カテゴリー: ヘルメット

  • セバスチャン・ベッテル、ピンクのヘルメットで移籍後初走行

    セバスチャン・ベッテル、ピンクのヘルメットで移籍後初走行

    アストンマーティンF1のセバスチャン・ベッテルは、ピンクのカラーリングを施したヘルメットで2021年の初走行を行った。

    昨年までフェラーリF1で6年間ドライバーを務めていたセバスチャン・ベッテルは、2021年のF1世界選手権から新生アストンマーティンF1でキャリアの新たな章をスタートさせる。

    アストンマーティンF1は3月4日(水)にシルバーストン・サーキットで2021年F1マシン『AMR21』のシェイクダウンを実施。セバスチャン・ベッテルとチームメイトのランス・ストロールが新車での初走行を行った。

    注目のひとつはセバスチャン・ベッテルのヘルメット。昨年までホワイトをベースにドイツの国旗カラーの黒・赤・黄のストライプのデザインを使用していたベッテルだが、シェイクダウンではそこが色味の異なるピンクのストライプに変更されていた。

    これはアストンマーティンF1のスポンサーに就任したオーストリアの水技術企業『BWT』のカラーリングだ。昨年までレーシング・ポイントのタイトルスポンサーを務めていたBWTは、マシンとドライバーのヘルメット、レーシングスーツにピンクのカラーリングを要求していた。

    今季、アストンマーティンF1はコグニザントがタイトルスポンサーを務め、マシンカラーは伝統のブリティッシュグリーンが採用されているが、BMTもスポンサーを継続し、AMR21にピンクのラインを加えている。レーシングスーツの肩もピンクのカラーリングが入っている。

    今回のセバスチャン・ベッテルのヘルメットがグランプリ開幕後もそのまま使用されるかはわからないが、BMTのスポンサーシップの大きさが伺えるシェイクダウンとなった。

    セバスチャン・ベッテル アストンマーティンF1 ヘルメットセバスチャン・ベッテル 2021年 F1ヘルメット

    一方、チームメイトのランス・ストロールは、ピンクではなく、チームカラーに合わせたブリティッシュグリーンのヘルメットを着用。サイドには象徴的な“アストンマーティン・ウィングス”が確認できる。

    ランス・ストロール アストンマーティンF1 ヘルメットランス・ストロール 2021年 F1ヘルメット

    関連:【動画】 アストンマーティンF1、AMR21をシェイクダウン

  • フェルナンド・アロンソ、2021年のヘルメットのデザインを公開

    フェルナンド・アロンソ、2021年のヘルメットのデザインを公開

    アルピーヌF1で復帰を果たすフェルナンド・アロンソが、2021年のF1世界選手権で着用するヘルメットのデザインを公開。配色的にタイトルを2連覇した2006年に近いデザインを復活させた。

    2018年にF1を離れていたフェルナンド・アロンソだが、今年2年ぶりにF1復帰。2005年と2006年にタイトルを獲得した古巣ルノーがブランド変更したアルピーヌF1に加入する。

    2017年にインディ500に出場した際にF1とは異なるレトロなデザインのヘルメットを着用したフェルナンド・アロンソは、2018年からそれをベースとしたデザインのヘルメットを着用してきた。

    フェルナンド・アロンソは、2021年のF1復帰に先立って新しいヘルメットのデザインを公開。かつて慣れ親しんだヘルメットのデザインに戻した。

    アルピーヌF1のブランドカラーであるブルーを盛り込んだデザインは、頭頂部に2006年にタイトルを獲得した際に着用していたヘルメットを彷彿とされる配色とデザインとなっている。

    2月に自転車でトレーニング中に事故に遭い、顎を骨折したフェルナンド・アロンソは、渡航制限の問題によってアルピーヌF1の2021年F1マシン『A521』の発表会を欠席したが、怪我は順調に回復しており、3月12日からスタートするプレシーズンテストには問題なく参加できるとしている。

