カテゴリー: ホンダF1

  • フェルナンド・アロンソ F1カナダGP SQ1でクラッシュ「ロックアップした」

    フェルナンド・アロンソ F1カナダGP SQ1でクラッシュ「ロックアップした」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、2026年F1カナダGPのスプリント予選SQ1終盤でクラッシュを喫した。ターン3進入で大きくフロントタイヤをロックさせ、そのまま直進してウォールに接触。セッションは赤旗中断となった。

    アロンソは無線で即座に「ロックアップした」と認め、自力でマシンを降りて無事をアピールした。一方で、アストンマーティンにとってはフロントウイングを含むダメージが発生しており、修復作業を迫られることになった。

    アロンソがターン3で痛恨のロックアップ
    SQ1終盤、アロンソはアタックラップ中にターン3で大きくタイヤをロック。ブレーキングでフロントが完全に固定され、そのまま逃げ場なくウォールへ向かった。

    「うん、すまない。ロックアップした」とアロンソは無線で報告。残り時間は1分46秒で、赤旗が提示された。

    この時点で脱落圏にはセルジオ・ペレス、ランス・ストロール、ピエール・ガスリー、バルテリ・ボッタスが並んでおり、セッションは緊迫した状況だった。

    “限界を超えたアタック”とパーマーが分析
    F1 TVで解説を務めたジョリオン・パーマーは、アロンソのクラッシュについて「限界を超えた進入」だったと分析した。

    「彼はこのコーナーに、とんでもないスピードを持ち込もうとした。でも、すぐに大きなロックアップになった」

    「ブレーキを踏んだ瞬間、フロントが完全にロックした」

    さらにパーマーは、アロンソが今季苦戦するアストンマーティンで“特別な一周”を狙っていた可能性にも言及した。

    「ドライバーは自分の責任だと認めているし、フェルナンドはおそらく、ここでアストンマーティンで何かとんでもないことをやれるチャンスがあると感じていたんだと思う」


    アップグレード投入週末で痛いアクシデント
    アストンマーティンはカナダGPに向けて、ホンダ側の改良を含む細かなアップデートを投入。マシンの扱いやすさやエネルギーマネジメント改善に期待が集まっていた。

    その中で起きた今回のクラッシュは、限られた走行時間しかないスプリントフォーマットにおいてチームにとって大きな痛手となる。

    特にジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは縁石とウォールが近く、わずかなミスが即ダメージにつながる高速ストリート型レイアウト。アロンソも限界を攻めた結果、代償を払う形となった。

  • アストンマーティン・ホンダF1 “PU&ギアボックスB仕様”を夏以降に投入か

    アストンマーティン・ホンダF1 “PU&ギアボックスB仕様”を夏以降に投入か

    アストンマーティン・ホンダF1は、2026年シーズン後半に向けてAMR26の“B仕様”投入を準備している可能性が浮上している。ホンダ側ではADUO支援を受けた改良版パワーユニット、アストンマーティン側ではギアボックスの再設計が進められているとされ、夏以降の巻き返しに向けた重要なアップデートになる可能性がある。

    F1カナダGPでは小規模な改善に留まる見通しだが、フェルナンド・アロンソが指摘していたギアボックス制御の問題や、冬から続いていた振動課題への対処は進展を見せている。

    チーム内部では、ザントフォールトやスパをターゲットにした大規模アップデート計画も噂されている。

    ホンダは振動問題解消後の“次の段階”へ
    ホンダはすでに、F1カナダGPに向けてAMR26のパワーユニットに限定的な変更を投入することを認めている。主な焦点は、冬から続いていた振動問題への対処と、エネルギー回生・供給の最適化にある。

    マイアミGPでは振動の解消が確認され、フェルナンド・アロンソもレース前後に改善を認めていた。これにより、日本側は単なる“生存モード”から一歩進み、パワーユニット全体の制御最適化によるパフォーマンス向上へ移行する段階に入ったとみられている。

    ただし、今回のカナダGPでICE本体の構造変更が行われるわけではない。真の性能向上版となる“ホンダPU B仕様”は、ADUOによる開発支援を受けながら夏以降に投入される可能性が高い。

    アロンソが問題視したギアボックス制御
    現在のAMR26における最大の課題のひとつは、エンジンよりもむしろギアボックス側にあるとみられている。

    アロンソはマイアミGP後、次のように語っていた。

    「週末を通して問題はエンジンよりもギアボックスの方だった。電子制御か何かだと思うけど、シフトダウンやシフトアップで奇妙な動きがあり、うまく制御できていなかった。まず解決すべきはそこだ」

    現状では、変速時の精度不足や反応のズレが指摘されており、短期間で構造そのものを変更することは難しいため、まずはトランスミッション制御ソフトウェアの最適化による改善が進められているとみられる。

    ギアボックスB仕様は夏以降か
    AMR26のギアボックスは、アストンマーティンF1がドライブシャフトとともに初めて本格自社開発したものだ。しかし、バーレーンテストの段階から反応の粗さや扱いづらさが指摘されていた。

