投稿者: dbcheck

  • ニック・デ・フリース 現行F1レギュレーションに理解「フォーミュラEとは別物」

    ニック・デ・フリース 現行F1レギュレーションに理解「フォーミュラEとは別物」

    ニック・デ・フリースは、現在のF1に向けられている「オーバーテイクが不自然になっている」という批判に一定の理解を示した。

    2026年F1では、電動化比率が高まった新世代パワーユニットとエネルギーマネジメント重視のレギュレーションによって、ドライバーから「フォーミュラE化している」との懸念も噴出している。マクラーレンF1でテスト兼シミュレータードライバーを務めるデ・フリースは、自身のフォーミュラEでの経験を踏まえ、その議論について率直な見解を語った。

    現在31歳のデ・フリースは、先週末のフォーミュラEモナコE-Prixで2022年以来となる勝利を達成。マヒンドラとともに長年苦戦を経験してきた中での復活劇となった。

    「フォーミュラEは本当に楽しんでいる」とデ・フリースはGPblogの独占インタビューで語った。

    「特に技術面では非常にチャレンジングだ。競争レベルも極めて高く、常に限界までプッシュされる」

    2026年のデ・フリースは、フォーミュラE、WEC(世界耐久選手権)、さらにマクラーレンF1での開発業務を並行する多忙なシーズンを送っている。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリを擁するマクラーレンでは、新世代F1マシンの開発を支えている。

    “バッテリースペシャリスト”としてF1開発に貢献
    フォーミュラEで培ったエネルギーマネジメント技術は、現在のF1でも重要性を増している。

    「もちろんだ。今はこれまで以上に重要になっている。だから、僕がその分野で積み上げてきた経験は、今のF1でも関連性がある」

    一方で、ランド・ノリスをはじめ、一部F1ドライバーが現在のパワーユニットに否定的な姿勢を見せていることについて問われると、デ・フリースは慎重に言葉を選びながらも理解を示した。

    「僕に意見を言う資格があるのか分からないけど…」と前置きしたうえで、次のように続けた。

    「F1は伝統的に、常に最大限の最適化を追求するカテゴリーだった。常に全開で走り、できるだけ速くサーキットを駆け抜け、できるだけ遅くブレーキングすることが求められてきた」

    「だから、今の状況がF1ドライバーたちの期待する“F1らしさ”ではないというのは理解できる。F1は世界最速のマシンであるべきだからだ」

    「個人的には、最近見ているオーバーテイクは非常に人工的に感じる」

    “F1とフォーミュラEは比較すべきではない”
    近年、一部F1関係者が「F1はフォーミュラEになるべきではない」と発言していることについても、デ・フリースは冷静な立場を示した。

    「僕はそういう見方はしない」とデ・フリースは語る。

    「フォーミュラEとF1を比較すべきではない。技術面では学べる部分もあるけど、競技としては全く別物だ」

    「別々のカテゴリーとして見るべきだと思う。フォーミュラEを見るのが好きなら、それは素晴らしいことだ。でも別のモータースポーツなんだ。WECだって全く違うカテゴリーだからね」

    WECとル・マンへ向かうデ・フリース
    フォーミュラEは6月末の中国大会までインターバル期間に入るため、デ・フリースの次なる焦点はWEC最大のイベントであるル・マン24時間レースとなる。

    トヨタのドライバーとして参戦するデ・フリースは、現在の好調ぶりもあり優勝候補のひとりに挙げられている。

    「人は常に学び続けるものだと思う。陳腐に聞こえるかもしれないけどね」とデ・フリースは語った。

    「特にWECでは毎年学ぶことが多いし、自分自身がより完成されたドライバーになっている感覚がある」

    「純粋なスピードそのものは変わらない。でも知識と経験は増えていく。それが必ず結果に結びつくかは分からないけど、毎年良くなっているという実感はある」

  • シャルル・ルクレールはフェラーリではF1ワールドチャンピオンになれない?

    シャルル・ルクレールはフェラーリではF1ワールドチャンピオンになれない?

