カテゴリー: F1イギリスGP

  • F1イギリスGP予選Q1:ハジャーが最速通過 ラッセルはコースオフから突破

    F1イギリスGP予選Q1:ハジャーが最速通過 ラッセルはコースオフから突破

    2026年F1第9戦イギリスGPの予選がシルバーストン・サーキットで行われ、Q1はアイザック・ハジャー(レッドブル)がトップタイムを記録した。リアム・ローソン(レーシングブルズ)が2番手に続き、レッドブル陣営が好調なスタートを切った。

    一方で、ジョージ・ラッセル(メルセデス)はセッション中盤にコースオフを喫しながらも10番手でQ2進出を果たした。フランコ・コラピント(アルピーヌ)は終盤のコースオフが響いて敗退し、アストンマーティンは2台揃ってQ1敗退となった。

    強風の中で波乱のQ1
    気温25度、路面温度40度を超えるコンディションで始まったQ1は、前日よりも強まった風が各車を悩ませた。ハンガーストレートでは追い風によって最高速が伸びる一方、コーナーでは突風によりブレーキングやターンインが難しくなり、多くのドライバーがタイヤをロックさせる場面が見られた。

    序盤はフェラーリ勢が好調で、シャルル・ルクレールがルイス・ハミルトンを上回るタイムを記録。各車がタイムを更新する中、最終的にはハジャーが1分29秒276でトップに立ち、ローソンも0.024秒差の2番手につけた。フェラーリ勢はルクレール3番手、ハミルトン6番手でQ2進出を決めた。

    ラッセルはグラベルから復帰
    セッション中盤にはラッセルがルフィールドでアンダーステアを喫してコースオフ。グラベルにはまりマシンは停止したが、自力で脱出してピットへ戻った。

    メルセデスは短時間でマシンを修復し、ラッセルを再びコースへ送り出すことに成功。ラッセルは最後のアタックで10番手タイムを記録し、アクシデントを乗り越えてQ2進出を果たした。

    コラピントが終盤にコースオフ
    残り1分にはフランコ・コラピントがベケッツでコースオフし、イエローフラッグが掲示された。コラピントは自力でコースへ復帰したもののタイム更新はできず、Q1敗退が決定した。

    終盤はエステバン・オコン、セルジオ・ペレス、フェルナンド・アロンソ、ガブリエル・ボルトレトらがQ2進出を懸けて最後のアタックを実施。ボルトレトは12番手まで浮上して逆転突破を果たした一方、アロンソはタイムを更新できず22番手。ペレス、オコンも敗退となった。

    Q1敗退
    17位:エステバン・オコン(ハース)
    18位:バルテリ・ボッタス(キャデラック)
    19位:フランコ・コラピント(アルピーヌ)
    20位:セルジオ・ペレス(キャデラック)
    21位:ランス・ストロール(アストンマーティン)
    22位:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)

    Q1はフェラーリ勢が引き続き好調さを示した一方、ラッセルがアクシデントを乗り越えて突破する粘りを見せた。ボルトレトは土壇場でQ2進出を決めたが、アストンマーティン勢は2台ともQ1敗退となり、厳しい予選となった。

  • メルセデスF1 FIA禁止の予選テクニックを合法的に復活 新たな手法が判明

    メルセデスF1 FIA禁止の予選テクニックを合法的に復活 新たな手法が判明

    メルセデスはF1イギリスGPのスプリント予選で、FIAが今季序盤に禁止した予選時のパワーデプロイ戦略と同様の効果を得る新たな手法を導入していたことが明らかになった。

    ドライバーがタイム計測ライン直前でアクセルを戻すという一見不可解な操作によって、規則の範囲内で最大出力をより長く維持していたという。

    ジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリは、スプリント予選のアタックラップ終盤でスロットルを緩める動きを見せており、この戦略は現時点ではメルセデスのみが採用しているとされる。ライバルチームもすでにこの挙動に気付き、注目しているという。

    禁止された予選テクニックを別の形で再現
    今季序盤、メルセデスとレッドブル・レーシングは、バッテリー残量が減少した際に本来適用される出力低下(ランプダウン)を回避し、MGU-Kの最大出力350kWを通常より長く維持する方法を見つけていた。

    通常はバッテリーを使い切ると出力は毎秒50kWずつ減少していく。しかし両チームは、MGU-Kを停止した際にはこのランプダウン規定が適用されないというレギュレーションの例外を利用。いわゆる「コンティニュアス・オフセット」モードを作動させることで、ライバルより短時間ながら50~100kW高い出力を維持し、フィニッシュラインまでの加速性能を高めていた。

