カテゴリー: ホンダF1

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1残留は“ハンガリーGP次第”を否定

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1残留は“ハンガリーGP次第”を否定

    フェルナンド・アロンソは、アストンマーティンがハンガリーGPで投入予定の大型アップグレードが自身のF1キャリアの去就を左右するとの見方を否定した。チームの技術責任者エイドリアン・ニューウェイは「非常に重要」と位置づけていたが、アロンソは「判断材料のひとつに過ぎない」と冷静な見解を示している。

    今季限りでアストンマーティンとの契約が満了するアロンソには、アルピーヌ復帰の噂も浮上している。

    去就に注目が集まるなか、本人はマシン性能だけでなく、チームの将来性やF1そのものへの考え方など、複数の要素を総合的に判断すると語った。

    ニューウェイ「ハンガリーGPは非常に重要」
    アストンマーティンはハンガリーGPでAMR26の大規模アップグレードを投入する計画だ。

    エイドリアン・ニューウェイはチーム公式コンテンツ『Undercut』の中で、このアップグレードがアロンソの将来にも影響を与える可能性があるとの見方を示した。

    「非常に重要だ。フェルナンドはアップグレードをとても楽しみにしているし、それが期待どおりの成果を出せば、来季も彼がコクピットに座ってくれることを願っている」

    一方で、2026年シーズンのアストンマーティンは苦戦が続いている。ニューウェイ設計のAMR26は期待されたパフォーマンスを発揮できず、アロンソはここまでわずか1ポイント獲得にとどまり、チームも新規参戦のキャデラックを上回る順位に位置しているだけだ。

    アロンソ「判断はマシンだけではない」
    しかし、アロンソ本人はニューウェイの見解に同意しなかった。

    シルバーストンでPlanetF1.comなどのメディアに対し、次のように語っている。

    「それが本当に直結しているとは言えない。クルマが良くても悪くても、考えなければならない要素は他にもある」

    さらに、マシン性能だけで去就を決めるわけではないと説明した。

    「クルマがすごく良くても、このスポーツが望まない方向へ進んでいると感じるかもしれない」

    「逆にブダペストで大きく改善しなくても、その後に別のアップグレードがあるかもしれないし、来年に向けたまったく新しいコンセプトがあるかもしれない。チームの雰囲気が変われば、さらに数年続けようと思う可能性もある」

    そのうえで、ハンガリーGPの結果が無意味ではないと認めた。

    「もちろん助けにはなる。8月初めに休暇へ入る前にブダペストで良いレースができればうれしい。でも、それだけが判断材料ではない」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    アルピーヌ復帰説とF1引退後の構想
    複数の関係者によれば、アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレと、2027年からタイトルスポンサー就任が見込まれるグッチが、アロンソの獲得を後押ししているとされている。

    一方、アロンソはF1を離れた場合についても具体的なプランは決まっていないと明かした。

    「分からない。本当に分からない」

    ただし、モータースポーツで挑戦したい目標は依然として多いという。

    「これからもいくつか挑戦したいことがある。そのほとんどはモータースポーツに関するものだ」

    最大の目標として挙げたのがダカール・ラリー制覇だ。

    「ダカールで勝ちたい。以前から何度も言ってきたし、耐久レースにももう一度挑戦したい。もしマックス(フェルスタッペン)が一緒にやりたいと言うなら、なおさら面白い」

    また、現役を退いた後もアストンマーティンに貢献したい考えを示した。

    「現役を引退したとしても、このチームで別の役割を担い、力になりたいと思っている」

    「F1にはもう26年間いる。チームの中でも2番目か3番目に経験が豊富な人間だと思う。その経験はチームに役立つはずだし、家でテレビを見ているより、その知識をチームのために使いたい」

    今回の発言からは、アロンソの去就がハンガリーGPのアップグレードだけで決まるわけではないことが明確になった。マシンの競争力に加え、チームの将来像や自身のモータースポーツ人生全体を見据えたうえで、2027年以降の進路を慎重に判断していくことになりそうだ。

  • アストンマーティン・ホンダF1に“特効薬”なし バトンが大型アップデートに警鐘

    アストンマーティン・ホンダF1に“特効薬”なし バトンが大型アップデートに警鐘

    アストンマーティン・ホンダF1はハンガリーGPで今季初の大型アップデートを投入する予定だが、チームアンバサダーを務めるジェンソン・バトンは「すぐに状況を変える特効薬にはならない」との見方を示した。