    シャルル・ルクレールはワールドチャンピオン級の才能を持っている――だが、現在のフェラーリではタイトル獲得は難しいかもしれない。そう語ったのは、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハだ。

    ラルフ・シューマッハはSky Deutschlandのインタビューで、ルクレールの能力自体は高く評価しながらも、フェラーリの組織構造や現状の体制に疑問を投げかけた。

    また、その流れの中でマックス・フェルスタッペンの将来についても言及し、フェラーリ移籍の可能性には否定的な見解を示している。

    「ルクレールには才能がある」 それでもフェラーリでは難しい理由
    ラルフ・シューマッハは、ルクレールがタイトルを争える実力を持っていることに異論はないと強調した。

    「マクラーレンなら間違いなく可能だ。昨年のランド・ノリスと同じようにね。それについては疑いようがない」

    一方で、フェルスタッペン級の“絶対的支配力”を持つタイプではないとも指摘した。

    「彼はマックス・フェルスタッペンか? いや、違う」

    それでもルクレール本人については高く評価している。

    「彼にはポテンシャルがあると思う。それに、人間的にも本当に素晴らしい人物だ」

    しかし問題は、フェラーリというチームの構造そのものだという。

    「フェラーリはフェラーリだ。そして、フレデリック・バスールひとりでは十分ではない」

    「だから問題になるのは、このチーム、この体制の中で彼が本当にワールドチャンピオンになれるのかということだ」

    フェルスタッペンでもフェラーリでは機能しない?
    ラルフ・シューマッハは、理論上はフェルスタッペンであればフェラーリでも成功できる可能性はあると認めた。

    「可能性としては何だってあり得る」

    「多くのドライバーがフェラーリに行きたがる。F1において特別なブランドだからね」

    しかし、実際にはフェルスタッペンの性格や現在の環境を考えると、フェラーリ移籍は現実的ではないと見ている。

    「マックスはメルセデスで非常に快適に感じていると思う」

    ラルフ・シューマッハは、フェルスタッペンが最近取り組んでいるGT3活動や、そこで関わるチーム、そしてメルセデス製エンジンとの関係性にも言及した。

    「GT3の体制や、そこで協力しているチーム、さらにメルセデスのエンジンもある。彼らは常に最高のエンジンを作っている」

    「だから、私はそれをほとんど想像できない」

    “ミハエル時代”との決定的な違い
    さらにラルフ・シューマッハは、現在のフェラーリではフェルスタッペンのようなドライバーでさえ機能しない可能性があると分析した。

    「マックスは、ある意味でこの構造に従わなければならなくなる。でも彼はそういうタイプではない」

    長年フェルスタッペンを支えてきたレースエンジニア、ジャンピエロ・ランビアーゼがマクラーレンへ移籍する可能性が報じられていることも、その見方を強めている。

    「彼自身も、チームリーダーとして振る舞うことに慣れている」

    「だが、今うまく機能していないチームに単独で入っていっても、ドライバーとしてそれをコントロールすることはできないだろう」

    その上でラルフ・シューマッハは、兄ミハエル・シューマッハがフェラーリ黄金時代を築いた当時との違いを挙げた。

    「兄は当時、一緒に働く優秀なグループを連れて行った」

    「だが、ドライバーひとりだけで行くのでは十分ではないと思う」

    そして最後に、フェルスタッペンの将来的な選択肢についてこう締めくくった。

    「私の考えでは、彼が行けるのはメルセデスかマクラーレンだけだ」

  • ハースF1チーム 2027年にオコン放出とベアマン流出で“総入れ替え”の可能性

    ハースF1チーム 2027年にオコン放出とベアマン流出で“総入れ替え”の可能性

    ハースF1チームが2027年にドライバーラインアップを一新する可能性が浮上している。

    元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、Sky Sport F1ポッドキャスト『Backstage Boxengasse』で、オリバー・ベアマンの将来に対するフェラーリの影響力と、エステバン・オコンを巡るチーム内問題を指摘し、「ハースは本当のジレンマに直面している」と語った。

    現在29歳のオコンは、2026年シーズンに入ってからベアマンとのパフォーマンス差に苦しんでおり、チーム内部での緊張関係も噂されている。一方でベアマンは高い評価を維持しており、フェラーリ育成ドライバーとして将来の昇格候補と見られている。

