カテゴリー: F1ラスベガスGP

  • F1終盤戦 ラスベガス2連戦が幻に NFLとブレグジットが障壁

    F1終盤戦 ラスベガス2連戦が幻に NFLとブレグジットが障壁

    F1のステファノ・ドメニカリCEOは、2026年シーズン終盤の代替開催案として検討された「ラスベガスでの2週連続開催」が実現しなかった理由を明かした。

    中東情勢の影響で終盤戦の開催可否が不透明となる中、F1は複数の代替案を検討したが、NFLとの競合やブレグジット(英国のEU離脱)による物流上の問題が障壁となり、ラスベガス2連戦案は見送られたという。

    ラスベガス2連戦案が浮上した背景
    2026年シーズンは中東情勢の悪化を受け、4月開催予定だったバーレーンGPとサウジアラビアGPが延期された。その後、バーレーンGPはマレーシアで代替開催されることが決定した一方、11月30日のカタールGPと12月6日のアブダビGPについては、現時点でも開催の可否が流動的な状況となっている。

    ドメニカリは、両大会を予定どおり実施できるかどうかについては9月中旬に最終判断を下す予定だと説明。もし両レースが中止となった場合にはヨーロッパで代替レースを開催する方向で準備を進めており、イモラとポルティマオが候補に挙がっている。現時点ではイモラが最有力とみられている。

    その一方で、シーズン途中にはラスベガスで2週連続開催を行う案も検討された。しかし、ドメニカリは複数の理由から実現は困難だったと説明した。

    NFLとの競合は避けたかった
    ラスベガスGPは11月21日に開催予定だが、この時期はNFLレギュラーシーズン第10週から第11週にあたり、全米のスポーツファンの関心がNFLへ集中するタイミングでもある。

    ダラス・カウボーイズ対サンフランシスコ・49ersや、バッファロー・ビルズ対マイアミ・ドルフィンズなど注目カードも予定されており、F1としてはアメリカ市場でNFLと真正面から競合することは避けたい考えだった。

    ドメニカリは、成長を続けるラスベガスGPのブランド価値を守ることも重要な判断材料だったと語った。

    「その時期のヨーロッパの気温統計を見ると、レース開催時のラスベガスの平均気温よりも暖かいくらいだ」

    「ラスベガスで2レース開催する可能性もあった。しかし、成長を続ける宝石のようなイベントの価値を、自分たちで損なうようなことはしたくなかった」

    「その時期のアメリカではNFLと競合する。NFLは非常に大きなスポーツであり、多くのファンが見ている。我々がその巨大な存在と正面からぶつかる状況は避けなければならない」

    ステファノ・ドメニカリ

    ブレグジット後の通関手続きも障壁に
    もう一つの大きな理由が、ブレグジットによる物流面の問題だった。

    現在のF1チーム10チームのうち9チームはイギリスに拠点を置いている。EU離脱後は、機材をイギリスへ持ち帰る際や再び海外へ搬出する際に通関手続きが必要となり、終盤戦のタイトな日程では大きな制約となる。

    ラスベガスで追加レースを開催したあと、イギリスで必要な手続きを済ませて別地域へ向かうスケジュールは現実的ではなく、ヨーロッパでシーズンを締めくくる方が運営上も効率的だったという。

    ドメニカリは次のように説明した。

    「現在の制約を考えると、一度イギリスへ戻ってブレグジット関連の通関手続きをすべて終え、その後に別の場所へ向かわなければならない」

    「だからこそ、同じスケジュールの枠内でシーズンをヨーロッパで締めくくることが唯一現実的な選択肢だった」

    終盤戦の開催可否は9月中旬に判断
    カタールGPとアブダビGPを予定どおり開催できるかどうかは、9月中旬に最終判断が下される予定となっている。

    両大会が中止となった場合には、イモラまたはポルティマオでの代替開催が有力視されているが、ドメニカリCEOの説明からは、興行面でのブランド価値の維持と、ブレグジット後の物流・通関という現実的な課題の両方を考慮した結果、ヨーロッパでシーズンを締めくくることが最も現実的な選択肢と判断されたことがうかがえる。