    今季のアストンマーティンは開発リソースを一度に投入する方針を採り、他チームのような小規模アップデートを重ねてこなかった。その結果、直近では予選ペースでキャデラックにも約1秒遅れる苦戦を強いられている。

    一方で、ザントフォールトではホンダがパワーユニットのアップグレードを投入する予定となっており、シーズン後半の巻き返しに期待が集まっている。

    大型アップデートは「正しい方向への一歩」
    Crash.netの取材で、大型アップデートの成功基準を問われたバトンは、まずは他チームと戦えるレベルに近づくことが重要だと語った。

    「まず第一に、ほかのマシンと競争できるようになることだ」

    「彼らはこの大型アップデートのために、シーズンを通してアップグレードを投入してこなかったことを忘れてはいけない。昔のF1はこういう形だった。毎戦のように細かな改良を重ねるのではなく、数戦ごとに大きなアップデートを入れて、一気にコンマ5秒改善するといったものだった」

    そのうえで、エイドリアン・ニューウェイへの信頼は揺るがないと強調した。

    「どれだけパフォーマンスが向上するかは分からない。でも私はエイドリアンを信じている」

    「もちろん、このアップグレードだけで表彰台争いができるようになるとは思っていない。それでも正しい方向への一歩となり、2027年へ向けた土台になるはずだ」

    「F1に特効薬は存在しない」
    バトンは、トップチームとの差を短期間で埋めることの難しさも強調した。

    「マクラーレン、メルセデス、フェラーリ、レッドブルのようなチームと戦うF1に特効薬はない」

    「彼らはこの世界で最高のチームだ。アストンマーティンの現在の位置から、わずか12か月でトップまで駆け上がるのは非常に難しい」

    エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ニューウェイへの揺るがぬ信頼
    厳しいシーズンを送りながらも、バトンはニューウェイがチームを再建できると確信している。

    「私はずっとエイドリアン・ニューウェイのマシンをドライブしてみたいと思っていた」

    「彼がこれまで数々のチームで成し遂げてきたことは本当に驚異的だ。私は彼のマシンと何度も戦い、その多くに敗れてきた。それだけ彼の実力をよく知っている」

    そして、今回のアップデートは長期的なプロジェクトの第一歩だと締めくくった。

    「今年はチームにとって厳しいシーズンだが、私はこのチームの将来を本当に信じている」

    「大型アップデートを入れても、すぐに優勝争いをすることはないだろう。しかし確実に前進し、その成果は2027年、そして2028年へとつながっていくはずだ」

    【関連】
    ・アストンマーティン・ホンダF1 真の実力を示す時「大半の改革は終えた」

  • ランス・ストロールの奇妙なステアリング操作はアンダーステアへの不満の表れ?

    ランス・ストロールの奇妙なステアリング操作はアンダーステアへの不満の表れ?

    ランス・ストロール(アストンマーティン)がF1イギリスGPで見せた不可解なステアリング操作が、大きな話題となっている。

    高速コーナーのコプスからマゴッツ、ベケッツにかけてフルロックに近い舵角を与えるオンボード映像はSNSで拡散され、多くのファンや関係者を驚かせた。この行動について、元インディカー勝者のコナー・デイリーが「すべてのドライバーが一度は経験することだ」と説明している。

    ストロールの異例のステアリング操作とは
    シルバーストンの高速区間でストロールは、通常では考えにくいほど大きなステアリング入力を繰り返していた。

    この映像はSNSで急速に拡散され、「マシントラブルではないか」「ドライバーのミスでは」とさまざまな憶測を呼んだ。

    しかし、The Race F1 Podcastに出演した元インディカードライバーのコナー・デイリーは、これはドライバーなら誰もが経験する”フラストレーションの表れ”だと語る。

    「レースカーで見た映像の中でも、最も面白いクリップの一つだった」

    「特にあれが最速コーナーの一つだったというのが面白い。僕も走ったことがある素晴らしいコーナーだけど、あれほどリアが安定していて、それでもあんなふうにステアリングを切れるというのは……」