    ラルフ・シューマッハは、ハースが両ドライバーを同時に失うシナリオも十分あり得ると語った。

    「ハースは本当にジレンマに陥っている」

    「ベアマンは近いうちに、より大きなチームで走るチャンスを得ると思う」

    さらにシューマッハは、ベアマンの将来についてフェラーリ側が主導権を握っているとの見方を示した。

    「フェラーリは、必要になった場合にベアマンを優先的に獲得できる“先買権”を持っていると僕は想像している」

    「つまり、もしルイス・ハミルトンが実際に引退を決断した場合、ベアマンもいなくなるということだ」

    オコンには厳しい評価「十分ではない」
    一方で、シューマッハはオコンについてかなり厳しい見解を示した。

    「ひとつ明らかなのは、オコンは十分ではないということだ」

    「良くてもベアマンと同等レベルで、通常はそれ以下だ。そしてベアマンはまだキャリアの始まりにいる。まだ成長途中なんだ」

    さらにシューマッハは、オコンのF1キャリア自体が危うい状況にあるとの見方も示している。

    「来年もオコンがいるとは思えない」

    「どこかのチームに大きな問題が起きない限り、ほぼ決まったようなものだ」

    ハースがシーズン途中でドライバー交代に踏み切る可能性についても言及した。

    「シーズン途中でドライバーを変更するのは珍しいことだが、不可能ではない」

    「そうなれば、F2を見渡してトップドライバーを抜擢し、早めにチャンスを与えることになるかもしれない」

    “チーム内の問題”も示唆
    シューマッハは、オコンが抱える問題は単なるパフォーマンスだけではないと示唆した。

    「エステバン・オコン本人に会うと、非常に感じが良くて、話し方も知的な人物だ」

    「でもチーム内部では、本当に扱いが難しいように見える。特に自分が遅い時はなおさらだ」

    「それはアルピーヌでピエール・ガスリーと組んでいた時にもそうだったし、今ハースでベアマンと組んでいる状況でも同じだ」

    中団チームにとって内部の結束は極めて重要だとシューマッハは指摘する。

    「もちろん、いろんな問題には対処できる。でも自分たちの家の中に“敵”がいる状況だけはダメだ」

    ハースF1チーム 平川亮

    後任候補には平川亮やドゥーハンの名前
    もしハースF1チームがオコンを放出、あるいはシーズン途中で交代させた場合、複数の候補が浮上する可能性がある。

    有力候補のひとりとして名前が挙がっているのが、テスト兼リザーブドライバーを務めるジャック・ドゥーハンだ。ドゥーハンはアルピーヌのシートを失った後にハースへ加入しており、パドックでは「将来的なレギュラー昇格も視野に入れた契約ではないか」と見る関係者もいる。

    また、トヨタとの関係を背景に、平川亮の名前も候補として挙がっている。平川亮はすでにFP1出走を重ねており、チームとの関係を深めている状況だ。

    さらに、フェラーリとの提携関係を利用し、フェラーリ・ドライバー・アカデミー所属の若手を昇格させる可能性もある。ラファエル・カマラやディーノ・ベガノビッチは2026年F2で好スタートを切っており、将来的な起用候補として注目されている。

    そして最大の焦点は、オリバー・ベアマンの去就だ。ベアマンがこのまま評価を高め続ければ、フェラーリF1昇格説がさらに加速する可能性もある。そうなれば、ハースF1チームは2027年に2席同時に失う事態に直面する可能性すらある。

    メルセデスとの繋がりも鍵に
    シューマッハは、オコンの将来にはトト・ヴォルフの存在が関係している可能性も示唆した。

    「僕が聞いている限りでは、彼は今でもトト・ヴォルフのプロテジェらしい」

    「だからマネジメント側から“目立たないようにしろ”とアドバイスされているのは100%間違いないと思う」

  • F1とモノポリーが異色コラボ 現行カレンダーを舞台に対戦

    F1とモノポリーが異色コラボ 現行カレンダーを舞台に対戦

    F1は、玩具・ゲーム大手ハズブロと提携し、世界的に知られるボードゲーム「モノポリー」のF1特別版を発売する。

    「モノポリー フォーミュラ1エディション」は5月20日に予約受付を開始し、7月15日に正式発売される予定で、プレイヤーは現在のF1カレンダーを舞台にボード上を走り、「モノポリー・グランプリ」でチャンピオンシップポイントを争う。

    “資産を買う”から“ポイントを争う”へ
    通常のモノポリーでは、プレイヤーが「GO」を通過すると200ポンドを受け取る。しかしF1版ではこの定番要素にひねりが加えられ、通過時の報酬ではなく、中央のトラックを走りながらポイントを獲得していく形式となる。

