投稿者: dbcheck

  • マックス・フェルスタッペン “Maxipedia”の異名 GT界も驚く知識量と適応力

    マックス・フェルスタッペン “Maxipedia”の異名 GT界も驚く知識量と適応力

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、2026年F1カナダGPまでのインターバル期間を利用して参戦したニュルブルクリンク24時間レースで、GTレース界のベテランドライバーたちを驚かせた。

    自身の「フェルスタッペン・レーシング」名義で参戦したフェルスタッペンは、メルセデスAMG GT3を駆り、ルーカス・アウアー、ダニ・フンカデラ、ジュール・グーノンとチームを結成。

    PlanetF1によると、その圧倒的な適応力とモータースポーツ知識量から、チーム内では“Maxipedia(マキシペディア)”という新たな愛称まで誕生したという。

    初挑戦とは思えないフェルスタッペンの適応力
    ニュルブルクリンク北コースという世界屈指の難関サーキットで行われる24時間レースは、F1とはまったく異なる競技だ。

    しかしフェルスタッペンは、開始からわずか2時間で#47メルセデスをアウト側から攻略。その後もドッティンガー・ヘーエで2台抜きを決めるなど、序盤から主導権を握った。

    夜間走行でも経験不足を感じさせることはなく、DTM王者マロ・エンゲルとの激しいバトルでは接触寸前の攻防も展開。チームメイトたちは、その速さだけでなく“即座に限界を理解する能力”に衝撃を受けた。

    ジュール・グーノンはPlanetF1の独占取材に対し、次のように語っている。

    「彼がこういう環境に飛び込んでくること自体が本当にすごいことだと思う」

    「F1は非常に特殊な世界だし、僕たち耐久レース側も同じだ。その中で、初めてニュル24時間のような“最もクレイジーな耐久レース”に挑戦して、いきなり僕たちと同じレベルで走ってしまう。なぜかって? マックス・フェルスタッペンだからだ」

    “Maxipedia”の異名が生まれた理由
    グーノンによると、フェルスタッペンの凄みは単なるドライビングスキルだけではない。

    GT界のベテランドライバーたちは、彼のモータースポーツ知識量に驚かされたという。

    「マックスは本当にモータースポーツオタクなんだ」

    「ダニといろんな話をしている時も、彼は本当に何でも知っている。だから僕たちは冗談で“Maxipedia”って呼んでいる」

    フェルスタッペンは今回、通常の特例扱いではなく、2025年末の予選レースを通じて正式にDMSB許可証を取得して参戦。その姿勢もGT界で高く評価された。

    GTドライバーも驚いた“エゴのなさ”
    ダニ・フンカデラも、フェルスタッペンの姿勢に強い印象を受けたひとりだ。

    「彼は4度のF1ワールドチャンピオンとして振る舞わない」

    「このカテゴリーに対して非常に謙虚で、常に学ぼうとしている。エゴがまったくないんだ」

    さらにフンカデラは、現在のF1ドライバーの中でニュル24時間に本気で挑戦できる人材は“ほとんどいない”とも指摘した。

    「多くのF1ドライバーはここに来ないと思う。でもマックスは昔からこのレースを見ていて、シミュレーターでも走り込んでいた。本当にこのレースを愛しているんだ」

    F1の枠を超え始めたフェルスタッペン
    今回のニュルブルクリンク24時間では、終盤にABSトラブルとドライブシャフト破損が発生し、フェルスタッペン陣営は優勝争いから脱落した。

    それでも、GTレース初挑戦で示したパフォーマンスは、パドック関係者に強烈な印象を残した。

    近年のF1ドライバーは専門化が進み、カテゴリー外への挑戦が減っている。その中でフェルスタッペンは、F1だけに閉じない“レーサー”としての存在感をさらに強めている。

    今回ニュルで生まれた“Maxipedia”という愛称は、単なるニックネームではなく、彼の異常なまでのレース知識と競争本能を象徴する言葉になりつつある。

  • FIA会長スライエム 2026年F1新V6批判を一蹴「文句を言うのは負けている側」

    FIA会長スライエム 2026年F1新V6批判を一蹴「文句を言うのは負けている側」

    FIA(国際自動車連盟)のモハメド・ビン・スライエム会長が、2026年から導入された新世代V6ハイブリッドPUへの批判に反論した。FIAは今季開幕後から電動エネルギー運用ルールの修正を重ねているが、依然としてレース内容や予選での挙動に対する不満の声は続いている。

