籍の可能性を否定した。マクラーレンCEOは、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリという現在のドライバー体制に強い満足感を示し、フェルスタッペンを迎える必要性はないとの立場を明確にしている。一方で、仮に移籍が起きる場合の行き先としてはメルセデスを挙げ、その可能性を示唆した。

    2026年シーズン序盤、フェルスタッペンの将来を巡る議論が再燃している。

    新レギュレーションへの不満やレッドブルの苦戦に加え、長年のレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼのマクラーレン加入決定が、移籍憶測をさらに強める要因となっている。

    ザク・ブラウン フェルスタッペンのマクラーレン移籍を否定
    スカイスポーツF1の取材で、ザク・ブラウンはフェルスタッペンがランビアーゼに続いてマクラーレンへ移籍する可能性について問われた。

    「マクラーレンの立場から言えば、ランドとオスカーにはこれ以上ないほど満足している」

    「彼らとは長期契約を結んでいるし、コース上でもコース外でも最高のドライバーペアリングだと思っている」

    「だから我々には、この2人のスーパースターのどちらかを入れ替えるつもりはない」

    ブラウンは、仮にドライバーの一人が離脱した場合にはフェルスタッペンが魅力的な選択肢になることは認めつつも、そのようなシナリオは現実的ではないとの見解を示した。

    「もちろん、もしどちらかがいなくなるようなことがあれば、マックスは非常に大きな才能だ」

    「だが、そうなるとは予想していない」

    移籍先候補としてメルセデスを示唆
    ブラウンはさらに、フェルスタッペンの将来の移籍先について問われた際、自身の見立てとしてメルセデスの名前を挙げた。

    「彼はどこへ行くだろうか? もし賭けるとしたら、私はメルセデスだと思う」

    2026年の新時代においてメルセデスは好スタートを切っており、これまでのポールポジションと優勝をすべて獲得している状況が、その見方の背景にある。

    フェルスタッペンの将来を巡る状況
    フェルスタッペンの将来は、2026年シーズン開幕直後から再び注目を集めている。本人は新レギュレーションに対する不満からF1離脱の可能性を示唆しており、レッドブルもシーズン序盤は苦戦している。

    契約は2028年までとされているものの、パフォーマンスに連動した解除条項が含まれていると見られており、状況次第では移籍の可能性も排除できない。

    さらに、長年のパートナーであるジャンピエロ・ランビアーゼがマクラーレンに加入することが決定したことで、フェルスタッペンの動向に関する憶測が一層強まっている。

    マクラーレンの明確なスタンス
    今回のブラウンの発言は、フェルスタッペン獲得の可能性を完全に否定するものではないものの、現時点での優先事項が現行ラインアップの維持にあることを強く示している。

    ノリスとピアストリという「長期的な軸」を確保しているマクラーレンにとって、フェルスタッペンは“必要な存在”ではなく“仮定の選択肢”にとどまる。むしろ、移籍が現実化する場合には、競争力の高いメルセデスが最有力候補になるというのが、ブラウンの現実的な見立てだ。

  • マクラーレンF1 低迷の理由は2つ ステラが明かす「ダークサイド」の正体

    マクラーレンF1 低迷の理由は2つ ステラが明かす「ダークサイド」の正体

    マクラーレンF1のアンドレア・ステラは、2026年シーズン序盤の苦戦について、その背景にある「2つの要因」を明かした。コンストラクターズランキングでは開幕3戦を終えて3位(46ポイント)につけるが、オスカー・ピアストリが日本GPで2位表彰台を獲得するまで、厳しいスタートを強いられていた。

    特に序盤は信頼性トラブルが響き、開幕2戦で3度のDNS(スタート不能)を記録。ランド・ノリスとピアストリの両車がパワーユニットの電気系トラブルによりスタートすら切れない状況が続いた。

