投稿者: dbcheck

  • ピレリ F1単独タイヤサプライヤー契約を2028年まで延長

    ピレリ F1単独タイヤサプライヤー契約を2028年まで延長

    ピレリのF1単独タイヤ供給契約が2028年まで延長された。FIAが現行契約のオプションを行使し、F1およびピレリとの相互合意によって決定したもので、F1、FIA F2、FIA F3、F1 ACADEMYの全カテゴリーで供給が継続される。

    ピレリは1950年のF1創設シーズンから選手権に関わり、2011年からはF1の単独タイヤサプライヤーを務めてきた。

    今回の延長により、2026年に導入された新世代レギュレーションのもとでも、少なくとも2028年末まで同社のタイヤがF1の競争環境を支えることになる。

    今回の発表は、単なる供給契約の延長にとどまらない。F1にとってタイヤはパフォーマンス、戦略、安全性、そしてレースの見せ場を左右する重要な技術要素であり、ピレリとの継続は競技面と開発面の安定を意味する。

    ピレリが2028年までF1単独タイヤ供給を継続
    F1とFIAは、ピレリとのグローバル・タイヤ・パートナーシップを2028年末まで延長したことを発表した。FIAが現行契約に含まれていた延長オプションを行使し、F1およびピレリとの相互合意によって実現した。

    これにより、ピレリはFIA F1世界選手権に加え、FIA F2、FIA F3、F1 ACADEMYでも単独タイヤサプライヤーを継続する。

    ピレリはF1創設初年度の1950年から選手権に関わってきたブランドであり、2011年以降はF1の独占タイヤサプライヤーを務めている。今回の延長は、F1における最も長く重要な技術パートナーシップのひとつをさらに継続させるものとなる。

    2026年新規則下で安定性を確保
    F1は2026年から新世代の技術レギュレーションに移行しており、マシン、パワーユニット、空力の考え方が大きく変化した。そうした転換期において、タイヤ供給体制が2028年まで固定されることは、チームやドライバーにとって重要な安定材料となる。

    タイヤは単なる消耗品ではなく、レース戦略、マシンバランス、ドライバーのアプローチ、そしてオーバーテイクの発生に大きく影響する。複数のコンパウンド、極端な路面条件、高い負荷のもとで得られるデータは、ピレリの研究開発にも反映される。

    F1側は、サーキットで得られた知見がタイヤ設計、持続可能性、素材、製造プロセスの進化につながり、将来の市販タイヤにも波及すると説明している。

    ドメニカリ「技術的な輝きと持続可能性に信頼」
    F1のステファノ・ドメニカリCEOは、ピレリとの関係継続を歓迎した。

    「我々はピレリと素晴らしい歴史とパートナーシップを築いてきた。長年にわたって彼らの技術力、パフォーマンス、イノベーション、持続可能性への姿勢に頼ってきたので、FIAと我々がこの関係をさらに1年続けられることを嬉しく思う」

    「技術レギュレーションの枠組みの中で限界を押し広げ続けるなか、ピレリの品質への取り組みは、供給を受けるすべてのチームとシリーズに安心感を与えている。彼らは世界で最も先進的なタイヤの一部とともに仕事をしていると分かっているからだ」

    「FIA会長のモハメド・ビン・スライエム閣下、そしてピレリ副会長のマルコ・トロンケッティ・プロヴェラに感謝したい。この延長は、経験によって卓越性を生み出し、コース上で最高のスペクタクルを提供する専門的なパートナーと協力する素晴らしい例だ」

    FIAは安全性と競技の安定を強調
    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、ピレリが長年にわたりF1に高水準のパフォーマンス、革新性、安全性を提供してきたと評価した。

    「ピレリは長年にわたり、FIA F1世界選手権にとって重要なパートナーだった。モータースポーツの最高峰において、一貫して高い水準のパフォーマンス、イノベーション、安全性を提供してきた」

    「2028年末までの延長は選手権に安定性をもたらすものであり、FIA、フォーミュラ・ワン・グループ、ピレリの強固な協力関係を示している。我々は共に革新を推進し、世界中の競技者、チーム、ファンに向けてエキサイティングなレースを届け続ける」

    ピレリ F1 タイヤ

    ピレリ「F1は明日の市販タイヤのための最高の実験室」
    ピレリ副会長のマルコ・トロンケッティ・プロヴェラは、FIAとF1との合意により、同社のF1での活動を2028年まで延長できたことを歓迎した。

    「FIA、そしてモハメド・ビン・スライエム会長のリーダーシップ、さらにF1との合意により、我々はF1での活動をさらに1年、2028年まで延長できることを嬉しく思う。昨年、我々はグランプリ参戦500戦という節目を超え、長年の関わりの中で大きな技術的・革新的課題に挑み、それを乗り越えてきた」

    「ピレリは単なるサプライヤーではなく、戦略的パートナーだ。FIAとプロモーターの共同作業によって成長を続ける選手権を支えてきた」

    「F1は、我々にとって革新を進め、最先端の技術ソリューションを試し、研究開発プロセスを継続的に改善するための最高の実験室だ。それは明日の市販タイヤにも利益をもたらす」