    一方で、モハメド・ビン・スライエムはそうした批判の背景に「競争力の差」があると主張。さらに2031年からのV8回帰構想についても改めて言及し、2030年終了後にはFIAが投票なしでエンジン規定を主導できると明かした。

    「不満を言っているのは負けている側だけ」
    モハメド・ビン・スライエムは『Forbes』に対し、2026年PUレギュレーションは十分な準備期間を経て導入されたと強調した。

    「我々はPUメーカーとも協議したし、チームとも協議した」とモハメド・ビン・スライエムは語った。

    「私が就任したのは2022年で、このレギュレーションは2022年8月に署名された。しかし、これは8か月で決まったものではない」

    「18か月にわたって全チームと集団的に議論を行い、その後に導入された。2022年8月から、今年バルセロナで最初のテストを行うまで、全員にとって十分な時間があった」

    そのうえで、現在の混乱は各チームごとの問題にすぎないと指摘した。

    「あるチームはマシンに問題を抱え、別のチームはPUに問題を抱え、さらに別のチームはシャシーに問題を抱えている」

    「だが興味深いのは、後方にいる者たちだけが不満を言っていることだ。メルセデスやフェラーリが不満を言っているのを聞いたか? もちろん聞いていない。これはサイクルなんだ」

    「今は非常に強い者がいて、他の全員がその座を奪いたがっている。それが競争というものだ。しかし批判は、自分たちが正しく対応できなかった側からしか出てこない」

    FIAは開幕後もルール修正を継続
    FIAは開幕戦後から2026年レギュレーションの見直しを続けており、マイアミGPではエネルギーマネジメント関連を中心に複数の修正が導入された。2027年レギュレーションについても、すでに変更作業が進められている。

    モハメド・ビン・スライエムは、ドライバー側の意見も反映して改善を進めていると説明した。

    「オーストラリアの後に議論を行い、技術部門とシングルシーター委員会とも協議した。その後、ドライバーたちにも意見を求めた」

    「我々は電動化の適用方法や安全性についてドライバーたちと協議した。そして今では、状況は改善しているように見える」

    「これを行うことがFIAの責任だ。我々は思いつきで決定を下しているわけではない。我々は関係者と協議し、情報を集め、そのうえで一つのチームではなく、全体にとって最善のものを選んでいる」

    2031年V8回帰構想を再び主張
    モハメド・ビン・スライエムは、以前から主張しているV8エンジン回帰案についても再び言及した。今回は「決定事項」ではなく、「ますますそう考えている」とトーンを変えつつも、2030年終了後にはFIA主導で新PU規定を決定できると説明している。

    「新しいエンジンについては、V8の話をしてきた。そして私は、ますますV8を復活させる方向に傾いている」

    「2030年シーズン終了時点で、FIAは投票を経ることなくエンジン設計の権限を取り戻すことになる」

    「ただ我々としては、それを1年前倒しで実現したいと思っている」

    現在の2026年PUは、“50対50”のハイブリッド比率や大幅な電動化を特徴としている。しかし開幕後には、エネルギー不足による失速やレース中のマネジメント偏重が問題視され、FIAはすでに修正対応に追われている。

    その状況下でのV8回帰発言は、現行規則への不満をかわしつつ、将来的な方向転換への支持を集める狙いも透けて見える。

  • BYD アルピーヌF1買収に関心 ルノー旧PU工場も取得検討か

    BYD アルピーヌF1買収に関心 ルノー旧PU工場も取得検討か

    中国の自動車メーカーであるBYDが、アルピーヌF1チームへの関与に興味を示していると報じられた。F1 Oversteerによると、BYDはルノーがかつてF1パワーユニット開発拠点として使用していたヴィリー=シャティヨン工場の取得も視野に入れているという。

    アルピーヌを巡っては、投資会社「Otro Capital」が保有する24%株式の売却を検討しているとされ、チームの将来を巡る憶測が続いている。

    そうした中で、FIA会長モハメド・ビン・スライエムが“中国メーカーのF1参戦”を望んでいることもあり、BYDの動きが注目を集めている。

    BYDはアルピーヌF1の“全体取得”も視野か
    F1 CEOのステファノ・ドメニカリとBYD副会長ステラ・リーは、BYDのF1参戦について協議を行ったとされる。

