カテゴリー: ホンダF1

  • アストンマーティンF1 ストロール「3秒遅れ」それでも語るAMR26の可能性

    アストンマーティンF1 ストロール「3秒遅れ」それでも語るAMR26の可能性

    ランス・ストロール(アストンマーティン)は木曜のFIA公式記者会見に出席し、2026年F1シーズン序盤に苦戦が続くチームの現状について率直に語った。

    アストンマーティン・ホンダは深刻な振動問題と信頼性の課題を抱えており、競争力の面でもトップ勢から大きく後れを取っている。

    フェルナンド・アロンソが家族の事情で木曜のメディア対応を欠席するなか、ストロールは現在のマシンの苦しさと、それでもAMR26には改善の余地とポテンシャルがあるとの認識を明かした。日本GPに向けては、まず2台そろってチェッカーを受けることが前進になると位置づけている。

    「一番つらいのは競争力がないこと」
    「とても不快だ」とストロールは語った。

    「でも、結局のところ、僕たちはチームとしてもっと競争力を持ちたいだけだ。みんなにとって一番つらいのはそこだ」

    「僕たちは全員、とにかくもっとパフォーマンスを持ち込んで、本来いたい位置である集団の前方に戻るためにすごくハードにプッシュしている」

    「だから、みんなの焦点はそこにある。できるだけ早くそこへたどり着くことがすべてだ」

    振動だけでなくエンジンとダウンフォースも課題
    振動に備えて身体面で特別な準備をしていることがあるのかと問われたストロールは、マシンを降りたあとまで不快感が残ることはないと説明した。これは、エイドリアン・ニューウェイがメルボルン戦を前に、ドライバーたちが「永久的な神経損傷」のリスクを負っていると語っていた流れを受けた質問だった。

    「身体的にできることはあまりない。ないんだ」とストロールは語った。

    「改善しなければならないのは振動だ。信頼性も改善しなければならない。でも、周回を重ねて完走できていたとしても、僕たちはトップのマシンから3秒から3.5秒遅れている」

    「だから改善すべきことはたくさんある。振動を解決して信頼性を改善したとしても、エンジンのパフォーマンス、もっと大きなパワー、そしてもっと大きなダウンフォースを見つけなければならない。だから取り組むべき領域はたくさんある」

    「みんな状況を改善するためにできる限りハードに働いている。もちろん、今の自分たちの位置に満足している者は誰もいない」

    「望んでいたようなシーズンのスタートではなかった。でも、現実は現実だし、状況を改善するために可能な限りハードに取り組んでいる」

    ランス・ストロール アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    AMR26にはポテンシャルがある
    アストンマーティンは、まず信頼性と安定性の基準を築く作業に追われており、純粋なパフォーマンス追求に集中できていない状況にある。そのなかでもストロールは、AMR26には本来的な競争力の可能性が残されているとの見方を示した。

    「そう思う。あると思う」とストロールは語った。

    「エンジン側に問題があることは分かっているし、マシンにも取り組まなければならない領域がある。ハイスピードコーナーはいまも僕たちの弱点だと思う」

    「だから、そうだね、僕たちは取り組む必要があると分かっているすべての領域で改善しようとしている。そして、できるだけ早くパフォーマンスを持ち込むことだ」

    「中国で抱えていた問題を改善しようとしている。大きな振動の問題があったし、信頼性の問題もあった。だから、そうした問題のいくつかに対処しているところで、まずは2台ともチェッカーフラッグを受けることができれば、それだけでも我々にとっては前進になると思う」

  • アストンマーティンF1 日本GP「両車完走」が目標 ホンダが不具合の原因特定

    アストンマーティンF1 日本GP「両車完走」が目標 ホンダが不具合の原因特定

    アストンマーティンF1は、2026年F1日本GPで両車完走という明確な目標を掲げた。ホンダの現場責任者である折原伸太郎は、前戦中国GPで発生した問題について根本原因を特定し、鈴鹿に向けて対策を施したことを明かしている。

    ホンダにとって母国戦となる鈴鹿を前に、アストンマーティンは厳しい状況に置かれている。

    アストンマーティン・ホンダは、パワーユニットの問題も響いてここまで2戦連続のダブルリタイアを喫しており、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは、バッテリー由来の振動によって手のしびれにも苦しめられてきた。

    ホンダは中国GPの問題で根本原因を特定
    中国GPでは、ランス・ストロールが9周目にメカニカルトラブルでリタイアし、フェルナンド・アロンソもその26周後に振動の問題でレースを終えた。

    折原伸太郎は、マイク・クラックとともにメディア対応を行い、ストロールのリタイアにつながった問題について原因を突き止めたと説明した。

    「問題の根本原因は見つかっていて、このイベントに向けていくつかの対策を施しています」と折原伸太郎は語った。

    「パフォーマンスのための仕様変更はできませんが、中国で多くのデータを収集しました。そのデータを分析し、今回のイベントに向けてエネルギーマネジメント戦略を改善するため、シミュレーションにも反映させています」

    「理論的な部分までは説明できませんが、問題は特定できています。さくらの施設で解析を行い、何が起きたのかを完全に理解しました。そのうえで対策を施しています」

    折原伸太郎はさらに、バッテリーの数量面については現在「自信を持っている」とも述べた。この点は、バーレーンでのプレシーズンテスト最終日にフェルナンド・アロンソの走行が途中で切り上げられた一因にもなっていた。

    「バッテリーの信頼性という観点では、第1戦と第2戦を通じて大きな進展がありました」

    「レースは完走できると確信しています」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    アストンマーティンF1の目標は“両車完走”
    マイク・クラックは、アストンマーティンとホンダの双方が、エイドリアン・ニューウェイの設計したAMR26の実力をより正当に示すために、複数の対策を講じてきたと明かした。