    しかし、この手法ではMGU-Kを停止した後に60秒間再起動できないため、コース上で急減速したり停止したりする危険性があるとして安全面が問題視された。

    その結果、FIAは3月末の日本GP終了後、緊急時を除くMGU-Kの意図的な停止を認めない方針を打ち出し、このテクニックは禁止された。

    新たな方法は「スロットルオフ」
    ところがシルバーストンでは、メルセデスが別の方法で同様のメリットを引き出していた。

    『The Race』によると、アントネッリとラッセルはストレートエンドまで350kWの最大出力を維持した後、タイム計測ライン直前でアクセルを戻している。これにより、ランプダウン規定を回避しながら規則を順守できるという。

    この方法が成立するのは、技術規則に「ドライバーの要求出力が負(アクセルオフ)」である場合や、「内燃エンジン(ICE)の出力要求が負となり、ドライバー要求を満たすためにERS-K出力をさらに低下させる必要がある場合」は通常のランプダウン条件が適用されないとの例外規定が存在するためだ。

    つまり、バッテリーを350kWで使い切る直前まで最大出力を維持し、最後にアクセルを戻せば、規則違反にならず同様の効果を得られる仕組みとなっている。

    FIA関係者も『The Race』に対し、「スロットルを戻す前の段階で出力低下が1秒間に50kWを超えていなければ、この手法は完全に規則に適合している」と説明している。

    シルバーストン特有のコース特性を活用
    この戦略が機能する背景には、シルバーストンのレイアウトがある。

    最終コーナー「クラブ」からタイム計測ラインまでの距離が比較的短いため、ライン直前まで最大出力を維持する恩恵が大きい。

    GP-Tempoのテレメトリーデータでは、アントネッリとポールポジションを獲得したルイス・ハミルトンを比較すると、クラブ出口まではほぼ同等の速度推移だったものの、最大出力を維持したアントネッリは途中で約7~8km/h速い速度を記録している。

    その後、ライン直前でアクセルを戻したため、計測ライン通過時には逆にハミルトンより約5km/h遅くなった。

    タイム上でも、クラブ出口ではアントネッリはハミルトンより約0.125秒遅れていたが、最大出力を維持した効果で一時は0.002秒差まで接近。しかし最後にアクセルを戻したことで、最終的には0.011秒差でポールポジションを逃す結果となった。

    もし最後まで全開で走っていればポールを獲得できた可能性もあったが、その場合はランプダウン規定への抵触リスクが生じていた可能性がある。

    今後は他チームにも広がる可能性
    今回の手法は現時点でメルセデスのみが採用しているとみられるが、すでにライバルチームもその挙動を把握している。

    FIAも合法との見解を示していることから、シルバーストンのように最終コーナーから計測ラインまでが短いサーキットでは、今後ほかのチームが同様の戦略を採用する可能性もありそうだ。

  • リアム・ローソン F1イギリスGPスプリントで処分回避 ハジャーが擁護

    リアム・ローソン F1イギリスGPスプリントで処分回避 ハジャーが擁護

    リアム・ローソンは、F1イギリスGPスプリントでアイザック・ハジャーとのバトルについて審議対象となったものの、5秒加算などのペナルティは科されず、警告処分にとどまった。これにより8位フィニッシュが認められ、貴重な1ポイントを維持した。

    リアム・ローソンを擁護したのは、接触寸前まで迫った当事者のアイザック・ハジャーだった。ハジャー自身がスチュワードに対し「ペナルティに値しない」と証言したことが、裁定に大きく影響した。

    スチュワードが審議したローソンの防御
    レース終盤、ストウ・コーナーへの進入でローソンはハジャーのオーバーテイクを防ぐため進路を変更した。この動きが「ブレーキング時の異常な進路変更」の可能性があるとして、レース後にスチュワードによる審議対象となった。

    ローソンは審議で、「まだアクセル全開の状態で、ブレーキングは始めていなかった。マシンの動きは減速とコーナー進入の準備によるものであり、ブレーキング中の進路変更ではなかった」と説明した。

    ハジャー「ペナルティには値しない」
    一方、追いかけていたハジャーもローソンを擁護した。

    スチュワードの報告書によると、ハジャーは「ローソンの動きは鋭かったが、十分なスペースは残されており接触も避けられた」と証言。「この件はペナルティに値しない」との見解を示した。