    ブラジルメディア『UOL』によると、BYDはルノーの旧F1工場があるヴィリー=シャティヨン施設の取得に関心を示しているという。

    ルノーは2025年に同施設を閉鎖。アルピーヌは2026年からメルセデス製パワーユニットを使用するカスタマーチームへ移行した。

    この動きは、BYDが単なるスポンサー参入ではなく、将来的に独自パワーユニットを開発する“ワークス参戦”を視野に入れている可能性を示唆している。ただし、新規メーカーとしてF1へ本格参入するには莫大な投資が必要となるため、実現時期は不透明だ。

    アルピーヌF1チーム ルノー

    ホーナーやメルセデスもアルピーヌに関心
    一方で、アルピーヌを巡る争奪戦はBYDだけではない。

    クリスチャン・ホーナーがOtro Capital保有株の取得を検討しているとの報道もあり、経営面でアルピーヌに関与する可能性が浮上している。

    さらにメルセデスも24%株式の取得を模索しているとされるが、すでにパワーユニット供給契約を結んでいることから、“アルピーヌがメルセデスのBチーム化する”との懸念も出ている。

    マクラーレンCEOのザク・ブラウンは、この構図についてレッドブルとレーシングブルズの関係になぞらえながら懸念を表明したとされる。

    BYD参戦ならF1勢力図に大きな変化も
    BYDが実際にアルピーヌ買収へ動けば、F1にとっては大きな転換点となる可能性がある。

    現在のF1では自動車メーカー主導の参戦機運が高まっており、アウディやキャデラックF1に続く新たな大型メーカーとして、中国最大級EVメーカーであるBYDが加われば、商業面でも技術面でもインパクトは極めて大きい。

    ただ、アルピーヌ側が中国企業による買収提案をどこまで本格的に受け止めるのかは現時点では不明であり、今後の動向が注目される。

    【関連】
    ・クリスチャン・ホーナー 中国BYDと協議 12番目のF1チーム構想が浮上

  • キャデラックF1 カナダGPでアストンマーティン超え狙う “シンデレラ”脱却へ前進

    キャデラックF1 カナダGPでアストンマーティン超え狙う “シンデレラ”脱却へ前進

    キャデラックF1は、2026年シーズン序盤の苦戦から着実に前進を見せている。F1マイアミGPではセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスのピットストップが上位水準のタイムを記録し、チーム運営面での成長を印象づけた。

    スペイン『MARCA』は、キャデラックが次戦F1カナダGPを“転機”として捉えていると報道。2026年シーズン開幕時には“グリッドのシンデレラ”とも呼ばれた新興チームだが、今ではアストンマーティンを射程圏に捉えつつあるという。

    高速コーナーを苦手とするマシン特性に対し、低速主体のモントリオールは相性が良いと分析している。

    キャデラックF1が示した“運営力”の進化
    2026年のキャデラックF1は、開幕当初こそ最後尾争いに埋もれていた。しかし、マイアミGPではチームの成熟を感じさせる場面が見られた。

    セルジオ・ペレスのタイヤ交換は2.73秒、バルテリ・ボッタスは2.96秒を記録。いずれもグランプリ全体で上位に入るタイムであり、マクラーレンのランド・ノリスが記録した最速2.43秒との差を大きく縮めている。

    グレアム・ロードンは、チームの改善を次のように語った。

    「今回のピットストップは本当に完璧だった。我々はいくつかの場面で大きな前進を果たせた」

    開幕当初は“学習期間”と見られていたキャデラックだが、徐々に“最後尾のシンデレラ”という立場から脱却し始めている。

    アストンマーティンとの差を縮める開発前進
    キャデラックにとってさらに大きいのは、開発面での前進だ。

    ロードンは、現在のアップデートについて「狙い通りに機能している」と説明。風洞データと実車挙動の相関が改善されたことを明かしている。

    「アップデートは我々の期待通りに機能している。ほぼ継続的に新パーツを投入していく予定だ」

    F1では、シミュレーション上の性能向上が実際のサーキットで再現されない“相関問題”が大きな壁となるケースが多い。フェラーリF1も現在その問題に苦しんでいると報じられている一方、キャデラックは改善傾向を見せており、中団グループだけでなくアストンマーティンとの差を縮める材料になりつつある。

    カナダグランプリ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    弱点は高速コーナー
    一方で、マシンの課題も明確になっている。