  • F1ラスベガスGP 排水口事故訴訟で和解 F1側が約300万ドル支払い

    F1ラスベガスGP 排水口事故訴訟で和解 F1側が約300万ドル支払い

    F1ラスベガスGPと親会社のリバティ・メディアは、2023年大会の初日に発生した排水口カバー事故を巡る集団訴訟について、300万ドル(約4億8000万円)を超える和解金を支払うことで合意した。

    2023年に提起された訴訟では当初、50億ドル(約8000億円)という巨額の損害賠償が請求されていたが、一部請求が棄却された後も訴訟は継続され、今回の和解によって決着することになった。

    初開催のFP1で発生した排水口事故
    問題が発生したのは、2023年11月に初開催されたラスベガスGPのフリー走行1回目だった。

    セッション開始直後、コース上に設置されていた給水バルブ用のカバーが外れ、カルロス・サインツJr.のフェラーリをはじめ複数のマシンが損傷。安全確認とコース補修のため、セッションは赤旗中断となった。

    その後、走行再開まで約2時間半を要し、フリー走行2回目は深夜に実施された。しかし、警備員や会場スタッフの勤務時間などの制約を理由に、観客は再開前に退場を命じられ、多くのファンが走行を見ることができなかった。

    1日券と3日間通し券の購入者が補償対象
    ラスベガス・レビュー・ジャーナルによると、木曜日のプラクティス1日券、または3日間通し券を購入した観客は、条件を満たせば補償を受けられる可能性がある。

    和解金は300万ドル(約4億8000万円)を超える見通しで、対象となる観客への補償などに充てられる。

    一方で、リバティ・メディアとラスベガスGPは和解に応じたものの、事故や観客対応について法的責任や不正行為は認めていない。

    当初は50億ドルを請求する集団訴訟
    この集団訴訟は2023年に提起され、原告側は走行を観戦できなかったことに加え、交通費や宿泊費なども含めた損害を理由に、総額50億ドル(約8000億円)の賠償を求めていた。

    2025年2月には訴えの一部が棄却されたものの、修正訴状が認められたことで審理は継続。その結果、双方は裁判を続けるのではなく、300万ドル(約4億8000万円)を超える支払いによる和解で合意した。

    2023年のラスベガスGPは、F1が大々的にプロモーションを展開した新たな市街地レースだった一方、初日の排水口事故と観客対応は大会運営に対する大きな批判を招いた。今回の和解により法的な争いは終結するが、この一件はF1における市街地レース運営の課題を象徴する出来事として記憶されることになりそうだ。

  • 【動画】 F1 欧州最大のドローンショーで新記録 ラスベガスGP延長を発表

    【動画】 F1 欧州最大のドローンショーで新記録 ラスベガスGP延長を発表

    F1はモナコGPの開幕イベントで欧州史上最大となるドローンショーを実施し、同時にラスベガスGPの2037年までの開催延長を発表した。

    3,050機のドローンがポート・エルキュール上空を彩り、F1がスポーツエンターテインメントとしての存在感を改めて示した夜となった。

    モナコの夜空を埋め尽くした3,050機のドローン
    2026年モナコGPの公式オープニングパーティーで、F1は欧州最大規模となるドローンショーを開催した。

    ショーでは3,050機のドローンが投入され、高さ約183メートル、幅約244メートルに及ぶ巨大な空中演出を展開。2025年にフランス・ニースで記録された2,025機の欧州記録を大きく更新した。

    約10分間にわたる演出では、モナコ市街地や伝統の市街地サーキットが夜空に描かれ、その後モナコGPの優勝トロフィーを再現。これはモナコGPが2035年まで開催契約を延長していることを祝う意味も込められていた。

    さらにドローンは立体的なヘルメットや全F1チームのロゴを表現し、フィナーレではラスベガスの象徴的なビジュアルを描き出した。


    ラスベガスGPは2037年まで継続へ
    イベント最大の発表となったのは、ラスベガスGPの10年間契約延長だった。

    F1とラスベガスGPの主催者は、同イベントが2037年シーズンまでカレンダーに残ることを正式に発表。2023年の初開催以来、ラスベガスGPはF1を代表するイベントのひとつへと成長しており、今回の契約延長はその成功を裏付けるものとなった。