    F1のギアボックスは単なる変速機ではなく、リアサスペンション取り付け部を兼ねる車体後部構造の一部でもある。そのため、大規模な設計変更には長い開発期間が必要になる。

    一部では、エイドリアン・ニューウェイ率いる技術陣が2月段階で部分的な再設計を決断したとの見方もある。ただし、それが事実だったとしても、新仕様ギアボックスの投入は早くても8月頃になる可能性が高い。

    そのタイミングは、ザントフォールトまたはスパで予定されている大規模空力アップデート、そしてホンダPU B仕様投入時期とも重なる可能性がある。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    カナダGPでは“小規模改善”に注目
    一方で、モントリオールでは全面刷新ではなく、小規模な改善が中心になる見込みだ。

    マイク・クラックはマイアミGPで、「モントリオールではいくつかの改善を投入する。我々にとって重要なレースであり、より良いパフォーマンスを期待している」と語っていた。

    現地では、ステアリングコラム周辺の変更が行われる可能性も取り沙汰されている。また、ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット向けにローダウンフォース仕様のリアウイング投入も見込まれている。

    アストンマーティン・ホンダF1にとって、カナダGPは“夏のB仕様”へ向けた重要な中継地点となりそうだ。

  • ランス・ストロール 母国F1カナダGPに闘志「アストンマーティンは一歩前進」

    ランス・ストロール 母国F1カナダGPに闘志「アストンマーティンは一歩前進」

    ランス・ストロール(アストンマーティン)は、母国レースとなる2026年F1カナダGPを前に、アストンマーティンがマイアミGPで「一歩前進」したと語った。

    アストンマーティンは開幕から厳しい戦いが続いているが、前戦マイアミGPではストロールとフェルナンド・アロンソがそろって完走。マシンに影響していた振動問題にも改善が見られ、カナダGPでは現状のパッケージを最大限に引き出すことが焦点になる。

    ストロール「今季ずっと楽しみにしている週末」
    ストロールにとって、ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで行われるカナダGPは特別な一戦だ。木曜のメディアデーで、27歳のカナダ人ドライバーは母国レースへの思いを語った。

    「最高だ。今季ずっとこの週末を楽しみにしている」とストロールは説明した。

    「1年で一番好きなレースだ。トラックが大好きだし、ファンも、エネルギーも、街全体がレース週末に本当に入り込んでいる」

    「本当に電気が走るような雰囲気だ。FP1の最初のアウトラップで走っているときでさえ、サーキット全体のエネルギーがすごいと感じる。ここには何年にもわたる素晴らしい思い出があるし、いい結果も、いいレースもあった。楽しみだ」

    マイアミで振動問題は改善も、必要なのは「ダウンフォースとパワー」
    アストンマーティンは2026年シーズン序盤、厳しいスタートを強いられてきた。それでもマイアミGPでは、ストロールとアロンソがともにチェッカーを受け、問題となっていた振動も改善された。

    「マイアミでは振動を修正できたので、それはよかった」とストロールは語った。

    「レースを完走できたし、今季初めて2台ともチェッカーを受けた。それは一歩前進だと思う」

    「今は、もっと多くのダウンフォースとパワーを見つける必要がある。そこができれば、もっといい状態になる。だから、そこに集中している」

    ストロールは今後のアップグレードについて、スパかその次のザントフォールトで投入される可能性に触れた。ただし、それだけで上位争いに加わるほどの変化になるとは見ていない。

    「スパ、あるいはスパの次にアップグレードがある。どちらかは分からない。ザントフォールトかな? それでトップ争いができるようになるか? いや、そういうことは一夜にして起きるものではない」

    「全員ができる限り懸命にプッシュしているし、できるだけ早くマシンにラップタイムをもたらすために、僕たちはできることをすべてやっている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソは現状の最適化を重視
    フェルナンド・アロンソも、モントリオールでのアストンマーティンの焦点について語った。今週末はパフォーマンスアップグレードがないため、現在のパッケージをどう最適化するかが重要になる。

    「週末ごとにターゲットは違う」とアロンソは説明した。

    「今週末は残念ながらパフォーマンスアップグレードがないので、焦点はドライバビリティにある。マシンの感じ方を改善し、現時点で持っているものを最適化しようとしている」

    難しい状況の中でチームの士気をどう支えるかを問われると、アロンソはドライバー側からのフィードバックの重要性を強調した。

    「今の僕たちの使命は、チームの近くにいて、できるだけ早く全員で改善しようとすることだ。そのためには団結する必要があるし、コックピットからエンジニアやデザイナーに対して、できる限り最善の形でフィードバックする必要がある」

    「明らかに、今後数カ月に向けて、エンジンコンセプトと空力コンセプトの両方で、パフォーマンスをもたらすためのいくつかの異なる哲学が来る。僕たちは、ステアリングを握っている側から何が必要なのか、そのフィードバックを正確に伝える必要がある」

    アストンマーティンにとってカナダGPは、大型アップグレードで一気に状況を変える週末ではない。マイアミで得た信頼性と振動改善の前進を土台に、現行パッケージの扱いやすさを高め、次の開発段階につなげる一戦となる。