    F1の成長と技術開発を支える契約延長
    今回の契約延長により、F1は2028年までピレリという既存の技術パートナーとともに競技運営を継続することになった。2026年規則導入後の数年間は、チーム、FIA、F1、サプライヤーにとって開発と調整の重要な時期となる。

    そのなかでタイヤ供給体制が安定することは、競技の公平性、安全性、技術開発の継続性を確保するうえで大きな意味を持つ。

    ピレリにとっても、F1は極限環境で技術を検証できる開発の場であり、ブランド価値を高める世界的なショーケースでもある。2028年まで続くこの関係は、F1の競技面だけでなく、タイヤ技術の進化にも影響を与えることになる。

  • アストンマーティンF1 アロンソ引退論にデラロサが言及 「辞める理由はない」

    アストンマーティンF1 アロンソ引退論にデラロサが言及 「辞める理由はない」

    アストンマーティンのアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、フェルナンド・アロンソの引退時期について憶測することを避けながらも、そのパフォーマンスを考えれば現時点で引退する理由はないとの考えを示した。

    アロンソは2026年末で現在の契約が満了する予定で、来月には45歳を迎える。さらに、バルセロナ・カタルーニャGPが今後の開催ローテーションの影響で最後になる可能性もあり、将来に関する議論が再び注目を集めている。

    アロンソの将来は本人だけが決めること
    スペイン紙『El Mundo Deportivo』から、今週末のバルセロナ・カタルーニャGPがアロンソにとって同サーキット最後のレースになる可能性について質問されたデ・ラ・ロサは、明確な答えを避けた。

    「正直に言って、まったく分からない」

    さらに、それが本当に最後のレースになる可能性について問われると、次のように語った。

    「そうかもしれない。でも僕はそう考えていない」

    「最後にはならないと思っている」

    デ・ラ・ロサは、アロンソの将来は本人だけが決めるべき問題だと強調した。

    「これは非常に個人的な問題だ。彼自身が決断することであり、僕はそれを深く尊重している」

    「だからあまり考えたくない。今を楽しみたいんだ」

    チームの目標はアロンソが残りたくなるマシン作り
    アストンマーティンは2026年からホンダとのワークス体制を開始したものの、ここまで苦戦が続いている。しかしチーム内部では、エイドリアン・ニューウェイ主導による大型アップグレードに期待が寄せられている。

    デ・ラ・ロサは、チームとしてできることはアロンソを説得することではなく、残りたいと思えるマシンを作ることだと語った。

    「僕たちにできるのは、ドライバーたちが来たい、そして残りたいと思うようなクルマに改善することだけだ」

    「チームとしてそれが最高の状況だと思う」

    さらに、自身の考えとしてはアロンソに長く現役を続けてほしいと明かした。

    「僕が決められるなら、彼には何年も続けてほしいと思う」

    「もちろんフェルナンドにはこうしたことを考える権利がある。44歳なのだから当然だ」

    パフォーマンスを見れば引退の理由はない
    一方で、年齢だけを理由に引退を論じるべきではないとも主張した。

    「しかしフェルナンドをコース上のパフォーマンスで評価するなら、彼が引退しなければならない理由は何もない」

    アロンソは2026年シーズンも依然としてチームの中心的存在であり、実力面への評価は衰えていない。

    引退論より今のアロンソを楽しむべき
    デ・ラ・ロサは最後に、将来の議論ばかりに目を向けるのではなく、今なおグリッドで戦うスペイン人ドライバーたちの姿を楽しむべきだと訴えた。

    「フェルナンドを楽しもう。カルロスを楽しもう。そしてバルセロナ・カタルーニャGPを楽しもう」

    「物事は永遠ではない。何も永遠ではないんだ」

    「だから今この瞬間を生きよう。そして来るものは来る。その時に考えればいい」

  • F1パワーランキング:アントネッリが満点評価 モナコGPで存在感を示した10人

    F1パワーランキング:アントネッリが満点評価 モナコGPで存在感を示した10人

    アンドレア・キミ・アントネッリがモナコGPで圧巻のパフォーマンスを披露し、F1公式サイトのパワーランキングで10点満点の評価を獲得した。

    アントネッリは予選で劇的なポールポジションを獲得すると、決勝では冷静なレース運びで今季5連勝を達成。審査員から週末最高の評価を受けた。

    一方でルイス・ハミルトンやピエール・ガスリー、リアム・ローソン、アービッド・リンドブラッドらも高評価を獲得。モナコGP後のパワーランキングトップ10を見ていく。

    1.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)
    評価:アントネッリはツイスティなモンテカルロ市街地コースで徐々に自信を深めていく理想的な週末を送った。金曜日の走行ではフェラーリ勢のペースに及ばなかったが、予選では状況を完全に好転させ、最後のアタックで見事なラップをまとめてポールポジションを獲得した。決勝では終始レースを支配し、周囲で起きるさまざまなアクシデントにも冷静に対応しながら優勝を達成。息をのむようなパフォーマンスとして審査員から10点満点が与えられた。