    ボッタスは現在の弱点について次のように説明した。

    「僕たちの最大の問題は高速コーナーと中速コーナーだ」

    現在のキャデラックはローダウンフォース区間やストップ&ゴー型サーキットでは比較的競争力を発揮できる一方、高速域では依然としてダウンフォース不足に苦しんでいる。

    そのため、鈴鹿やシルバーストンのような高速サーキットよりも、低速主体の市街地系レイアウトの方がマシン特性に合っているとみられる。

    F1カナダGPは“シンデレラ脱却”の試金石
    その意味で、次戦F1カナダGPはキャデラックにとって大きな好機となる。

    ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、低速シケインと強いブレーキングが連続する典型的な“ストップ&ゴー”サーキットであり、高速コーナー依存度は比較的低い。

    ボッタスもモントリオールでの前進に期待を示している。

    「カナダではもっと近づけることを期待している。ラップは短いし、タイム差も小さくなるはずだ」

    2026年F1グリッド最後尾の“シンデレラ”としてスタートしたキャデラックだが、カナダGPではアストンマーティンを脅かす存在へ変貌できるかもしれない。

  • 角田裕毅よりジャック・ドゥーハン優勢? ハースF1後任候補に“家族の力”

    角田裕毅よりジャック・ドゥーハン優勢? ハースF1後任候補に“家族の力”

    ジャック・ドゥーハンが、2026年シーズン途中にもF1グリッド復帰を果たす可能性が浮上している。ハースF1チームでエステバン・オコンの将来に不透明感が漂うなか、その後任候補として複数の名前が取り沙汰されている。

    スペインメディア『Autonocion』によると、ハースF1チーム内部ではオコン交代の可能性も視野に入れた議論が進められており、ドゥーハンや角田裕毅、平川亮らの名前が候補として挙がっているという。

    オコンの立場悪化で浮上する途中交代説
    報道によると、エステバン・オコンは2026年シーズン序盤の結果に苦戦しているだけでなく、小松礼雄やチーム内部との関係悪化も囁かれている。

    そのため、ハースF1チームがシーズン途中でドライバー交代に踏み切る可能性があるとされ、後任候補として複数の名前が検討されている。

    その中のひとりがジャック・ドゥーハンだ。ドゥーハンは2024年末にアルピーヌでオコンの後任としてF1デビューを果たしたが、2025年はわずか6戦でシートを失い、フランコ・コラピントに交代していた。

    その後、フラビオ・ブリアトーレから強いプレッシャーを受け続けたことで、「F1ドライバーでいることを楽しめなかった」とも伝えられていた。

    角田裕毅には“トヨタ問題”も
    候補の中には角田裕毅の名前も含まれている。角田裕毅は2026年にレッドブルのテスト兼リザーブドライバーを務めており、2027年のF1復帰を目指している状況だ。

    ただ、ハースF1チームはトヨタとの関係を深めている一方で、角田裕毅はホンダとの結びつきが強い。そのため、報道では「現時点ではそこまで頻繁に名前が挙がっていない」とも伝えられている。

    また、このカテゴリーで豊富な経験を持つ日本人ドライバーである角田裕毅も、トヨタにとって魅力的な存在となる可能性はある。ただ、現時点ではそこまで有力候補として名前が挙がっているわけではない。

    角田裕毅 ハースF1チーム

    “ドゥーハン家の力”が後押しか
    一方で、ジャック・ドゥーハンには独自の強みがあるとみられている。

    父ミック・ドゥーハンはMotoGPで5度の王座を獲得した伝説的ライダーであり、長年にわたって息子のF1キャリアを支援してきた。

    Autonocionは「ドゥーハン家の影響力と資金力は過小評価できない」と指摘しており、限られたF1経験にもかかわらず、角田裕毅より優先順位が高い可能性があるとみられている。

    平川亮にはスピード面の疑問も
    ハースF1チームの候補には、同じくリザーブドライバーを務める平川亮の名前も含まれている。

    トヨタとの強い関係性や耐久レースでの実績から有力候補と見る向きもあるが、チーム内部では「純粋な速さ」に疑問を持つ声もあるという。

    また、フェラーリ育成のラファエル・カマラも候補として挙がっている。F2で高い評価を受けているブラジル人ドライバーであり、フェラーリとハースF1チームの関係性を考えれば、早期昇格の可能性も否定できない。

