カテゴリー: ホンダF1

  • ホンダF1 PUアップデート許可が濃厚 ADUO前倒しはカナダGP後に決着へ

    ホンダF1 PUアップデート許可が濃厚 ADUO前倒しはカナダGP後に決着へ

    ホンダF1にとって巻き返しの契機となる可能性が浮上している。パワーユニット開発を制御するADUO(追加開発機会)の初回評価が前倒しされる見通しとなり、早期アップデート解禁が現実味を帯びてきた。

    現時点では、ホンダが基準エンジンに対して一定の性能差を抱えていると見られており、ADUOによる改良許可を得る可能性は高い。評価時期の前倒しは、そのタイミングをさらに早めることになる。

    ホンダF1に追い風 ADUO前倒しで早期アップデートへ
    2026年F1シーズンでは、パワーユニット開発を管理する仕組みとしてADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)が導入されている。

    この制度では、グリッド上の基準エンジンに対して2%以上の性能差があるメーカーに限り、シーズン中のアップデートが許可される。現状、その基準はメルセデスとされている。

    当初、この初回評価は6戦終了後に実施される予定だった。しかし、バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止によりカレンダーが変更されたことで、評価時期が後ろ倒しになる問題が生じた。

    そのため、FIAとF1、そして各チームは評価タイミングの前倒しを検討。パドック内では、初回評価をカナダGP後に設定する案が有力視されている。これは本来よりも1戦分早いタイミングとなる。

    決定は来週へ FIAとチームで最終判断
    このADUOの評価時期については、チーム代表とFIAの会合で発表されると見られていたが、現時点では正式な言及は行われていない。

    ただし関係者の間では、来週中にも最終決定が下されるとの見方が強く、制度の具体的な運用が間もなく明らかになる見込みだ。

    ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    勢力図に影響 ホンダはアップデート許可が濃厚
    評価時期の前倒しは、開発面で遅れを取るメーカーにとっては大きな意味を持つ。

    とりわけホンダは、現状のパフォーマンス差からADUOによるアップデート許可を得る可能性が高いと見られている。これが実現すれば、シーズン序盤の段階で巻き返しに向けた開発を進めることが可能となる。

    一方で、メルセデスにとってはライバル勢の改善が早まるリスクを意味する。また、フェラーリやレッドブル、アウディについては、性能差が2%以内であればアップデートは認められない。

    今回の前倒しが正式決定となれば、ホンダにとっては開発の遅れを取り戻す重要な転機となる。2026年F1の勢力図は、このADUOの初回評価をきっかけに大きく動き出す可能性がある。

  • アストンマーティン・ホンダF1 振動問題でFIA介入を否定「自分たちで解決」

    アストンマーティン・ホンダF1 振動問題でFIA介入を否定「自分たちで解決」

    アストンマーティンは、2026年シーズン序盤に深刻化した振動問題について、FIAの介入は不要との立場を明確にした。

    中国GPではフェルナンド・アロンソが走行中にステアリングから手を離す場面が確認され、最終的にリタイア。この問題を受けてFIAが調査に乗り出したとみられていたが、チーム側はあくまで自らの対応で解決可能と判断している。

    振動問題への対応と日本GPでの前進
    直近の日本GPでは対策が施され、アロンソは完走。これがアストンマーティンにとって今季初の完走となった。チームは4月の開発停止期間を活用し、ホンダと連携しながら信頼性の改善と長期的な解決策の模索を進めている。

    振動はドライバーの操作性や安全性にも直結する問題であり、エイドリアン・ニューウェイはオーストラリアの段階で「恒久的な神経損傷の可能性」に言及していた。単なるパフォーマンス課題ではなく、根本的な設計・統合領域の問題として扱われていることが分かる。

    クラックが強調する“チーム内での解決”
    マイク・クラックは、振動問題に対するFIAの関与について明確に否定した。

    「正直なところ、これ以上付け加えることはない。我々はまず自分たちでこの問題を解決したいし、誰かに言われてやる必要はない」

    「中国GPの後にはレビューを行ったし、ランスが止まった件についても同様だ。技術的な観点だけでなく、運用面でも『この状況にどう対応したか』を見直す必要がある」

    「これはどのチームでも行うべきガバナンスであり、いわば“ハウスキーピング”だ。我々はそれを実行したし、この対策が機能することを願っている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    FIA介入を拒む背景にあるスタンス
    今回の発言から見えるのは、アストンマーティンが問題を“外部規制の対象”ではなく、“内部改善の対象”として捉えている点だ。