    2.ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)
    評価:ハミルトンはフェラーリ移籍2年目に入り、さらに調子を上げ続けている。カナダGPでの2位に続き、モナコでも2位表彰台を獲得した。チームメイトのシャルル・ルクレールとともに週末序盤から好調を維持したが、予選ではハミルトンがチームをリードした。決勝ではマックス・フェルスタッペンのリタイアによって順位を上げ、ピットレーン速度違反によるペナルティを受けながらも結果に影響を受けることなく2位を守り切った。

    3.ピエール・ガスリー(アルピーヌF1チーム)
    評価:最終的に夢見たモナコでの表彰台獲得には至らなかったものの、ガスリーはアルピーヌのエースとして力強い週末を過ごした。Q3進出を果たした後、決勝ではスタート直後にランド・ノリスを攻略。そこから着実に順位を上げ、チェッカー時点では3位に入っていた。しかしレース後に累積10秒ペナルティが適用されたことで7位へ降格。それでも週末全体のパフォーマンスは高く評価された。

    4.リアム・ローソン(レーシングブルズ)
    評価:ローソンは車両に発生した複数の問題によって決して楽な週末ではなかった。チームは予選10番手を守るために懸命な修復作業を行い、何とか決勝スタートに間に合わせた。決勝ではガスリー同様に前方のリタイアを冷静に利用しながら順位を上げ、トラブルに巻き込まれることなく走り切った。その結果、自己最高タイとなる5位を獲得した。

    5.アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)
    評価:カナダGPでDNSに終わったリンドブラッドは見事な巻き返しを見せた。FP1ではヘアピンを曲がることすら難しい状況に直面していたが、モナコ初予選では15番手を確保。決勝では2度の再スタートをうまく活用しながら順位を上げ、最終的に6位でフィニッシュした。これは今季自己最高位となった。

    6.マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
    評価:フェルスタッペンはプラクティスの大半でペース不足に苦しんでいた。しかし予選最終セッションでは劇的な復活を見せ、アントネッリのポールラップからわずか0.04秒差まで迫る見事なタイムを記録した。残念ながら決勝ではスタート直後にトラブルが発生して最後尾まで後退。その後ピットへ戻りリタイアを余儀なくされたが、予選で見せたパフォーマンスが高く評価された。

    7.アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)
    評価:レッドブル・レーシングは週末を通してマシントラブルに苦しみ、ハジャー自身も決勝中に「何かが爆発しそうだ」と感じるほどだったという。ラッセルのプレッシャーを受けながらもマシンをコントロールし続け、さらにパワー不足やタイヤのデグラデーションにも対応。赤旗中の違反についても問題なしと判断され、チーム加入後初となる表彰台獲得を確定させた。

    8.セルジオ・ペレス(キャデラックF1)
    評価:キャデラックF1は今季、小さな成功を積み重ねることを重視しているが、モナコでは初ポイント獲得が見える場面もあった。ペレスはFP2でのブレーキ火災から立て直し、予選18番手を獲得。しかし決勝前に誤ってガブリエル・ボルトレトの空いたグリッド位置へ並んでしまい、ドライブスルーペナルティを受けた。その後も再スタート時の位置違反で10秒加算ペナルティを科され、10位相当から15位へ後退した。それでも内容は評価に値すると判断された。

    9.エステバン・オコン(ハースF1チーム)
    評価:オコンはモナコGPで今季最高成績を記録した。オープニングラップではチームメイトのオリバー・ベアマンと接触しながらもレースを続行。その後は粘り強い走りを見せ、スタート位置から8つ順位を上げた。さらに終盤に発生したカルロス・サインツJr.とニコ・ヒュルケンベルグの接触にも助けられ、9位でフィニッシュ。ハース勢唯一の完走者となった。

    10.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
    評価:アルボンにとっては興味深い週末となった。予選では惜しくもQ3進出を逃し11番手からスタート。決勝ではポイント獲得が見えていたが、チームオーダーによってサインツJr.を先行させ、代替戦略を実行する役割を担った。その後ウィリアムズは再び順位を入れ替え、アルボンが前へ戻る形となった。最終的に4ポイントを獲得し、チームに貴重な結果をもたらした。

    ルクレールは惜しくも圏外
    トップ10入りを逃した筆頭はルクレールだった。母国レースで4番グリッドからスタートしたルクレールは上位争いを続けていたが、週末を通して悩まされていたブレーキトラブルが深刻化。終盤に最終コーナーでクラッシュを喫し、ランキング入りを逃した。

    F1 モナコGP 2026年のF1世界選手権

  • アストンマーティン・ホンダF1 バルセロナで問われる真価「隠れる場所はない」

    アストンマーティン・ホンダF1 バルセロナで問われる真価「隠れる場所はない」

    アストンマーティンF1は、今週末のバルセロナ・カタルーニャGPがAMR26の実力を浮き彫りにする厳しい一戦になると認めた。マイク・クラックは、サーキット・デ・バルセロナ・カタルーニャについて「隠れる場所はない」と表現し、チームにとって現実を突きつけられる週末になるとの見方を示した。

    アストンマーティンは2026年シーズン序盤から苦戦が続いている。AMR26のパッケージ面の課題に加え、ホンダ製パワーユニットもライバルに対して劣勢とされ、チームは開幕からポイント獲得に苦しんできた。