    「ハードウェア面、そしてドライバー側の面の両方で状況を緩和するために、我々は異なる対策に一緒に取り組んできた」とマイク・クラックは語った。

    「ですので、ここで試さなければならないステップがいくつかあるし、そのうえで今後どう進めていくかを見ていくことになる」

    またクラックは、オーストラリアから中国にかけて見られたわずかな改善を踏まえつつも、現時点での目標は極めて明確だと強調した。

    「中国ではその方向に向けて小さな一歩を踏み出せたと思うが、それでも十分ではなかった」とマイク・クラックは語った。

    「ですから、目標は両車でフィニッシュすることだ」

    鈴鹿で問われるアストンマーティン・ホンダF1の底力
    鈴鹿は、エイドリアン・ニューウェイの役割見直しを巡る外部の雑音を振り払う機会にもなる。チームは、アウディを離れたジョナサン・ウィートリーをピットウォールの役割に迎える可能性が取り沙汰されており、周辺ではさまざまな憶測も続いている。

    それだけに、今回の日本GPは単なる1戦ではない。アストンマーティンにとってはマシンの信頼性改善を示す場であり、ホンダにとっては地元ファンの前で積み重ねてきた努力の成果を示す場でもある。まず求められるのは派手な結果ではなく、2台を確実にチェッカーまで運ぶことになりそうだ。

  • アストンマーティンF1 ホンダ体制「6ヶ月でも解決せず」構造問題の全貌

    アストンマーティンF1 ホンダ体制「6ヶ月でも解決せず」構造問題の全貌

    アストンマーティンとホンダの内部では、現状の問題を解決、あるいは少なくとも緩和するまでに6ヶ月を要するとの認識が共有されている。それは「よく考えられているが、生まれ方を間違えた」マシンに降りかかっている問題だ。

    両者が競争力のあるポジションに立つまでには数ヶ月を必要とする見通しであり、問題は単一ではなく、複数の領域にまたがって存在している。

    プレシーズンテストで見られた不調は驚きではなかった。少なくとも一部についてはすでに把握されていたものであり、数ヶ月前の試験で示されていた内容を裏付けるものに過ぎなかった。

    さくらに設置されたバーチャル・テストトラックでの検証は、秋の段階で、実際のトラック上で観察された現象が起こり得る可能性をすでに示していた。チーム関係者が日本へ渡り作業を監督した動きも、それ以上の意味を持っていた。それは「現地に行って何が起きているのか見てこい」という意味だった。受け取っている情報が望ましいものであれば、上層部が現場に乗り込んで状況を確認する必要などない。

    ニューウェイのラディカルなコンセプト
    AMR26がモンメロのサーキットで黒一色の姿で披露されたとき、その独創性とラディカルなコンセプトは注目を集めた。それはこれまでに見られたどのマシンとも異なるように見えた。

    しかしその外観は、エイドリアン・ニューウェイの頭脳から生まれた内部構造にも反映されていた。ラディカルなコンセプトは到達し得ない成功へ導くこともあれば、クラッシュへ、すなわち「クラッシュするためのスター」へ導くこともある。そして現状は後者であるように見える。

    バッテリーの問題
    グリーンのマシンは外見が特異であるだけでなく内部も同様であり、問題はその内部にある。

    ニューウェイはホンダに対し、主要コンポーネントの配置と構成に関してさまざまな要求を行った。その目的は、極めてコンパクトで低いパッケージを維持することにあったと考えられる。そしてそれが、後に起きたすべての問題につながっている。

    起きたことは、熱エンジン部分と電動推進ジェネレーターの両方が大きく振動し、そのエネルギーがバッテリーへと伝達され、最終的には全体の機能を失わせる損傷の連鎖を引き起こすというものだった。

    最初に損傷するのはOリングであり、それにより冷却液の漏れが発生する。その液体はバッテリーセル内部に入り込み、本来密閉されているべき領域に侵入することで望ましくない化学反応を引き起こし、深刻な結果をもたらす。

    異常な振動が伝わる理由は2つある。ひとつは配置、もうひとつは取り付け方法だ。ニューウェイは重心を下げるためにMGU-Kを可能な限り低く配置することを要求した。

    そのためにバッテリーは2層構造に分割され、すべての部品のマウントが変更され、初期設計後に修正が加えられた。ジェネレーターはバッテリーとシャシーに接続されており、この近接性によって振動は直接バッテリーに伝わる。他のチームではこれほど強い影響は見られない。

    シャシーの問題
    問題の一部はシャシーにも存在する。

    そのミニマルな設計は優れた動的特性をもたらす一方で、振動を吸収するのではなく伝達してしまう。ニューウェイはホンダから構造強化の要請を受けたが、これを拒否した。シャシーは最初からその仕様で設計されており、後から変更することは想定されていなかった。一方で、バッテリーを2つのモジュールに分けるという変更は当初の設計には含まれていなかった。

    メルセデスでは電動系に関する別の問題を抱えながらも、この点を初期段階から考慮していた。MGU-Kをバッテリーから分離し、特定部分を補強したシャシーに支えられている。さらにMGU-Kはより高く配置され、バッテリーから距離を取っている。

    ホンダのMGU-Kは30,000rpmで回転し、他のエンジンメーカーよりもやや大きな振動を発生させているとされる。同様に内燃機関も振動が大きい。しかし他チームはこのような問題に直面していない。解決策はエンジンの再設計ではなく、配置と設計によってもたらされるべきものである。

    振動と燃料の関係
    興味深いことに、AMR26が燃料満載の状態にあるとき、燃料はクッションあるいはスタビライザーとして機能し、振動が軽減される。

    問題は軽い状態、すなわち予選のような条件で顕著に現れる。フリー走行でのロングランやレース序盤では、この問題が部分的に軽減されることが期待されている。一方で燃料は正常に機能しており、オイルも問題を引き起こさなくなっているようだ。