    さらにハジャーは、両車のエネルギーマネジメントの状況が異なっていたため、接近速度を判断することが難しい状況だったとも説明した。

    警告処分でスプリント1ポイントを維持
    スチュワードは両ドライバーの説明を受け入れ、「より重いペナルティを科す必要はない」と判断した。

    その一方で、ローソンの動きについては「防御として許容される範囲をわずかに超えていた」と評価。「コーナー進入時の動きは十分に遅く、かつ急だったため、正式な警告に値する」と結論づけた。

    結果としてローソンは8位で獲得した1ポイントを維持。ハジャーを0.7秒差で抑え切り、レーシングブルズに貴重なポイントをもたらした。

    今回の裁定では、当事者であるハジャー自身が「ペナルティは不要」と証言したことが大きな判断材料となった。ローソンには警告が与えられたものの、順位変動はなく、スプリントの最終ポイントを守り切る結果となった。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ F1イギリスGPスプリントで5秒加算ペナルティ 15位に降格

    ニコ・ヒュルケンベルグ F1イギリスGPスプリントで5秒加算ペナルティ 15位に降格

    ニコ・ヒュルケンベルグは、2026年F1イギリスGPのスプリントレース後、FIAの審議により5秒加算ペナルティを科された。コプス・コーナーでコース外走行によってアドバンテージを得たと判断され、13位から15位へ降格となった。

    この裁定により、チームメイトのガブリエル・ボルトレトは13位へ繰り上がった。一方、ボルトレトはレース後、今季を通じて続くアウディのスタート性能の問題について厳しい見解を示している。

    ヒュルケンベルグに5秒加算ペナルティ
    FIAのスチュワードは、ニコ・ヒュルケンベルグに対し5秒加算ペナルティを科したことを発表した。

    対象となったのはオープニングラップのターン9(コプス・コーナー)での場面だ。ヒュルケンベルグはハースのエステバン・オコンの攻撃を防御する際、通常より高い速度でコーナーへ進入し、コース外へはみ出したままポジションを維持したとして審議対象となった。

    最終的にオコンは翌周に正規のオーバーテイクで前へ出たものの、スチュワードはヒュルケンベルグがコース外走行によって「持続的なアドバンテージ」を得たと判断した。

    スチュワード「接触回避は考慮したが速度超過が主因」
    裁定文では、ヒュルケンベルグがオコンとの接触を避けるためにスペースを残そうとした説明について一定の理解を示した。

    一方で、映像やテレメトリー、無線、オンボード映像などを精査した結果、コースアウトの主な原因は「比較ラップより速すぎる進入速度」にあったと結論付けた。

    スチュワードは次のように説明している。

    「31号車との接触を避けようとした事情は、情状酌量の要素として考慮した。しかし証拠を精査した結果、27号車は過大な速度でコーナーへ進入しており、それがコースアウトの主な原因だった」

    その上で、「27号車はコース外へ出ることで持続的なアドバンテージを得たと判断する。接触回避という事情を考慮し、5秒加算ペナルティを科す」と裁定理由を説明した。

    ボルトレトはスタート性能に不満
    ヒュルケンベルグの降格により、チームメイトのガブリエル・ボルトレトは13位へ順位を上げた。

    しかしボルトレト自身はレース内容に満足しておらず、アウディのスタート性能が今季を通じた課題になっていると指摘した。

    「また同じようなレースになってしまった。オーストリアではまともなスタートができたけど、この週末は一度もいいスタートが決まっていない」

    「1周目で16位か17位まで落ちてしまったし、そこから取り返すのは本当に大変だ」

    「この問題はシーズンを通して続いている傾向だ。簡単ではないことは分かっているけど、解決策を見つけないといけない」

    「毎回スタートで後方へ落ちてしまうと、全員を抜き返せるほどのペース差があるわけではない。こういう部分を改善していかなければならない。引き続き取り組んでいく」

  • 【動画】 2026年F1イギリスGP スプリント ハイライト

    【動画】 2026年F1イギリスGP スプリント ハイライト

    2026年F1イギリスGP スプリントのハイライト動画。17周で争われたスプリントは、キミ・アントネッリ(メルセデス)が8周目にルイス・ハミルトン(フェラーリ)を逆転し、今季初のスプリント優勝を飾った。

    ハミルトンが2位、ランド・ノリス(マクラーレン)が3位に入り、ジョージ・ラッセル、シャルル・ルクレール、マックス・フェルスタッペン、オスカー・ピアストリ、リアム・ローソンまでがポイントを獲得した。

    ポールポジションからスタートしたハミルトンは好スタートを決め、1コーナーでアントネッリを抑えて首位をキープ。後方ではノリスが抜群の蹴り出しで一時2番手まで浮上する一方、3番手スタートのフェルスタッペンは順位を落とし、オープニングラップから激しいポジション争いが繰り広げられた。さらに1周目にはセルジオ・ペレスとフェルナンド・アロンソが接触し、アロンソがスピン。ペレスには後に接触の責任で10秒タイムペナルティが科された。