    「全ドライバーが一度はやる」その理由
    デイリーによれば、この動きは極端なアンダーステアに対するドライバーの本能的な反応だという。

    「どんなドライバーでも、人生で一度はあの瞬間を経験していると思う。アンダーステアやバランスの悪さに嫌気が差して、『もう全部切ってみよう』となる瞬間がある」

    さらに、自身のインディカー時代の経験も明かした。

    「僕もエンジニアに『コーナー中盤でステアリングを全部切っても何も起きない』と言ったことが何度もある」

    「すべてのドライバーに聞いてみればいい。『そうだ、一度試したことがある』と答えるはずだ。とにかくマシンを曲げたいのに曲がらない。だから『ほら、これが今のクルマだ』と示すためにやる」

    つまり、実際にマシンを曲げようとしているというよりも、エンジニアへ問題を伝えるための意思表示でもあるというわけだ。

    アストンマーティンF1の苦戦も背景に
    デイリーは、ストロールの行動はチーム全体が苦戦している現状とも無関係ではないと指摘した。

    「これは積み重なったフラストレーションだと思う。今のチームは苦戦しているし、正直もっと期待していた。フェルナンド(アロンソ)の経験もあるチームだからね」

    また、F1ではすべてのマシンにオンボードカメラが搭載されているため、このような行動が世界中に広まっただけだとも語った。

    「F1だからこそ映像が残る。オンボードは常に撮影されていて、誰かが必ず見ている」

    「ランスも『だから言っただろ、もっとフロントグリップが必要なんだ』という気持ちだったんじゃないかな。タイヤには良くないし、速くもならない。でもあれだけ苦しんでいる姿を見るのはつらい」

    ランス・ストロール F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アロンソにも同情「見るのがつらい」
    デイリーは、チームメイトであるフェルナンド・アロンソについても言及した。

    「彼はいまでも本当に速い。でも年齢を重ねていることも事実だ。それでも自分にはまだ勝てる力があると信じているし、実際そうだと思う」

    さらに、自身がインディ500でアロンソと戦った経験を振り返りながら、その実力を高く評価した。

    「彼とレースができたのは幸運だった。本当に素晴らしいレーサーだ。マックス(フェルスタッペン)のように、とにかく最高を目指し、勝ちたいという気持ちを持ち続けている」

    「だからこそ、今の状況を見るのは本当につらい。僕はフェルナンドのファンだからね」

    今回のストロールの不可解なステアリング操作は、一見すると奇妙な動きに映るものの、実際にはドライバーなら誰もが経験するマシンへの不満の表れだった。デイリーの証言は、アストンマーティンF1が抱える深刻なバランス問題と、ドライバーたちのフラストレーションの大きさを改めて浮き彫りにしている。

  • アストンマーティン・ホンダF1 真の実力を示す時「大半の改革は終えた」

    アストンマーティン・ホンダF1 真の実力を示す時「大半の改革は終えた」

    アストンマーティンはハンガリーGPで投入予定のAMR26大型アップデートに大きな期待を寄せている。チーム広報のペドロ・デ・ラ・ロサは、このアップデートを「本来の実力を発揮する第一歩」と位置づけ、シーズン後半戦での巻き返しに自信を示した。

    エイドリアン・ニューウェイ主導で進められてきた開発計画は空力だけでなく、軽量化やシャシー、サスペンション、さらには開発・製造体制の改革まで含む包括的なプロジェクトだ。

    チームは単なる性能向上ではなく、今後数年間を見据えた基盤づくりが実を結び始めると考えている。

    なぜ話題なのか
    アストンマーティンは2026年シーズンここまで深刻な競争力不足に苦しんでおり、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは入賞争いにも加われないレースが続いている。

    こうした状況を打開するため、ニューウェイと最高技術責任者エンリコ・カルディレは、小規模な改良を積み重ねるのではなく、ハンガリーGPで大規模アップデートを一括投入する方針を採用した。

    新仕様では軽量化を目的としたフロント側シャシーの再ホモロゲーション、新型ノーズ、大幅に見直された空力パーツ、新型リアサスペンションなどが導入される予定だ。さらにザントフォールトではホンダ製パワーユニットのアップグレードも控えているとみられ、シャシーとPUの両面で競争力向上が期待されている。

    デ・ラ・ロサが語る大型アップデートの狙い
    デ・ラ・ロサはPlanetF1.comの独占インタビューで、今回のアップデートについて「ドライバーが戦えるマシンを与えること」が最大の目的だと説明した。