    ギアボックスと電装系の問題
    見直しが必要なもうひとつの要素はギアボックスである。

    多くの構成要素が再検討を必要としている。ギアの同期は完全ではないが、最大の問題はそこではない。この分野で最も深刻なのは電気系統とソフトウェアに関連する部分であり、理論上は構造問題よりも修正しやすいと考えられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    シミュレーションソフトウェアの問題
    ここでマシン外の問題に目を向けると、シルバーストンでのAMR26開発プロセスにおいて、手で触れることのできない領域、すなわちシミュレーションソフトウェアにも課題があった。

    これはDynisma製のシミュレーターではなく、ベースモデルに変更を加え、その結果を返すプログラムである。ダウンフォースを増やせばモンツァの長いストレート終端でサスペンションに強い荷重がかかり、減らせば硬いコンパウンドでグリップが低下する、といった挙動が再現される。

    アストンマーティンでは、誰かが何をすべきか指示してくれるのを待っているかのようだが、その指示はなかなか下されない。

    あらゆる変更はこのソフトウェアに入力され、現実に近い挙動が返される。このソフトの使用は開発時間を短縮する。実走テストが限られる現代では極めて重要な要素である。言い換えれば、テストドライバーがほとんど実走できない現代において、彼らの役割はシミュレーターに移行している。

    毒入りの買い物
    問題は、このソフトをメルセデスから高額で購入した点にある。

    数ヶ月から数年にわたり統合した後、彼らは重要な事実に気づいた。知的財産の問題により、ソフトウェアは提供されたが、その中で使用するモデルは提供されなかった。

    プログラムはあっても基準がなかった。ニューウェイはこれを完全に放棄し、新たな解決策を探すという決断を下した。各チームが独自開発するのは一般的であり、標準は存在しない。ゼロからの構築には時間がかかる。

    「痛みを伴う決断」という発言は、この判断を指していると考えられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム エイドリアン・ニューウェイ

    ニューウェイ体制の影
    チーム内部ではリーダーシップの欠如も指摘されている。

    ニューウェイは強い意志を持つ人物であり、反対意見は排除される傾向にある。しかし中間管理層が機能しておらず、意思決定が停滞している。

    他チームでは迅速かつ冷静に判断が下されるのに対し、アストンマーティンでは指示待ちの状態が見られる。問題を認識していても実行されない状況が続いている。

    「GP2エンジン」の記憶
    ホンダとの関係について触れておくと、考えられていることとは裏腹に、アストンマーティンとの関係は悪くない。

    誰も、2015年9月27日に起きたあの出来事を繰り返したいとは思っていない。あれは日本人にとって痛ましい一日であり、常に外からどう見られているか、そして名誉を重んじる彼らにとっては、いまだに許し難い出来事でもある。

    ホンダはマクラーレンと契約を結び、パワーユニットを供給するだけでなく、スポンサーとして多額の資金を提供し、さらにエースドライバーの給与のほぼ4分の3を負担していた。ホンダのロゴを額に掲げた世界チャンピオンが存在することは、その巨大な財政的・技術的投資を行うための条件のひとつだった。その持参金には、そうした条件が付随していた。

    あの日曜日の朝、フェルナンド・アロンソはエンジンの性能不足に苛立ち、ほとんど苦もなくトロロッソに抜かれた際、無線で「GP2エンジンだ、GP2エンジンだ」と叫んだ。

    チームのパフォーマンスエンジニアは、3台分のガレージ中央に設置されたテクニカルアイランドの前に立っていた。彼は頭を下げたまま、ゆっくりと首を回し、ガレージ奥の様子を見た。

    そこには、VIPゲスト用のヘッドセット接続が並ぶ光沢のあるカウンターの向こう側に、ホンダの幹部たちが立っていた。その無線メッセージを聞いた後、その60代の幹部たちは金属フレームの眼鏡をかけたままヘッドセットを外し始め、中には床に落とす者もいた。

    彼らは一言も発することなくその場を去り、口からではなく耳から泡を吹くかのような怒りをあらわにしていた。その日、そしてその後の日々にわたり、この件についての会議が何度も行われたが、どれも穏やかなものではなかった。

    あの年は、すべてを約束された関係が何も残さず崩壊した、苦しみの年だった。2015年から2017年にかけての混乱の末、マクラーレンとホンダという歴史的な2つの存在は決別し、それぞれでいるよりも、共にあることで価値を失う結果となった。

    アストンマーティンとホンダは、うまくやっていかざるを得ない。代替案は存在しない。

    プランBは存在しない
    アストンマーティンはホンダを必要としており、ホンダもアストンマーティン以外に現実的なパートナーを持っていない。どちらにもプランBは存在しないため、対立することはできない。そのため関係とコミュニケーションは適切に保たれている。頭を下げて問題が解決するまで働き続けるしかない。一度それを成し遂げたのだから、再びできるはずだ。しかしそれには時間がかかる。現在の問題を応急処置的に修正するのに数ヶ月、表彰台や勝利を狙えるものを生み出すには数年かかる可能性がある。

    テストでの結果が悪かったのであれば、マシンが1時間半のレースという機械的な負荷にさらされるとき、その設計が想定よりも早く崩壊する可能性がある。内部的には、開幕戦オーストラリアで2台とも完走できれば成功とみなされるだろう。チーム全体の頭上に漂っている考えは、少なくとも短期的には最悪はこれから来る、というものだ。

  • ホンダF1 日本GPの振動対策は応急処置 本格アップデートはマイアミ

    ホンダF1 日本GPの振動対策は応急処置 本格アップデートはマイアミ

    ホンダとアストンマーティンは、2026年シーズン序盤で直面している深刻な信頼性問題に対し、日本GPで追加の対策を投入する。だが、真の意味での“本格修正”は、早ければ次戦マイアミGPで導入される可能性がある。