    フェルナンド・アロンソ ヘルメット 2021年フェルナンド・アロンソ ヘルメット 2021年

    2006年のフェルナンド・アロンソ
    フェルナンド・アロンソ 2006年

  • マックス・フェルスタッペン、2021年もヘルメットはホワイトを選択

    マックス・フェルスタッペン、2021年もヘルメットはホワイトを選択

    レッドブル・ホンダF1のマックス・フェルスタッペンは、2021年のF1世界選手権もホワイトのヘルメットで挑む。

    レッドブル・レーシングのドライバーとして6シーズン目を迎えたマックス・フェルスタッペンは、ホワイトをベースにオレンジでデザインを施したヘルメットを使用することを選んだ。グランプリで10勝を挙げているフェルスタッペンがオランダの国旗の色を選んだのは3シーズン目となる。

    マックス・フェルスタッペンは、なぜ気に行っているものを変える必要があるのかと語る。

    「2021年は白いヘルメットをかぶる3年目だ」とマックス・フェルスタッペンはソーシャルメディアで語った。

    「気分が良いときになぜ何かを変える必要がある? とにかく改善をプッシュしつづけるだけだ」

    「ヘルメットはそれほど変わっていないけど、いつももっと良い結果期待している」

  • セルジオ・ペレス、“レッドブル・ホンダ仕様”のF1ヘルメットを披露

    セルジオ・ペレス、“レッドブル・ホンダ仕様”のF1ヘルメットを披露

    セルジオ・ペレスは、2021年のF1世界選手権で着用する“レッドブル・ホンダ仕様”のヘルメットを披露した。

    今年、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして加入したセルジオ・ペレスは、レッドブルのカラースキームとホンダのロゴの入ったヘルメットをチームの2021年F1マシン『RB16B』の発表日に公開した。

    セルジオ・ペレスは、このヘルメットを着用して2月23日(火)にシルバーストンで2019年の『RB15』でレッドブルのF1マシンとホンダのF1エンジンでの初走行を完了。24日(木)にはレッドブル・ホンダ RB16Bのシェイクダウンに参加する。

    昨年までレーシング・ポイントのドライバーを務めていたセルジオ・ペレスは、タイトルスポンサーのBWTの意向でピンクのヘルメットを要求されていたが、今年はその呪縛から解放されて自分の好きなカラーを選ぶことができたことうれしく思っていると語った。

    「ご存知のように、黄色は僕の色だ。以前はピンクに固執しなければならなったけど、ようやく黄色のヘルメットに戻れることをうれいく思います」とセルジオ・ペレスは語った。

    シューベルト製のヘルメットは、ネイビーの部分にメキシコの象形文字をモチーフにした柄が施され、背面には母国メキシコの国旗と“NEVER GIVE UP”の文字が入れられる。経験豊富なメキシコ人ドライバーのセルジオ・ペレスは、最新のデザインを“これまでで最も美しいヘルメット”と評している。

    セルジオ・ペレスのレッドブルとの契約1年であり、少なくとも23戦でレッドブルのロゴが入ったヘルメットを着用することを許可されている。

  • マクラーレンF1のダニエル・リカルド、2021年のヘルメットを披露

    マクラーレンF1のダニエル・リカルド、2021年のヘルメットを披露

    マクラーレンF1のダニエル・リカルドは、困難な時代に楽観的なメッセージを世界に伝える『All Good,All Ways』という想いを込めた2021年のヘルメットを披露した。

    印象的なヘルメットデザインは、昨年からデザインを依頼している Ornamental Conifer が発案。ブルーの色調のパレットにパパイヤオレンジのマクラーレンとうまく調和するであろうオレンジが差し色で使用されている。