  • アストンマーティンF1の迷走に元代表が指摘「私なら避けられたミスがある」

    アストンマーティンF1の迷走に元代表が指摘「私なら避けられたミスがある」

    アストンマーティンF1の2026年シーズン序盤の苦戦をめぐり、元チーム代表のオトマー・サフナウアーが、マネジメント面で避けられたミスがあったと指摘した。

    エイドリアン・ニューウェイ体制で上位争いへの期待を集めたアストンマーティンだが、AMR26はホンダ製パワーユニット由来の振動問題や競争力不足に苦しみ、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは厳しい序盤戦を強いられている。

    サフナウアーは、最新の『High Performance Racing』ポッドキャストでアストンマーティンについて問われ、古巣の現状に複雑な思いをにじませた。

    「彼らにはもっと良い成績を出してほしい。私が採用した人たちがまだそこにいるし、彼らの幸運を願っている。もっと前方に近づいてほしい」

    「もちろん、マネジメントの観点から見て、ミスがあるのは分かる。自分を褒めるつもりも、傲慢に聞こえるつもりもないが、私ならしなかったと思うミスだ」

    「そのいくつかのミスは、私はしなかったと分かっている。そして、それがラップタイムを犠牲にしている」

    「ただ、彼らには優秀な人材がいる。エイドリアンは我々の世代で最高の人物で、そこにいる。ホンダも多くの勝利を挙げてきたし、そこにいる。だから、うまくまとめ上げられることを願っている」

    サフナウアーは2009年にフォース・インディアへ加入し、その後レーシングポイント、アストンマーティンへと移行したチームで要職を務めた。2022年1月に離脱した後は、アルピーヌのチーム代表に就任している。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダは振動対策と信頼性改善を確認
    一方、今週末のカナダGPを前に、ホンダ・レーシングの折原伸太郎は、マイアミGPで振動低減と信頼性に一定の前進があったと説明した。

    「マイアミGPでは、バッテリーの振動低減とパワーユニット全体の信頼性について改善を確認しました」

    「2026年の更新されたレギュレーション下でのエネルギーマネジメントを学ぶ重要な機会にもなりましたし、それはカナダでも続いていきます」

    「モントリオールでは、ランスのホームレースということもあり、ドライバーがより自信を持てるように、扱いやすさとエネルギーマネジメント戦略の改善に集中します。実際、これはレース週末の重要な目標です」

    「ドライバーがより自信を持ってコーナーに進入し、より高い速度を維持できるようにできれば、ラップタイムは改善します」

    アストンマーティンはマイアミで今季初めて2台完走を果たしたが、目指す位置にはまだ遠い。サフナウアーの指摘は、AMR26の問題が単なる技術的な不具合だけでなく、チーム運営と開発判断の積み重ねにも及んでいる可能性を浮き彫りにしている。

  • ホンダF1に“前進の兆し” 折原伸太郎GM「改善できるものを見つけた」

    ホンダF1に“前進の兆し” 折原伸太郎GM「改善できるものを見つけた」

    アストンマーティンとホンダは、2026年F1シーズン序盤の苦戦から脱却するため、カナダGPでさらなる改善を目指している。開幕からAMR26は深刻なドライバビリティ問題やエネルギーマネジメントの課題に苦しみ、フェルナンド・アロンソもギアボックスの扱いにくさを繰り返し指摘してきた。

    しかし、ここにきてホンダ側からは前向きな言葉が聞こえ始めている。日本のさくら拠点では、FIAによるADUO判定後を見据えた開発が進行中であり、エンジン性能改善に向けた“具体的な手応え”も得られているという。

    ホンダ「性能改善の方向性は見えている」
    ホンダの現場責任者である折原伸太郎は、現在の最優先課題について「内燃エンジンの改善」と「フリクション低減」だとカナダGPのメディアセッションでスペイン『AS』をはじめとする報道陣に説明した。

    「我々は内燃エンジンを改善する必要がありますし、フリクションも減らさなければなりません。それが今年のパフォーマンス改善につながり、来年にも影響してきます」

    「方向性は常に“改善”です。違いがあるのは、2026年と2027年のどちらにどれだけリソースを割くかという部分です」

    一方で、現状で最も難しいのは単純な性能向上ではなく、信頼性だと強調する。

    「パフォーマンスそのものは、そこまで複雑ではありません。難しいのは信頼性です」

    そして折原伸太郎は、さくらのダイノ(ベンチテスト)で有望な結果が出始めていることも明かした。

    「性能を改善する方法についてはアイデアがあります。改善できるものを見つけましたし、改善しなければならない部分も分かっています」

    「パワーベンチではポジティブなものが見えています。具体的な数字を言うのは難しいですが、自分たちが何をしているかは理解しています」

    ホンダ F1 カナダグランプリ

    カナダGPでは“ドライバビリティ改善”が焦点
    モントリオールでは、純粋なパワーアップよりも“扱いやすさ”の改善が重要テーマとなる。特に焦点となっているのがギアボックスと回生制御だ。

    アロンソはここ数戦で、シフトダウン時の挙動やドライバビリティに強い不満を示していた。これに対し、アストンマーティンのマイク・クラックは、現在のF1レギュレーション特有の難しさを説明する。