    モナコGPでは予選で最後列に沈みながらも、ライバルのリタイアやペナルティに助けられる形で10位に入り、今季初ポイントを獲得した。しかし、バルセロナはモナコとはまったく異なる性格を持つ。空力効率、タイヤへの負荷、パワーユニット性能が総合的に問われるため、マシンの弱点を隠すことが難しい。

    バルセロナは実力を映す現実チェック
    アストンマーティンのチーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラックは、木曜日にメディアに対し、今週末の見通しを率直に語った。

    「紙の上では、バルセロナは厳しい。非常に厳しい週末になる。バルセロナには隠れる場所がない」

    クラックは、バルセロナがアップグレードの効果やチームの本当の立ち位置を確認する場になると説明した。

    「通常、バルセロナの後には、自分たちがどこにいるのかが分かる。アップグレードを持ち込んだ場合もそうだし、バルセロナはペースの現実チェックになることが多い。我々はそのことを理解しておく必要がある」

    「だからこそ、ミスなく週末を進め、最大限の学びを得ることが重要だ」

    ドライバーにはどうすることもできない部分がある
    クラックは、AMR26の限界が明確に出る場合、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールにとって精神的にも難しい週末になると認めた。

    「ドライバーにとっては最も厳しい週末になると思う。バルセロナはパッケージ全体に非常に厳しいサーキットだし、彼らにできることはそれほど多くない」

    「だから、我々は彼らを少し守る必要があるかもしれない。必要以上にネガティブなものを背負わせないためだ。彼らにどうにかできる問題ではないからだ」

    モナコでの1ポイントは、アストンマーティンにとって大きな意味を持つ結果だった。しかし、それは状況が好転したことを意味するものではない。バルセロナでは、AMR26が抱える根本的な課題がより明確になる可能性が高い。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダはFIAから性能差の情報を受領
    ホンダ製パワーユニットについては、ライバルに対して最大100馬力程度劣るとの噂も出ている。ホンダの折原伸太郎は木曜日、FIAから性能差に関する情報を受け取ったことを認めた。

    「はい、FIAから情報は受け取りました」

    「FIAが開示している範囲を超えて、詳細を話すことはできません。ただ、いくつかの数字は受け取っています」

    折原は、ホンダが夏に向けてエンジン性能の改善に集中していると説明した。

    「現在は、夏の期間に向けてエンジン性能を開発することに集中しています。燃焼性能の改善に取り組んでいますし、フリクションの低減にも取り組んでいます。それが性能向上につながるはずです」

    アストンマーティンとホンダにとって、状況を変えるためのアップグレードはまだ先にある。改善の方向性は見えているものの、バルセロナ・カタルーニャGPでは現状の実力が容赦なく示されることになりそうだ。

  • FIA会長 F1エンジン規則改定を歓迎「協力の成果だ」

    FIA会長 F1エンジン規則改定を歓迎「協力の成果だ」

    FIA(国際自動車連盟)会長のモハメド・ビン・スライエムは、F1パワーユニット規則の大幅変更が発表されたことを受け、FIA、F1、各チーム、パワーユニットメーカーによる協調的な取り組みを称賛した。

    2027年から、F1のパワーユニットは内燃エンジンとバッテリーシステムの出力配分を見直す。現行の50対50に近い構成は、バッテリーが消耗するとマシンが事実上大きくパワーを失うとして、一部ドライバーから不満が出ていた。

    2027年から内燃エンジン比率を拡大
    FIA、F1、パワーユニットメーカーはここ数週間、内燃エンジン側の出力比率を高め、バッテリーへの依存を下げる方向で協議を続けてきた。

    合意された目標は60対40の出力配分だ。2027年はまず58対42へ移行し、2028年に60対40へ到達する計画となる。

    この変更を実現するため、内燃エンジンへの燃料流量は2027年に5%、2028年に13%引き上げられる。

    一連の変更案は6月23日の世界モータースポーツ評議会に提出され、正式承認を受ける見通しだ。

    ビン・スライエム「F1は常に進化してきた」
    発表を受け、ビン・スライエムは関係者の協力に感謝を示した。

    「F1は常に、新たな課題に対応し、新たな機会をつかむために進化してきました」

    「今回提案された変更は、レギュレーションがエキサイティングなレース、技術革新、そして長期的な持続可能性を支え続けるために、スポーツ全体で進められている協調的な取り組みを反映したものです」

    「FIAには選手権の未来を守る責任があり、今回の調整はその責任の一部です」

    「僕たちのスポーツの未来を形づくり、世界中のファンに届けるためには、共に取り組むことが重要です。FIAスタッフ、各チーム、フォーミュラワン・グループ、そしてパワーユニットメーカーの建設的な姿勢に感謝します」