    「2021年のヘルメット–これだ」とダニエル・リカルドはSNSに投稿した動画で新しいヘルメットを紹介。

    「これはまた新たな Ornamental Conifer のデザインだ。僕はそれに感動した。今年のテーマは『AllGood、AllWays』だった」

    「実際、2つの意味がある。いつだって大丈夫だ。太陽は常に輝いている。浮き沈みがあるかもしれないけど、とにかくあなたがすることに対して前向きになるという意味だ」

    「第二の部分は、あなたがどこの出身で、どのような人生の歩み、レース、宗教、どれであっても・・・All Good, All Ways、誰もがクールだという意味だ」

    「僕たちは受け入れている。誰もがみんなを愛している。僕はそれに興奮している。これが今年僕が向き合っていることだ。あなたがそれを気に入ってくれることを願っている」

    ダニエル・リカルドは、2月15日(月)の現地時間19時(日本時間26時)に2021年F1マシン『MCL35M』のアンベールを行う。

    ダニエル・リカルド(マクラーレン) 2021年ヘルメット

  • ロマン・グロージャン、子供達がデザインしたヘルメットでインディカーへ

    ロマン・グロージャン、子供達がデザインしたヘルメットでインディカーへ

    元ハースF1のロマン・グロージャンは、インディカーの初テストに子供たちが最後のF1レースのためにデザインしてくれたヘルメットを着用する予定だ。

    ロマン・グロージャンは、F1バーレーンGPでマシンが大炎上するクラッシュで手にやけどを負ってレースを欠場することになった後、F1アブダビGPの週末にユニークなヘルメットを披露していた。

    ヘルメットには3人の子供達によって絵と色付けがされており、ロマン・グロージャンはそのヘルメットを着用する機会がなかったことを惜しんでいた。

    当時のツイートでロマン・グロージャンは「僕が想像できるなかで最も美しいヘルメットだ。アブダビでの最後のF1レースのためにサシャ、サイモン、カミーユによって作成された。あまりにも美しいので、家に未使用のまま置いておくことはできない!」と語っていた。

    その後、ロマン・グロージャンは、2021年にデイル・コイン・レーシングと契約してインディカーに参戦することが決定。コックピットに戻るときには子どもたちがデザインしてくれたヘルメットを着用することを明かした。

    「そうだね。最初のテスト、そして、おそらくシーズンの最初のレースのためにはそのヘルメットで運転するつもりだ」とロマン・グロージャンは説明した。

    「スポンサーを更新し、ハースのロゴを非表示にして、デイル・コインのロゴを付けているだけだ。でも、そうだね、そのヘルメットをレースするつもりだ。僕にとって大きな意味がある」

    ロマン・グロージャン 子供たちがデザインしたヘルメットロマン・グロージャン 子供たちがデザインしたヘルメットロマン・グロージャン 子供たちがデザインしたヘルメット

    ロマン・グロージャンは今月後半に初めてインディカーをテストする。昨年11月のF1バーレーンGPでの激しいクラッシュ以来のレーシングカーとなる。火傷した左手は今や完全に回復しつつあるが、事故による他の悪い副作用はなかったとグロージャンは語る。

    「人生に対する見方は少し違っているけど、いつだって自分に戻る傾向がある」とロマン・グロージャンは説明。

    「手には傷跡があるし、脳には(精神的な)傷跡があるけど、それは脳のネガティブな傷跡ではない。は非常にポジティブだと思う」

    「人生がどのように進むか、そして、それがどれほど早く消えるかをより理解しているような感じだ。そして、僕は生きていることを幸せだと思っている」

    「子供たちと一緒に時間を過ごすことができて、どのレースで走りたいかを決めることができるのは幸せなことだ。それが大きなことだと思う」

    「F1にいるときは、ほぼどんな犠牲を払っても本気でF1に留まろうとするものだ、そして、今、僕はそれを理解している。素晴らしいものだったし、それは僕のキャリアで何も変えわらない」

    「でも、F1以外でやるべきことはたくさんあるし、僕はそれを受け入れる準備ができている」

  • ガスリー、アイルトン・セナ財団にイモラで着用したヘルメットを寄付

    ガスリー、アイルトン・セナ財団にイモラで着用したヘルメットを寄付

    アルファタウリ・ホンダF1のピエール・ガスリーは、昨年のF1エミリア・ロマーニャGPで着用したスペシャルヘルメットをアイルトン・セナ財団に寄付した。

    2020年にF1がイモラに戻ってきたレースで、ピエール・ガスリーは、セナ家の正式な許可を受け、アイルトン・セナの象徴的なカラーリングとデザインを取り入れたトリビュートデザインのスペシャルヘルメットを着用した。

    「当然ながら、アイルトンのためにこのスペシャルヘルメットを作った。子供の頃からずっとセナの大ファンだったからね」と当時ピエール・ガスリーは語っている。

    「彼は僕のアイドルの一人だった。そして、僕にとってここでそれをすることは重要だった」

    アイルトン・セナが、イモラで開催された1994年のF1サンマリノGPで命を落としている。彼のウィリアムズはタンブレロでコースオフし、外側のバリアにクラッシュした。