    「ドライバーが戦いを楽しめるようになり、より予測しやすく、より速く、最終的には競争力のあるマシンになることが目標だ」

    一方で、具体的なタイム短縮幅については慎重な姿勢を崩さなかった。

    「どれだけ速くなるかという目標を掲げるべきではない。未知の要素が多く、まずは結果を示さなければならない」

    現在の状況についても率直に語っている。

    「今の我々は最後尾付近にいる。ファンに約束をするのではなく、結果を出さなければならない」

    また、今回の変更は空力だけではないことも強調した。

    「エイドリアンも説明しているように、空力アップデートだけではない。軽量化を含め、マシンのさまざまな部分が強化される」

    最終的にはアロンソとストロールが笑顔でマシンを降りられることが成功の指標になるという。

    「今は戦うことすらできていない。だから2人が戦い、笑顔でクルマを降りてくることを願っている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    今後の焦点
    デ・ラ・ロサは、ハンガリーGPが完成形ではなく、改革の出発点にすぎないと強調している。

    「ハンガリーですべてが終わるわけではない。その後も開発プログラムは続いていく」

    また、ニューウェイが進める組織改革についても大きな成果が出始めているという。

    これまで外部委託していたギアボックスケースやフロアなどの部品を自社生産へ切り替えたことで、品質管理や開発スピード、コスト管理が大きく改善。研究から設計、製造までのフィードバックサイクルも短縮されている。

    デ・ラ・ロサは「必要な改革の大部分は終えた」と語り、最新設備や新風洞、シミュレーターなどローレンス・ストロールが進めてきた巨額投資が、いよいよ結果として現れ始めるとの見方を示した。

    「今後数か月で我々は本来の実力を示せる段階に入ると思う」

    「必要な人材も、設備も、プロセスもようやく揃った。今はその力を発揮する時間を与えるだけだ」

    シーズン前半は苦戦が続いたアストンマーティンだが、ハンガリーGPから始まる大型アップデートは、2026年後半戦だけでなく、ホンダとの本格的なパートナーシップを迎える将来へ向けた重要な試金石となりそうだ。

  • アストンマーティンF1に深刻な問題 ストロール「空力的に完全に壊れている」

    アストンマーティンF1に深刻な問題 ストロール「空力的に完全に壊れている」

    ランス・ストロールは、F1イギリスGPで相次いでトラックリミット違反のペナルティを受けた背景について、マシンの不安定な挙動が大きく影響していたと明かした。アストンマーティンが苦戦を続けるなか、現在のAMR26について「空力的に完全に壊れている」と厳しい表現で現状を語っている。

    チームは今季ここまで小規模アップデートを重ねるのではなく、ハンガリーGPで投入予定の大規模な「Bスペック」マシンに開発資源を集中。

    その導入を前に、ストロールのコメントは現在のマシンが抱える深刻な課題を浮き彫りにした。

    ストロールが3度のペナルティを受けた理由
    ストロールはシルバーストンで19位完走となったが、レース中にトラックリミット違反を繰り返し、9周の間に3回の5秒ペナルティを科された。

    F1ではトラックリミット違反が3回まで認められ、それ以降は違反のたびに5秒加算される。ストロールは33周目から42周目までの間に3回追加で違反し、52周のレースで合計6回の違反を記録した。

    ストロールはレース後、その原因について次のように説明した。

    「たぶん妥当だったと思う」

    「レースではひどいアンダーステアが出ていたし、マシンは本当に壊れていた。だからコース内に収め続けること自体が難しかった」

    「毎周、毎コーナーで挙動が違った。本当に難しいレースだった。今年ずっとこんな感じだ」

    さらに「レース中に物理的な故障があったという意味か」と問われると、ストロールは次のように否定した。

    「いや、そうじゃない。空力的に完全に壊れているという意味だ」

    オンボード映像では、コプスやマゴッツ〜ベケッツといった高速区間で大きくステアリングを切り込む場面が確認されており、不安定なマシン挙動に苦しんでいた様子がうかがえた。

    それでも限界まで攻め続けたことについては、次のように語っている。

    「もちろんだ」

    「レースをしている以上、常に全力を尽くそうとしている」

    ランス・ストロール(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ハンガリーGP投入のBスペックに望み
    アストンマーティンは2026年シーズン序盤から苦戦が続いており、チーム代表エイドリアン・ニューウェイのもとで開発方針を見直した。