    「ドライバビリティ、特にシフトチェンジを含む部分は、以前よりも複雑になっています」

    「エネルギー回生のために、レギュレーションによってシフトダウンのやり方が大きく変わりました。そして我々にとっては、自社製ギアボックスを作るのも新しい挑戦です」

    「非常に複雑な問題です。多くのドライバーがシフトチェンジについて不満を述べていますし、その背景にはこうした事情があります。ただ、我々にも改善すべき仕事が残っています」

    ADUO判定がホンダの流れを変える可能性
    アストンマーティンとホンダにとって、カナダGP後に予定されるFIAのADUO判定は極めて重要になる。

    この制度によって開発支援対象と認定されれば、ホンダは内燃エンジン領域への追加開発を進められる可能性が高まる。すでに折原伸太郎が「改善点を見つけた」と語っていることからも、ホンダ内部では“次の一手”の準備がかなり進んでいることがうかがえる。

    現状のAMR26は、予選でメルセデス勢から約3.5秒遅れという厳しい状況にある。ただ、ここ数週間で語られる内容は「生き残り」ではなく「改善」に変わり始めている。

    カナダGPは、その変化が本当に実戦で表れるかを測る最初の重要な週末になりそうだ。

  • アストンマーティンF1 ホンダがカナダGPを“重要指標”に設定 苦境PU改善へ正念場

    アストンマーティンF1 ホンダがカナダGPを“重要指標”に設定 苦境PU改善へ正念場

    アストンマーティンとホンダにとって、2026年F1カナダGPは単なる第5戦ではない。開幕から続く深刻なパワーユニット問題を経て、ようやく改善の兆しが見え始めた中で、モントリオールは現在地を測る重要な週末となる。

    開幕前にはタイトル争いへの参戦も期待されていたアストンマーティンだが、実際には振動問題や信頼性不足に苦しみ続けてきた。ホンダ製パワーユニット由来の振動はバッテリーへ深刻な影響を及ぼし、ドライバーへの身体的負荷まで懸念される状況となっていた。

    鈴鹿後に日本へ残されたAMR26
    状況を変える転機となったのは、日本GP後の5週間に及ぶインターバルだった。

    アストンマーティンは鈴鹿戦後、AMR26の1台を日本へ残留させ、ホンダのさくらの施設で徹底的な調査を実施。パワーユニット周辺の振動対策と信頼性改善作業が進められた。

    その成果は、続くマイアミGPで一定程度確認されている。アストンマーティンはスプリントと決勝の両方で2台完走を達成し、少なくとも開幕当初の危機的状況からは一歩前進した。

    ホンダF1のトラックサイド・チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、マイアミでの成果について次のように説明した。

    「マイアミGPでは、バッテリー振動対策とパワーユニット全体の信頼性改善の効果を確認することができました」

    「また、新レギュレーション下でのエネルギーマネジメントについて学ぶ重要な機会にもなりました。この作業はカナダでも継続します」

    残る課題は“純粋なパフォーマンス不足”
    もっとも、信頼性問題の改善が即座に競争力向上へ直結しているわけではない。

    マイアミGP予選でフェルナンド・アロンソとランス・ストロールは18番手、19番手に沈み、Q2進出ラインから1.2秒遅れた。決勝でもアストンマーティン勢はポイント圏から78秒後方でのフィニッシュとなっている。

    さらにアロンソは、レース週末を通してギアボックス挙動にも苦しめられていた。予期しないダウンシフトが発生し、ドライバビリティを大きく損ねていたという。

    この問題が簡単に解決できない背景には、2026年型ギアボックスをアストンマーティンが自社開発している事情もある。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “自信”がラップタイムを生む
    ホンダはカナダGPに向け、単純な出力向上ではなく、ドライバーが安心して攻められる特性づくりを重視している。

    「これは今週末における非常に重要な目標です」と折原伸太郎は語る。

    「ドライバーがより自信を持ってコーナーへ進入し、より高い速度を維持できるようになれば、それが直接ラップタイムにつながります」

    ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、低速コーナーから長いストレートへ加速するストップ&ゴー特性を持つ。2026年F1ではMGU-K制御とエネルギーデプロイメントがラップタイムへ大きく影響するため、トラクション制御や回生制御の完成度がこれまで以上に重要になる。

    カナダGP後に控える“ADUO判定”
    さらにホンダにとってカナダGPが重要視される理由は、レース後に控えるADUO評価にもある。

    2026年から導入されたADUO制度は、競争力不足に苦しむパワーユニットメーカーへ追加開発支援を与える新制度であり、カナダGP終了時点の性能指数が重要な基準となる。

    現在のアストンマーティンは、キャデラックF1と後方グループを争う状況にあり、夏休み前の大規模アップデート投入も予定されていない。

    そのためカナダGPは、ホンダとアストンマーティンにとって単なる改善確認ではなく、2026年シーズン後半戦の方向性を左右する“重要指標”として位置づけられている。

    【解説】
    ・ホンダにとって“運命の判定” F1カナダGP後に下されるADUO評価の仕組み

  • 【解説】 ホンダにとって“運命の判定” F1カナダGP後に下されるADUO評価の仕組み

    【解説】 ホンダにとって“運命の判定” F1カナダGP後に下されるADUO評価の仕組み

    2026年F1カナダGPは、単なるシーズン第5戦ではない。ホンダにとっては、新世代パワーユニット(PU)の競争力がFIAによって初めて正式評価される“最初の審判の日”になる可能性がある。