    プレイヤーはお気に入りのチームを選び、レーシングヘルメット型のトークンを使ってボード上を進む。F1のレース性、戦略性、チャンピオンシップ争いをボードゲームの仕組みに落とし込んだ内容だ。

    F1 モノポリー

    F1の商業展開を象徴する新たなコラボ
    今回のコラボレーションは、F1がサーキット外のファン層へリーチを広げる取り組みの一環でもある。近年のF1は、映像コンテンツ、ファッション、ゲーム、ライフスタイル分野との接点を強めており、今回のモノポリー版もその流れに位置づけられる。

    F1のチーフ・コマーシャル・オフィサーであるエミリー・プラザーは、次のようにコメントした。

    「モノポリーは世界で最も象徴的で愛されているボードゲームのひとつであり、そうしたクラシックにF1のひねりを加えられることを非常にうれしく思う」

    「このエディションは、F1の興奮と競争性を楽しく、親しみやすい形で表現している。ファンの皆さんが友人や家族とグリッドにつき、モノポリー・グランプリで競い合うことをきっと楽しんでくれると確信している」

    ハズブロの玩具・ゲーム部門プレジデントであるビリー・ラゴールも、今回の企画について「両方の世界にとって本物らしく感じられるもの」だと説明した。

    「フォーミュラ1は世界で最も象徴的なスポーツ資産のひとつであり、レースデーのアドレナリン、轟くエンジン、ピットレーンのドラマ、一瞬の戦略を、ゲームナイトの体験に持ち込めることをうれしく思う」

    F1版モノポリーは、単なるロゴ入り商品ではなく、F1の競争構造そのものをゲーム体験に置き換えたコラボ商品となる。サーキットの外でもF1ブランドを広げる動きは、今後さらに強まりそうだ。

  • ロバート・クビサ F1カナダGP大事故から1年後の劇的な復活劇

    ロバート・クビサ F1カナダGP大事故から1年後の劇的な復活劇

    ロバート・クビサは、2007年F1カナダGPで21世紀を代表する大クラッシュを生き延びた。そして1年後、同じモントリオールでF1初優勝という劇的な“再生”を果たした。

    2007年のクラッシュ映像はいまなおF1史の象徴的シーンとして語り継がれているが、その後の復活劇まで含めて振り返ると、クビサというドライバーの特別さがより鮮明になる。

    F1界を凍りつかせた2007年カナダGPの大事故
    2006年途中にBMWザウバーからF1デビューを果たしたロバート・クビサは、わずか3戦目のイタリアGPで表彰台を獲得し、一躍将来有望な若手として注目を集めていた。