    レース序盤はハミルトンがクリーンエアを生かしてリードを築いたが、アントネッリは1秒前後の差を保ちながら追走。その後方ではノリス、ラッセル、ルクレール、フェルスタッペンが激しい3位争いを繰り広げたため、先頭の2台は後続を大きく引き離し、優勝争いは実質的にハミルトンとアントネッリの一騎打ちとなった。

    勝負が決したのは8周目だった。ハミルトンは防御のためにバッテリーを使い続けていたのに対し、アントネッリはエネルギーを温存。ウェリントン・ストレートでプレッシャーをかけると、ハンガー・ストレートでオーバーテイクモードを使用してハミルトンを豪快にパスしトップへ浮上した。2026年マシンで重要性を増したエネルギーマネジメントの差が、勝敗を分ける決定的なシーンとなった。

    トップに立ったアントネッリは、その後は安定したペースでレースをコントロール。ハミルトンは懸命に食らいついたものの差を縮めることはできず、アントネッリが2.745秒差をつけてチェッカーを受けた。ノリスはラッセルの追撃を振り切って3位表彰台を獲得し、ラッセルが4位、ルクレールが5位、フェルスタッペンが6位でフィニッシュ。終盤にはローソンがアイザック・ハジャーとの激しい攻防を制して8位を守り切り、最後のポイントを獲得した。今季初めて22台全車が完走したスプリントとなった。

    【関連】
    ・F1イギリスGP スプリント 結果・タイムシート

  • セルジオ・ペレス アロンソとの接触を説明「追い風でブレーキをロック」

    セルジオ・ペレス アロンソとの接触を説明「追い風でブレーキをロック」

    セルジオ・ペレスは、F1イギリスGPスプリントでフェルナンド・アロンソと接触した原因について、ターン3で強い追い風の影響を受けてブレーキングを誤ったためだと説明した。

    キャデラックのペレスはこの接触で10秒ペナルティを科され、フロントウイング交換も余儀なくされた。一方、スピンを喫したアロンソはマシンに大きなダメージはなく、レースを続行して20位でフィニッシュした。

    ターン3で発生した唯一の接触事故
    F1イギリスGPのスプリントで唯一大きなアクシデントとなったのが、セルジオ・ペレスとフェルナンド・アロンソの接触だった。

    スタート直後、ペレスはターン3でアロンソへのオーバーテイクを試みたが、ブレーキングでタイヤをロック。そのままアロンソのマシンに接触し、アロンソはスピンを喫した。

    このインシデントについて審議したスチュワードは、ペレスに責任があると判断し、10秒のタイムペナルティを科した。

    ペレス「追い風でブレーキをロックした」
    ペレスはレース後、事故の原因としてターン3の強い追い風を挙げた。

    「ターン3でフェルナンドを抜こうとしていた。あそこはかなり強い追い風が吹いていて、ブレーキを踏んだ瞬間にタイヤをロックさせてしまい、少し接触してしまった」

    ペレスは、このミスによって自身のレースも大きく損なわれたと振り返った。

    「フェルナンドは数秒失っただけだったけど、僕はフロントウイングを壊してしまった。ピットインして交換しなければならなかったし、そのうえ10秒ペナルティも受けた」

    アロンソはダメージなくレースを続行
    一方のアロンソはスピンこそ喫したものの、アストンマーティンのマシンに大きな損傷はなく、そのままレースを続行した。

    アロンソは20台中唯一ソフトタイヤでスタートする戦略を選択しており、スピン後も最後まで走り切った。最終的には、フロントウイング交換を行ったペレスを上回る20位でフィニッシュした。

    アストンマーティンは依然として後方グループで苦戦しているが、現状ではキャデラックとの争いが続いており、チームはモナコGPでアロンソが獲得した1ポイントを足掛かりに巻き返しを目指している。

  • ステファノ・ドメニカリ シルバーストンでのF1イギリスGP「永久開催」に前向き

    ステファノ・ドメニカリ シルバーストンでのF1イギリスGP「永久開催」に前向き

    F1の最高経営責任者(CEO)であるステファノ・ドメニカリは、イギリスGPの開催地シルバーストンについて、2034年までの現行契約を超えて開催を継続する意向を示した。「永遠に開催する」という構想についても協議に応じる姿勢を明らかにしている。