    2026年から導入された新制度「ADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)」では、FIAが各PUメーカーのICE(内燃エンジン)性能を数値化し、一定以上遅れているメーカーに対して追加開発を認める仕組みを採用している。

    その判定基準となるのが、「ICE Performance Index(ICE性能指数)」だ。これは単なる最高速比較ではなく、実戦でのICE性能を総合的に数値化するFIA独自の評価システムであり、2026年F1の勢力図を左右する極めて重要な指標として注目されている。

    ICE Performance Indexは何を見ているのか
    ICE Performance Indexは、PU全体ではなく“ICE単体の競争力”を評価するための指標だ。

    FIAはTechnical Regulations Appendix C5の中で、以下のデータをもとに指数を算出すると説明している。

    ■ エンジン回転数
    ■ 入力シャフトトルク
    ■ MGU-K出力
    ■ ラップタイムへの出力影響度
    ■ エネルギー効率

    重要なのは、これが単純な“馬力ランキング”ではないという点だ。

    2026年PUは電動比率が50%近くまで高まっているため、単にピークパワーだけではなく、加速時のトルク特性、エネルギー回生との連携効率、高速域での伸び、出力持続性まで含めて評価されるとみられている。

    つまりFIAは、「どのメーカーのICEが実戦で本当に速いのか」をデータベース化しようとしているのである。

    ホンダにとってカナダGPが重要な理由
    2026年シーズンの第1評価期間は、以下の5戦で構成される。

    ■ オーストラリアGP
    ■ 中国GP
    ■ 日本GP
    ■ マイアミGP
    ■ カナダGP

    FIAはこの5戦のデータをもとにICE Performance Indexを算出し、カナダGP終了後2週間以内に各PUメーカーへ結果を通知する予定だ。

    つまりカナダGPは、“最初のADUO判定が締め切られるレース”という意味を持つ。

    特にモントリオールは、長い全開区間と低速立ち上がりが連続するサーキットであり、ICE効率やエネルギーマネジメント性能が露呈しやすい。加えて、強い加速性能と回生制御の完成度も問われるため、2026年型PUの総合力が見えやすいコースでもある。

    そのため、このレースのデータはICE Performance Indexにも少なからず影響を与えるとみられている。

    “2%ライン”がF1政治の焦点に
    ADUOは、トップICEから2%以上遅れていると判定されたメーカーに追加開発を認める制度だ。

    遅れ幅に応じて、追加ホモロゲーション回数は変化する。

    ■ 2〜4%遅れ
    → 当年1回+翌年1回の追加開発

    ■ 4%以上遅れ
    → 当年2回+翌年2回の追加開発

    さらに重要なのが、追加コストキャップ枠までセットで付与されることだ。

    つまりADUOは単なる“開発許可”ではなく、「追加予算込みの救済制度」として機能する。

    そのため現在のF1では、“2%ライン”が極めてセンシティブな数字になっている。

    仮にホンダが「1.9%遅れ」なら救済なし。しかし「2.0%遅れ」なら追加開発権と追加予算を獲得できる。

    つまり、“少し遅れている方が有利”という逆説的な状況すら生まれている。

    ADUOで認められる追加開発の範囲
    ADUO対象に認定されたメーカーは、通常のホモロゲーション制限を超えて追加アップグレードを行うことができる。

    対象範囲は非常に広い。

    ■ ICE本体
    ■ 排気システム
    ■ ターボチャージャー
    ■ ウエイストゲート/ポップオフ
    ■ ERS関連システム
    ■ MGU-K
    ■ 冷却系
    ■ 制御電子系
    ■ センサー類
    ■ 油圧機能
    ■ 作動液
    ■ バラスト

    つまりADUOは、「エンジン本体を少し直せる」だけの制度ではない。燃焼効率、ターボ効率、電動回生、熱管理、制御ソフト、信頼性対策まで幅広く手を入れられる可能性がある。

    ホンダにとっては、振動対策や出力制御、ERSとの協調、冷却効率の改善など、開幕から課題とされてきた領域に開発余地が生まれる点が大きい。

    ただし、ADUOの開発権はシーズン内で累積されない。最初に対象と認定された時点で付与されるものであり、使わなかった分を翌年へ持ち越すこともできない。

    ホンダ F1パワーユニット(エンジン)

    追加予算は最大1100万ドル(約20億3500万円)
    ADUOが重要なのは、単に「開発してよい」という許可だけでなく、コストキャップ上の追加支出枠も認められる点にある。

    ICE Performance Indexでトップからどれだけ遅れているかに応じて、PUメーカーには以下の追加予算枠が与えられる。

    ■ 2〜4%遅れ
    → 最大300万ドル(約5億5500万円)

    ■ 4〜6%遅れ
    → 最大465万ドル(約8億6025万円)