    FIAが安全面から監視する可能性がある状況でも、チームは自主的な検証と改善プロセスを優先。これは開発主導権を維持したい意図と同時に、問題の本質が単純なレギュレーション対応ではなく、車両全体の統合設計にあるとの認識を示している。

    ホンダとの共同対応や日本GPでの一定の改善を踏まえると、短期的な対症療法から中長期の構造的解決へと移行している段階にある。振動問題は依然として完全解決には至っていないが、チーム内部ではすでに“次のフェーズ”に入っていることがうかがえる。

  • アストンマーティンF1開発遅延の背景 ニューウェイが見抜いた設計ミス

    アストンマーティンF1開発遅延の背景 ニューウェイが見抜いた設計ミス

    アストンマーティンは2026年F1シーズンにおいて、開幕前から苦戦が予測される状況にあった。エイドリアン・ニューウェイがAMR26の開発過程で重大な問題を発見していたことが、その背景にある。

    ローレンス・ストロールの大規模投資とニューウェイ加入により高い期待が寄せられていたが、実際には開発の遅れと設計上の課題が重なり、シーズン序盤からパフォーマンス不足が露呈している。

    開発段階から崩れていたAMR26の土台
    報道によれば、AMR26の問題はトラック上で明らかになる以前から、すでに開発段階で顕在化していた。

    スペイン紙の報道では、マシン開発は複数の遅延に見舞われていたとされる。特にニューウェイの合流が設計の重要フェーズに間に合わなかったことが、開発スケジュール全体に影響を及ぼした。

    さらにニューウェイは、風洞データと実走行の相関関係に問題があると判断し、キャリブレーションの見直しを決断した。この再調整が開発の遅れをさらに悪化させたとされている。

    こうした一連の要因により、アストンマーティンは開幕時点ですでに不利な立場に置かれていた。

    ホンダPUと振動問題がパフォーマンスを制限
    AMR26は現在も複数の課題を抱えているが、その中でも顕著なのがホンダ製パワーユニットに関連する強い振動だ。

    この問題はフェルナンド・アロンソとランス・ストロールの両名に影響を与えており、マシンの安定性やドライバビリティを損なっている。

    結果として、マシン本来のポテンシャルを引き出せていない状態が続いている。

    巻き返しの鍵はマイアミGPまでの開発期間
    とはいえ、アストンマーティンを現時点で完全に評価するのは時期尚早でもある。

    ニューウェイの技術力とアロンソの経験を考えれば、シーズン中の巻き返しは十分に可能な範囲にある。

    特に現在のインターバル期間は重要な意味を持つ。チームはこの期間を活用し、AMR26の改善に向けた作業を集中的に進めている。

    次戦マイアミGPは、その成果を測る最初の機会となる。ここでパフォーマンスの改善が見られるかどうかが、今後のシーズンの流れを大きく左右することになりそうだ。

  • ホンダF1苦戦も「必ず戻ってくる」アストンマーティン低迷に元チーム代表言及

    ホンダF1苦戦も「必ず戻ってくる」アストンマーティン低迷に元チーム代表言及

    ホンダF1の苦戦に揺れるアストンマーティン。2026年シーズン開幕から予選Q1敗退が続くなど、期待とは裏腹のスタートとなっている。

    だが、その状況に対して元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、ホンダの復活力に強い信頼を示している。過去の実績を踏まえ、「必ず戻ってくる」と断言した。

    深刻な不振と責任論の広がり
    アストンマーティンは2026年、エイドリアン・ニューウェイ体制のもとで大きな飛躍が期待されていたが、現実は厳しい。開幕からマシンは深刻な振動問題とパワー不足に苦しみ、成績は低迷している。