    近年のF1はアメリカ市場への投資を強化しており、マイアミGP、オースティンのアメリカGPに加えて、ラスベガスGPは北米戦略の中核イベントとして位置づけられている。

    F1が目指す“世界最高のショー”
    F1の最高商務責任者でありラスベガスGPのCEOも務めるエミリー・プレイザーは、今回のイベントについて次のように語った。

    「モンテカルロの街路から港の上空まで、F1は世界のスポーツ界でこれまで誰も見たことのないスペクタクルを提供し続けている」

    「たった一夜のうちに、我々はモナコGPの歴史に敬意を表し、欧州最大のドローンショーを実施し、ラスベガスGPの10年契約延長を発表し、さらにEXPLORA Iで世界的スターたちをもてなした」

    「我々のスポーツが新たな高みに到達しているのを見られてうれしく思うし、この象徴的な場所で週末のアクションが始まるのが待ちきれない」

    今回のオープニングイベントは、ポート・エルキュールに停泊した豪華クルーズ船「EXPLORA I」で開催された。DJボブ・サンクラーがパフォーマンスを披露し、ナオミ・キャンベルもDJブースに登場するなど、モナコらしい華やかな雰囲気の中でF1の新たな節目が祝われた。

    F1が拡大を続ける象徴的な一夜
    今回の発表は、単なるエンターテインメントイベント以上の意味を持っている。

    モナコGPの長期契約、ラスベガスGPの2037年までの開催確定、そして欧州記録を更新するドローンショー――。これらはF1が伝統と革新の両立を掲げながら、グローバルスポーツとしてさらなる成長を続けていることを象徴する出来事となった。

    2026年モナコGPはまだ開幕したばかりだが、その週末はすでに歴史的な記録からスタートしている。

  • F1ラスベガスGPが2037年まで契約延長 10年合意で長期開催へ

    F1ラスベガスGPが2037年まで契約延長 10年合意で長期開催へ

    F1は、ラスベガスGPを2037年まで継続開催することを発表した。ラスベガスGP社、クラーク郡当局、ラスベガス観光局が新たな10年延長に合意し、2023年にカレンダー入りしたイベントの長期的な将来が確定した。

    ラスベガスGPは、ラスベガス・ストリップを舞台に行われるF1屈指の大型イベントとして定着してきた。

    全長3.8マイル(6.2km)のラスベガス・ストリップ・サーキットでは、マシンが時速200マイル(322km/h)を超え、ベラージオ、シーザーズ・パレス、ウィン・ラスベガス、ベネチアン・リゾート・ラスベガスといった象徴的なランドマークを通過する。

    2023年の初開催以降、ラスベガスGPは南ネバダ地域に累計32億ドルの経済効果をもたらした。2023年から2025年までの3大会はいずれも完売し、ラスベガスをF1の主要開催地のひとつとして位置づける役割を果たしている。

    ドメニカリ「ラスベガスは米国での存在感の礎」
    ステファノ・ドメニカリF1会長兼CEOは、ラスベガスでの長期開催継続を歓迎した。

    「F1が今後何年にもわたってラスベガスでレースを続けることを大変うれしく思う」とドメニカリはコメント。

    「2023年の初開催以来、このイベントは extraordinary なものとなり、素晴らしいレース、世界最高水準のエンターテインメント、グローバルなビジネスリーダー、Aリストのセレブリティ、インフルエンサーが集まる最高峰の開催地として急速に地位を確立した」

    「地域経済とコミュニティに強く、永続的な影響をもたらしてきた。我々は常に、ラスベガスが米国における我々の存在感の礎になると信じていた。今回の延長と近年の成功は、この重要市場に対する我々の長期的なコミットメントをさらに強めるものだ」

    ラスベガスグランプリ

    経済効果と地域貢献を両立する大型イベント
    2025年大会だけでも、ラスベガスGPは州および地方税収として4300万ドルを生み、そのうち1500万ドルが地元の幼稚園から高校までの教育支援に充てられた。