    現在、シルバーストンは2024年に締結した10年契約により、2034年までF1イギリスGPの開催が保証されている。しかしドメニカリは、さらに長期的な関係構築に前向きな考えを示した。

    シルバーストンは「永遠にカレンダーにあるべき」
    英紙『Daily Mail』の取材で、「シルバーストンを永遠に開催し続ける契約を結ぶ考えはあるか」と問われたドメニカリは、その可能性を否定しなかった。

    「もちろん、その話し合いには応じる用意がある」

    「必要なのは、腰を据えて双方にとって適切な条件を見つけることだけだ。シルバーストンはF1カレンダーにふさわしいサーキットだ」

    「ここは永遠に開催されるべき場所だ」

    この発言は、F1が世界各地へ開催地を拡大する一方で、歴史あるグランプリの価値も重視していることを改めて示すものとなった。

    英国で代替できるサーキットは存在しない
    ドメニカリは、現時点でイギリス国内にシルバーストンの代わりを務められるサーキットは存在しないとの認識も示した。

    「イギリスには、ブランドハッチでもドニントンでも、現在のF1を開催するために必要な収容能力を持つ場所はない」

    「F1はそれほど大きなイベントになっている」

    F1人気の拡大に伴い、施設規模や観客受け入れ能力が開催地選定の重要な条件になっていることを強調した。

    56万人超が来場予定 歴史だけではなく進化も評価
    今週末のF1イギリスGPには、4日間で過去最多となる約56万5,000人が来場し、決勝日だけでも約17万5,000人が訪れる見込みとなっている。

    ドメニカリは、これだけの観客を受け入れる運営体制についても高く評価した。

    「これだけ多くの人が来場する中で、物流面の問題を最小限に抑える素晴らしい仕事をしている。これはうれしい悩みだ」

    さらに、シルバーストンが伝統に甘んじることなく進化を続けている点を称賛した。

    「歴史に頼るだけではいけない。しかし彼らはここ数年、ファンに最高の体験を提供する必要性をしっかり理解し、それを実践してきた」

    「モータースポーツへの情熱を最も強く感じられる場所の一つだ」

    「どこの国の人であっても、ここに来れば鳥肌が立つはずだ」

    F1は近年、新たな開催地の開拓を積極的に進める一方で、シルバーストンやモンツァ、モナコといった伝統あるグランプリの価値も重視する姿勢を示している。ドメニカリの発言は、シルバーストンが2034年以降もF1カレンダーに残る可能性を強く示唆するものとなった。

  • キミ・アントネッリ F1イギリスGPでスプリント初優勝 ハミルトンを逆転

    キミ・アントネッリ F1イギリスGPでスプリント初優勝 ハミルトンを逆転

    2026年F1第9戦イギリスGPのスプリントは、17周にわたる激しい攻防の末、キミ・アントネッリ(メルセデス)が優勝を飾った。

    ポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトン(フェラーリ)は序盤をリードしたものの、メルセデスの優れたレースペースの前に逆転を許して2位。ランド・ノリス(マクラーレン)は6番手から3位まで追い上げ、表彰台を獲得した。

    シルバーストンには15万人を超える観客が詰めかけ、母国優勝を目指すハミルトンへ大声援を送った。しかし、勝敗を分けたのは2026年マシンの重要な武器となっているエネルギーマネジメントだった。アントネッリが冷静にチャンスを待ち、メルセデスの強力なレースペースを生かして今季初のスプリント勝利を手にした。

    ハミルトンが好スタートもノリスが一時2番手へ
    ポールポジションのハミルトンは好スタートを決め、1コーナーでアントネッリを抑えて首位をキープした。

    その背後ではマクラーレン勢が抜群の蹴り出しを見せ、ノリスは一時2番手まで浮上。アントネッリはバッテリーを回復させるとすぐに順位を奪い返し、さらにラッセルやフェルスタッペンも加わる激しい順位争いが展開された。

    一方、フェルスタッペンはスタートで大きくポジションを落とし、3番手から7番手まで後退。オープニングラップではフェルナンド・アロンソとセルジオ・ペレスが接触し、アロンソがスピンを喫した。ペレスはフロントウイング交換を余儀なくされ、その後この接触の責任を問われ10秒タイムペナルティを科された。