    マシンパフォーマンスでもメルセデスやフェラーリに後れを取っていたが、鈴鹿でのピアストリの走りはその流れを変える兆しとなった。

    ステラが明かした“2つの遅れ”の正体
    ステラは開幕の遅れについて、まずパワーユニット運用の難しさを挙げた。

    「シーズン序盤は主に2つの理由で課題に直面した。ひとつ目は、パワーユニットが持つポテンシャルを最大限に引き出す方法を理解するのに、想定より時間がかかったことだ」

    「さらにこの領域でいくつかの信頼性問題にも直面し、それが結果だけでなく、学習プロセスのスピードにも大きな影響を与えた」

    もうひとつの要因は、2025年タイトル争いの“余波”とマシン設計方針だった。

    「2つ目は、MCL40の設計フェーズが2025年シーズン最終戦までタイトル争いを続けた影響を受けたこと、そして設計アプローチの違いだ」

    「我々は、シーズン序盤の仕様を将来的な開発にとって健全なプラットフォームにすることを重視した。2026年の新レギュレーションでは、まだ長い開発余地が残されているからだ」

    アンドレア・ステラ(マクラーレン)

    “ダークサイド”の中に見えた光
    ステラは現在の状況を「ダークサイド」と表現しつつも、チームの内部にはポジティブな要素が多く存在すると強調した。

    「もしこれが“ダーク”な側面だとすれば、“明るい”要素も多くある。まず、チームとドライバーが示している姿勢だ。2025年に両タイトルを獲得したときと同様の結束力がある」

    「我々は困難に対して、チーム内だけでなくメルセデスHPPとのパートナーシップにおいても、団結して対応してきた」

    さらに、鈴鹿での結果と開発の進展にも手応えを感じている。

    「鈴鹿では進歩の最初の兆しが見えた。オスカーの2位によって今季初表彰台を獲得した」

    「その裏で、マシンの開発スピードも非常に有望に見えている」

    巻き返しの鍵は“信頼性と最適化”
    現時点でマクラーレンは、依然としてメルセデスやフェラーリに対して後手に回っているが、ステラは悲観的ではない。

    「まだ信頼性の改善とパフォーマンスの最適化に取り組む必要はあるが、正しい方向に一歩踏み出したと考えている」

    序盤の停滞は、パワーユニット運用の習熟遅れと、前年タイトル争いの影響を受けた開発戦略という“構造的な理由”によるものだった。

    その一方で、鈴鹿で見えた競争力と開発の伸びしろは、マクラーレンがシーズン後半に巻き返す可能性を十分に示している。

  • ランド・ノリス「僕はボスじゃない」F1レギュレーション質問で管理側が発言遮断

    ランド・ノリス「僕はボスじゃない」F1レギュレーション質問で管理側が発言遮断

    2026年F1ワールドチャンピオンのランド・ノリスが、現行レギュレーションに関する質問を巡り、インタビュー中にマネジメント側から発言を制止される異例の事態が明らかになった。

    英ガーディアン紙のロングインタビューで起きたこのやり取りは、F1ドライバーの発言管理の実態と、2026年レギュレーションを巡る緊張感を浮き彫りにしている。

    レギュレーション質問は事前に“禁止”
    インタビューはサリー州のゴルフクラブで行われ、ノリスは昨年のワールドチャンピオン獲得に至るまでの不安や葛藤について率直に語っていた。

    一方で記者には事前に、マックス・フェルスタッペンやジョージ・ラッセルとの関係、そして2026年F1レギュレーションに関する質問を避けるよう通達があった。

    それでも記者は、ノリス自身が「危険」と評していた規則変更の重要性を理由に、終盤でこのテーマに踏み込んだ。

    電話越しに“質問拒否”という異例対応
    残り時間がわずかとなった場面で、テーブル上の電話からノリスのマネージャーの声が割って入り、「その話題に関する質問は不可」と明言した。

    さらに同席していたマネジメント関係者も「時間終了」と発言し、質問そのものを打ち切ろうとする場面が発生した。

    記者が追加の時間を求めると、ノリスは困惑した様子でこう答えている。

    「僕はボスじゃない」

    それでも記者が問いを続けると、ノリスは一度は応じる姿勢を見せた。

    「いいよ、その質問に答える」

    しかし直後に関係者が即座に遮り、

    「ダメだ」

    と発言。ノリスは苦笑いを浮かべながら再びこう繰り返した。

    「僕はボスじゃない」

    “自由に話せない王者”という違和感
    記事では、この一連のやり取りについて「ノリスのオープンな性格と明らかに矛盾している」と指摘されている。

    実際、マクラーレンは通常、レースウィークごとにメディア対応の自由度を確保しているとされるが、このインタビューでは明確な制限が存在していた。

    終盤には比較的無難な質問に対してもマネジメント側が制止を試み、ノリス自身が「なぜダメなのか」と問い返す場面もあった。

    それでもノリスは最終的に簡潔に回答し、「メルセデスを捕えることは可能であり、僕たちはそれを目指している」と述べている。

    発言管理の実態が浮き彫りに
    今回の件は、2026年レギュレーションを巡る議論の敏感さだけでなく、トップドライバーの発言がどこまでコントロールされているかという問題も示している。