    また、ラスベガスGP財団は非営利団体に200万ドル以上を寄付し、クラーク郡学区の生徒や地域団体に教育機会を提供してきた。39エーカーの複合施設「グランプリ・プラザ」は、世界最大のF1アトラクションとしてファンと地域社会の拠点になっている。

    プレイザー「ラスベガスGPにとって決定的な瞬間」
    ラスベガスGP社のエミリー・プレイザー社長兼CEOは、2037年までの契約延長を重要な節目と位置づけた。

    「2037年までの10年延長を確保したことは、ラスベガスGPにとって決定的な瞬間であり、我々の地域パートナーシップの強さを反映している」

    「ラスベガスは世界のどこにもない場所であり、そのエネルギー、ホスピタリティ、スケールは、このレースが現在の形へと発展するうえで大きな役割を果たしてきた。この長期延長により、我々はファンに世界最高水準の体験を届け続けることができる」

    ヒル「ラスベガスとGP双方にとって大きな瞬間」
    ラスベガス観光局のスティーブ・ヒル社長兼CEOも、F1との関係継続を歓迎した。

    「今後10年間にわたってF1とのパートナーシップを延長することは、ラスベガスとグランプリ双方にとって大きな瞬間だ」

    「わずか3年で、このレースは世界的なシグネチャーイベントとなり、レースウィークにおいてラスベガスを文化、競争、エンターテインメントの中心に置いた」

    ラスベガスGPは、単なる市街地レースではなく、F1が米国市場で築くエンターテインメント型グランプリの象徴となった。2037年までの契約延長は、F1がラスベガスを長期的な中核開催地として位置づけたことを示している。

  • アイザック・ハジャー F1カタールGP展望「戦略が勝負を決める」

    アイザック・ハジャー F1カタールGP展望「戦略が勝負を決める」

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)が、2025年F1カタールGPへの展望を語った。

    F1終盤戦を迎え、最終2戦が大好きなナイトレースで行われることに喜びを口にした。特に高速レイアウトのカタールは、彼の得意とするタイプのサーキットでもある。

    「シーズンをナイトレースで締めくくれるなんて最高だ」とハジャーはコメント。

    「カタールはとても高速のサーキットで、走るのが本当に楽しみだ。今週末は義務のピットストップがあるから、戦略がこれまで以上に重要になる。しかもスプリント週末だからポイントを獲るチャンスも増える。ラスベガスで得た学びを活かして、すべてをまとめ上げたい」

    VCARBはコンストラクターズ選手権で熾烈な争いを続けており、ハジャーも新人ながら確実にポイントを持ち帰る走りを求められる。

    ハジャーはラスベガスでも確かな速さを示しており、カタールではさらに上位を狙える可能性が高い。

    アイザック・ハジャー カタールグランプリ

  • リアム・ローソン F1カタールGP展望「中高速コーナーは僕たちの武器」

    リアム・ローソン F1カタールGP展望「中高速コーナーは僕たちの武器」

    リアム・ローソン(レッドブル・レーシング)が2025年F1カタールGPへの展望を語った。

    ローソンとチームはラスベガスで強力なパフォーマンスを見せ、あらゆるコンディションで速さを示した。コンストラクターズ争いが激化する中、彼は再び結果を持ち帰ることを目指す。

    「ラスベガスではチームとして重要なポイントを取れたし、どんな状況でも速さを示せた」とローソンはコメント。

    「今週またレースに戻れるのが嬉しい。カタールは中高速コーナーが多くて、僕たちのマシンに合っていると思うから、自信を持って臨める。走り出すのが楽しみだ」

    ルサイル・インターナショナル・サーキットは高い平均速度を誇り、マシンバランスとタイヤマネジメントが勝負を左右する。2025年はタイヤの最大25周ルールも適用され、戦略も例年以上に重要になる。

    VCARBはこの週末、さらなるポイント獲得でコンストラクターズ争いの順位向上を狙う。

    リアム・ローソン カタールグランプリ

  • マクラーレンF1 W失格の内部調査結果を公表「センサー故障と路面特性」

    マクラーレンF1 W失格の内部調査結果を公表「センサー故障と路面特性」

    マクラーレンは、F1ラスベガスGP決勝でランド・ノリスとオスカー・ピアストリの2台が“スキッドプレート摩耗の規定違反”で失格となった件について、内部調査の結果を明らかにした。