    ■ 6〜8%遅れ
    → 最大635万ドル(約11億7475万円)

    ■ 8〜10%遅れ
    → 最大800万ドル(約14億8000万円)

    ■ 10%以上遅れ
    → 最大1100万ドル(約20億3500万円)

    さらに2026年に限っては、10%以上の大きな遅れがあるメーカーに追加支援が提供される可能性もある。

    FIAシングルシーター部門責任者のニコラス・トンバジスは、この制度について「ADUOはBoP(Balance of Performance)ではない」と強調している。

    「メーカーが突然、より多くの燃料流量や軽い重量を与えられるわけではない。これはコストキャップ救済メカニズムだ」

    トンバジスはそう説明した。

    さらに、「遅れているメーカーに“ブラウニーポイント”を与える魔法の制度ではない」とも語っている。

    「メーカーは依然として最高のエンジンを作らなければ勝てない。ADUOは、Technical Regulationsの枠組みの中で、パワーユニットを開発するための余地を与えるものだ」

    つまりFIAの狙いは、“性能均一化”ではなく、“競争不能レベルの差”を固定化させないことにある。

    特に2026年は完全新規PU時代の初年度であり、ホンダ、アウディ、レッドブル・パワートレインズ・フォードなど、新たな体制で挑むメーカーも多い。そのためFIAは、開幕時点の差が数年間固定化される事態を避けようとしている。

    ホンダは“救済対象”になるべきなのか
    2026年のホンダPUには、振動問題、制御系の未成熟、エネルギーマネジメント効率不足など複数の課題が指摘されてきた。

    マイアミGPでは、フェルナンド・アロンソが“コンマ5秒規模のロス”を抱えていたとも報じられており、さくらの施設では現在も対策が続けられているとされる。

    だからこそ、カナダGP後のADUO判定は極めて重要だ。

    もしホンダがADUO対象になれば、追加ホモロゲーションと追加予算を得た上で、後半戦へ向けて大規模改善を進められる可能性がある。

    一方で、“ギリギリ対象外”になった場合は最も苦しい。改善の必要性を抱えながら、開発制限だけは維持されるためだ。

    2026年F1において、ICE Performance Indexは単なる技術指標ではない。それは、開発自由度、政治的立場、シーズン後半の勢力図まで左右する“新たな戦場”になろうとしている。

    そして、その最初の判定がカナダGP後に下される。ホンダにとって2026年F1カナダGPは、単なる1戦ではなく、“今季の未来”を左右する評価レースになる可能性がある。

  • アストンマーティンF1 ギアボックス問題で“コンマ5秒損失” カナダGPで改善へ

    アストンマーティンF1 ギアボックス問題で“コンマ5秒損失” カナダGPで改善へ

    アストンマーティンは、2026年F1カナダGPを前にマシンの大きな問題を解消しつつあるようだ。フェルナンド・アロンソは前戦マイアミGPで今季ベストとなる15位でフィニッシュしたが、その裏では1周あたりコンマ5秒を失っていたという報道が浮上している。

    シーズン序盤から苦戦が続くアストンマーティンでは、チーム代表エイドリアン・ニューウェイへの批判も強まっていた。しかし、今回の改善が事実であれば、ようやく開発が正常な方向へ進み始めた可能性が見えてきた。

    マイアミGPで発覚した“コンマ5秒”の損失
    スペイン人F1ジャーナリストのカルロス・ミケルは、ロルダン・ロドリゲスとの対談の中で、アストンマーティンがギアボックス同期の問題に取り組んでいたことを明かした。

    「アストンマーティンは今週末も改善してくる。実際にコースを走ることで改善していくものだからね」

    「マイアミではギアボックス同期に問題を抱えていた」

    「彼らはギアボックスに取り組んできたし、もし正常に作動していれば、アロンソは1周あたりコンマ5秒を稼げていたはずだ」

    「この3週間、その問題に取り組み続けてきた。明確な改善はあるだろう。ただ、それでもQ1敗退圏から抜け出せるほどではない」

    この問題は本来マイアミGPの時点で導入されているはずだったとされており、実際にはソフトウェア側の同期問題がパフォーマンスを妨げていたとみられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “まだプレシーズンテスト中”という異例の状況
    ミケルは現在のアストンマーティンの状況について、「他チームならプレシーズンテスト終盤に相当する段階だ」とも説明した。

    「マシンが良くなればなるほど、さらに改善が進む」

    「ただ現状のアストンマーティンは、絶対的に見れば非常に厳しいプレシーズンテスト終盤のような状態にある」

    「しかし相対的に見れば、周回を重ねるたびに学習が進む。振動問題が大幅に改善されたことで、さらに多くの周回を重ねられるようになる」

    「そうなれば、プレシーズン中に彼らが語っていた“アドバンテージ”を得られる。ソフトウェアの使い方を学ぶだけでコンマ5秒を得られるということだ」

    アストンマーティンは今季、振動問題や信頼性問題に苦しみ続けてきた。特にホンダ製パワーユニット周辺の振動対策は開幕当初から大きなテーマとなっており、マイアミでは今季初の2台完走を達成したことで、内部では一定の前進が確認されていた。