    先頭2台だけが別次元のペース
    序盤、ハミルトンはクリーンエアを生かしてリードを築き、4周目にはアントネッリとの差を1秒以上に広げることに成功した。

    しかし、その後方ではノリス、ラッセル、フェルスタッペン、シャルル・ルクレールによる激しい3位争いが続き、互いにバトルを繰り返したことでペースは上がらない。

    その間にハミルトンとアントネッリは後続との差を6~7秒まで広げ、事実上優勝争いはこの2台だけの一騎打ちとなった。

    勝負を決めたエネルギーマネジメント
    5周目以降になるとアントネッリは一気にハミルトンとの差を縮め始める。

    ハミルトンはターン6までの区間でメルセデスの速さを警戒し、防御のためにバッテリーを積極的に使用。一方のアントネッリはエネルギーを温存しながらプレッシャーをかけ続けた。

    そして8周目、ウェリントン・ストレートで揺さぶりをかけたアントネッリに対し、ハミルトンは再びバッテリーを消費して防御。その結果、ハンガー・ストレートではエネルギー残量の差が決定的となり、アントネッリはオーバーテイクモードを使用して鮮やかにトップを奪取した。

    2026年レギュレーションで重要性が増したエネルギーマネジメントの差が、勝敗を分ける象徴的なオーバーテイクとなった。

    3位争いは最後まで白熱
    トップに立ったアントネッリがリードを広げる一方で、3位以下では最後まで接近戦が続いた。

    ラッセルはフェルスタッペンを攻略するもすぐに抜き返され、その争いにルクレールも加わる三つ巴のバトルとなる。11周目にはルクレールがフェルスタッペンを抜いて5位へ浮上し、ノリスはその間に3位を確保した。

    終盤にはラッセルがノリスへ迫ったものの、ノリスは冷静にポジションを守り切ってチェッカーを受けた。

    後方ではリアム・ローソンがガスリーを攻略して8位へ浮上。終盤はソフトタイヤの摩耗に苦しみながらも、追い上げるアイザック・ハジャーを抑え続けた。16周目にはストウで激しい攻防となり、ローソンのディフェンスはブレーキング中の進路変更として審議対象となったが、0.7秒差で最後のポイントを守り抜いた。

    アントネッリが完勝 ハミルトンは母国2位
    トップに立ったアントネッリはその後も安定したペースで周回を重ね、一時ハミルトンが差を縮める場面はあったものの危なげないレース運びを披露。最終的には2.745秒差を築いてチェッカーを受け、今季初のスプリント優勝を飾った。

    ハミルトンは母国ファンの期待に応える走りを見せたものの、メルセデスのレースペースには及ばず2位。それでもフェラーリの競争力を十分に示す結果となった。

    ノリスは6番手スタートから3位表彰台を獲得。ラッセルが4位、ルクレールが5位、フェルスタッペンはスタートの失敗が響いて6位、ピアストリが7位、ローソンが8位でポイントを獲得した。ルーキーのアービッド・リンドブラッドは10位でフィニッシュし、今季初めて22台全車が完走したレースとなった。

    F1 イギリスグランプリ スプリント アンドレア・キミ・アントネッリ

    アントネッリ「チャンスが来ると分かっていた」
    優勝したアントネッリは、ハミルトンとの攻防を振り返り、勝負どころを見極めていたと明かした。

    「ルイスとの最初の10周は本当に楽しかった。お互い限界までプッシュしていた」

    「オーバーテイクモードが使えるようになった時、『チャンスが来た』と思った。ストウで持っているものをすべて使って抜きにいった」

    さらにライバルへの警戒も口にした。

    「気を緩めるわけにはいかない。ルイスとフェラーリは素晴らしい仕事をしているし、レッドブルとマクラーレンも迫ってきている。ジョージもとても速い。だから僕たちはさらにレベルを上げ続けなければならない」

    ハミルトン「すべてを出し切った」
    2位のハミルトンは、母国の大観衆へ感謝するとともに、メルセデスの速さを認めた。

    「ここに来てくれたみんな、本当にありがとう。観客は最高だった」

    「今日は風が強くて、メルセデスを抑え続けるのは本当に難しかった。僕はできる限りプッシュしたし、本当にすべてを出し切った」

    逆転を許した場面については次のように語っている。

    「彼らはターン6までが特に速かったから、そこでブーストを使わなければならなかった。アントネッリがオーバーテイクモードを使えるようになった時点で、もう抑え切れないと分かっていた」

    ノリス「明日も同じ走りをしたい」
    6番手から3位まで追い上げたノリスは、スタートとレースペースに手応えを感じていた。

    「とても良いスプリントだった。本当に満足している。ペースも良かったし、1周目もうまく決まった」

    「明日もまた同じようなレースができればいいね」

    一方で終盤は燃料セーブを指示されたことでラッセルに接近を許し、チームラジオでは「どうしていつもうまくいかないんだ?」と不満を漏らす場面もあった。

    アントネッリが制した今回のスプリントは、メルセデスの優れたレースペースとエネルギーマネジメントの強さを印象付ける一戦となった。一方でフェラーリもハミルトンを中心に優勝を争える速さを示し、マクラーレンもロングラン性能の高さを証明。決勝ではメルセデス、フェラーリ、マクラーレン、レッドブル・レーシングによる激しい優勝争いが期待される。