    チーム代表アンドレア・ステラは失格処分を受け入れつつも、「安全マージンは取っていた」「原因は完全に予見不能だった」と述べ、今回のケースが技術規定の運用面における課題を示したとも指摘した。

    予選・決勝で想定外のポーポイズが発生
    マクラーレンの説明によると、問題はレース序盤から明確になっていたという。

    チームは車体下部の摩耗量を走行中に監視していたが、予想を上回るポーポイズ発生によりスキッドプレートへ“異常に大きな縦方向の荷重”がかかっていることを早い段階で把握した。

    「レース序盤のデータから、予期しないレベルのポーポイズが懸念になると分かった」とステラは説明する。

    ノリスのマシンではテレメトリーで状況を追うことができたが、ピアストリ車では地面への接触度を測る重要センサーが途中で故障。これによりピアストリ側の判断と対策は大きく制約された。

    両ドライバーはライン変更や速度調整など“接地を減らすための対処”を試みたが、ラスベガス特有の路面・形状との相性が悪く、効果が限定的な区間が多かったという。

    さらにステラは「速度低下が改善になる区間もあったが、逆に悪化させる区間もあった」とし、単純な対策では抑え込みきれない複雑な状況だったと説明した。

    安全マージンを確保していたが“無効化”された
    FP1はマンホール問題による赤旗、FP2は濡れた路面という極端に限られた事前データの中、チームはむしろ慎重な“安全マージン車高”を採用していた。

    ステラは「リスクを取りすぎたわけではない」と強調し、予選・決勝に向けて車高には余裕を確保したという。

    しかし、その安全マージンは“想定外の大規模ポーポイズ”によって完全に打ち消された。

    「速度を落とせば車高に余裕ができるはずだが、ラスベガスのいくつかの区間では逆効果になった」とステラは語り、路面の特徴とマシン作動領域の“不運な一致”が原因だったと説明している。

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン) ラスベガスグランプリ

    FIAは“故意でない”と認めつつも、規定上は即失格
    今回の摩耗はごく軽微な違反だった。

    ■ ノリス:許容値以下 0.12mm
    ■ ピアストリ:許容値以下 0.26mm

    FIAも測定精度を確認したうえで「意図的ではない」「性能向上を狙ったものでもない」と理解を示した。

    しかしスキッドブロック規定は裁量ゼロであり、
    「9mm未満の箇所が1つでもあれば即失格」
    という絶対ルールのため、スチュワードには他の選択肢がなかった。

    ステラは次のように語る。

    「技術規定には比例性がない。軽微で偶発的な違反であっても、現行ルールでは失格以外の選択肢が存在しない。FIA自身もこの点を改善すべきだと認めている」

    この発言は、今後の技術規定の運用基準を巡る議論につながる可能性がある。

    今後2戦での“再発可能性は極めて低い”と強調
    マクラーレンは、今回の問題はラスベガス特有のサーキット特性とマシン作動領域が“悪い方向に一致した”極めて限定的なケースだと判断している。

    「通常のセットアップ手法に戻せば問題は再発しない」とステラは述べ、カタールやアブダビでは同様の事象が起きる可能性はほぼゼロと見ている。

    今回得られたデータは、“作動ウィンドウとポーポイズ挙動の理解”を深める重要な材料となり、残り2戦へ向けて確実にフィードバックされるという。

  • F1パワーランキング:2025年F1ラスベガスGPで評価を高めたドライバーは?

    F1パワーランキング:2025年F1ラスベガスGPで評価を高めたドライバーは?