    ニューウェイ主導の再設計はベルギーGPが焦点
    エイドリアン・ニューウェイは現在、7月のベルギーGP投入を目指してAMR26の大規模な見直しを進めているとされる。

    当初は「ニューウェイが2027年以降へ完全シフトし、現行車開発を止めるのではないか」との懸念も広がっていた。しかし、マイアミGPで見られた改善傾向に加え、今回報じられたギアボックス同期問題の修正が事実なら、少なくとも現行車の改善作業は継続されていることになる。

    もちろん、現時点でアストンマーティンが一気に上位争いへ復帰するという見方は少ない。それでも、コンマ5秒規模のロスが本当に解消されれば、中団グループとの距離感は確実に変わってくる。

    カナダGPは、アストンマーティンが“本当の現在地”を測る週末になるかもしれない。

  • ランス・ストロール アストンマーティンF1の苦境に信念「勝てる要素は揃っている」

    ランス・ストロール アストンマーティンF1の苦境に信念「勝てる要素は揃っている」

    ランス・ストロール(アストンマーティン)は、チームが厳しい時期を迎えているなかでも、アストンマーティン・アラムコのプロジェクトに対する信念は揺らいでいないと語った。

    F1で約200戦を重ねてきたストロールは、結果が出ない時期こそ信念が問われると強調。新施設、CoreWeave AIRトンネル、シミュレーター、そしてエイドリアン・ニューウェイの加入を含む体制強化を背景に、チームの将来には「非常に明るい」可能性があると述べている。

    困難な時期に問われる信念
    現在のチーム状況について、ストロールはAMRテクノロジー・キャンパスに集まる人材と新設備に大きなポテンシャルがあると語った。

    「AMRテクノロジー・キャンパスには信じられないほど才能のある人たちがいるし、新しいCoreWeave AIRトンネルやシミュレーターのようなツールには大きなポテンシャルがある」

    「僕たちには勝てるチームになるための要素がすべて揃っている。あとはそのポテンシャルを引き出すだけだ」

    「今は難しい時期を経験しているけれど、僕はこのプロジェクトを強く信じている。未来はとても明るいし、この厳しい時期を乗り越えて、僕たちが進んでいる旅の一部でありたい」

    ストロールは、こうした時期は信念を強めると同時に試すものでもあると語る。

    「難しい瞬間は常に人を試す。でも同時に、自分たちが築いているものを本当に信じている人が誰なのかも示してくれる」

    「結果が出ていて、すべてが良いと感じられるときに信じるのは簡単だ。本当のチャレンジは、物事が難しくなり、一緒に問題に取り組まなければならないときに、コミットし続けることだ」

    「それがトップF1チームを築くことの一部だ。今築いている基盤は、将来とても特別なものにつながると本気で信じている」

    経験がもたらした冷静さと視点
    F1での年月を通じて学んだことについて、ストロールはドライビングだけでなく、マシン、チーム、そして自分自身への理解が深まってきたと語った。

    「たくさんある。いろいろなドライビングの戦術、マシンセットアップに関すること、変化するコンディションへの対応、各サーキットでラップタイムを稼ぐためのコツだ」

    「F1で長い時間を過ごすほど、このスポーツの多くが自信とフィーリングに関わっていることに気づく。それは常に続くチャレンジのひとつだ。毎シーズンが違うからだ。常に学び、適応し、マシンや周囲のチームと一緒に進化しようとしている」

    「フィジカル面でもそうだ。レース週末に自分がベストでいるために何が必要か、シーズンを精神的にも肉体的にもどう管理するかを理解する。そういうことはすべて、時間とともに向上していく」

    精神面で難しい時期をどう乗り越えるかについて、ストロールは冷静さと視野の広さが重要だと語った。

    「地に足をつけて、視野を保たなければならない。F1では物事がとても速く動く。数カ月で状況が完全に変わることもある。だから、良い時も悪い時も感情的になりすぎると、本当に大事なことに集中し続けるのが難しくなる」

    「ドライバーとして、僕たちはみんな先頭で戦いたい。厳しい時期を過ごしているときは、もちろんフラストレーションがある。チームの全員が信じられないほど懸命に働いていて、もっと多くを望んでいるからだ。でも、そうした瞬間も何かを築く一部だ」

    「働き続け、自分たちがどこを改善しなければならないかに正直であり続け、すぐに結果が出なくてもプロセスを信じなければならない」

    ランス・ストロール アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    20年以上かけて築いてきたドライビングへの情熱
    ストロールにとって、ドライビングは単なる仕事ではない。シーズン中の休みであっても、彼はコックピットから長く離れることは少ない。

    最近、アストンマーティン・ヴァンテージGT3やF3マシンを走らせた理由について、ストロールは純粋なドライビングへの情熱を語った。

    「僕は人生を通じてクルマとレースに情熱を持ってきた。いろいろなクルマや、いろいろなモータースポーツのカテゴリーをドライブするのが好きだ。これは20年以上かけて築いてきた技術だ」