    2006年以降、イモラをF1カレンダーから外れていたが、新型コロナウイルスのパンデミックに対応してF1が変更を余儀なくされたことで、2020年の急遽グランプリスケジュールに戻った。

    ピエール・ガスリーは、予選で4番グリッドを獲得したが、残念ながら、決勝ではわずか8周でラジエーターの問題によってリタイアを余儀なくされた。

    「リタイアは決していいことではない」とピエール・ガスリーは語った。

    「でも、それがここイモラでの僕たちのホームレースだと特に難しい。トップ5の結果が出せる可能性があることを分かっていたからね」

    ピエール・ガスリーは、その週末に着用した特別なトリビュートヘルメットを、ブラジルの貧しい子供たちのために資金を調達しているアイルトン・セナ財団に贈った。

    ピエール・ガスリーは、昨年8月にF1スペインGPに出場して家を空けているときにノルマンディの自宅が空き巣の被害に遭い、ヘルメットやその他の記念品、貴重品などを失った。

    「本当に価値観がなく、無礼で卑劣な人もいる」とピエール・ガスリーはインスタグラムに投稿し、盗難についての情報提供を呼び掛けている。

    ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ) 2020年 F1エミリア・ロマーニャGP(イモラ) アイルトン・セナ トリビュートヘルメット

  • レッドブルF1 特集:ドライバーの個性を表現する重要アイテムの秘密

    レッドブルF1 特集:ドライバーの個性を表現する重要アイテムの秘密

    F1ドライバーのヘルメットはどのように製作されているのだろう? レッドブル・レーシングが構造からデザインプロセスまでのすべてを解説した。

    F1世界選手権が始まった頃、ドライバーの頭部保護はレザーキャップとゴーグルが関の山だった。それから70年、ドライバーの頭部を守る技術は多少の進歩を遂げてきた。レザーキャップが布製カバー付きのコルクキャップに代わり、ファイバーグラス帽体を持つオープンフェイスヘルメットとなり、フルフェイスヘルメットが登場した。

    21世紀に入ると、ヘルメットに用いられるのはもっぱらカーボン複合素材となった。また、安全性をわずかでも高めるためにケブラー製インナーやザイロン製プレートをはじめとする無数の微細な改良と調整が毎年加えられており、安全基準は高まり続けている。しかし、きらびやかなカスタムペイントに覆われているおかげで、これらの地道な努力は見えにくい。

    F1ヘルメットの構造
    F1の多くがそうであるように、ヘルメットもハイテクだからといって製造過程がコンピューター化されているわけではない。F1ヘルメットは極めて高い技術を持つプロ − 職人 − によるハンドメイドで、小規模なワークショップが手がけている製品は少なくない。

    カーボン複合素材のレイヤーを重ねて製作されるヘルメットは、2〜3人のプロが1日がかりで作業して完成するため、Schuberth / Stilo / Bell / AraiなどのメーカーのF1用ヘルメットの年間生産数は数百個に留まる。

    また、F1用ヘルメットは完成後も様々な検査を受けなければならない。現行のFIA 8860-2018規格は、ウエイト10kgを高さ5mから落下させる衝突試験、ハイスピードの衝突体(帽体向け)やエアライフルのペレット弾(バイザー向け)を用いた貫入試験、225gの金属製ディスクを250km/hで射出する弾道試験など中世の拷問部屋さながらの過酷な安全性試験を課しており、790°Cの耐火試験も含まれる。

    F1用ヘルメットはどのような衝撃が加えられても破損しない強度を備えつつ、その衝撃をドライバーの頭部に伝えない衝撃吸収性も備えていなければならない。また、エネルギー特性が異なる高速時と低速時の両方で衝撃を吸収できなければならない。すべての条件をクリアするのは至難の業だが、この規格をクリアするために重ねられた研究が市販ヘルメットに活かされ、最終的にはサーキットと一般道路のあらゆるヘルメット着用者の安全性向上に寄与することを踏まえ、F1は基準をあえて厳しくしている。

    しかし、このような最高レベルの製品は一般のショップや地元サーキットでは販売されていない。F1用ヘルメットにはドリンクチューブや無線用のアクセスポートが備えられており、さらには衝撃吸収フォームの内側にはドライバーの頭部のレーザースキャンデータから製作されたカスタムメイドのフォーム層がある。要するに、各ドライバーが用意するスペアを除けば、世界にひとつしか存在しないのだ。