    鈴鹿ではフェルナンド・アロンソがようやく初完走を記録したものの、依然として競争力不足は明白だ。パワーユニット性能の不足は明確な要因のひとつとされており、かつてのマクラーレン・ホンダ時代と比較されるほど厳しい状況にある。

    その結果、チーム内では責任の所在を巡る議論も広がっており、ホンダに対する批判も少なくない。

    シュタイナー「ホンダは必ず戻ってくる」
    そうした中でシュタイナーは、スペインメディアの取材に対し、現在の苦戦に理解を示しつつも、ホンダの底力を強調した。

    「どうしてここまで間違えることができたのかは正直分からない。旧レギュレーションをやめると決めたときに、人員を入れ替えてゼロからやり直したのかもしれない」

    「すべてを学び直さなければならない状況になったんだと思う。だが、レッドブルとともに4度の世界タイトルを獲得したことを考えれば、彼らがどれだけ優れた仕事をしていたかは明らかだ」

    「そして彼らは2〜3年後には戻ってくる。実際には去っていないが、新しい技術と新しいチームでやり直している段階なんだろう」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    マクラーレン離脱後の“復活”が示すもの
    シュタイナーはさらに、過去のマクラーレンとの決別後の流れを例に挙げ、ホンダの復活力を強調した。

    「マクラーレンがホンダを離れたとき、誰もホンダを欲しがらなかった。でもどうなった?2年後には世界チャンピオンになっていた。驚くべきことだ」

    この発言は、現在の低迷が一時的なものである可能性を示唆している。実際、ホンダはレッドブルとの協業で短期間のうちに競争力を取り戻し、タイトル争いの中心へと返り咲いた実績を持つ。

    問われるのは“再現性”と時間軸
    今回のケースでも同様の復活が可能かどうかは、単純な技術力だけでなく、組織体制や開発プロセスの再構築にかかっている。

    特に2026年レギュレーションは電動化比率の増大やエネルギーマネジメントの複雑化など、従来とは異なる要求が突きつけられている。単なる改良ではなく、設計思想そのものの適応が求められる状況だ。

    シュタイナーの言葉は、ホンダのポテンシャルを評価する一方で、「時間がかかる」現実も示唆している。アストンマーティンがこの局面をどう乗り越えるかは、ホンダとの協業の質とスピードに大きく左右されることになる。

  • ホンダF1 アストンマーティンと共同対策 さくらで改善へ連携強化

    ホンダF1 アストンマーティンと共同対策 さくらで改善へ連携強化

    ホンダF1が、アストンマーティンとの共同体制で問題解決に向けた開発を加速させている。日本GP後、両者はホンダ・レーシング(HRC)のさくら研究開発拠点で連携し、対策強化に取り組んでいる。

    シーズン序盤の不振を受けた対応は継続中で、改善には時間を要する見通しとしながらも、次戦マイアミGPに向けて開発は止まっていない。現場の取り組みについて、ホンダ側の技術責任者が現状を説明した。

    さくらで進む共同開発 ホンダとアストンマーティンが連携
    ホンダF1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアの折原伸太郎は、現在の開発状況について次のように語った。

    「みなさんご存知の通り、バーレーンGPとサウジアラビアGPは延期となりましたが、それでも作業が止まったわけではありません」

    「日本GPの後、アストンマーティン・アラムコF1チームのメンバーとホンダ・レーシングは、日本のさくらにあるHRC研究開発センターで共同作業を続けています」

    「東京から約3時間の場所にあるこの施設で、私たちは対策強化に向けて取り組んでいます」

    ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    「改善を強化」 次戦マイアミGPへ開発継続
    折原伸太郎は、現在の課題に対する取り組みと今後の見通しについても言及した。

    「対策の改善をさらに強化しており、この作業は次のF1レースであるマイアミに向けて今後も継続していきます」

    「解決には時間がかかることは理解していますが、私たちは引き続き協力して懸命に取り組んでいきます」

    課題抱える中でも前進 鈴鹿で見えた変化
    ホンダとアストンマーティンは、シーズン序盤に複数の課題に直面しているものの、日本GPでは一定の進展も見られた。こうした変化を踏まえ、両者は引き続き連携を強化しながら改善を進めていく構えだ。