    「異なるクルマが何をするのかを感じることは、ドライバーとして素晴らしい練習になる。レース感覚を鋭く保てるし、何を学べるか分からない」

    「特にF3マシンは、僕がずっとドライブするのを好きだったクルマだ。2016年にその選手権で勝ったし、そこにはたくさんの良い思い出がある。僕のドライビングスタイルに合っていたし、いつも笑顔にしてくれるクルマのひとつだ」

    「トラックデイやラリードライビングのような機会があるときは、いつも楽しんでいる。僕にとってはステアリングホイールの後ろにいて、運転することが大事なんだ。それが僕のやりたいことすべてだ」

    若手との共有と理想のレーシングカー
    ポール・リカールでのGT3走行では、アストンマーティン・アラムコ・ドライバーアカデミーのマリ・ボヤ、ロベルト・メリとともに走行した。

    「マリを誘った一番大きな理由は、自分が気の合う人たちとその経験を楽しみたかったからだ。そして、彼が速いことも知っている」

    「僕たちは良い関係を築いているし、以前にも一緒にトラックデイをしたことがある」

    「ポール・リカールでマリと僕と一緒に走ったロベルト・メリとは何年も前から知り合いで、日本GPの週末に夕食をしていたときにそのアイデアが出た」

    「マリはすでにアストンマーティン・アラムコ・ドライバーアカデミーの一員で、良い人間だし、一緒に多くの時間を過ごしてきた。だから自然にそうなった」

    若手を助ける責任について問われると、ストロールはボヤの速さを認めた。

    「彼にはあまり指導は必要なかった! マリはものすごく速かった」

    「僕は耐久レースを経験しているので、トラフィックマネジメントのようなことについていくつかアドバイスした。でも、ドライバーがF3やF2のレベルに到達すれば、基本はすでに備わっている」

    理想のレーシングカーについて、ストロールは低速域でのメカニカルグリップ、高速域での空力グリップ、軽さ、鋭い方向転換、反応の良いフロントエンドを挙げた。

    「重いブレーキングゾーンや複合的な進入コーナーでは、しっかりしたリアも欲しい。僕はノーズに従って動くクルマが好きだ」

    「例を挙げるなら、セバスチャン・ベッテルがチャンピオンを獲得した時代のエイドリアン・ニューウェイ設計の多くのマシンは、完璧に近かった」

    「だから、僕たちにはその仕事にふさわしい人物がいる」

    ストロールの見方は明確だ。困難な時期は一時的なものだが、アストンマーティンの野心は変わらない。チームの物語はまだ書かれている途中であり、その中心に自分もいたいと考えている。

  • ホンダF1撤退懸念を否定 過去最大級の赤字でもHRC「変更は見込んでいない」

    ホンダF1撤退懸念を否定 過去最大級の赤字でもHRC「変更は見込んでいない」

    ホンダは、EV関連事業の巨額損失と経営方針の大幅な見直しを発表したが、F1を含むモータースポーツ活動に影響はないと強調した。

    同社は2026年3月期決算で、EV需要の急減を背景に約1兆4536億円規模のEV関連損失を計上。上場企業として70年以上の歴史で初の通期赤字となる営業損失4239億円を記録した。

    EV戦略を後退させ、ハイブリッドへ再配分
    ホンダは、米国での環境規制の巻き戻しなどを背景に、世界的なEV需要が大きく減速したと説明している。

    これを受け、同社は従来のEV重視路線を修正し、需要が高いハイブリッド車へ開発・生産リソースを再配分する方針を示した。

    「ホンダは、現在需要が高いハイブリッドモデルに、より多くの開発・生産リソースを再配分する」と同社は発表した。

    また、2040年までに内燃機関車を事実上廃止するという従来の目標からも後退し、EV、ハイブリッド、カーボンオフセットを組み合わせながら、2050年のカーボンニュートラル達成を目指す姿勢に切り替えた。

    三部社長は辞任を否定「成長軌道に戻す」
    本田技研工業の三部敏宏CEOは、今回の厳しい業績を受けて辞任する考えがあるかを問われた。日本企業では大きな経営失敗の後に経営責任を問う質問が出ることは珍しくない。

    だが、三部CEOは再建に集中する姿勢を示した。

    「我々は、電気自動車用バッテリーを含む将来技術の開発研究を継続していく」

    「成長軌道に戻していく」

    本田技研工業 ホンダ・レーシング

    HRCはF1活動への影響を否定
    F1に関しては、ホンダの財務状況悪化に加え、アストンマーティンとの新たな電動比率の高いレギュレーション時代の立ち上がりが難しいものになっていることから、活動継続への懸念も出ている。

    しかし、ホンダはF1プロジェクトの安全性を強調している。

    ホンダ・レーシング(HRC)は声明で、「HRCは、5月14日に発表された財務発表に起因するモータースポーツ活動への具体的な変更は見込んでいない」と述べた。

    ホンダは市販車事業ではEV一辺倒の戦略を修正する一方で、F1を含むモータースポーツ活動については継続方針を崩していない。アストンマーティンとのF1プロジェクトは、同社の将来技術開発を示す重要な場として、少なくとも現時点では経営再建の対象とは切り離されている。