  • 太田格之進 ル・マン24時間参戦決定 Seven x Seven Racingと異色タッグ

    太田格之進 ル・マン24時間参戦決定 Seven x Seven Racingと異色タッグ

    太田格之進が、2026年ル・マン24時間レースにプロトン・コンペティションからLMP2クラスで参戦することが決定した。Seven x Seven Racingとの提携によって実現したもので、6月13〜14日に行われる伝統の耐久レースでル・マン初挑戦を果たす。

    太田格之進は、プロトン・コンペティションの9号車オレカ07・ギブソンをヨナス・リード、ハリー・キングとシェアする。チームはSeven x Seven Racingとの既存パートナーシップを背景に、蛍光イエローを基調とした特別カラーリングも公開した。

    スーパーGT後に急展開したル・マン参戦計画
    太田格之進は今回の参戦経緯について、Seven x Seven Racing代表兼ドライバーの“Bankcy”こと小川潤之から声をかけられたことがきっかけだったと明かした。

    「Seven x Seven Racingのボスである“Bankcy”から連絡をもらいました」

    「スーパー耐久で一緒にレースをしていたので面識はありましたが、そこまで親しい関係ではありませんでした」

    「ル・マンの話を始めたのは5月初旬のスーパーGT富士戦のあとでした。ただ、ホンダを含めたパートナー全員に許可を取る必要がありました」

    「最終的に『ぜひ挑戦してこい』と言ってもらえたので、本当にうれしく思っています」

    太田格之進は2025年にEra MotorsportからIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のLMP2クラスへ参戦した経験があり、プロトン側もその実績を評価していたという。

    「昨年LMP2を経験していますし、チームも僕のパフォーマンスを信頼してくれています」

    「スーパー耐久での走りについても理解してくれていました」

    「ル・マンでは良いパフォーマンスを見せたいですが、まずはこうした縁をいただけたことに感謝していますし、一緒に戦うのが楽しみです」

    太田格之進 ル・マン24時間レース

    ホンダの将来にもつながる重要な挑戦
    太田格之進は近年、アキュラ陣営の一員としてIMSA GTPクラスにも継続参戦しており、今年のデイトナ24時間にもアキュラARX-06で出場した。6月のワトキンスグレン6時間が、現行プログラムで最後の参戦になる見込みだ。

    ホンダ/アキュラのIMSA GTP活動終了が決まる中、太田格之進は今回のル・マン挑戦を将来への布石と位置付けている。

    「この挑戦がホンダプログラムでの自分の将来につながってくれればと思っています」

    「今年限りでIMSA GTPプログラムが終了してしまうのは残念ですが、近いうちに戻ってきてくれることを願っています」

    「もし復帰するなら、自分がドライバー候補の一人になれる可能性もあります。それも今回どうしても挑戦したかった理由のひとつです」

    ル・マン優先で富士24時間は欠場へ
    一方で今回のル・マン参戦により、太田格之進はクラフト・バンブー・レーシングから参戦予定だった富士24時間レースを欠場することになる。ル・マンのテストデーと日程が重複するためだ。

    「6月初旬からフランスに滞在するため、富士24時間には出場できません」

    「理解を示してくれたクラフト・バンブー・レーシングには感謝しています」

    日本トップカテゴリーで磨かれた実力が世界耐久の舞台へ
    スーパーGTとスーパーフォーミュラの第一線で活躍してきた太田格之進にとって、今回のル・マン参戦はキャリアの大きな転機となる。近年はIMSAや耐久レースで海外経験も積み重ねており、LMP2クラスでどこまで存在感を示せるかに注目が集まる。

    Seven x Seven Racingとの異色タッグによって実現した今回の挑戦は、日本モータースポーツ界にとっても大きな話題となりそうだ。

  • セバスチャン・ベッテル 抗議の順位ボード交換…F1史に残るカナダGP裁定劇

    セバスチャン・ベッテル 抗議の順位ボード交換…F1史に残るカナダGP裁定劇

    セバスチャン・ベッテルが2019年F1カナダGPで受けた5秒ペナルティは、いまなお近代F1で最も物議を醸した裁定のひとつとして語り継がれている。

    ポールポジションからレースを支配していたベッテルは、終盤までルイス・ハミルトンの激しいプレッシャーを受け続けながらも首位をキープ。しかし、48周目のターン3〜4シケインで起きた小さなミスが、結果的に勝利そのものを失う決定打となった。