    他チームのように細かなアップデートを積み重ねるのではなく、ハンガリーGPで投入する大規模アップデートに開発を集中させる戦略を採用している。

    ニューウェイは先週、この新仕様AMR26がハンガリーGPでデビューし、「大きな前進」が期待できるとの見通しを示した。

    改良の中心となるのは軽量化で、シャシーとギアボックス構造を見直して重量を削減するほか、リアサスペンション、ノーズ、各種空力パーツにも変更が加えられる予定だ。

    さらに夏休み明け最初のオランダGPでは、ホンダ製パワーユニットにもアップデートが投入される計画となっている。

    今回のストロールの発言からは、現在のAMR26が単なるセッティングの問題ではなく、ドライバー自身が「空力的に完全に壊れている」と表現するほど深刻な状態にあることが伝わってくる。ハンガリーGPのBスペック、そしてオランダGPでのホンダPUアップデートが、アストンマーティン復調への大きな試金石となりそうだ。

  • アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイが15時間勤務 苦境脱出へ設計に没頭

    アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイが15時間勤務 苦境脱出へ設計に没頭

    アストンマーティンは2026年F1イギリスGPでも苦戦を強いられ、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはともにトップから大きく遅れ、決勝でも周回遅れで18位、19位に終わった。

    一方で、チーム再建を託されたエイドリアン・ニューウェイは、シルバーストンのファクトリーで連日15時間にも及ぶ作業を続け、新パーツの設計に没頭していることが明らかになった。期待を大きく下回るシーズンとなるなかでも、名エンジニアは改善への歩みを止めていない。

    アストンマーティンはなお深刻な低迷
    アストンマーティンは今季、ホンダ製パワーユニットの振動問題については大幅な改善を果たしたものの、AMR26全体の競争力は依然として不足している。

    イギリスGP予選ではフェルナンド・アロンソとランス・ストロールがポールポジションから約5秒遅れを喫し、決勝でも2台とも周回遅れでフィニッシュした。

    レース中のオンボード映像では、コーナリング時に大きくステアリングを切らなければならない場面も映し出され、アロンソはグリッドへ向かう途中でエンジンストールも経験するなど、マシンの扱いづらさが際立っていた。

    ニューウェイは15時間勤務で改善策を模索
    ニューウェイはシーズン序盤までにアストンマーティンがトップクラスのシャシーを手にしていると考えていたとされる。しかし実際には、自身が主導したAMR26の大胆な設計コンセプトは期待した成果につながらず、さらにホンダ製パワーユニットも信頼性や性能面で苦戦している。

    それでもニューウェイ自身は、マシン開発の方向性が間違っていたとは考えていない。

    現地ジャーナリストのティム・ハウラニーは、イギリスGP直前にアストンマーティンのファクトリーを訪問。その際、ニューウェイが朝7時30分頃から夜遅くまで約15時間にわたり勤務し、自室で新パーツのスケッチを描き続けていた様子を目撃したという。

    ハウラニーはポッドキャスト『Nailing The Apex』で次のように語っている。

    「木曜日の夜にアストンマーティンのファクトリーを訪れ、案内を受けていた。メカニカル部門、空力部門、CFD、風洞施設などがオープンレイアウトで配置されていて、建物の奥まで見渡せた」

    「一番奥に巨大な製図板があり、定規が置かれていた。私の両腕を広げたよりも長いくらい大きなものだった。夜9時30分だったが、近づいてみるとニューウェイ本人だった」

    「彼はイーゼルの前で身をかがめ、マシンに使えそうな新しいパーツをスケッチしていた。私は天才が仕事をしている姿を遠くから見て圧倒されていた」

    「案内してくれた人に『彼はいつからここにいるのか』と聞くと、『朝早くからです』と言われた。朝7時30分頃に来ていて、私が見たのは夜9時30分。それでも『おそらく夜11時頃まで仕事を続けるでしょう』と言っていた」

    エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ハンガリーで大型アップグレード投入へ
    アストンマーティンはハンガリーGPで大型アップグレードを投入し、巻き返しを狙っている。