    スペシャルデザイン
    ヘルメットデザインは、F1における議論のテーマとして奇妙に思えるかもしれないが、長年のF1ファンならこのスポーツではどのようなものでも議論のテーマになりえることを知っているはずだ。

    2010年代前半のF1では、ほぼすべてのレースで異なるデザインのヘルメットを用意するのがトレンドだった。ドライバーたちは、キャリアを通じて同じデザイン、または共通テーマのバリエーションを用意する代わりに、各レース限定のワンオフデザインを用意してその瞬間を祝っていた(スポンサーの関心を高める目的もあったはずだ)。最も極端な例はセバスチャン・ベッテルで、彼はほぼ毎週末、異なるヘルメットデザインを持ち込んでいた。
    FIAはこれを禁じる決定を下し、2015シーズン以降は全ドライバーがシーズンを通じて “ほぼ同じカラーリング” を維持しなければならなくなった。ただし、1レースのみスペシャルデザインのヘルメットを用意することが認められていた。

    FIA側の主張は「毎週末のようにデザインが変更されると、TV視聴者(とコメンテーター)、そして現地で観戦するファンが目の前を高速で通過するドライバーたちを識別しにくくなってしまう」というものだった。

    より目立つ位置にカーナンバーが表示されるようになったことが識別性向上に多少貢献したが、人間の脳は数字や文字よりも色を遙かに速く認識する。たとえば、ニコ・ロズベルグとミハエル・シューマッハがそれぞれイエローとレッドのヘルメットを装着している時は比較的見分けやすかったが、ヘルメットメーカーSchuberthがシューマッハのF1デビュー20周年を祝してゴールド(遠目にはイエロー)のヘルメットをプレゼントすると、ロズベルグとシューマッハを見分けるのが難しくなった。決勝レースの2人はたったの1秒差だったので尚更だった。

    ドライバー全員の意見が一致する機会は滅多にないが、多くのドライバーがこの規制は自分たちに与えられた数少ない表現の自由を不当に制限するものだと反論した。また、ハロ装着が義務付けられたので、そもそもヘルメットは観客から見えにくくなっているとも指摘した。

    この規制へのドライバーたちの不満はある程度表面化しており、あからさまな違反はしなかったものの、“ほぼ同じカラーリング” を曲解するドライバーが出てきた。そして最後はFIAが根負けし、2020シーズンはヘルメットデザインの変更を規制するルールが撤廃された。

    デザインプロセス
    F1用ヘルメットは様々なものからインスピレーションを得てデザインされている。当然ながら、主流はドライバーの出身国のカラーだが、多くのドライバーがティーンエイジャーの頃にすでにベースカラーを決めており、幼少時のジョークや憧れのヒーローがキャリアを通じてヘルメットに反映されるケースもある。一方、スペシャルデザインでは、当該レースが開催されるサーキットや国がテーマになるケースも多い。このようなアイディアを発展させながらドライバーたちはヘルメットペインターとデザインを詰めていく。

    キャリア初期はかなり細かい部分まで口出ししていたよ」と語るのは、アレックス・アルボンだ。

    「以前はほとんどすべてを自分でデザインしたあと、ヘルメットデザイナーに渡して仕上げてもらっていた。僕の頭の中でデザインはほぼ完成していた。キャリアアップして、忙しくなっていくにつれて自分でヘルメットをデザインする時間がなくなってしまったけれど、今も打ち合わせはしているよ。僕とデザイナー(Mad56ことマッシモ・ダンテ)の仕事の進め方は、スタイルやアイディア(開催国や当該サーキットの歴史など)について話し合ったあと、それらをデザインに落とし込んでいくんだ」

    新しいヘルメットの製作プロセスは、ドライバーが殴り書きしたい適当なアイディアをアーティストに渡して終わるような簡単なものではない。スポンサーからの指定、チームからのブランディングやカラーリングのリクエストなど、考慮すべき項目が山ほどあるのだ。