    5秒ペナルティが奪ったフェラーリF1の勝利
    ベッテルはターン3〜4でマシン後部を滑らせ、芝生へ飛び出した。その後コースへ復帰した際、フェラーリは外側へ流れ、背後にいたハミルトンは接触回避のためブレーキングを強いられた。

    スチュワードはこれを「危険な復帰」および「他車をコース外へ押し出した行為」と判断。ベッテルに5秒ペナルティを科した。

    ハミルトンとの差はフィニッシュ時点で1.3秒しかなく、チェッカーを最初に受けたにもかかわらず、優勝はハミルトンのものとなった。

    当時の裁定はパドック全体で大きな論争を呼び、現在でも「厳しすぎる裁定だった」とする声は根強い。


    “レースを盗まれた” ベッテルの怒り
    ベッテルの怒りは無線でも隠されなかった。

    「僕はどこへ行けばよかったんだ?」

    さらにベッテルは「彼らは僕たちからレースを盗んでいる」と無線で訴えた。

    レース後のパルクフェルメでも、その感情は収まらなかった。ベッテルは本来の停止位置にマシンを止めず、一度モーターホームへ戻った。

    その後戻ってきたベッテルは、順位ボードを入れ替える行動に出る。自身の空いたスペースの前に「1位」のボードを置き、ハミルトンのメルセデスの前には「2位」のボードを配置した。

    それは「本当の勝者は自分だ」という強烈な抗議だった。

    ハミルトンも複雑だった勝利
    一方のハミルトンも、後味の悪さを隠さなかった。

    「もちろん、こういう形で勝ちたかったわけじゃない」とハミルトンは語った。

    そのうえで「コースへ戻るときは、レーシングラインへそのまま戻るべきではない。安全に復帰する必要がある」と裁定自体には理解を示している。

    フェラーリはその後、裁定の再審査を求めたものの、スチュワードの判断は覆らなかった。

    セバスチャン・ベッテル 2019年 カナダグランプリ

    いまも議論が続く“2019年カナダGP事件”
    この一件は、F1における「レース裁定」と「レーシングの本質」の境界線を巡る象徴的な事件となった。

    特に近年は“レースを最後まで走って決めるべきか”という議論が強まっており、2019年カナダGPはその代表例として繰り返し引用されている。

    また、この裁定はベッテルとフェラーリの関係における転換点だったとの見方もある。2019年シーズンのフェラーリは速さを持ちながらタイトル争いを制することができず、ベッテル自身も翌年限りでチームを離れることになった。

    その意味でも、モントリオールで失われた勝利は、単なる1レース以上の重みを持つ出来事だった。

  • エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティンF1の“混乱状態”に困惑

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティンF1の“混乱状態”に困惑

    エイドリアン・ニューウェイがアストンマーティン加入を決断したとき、ローレンス・ストロールが描いていたのは“F1最強布陣”だった。レッドブル離脱後のニューウェイ獲得は、巨額投資を続けるアストンマーティンにとって象徴的な出来事であり、チームをタイトル争いへ押し上げる最後のピースと見られていた。

    しかし、2026年シーズン開幕後に露呈した現実は、その理想像とは大きく異なっていた。AMR26はグリッド最後尾に沈み、ホンダ製パワーユニットの深刻な振動問題にも苦しめられている。

    そんな中、イタリア『Motorsport IT』は、ニューウェイ自身がファクトリー内部の“混乱”に衝撃を受けていたと報じている。

    アストンマーティン内部で進んでいた人員流出
    ニューウェイはアストンマーティン加入時、チーム内部が大規模な人員再編の渦中にあるとは想定していなかったという。実際には新規加入よりも離脱者の方が多く、設計部門だけでも少なくとも7人が去ったとされる。

    さらに2024年末にはCEOのマーティン・ウィットマーシュも退任。チームはメルセデスとの長年の関係を終え、ホンダ時代への移行準備を進めていたが、その過程で組織内部の連携は十分に機能していなかったとみられている。

    特に問題視されているのが、ホンダとの関係構築だ。アンディ・コーウェルは2025年後半にニューウェイへチーム代表職を譲る過程で、日本メーカーとの関係を十分に管理できていなかったと指摘されている。