  • ホンダF1を左右するADUO評価 “エンジンだけ”を見る仕組み

    ホンダF1を左右するADUO評価 “エンジンだけ”を見る仕組み

    2026年F1シーズンはパワーユニット性能差が早くも顕在化し、ホンダにとって厳しい立ち上がりとなっている。出力面だけでなく、エネルギーマネジメントやバッテリー信頼性といった複合的な課題がパフォーマンスに影響している状況だ。

    そのなかで注目されているのが、追加開発機会「ADUO」だ。この制度は巻き返しの手段として位置づけられているが、その評価の仕組み自体がホンダのシーズンに大きく関わる可能性がある。

    ADUOは巻き返しのための制度
    ADUOは、パワーユニット性能で後れを取るメーカーに対して開発機会を追加で与える制度だ。

    ホモロゲーション変更の柔軟化や開発時間の拡張などが認められ、遅れている側に挽回の余地が与えられる仕組みとなっている。

    現状のパフォーマンス差を踏まえれば、ホンダはこの制度の対象に最も近い存在と見られており、シーズンを立て直すための重要な要素となる。

    “エンジンだけ”を見る評価の仕組み
    今回のADUOは、パワーユニット全体ではなく“エンジン(内燃機関)だけ”を評価する仕組みになっている。

    この評価方法が、ホンダの現状をどう映し出すかがポイントとなる。

    現在ホンダが抱えている課題は、エンジン出力だけでなく、バッテリーの信頼性やエネルギーマネジメント、デプロイメント制御といった電動領域にも広がっている。

    つまり実戦でのパフォーマンス差はPU全体の完成度によって生まれているにもかかわらず、評価はその一部に限定されている。

    このため、エンジン単体の評価が重視されることで、実戦でのパフォーマンス差との間にズレが生じる可能性がある。

    また評価の軸が限定されることで、開発リソースの配分にも影響が及び、改善の方向性に違いが生まれる可能性もある。

    ホンダ F1 フォーミュラ1エンジン

    基準エンジン次第で見え方は変わる
    さらに重要なのが、評価の基準となるエンジンの存在だ。

    現時点ではメルセデスが基準と見られているが、エンジン単体という評価軸では異なる結果になる可能性も指摘されている。

    この基準設定次第で、ホンダがどの程度遅れていると判断されるかが変わることになる。

    制度運用を巡っては慎重な判断を求める声も出ており、評価のあり方は単なる技術問題にとどまらず、各メーカーの思惑が絡む要素となっている。

    現状のパフォーマンスが意味するもの
    一方で、実戦でのパフォーマンス差は明確に存在している。

    ホンダのパワーユニットを搭載するアストンマーティンは現時点で後れを取っており、その総合的な差は評価にも影響を与える要素となる。

    そのため、エンジン単体評価という枠組みであっても、結果としてADUOの対象となる可能性は高いと見られる。

    重要なのは、その評価によってどの程度の開発機会が与えられるかという点にある。

    ホンダの行方を左右する評価の仕組み
    ADUOは一見すると救済制度だが、その実態は評価方法と運用によって結果が大きく変わる仕組みを持っている。

    ホンダにとっては、単に対象となるかどうかではなく、どのように評価されるのかが重要になる。

    “エンジンだけ”を見るこの仕組みが、現状をどう映し出すのか。

    その判断ひとつが、2026年F1におけるホンダの立ち位置を左右することになる。

  • アストンマーティンF1に警鐘 シュタイナー「ストロールはホンダを動かせない」

    アストンマーティンF1に警鐘 シュタイナー「ストロールはホンダを動かせない」

    アストンマーティンF1の低迷に対し、ギュンター・シュタイナーはオーナーのローレンス・ストロールについて「忍耐が欠けている」と指摘し、「ホンダを動かすことはできない」と警鐘を鳴らした。巨額投資を続けながらも結果が出ない現状に対し、その限界を明確に示した形だ。