    批判を受けた50対50構成を修正
    2026年から導入された新世代パワーユニットは、電動領域の比重を大きく高めたことが特徴だった。

    しかし、走行中のエネルギーマネジメントが過度に複雑になり、バッテリーの消耗によってパフォーマンスが大きく変動する点が問題視されてきた。

    今回の変更は、電動化と持続可能燃料という新規則の方向性を維持しつつ、レース中の扱いやすさと競争性を高めるための修正と位置づけられる。

    2028年に60対40へ到達
    F1は2027年に58対42、2028年に60対40へ段階的に移行する。

    これにより、内燃エンジン側の役割が再び拡大し、ドライバーが訴えていたバッテリー消耗時の極端なパワー低下を抑える狙いがある。

    正式承認はまだ残されているが、6月23日の世界モータースポーツ評議会で問題なく通過すると見られている。

    【関連】
    ・F1 2027年からPU規則改定で合意 内燃エンジン比率を段階的に拡大

  • レッドブルF1がADUO評価に異議 FIAがPUデータ再検証へ

    レッドブルF1がADUO評価に異議 FIAがPUデータ再検証へ

    レッドブルが、FIAによる2026年F1パワーユニット評価に異議を唱えたことで、FIAがADUO制度に基づく評価データの再検証を開始したことが明らかになった。

    問題となっているのは、性能が劣るパワーユニットメーカーに追加開発機会を与える「ADUO」制度だ。FIAは開幕から5戦分のデータを分析し、モナコGP後に各メーカーへ評価結果を通知していたが、現時点で公式発表は行われていない。

    レッドブルPUが内燃エンジン評価で首位に
    バルセロナ・カタルーニャGPのパドックで話題となっているのは、FIAが実施した評価結果だ。

    ここ数週間で関係者の間に広まった情報によると、レッドブル・フォード・パワートレインズのパワーユニットが、内燃エンジン単体の性能評価でトップと判断されたという。

    この結果は多くの関係者にとって意外なものだった。パドックではメルセデスのパワーユニットが総合的に最も優れているとの見方が強く、特に内燃エンジン性能でも基準となる存在だと考えられていたためだ。

    De Telegraafのエリック・ファン・ハーレンによれば、メーカー各社はモナコでFIAから1ページの文書を受け取り、その中で評価結果が示されたという。

    ただし、この評価はパワーユニット全体ではなく、内燃エンジン部分のみを対象としている。

    「出力のおよそ半分は電動モーターによるものだが、この測定では除外されている」とファン・ハーレンは説明した。

    メルセデスは救済対象 レッドブルは対象外
    暫定評価では、メルセデスは基準値から2%以上遅れていると判断され、2026年と2027年にかけて1回のアップグレードパッケージを認められる見込みとなった。

    一方でフェラーリ、アウディ、ホンダは基準値から4%以上遅れているとされ、2回のアップグレードパッケージが許可される可能性がある。

    対照的に、基準メーカーと位置付けられたレッドブルには一切の開発優遇措置が与えられない。

    この結果に対し、レッドブルは強い不満を抱いているとされる。

    ファン・ハーレンは「情報筋によると、エンジンサプライヤーとして初参戦のレッドブルが、いきなり基準メーカーと位置付けられたことに非常に不満を抱いている」と報じている。

    レッドブルが再評価を要求
    motorsport.comによれば、レッドブル首脳陣はメルセデスより上位と評価されたことに驚き、FIAに結果の見直しを要求したという。

    チームから公式なコメントは出ていないが、内部ではこの結果を受け入れ難いとの見方が強いとされる。

    その結果、FIAは追加の検証作業を開始した。

    当初はモナコGP後に正式な発表が行われる予定だったが、再確認作業が始まったことで公表は延期された。

    レッドブル代表のローラン・メキースもモナコではコメントを避けた。

    「FIAがまだ正式な結論を公表していないため、現時点ではコメントしたくない」との立場だったと伝えられている。

    レッドブル F1 国際自動車連盟

    FIAは三度目の確認作業へ
    FIAは評価の正確性を保証するため、プロセス全体を再確認している。

    実際には技術担当者がすでに一度追加チェックを実施していたが、レッドブル・パワートレインズからの異議申し立てを受け、さらにもう一度検証を行うことを決定した。

    FIA内部では、最終結果が大きく変わる可能性は低いと考えられているという。しかし、後の論争を避けるために可能な限り透明性を確保したい考えだ。

    新たな検証プロセスは今週月曜日から開始されており、結果は10日ほどでまとまる見通しだ。最終的な結論は来週末までに出され、FIAが正式な声明として公表する予定となっている。

    透明性への批判も高まる
    FIAが結果を公表せず沈黙を続けていることに対しては、メディアからも批判の声が上がっている。

    L’Equipeのフレデリック・フェレは「連盟は依然として舞台裏で動いており、透明性が欠けている。そのため数字の実態は依然として不明確だ」と指摘した。

    また、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは評価手法そのものに疑問を呈した。

    「もちろん電動部分も大きな役割を果たすが、この比較では考慮されていない」

    「私はメルセデスが非常に賢く立ち回ったと思う。トト・ヴォルフはフォード・レッドブルのエンジンが非常に強力だと繰り返し話していた」

    「GTレースのバランス・オブ・パフォーマンスを思い出す。シーズンを有利に進めるためには賢く立ち回る必要がある。メルセデスはまさにそれをやったのだと思う」

    「彼らのエンジンがまだ本当の性能を見せていなかったとしても、私は驚かない」

    シューマッハは一方で、もしFIAの評価が正しいのであれば、レッドブルの成果は極めて特別なものだとも強調した。

    「レッドブルが成し遂げたことがどれほど特別か、僕たちは強調し続けるべきだ」

    「結局のところ、エナジードリンク企業がトップクラスのエンジンを開発したということだ」

    「クリスチャン・ホーナーはその功績に対して大きな称賛を受けるべきだ」

    ADUO制度は本来、競争力の差が開き過ぎることを防ぎ、出遅れたメーカーに開発機会を与えるために導入された。しかし、評価対象が内燃エンジン部分のみに限定されていることから、実際のパワーユニット性能やレース結果との整合性を疑問視する声も出ている。