    シーズン開幕2戦でアストンマーティン勢は完走扱いにすら至っていない。オーストラリアではランス・ストロールが15周遅れでフィニッシュし、中国ではストロールとフェルナンド・アロンソの両名がリタイアした。

    問題の中心にあるのは、ホンダのパワーユニットに起因する激しい振動だ。この振動は当初バッテリーを損傷させ、スペア不足を招くなど、開幕戦から深刻な影響を及ぼしていた。

    現在はバッテリーへのダメージ軽減について一定の進展が見られており、中国GPでのストロールのリタイアは別のバッテリー関連トラブルによるものとされている。

    ただし根本的な問題は未解決であり、ドライバーに伝わる振動は依然として大きいままだ。

    ホンダのトラックサイド責任者である折原伸太郎は、原因については完全に把握しているとしつつも、具体的な対策内容については明かしていない。

    「バッテリーの信頼性という観点では、第1戦と第2戦を通じて大きな進展がありました」

    「レースは完走できると確信しています」

    一方で、完走できるかどうかと“最後まで耐えられるか”は別問題だ。ストロールは鈴鹿で「現状ではレース距離の半分程度しか耐えられない」と語っており、ドライバーへの負担は依然として大きい。

    アロンソが中国でリタイアしたのも、まさにその限界点に達したタイミングだった。

    鈴鹿では“ドライバー側”の対策をテスト
    アストンマーティンは鈴鹿で、ドライバーが感じる振動を軽減するためのマシン側の対策を試す予定だ。

    マイク・クラックは、これは「ドライバー側に影響する」変更であると説明しており、ステアリングを通じて伝わる振動への対処が焦点とみられる。

    ただし具体的な変更内容については明かされていない。

    本格的な解決はマイアミGPか
    より抜本的な改善については、4月のレース間隔が大きな鍵となる。

    この期間を活用し、ホンダは信頼性向上のための仕様変更を準備する可能性があり、最初の“本格的アップデート”はマイアミGPで投入される可能性が高い。

    性能向上のアップグレードは制限されているが、信頼性改善についてはFIAの承認を得れば実施可能だ。

    ただし、十分な検証期間が必要となるため、マイアミ投入も確定ではない。

    折原伸太郎はその点について次のように語っている。

    「必要であれば導入できます」

    「現時点では難しいですが、マイアミでどうなるか見ていきます」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム F1 本田技研工業

    FIAは現時点で介入せず
    中国GPでは、アロンソが走行中に手を振るような仕草を見せるなど、安全面への懸念も浮上した。

    一部ではFIAが調査に乗り出したとの見方もあったが、実際には正式な介入は行われていない。

    レース中に無線や状況を確認する軽微なやり取りはあったものの、最終的にはチームが自主的にリタイアを判断した。

    クラックはこの件について次のように説明している。

    「ドライバーが『続けられない』と言えば、それに従うのが我々の責任だ」

    「彼は明らかに不快な状態にあった」

    さらに外部の介入については否定的な見解を示した。

    「我々はまず自分たちで問題を解決したい。他から言われる必要はない」

    「中国の後にはレビューを行った。技術面だけでなく、運用面でもどう対応したかを見直した」

    日本GPでは短期的な対策が試される一方で、真の転機はマイアミになる可能性が高い。

    ホンダとアストンマーティンにとって、この“振動問題”の克服がシーズンの流れを左右する重要な分岐点となりそうだ。

  • ジェンソン・バトン 日本とアストンマーティンF1への思い「心に残る小さなこと」

    ジェンソン・バトン 日本とアストンマーティンF1への思い「心に残る小さなこと」

    ジェンソン・バトンは、F1世界王者1回、通算15勝、306戦出走というキャリアを築いてきた。そのバトンが今回、新たに始めた「ジェンソンズ・ジャーナル」第1回で、日本、ホンダ、エイドリアン・ニューウェイ、2026年F1新レギュレーション、フェルナンド・アロンソ、そしてアストンマーティンとの新しい章について綴った。

    なぜアストンマーティンなのか。そう尋ねられることが多いというバトンは、その理由はとてもシンプルだと語る。

    幼い頃からクルマとモータースポーツに囲まれて育つなかで、アストンマーティンは特別な響きを持つ名前であり続けてきたという。

    アストンマーティンという特別な名前
    「同じ質問を何度もされるんだ」

    「なぜアストンマーティンなんだ?ってね」

    「正直、とてもシンプルなことなんだ」

    「クルマやモータースポーツのある環境で育つと、どうしても特別な意味を持つ名前がある。そしてアストンマーティンは、そのひとつなんだ。物心ついた頃から、ずっとこのブランドのクルマが好きだった」

    「僕は1980年代生まれだけど、1960年代のDB4やDB5を振り返ると、本当に美しいと思う。そしてその美しさが、いまに至るまでずっと続いている。パフォーマンスとスタイルが組み合わさっていて、それが時代を超えている感じがするんだ」

    「アストンマーティンはずっと僕の心の中で特別な存在だった。たぶん、それはほとんど誰にとっても同じだと思う」

    惹かれたのはチームを支える人たち
    バトンは、アストンマーティン・アラムコで仕事をするうえで本当に胸が高鳴るのは、そこにいる人たちだと明かした。優れた才能を持つ人材がそろっており、このチームが向かう先に対する確かな信念があるという。

    「でも、アストンマーティン・アラムコで仕事をするうえで本当にワクワクするのは、人なんだ。ここには才能のある人がたくさんいるし、このチームがどこへ向かっているのかについて、本物の信念がある」

    「もちろん、シーズンのスタートは簡単じゃなかった。でも、それがフォーミュラ1なんだ。ものすごく競争が激しい世界だからね。このスポーツでは、意味のある進歩っていうのは、いつだって時間をかけて築かれていくものなんだ」