    インタビュー後、記者はマネジメント側に対し「彼にとって不利益になる対応だ」と直接指摘したと記している。

    そのうえで、「称賛すべきワールドチャンピオンがこのように管理されていることは憂慮すべきだ」と締めくくっている。

  • マクラーレンF1 ランビアーゼ招聘で自信「最良の素材が揃ったケーキの仕上げ」

    マクラーレンF1 ランビアーゼ招聘で自信「最良の素材が揃ったケーキの仕上げ」

    マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラは、レッドブルからジャンピエロ・ランビアーゼを引き抜いたことについて、チームがいまF1で「トップ人材が集まる場所」になっている証だとの認識を示した。

    マックス・フェルスタッペンの長年のレースエンジニアとして知られるランビアーゼは、2028年までにマクラーレンへ加入し、チーフ・レーシング・オフィサーに就任する予定だ。ステラはこの補強を、すでに強固な組織基盤を築いたマクラーレンにとって、さらなる上積みになると位置づけている。

    ランビアーゼ招聘はマクラーレンの求心力の証明
    マクラーレンは先週、ジャンピエロ・ランビアーゼがレッドブルを離れ、チーフ・レーシング・オフィサーとして加入すると発表した。開始時期は遅くとも2028年までとされている。

    ランビアーゼにはアストンマーティンからの関心も報じられており、獲得競争は容易ではなかった。それでもマクラーレンがこの人事を実現できた背景について、ステラは近年のチームの上昇基調が大きいと説明した。

    マクラーレンは2024年と2025年にコンストラクターズタイトルを連覇し、さらにランド・ノリスが2025年にドライバーズタイトルを獲得した。ステラは、こうした結果に加え、組織文化そのものが外部から高く評価されていることが、ランビアーゼの決断につながったとみている。

    ステラ「最良の素材が揃ったケーキの仕上げだ」
    ステラはマクラーレンの公式サイトで、ランビアーゼ加入の意義について次のように語った。

    「ジャンピエロの加入は、長期的に見てチームに非常に大きな専門性とポテンシャルをもたらしてくれる」

    「同時にこれは、マクラーレンがF1で最高の人材にとって、いかに魅力的な存在になったかをさらに裏づけるものでもある」

    「我々が得たこの信頼は、ここ数年にわたってマクラーレンで働いてきたすべての人々の努力の結果だ。人が成長し、健全で前向きな環境のなかで共通の目標に貢献できる文化を築いてきた」

    「コース上での結果、そして外部から正しく認識されているチームの ethos に加えて、そうした要素がジャンピエロの加入決断につながったのだと確信している」

    「ジャンピエロの加入は、すでに必要な材料がすべて揃っているケーキの上に載る、まさに仕上げのアイシングのようなものだ」

    ステラの兼務負担を軽減する狙いも
    ランビアーゼの加入は、ステラ自身の業務負担を軽くする意味合いも持つ。現在のステラはチーム代表を務める一方で、レースオペレーションの監督も兼ねている。

    ステラは、ランビアーゼがその一部を担うことで、長期的な組織運営の安定につながると説明した。

    「私にとって彼は重要な支えになる。彼はチーフ・レーシング・オフィサーの役割を担うことになるが、そのポジションは現在、チーム代表としての役割と並行して私が担っている」

    「ザクと私はこの3年間、リーダーシップと専門性の継続性を長期的に確保するために常に取り組んできた」

    「それは特に、レースチーム内のいくつかの重要な役職について当てはまる」

    「とりわけこの領域では、カレンダー拡大によって個人の負担や生活の質の面で大きな影響が出ている」

    ジャンピエロ・ランビアーゼ マクラーレン F1

    拡大するF1で求められる組織の再設計
    ステラは、現在のF1が20年以上前とはまったく異なる競技になっているとも強調した。トップチームの規模は倍以上に膨らみ、マクラーレン自身もこの3年間で従業員数が20%超増加したという。