    2026年シーズンのアストンマーティンF1は未だポイント獲得がなく、開幕3戦で5度のリタイアと苦戦が続く。

    ホンダのパワーユニットも課題を抱えるなか、短期的な巻き返しは見通せず、プロジェクト全体の“時間軸”が改めて問われている。

    「成功には時間が必要」短期志向に疑問
    シュタイナーは、ストロールが約10億ポンド規模の投資を行い、ファクトリー建設やトップエンジニアの招聘を実現してきた点は評価しつつも、最大の問題は“時間の与え方”にあると指摘した。

    「ローレンスは自分がやると言ったことはやっている。ただ成功していないだけだ」

    「素晴らしいファクトリーをシルバーストンに建設し、最高の人材を集めた」

    「ただ、F1に必要な忍耐を持っていないと思う。6か月や12か月でうまくいかなければ変えてしまう」

    「だがF1のサイクルは12か月ではない。何かが機能するまで待つ必要がある」

    実際、アストンマーティンはここ5年で5人目のチーム代表を探している状況にあり、組織の継続性という面でも課題を抱えている。

    ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダには圧力をかけられない現実
    現在の低迷の一因としてホンダ製パワーユニットへの批判も集まっているが、シュタイナーはこの点について現実的な見方を示した。

    「彼はホンダをプッシュすることはできないと思う」

    「ホンダは正しい状態にするために必要な時間をかける。そこに彼が口出しする余地はない」

    「プレッシャーをかけて急がせることはできるが、彼らは自分たちのペースでやるだろう。前回復帰したときと同じように」

    ホンダは過去にも時間をかけて立て直し、最終的にはタイトルを獲得した実績がある。今回も同様に時間が必要とされるが、それを許容できるかが問われる。

    問われるプロジェクトの時間軸
    ストロールの5カ年計画は2027年で一区切りを迎えるが、現状のパフォーマンスを見る限り、その達成は極めて厳しい状況にある。

    新代表候補としてジョナサン・ウィートリーの名前も挙がるなか、組織再編は続いているが、頻繁な変更がさらなる混乱を招く可能性もある。

    巨額投資とトップ人材を揃えた体制はすでに整っている。残されているのは、それを機能させるための“時間”をどこまで許容できるかという一点に集約されつつある。

    Source: F1 OVERSTEER

  • アストンマーティンF1 アロンソ契約交渉を棚上げ「今は適切な時期ではない」

    アストンマーティンF1 アロンソ契約交渉を棚上げ「今は適切な時期ではない」

    アストンマーティンは、フェルナンド・アロンソの2027年以降の去就について、現時点では本格的な交渉を行っていない。通常であれば最優先で扱われるべきテーマだが、2026年シーズン序盤の低迷が、チームの判断を大きく左右している。

    開幕からわずか数戦で露呈したAMR26のパフォーマンス不足、とりわけホンダ製パワーユニットを含む総合的な競争力の欠如は、チームの優先順位を一変させた。現在は将来よりも「いかに立て直すか」にリソースが集中しており、アロンソの契約問題は後回しとなっている。

    アロンソ継続を左右する3つの要素
    アロンソの去就は単純なパフォーマンス評価だけでは決まらない状況にある。実力面だけを見れば、契約延長は既定路線といえるが、複数の要素が絡み合っている。

    まず大きいのが、2026年レギュレーションへの評価だ。アロンソ自身がこの新世代マシンに対して強い失望感を示しており、今後のFIAによる改善の方向性が、意思決定に影響を及ぼす可能性がある。

    次にチームの競争力だ。アストンマーティンは現時点でグリッド最後尾に沈んでおり、アロンソも「競争力がなければ継続の選択肢は広がる」と過去に示唆している。ただし、結果が出ない状況が続けばモチベーションへの影響は避けられない。

    そして3つ目がチーム側の事情だ。本来であれば2026年は、次世代を担うドライバー確保に動く年と見られていた。マシンが競争力を持てば、トップドライバーの獲得も現実味を帯びるはずだったが、現状ではそのシナリオは大きく後退している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ペドロ・デ・ラ・ロサ

    「今はその時ではない」デ・ラ・ロサの見解
    この状況について、アストンマーティンのアンバサダーであり、アロンソとも親しいペドロ・デ・ラ・ロサは、チームとしての現実を率直に語っている。