    新しいレギュレーションで問われる適応力
    2026年は、新たな技術時代への移行という意味でも非常に興味深いシーズンだとバトンは見る。一方で、どれだけ時代が変わっても、F1がモータースポーツの頂点であることに変わりはないとも強調した。

    「今年はとくに面白い年なんだ。僕たちはまた新しい技術時代に足を踏み入れているからね。でも、変わらないものもある。フォーミュラ1は今でもモータースポーツの頂点だ」

    「F1マシンをドライブする感覚に匹敵するものは本当にない。パワー、ブレーキング、限界で走っているときにクルマが自分の下でどう動くか。その感覚は何度味わっても色褪せない」

    「このクルマたちは、信じられないほど速い」

    その一方で、マシンの挙動や扱い方は大きく変わってきているという。特にパワーユニットの振る舞いは、ドライバーがこれまで慣れ親しんできたものとは大きく異なる。

    「でも、こうしたクルマの働き方は進化している。いまのパワーユニットは、ドライバーがこれまで慣れてきたものとはかなり違う挙動をするんだ」

    「昔なら、コーナーを立ち上がったときに自分がどれだけのパワーを持っているのか正確に分かっていた。でも今は違う。ひとつ前のコーナーでどれだけブレーキ圧をかけたかとか、ハイブリッドシステムがどうエネルギーを展開するかとか、そういうことに左右される」

    「つまり、ドライバーはこれまで以上にその場で考えなければならない。これをうまくできるドライバーは良い意味で目立つことになるし、できないドライバーは悪い意味で目立つことになる」

    ニューウェイの仕事ぶりと、乗ってみたい1台
    バトンは、エイドリアン・ニューウェイが設計した新世代のマシンをぜひ走らせてみたいとも語った。長年ライバルとして彼のマシンと戦ってきたからこそ、実際に一緒に仕事をする感覚に強い興味を抱いていたという。

    「この新世代のクルマにはぜひ乗ってみたいよ。とくにエイドリアン・ニューウェイが設計したクルマにはね」

    「長年にわたって彼のクルマと戦ってきたし、一緒に仕事をしたらどんな感じなんだろうって、いつも思っていた。そういう意味では、ランスとフェルナンドに少し嫉妬していると言えるかもしれないね」

    そして、実際に間近でニューウェイの仕事ぶりを見られることも刺激になっている。

    「エイドリアンが仕事をしている姿を間近で見るのは、本当に興味深い。彼はとても昔ながらのやり方なんだ。ノートを手にして、製図板にアイデアをスケッチしている。でも、それこそが彼をあれほどの達人にしている理由の一部なんだと思う。本当にそうだ」

    「それに、そうだね、彼のノートをこっそりのぞこうとしたこともあるよ……もちろん気づかれたけどね」

    バトンは、もしチャンスがあるならニューウェイのクルマを本当に運転してみたいと笑う。

    「本当にエイドリアンのクルマを走らせる機会があれば飛びつくよ。デモランとかね。でも24戦のシーズンを戦うのは……もう僕には年を取りすぎているかな」

    アロンソというベンチマーク
    フェルナンド・アロンソについては、チームメイトとして過ごした数年間が非常に大きな意味を持っていたと振り返った。簡単な時期ではなかったが、アロンソという本物の基準がいたことで、自分自身も大きな挑戦を楽しめたという。

    「でも、フェルナンドはね……」

    「僕は数年間、彼と一緒にレースをした。僕たちにとって簡単な時代ではなかったけど、それでも自分にとってひとつだけ確かなベンチマークがあったとすれば、それはチームメイトのフェルナンドだった」

    「同じマシンでフェルナンドのような相手を倒そうとして走るのは、本当に大きな挑戦だった。でも、僕はその挑戦が大好きだった」

    「彼の仕事への姿勢を見るのもそうだし、クルマを降りたあとの楽しみ方を見るのもそうだ。彼は本当に良いキャラクターなんだ。10年経っても、その部分は何ひとつ変わっていない」

    いまでは、そんなアロンソと静かな共通点もあるという。

    「それに今では、もっと静かな共通点もある。日本にインスパイアされたタトゥーなんだ」

    「彼は背中に侍のタトゥーがあるし、僕には日本の書が入ったドラゴンのタトゥーがある。小さなつながりだけど、思い出すたびに笑顔になるよ」

    ジェンソン・バトン 本田技研工業

    ホンダとともに刻んだ日本での思い出
    日本は、バトンのキャリアにおいて非常に大きな存在だった。特にホンダとの関係を通じて、多くの高揚と忘れられない記憶が刻まれてきたという。

    「日本は、僕のキャリアの大きな一部だった。主にホンダとの関係を通じてね。そこには本当にたくさんの高揚や、決して忘れない思い出が詰まっている」

    「最初にホンダと仕事をしたのは2003年だった。そして、2006年の僕の初優勝も含めて、一緒に素晴らしい瞬間をたくさん共有してきた。あれはメーカーとしてのホンダにとって、1960年代以来のF1初勝利でもあった」

    「2015年と2016年にはホンダのパワーユニットでレースをしたし、その後のキャリアでも、日本のスーパーGTやデイトナでのアキュラで、また彼らと仕事をした」

    ホンダのレースに対する情熱は誰にも負けないとし、いまもAMR26の競争力を高めるために全力を尽くしているはずだと語った。

    「レースにこれほど情熱を持っている人たちはなかなかいない。そして彼らは今、AMR26のパワーユニットの競争力を高めるために、できる限りのことをやっているはずだ」

    日本は第二の故郷のような場所
    バトンにとって、日本は間違いなく幸せを感じる場所だという。第二の故郷のような存在であり、東京も世界で最も好きな都市のひとつだと明かした。