    2007年シーズンも着実にポイントを重ね、BMWザウバーの中核ドライバーへと成長しつつあった。

    しかし2007年6月10日のカナダGPで、そのキャリアは一瞬にして終わるかに見えた。

    レース終盤、ヤルノ・トゥルーリのトヨタを追っていたクビサは、ヘアピン立ち上がりで接触。マシンはコントロールを失ったまま高速でウォールへ激突した。

    BMWザウバーは宙を舞いながら何度も回転し、サーキットに破片が飛び散った。

    当時のF1界にとっても衝撃は大きく、実況席やピットウォールには緊張が走った。映像を見た誰もが、最悪の事態を覚悟したほどの事故だった。

    しかし、クビサは奇跡的に生還した。

    診断結果は脳震盪と軽度の捻挫。命に別条はなく、翌週にはすでに回復へ向けて動き始めていた。

    現代F1の安全技術が進化する過程で、この事故は“ドライバー保護性能”を証明した代表例のひとつとしても語られている。

    そして1年後 モントリオールで訪れた完全復活
    2008年、クビサは再びカナダGPの地へ戻ってきた。

    前年の大事故現場に戻ること自体が精神的な挑戦だったが、クビサは週末を通して高い競争力を見せた。

    そして決勝では、ルイス・ハミルトンとキミ・ライコネンがピットレーン出口で接触リタイアする波乱の展開のなか、冷静なレース運びでトップへ浮上した。

    BMWザウバーにとっても歴史的な瞬間だった。

    クビサはF1初優勝を達成し、BMWザウバーにも初勝利をもたらした。

    しかも、それは前年に命を落としかけたサーキットで成し遂げた“劇的な勝利”だった。

    モントリオールの表彰台で国旗を掲げたクビサの姿は、F1史でも屈指の“再生の物語”として刻まれている。

    F1安全性の転換点として語り継がれる事故
    クビサのクラッシュは、現代F1の安全思想を語るうえでも重要な事故となった。

    2000年代初頭までのF1では、大事故が発生するたびにドライバー生命だけでなく命そのものが危ぶまれる空気が存在していた。

    だが、2007年のクラッシュでクビサが自力で脱出できたことは、モノコック構造やクラッシュテスト、安全セルの進化を世界に示した瞬間でもあった。

    その後F1はさらに安全性を強化し、現在ではヘイローや側面保護構造なども導入されている。

    クビサの事故は、恐怖の映像としてだけではなく、「F1がどれほど安全なスポーツへ進化したか」を象徴する出来事として、今なお語り継がれている。

  • ルイス・ハミルトン 現代F1ルーキーとの差「カートにテレメトリーはなかった」

    ルイス・ハミルトン 現代F1ルーキーとの差「カートにテレメトリーはなかった」

    ルイス・ハミルトンは、カート時代からテレメトリーやシミュレーターに囲まれて育った現代の若手とは異なり、“純粋な才能”だけでF1まで駆け上がった世代だった――。

    2012年GP2王者ダビデ・バルセッキは、現代F1ルーキーたちの育成環境が劇的に進化した一方で、ハミルトンやフェルナンド・アロンソの世代は、より“感覚”と“才能”に依存していたと指摘した。

    2026年シーズンのF1では、アービッド・リンドブラッドをはじめ20代前半の若手ドライバーが次々と台頭している。だがバルセッキは、現在の若手が享受している高度なサポート体制は、ハミルトンがF1デビューした2007年当時には存在しなかったと強調している。

    “才能だけ”でF1頂点に迫ったハミルトン世代
    ダビデ・バルセッキは Formula1.it に対し、現代の若手育成は“完全にプロフェッショナル化”されていると語った。

    「若いドライバーは時として安定感を欠くものだ。波があるし、それはどのスポーツでも同じだ。精神的な成熟が追いつかず、シーズンを通して最高レベルを維持できないこともある」とバルセッキは語った。

    「ただ、ひとつ明確に言えるのは、今の若者たちは昔よりはるかに準備が整っているということだ。22歳前後でF1に来た時点で、すでにピークに近い状態にある」

    さらにバルセッキは、ハミルトンやアロンソ、キミ・ライコネンらの世代が、現在とは比較にならないほど“アナログ”な環境で成長したと説明した。

    「当時はそんな環境じゃなかった。ハミルトンがF1に来た頃、カートにテレメトリーなんてまだ存在していなかった」

    「彼は自分の才能だけで、デビューイヤーからいきなりタイトル争いをした。あとわずかで世界王者だった」

    現代ルーキーは“F1仕様”で育っている
    現在の若手ドライバーたちは、ジュニアカテゴリー時代から膨大なデータ解析環境の中で育っている。

    「今トップカテゴリーに来る若手たちは、幼い頃からテレメトリー、エンジニア、オンボード映像、カメラに囲まれて育っている」

    「走行ラインを研究し、フィジカルトレーニングを行い、心理学者もつく。そして何よりシミュレーターがある。ハミルトン、アロンソ、ライコネンの世代には存在しなかったものだ」

    近年のF1では、オスカー・ピアストリやキミ・アントネッリのような若手が急速に成長しているが、それでもハミルトンが2007年に見せた衝撃的な完成度には簡単には到達できていない。

    ハミルトンはルーキーイヤーの2007年、フェルナンド・アロンソと同ポイントでシーズンを終え、わずか1ポイント差でタイトルを逃しただけだった。17戦中12回の表彰台という驚異的な安定感を見せ、F1史上でも屈指の新人シーズンとして語り継がれている。

    “新世代向き”のF1になったとの見方も
    現在のF1は、2022年以降のグラウンドエフェクト世代マシンや複雑なエネルギーマネジメントにより、従来とは大きく異なるドライビング特性が求められている。

    そのため、一部では「過去のF1マシン経験に縛られていない若手のほうが適応しやすい」という見方も出ている。

    実際、マックス・フェルスタッペン、ランド・ノリス、シャルル・ルクレール、ジョージ・ラッセルら、1990年代後半生まれの世代が近年のF1を支配している。

    フェラーリでハミルトンのチームメイトを務めるシャルル・ルクレールは、ハミルトンより13歳年下であり、一部ではこの世代差がパフォーマンス差にも影響しているとの指摘もある。