    ただしチーム内部でも、このアップデートだけで状況が劇的に改善するとは考えられていない。期待どおり約2秒の性能向上が得られたとしても、現状では依然として最後尾付近にとどまる可能性があるとの見方もあり、トップ争いへの復帰にはさらなる開発が必要とみられている。

    今回明らかになったニューウェイの長時間勤務は、アストンマーティンが抱える問題の大きさを物語ると同時に、名設計者がその解決へ全力を注いでいることを示している。ハンガリーGP以降のアップグレードが復調への第一歩となるのか、その成果に注目が集まる。

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    アストンマーティン・ホンダF1 大型アップグレード後もAMR26開発継続を示唆

    アストンマーティンは、2026年シーズン後半に予定している大型アップグレード投入後も、マシン開発を継続する可能性があることを明らかにした。

    チームはハンガリーGPで今季最大のアップグレードを投入し、その後のオランダGPではホンダ製パワーユニットの改良版を導入する計画だ。ただし、これらがどの程度の戦力向上につながるかについては慎重な姿勢を崩していない。

    大型アップグレード後も開発継続を視野
    シルバーストンで、エイドリアン・ニューウェイは今後のアップグレードによって最低でもポイント争いに加わりたいとの目標を語った。

    「少なくともポイントを獲得できる位置には行きたい」

    「トップ10入りを約束できるわけではないが、少なくともQ2へ進出できるようになれば、その先は戦えると思う」

    一方、トラックサイド責任者のマイク・クラックは、その効果を現時点で断言することはできないと説明した。

    「その質問は木曜日にも受けたが、答えはシンプルだ。現時点では分からない」

    「シミュレーションが示す結果と、実際にサーキットで起きることはまったく別だ」

    「まずはマシンをコースへ持ち込み、自分たちがどの位置にいるのか確認する必要がある」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    予算制限も見据えながら今後を判断
    クラックは、ハンガリーGPでシーズン最大のアップグレードパッケージを投入し、その後のオランダGPでホンダの改良型パワーユニットを導入する計画を改めて明かした。

    そのうえで、それ以降も追加開発を続ける可能性があると説明している。

    「その後に何ができるかを見極めることになる」

    「予算上限についてはさまざまな議論があるので、どこまで資金を投入できるか判断しなければならない」

    「しかし、開発はまだ終わっていないと確信している」

    アップグレードは長期計画で進行
    フェラーリをはじめ各チームの開発競争が注目されるなか、クラックはアップグレードは短期的なレース結果に左右されるものではなく、長期的な計画に基づいて進められるものだと強調した。

    「毎週アップグレードを投入するのであれば、かなり前から計画しておかなければならない」

    「『オーストリアで結果が悪かったから翌週にアップグレードを投入する』というようなことはできない」

    「どのチームにも独自の開発計画があり、それぞれの制約の中で仕事を進めている」

    今回の発言からは、アストンマーティンがハンガリーGPの大型アップグレードとオランダGPでのホンダ製パワーユニット改良版を重要な転換点と位置付けつつも、その結果次第ではシーズン終盤に向けてさらなる開発を続ける姿勢であることがうかがえる。

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  • クリスチャン・ホーナー アストンマーティンF1加入説再燃 ニューウェイと抱擁

    クリスチャン・ホーナー アストンマーティンF1加入説再燃 ニューウェイと抱擁

    クリスチャン・ホーナーは、F1イギリスGPで約1年ぶりにF1パドックへ姿を見せた。レッドブル代表解任後では初のグランプリ訪問となり、アストンマーティン加入説が続くなかでの行動に注目が集まっている。

    シルバーストンのグリッドでは、アストンマーティンを率いるエイドリアン・ニューウェイと抱擁を交わす姿が目撃された。この場面は、両者の関係改善を示すものとして、ホーナーの将来を占う「手がかり」になる可能性があると報じられている。

    約1年ぶりにF1パドックへ復帰
    クリスチャン・ホーナーは2026年F1イギリスGP決勝に姿を見せた。2025年のイギリスGPを最後にレッドブルのチーム代表を退任して以来、初めてグランプリのパドックを訪れたことになる。

    ホーナーはレッドブルとの和解条件に基づき、春以降は他チームでの活動が可能となっており、この1年ほどアストンマーティンやアルピーヌへの加入がたびたび噂されてきた。一方、新規参戦チームに加わる可能性も取り沙汰されている。