    「日本は間違いなく、僕にとって幸せな場所なんだ。いわば第二の故郷みたいなものだよ」

    「東京は、世界のどこよりも好きな街のひとつだ。食べ物は本当に素晴らしい。日本食だけじゃなくて、あらゆる料理がすごい。どんなものでも、あそこでは誰よりもうまくやってしまう。食材の質が本当に驚異的なんだ」

    「日本では新しいものを試したり、いろいろなタイプのレストランに行ったりするのが好きなんだ。でも、都会を離れて countryside に出ると、景色は本当に美しい。文化もヨーロッパで僕たちが慣れているものとはかなり違うし、たぶんそれが僕が日本をあれほど好きな理由のひとつなんだと思う」

    「とても礼儀正しい国なんだ。歓迎されていると感じさせてくれる」

    細部まで知る日本のファンへの敬意
    そしてバトンは、日本のファンについても強い敬意を示した。モータースポーツへの理解が深く、自身のレースやキャリア、さらには私生活に関する細かなことまで覚えていることに何度も驚かされてきたという。

    「それに、日本のファンがいる」

    「日本のファンは、モータースポーツの中でもとくに知識が深い人たちだと思う。彼らが理解しているのは、本当に細かなディテールなんだ。僕のレースやキャリア、さらには私生活についてのことまで調べて覚えている。本当に何度も、日本のファンから『どうしてそんなことまで知っているんだろう』と驚くようなことを言われたよ」

    「彼らはとても情熱的だ。このスポーツを本当に愛している。その熱意は素晴らしい。でも同時に、信じられないほど敬意もある」

    鈴鹿で心に焼き付いた2011年の光景
    バトンの記憶にいまも鮮明に残っているのは、2011年の日本GPで鈴鹿を制したあとの光景だ。レース後の祝福やデブリーフを終えたころにはすでに日が暮れていたが、スタンドにはまだ多くの観客が残っていたという。

    「いつまでも心に残っている思い出がある。2011年に鈴鹿で日本グランプリに勝ったときのことだ」

    「レース後に祝勝をして、デブリーフも全部終えたころには、もう外は暗くなっていた。でも、グランドスタンドにはまだファンが大勢残っていて、サーキットの大きなスクリーンでレースのリプレイを見ていたんだ」

    「5時間後でも、彼らはまだそこにいた」

    「それが、このスポーツに対する彼らの情熱のすべてを物語っている。そういう献身は、ずっと心に残るものなんだ」

    最後にバトンは、再び日本へ戻る日を心待ちにしていると締めくくった。

    「また戻れるのが待ちきれないよ」

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・ホンダF1正常化は「あと数戦」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・ホンダF1正常化は「あと数戦」

    フェルナンド・アロンソは、アストンマーティン・ホンダが“ノーマルなレース週末”を取り戻せる時期について、「あと数戦」のうちに実現したいとの見通しを明かした。2026年F1中国GPでもチームは厳しい週末を強いられ、再び2台揃ってリタイアに終わっている。

    中国GPのアロンソは、ホンダのパワーユニットに起因する激しい振動に苦しみ続けた。スプリントでも苦戦を強いられ、決勝は19番グリッドからスタート。レース中盤にマシンを止めることになり、振動の激しさからステアリングから手を離す場面の映像も話題となった。

    アロンソ「まだ問題を把握し切れていない」
    アロンソはレース後、アストンマーティンがいつ“普通の週末”を迎えられるのかを問われ、現時点では明確な時期を断言できないと率直に語った。

    「難しい予想だ。正直なところ分からない」とアロンソはメディアに語った。

    「僕たちはまだ問題を抱えすぎているし、日ごとにどこからともなく新しい未知の問題が出てきている。つまり、まだ問題をしっかり把握できていないように思える。だから予想するのは難しい」

    「でも、僕たちはプッシュしているし、チームには非常に高い能力を持ったプロフェッショナルと才能ある人たちがいる」

    まずは“完走”ではなく“周回を重ねること”
    その一方でアロンソは、最初の改善目標についても明確にしている。現段階での成功の基準は、まずセッションをきちんと走り切ることだという。

    「あと数グランプリのうちに、普通の週末を過ごせるようになればと思っている。少なくとも、周回を重ねてセッションを完了できるという意味ではね」

    現在のアストンマーティンにとっては、まず走行を成立させること自体が大きなテーマになっていることがうかがえる。

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    競争力の回復にはさらに時間
    ただし、信頼性の問題を解決できたとしても、すぐに上位争いへ戻れるわけではないとアロンソは見ている。競争力の面では、さらに時間が必要だとの認識を示した。

    「でも、競争力を持つにはもっと時間がかかると思う。正直に言ってね。信頼性の問題を解決したとしても、その時にはパワーやいろいろな面で僕たちは後れを取っているはずだからだ」

    「段階は2つあると言える。まず最初の段階が、早く来てほしいと思っている」

    アロンソの率直な言葉は、2026年のアストンマーティンが置かれている苦境の深さを物語っている。いまチームが見据える進歩は、まずAMR26で問題なく周回を重ね、セッションを完了すること。その先にようやく、本来の戦闘力回復への道筋が見えてくる。

  • フェルナンド・アロンソ 第1子誕生で来日遅れ F1日本GPメディアデー欠席

    フェルナンド・アロンソ 第1子誕生で来日遅れ F1日本GPメディアデー欠席

    フェルナンド・アロンソは、第1子の誕生に伴い来日が遅れるため、日本グランプリ木曜日のメディアデーを欠席することになった。

    アストンマーティンは水曜日、「個人的な家族の事情により、今週末はやや遅れて到着する」と発表した。チームはそれ以上の詳細を明かさなかったが、BBCスポーツは、パートナーのメリッサ・ヒメネスが第1子を出産したことが理由であると確認している。