    もっとも、こうした“若手有利説”を裏付けるには、まだ十分なサンプルが存在しているわけではない。とはいえ、現代F1が「経験」より「適応力」を重視する方向へ変化していることは、確実にパドック全体で意識され始めている。

  • ABEMAがル・マン24時間レースを国内初の完全無料生中継

    ABEMAがル・マン24時間レースを国内初の完全無料生中継

    ABEMAは、2026年6月13日(土)から14日(日)にかけて開催される『第94回 ル・マン24時間レース』の決勝を、24時間完全無料で生中継すると発表した。放送は6月13日(土)22時30分から開始される。

    ル・マン24時間レースは、F1のモナコGP、インディ500と並ぶ「世界三大レース」のひとつ。1923年の初開催から100年以上の歴史を持ち、フランスのサルト・サーキットを舞台に、24時間でどれだけの距離を走破できるかを競う耐久レースだ。

    近年の最高峰ハイパーカークラスには、トヨタ、フェラーリ、ポルシェ、キャデラックなどがワークス参戦しており、かつてない激戦となっている。日本勢では、2018年から5連覇を達成したトヨタが参戦しており、4年ぶりの王座奪還を果たせるかが大きな注目点となる。

    初心者にも届く24時間無料中継とハイライト配信
    ABEMAはこれまで、スーパーフォーミュラの決勝全戦無料生中継、WRCの無料生中継などを通じて、モータースポーツに触れる機会を広げてきた。2026年シーズンもWRC、スーパーフォーミュラ、NASCARなど多彩なモータースポーツコンテンツを放送している。

    今回のル・マン24時間レースでは、初心者にも分かりやすく、耐久レースの奥深さを楽しめる中継を目指す。さらに、生中継に加えてハイライト映像もABEMA内で随時配信され、レースの展開をリアルタイムでも後からでも振り返ることができる。

    国内の特設スタジオには、ル・マン経験者を中心とした解説陣を迎える予定で、スペシャルゲストの出演も予定されている。解説陣やスタジオゲストの詳細は今後発表される。

    ■ ABEMA『世界耐久選手権2026 第3戦 ル・マン24時間レース』放送概要

    放送日時:2026年6月13日(土)22:30~23:50

    放送チャンネル:MOTOR SPORTチャンネル

    放送URL:https://abema.tv/now-on-air/motor-sport

    ※URLはチャンネルOPENと同時に公開される。

    画像 (C)AbemaTV, Inc.

  • アストンマーティンF1 ギアボックス問題で“コンマ5秒損失” カナダGPで改善へ

    アストンマーティンF1 ギアボックス問題で“コンマ5秒損失” カナダGPで改善へ

    アストンマーティンは、2026年F1カナダGPを前にマシンの大きな問題を解消しつつあるようだ。フェルナンド・アロンソは前戦マイアミGPで今季ベストとなる15位でフィニッシュしたが、その裏では1周あたりコンマ5秒を失っていたという報道が浮上している。

    シーズン序盤から苦戦が続くアストンマーティンでは、チーム代表エイドリアン・ニューウェイへの批判も強まっていた。しかし、今回の改善が事実であれば、ようやく開発が正常な方向へ進み始めた可能性が見えてきた。

    マイアミGPで発覚した“コンマ5秒”の損失
    スペイン人F1ジャーナリストのカルロス・ミケルは、ロルダン・ロドリゲスとの対談の中で、アストンマーティンがギアボックス同期の問題に取り組んでいたことを明かした。

    「アストンマーティンは今週末も改善してくる。実際にコースを走ることで改善していくものだからね」

    「マイアミではギアボックス同期に問題を抱えていた」

    「彼らはギアボックスに取り組んできたし、もし正常に作動していれば、アロンソは1周あたりコンマ5秒を稼げていたはずだ」

    「この3週間、その問題に取り組み続けてきた。明確な改善はあるだろう。ただ、それでもQ1敗退圏から抜け出せるほどではない」

    この問題は本来マイアミGPの時点で導入されているはずだったとされており、実際にはソフトウェア側の同期問題がパフォーマンスを妨げていたとみられている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    “まだプレシーズンテスト中”という異例の状況
    ミケルは現在のアストンマーティンの状況について、「他チームならプレシーズンテスト終盤に相当する段階だ」とも説明した。