    “ソーラーパネル”発言の背景
    ニューウェイは開幕戦オーストラリアGPの記者会見で、ホンダ側の予想外の人員変更に不満を示していた。

    「最高のエンジニアたちはソーラーパネルか何かを作りに行ってしまった」

    この発言は当時、大きな波紋を呼んだが、その背景にはアストンマーティン内部の情報共有不足があった可能性も指摘されている。

    結果としてAMR26開発段階では深刻なエンジン振動が発覚。振動はニューウェイのシャシー設計だけでなくバッテリーにも悪影響を与え、ドライバーが走行中にステアリングから手を離さざるを得ない場面まで発生したとされる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “金を投じれば成功する”は通用しなかった
    ローレンス・ストロールはニューウェイ、アンディ・コーウェル、さらにフェラーリからエンリコ・カルディレを招き入れることで、一気に“トップチーム文化”を構築できると考えていたとみられる。

    しかし現実には、世界的エンジニアを集めるだけでは組織は機能しない。現在のアストンマーティンはノーポイント、5回のリタイアという厳しい状況に陥っており、組織としての一貫性やビジョン不足の代償を払っているようにも見える。

    巨大ファクトリー、莫大な投資、トップ人材――。表面的な条件は揃っていても、F1では組織全体の統合と長期的な安定が不可欠だという現実を、アストンマーティンは痛感している段階なのかもしれない。

  • ジョージ・ラッセル正念場 得意のF1カナダGPで問われる“エースの証明”

    ジョージ・ラッセル正念場 得意のF1カナダGPで問われる“エースの証明”

    ジョージ・ラッセルにとって、2026年F1カナダGPは単なる“得意コース”ではない。今季タイトル争いに踏みとどまるために、絶対に結果が求められる週末になりそうだ。

    メルセデスのチームメイトであるキミ・アントネッリは、開幕からわずか数戦でF1の勢力図を変えつつある。中国GP、日本GP、マイアミGPで3連勝を飾り、ランキングではラッセルに20ポイント差をつけて首位に立った。

    そんな状況で迎えるモントリオールは、本来ならラッセルが主役でなければならない舞台だ。

    “ラッセルのサーキット”だったカナダGP
    サーキット・ジル・ヴィルヌーヴは、近年のラッセルにとって特別な場所だった。

    2025年はポール・トゥ・ウインを達成し、ファステストラップも記録。さらに2024年には、マックス・フェルスタッペンと同タイムながら先にタイムを記録したことでポールポジションを獲得している。

    高速シケインと縁石処理、そしてブレーキング精度が重要になるモントリオールは、ラッセルのドライビングスタイルに合致してきた。

    だからこそ、もし今週末もアントネッリに敗れるようなことがあれば、その意味は非常に重い。

    英Sky Sports F1のデビッド・クロフトは次のように語っている。

    「もしカナダでチームメイトのキミ・アントネッリに勝てなければ、警鐘が鳴り始めるだろう」

    厳しい表現ではあるが、現在の状況を考えれば決して大げさではない。

    同じマシンを使うチームメイトに、自身の“最強サーキット”で敗れることになれば、擁護材料は急速に減っていく。

    カナダグランプリ F1 ジョージ・ラッセル

    アントネッリが変えてしまったメルセデスの構図
    2026年シーズン開幕前、多くの関係者はアントネッリを“育成段階のルーキー”として見ていた。

    ラッセルがメルセデスのエースとしてチームを牽引し、その横で経験を積む――そんな構図が想定されていた。

    しかし現実はまったく違う。

    19歳のアントネッリは開幕から驚異的な速さを見せ、予選では継続的にラッセルを上回っている。特にマイアミGPでは、予選で0.399秒差をつけた。

    ランキングではアントネッリが100ポイント、ラッセルが80ポイント。しかも3連勝は戦略やセーフティカーに助けられた“偶然”ではなく、純粋な速さによって掴み取ったものだ。

    決勝ペースではラッセルも健闘している。開幕戦オーストラリアGPではアントネッリに約3秒差をつけて勝利した。

    だが、その後の安定感と勝負強さでアントネッリが一歩先を行っている。

    カナダGPはタイトル争いの分岐点になる可能性
    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、「ラッセルはあらゆる可能性を追求する」「20ポイント差で諦めるようなドライバーではない」と擁護している。