    44歳のアロンソは私生活を公にしないことを好んでおり、それ以上の情報は明らかにされていない。

    チームはまた、「すべて順調であり、金曜日までにはサーキットに到着する」と付け加えた。

    アロンソは現在のアストンマーティンとの契約最終年にあり、2026年以降もF1に残るかどうかは明言していない。なお、金曜日のフリー走行1回目には出走しない予定だ。

    このセッションでは、チームのリザーブドライバーであるジャック・クロフォードが、年間義務付けられているルーキー走行の一環としてマシンをドライブする。

    アロンソはホンダが問題を解決できると信じていると語っているが、それにどれほど時間がかかるかは分からないとも認めている。これは2015年から2017年にかけてマクラーレンで苦しんだ際に続き、ホンダとの新たな関係で同様の状況に直面する2度目のケースとなる。

    アストンマーティンは、ホンダ製パワーユニットの信頼性とパフォーマンスの大きな問題により、シーズン序盤から苦戦を強いられている。さらに、マシンの設計着手が遅れたこともあり、開発面でも後れを取っている。

    その結果、開幕2戦を終えてコンストラクターズランキング最下位に沈んでおり、ホンダとの新たなワークス体制としては最悪のスタートとなっている。

    アロンソはオーストラリアと中国の両戦でリタイア。チームメイトのランス・ストロールも中国でリタイアし、メルボルンでは優勝者から15周遅れの最下位に終わった。

    ホンダの最大の課題は、エンジン由来の激しい振動であり、これがバッテリーの故障を引き起こしている。

    エンジニアたちはハイブリッドシステムの重要部品であるバッテリーを振動から隔離する作業を進めているが、振動は依然として車体全体に影響を及ぼしている。中国GPでは、ステアリングを握り続けることが困難になるほどの痛みを伴い、アロンソはリタイアを余儀なくされた。

    これは開幕戦の時点で、チーム代表のエイドリアン・ニューウェイが「25周走行するだけでドライバーに恒久的な神経損傷を与える恐れがある」と語っていた問題でもある。

    日本グランプリはホンダの母国レースであるだけでなく、創業者・本田宗一郎の指示により1960年代に建設された鈴鹿サーキットで開催される。

    ホンダのトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアである折原慎太郎は次のように語った。

    「中国では、システムに影響を与えていた振動を低減できたことで、バッテリーの信頼性に関して一定の進展がありました。ただ、ドライバーに影響を及ぼしている振動の原因を特定するためには、さらに解決策を見つける必要があります」

    「中国から日本までの間でも信頼性向上に取り組んできましたが、特にエネルギーマネジメントに関しては、まだ我々が望んでいるレベルには達していません」

    「鈴鹿はこの点で非常に厳しいサーキットです。我々はオーストラリアと中国で得た知見を活かして、日本グランプリに向けた準備を進めています」

    「今週末に向けて理想的な状態ではありませんが、パッケージを最大限に引き出すために引き続き努力していきます。母国の観客とホンダファンの皆さんに、バーレーン(テスト)以降の進歩をお見せしたいと思っています」

    振動問題に加え、ホンダのパワーユニットは内燃エンジンと電動システムの両面で出力不足に直面しており、エネルギーの回収および放出も規定最大の350kWに達していない。

    マシン側についても、ニューウェイは昨年3月にチームへ加入した影響で設計開始が遅れたことを認めているが、シーズン後半にはシャシーとして競争力を持つようになると確信している。

  • アストンマーティン・ホンダF1崩壊危機 ストロール激怒「人生最悪のマシン」

    アストンマーティン・ホンダF1崩壊危機 ストロール激怒「人生最悪のマシン」

    アストンマーティンは2026年シーズン開幕から深刻な苦境に陥っている。中国GPでも結果を残せず、ホンダとの新体制は厳しい船出となった。

    鈴鹿での日本GPを目前に控えるなか、チーム内部からも悲観的な声が相次いでおり、状況の深刻さが浮き彫りになっている。

    ランス・ストロールは中国GPの週末、無線で怒りを爆発させた。

    「これは俺がこれまで乗った中で、人生最悪のクルマだ」

    さらに鈴鹿に向けた期待を問われると、率直な本音を口にした。

    「祈るしかない。一緒に祈ってくれ」

    アストンマーティンは現在、ペース不足に加え信頼性の問題にも苦しんでおり、ホンダとの新時代は困難なスタートとなっている。

    フェルナンド・アロンソも冷静ながら厳しい見方を示した。

    「僕はフィジカル面でもドライビング面でも、自分にできる準備を続けていく」

    「ホンダが課題をしっかり解決してくれれば、前進が見えるはずだ」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    チーム側も状況を楽観視していない。トラックサイド責任者のマイク・クラックは、即効的な改善は期待できないと強調した。

    「我々は引き続き全力で取り組むが、現実的でなければならない」

    「一夜にして奇跡は起きない。重要なのは既存の問題を一つずつ解決していくことだ」

    日本GPではアップデート投入が予定されているが、その効果についても慎重な姿勢を崩していない。

    「いくつか新しいパーツを持ち込む予定だ。それがどれほど助けになるか見ていくことになる」

    こうした競争力の低迷に加え、チーム内部の体制にも不透明感が漂う。エイドリアン・ニューウェイは日常的なマネジメントから距離を置き、より伝統的なチーム代表の招へいが検討されているとされる。