    「マシンが良くなればなるほど、さらに改善が進む」

    「ただ現状のアストンマーティンは、絶対的に見れば非常に厳しいプレシーズンテスト終盤のような状態にある」

    「しかし相対的に見れば、周回を重ねるたびに学習が進む。振動問題が大幅に改善されたことで、さらに多くの周回を重ねられるようになる」

    「そうなれば、プレシーズン中に彼らが語っていた“アドバンテージ”を得られる。ソフトウェアの使い方を学ぶだけでコンマ5秒を得られるということだ」

    アストンマーティンは今季、振動問題や信頼性問題に苦しみ続けてきた。特にホンダ製パワーユニット周辺の振動対策は開幕当初から大きなテーマとなっており、マイアミでは今季初の2台完走を達成したことで、内部では一定の前進が確認されていた。

    ニューウェイ主導の再設計はベルギーGPが焦点
    エイドリアン・ニューウェイは現在、7月のベルギーGP投入を目指してAMR26の大規模な見直しを進めているとされる。

    当初は「ニューウェイが2027年以降へ完全シフトし、現行車開発を止めるのではないか」との懸念も広がっていた。しかし、マイアミGPで見られた改善傾向に加え、今回報じられたギアボックス同期問題の修正が事実なら、少なくとも現行車の改善作業は継続されていることになる。

    もちろん、現時点でアストンマーティンが一気に上位争いへ復帰するという見方は少ない。それでも、コンマ5秒規模のロスが本当に解消されれば、中団グループとの距離感は確実に変わってくる。

    カナダGPは、アストンマーティンが“本当の現在地”を測る週末になるかもしれない。

  • フェルスタッペン レッドブルF1残留をクルサードが確信「彼でいられる唯一の場所」

    フェルスタッペン レッドブルF1残留をクルサードが確信「彼でいられる唯一の場所」

    マックス・フェルスタッペンの将来をめぐる憶測について、元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、レッドブルを離れる可能性は低いとの見方を示した。

    フェルスタッペンは先週末、ニュルブルクリンク24時間レースに出場。クルサードは、その挑戦を許容するレッドブルの姿勢こそが、フェルスタッペンをチームにとどめる最大の理由だと語っている。

    レッドブルだけが「マックスでいること」を許している
    フェルスタッペンは2028年末までレッドブルとの契約を結んでいるが、2025年にはメルセデスとの接触説も浮上するなど、将来をめぐる憶測は絶えなかった。

    しかし、2005年から2008年までレッドブルで走ったクルサードは、現在のF1チームの中でフェルスタッペンにこれほど自由を与えられる存在はレッドブルだけだと考えている。

    「マックスはどこにも行かない。なぜなら、彼に“マックスでいること”を許すF1チームはほかにないからだ」とクルサードは『Up To Speed』ポッドキャストで語った。

    「マクラーレンにはできない。フェラーリにもできない。メルセデスにもできない。彼がメルセデスをドライブしていたとしてもだ。個々のドライバーに投じられる投資の大きさを考えれば、そうなる。しかしレッドブルはそれを許している」

    クルサードは、レッドブル創設者であるディートリッヒ・マテシッツの考え方にも触れた。

    「実際、公平に言えば、そしてレッドブル創設者であるミスター・マテシッツの精神に照らしても、それはまさにそういうことだった。チームと契約する前に初めて彼に会ったとき、私は『私に何を期待していますか?』と聞いた。すると彼は『自分自身でいてくれ』と言った。マックスは自分自身でいる」

    「だから、数週間前の憶測はここで切っていい。今の時点で、マックスはキャリアの残りをレッドブルで過ごす」

    ニュル挑戦が示したフェルスタッペンの特異性
    フェルスタッペンは先週末、ニュルブルクリンク24時間レースに出場し、チームメイトとともに一時は首位を走行した。しかし、マシンのドライブシャフトに問題が発生し、優勝争いから脱落した。

    クルサードは、F1以外のカテゴリーでもすぐに高い適応力を示すフェルスタッペンの能力を高く評価した。

    「スポーツではよくあることだが、ラケットとボールを使う競技を考えてみてほしい。スカッシュの世界王者なら、ヤニック・シナーとテニスをしてもある程度やれると思うかもしれない。でも実際にはそうはいかない。逆にシナーもスカッシュでは勝てない」