    「僕のヘルメットデザインの大部分はレッドブルのロゴがベースになっている」とアレックスが説明を続ける。

    「スペースやカラーリングはある程度任せてもらえているし、正直に言うと、かなり自由にやらせてもらっているんだ。僕たちでデザインを用意したあと、レッドブル本社とレッドブル・レーシングにダブルチェックしてもらう。当然、レッドブルのロゴを尊重する必要があるから、妥協しなければならない時もある。でも、ヘルメットデザインは楽しい作業だね」

    マシンの構成要素としてのヘルメット
    デザインプロセスは、様々なリクエストや指定を反映させれば終わりではなく、実用性も考慮しなければならない。たとえば、重量は大きな問題だ。クロームは質量が重いため塗料としては敬遠されている。また、どのドライバーも必要以上の塗料を使いたがらない。ほんの数グラム重くなるだけかもしれないが、チームはその数グラムを軽量化するために懸命な努力を重ねており、不必要に重量を増やしたくないのだ。

    デザインプロセスは、使用しているヘルメットのメーカーによって異なる。アーティストがメーカーから完成品を受け取ってからデザインを進めるパターンもあるが、Arai製ヘルメットを使用しているアレックスの場合、アーティストにはカーボンシェルの帽体のみが送られ、ペイントを済ませたあとAraiへ戻されてインナーフォームなどがペイント済の帽体に組み込まれる。

    また、ヘルメットデザインでは、チームから直接送られてくる様々な付属品も考慮しなければならない。当然の話だが、オープンコックピットのマシンではヘルメットが空力に影響するため、ヘルメットの浮き上がりを抑えつつ、エンジンカバーやエアボックス周辺へ効果的に空気流を導くスポイラーやフィンを考慮してヘルメット全体がデザインされている。

    かつて、エイドリアン・ニューウェイはArai製ヘルメットを好んでいることを公言していたため、レッドブル・レーシングの風洞モデルにはArai製ヘルメットのシェイプが採用されている。しかし、マックスはSchuberth製ヘルメットを使用している。2019シーズンのプレシーズンテストでAraiがマックスのサイズに合う最新ヘルメットを用意できなかったため、マックスはSchuberthを使用した。当時導入されたばかりで非常に厳しい規格FIA 8860-2018に準拠していて、マックスのサイズにも合うヘルメットを用意していたのはSchuberthだけだった。このテストでSchuberth製ヘルメットを着用したマックスは、そのまま同社へ切り替えることになった。

    1レースに持ち込むヘルメットの数は?
    F1ドライバーは最低でもプライム1個とスペア1個をガレージ内に用意している。これらにはコンディションに合わせて異なるバイザーや通気孔設定が用意される時もある(たとえばウェットでは通気孔をシールするために異なるラバー製ガスケットが用いられる)。しかし、ドライバーがセッション中にヘルメットを交換する理由の多くは無線の不具合だ。

    スペシャルデザインが許可されている、いないに関係なく、各ドライバーは1シーズンで12個前後のヘルメットを使用する。コックピットが露出している他のカテゴリーと同じく、300km/hを超える走行では薄いペイントに様々な傷やへこみが生じる。しかし、シャシーとは違い、ヘルメットはファクトリーに持ち帰ってリペイントできない。

    また、ドライブ中のコックピットは非常に暑く、大量の汗をかく。ドライバーたちはバラクラーバを被っているが、数レース使用すればヘルメットのインナーライニングはかなり汗臭くなってしまう。ヘビーなワークアウトをこなしたジムウェアが入ったバッグを数週間放置してしまった場合を想像してもらいたい…。

    F1で使用されるヘルメットは一般的なヘルメットと比べると極めて高価で、1個4,000〜7,000ユーロ(約49万〜85万円)は下らない。しかし、多くの場合、ドライバーが購入するわけではなく、ヘルメットメーカーとのスポンサー契約に基づいて、シーズンごとに一定数のヘルメットが供給されるようになっている。

    ところで、使い終わったヘルメットはどうなるのだろう? その多くは、記念品としてディスプレイケースの中で余生を送ることになる。お気に入りのヘルメットはドライバーの自宅やチームのファクトリーに飾られ、一部の幸運なヘルメットはチームのモーターホームに飾られる。その他のヘルメットはスポンサーに贈呈されたり、チャリティーオークションに出品されて高額で落札されたりしている。