    RTBFのガエタン・ヴィニュロンは、現状に強い危機感を示す。

    「アストンマーティンにはディレクターが必要だ」

    「政治的手腕と統率力を兼ね備えた人物でなければならない。それはニューウェイの強みではない」

    さらにニューウェイの役割についても言及した。

    「ニューウェイは天才であり、創造者であり、イノベーターだ」

    「新しいレギュレーションでは、グレーゾーンを見つけて他が見逃しているものを突く必要がある」

    「それをできるだけ早く実現しなければならない」

    本来であれば盛り上がりを見せるはずの鈴鹿でのホンダ凱旋にも、特別リバリーの計画は確認されておらず、例年のような高揚感は見られない。

    苦境のアストンマーティンにとって、日本GPは転機となるのか。それともさらなる試練となるのか、注目が集まる。

  • アストンマーティンF1 ホンダ移行は“ワークス化” メルセデス「送り出した」

    アストンマーティンF1 ホンダ移行は“ワークス化” メルセデス「送り出した」

    トト・ヴォルフは、アストンマーティンが2026年にメルセデスとの関係を解消し、ホンダと提携した理由を明かした。

    2026年の新レギュレーション初年度、メルセデスは開幕2戦で連続ワンツーフィニッシュを達成するなど好スタートを切っている。一方でアストンマーティンはホンダとの新体制で苦戦しており、両者は対照的なスタートとなっている。

    ヴォルフ「我々の決定ではなかった」
    「アストンマーティンは長年にわたってメルセデスのカスタマーでありパートナーだった」とトト・ヴォルフは語った。

    「そして我々は現在もロードカー部門にはエンジンやその他のコンポーネントを供給している。だから、アストンマーティンと組まないというのはメルセデスの決定ではなかった」

    「ホンダ、そしてパートナーのアラムコとともにワークスチームになるという意識的な決定だったのだと思う。だから我々は彼らを送り出さなければならなかった」

    アストンマーティンはワークス化を選択
    アストンマーティンはメルセデスのカスタマーとして残るのではなく、ホンダとともにワークス体制へ移行する道を選んだ。

    その結果、現在はパワーユニットの信頼性やパフォーマンス面で課題を抱えているとされる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    ニューウェイ「今はホンダと進むしかない」
    エイドリアン・ニューウェイはオーストラリアでの取材に対し、現状を受け入れる姿勢を示した。

    「我々は今ホンダといる。明らかに、我々の焦点はホンダとともに可能な限り良い状態に持っていくことだ」

    「現実的に言えば、今シーズンはまずこの振動問題を克服して信頼性を確保することだ。そしてそこから特に内燃エンジンでどれだけパフォーマンスを追加できるかを見ることになる」

    「同時にホンダは2027年のエンジンにも取り組む必要がある。2027年に向けて内燃エンジン出力の大きな向上が必要であり、それが彼らの最優先事項になる」

    メルセデスはアルピーヌと新関係
    メルセデスはアストンマーティンに代わり、2026年からアルピーヌへの供給を開始した。

    マクラーレンやウィリアムズへの供給も継続しており、カスタマー供給体制は維持されている。

    今回のヴォルフの発言により、アストンマーティンとの関係解消はメルセデス主導ではなく、ワークス体制を目指したアストンマーティン側の決断だったことが明らかになった。

  • アストンマーティンF1 アロンソ“誇張疑惑” クルサード「振動で辞めるのか?」

    アストンマーティンF1 アロンソ“誇張疑惑” クルサード「振動で辞めるのか?」

    アストンマーティンのフェルナンド・アロンソを巡り、中国GPでのリタイアの背景に新たな議論が浮上している。ホンダ製パワーユニット由来とされる激しい振動が原因とされたが、その説明に疑問の声が上がった。

    元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、アロンソの症状について「リタイアするほどではない」と指摘し、むしろホンダへのプレッシャーの一環ではないかとの見方を示した。

    アストンマーティンとホンダの関係は、開幕から信頼性問題に揺れている。こうした状況に加え、ジョナサン・ウィートリーの加入報道などチーム内外の動きも重なり、様々な憶測が広がっている。

    クルサード「振動はリタイア理由にならない」
    クルサードは、アロンソの中国GPでのリタイアについて懐疑的な見方を示した。

    「こういう状況でドライバーがやるべきことは、自分の仕事に集中することだ。エンジンを設計しているわけでも、クルマを作っているわけでもない」

    「彼がクルマの中で何を感じているかは分からないが、映像は見た。僕もタイヤの変形やホイールバランスの脱落による振動を経験してきた」

    「ステアリングには物理的に振動が伝わるものだ。それでもグランプリでピットインしてやめることはなかった。重要なのはポイントだからだ」

    さらにクルサードは、建設現場の例を引き合いに出し、次のように語った。

    「一日中ジャックハンマーを使っている作業員を見たことがあるか? 彼らは『今日は手が痛いから働かない』とは言わない」

    「だからこれは、ホンダに注目を集め続けるための都合のいい話ではないのかと疑っている。振動はドライバーよりも信頼性の問題だと思う」

    「ドライバーなら、コンマ1秒のためなら何でもやる。国歌を逆に歌いながらチェーンソーでジャグリングすることだってやるはずだ」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダは予算超過も辞さず?
    クルサードは、問題解決に向けたホンダの対応についても言及した。

    「彼らは立て直すだろうが、そのためには予算上限を超える必要がある。罰則を受けることになっても、そのエンジンを機能させ、チームにチャンスを与えるためには必要なことだ」

    また、現在の状況がかつてのマクラーレンとホンダの関係に似ているとも指摘した。

    「以前にも同じような困難があった。マクラーレンとホンダの関係はうまくいかなかったが、その後レッドブルで成功につながった」

    アロンソに残された時間
    クルサードは、アロンソのキャリアについても厳しい見方を示した。

    「これは彼にとって最後のチャンスだと思う。アストンマーティンでのキャリアが終わった後、フェラーリやレッドブルに行くことはない」

    「彼は45歳になる。素晴らしいドライバーだし尊敬しているが、キャリアの最後の1年か2年に差し掛かっている」

    「他チームに移籍するか? 誰が彼を欲しがるのか。そして彼自身もそうは言わないだろう。最終的に勝てるクルマができるまで、今の場所で続けるしかない」