    マックス・フェルスタッペンは2025年F1ラスベガスGPで重要な勝利を挙げ、さらにマクラーレンの2台が失格となったことで、ランド・ノリスの選手権リードをわずか24ポイントにまで縮めた。

    フェルスタッペンは今回のパワーランキングのトップ10で首位に立ったが、先週末に印象的な走りを見せたのは他に誰なのか。最新スコアとシーズン総合リーダーボードは以下のとおり。

    F1パワーランキングは、F1.comの5人の審査員がグランプリ終了後に各ドライバーを評価し、週末を通してのパフォーマンスに応じて10点満点で採点。専門家のスコアを平均してレーススコアを作成し、そのスコアは総合パワーランキングのリーダーボードでシーズンを通して集計される。

    1.マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
    フェルスタッペンは、ノリスがターン1で大きく膨らんだ際に彼をオーバーテイクすると、そのまま振り返ることなく2025年シーズン6勝目へ向かった。一時的にラッセル(メルセデス)のプレッシャーを受けたものの、最終的には20秒以上のリードで勝利を収めた。ノリスとピアストリの失格により、残り2レースとスプリントを前に、フェルスタッペンは依然としてタイトル争いの現実的な脅威となっている。オランダ人ドライバーはピアストリと同点で、ノリスに24ポイント差まで迫った。

    2.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)
    悲惨な予選で17番手スタートとなり、さらにスタート時のわずかな動きで5秒ペナルティを受けたキミ・アントネッリ。しかし彼は2周目にソフトタイヤを交換した後、残り48周をハード1セットで走り切るという見事なドライブを披露した。4番手まで浮上しピアストリを抑えたものの、ゴール時にはペナルティの影響で順位を落とした。しかしマクラーレン勢の失格により、アントネッリはまさかの表彰台へと押し上げられた。

    3.ランド・ノリス(マクラーレン)
    ノリスは難しいコンディションの中で今季7度目のポールを獲得し、勝利に向けて絶好の位置につき、事実上タイトルに手をかけた状態となった。スタートでフェルスタッペンの前に強引に割り込んだが、ターン1でオーバーシュートしフェルスタッペンとラッセルの後方へ後退。第2スティントではラッセルを抜くタイミングをうかがい、終盤までは安定して2番手を維持していた。しかし最終ラップで大幅にペースダウン。これはスキッドブロック摩耗の懸念による指示だったが、最終的に失格となり、この判断は無意味に終わった。この結果はタイトル争いに大きな影響を及ぼす可能性がある。

    4.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)
    ローダウンフォースで高速のバクーに似たサーキットで、またしても予選で強さを見せたカルロス・サインツは3番グリッドを獲得したが、最終結果では5位となった。スタートでラッセルに抜かれたものの、オープニングスティントではルクレールやピアストリなど速いマシンを抑え込んだ。ピットストップ後のシーケンスで2台に抜かれたが、マクラーレン勢の失格で2つ順位が上がり、今季2度目に良い結果となるフィニッシュを達成。ハジャーに10秒以上の差をつけてゴールした。

    5.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバーF1チーム)
    予選11番手でQ3をわずかに逃したニコ・ヒュルケンベルグは、前方の全車がミディアムを履く中、オープニングスティントでハードタイヤを選択した。第1スティントを引っ張ったことで9番手で復帰し、その後は一度も順位を譲らず、最終的に7位へ。ドイツ人ドライバーの2戦連続ポイントにより、チームはコンストラクターズでアストンマーティンとハースにそれぞれ4ポイント、5ポイント差まで近づいた。

    6.ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)
    昨年ラスベガスで勝利したラッセルは、今年は序盤からステアリングの問題を抱えながらも最終的に2位に落ち着いた。スタートではノリスを抜き、さらに第1スティントではフェルスタッペンに挑戦。しかし第2スティントでプッシュしすぎてタイヤを痛め、ノリスに再度抜かれることになった。それでもマクラーレンの違反による失格が控えており、最終的にラッセルは2位となった。

    7.アイザック・ハジャー(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)
    目立たぬ形ながら、アイザック・ハジャーはレーシングブルズにさらなるポイントをもたらし、ラスベガスで6位に分類され2戦連続ポイント獲得となった。予選8番手からスタートし、オープニングターンで数ポジションを上げて5番手を走行したが、第1スティントの間にピアストリとルクレールに抜かれた。唯一のピットストップ後は単独走行となり、レーシングブルズのコンストラクターズ6位を固める結果となった。