    脊髄損傷の治療研究を支援する非営利団体Wings for Lifeは、レッドブル・レーシングのドライバーたちのヘルメット寄付によって大きな恩恵を受けている。たとえば、セバスチャン・ベッテルが2013シーズンのドイツGP優勝時に使用したヘルメットは、ボナムズ(オークションハウス)のオークションで72,100ポンド(約975万円)で落札された。

  • F1:角田裕毅、ヘルメットに描いた“風の神”と“日本国旗”に込めた想い

    F1:角田裕毅、ヘルメットに描いた“風の神”と“日本国旗”に込めた想い

    2021年にアルファタウリ・ホンダからF1参戦する角田裕毅が、“風の神”と日本国旗が描かれたヘルメットに込めた想いを語った。

    今年のFIA-F2をランキング3位で終えた角田裕毅は、2021年にアルファタウリ・ホンダでF1デビューを果たす。日本人がF1にレギュラードライバーとして出場するのは、2014年シーズンまで参戦していた小林可夢偉以来7年ぶり、ホンダのドライバー育成プログラム出身者としては2002年から2008年まで参戦していた佐藤琢磨以来13年ぶりとなる。

    ホンダF1とレッドブルの育成ドライバーである角田裕毅が、ヘルメットの配色や日本のテーマ、背面に描かれた“風の神”について語った。

    「4歳でカートを始めたときの最初のヘルメットがオレンジでした」と角田裕毅は語る。

    「それ以来、オレンジは僕のお気に入りの色なので使い続けています。レッドブルとマックス・フェルスタッペンともリンクしています。彼からコピーしたと思っている人もいますが、実際には小さい頃からこのカラーを使っていて、変えたくありませんでした」

    角田裕毅 ヘルメット

    「今年はヘルメットにいくつか変更を加えました。写真でわかるようにヘルメットの上部に模様を付けました。このパターンはシャルル・ルクレールにインスパイアされました。実際、僕たちはデザイナーが同じエイドリアン・パビオなんです」

    「昨年、彼のヘルメットのデザインの模様を見て、エイドリアンに『とても素晴らしい模様なので同じようなものを僕のヘルメットにも付けたい』と言いました。とてもかっこいいと思いますし、気に入っています。ヘルメットにこのような模様は使ったことはなかったし、初めて試しました」

    「もちろん、レッドブルのブランディングと日本の国旗も入っています。日本の国旗は僕にとって重要でした。自分のためだけでなく、日本のファンのためにレースをしていることを示すことが重要でした」

    「それが国旗が非常に重要だった理由です。国旗がついていると、一緒にレースをしているような気分になりますし、自信が持てます。国旗には影に模様を入れてみたので少し違っています」

    「ヘルメットの裏側には、日本人デザイナーが書いた絵を入れています。風の神の絵です。ダウンフォースは非常に重要ですし、風に関係しているので、それを後ろに追加すればいいかなと思いました」

    「風の神をヘルメットに追加して、ダウンフォースが増えればクールだなと思いました! ちょっとしたお守りみたいなものです。それも今年の新しいことですね」

    角田裕毅 ヘルメット 風の神

  • F1:セルジオ・ペレス、セバスチャン・ベッテルとヘルメットを交換

    F1:セルジオ・ペレス、セバスチャン・ベッテルとヘルメットを交換

    セルジオ・ペレスが、セバスチャン・ベッテルとヘルメットを交換したことを自身のSNSで明らかにした。

    今年ランキング4位で終えたセルジオ・ペレスだが、レーシング・ポイントはアストンマーティンへとブランドを変更する2021年にセバスチャン・ベッテルを起用することを決断。7年間所属していたチームを離れることになった。

    セバスチャン・ベッテルにシートを奪われる形になったセルジオ・ペレスだが、2020年のF1世界選手権が閉幕したF1アブダビGP後、ヘルメットを交換したことをSNSで公開。

    F1ドライバーはしばしばお互いのリスペクトの証としてライバルとヘルメットを交換する。

    セルジオ・ペレスは「仲の良い友人とヘルメットを交換した!」とコメントを添えた。

    まだ2021年の去就が決定していないセルジオ・ペレスだが、複数の情報筋はレッドブル・ホンダがペレスの起用を決断し、今週にも発表されると報じている。それが実現すれば、ペレスにとってはステップアップとなるかもしれない。

    セルジオ・ペレスとセバスチャン・ベッテル