    ニューウェイとの抱擁が注目集める
    ホーナーのアストンマーティン加入で課題とみられていたのが、エイドリアン・ニューウェイとの関係だった。

    両者は2024年4月のニューウェイ退任前後に関係が悪化したと伝えられていたが、英『The Telegraph』によると、シルバーストンの決勝前グリッドでは2人が抱擁を交わす様子が目撃されたという。

    ニューウェイは現在、アストンマーティンでチーム代表を兼任しており、チームの株式も保有している。このため、ローレンス・ストロール会長がホーナー招聘を決断するには、ニューウェイの理解や賛同も重要になるとみられている。

    今回の抱擁は両者の関係が良好であることを示すものであり、ホーナーのアストンマーティン加入実現への「手がかり」になる可能性があるとの見方が報じられている。

    ホーナーは将来について明言避ける
    ホーナーはイギリスGP期間中の複数のインタビューで、適切なプロジェクトがあればF1復帰に前向きな姿勢を示した。

    ただし、特定のチームについてはコメントを避け、アストンマーティンとの交渉状況などについても明言しなかった。

    一方のアストンマーティンはイギリスGPでフェルナンド・アロンソが21位、ランス・ストロールが22位に終わるなど苦戦が続いている。チームは今後数戦のうちに今季最大規模となるアップグレードパッケージを投入する計画だが、シルバーストン予選ではQ2進出まで2.2秒届かず、大幅な戦力向上が求められている。

    ホーナーとニューウェイの抱擁が単なる再会の挨拶だったのか、それとも将来につながる意味を持つものだったのかは現時点では不明だ。しかし、アストンマーティン加入説が続くなかで両者が友好的な関係を示したことは、今後の動向を占う上で注目すべき出来事となった。

  • エイドリアン・ニューウェイ アロンソに謝罪「私の責任」 2027年残留も熱望

    エイドリアン・ニューウェイ アロンソに謝罪「私の責任」 2027年残留も熱望

    エイドリアン・ニューウェイは、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソとランス・ストロールに対し、AMR26Bの開発計画を十分に共有できていなかったことを認め、自身の責任だったと謝罪した。また、2027年もアロンソに現役を続けてほしいとの考えを明かし、ハンガリーGPで投入予定のAMR26Bがその鍵になるとの見方を示した。

    アストンマーティンは2026年シーズン、新レギュレーションへの対応やホンダとの新たなパワーユニット開発に苦戦し、開幕から9戦を終えて深刻な戦力不足に直面している。

    エイドリアン・ニューウェイはチーム代表と技術責任者を兼務しながら、マシン開発の立て直しに全力を注いでいる。

    開発優先でドライバーとの対話不足を認める
    シーズン序盤のアストンマーティンは、トップ勢から1周あたり約4秒遅れる戦闘力不足に加え、激しい振動やシートポジションの問題、ブレーキング時の電気系統の不安定な挙動など、多くのトラブルを抱えてきた。

    その結果、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは無線やメディアを通じてたびたび不満を口にしてきた。

    エイドリアン・ニューウェイは、その背景には自身の説明不足もあったと認めた。

    「2人のドライバーはフラストレーションを抱えている。それが時にはメディアでも表れていた。しかし、それは理解できることだ。彼らは非常に競争心が強く、勝利を争いたいと思っている」

    さらに、ドライバーの立場について次のように説明した。

    「ドライバーは自分が感じること、運転しているマシン、そしてコース上で目にするものを基準に判断する。当然ながら、これほど多くの問題を抱え、他チームと戦えない状況は非常に大きなストレスだった」

    AMR26B開発のため現場を離れる日々
    エイドリアン・ニューウェイはAMR26Bの開発に専念しており、開幕から9戦で現地入りしたのはオーストラリア、モナコ、そして母国イギリスGPの3戦のみだった。

    そうした状況を踏まえ、6月には開発作業の手を止め、アロンソとストロールに直接説明する時間を設けたという。

    「約2週間前、時間を作ってフェルナンドとランスに、アップグレードパッケージで何を進めているのか、2027年に向けて何を学んでいるのかを詳しく説明した。そして、見えにくいかもしれないが、2人のフィードバックをしっかり聞き、それを反映しようとしていることも伝えた」