    8.シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)
    ウェットで苦戦したルクレールは決勝で反撃し、最終的に0.2秒差で表彰台を逃した。9番手スタートでターン1の混乱を回避し、ベアマン、ピアストリ、ハジャー、さらにピットアウトしたサインツをオーバーテイク。最適とは言えない戦略によりピアストリの後方で復帰し、彼とアントネッリに追いつけず最終的に4位となった。

    9.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    ピアストリは5番手スタートから1コーナーでレーシングブルズ2台の後方に落ち、ローソンとの接触もあった。ローソンが2周目に問題を抱え前に戻ったものの、その後ルクレールに抜かれ、ピットシーケンスでのみ前に戻れた。終盤はアントネッリの後ろにつかまり続け、4位から失格となった。その結果、ノリスとの差は本来なら30ポイントになるところが、カタールに向け24ポイント差に縮まった。

    10.エステバン・オコン(ハースF1チーム)
    エステバン・オコンは静かにレースを進め、13番手スタートから多くの時間をトップ10圏の周辺で走り、最終的に11位でフィニッシュした。しかしマクラーレンの失格によりオコンとハースのベアマンがポイント圏内に繰り上がり、ハースはコンストラクターズでアストンマーティンを1ポイント上回ることになった。

    惜しくも圏外
    ベアマンは今週のパワーランキング上位半分へのランクインをわずかに逃した。序盤はポイント圏を走り、第2スティントではアロンソを抜き返し、10位でフィニッシュした。

    2025年のF1世界選手権 ラスベガスグランプリ

  • フェルナンド・アロンソ 「もうこのF1マシンともお別れ…残り2戦はお祝いだ」

    フェルナンド・アロンソ 「もうこのF1マシンともお別れ…残り2戦はお祝いだ」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、2025年F1ラスベガスGP決勝で13位でフィニッシュした。

    ウェットの予選で光った7番手スタートは実りにつながらず、決勝では直線スピード不足と低い効率が露呈。終始厳しいレースとなり、ポイント圏には手が届かなかった。

    アロンソは雨の予選で入賞圏内に食い込み期待を集めたが、ドライの決勝では50周にわたりペース不足が明確となった。レース後、本人は「孤独で退屈なレースだった」と語り、自身の好走が結果に結びつかなかった現実を淡々と受け止めた。

    「孤独で退屈なレースだった」
    アロンソは決勝後、「週末ずっと普通だったし、ラスベガスで魔法のように速くなることもなかった。ポジションを落として、アクションもなく、孤独で退屈なレースになった」と振り返った。

    予選の7番手は“雨がつくった例外”だったと捉えており、「ああいうのは滅多にないし、決勝を走って初めて、本当の位置が分かる」と話した。

    アストンマーティンのブランドアンバサダーでDAZN F1の解説を務めるペドロ・デ・ラ・ロサも、
    「戦略は良かったがスピードとトップエンドが足りなかった。予選の雨が現実を歪めていた」
    と分析した。

    見せ場は「あの1回だけ」
    アロンソはレース中、角田裕毅とフランコ・コラピントをまとめてかわす場面や、ハミルトンやハース勢とのバトルがあったが、最終的にはペース不足で後退した。

    「良かったオーバーテイクは1回だけだと思う。でもテレビで“良かった”と言われたなら、それは嬉しい。たぶんレース中に唯一できたオーバーテイクだった」
    と冗談交じりに語った。

    「6位を期待するのは非現実的。2026年に集中している」
    アロンソは残るカタール、アブダビの2戦についても慎重だ。

    「良くなるといいけど、現実的にならないといけない。何戦も正当にポイントを取れていないんだから、カタールで6位以内に入れると期待する方が非現実的だ」
    と語り、現在のパフォーマンスではポイント争いが厳しいことを認めた。

    現在アロンソは最終戦を前にトップ10入りから後退しており、
    「ここ最近は本当に厳しい年だ。僕たちは2026年に集中している」
    と長期プロジェクトへ意識を向けている。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    「このクルマをもう運転しなくていい、お祝いの2戦」
    そしてアロンソは、残る2戦をこう総括した。