    その上で、予算上限の制約に適合しながら勝利に必要なパフォーマンスを生み出すには、組織全体の構造をより持続可能なものにする必要があると述べた。

    「いまのF1は、私が20年以上前にこの仕事を始めた頃とはまったく違う」

    「トップチームの規模は2倍以上になった。我々の従業員数も、この3年間で20%以上増えている」

    「現在の我々は、予算上限の制約に適合し、成功に必要なレベルのパフォーマンスを発揮するという目標にかなう規模に達した」

    「チーム代表の役割も、より複雑になっている」

    さらにステラは、マクラーレンがフラットな組織構造を築いてきたことに触れ、各部門のリーダーに権限を持たせつつ、長期的な支援体制を整える重要性を説いた。

    「ザクと私は、すべてのリーダーが適切に権限を与えられることを重視したフラットなチーム構造を築いてきた。同時に、必要な長期的支援が常に保証されることも欠かせない」

    「言うまでもなく、この考え方のもとでは、私がいま担っている二つの役割を長期的に続けることは持続可能ではない」

    フェラーリ復帰説には笑顔で否定
    一方でステラは、自身のフェラーリ復帰説や、将来的にランビアーゼが後任になるのではないかという憶測についても否定した。

    最近は巨額年俸や“事前契約”をめぐる報道も取り沙汰されていたが、ステラはそうした話を冷静に受け止めている。

    「正直に言って、巨額の年俸や神話のような事前契約の話を含め、最近の噂のいくつかには笑ってしまった」

    「いつもは夏前に始まる“シリーシーズン”が、今年は少し早く来たようにも見える」

    「私はこうした類いの話にはもうかなり慣れているし、笑って受け止めている」

    マクラーレンは、ロブ・マーシャルやウィル・コートニーに続いて、またひとりレッドブルの重要人物を引き入れることになった。今回のランビアーゼ招聘は、単なる補強ではなく、マクラーレンがF1の人材市場においても主導権を握りつつあることを印象づける動きと言えそうだ。

  • ランビアーゼ マクラーレンF1移籍の裏に“アストンマーティン関心リーク説”

    ランビアーゼ マクラーレンF1移籍の裏に“アストンマーティン関心リーク説”

    レッドブルのレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼが、2028年からマクラーレンへ移籍する決断の裏側に、新たな動きがあった可能性が浮上した。

    報道によれば、マクラーレン側に明確な関心が生まれる以前から、ランビアーゼ自身はレッドブル離脱を視野に入れていたとされている。

    この移籍は突然のように受け止められたが、近年のレッドブルの組織変化や主要人材の流出を踏まえれば、その兆候はすでに存在していたとも言える。内部の安定性に揺らぎが見え始める中で、ランビアーゼの動きはより戦略的なものだった可能性がある。

    “市場に出る”ためのリーク戦略
    ブラジルの報道番組で語られた内容によると、マクラーレンは当初、ランビアーゼ獲得に向けた具体的な動きを見せていなかったという。つまり、彼の「市場価値」は自然に発生したものではなく、自ら動いて作り出した側面があると見られている。

    「マクラーレンからは何も聞かなかった。彼がレッドブルを離れたがっているのは明らかだった。アストンマーティンとの関連が報じられたのも、彼自身が誰かに依頼して情報を出した可能性がある。そうすることで、自分の名前を市場に出そうとしたのだろう」

    このような動きは、F1の人材市場では珍しいものではない。特にトップレベルのエンジニアにおいては、複数チームの関心を引き出すことで条件交渉を有利に進めるケースが存在する。

    マクラーレン再結集が決め手か
    ランビアーゼの決断には、人間関係も大きく影響していた可能性がある。マクラーレンにはすでにロブ・マーシャルやウィル・コートニーといった旧知のメンバーが在籍しており、過去に同じ環境で働いた人材が揃いつつある。