    ニューウェイは、コミュニケーション不足がドライバーの不満を大きくしたことを率直に認めている。

    「人は自分の声が聞き入れられていないと感じると、大きなフラストレーションを抱くものだ。それは自然な反応だ。フェルナンドとランスに十分な時間を割き、アップグレードパッケージや来季に向けて何を目指しているのかを説明できていなかったことについては、私に全面的な責任がある」

    エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    2027年残留へ AMR26Bが重要な試金石
    エイドリアン・ニューウェイは、チームとしてアロンソの2027年残留を強く望んでいることも明言した。

    そのためには、ハンガリーGPでデビュー予定のAMR26Bが期待どおりの成果を示すことが重要になるという。

    「非常に重要だ。フェルナンドは今回のアップグレードに大きな期待を寄せている。もし良い結果が得られれば、あと1年ステアリングを握り続けてくれることを期待している」

    さらに、アロンソの存在価値について次のように評価した。

    「彼の経験、マシンへの理解、そして開発を導く能力は計り知れない価値がある。ただし、彼はチームが明確で具体的な進歩を示すことを望んでいる。私たちが正しい方向へ着実に前進していることを証明できれば、彼は引き続き全力でチームに貢献してくれるだろう」

    アストンマーティン再建の成否を左右するアップグレード
    アストンマーティンは次戦ベルギーGPでも厳しい戦いが予想されるが、その後のハンガリーGPでは待望のAMR26B投入が予定されている。

    ニューウェイは、自らの説明不足を認めたうえで、アップグレードによってドライバーにチームの方向性を示す必要があると語った。AMR26Bが期待どおりの成果を発揮できれば、アストンマーティンの巻き返しだけでなく、アロンソの2027年残留にも大きな弾みとなる。

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    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1を信頼「開発計画は把握している」

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1第9戦イギリスGPで18位に終わったものの、アストンマーティンが進める開発計画については「落ち着いている」と語り、今後投入されるアップグレードに期待を示した。

    フェルナンド・アロンソは決勝前のフォーメーションラップで電源トラブルに見舞われた一方、レース後には開発状況や2026年F1マシンへの考えについて率直な見解を明かした。

    フォーメーションラップで突然の電源停止
    フェルナンド・アロンソは、フォーメーションラップでマシンの電源が突然落ちた状況について、原因はまだ調査中だと説明した。

    「原因はまだ分からない。これから確認するところだ。すべてが突然オフになって真っ暗になり、その後また戻った」

    このトラブルによりグリッドに着くことができず、FIAのレギュレーションに従ってピットレーンから決勝をスタートした。

    「ルール上、必ずピットに入らなければならなかった。その後のレース自体は問題なく走れた」

    開発計画には自信「以前から共有されている」
    アストンマーティンは今後数戦で大型アップグレードを投入すると見られている。エイドリアン・ニューウェイとのミーティングについて質問されたアロンソは、最近になって知らされた話ではないと強調した。

    「オーストラリアの時点からすでに把握していた。何度もファクトリーへ行ってシミュレーターを使ってきたし、チームは常に計画やパフォーマンスについて情報を共有してくれている」

    「だから僕たちは落ち着いている。シーズン後半に向けていくつか改善を実現できるよう、一緒に取り組んでいる」

    また、今回のイギリスGPも将来へ向けたデータ収集の場だったと振り返った。

    「チームのためにデータを集めるレースだった。開発に役立つものが見つかればいいし、その間も僕たちはできる限り速く走り続けるだけだ」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    2026年F1への不満「ボタンを押すだけで抜ける」
    アロンソは、シルバーストンでのレース内容についても厳しい見方を示した。現在の2026年F1マシンでは、ドライバーの技量よりもエネルギーマネジメントが勝負を左右していると指摘する。

    「今日のレースは見ていないけど、昨日のスプリントを少し見た。ストレートの途中でバッテリーが多い方が簡単にオーバーテイクしていた」

    「前のマシンを抜くのにドライバーの技術や才能は必要ない。誰よりも遅くブレーキングする必要もないし、アウト側から仕掛ける必要も、リスクを冒す必要もない。ただボタンを押して、前のマシンより大きなパワーがあれば追い抜ける」

    アロンソは今回のイギリスGPこそ苦しい週末となったものの、アストンマーティンが進める開発計画には信頼を寄せている。一方で、2026年F1マシンについては、ドライバーの技術よりもシステム性能が勝敗を左右している現状に強い危機感を示した。

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