    ただ、その言葉は逆に今週末の重要性を際立たせてもいる。

    もしラッセルがカナダGPで流れを止められなければ、“メルセデスの中心は誰なのか”という議論はさらに加速する可能性が高い。

    モントリオールは、ラッセルが反撃を開始するための理想的な舞台である一方、アントネッリ時代の到来を決定づけるサーキットになる可能性も秘めている。

  • マクラーレンF1 “パパイヤ・ルール”を正式廃止 混乱招いた内部方針に終止符

    マクラーレンF1 “パパイヤ・ルール”を正式廃止 混乱招いた内部方針に終止符

    マクラーレンF1が、2025年シーズンを通じて大きな議論を呼んだ「パパイヤ・ルール」の呼称を正式に廃止したことが明らかになった。

    ランド・ノリスとオスカー・ピアストリによるタイトル争いの中で、チームオーダーやレース中の優先順位を巡る混乱の象徴となっていたこの言葉は、2026年シーズンを前に姿を消すことになる。

    “パパイヤ・ルール”は混乱の象徴になっていた
    “パパイヤ・ルール”は当初、マクラーレンの2人のドライバーが公平かつ安全に戦うための内部指針として導入されたものだった。

    2025年F1イタリアGPで公に知られるようになったが、実際にはそれ以前からチーム内部で運用されており、「接触せず、互いに十分なスペースを残したうえで自由に戦う」という考え方を示すものだった。

    ランド・ノリスのレースエンジニアを務めるウィル・ジョセフは、当時ノリスに対して「パパイヤ・ルールを尊重したうえで攻撃できる」と伝えていた。

    マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラも当時、その哲学について次のように説明していた。

    「我々の推奨は常に“パパイヤ・ルール”に従ってレースをすることだ。つまり、マシンがパパイヤカラーである以上、他のどんなライバルと戦う時以上に慎重でなければならないという意味だ」

    また、CEOのザク・ブラウンはよりシンプルにこう表現していた。

    「互いを尊重して戦い、十分なスペースを残し、接触しないことだ」

    しかしシーズンが進むにつれ、このルールの解釈を巡って疑問の声が高まっていった。

    モンツァでオスカー・ピアストリにランド・ノリスへポジションを譲るよう指示が出された件や、シンガポールでの接触未遂騒動などをきっかけに、「実際にはノリス優遇ではないか」との批判も噴出した。

    その議論はF1界を超え、オーストラリア議会でピアストリへの扱いの公平性が議題に上がるほどの騒動へ発展した。

    最終的に2025年シーズン、ピアストリはランキング3位でシーズンを終え、ノリスに13ポイント差で敗れた。

    マクラーレンは“別の表現”へ移行
    こうした状況を受け、マクラーレンは2026年シーズンから“パパイヤ・ルール”という言葉自体を使わない方針へ切り替えた。

    ザク・ブラウンは現在、「我々のレースのやり方」という、より一般的な表現を使用しているという。

    オスカー・ピアストリも内部方針の変化を認めている。

    「パパイヤ・ルールは違った形になると思う」とピアストリはコメントした。

    「去年の僕たちは、必要以上に物事を複雑にしてしまっていた部分があったと思う」

    さらに、元フェラーリのエンジニアであるロブ・スメドレーは、ポッドキャスト『High Performance Racing』でこの名称自体が問題だったと指摘した。

    「“パパイヤ・ルール”なんて呼び方をした時点で、マーケティングが真剣な問題に入り込みすぎていた」

    司会のジェイク・ハンフリーも、すでにマクラーレン内部ではこの表現が使われなくなったと明かしている。

    「彼らはもうその言葉を捨てた。最近聞いた話では、“パパイヤ・ルール”という言葉は今後使わないそうだ」

    「ほとんど風刺みたいな存在になっていた。混乱の時代を象徴する言葉として認識されていたんだ。もうこの表現を聞くことはないと思う」

    問題は“ルール”ではなく“曖昧さ”だった
    ロブ・スメドレーは、チーム内での“ルール・オブ・エンゲージメント”そのものはF1では珍しいものではないと説明した。

    「マクラーレンにもあったし、フォース・インディアにも、ウィリアムズにもあった」

    「重要なのは、シーズン開幕時点ですべてが明確であり、チーム首脳陣もドライバーも全員が理解していることだ。そこに問題はない」

    一方で、2025年のマクラーレンにはその“明確さ”が欠けていたと見ている。

    「問題は、ガレージの50%だけがルールを知っていて、残り50%が理解していない時に起こる」

    「そうなると緊張が生まれ、本当の問題になる」

    「もちろん私はチーム内部にいたわけではない。ただ、完全な明確さがなかったように見えた。もし本当に明確なら、そもそも問題なんて起きないはずだからだ」