    「我々としては、彼に続けてほしいと思っている。フェルナンドのようなドライバーがいるのは贅沢なことだし、走るたびにその価値を感じている」

    「ただ正直に言って、この件についてはチーム内でも、彼本人とも話していない。友人としても、プロフェッショナルとしてもだ」

    現時点で交渉が進んでいない理由は明確だ。マシンの問題があまりにも大きく、チームの関心は完全に開発へと向いている。

    「今はクルマ、エンジン、そして改善に集中している段階だ。彼がどういう決断をするにしても、十分な時間を与えるべきだと思う」

    「今は将来について座って話すには、あまりいいタイミングではない」

    状況悪化がもたらした“延命の可能性”
    皮肉にも、チームの低迷はアロンソ残留の可能性を押し上げている側面もある。本来想定されていたトップドライバーの獲得が難しくなったことで、即戦力としてのアロンソの価値は相対的に高まっているためだ。

    当初は2026年の競争力を背景に、世代交代を進める構想があったとみられる。しかし現在のパフォーマンスでは、有力ドライバーを引き寄せる材料に欠ける。その結果、44歳のベテランにもう1年委ねる選択肢が、現実的なラインとして浮上している。

    チームの再建が軌道に乗るのか、それとも停滞が続くのか。その行方が、アロンソ自身の決断とともに、今後数か月のうちに大きな分岐点となる。

  • アロンソ アストンマーティンF1苦戦もホンダ擁護「成熟には時間が必要」

    アロンソ アストンマーティンF1苦戦もホンダ擁護「成熟には時間が必要」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、2026年のF1復帰で苦戦が続くホンダの現状について、公の場で擁護する姿勢を示した。アストンマーティンは開幕から深刻な不振に陥っており、とりわけパワーユニットの信頼性や振動問題がパフォーマンスを大きく制限している。

    その状況は、2015年にマクラーレンとホンダが再タッグを組んだ際の混乱期を想起させるものだが、アロンソは当時とは異なる視点で現状を捉えていると明かした。

    メディア環境や評価の変化を踏まえ、当時の判断が再評価されつつあると指摘している。

    「当時の評価は今になって変わりつつある」
    アロンソは現在の状況について、過去の経験と重ねながら次のように語った。

    「今は違った視点と成熟した考え方で物事を見られていると思う。ただ、10年前の状況もそこまで劇的なものではなかった」

    「F1は非常にメディア中心のスポーツだ。チームメイトとの戦いだけでタイトルを獲れば神のように扱われるが、苦しい時期になるとすべてが誇張される」

    さらに、2015年当時のマクラーレン・ホンダについても振り返り、当時の評価が誤解されていた可能性を示唆した。

    「10年経った今、当時の状況について人々の見方は変わってきている。僕が正しかったと考える人も増えているのではないか」

    「当時のマクラーレン、ジェンソン、ストフェル、そして僕たちは皆同じことを言っていた。あのプロジェクト、パワーユニットはスタート時点で十分に成熟していなかった。それは今では誰もが理解しているはずだ」

    フェルナンド・アロンソ ホンダF1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダとともに立て直しへ「我々は一つのチーム」
    現在のホンダとの関係について、アロンソは対立ではなく協力を強調した。アストンマーティンとしてもリソースを投入し、問題解決に取り組んでいるという。

    「当時は僕が批判していたように見えたかもしれないが、それはフラストレーションがあったからだ。競争力のあるドライバーとして、あの状況に満足できるわけがない」

    「今は外から見ても状況が理解されているし、我々に対しても少し優しい見方になっていると思う」

    「チームとしてできることは、もっと努力し、できる限りホンダを助けることだ。アストンマーティンのリソースの一部をエンジンや振動、デプロイメントの問題解決に割り当てている」

    現代F1の解析環境も活用し、チーム全体で改善に取り組む姿勢を強調した。

    「今のF1は大量のデータやGPS、他チームとの比較分析が可能だ。ホンダが特定の分野に集中する間、我々が別の領域で支えることもできる」

    「我々は一つのチームだ。確かに厳しいスタートだが、長く続かないことを願っている。ただし、すぐに解決する問題でもない」

    苦しい船出となったホンダの2026年プロジェクトだが、アロンソの発言は内部の結束を示すものでもある。短期的な改善は見込みにくい一方で、チーム一体での開発体制が今後の巻き返しの鍵となる。