    2026年ここまでメルセデス勢が全勝を続けるなか、内燃エンジン評価ではレッドブルが基準メーカーと判断されたことは、制度そのものの妥当性を巡る新たな議論を呼んでいる。FIAが来週公表する最終結果に注目が集まっている。

    【関連】
    ・メルセデスF1 内燃エンジンはRBPTより10~25馬力劣る? それでも全勝できる理由

  • マレリのF1公式データロガーが300戦達成 AI搭載のSDR 5を投入

    マレリのF1公式データロガーが300戦達成 AI搭載のSDR 5を投入

    マレリがFIAと共同開発するF1公式データロガー「サバイバル・データ・レコーダー(SDR)」が、2026年モナコGPで通算300レース目の運用を達成した。

    さらに、2026年の新レギュレーションに対応した最新モデル「SDR 5」が実戦投入され、AIを活用した高度なデータ分析機能や通信性能の向上によって、F1の安全性と規則順守を支える役割をさらに強化している。

    F1の安全と競技運営を支える重要な電子ユニット
    SDRはすべてのF1マシンに搭載されている公式データロガーであり、レース中の安全性向上や技術レギュレーションの監視を目的としてFIAへリアルタイムでデータを提供している。

    マシンに搭載された加速度センサーや温度・圧力・速度センサー、さらには各種電子制御ユニットから情報を収集し、高速かつ高信頼で記録する。取得したデータは数式処理やハードウェアフィルターによって整理・分析され、専用通信回線を通じてFIAの競技委員へ送信される。

    これにより異常な挙動やトラブルの兆候を迅速に検知できるほか、事故解析や技術規則違反の有無を確認するための重要な基盤となっている。

    FIAとマレリが300レース達成を祝福
    モナコGPでは300レース到達を記念するセレモニーが実施され、マレリ・モータースポーツ責任者のリカルド・デ・フィリッピが、FIA会長モハメド・ビン・スライエムへ限定版の「SDR 4」を贈呈した。

    モハメド・ビン・スライエムは次のように述べた。

    「SDRはF1にとって極めて重要な存在です。安全性を支え、規則順守を確実にするために必要な高品質なデータをFIAに提供してくれています。F1で300レースを達成したことは素晴らしい節目であり、マレリとの強い協力関係の証でもあります」

    「モータースポーツの根幹には常にイノベーションがあります。新しいSDR 5のような先進技術は、より速く、より正確で、より包括的なデータを届けることで、FIAの競技委員を支える上で、今後さらに重要な役割を果たすことになるでしょう」

    AIを搭載した新型SDR 5がデビュー
    今回投入されたSDR 5は、2026年から導入された新たなF1技術規則に対応するために開発された最新モデルだ。

    従来システムとの互換性を維持しながら、10基の高速CAN FDインターフェースと新たな車載イーサネット・ポートを搭載し、通信能力を大幅に向上させた。

    最大5,000チャンネルのデータ取得に対応し、重要データの収集速度も改善。データ転送量と通信速度は従来比で2倍となり、より効率的な情報処理が可能となった。

    さらに、高度なフィルター機能や監視機能の追加によってデータ精度を高めたほか、電圧や電流の測定機能も新たに搭載。最新のドライバー回路によってアクチュエーター制御の柔軟性も向上し、電流の直接計測や設置作業の簡略化も実現している。

    そして最大の特徴がAIの導入だ。AIによる高度なデータ分析機能によって、膨大なレースデータから有益な情報をより迅速に抽出できるようになった。また、本体の軽量化によってマシン全体の性能向上にも貢献している。

    マレリ「F1の進化を支え続ける」
    リカルド・デ・フィリッピは、新型SDR 5の投入について次のようにコメントした。

    「最先端のモータースポーツにおいて、リアルタイムのデータ分析は極めて重要です。当社のSDRがデータの収集と転送を支え、技術レギュレーションの順守に貢献してきたF1レースは、これまでに300回を超えました。これはまさに祝うべき節目です」

    「新しいSDR 5の導入により、競技委員はこれまで以上に正確で信頼性が高く、すぐに役立つ情報を得られるようになります。私たちはFIAと共にイノベーションを推進し、F1の進化を支えていきます。これからも技術の限界に挑み続けることを楽しみにしています」

    マレリは、SDR 5の導入によってF1およびFIAへの技術的貢献をさらに深めていく考えだ。100年以上にわたりモータースポーツで培ってきた経験を活かし、今後も安全性の向上と技術革新を通じて、最高峰カテゴリーの発展を支えていく。