    「シーズンの最後は“お祝い”として受け止めるよ……もうこのクルマを運転しなくていいというね。カタールではスプリントがあるし、アブダビではまた別の“お祝い”があるだろう」

    2025年の終盤戦はアロンソにとって耐える時間が続くが、2026年の新規則に向けた準備をすでに見据えている。

  • 角田裕毅 レッドブルF1の“失態”に激怒「こんな基本的なミス…答えがほしい」

    角田裕毅 レッドブルF1の“失態”に激怒「こんな基本的なミス…答えがほしい」

    レッドブル・レーシングの角田裕毅が、F1ラスベガスGP予選で発生した“タイヤ内圧の重大ミス”について強い不満を示した。ウェットコンディションの中で走行した予選で、チームの空気圧設定が大幅に外れていたことが後に判明。マックス・フェルスタッペンとは3.340秒差をつけられて敗れ、予選対決は24戦連続の黒星となった。

    この大きなロスが決勝の無得点へ直結したこともあり、2025年シーズンで苦境にある角田にとっては致命的な出来事となった。

    レッドブル代表ローラン・メキースは「かなり大きなミス」と認めているが、角田自身はレース後も詳細説明を受けられず、不満が収まらない様子だ。

    「どうして起きたのか知りたい」角田裕毅が示した強い疑問
    角田裕毅は、タイヤ内圧が完全に適正ウインドウ外だったことについて、次のように率直な思いを語った。

    「ちゃんと知りたいんです。どうしてこんなことが起きたのか…。本当に基本的な部分ですし、完全にウインドウから外れていました。小さな問題というレベルじゃなくて、あの状態では競争力を発揮するのは無理でした」

    さらに続けて、避けられたミスだったと強調する。

    「しかも、避けられたはずのことだと思っています。セッション中に避けることも改善することもできませんでしたし、しっかり調べる必要があると思います。あのセッションは、文字どおり“投げ捨ててしまった”ようなものです」

    F1におけるタイヤ内圧設定は、性能と安全性の両面で非常に重要であり、特に雨の予選ではタイヤ温度・グリップの確保に直結する要素だ。角田が“基本的なミス”と断じた背景には、この設定がレースウィーク全体の根幹に関わる重要事項であるという事情がある。

    「FP1からFP3までフェルスタッペンの前にいた」プラクティスで見せた実力
    角田裕毅は、予選までの流れは非常に順調だったと振り返る。

    「少なくとも予選までは、何度もパフォーマンスを見せられていたと思います。FP1からFP3まで、パフォーマンスランのたびにマックスとしっかり戦えていましたし、何度も彼の前にいました」

    実際、ラスベガスではプラクティスのたびに角田のラップは競争力を発揮し、トップ3強の後方に迫る場面も多かった。角田自身が“今季でもっとも良い手応え”と語るほど、RB21のバランスも本人のドライビングも噛み合っていた。

    「こういう状況は長い間ありませんでしたし、みんなも見ていなかったと思います。そこはポジティブに受け止めるべきです。ペースは本当に良かったです。マックスがすごいのは、予選になるとさらにレベルを上げてくるところです」

    角田裕毅 レッドブル・レーシング

    「どのグランプリより自信があった」だからこそ深い落胆
    順調なプラクティスを経て臨んだ予選での痛恨の失敗に、角田は大きな失望を滲ませた。

    「自信は本当にありましたし、どのグランプリよりも自信がありました。本当に残念でした。でもポジティブなのは、ペースが戻ってきていることです。良くなっているので、カタールでも同じようにやっていくだけだと思います」

    角田が“どのGPより自信があった”と明言したことは、裏を返せば今回のミスがチーム内で重く受け止められるべき事案であることを示している。

    2026年シートへの影響は避けられない情勢
    レッドブルでは、レーシングブルズのアイザック・ハジャーが昇格候補の筆頭とされる状況が続いている。角田裕毅の2026年シートは厳しい情勢と見られ、今回の“基本的ミス”による予選壊滅は、チームにとっても角田にとっても痛恨の結果となった。

    ミスの原因究明と改善はもちろん、角田自身の気持ちの切り替え、そして残るカタールとアブダビでの結果が今後のキャリアを左右する重要な局面となる。