    「ロブ・マーシャルもウィル・コートニーもマクラーレンにいる。彼の周囲にいた人間が集まっていることが、移籍の魅力になったのだろう」

    さらに、現時点でのチーム文化においても、マクラーレンの方が従業員にとって魅力的な環境であるとの見方も示されている。

    レッドブル内部の変化と人材流出
    今回の件は単独の事象ではなく、レッドブル内部で進行している変化の一部として捉えられている。業界内では、創業者ディートリッヒ・マテシッツの死去以降、組織の求心力に変化が生じたとの見方がある。

    「彼がいなくなれば、いずれすべてが変わると言われていた。実際に権力争いが始まり、チーム内で方向性に同意しない人々が去っていった」

    近年の一連の離脱は偶発的なものではなく、組織の構造的変化の結果と見る声もある。一方で、これを単純にネガティブな要因と結びつけるのは適切ではなく、個々のキャリア選択として新たな挑戦を選んだ側面も大きい。

    ランビアーゼの動きは、その象徴的な一例と言える。レッドブルの黄金期を支えた人材が、新たな環境へと向かう流れは今後も続く可能性があり、チームの将来像に影響を与える要素となりそうだ。

    Source: F1 OVERSTEER

  • ランド・ノリス ローレウス賞受賞 F1王者の価値を世界が認める

    ランド・ノリス ローレウス賞受賞 F1王者の価値を世界が認める

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、2025年のF1ワールドチャンピオン獲得を受け、ローレウス世界ブレイクスルー賞を受賞した。モータースポーツ界における快挙に加え、2026年には「TIME」誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選出されており、その評価は競技の枠を超えて広がっている。

    この受賞は単なる人気や話題性ではなく、2025年シーズンの実績に裏打ちされたものだ。

    7勝を挙げ、マックス・フェルスタッペン、オスカー・ピアストリとの三つ巴のタイトル争いを制した逆転劇が、世界的な評価につながった。

    ノリス「最も権威ある賞のひとつ」
    「今夜は本当に特別な夜だった」とノリスは語った。「僕はローレウス世界ブレイクスルー賞を受賞することができた。これは、アスリートが獲得できる最も権威ある賞のひとつだ」

    「僕に投票してくれたすべての人、そしてローレウス候補者選考パネルの皆さん、この素晴らしい賞を僕に授与してくれて本当にありがとう。ともに候補に挙がっていた素晴らしい人たち、そして過去にこの賞を受賞した人たちと並んで認められたことを、とても光栄に思っている」

    「そしていつものように、チーム全体、マクラーレンの皆、そして僕のパーソナルチームにも大きな感謝を伝えたい。この道のりの一部となってくれたすべての人たちも、この賞を一緒に受け取るにふさわしい。本当にありがとう、皆さん」

    逆転タイトルが評価を決定づけた2025年
    2025年シーズン、ノリスは7勝を挙げ、シルバーストンやモナコといった象徴的なレースでも勝利を記録した。シーズン終盤には残り9戦で34ポイント差を逆転し、最終戦アブダビでタイトルを決定づけた。

    チャンピオン獲得後には「自分らしいやり方で勝った」と語っており、そのスタイルも含めて高く評価されている。イギリス人としては11人目、マクラーレンにとっては8人目のワールドチャンピオンとなった。

    ランド・ノリス(マクラーレン) ローレウス賞

    F1ドライバーとしてはロズベルグ以来の受賞
    ローレウス世界ブレイクスルー賞は、70か国以上・1000人超のメディアによる選考を経て候補者が決まり、最終的にはスポーツ界のレジェンドで構成されるローレウス・アカデミーの投票によって受賞者が決定される。

    ノリスは、デジレ・ドゥエ、ジョアン・フォンセカ、シェイ・ギルジャス・アレクサンダー、ルーク・リトラー、ユ・ジディといった競争相手を抑えて受賞。F1ドライバーとしては2017年のニコ・ロズベルグ以来となる受賞であり、ダニエル・リカルド、ジェンソン・バトン、ルイス・ハミルトン、ファン・パブロ・モントーヤに続く6人目の受賞者となった。

    マクラーレンと歩んだキャリアが結実
    ノリスは17歳でマクラーレンに加入し、テスト兼シミュレータードライバーからキャリアをスタート。2019年にF1デビューを果たし、2024年マイアミGPで初優勝を記録した。