  • リアム・ローソン F1離脱のリカルドに感謝 「僕を嫌ってもおかしくなかった」

    リアム・ローソン F1離脱のリカルドに感謝 「僕を嫌ってもおかしくなかった」

    リアム・ローソンは、2024年にレーシングブルズでダニエル・リカルドの後任として起用された際、リカルドが自身に対して非常に協力的だったことを明かした。

    シートを失う立場となったリカルドにとって、ローソンを快く思わなくても不思議ではなかったが、実際には常にサポートしてくれたという。

    リカルドの後任として昇格した2024年
    2024年シーズン、ダニエル・リカルドはシンガポールGPを最後にレーシングブルズを離脱し、そのままF1グリッドから姿を消した。

    後任に選ばれたのがリアム・ローソンだった。ローソンは2023年にも負傷したリカルドの代役として出走しており、2024年には正式にそのシートを引き継ぐ形となった。

    その状況についてローソンは、リカルドが敵意を見せるどころか支えてくれたと振り返った。

    「そうだね、今でも時々連絡を取っている。彼は今、自分らしい最高の人生を送っていると思う」

    「一番大きかったのは、もちろん2024年に僕が彼の代わりに乗ることになった時だった」

    「その一連の流れの中で、彼が僕をすごく嫌うようになっても全然おかしくなかった」

    「でも彼はそうしなかった。すごく支えてくれたし、本当に素晴らしかった」

    「その後も何か助けが必要な時は電話に出てくれたし、いつでも答えてくれた。本当にありがたかった」

    今も続く良好な関係
    現在、リカルドはF1を離れて別のプロジェクトに取り組んでいるが、ローソンとの関係は続いている。

    最近もF1参戦初期のリカルドの写真を見つけたことで連絡を取ったという。

    「この前、彼の最高の写真を見つけたんだ。すぐ本人に送ったよ」

    「歯列矯正をしていた頃の全盛期のダニエル・リカルドだ」

    「彼がF1デビューした時に歯列矯正をしていたなんて、まったく知らなかったよ」

    ライバルではなく良き先輩
    F1ではシート争いによってドライバー同士の関係が悪化するケースも少なくない。

    しかしローソンによれば、リカルドは自らの後任となったドライバーに対しても敵対的な態度を取ることはなく、必要な時には助言を与える存在だった。

    ローソンの証言は、8勝を挙げた元グランプリウイナーであるリカルドの人柄を物語るエピソードとなっている。

  • メルセデスF1 内燃エンジンはRBPTより10~25馬力劣る? それでも全勝できる理由

    メルセデスF1 内燃エンジンはRBPTより10~25馬力劣る? それでも全勝できる理由

    2026年シーズン開幕から6戦全勝を飾り、圧倒的な強さを見せるメルセデス。しかし、そのメルセデス製パワーユニット(PU)がFIAのADUO(開発支援制度)の対象となり、2~4%遅れのメーカー向け優遇措置を受けられることが明らかになった。

    この結果に、多くのF1関係者やファンは疑問を抱いた。「最強のPU」と評価されるメルセデスが、なぜ支援対象になるのか。

    その答えを理解するには、2026年PUにおいて何が本当に重要なのかを考える必要がある。

    FIAが評価したのはV6エンジン出力のみ
    ADUOの判定において、FIAは開幕戦メルボルンからカナダGPまでのデータを分析し、各メーカーのV6エンジン性能を比較した。