    「本当にトップに立つには、その分野のスペシャリストでなければならない。そこにマックスのような人物がいる。彼はどういうわけか……両利きだと言われても驚かない。4輪に関わることなら、何をやっても優れているように見える」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    「週末の遊び」ではないニュルブルクリンクの重み
    クルサードは、自身もニュルブルクリンクを走った経験を持つ。そのうえで、フェルスタッペンが同レースに挑んだことは、単なる趣味の延長ではないと強調した。

    「恐ろしいサーキットだ。私も走ったことがある。彼らのように競争力を持ち、先頭に立つためには、あのレベルで必要なコミットメントがある」

    「残念ながら、このポッドキャストでも数週間前に伝えたように、まさにあのサーキットで命を落としたドライバーがいた。それほど、あのサーキットの挑戦は厳しい」

    「だから、『マックスはドライブが大好きだから、週末に楽しんでいるだけだ』という見方をするべきではない。もしそうなら、現在のF1サーキットに非常によく似た、FIA公認のどのサーキットにでも行けばいい」

    「だが、あそこへ行くというのは、昔ながらのコミットメントだ。それこそが彼をほかのドライバーと分けている。ほかのドライバーも技術的には非常に優れたレーシングドライバーであることに疑いはない。ただ、今のF1グリッドで、ニュルブルクリンクに行ってレースをするという挑戦を受け入れるドライバーがほかにいるのか、私は疑問に思う」

    クルサードの見方では、フェルスタッペンにとってレッドブルは単に勝てるチームではなく、自分のスタイルを制限されずに保てる環境でもある。ニュルブルクリンク24時間への挑戦は、その関係性を改めて浮き彫りにした出来事だった。

  • ミック・シューマッハ 初インディ500で直面「前にいる台数で挙動が変わる」

    ミック・シューマッハ 初インディ500で直面「前にいる台数で挙動が変わる」

    ミック・シューマッハが、今週末に迎えるインディ500デビューを前に、オーバルレース特有の難しさを語った。

    レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから参戦するシューマッハは、インディ500の予選を通過し、決勝では27番グリッドからスタートする。ルーキー勢では最上位となり、経験豊富なチームメイトのグラハム・レイホールより前の位置を確保した。

    スムーズな操作がタイヤ管理の鍵
    シューマッハにとって、日曜の決勝はオーバルでのレースとしては2度目となる。ただし、インディ500はその規模と形式、そして集団走行の密度において、まったく別の挑戦となる。

    オーバルでのドライビングの特徴について問われたシューマッハは、ヨーロッパで培ったタイヤ管理の経験が役立っていると説明した。

    「一番直感的だったのは、できるだけスムーズに走ることだった。ヨーロッパから来ると、タイヤをかなり特定のやり方で管理しなければならない」

    「その意味では、ここでもすごく役に立っていると感じている。スロットル操作をスムーズにすることが重要で、基本的にすべての入力を滑らかにしなければならない。そうした状況で、それがかなり自分の助けになっていると感じている」

    ミック・シューマッハ インディ500

    集団走行で変わるマシンの感触
    一方で、シューマッハが特に難しさを感じているのは、時速220マイルを超えるスピード域で他車の後方を走る際の空気の乱れだ。

    「乱れた空気はかなり厳しい。ギャップを管理して、その瞬間、その正しいタイミングでマシンの感触を良い状態に保ち、うまくタイミングを合わせてランを作るのは難しい」

    「集団の後方にいると、当然かなり難しくなる。10番手から15番手あたりの深い位置にいると、みんなが互いに引っ張り合うような形になる」

    「でも、前の方にいて、たとえば先頭の2台、あるいは最初の4台くらいに入っていると、また少し違ってくる」

    「前に多くのマシンがいる場合と、少ない場合とでは、マシンの挙動の違いを本当に感じる」

    27番手スタートで迎える“洗礼”
    シューマッハはメディアセッションで落ち着いた様子を見せていたが、初めてのインディ500は後方から順位を上げていくレースになる。

    ルーキー最上位で予選を終えたことは大きな成果だが、決勝では集団の中で乱れた空気を受けながら、タイヤ、車間、タイミングを同時に管理しなければならない。

    インディ500デビュー戦は、シューマッハにとってブリックヤードでの厳しい洗礼となる。