  • メルセデスF1代表「問題は1社だけ」 ADUO巡りホンダ支援示唆で他陣営牽制

    メルセデスF1代表「問題は1社だけ」 ADUO巡りホンダ支援示唆で他陣営牽制

    メルセデスのチーム代表が、2026年F1のパワーユニット開発を巡るADUO(追加開発・アップグレード機会)について、「問題があるのは1社だけ」との認識を示した。この発言は名指しこそしていないものの、現状で最も苦戦が指摘されているホンダを念頭に置いたものと受け止められている。

    同時にこの発言は、ADUOの適用範囲を巡って他メーカーの動きを牽制する狙いもにじむ。

    支援はあくまで限定的であるべきとの立場を強調しつつ、制度の運用次第では競争秩序を揺るがしかねないとの懸念も示し、FIAに対して透明性と厳格な判断を求めた。

    ADUOは“救済”か、それとも勢力図を動かす装置か
    「ADUOの導入は、我々にとってその差を縮めるチャンスになる」とフェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールはコメント。

    「ADUOの原則は、パワーユニットで後れを取っているチームが追いつくことを可能にするためのものだ。しかし、順位を飛び越えるためのものではない」とトト・ヴォルフは語った。

    ADUOは、2026年レギュレーション導入初期における性能格差を是正するために導入された制度で、パワーユニット性能で後れを取るメーカーに対し、ホモロゲーション変更の柔軟化、コストキャップの緩和、ダイノ開発時間の追加といった支援が与えられる。

    FIAはその目的を「大きく遅れているメーカーに開発機会を提供すること」としているが、実際の適用を巡っては各メーカーの思惑が交錯している。ホンダが現時点で最も支援対象に近いと見られる一方で、フェラーリも自らのデータを根拠に適用を求めているとされる。

    最初の判断は第6戦(現在はモナコGP)後に行われ、その後も第12戦、第18戦後に再評価が予定されている。

    フェラーリの主張と“本当に遅れているのか”という論点
    フェラーリは2026年序盤、メルセデスに対して最大で0.8秒の差があると認識しており、エンジン面での改善に加え、SF-26の空力アップデートも並行して進められていることから、ADUOによる支援が加わればタイトル争いに本格参入する可能性もある。

    一方でライバル陣営からは、フェラーリの出力差は設計選択に起因する側面もあると指摘されており、「本質的な遅れではない」との見方も出ている。こうした評価の違いが、制度の公平性を巡る議論を一層複雑にしている。

    ホンダF1のADUO救済を示唆しつつ他陣営を牽制するトト・ヴォルフ

    ヴォルフ「支援は1社に限るべき」
    こうした状況を踏まえ、トト・ヴォルフはADUOの運用に明確な線引きを求めた。

    「私の見方では、問題を抱えているエンジンメーカーは1社だけであり、そこは支援が必要だ。しかし、それ以外はほぼ同じパフォーマンスレンジにある」とヴォルフはコメント。

    「現時点の競争順位に干渉するようなADUOの決定が下されるなら、私は非常に驚くだろうし、失望もする」

    「ここにゲームマンシップが入り込む余地はあってはならない。重要なのは、FIAが正しい精神でADUOを運用することだ」とヴォルフは語った。

    「我々は自分たちの解析データを持っており、競合との性能差を把握している。そしてFIAも同じデータを見ているはずだ」

    「彼らには、このスポーツの整合性を守る役割がある。突然誰かが順位を飛び越えるようなことを許してはいけない」

    「ADUOはあくまで“キャッチアップのための仕組み”であり、“リープフロッグのための仕組み”ではない」

    FIAはマイアミGP後に各メーカーの性能差を評価し、2%以上遅れている場合は1回、4%以上であれば複数回のアップグレード機会を与える可能性がある。

    その判断は2026年シーズンの勢力図だけでなく、2027年の開発戦略にも直結する重要な分岐点となる。ヴォルフが示した通り、この制度が“救済”にとどまるのか、それとも“勢力図を動かす要因”となるのかは、FIAの運用に委ねられている。