    【関連】
    ・F1イギリスGP スプリント 結果・タイムシート

  • F1イギリスGP スプリント 結果・タイムシート:アントネッリ優勝

    F1イギリスGP スプリント 結果・タイムシート:アントネッリ優勝

    2026年F1イギリスGP スプリントの結果・タイムシート。7月4日(土)にシルバーストン・サーキットで2026年のF1世界選手権 第9戦 イギリスグランプリのスプリントレースが行われた。

    優勝はアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)。2位にルイス・ハミルトン(フェラーリ)、3位にランド・ノリス(マクラーレン)が続いた。アストンマーティン・ホンダはフェルナンド・アロンソが20位、ランス・ストロールが21位だった。

    ■ アントネッリが逆転でスプリント初優勝
    スプリントは2番グリッドのキミ・アントネッリが終盤にルイス・ハミルトンをオーバーテイクし、そのままリードを広げて優勝。今季ランキング首位のアントネッリが、メルセデスに今季のスプリント勝利をもたらした。

    ■ ハミルトンは序盤を支配も終盤に屈する
    ポールポジションのルイス・ハミルトンは好スタートを決めてレースをリード。序盤には1秒以上のリードを築いたが、バッテリー使用の影響もあり8周目にアントネッリの先行を許し、母国でのスプリント勝利にはあと一歩届かなかった。

    ■ ノリスが激しい攻防を制して3位表彰台
    ランド・ノリスはスタート直後から激しい順位争いを展開。ジョージ・ラッセルやマックス・フェルスタッペンとのバトルを制し、最終的に3位を獲得してマクラーレンに表彰台をもたらした。

    ■ ラッセル フェルスタッペン ルクレールが接戦
    4位争いではラッセル、フェルスタッペン、シャルル・ルクレールが周回ごとに順位を争う激戦を展開。終盤にはルクレールがフェルスタッペンを攻略し、ラッセル4位、ルクレール5位、フェルスタッペン6位でチェッカーを受けた。

    ■ ピアストリとローソンがポイント獲得
    オスカー・ピアストリはスタートで順位を落としたものの7位でフィニッシュ。リアム・ローソンはソフトタイヤ戦略で終盤まで8位を守り切り、最後のポイントを獲得した。一方、アイザック・ハジャーは猛追したものの届かなかった。

    ■ ローソンの防御に審議
    終盤、ハジャーがローソンに仕掛けた際、ローソンがブレーキング中にラインを変更したとして記録係に記録された。フィニッシュ時点では8位だったが、レース後の審議結果が注目された。

    ■ スタート直後は各所で激しい順位争い
    オープニングラップではハミルトンが首位を守る一方、ノリス、ラッセル、フェルスタッペンが目まぐるしく順位を入れ替えた。マクラーレン勢は好スタートを決めたものの、その後はメルセデス勢やフェルスタッペンとの攻防で順位を落とした。

    ■ ペレスに10秒加算 アロンソは接触でスピン
    セルジオ・ペレスはフェルナンド・アロンソとの接触でフロントウイングを破損しピットイン。その後、この接触の責任を問われ10秒タイムペナルティを科された。アロンソはターン3でスピンを喫し、大きく順位を落とした。

    ■ レーシングブルズは中団トップ維持
    レーシングブルズはローソンとアービッド・リンドブラッドがポイント圏を争う位置を維持。最終的にローソンが8位入賞を果たし、中団勢の中では今回も存在感を示した。