    その後も勝利と表彰台を積み重ね、2025年にはコンストラクターズタイトルも残り6戦を残して確定。チームとともに歩んできた成長の軌跡が、今回の受賞によって世界的に認められた形となった。

  • オスカー・ピアストリ 2026年F1マシンを酷評「予測不能な挙動がある」

    オスカー・ピアストリ 2026年F1マシンを酷評「予測不能な挙動がある」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、2026年F1マシンについて「予測不能な挙動」があると厳しい見解を示した。FIAがマイアミGPに向けてレギュレーション修正の作業を進めるなかで、ドライバー側からも現行マシンの課題を訴える声が強まっている。

    マクラーレンにとって2026年シーズンの立ち上がりは厳しいものとなっており、新型MCL40は開幕3戦で複数の問題に直面した。

    ピアストリ自身もオーストラリアと中国でメルセデス製の新パワーユニットに起因するトラブルにより2戦連続でスタートできず、日本GPでようやく2位表彰台を獲得して流れを変えた。

    日本GPで見えた2026年マシンの特徴
    オスカー・ピアストリは、日本GPでの走りを振り返るなかで、2026年F1マシンはこれまで自身が経験してきたどのマシンとも大きく異なると語った。

    「全体として、これらのマシンは僕がこれまで乗ってきたどのクルマともまったく違う。ただ、新しいレギュレーションが示された時点で、そうなることは分かっていた」

    「これほど違うということは、ドライバーにとって新しい挑戦でもあるし、それ自体は悪いことではない」 📬

    さらにピアストリは、2025年型と比べて2026年型マシンが軽く、全長も短く、幅も狭くなったことに触れ、低速コーナーでは俊敏さや扱いやすさといった利点があると説明した。一方で、そのメリットを打ち消す問題も依然として残っているという。

    「これらのマシンの大きな違いのひとつは、2025年より軽く、ずっと短く、狭くなっていることだ。その結果、低速コーナーでは少し俊敏になり、より扱いやすく感じることもある」

    「ただ、ダーティエアに関する課題は依然として残っていて、その恩恵の一部を打ち消してしまっている。後方で追うのは、まだ問題なんだ」

    オスカー・ピアストリ マクラーレン

    「予測不能な挙動」がドライバーの負担に
    ピアストリはさらに、2026年F1マシンについてより踏み込んだ表現を使い、「予測不能」だと断じた。ドライバーとして車内で考えなければならないことも増えており、とくにパワーマネジメント面で戦術的な負担が大きくなっているという。

    「ドライバーとしては、マシンの中で考えなければならないこともずっと増えている。とくにパワーマネジメントの面では、かなり多くのことを戦術的に考えなければならない」

    そのうえでピアストリは、マシンの出力特性そのものに不安定さがあると指摘した。オーストラリアGPでグリッドへ向かう途中にリタイアを強いられた問題も念頭にあるとみられる。

    「これらのマシンは、より予測不能でもある。見ていて分かったと思うけど、パワーが急に跳ね上がることがよくあって、それがクルマに予想外の動きを引き起こすんだ」

    「これは、かなり多くある問題点のうちのひとつに過ぎないし、ここまでのシーズンで起きたいくつかの異なるインシデントによって、近い将来に見直して変更すべき部分だということがさらに明確になっている」

    FIAとの協議で求められる“安全で楽しいレース”
    ピアストリは、こうした問題への対応に向けて、FIA、F1、そして他チームと連携して見直し作業が進められていることも明かした。安全性を確保しながら、観客にとっても魅力的なレースを実現する必要があるというのが、ピアストリの考えだ。

    「僕たちはFIA、F1、そして他のチームと緊密に連携しながら、こうした問題がきちんと検討されるよう取り組んでいる。それによって、誰にとっても安全で、なおかつ楽しくてエキサイティングなレースになるようにしたい」

    日本GPで2位に入り、ようやく2026年シーズンの足掛かりを得たピアストリだが、その復調ぶりはメルセデスにとって警戒材料となるはずだ。一方で、ドライバーの立場からは、現行レギュレーションに対する改善要求がなお強いことも、今回の発言ではっきりと示された。