    対象となったのはメルセデス、RBPTフォード、フェラーリ、ホンダ、アウディの5メーカーだ。

    重要なのは、評価対象が内燃エンジン単体の出力であり、PU全体の総合性能ではない点である。

    FIAは各メーカーに測定基準の概要のみを伝えており、詳細は公開していない。これは意図的な性能調整によって優遇措置を獲得しようとする行為を防ぐためだ。

    モナコGP後に明らかになった情報によると、メルセデスのV6エンジンはRBPTフォードよりも少なくとも2%出力が低いと評価されたという。

    馬力換算ではおよそ10~25馬力程度の差になるとみられている。

    しかし、この数値だけではPU全体の競争力は説明できない。

    2026年PUの本質は効率にある
    2026年レギュレーションにおいて、PU開発の鍵は最高出力ではなく効率だと以前から指摘されてきた。

    特に重要なのは、エネルギー回生とバッテリー充電能力である。

    最高出力が大きいエンジンが、必ずしも最も優れたPUとは限らない。

    むしろ重要なのは、どれだけ効率的に電力を回収し、必要なタイミングで電力を供給できるかだ。

    この観点から見ると、メルセデスPUがADUO対象になったことにも説明がつく。

    メルセデスのV6はRBPTフォードより出力では劣るものの、エネルギー回生効率が極めて高い可能性がある。

    その結果、バッテリー残量不足に陥ることなく、常に電気エネルギーを利用できる状態を維持できる。

    電気モーターの即時かつ持続的なトルク供給と、W17の優れたトラクション性能が組み合わされることで、レース全体で大きなアドバンテージを生み出していると考えられる。

    スーパークリッピング時の効率が差を生む
    2026年型PUを理解する上で欠かせないのが「スーパークリッピング」だ。

    これはバッテリー残量が減少した際に、内燃エンジン主体で走行しながらエネルギー回収を行う状態を指す。

    一般的には、最高出力が大きいエンジンほど有利に思える。

    例えばRBPTフォードが425kW、メルセデスが420kWだった場合、多くの人はRBPTフォードの方が効率よく充電できると考えるだろう。

    しかし実際のエンジンはそれほど単純ではない。

    内燃エンジンには回転数と負荷に応じた効率マップが存在する。

    最大出力を発揮する領域と、最も効率良く燃料エネルギーを利用できる領域は必ずしも一致しない。

    スーパークリッピング中はエンジン回転数が変化し、効率マップ内の別の領域で動作する。

    その際、ピーク出力では劣っていても、充電を行う領域で高効率を発揮するエンジンの方が有利になる可能性がある。

    メルセデスはまさにこの領域で優位性を持っている可能性が高い。

    吸気設計の違いが効率特性を左右する
    2026年からは可変吸気システムが禁止された。

    これにより各メーカーは、どの回転域を重視するかという設計上の選択を迫られた。

    従来は可変長インテークによって広い回転域で効率を維持できたが、現在は固定長となっている。

    一般論として、短い吸気経路は高回転域で有利となり、長い吸気経路は低中回転域で効率向上に寄与する。

    RBPTフォードが高回転域重視の設計を選択した場合、ピーク出力向上には有利となる。

    一方でメルセデスがエネルギー回生時に多く使用する回転域を重視して設計していれば、最高出力では劣っていても効率面で大きな優位性を獲得できる。

    レッドブルが積極的なシフトダウンによって高回転を維持しながら回生を行う傾向とも、この考え方は整合する。

    出力だけではPUの実力は測れない
    今回のADUO判定から見えてくるのは、2026年F1では最高出力だけではPUの性能を評価できないという事実だ。

    FIAの評価基準はV6エンジン単体の出力差に基づいている。

    しかし実際のレースで勝敗を分けるのは、電力回生、バッテリー管理、エネルギー供給能力を含めた総合効率である。

    メルセデスPUはV6出力ではRBPTフォードに及ばなかったとしても、回生効率やエネルギーマネジメントで大きな優位性を持っている可能性が高い。

    だからこそ、全勝を続けながらもADUO対象になるという、一見矛盾した状況が生まれたのだ。

    2026年のF1において重要なのは「何馬力あるか」ではない。

    「どれだけ効率的にエネルギーを使えるか」が勝敗を左右する時代になっている。

  • フェルスタッペン F1新世代のアントネッリを絶賛「特別なものを持っている」

    フェルスタッペン F1新世代のアントネッリを絶賛「特別なものを持っている」

    2026年のF1でタイトル争いをリードするアンドレア・キミ・アントネッリについて、マックス・フェルスタッペンが将来のワールドチャンピオン候補であることは「明らかだった」と評価した。

    メルセデスで2年目のシーズンを迎えたアントネッリは、開幕から圧倒的な速さを披露。複数のポールポジションと優勝を重ね、シーズン前にタイトル候補と目されていたチームメイトのジョージ・ラッセルを上回る存在感を示している。

    フェルスタッペンが認めるアントネッリの特別な才能
    アントネッリはF2を1シーズン戦った後、F3を経ずにメルセデスからF1へ昇格した。

    2025年のデビューシーズンは浮き沈みがあり、欧州ラウンドでは苦戦する場面も見られた。しかし2026年の新世代パワーユニット導入後、そのパフォーマンスは飛躍的に向上し、一気にタイトル争いの中心人物となった。

    その急成長について質問されたフェルスタッペンは、以前から特別な才能を感じていたと明かした。

    「もちろんそうだと思う」

    「下位カテゴリーから上がってくるドライバーの中には特別なものを持っている選手がいる。そしてカテゴリーが変わってもすぐに速さを発揮するんだ」

    「キミについてはそれがかなり明らかだったので、驚きはなかった」

    才能だけでは王者になれない
    一方でフェルスタッペンは、F1で成功するためには才能だけでは不十分だと強調した。

    「ただ、F1に来ると才能だけではない」

    「すべての条件が揃わなければならないし、より総合力のあるドライバーにならなければいけない」

    「そしてもちろん、それを実現できるマシンも必要になる」

    F1ではドライバーの能力だけでなく、チーム力やマシン性能、経験の積み重ねも重要であり、それらが揃って初めてタイトル獲得が可能になるとの考えを示した。

    2026年はマシンと才能が噛み合ったシーズン
    フェルスタッペンは、現在のアントネッリがまさに理想的な環境を手にした状態にあると分析している。

    「でも今年は、勝てるパッケージを手にした時に、ドライバーとして結果を出せることを彼が示している」

    「それを見るのは素晴らしいことだし、それこそ彼がやるべきことなんだ」

    フェルスタッペンの言葉は、アントネッリの成功が単なるマシン性能によるものではなく、その才能と成長が結果として表れていることを示している。

    現時点で2026年のタイトル争いをリードするアントネッリ。現王者フェルスタッペンからの高い評価は、19歳のイタリア人がF1の新たな時代を担う存在として認められつつあることを裏付けている。