    F1イギリスGP スプリント 結果・タイムシート

    順位 No ドライバー チーム GAP INT POS PIT
    1 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス ― ― ↑ 1 0
    2 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ +2.745 +2.745 ↓ 1 0
    3 4 ランド・ノリス マクラーレン +9.783 +7.038 ↑ 3 0
    4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス +10.639 +0.856 ↑ 1 0
    5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ +12.620 +1.981 ↓ 1 0
    6 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル +16.550 +3.930 ↓ 3 0
    7 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン +17.551 +1.001 - 0 0
    8 30 リアム・ローソン レーシングブルズ +30.233 +12.682 ↑ 1 0
    9 6 アイザック・ハジャー レーシングブルズ +30.953 +0.720 ↓ 1 0
    10 41 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ +35.110 +4.157 - 0 0
    11 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ +40.273 +5.163 - 0 0
    12 43 フランコ・コラピント アルピーヌ +41.026 +0.753 ↑ 2 0
    13 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ +41.680 +0.654 - 0 0
    14 98 ガブリエル・ボルトレト アウディ +42.499 +0.819 ↓ 2 0
    15 87 オリバー・ベアマン ハース +45.784 +3.285 ↑ 1 0
    16 31 エステバン・オコン ハース +49.810 +4.026 ↑ 1 0
    17 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ +50.379 +0.569 ↓ 2 0
    18 23 アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ +50.757 +0.378 ↑ 4 0
    19 77 バルテリ・ボッタス キャデラック +75.117 +24.360 - 0 0
    20 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン +91.872 +16.755 - 0 0
    21 18 ランス・ストロール アストンマーティン 1L +28.424 - 0 1
    22 11 セルジオ・ペレス キャデラック 1L +11.289 ↓ 4 1

    【レポート】
    ・キミ・アントネッリ F1イギリスGPでスプリント初優勝 ハミルトンを逆転

  • F1イギリスGP初日 ピレリ総括「ソフトも有力な選択肢」

    F1イギリスGP初日 ピレリ総括「ソフトも有力な選択肢」

    ルイス・ハミルトンがF1イギリスGPのスプリント予選でポールポジションを獲得し、母国ファンを大いに沸かせた。フェラーリのハミルトンは唯一のフリー走行に続いてスプリント予選でも最速タイムを記録し、好調な週末のスタートを切った。

    ピレリは初日のタイヤ挙動について「事前の想定どおり」と評価。ソフトタイヤも十分に競争力を示しており、土曜日のスプリントではタイヤ選択が見どころのひとつになりそうだ。

    ハミルトンが母国シルバーストンでスプリントPP
    ルイス・ハミルトンは1分28秒376を記録し、メルセデスのキミ・アントネッリを0.011秒差で抑えてスプリントポールを獲得した。3番手にはマックス・フェルスタッペンが続いた。

    ハミルトンはこの日、唯一のフリー走行でもトップタイムを記録しており、C1(ハード)、C2(ミディアム)、C3(ソフト)の3種類すべてで最速タイムをマークする圧倒的な速さを見せた。

    予選は規定どおりタイヤを使用
    スプリント予選ではレギュレーションに従い、SQ1ではミディアムタイヤ1セット目、SQ2ではミディアムタイヤ2セット目、SQ3ではソフトタイヤを使用した。

    SQ3へ進出した10人のドライバーは全員がソフトタイヤで3周のアタックランを実施し、最後のタイムアタックに臨んだ。

    フリー走行でもフェラーリが好調
    ハミルトンはフリー走行でも1分29秒260を記録してトップタイムをマークした。

    このセッションではまずハードタイヤで合計21周を3回のランに分けて走行し、セッション終盤には再びC1タイヤで周回を重ねた。

    2番手はキミ・アントネッリ、3番手はフェラーリのシャルル・ルクレールだった。

    イギリスグランプリ タイヤ

    ピレリ「タイヤの挙動は想定どおり」
    ピレリのモータースポーツディレクター、ダリオ・マラフスキは、初日のタイヤパフォーマンスについて次のように総括した。

    「シルバーストンでの週末は、タイヤに関しては事前の予想どおりのスタートとなった。一方で、地元ファンにとってはイギリス人ドライバーがスプリントポールを獲得するという嬉しいサプライズになった」

    「唯一のフリー走行前半では、シルバーストンでは初使用となるC1タイヤの特性を各チームが確認した。C2とC3については主にパフォーマンスランで使用され、週末に向けた有益なデータを収集できた」

    ソフトタイヤも有力候補に浮上
    マラフスキは、タイヤの摩耗と性能差についても説明した。

    「今日の2つのセッションでは、デグラデーションは想定どおりだった。燃料搭載量が同じ条件で比較した場合、ミディアムとソフトの初期性能差は約0.4秒で、シミュレーションより約0.1秒小さい値となった」

    「現時点ではソフトタイヤも十分に競争力があり、特にグリッド後方からスタートするドライバーにとっては、スプリントで有力な選択肢になる可能性がある。どのコンパウンドが実際に使われるのか注目している」

    初日の走行では気温は約25℃、路面温度はフリー走行中に42℃まで上昇した。土曜日と決勝日の日曜日も同様のコンディションが予想されており、各チームはタイヤマネジメントを含めた戦略面でも重要な判断を迫られることになりそうだ。