カテゴリー: F1イギリスGP

  • F1イギリスGP フリー走行1回目 結果・タイムシート:ハミルトン最速

    F1イギリスGP フリー走行1回目 結果・タイムシート:ハミルトン最速

    2026年F1イギリスGP フリー走行1回目の結果・タイムシート。7月3日(金)にシルバーストン・サーキットで2026年のF1世界選手権 第9戦 イギリスグランプリのフリープラクティスが行われた。

    トップタイムを記録したのはルイス・ハミルトン(フェラーリ)。2番手にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、3番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。アストンマーティン・ホンダはフェルナンド・アロンソが20番手、ランス・ストロールが22番手だった。

    ■ ハミルトンが母国シルバーストンで最速発進
    ルイス・ハミルトンが終盤のソフトタイヤで1分29秒265を記録し、母国イギリスGP最初のセッションをトップで締めくくった。高速コーナーで安定した走りを披露し、シルバーストン通算10勝目を目指す週末へ向けて好スタートを切った。

    ■ アントネッリが2番手 メルセデスは優勝候補の速さ
    アンドレア・キミ・アントネッリは一時トップタイムを記録するなど、FP1を通じて高いパフォーマンスを披露。ジョージ・ラッセルも4番手につけ、開幕から圧倒的な強さを見せているメルセデスが今週末も有力候補であることを印象づけた。

    ■ フェラーリ好調 ルクレールもトップ3入り
    シャルル・ルクレールが3番手に入り、フェラーリはハミルトンとのダブルトップ3を達成。シルバーストンは苦戦も予想されていたが、予選シミュレーションでは高い競争力を示し、スプリント予選に向けて期待を抱かせる内容となった。

    ■ マクラーレンは改善途上 ピアストリはスピン
    マクラーレンはセットアップに苦戦しながら走行を続け、ランド・ノリスは7番手。オスカー・ピアストリはベケッツでリヤを失ってスピンを喫したものの、マシンに大きなダメージはなく走行を再開した。チームはセッション中もセットアップ変更を重ね、改善を進めていた。

    ■ スプリント週末ならではの限られた準備時間
    シルバーストンはスプリントフォーマットのため、FP1が唯一のフリー走行となる。各チームは序盤にハードタイヤでロングランとセットアップ確認を行い、終盤はソフトタイヤで予選シミュレーションを実施。限られた60分でレースと予選の両方に向けたデータ収集を進めた。

    ■ ローソンとヒュルケンベルグが接触寸前
    リアム・ローソンのアタックラップ中、ピットアウトしたニコ・ヒュルケンベルグと接近する場面が発生。ローソンは無線で強い不満を訴え、スチュワードもこのインシデントを記録した。スプリント週末らしく、FP1から各車が激しい駆け引きを見せた。

    ■ ガスリーはアルピーヌの挙動に不満
    ピエール・ガスリーは無線で「マシンの挙動が予測できず気に入らない」と報告。アルピーヌはシルバーストンとの相性に期待しているものの、FP1では理想的なセットアップを見つけられず、調整に追われる展開となった。

    ■ 各チームがアップデートを評価
    ウィリアムズは新型フロントウイングを新旧仕様で比較テスト。マクラーレンとフェラーリはブレーキダクト、レーシングブルズとハースも細かな空力アップデートを投入し、短い走行時間の中でスプリント予選へ向けた評価作業を進めた。

    F1イギリスGP フリー走行1回目 結果・タイムシート

    順位 No ドライバー チーム タイム GAP LAP
    1 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1分29秒260   31
    2 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1分29秒473 0.213 29
    3 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1分29秒859 0.599 31
    4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1分29秒938 0.678 31
    5 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン 1分30秒147 0.887 25
    6 3 マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング 1分30秒240 0.980 27
    7 1 ランド・ノリス マクラーレン 1分30秒288 1.028 27
    8 6 アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング 1分30秒338 1.078 27
    9 27 ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ 1分30秒743 1.483 28
    10 30 リアム・ローソン レーシングブルズ 1分30秒850 1.590 28
    11 43 フランコ・コラピント アルピーヌ 1分30秒966 1.706 28
    12 98 ガブリエル・ボルトレト アウディ 1分31秒035 1.775 28
    13 41 アービッド・リンドブラッド レーシングブルズ 1分31秒339 2.079 31
    14 87 オリバー・ベアマン ハース 1分31秒373 2.113 27
    15 55 カルロス・サインツJr. ウィリアムズ 1分31秒684 2.424 33
    16 31 エステバン・オコン ハース 1分31秒684 2.424 27
    17 23 アレクサンダー・アルボン ウィリアムズ 1分31秒697 2.437 30
    18 77 バルテリ・ボッタス キャデラック 1分32秒150 2.890 22
    19 11 セルジオ・ペレス キャデラック 1分32秒241 2.981 23
    20 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーティン 1分32秒957 3.697 25
    21 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ 1分33秒019 3.759 25
    22 18 ランス・ストロール アストンマーティン 1分33秒130 3.870 25

    イギリスグランプリ フリー走行1回目

    【レポート】
    ・ルイス・ハミルトン 母国F1イギリスGPでFP1最速 フェラーリが好発進

  • F1イギリスGP 記者会見 PART2:母国GPへの思いやパワーデプロイメント問題

    F1イギリスGP 記者会見 PART2:母国GPへの思いやパワーデプロイメント問題

    2026年F1第9戦イギリスGPのFIA公式記者会見後半には、アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)、バルテリ・ボッタス(キャデラック)が出席した。

    会見では、ハミルトンがフェラーリで迎える母国グランプリへの思いやシルバーストンでのパワーデプロイメント問題、リンドブラッドの初のF1イギリスGP、ボッタスが語るキャデラックの課題などについて語られた。

    Q:ルイス、まずはあなたから。20年目ということで、かなり深い歴史がありますね。

    ルイス・ハミルトン: 今年で20年目だよね? 誰かにそう言われたんだけど、2007年にここで初めてポールポジションを獲って以来、本当に長い時間をかけて積み重なってきたものがある。ここへ来ると本当に素晴らしいんだ。今週末は過去最大の観客数になると聞いている。英国人にとって、この国を代表してここで走れるのは光栄なことだし、スポーツ全体も盛り上がっている。ウィンブルドンも開催されているし、ワールドカップもある。昨日はイングランドが勝ったし、それも良かったね。

    Q:ルイス、パフォーマンスについて聞かせてください。数戦前のスペインでは素晴らしい勝利がありましたが、オーストリアについては「現実を突きつけられた」と話していました。オーストリアで見えた現実とは何だったのでしょうか?

    ハミルトン: その前には素晴らしいパフォーマンスもあった。でも決勝を見れば分かったように、僕たちはかなりのタイムを失っている。ストレートだけで4テンポくらい失っていると思う。それをコーナーで取り返すのは難しい。基本的には素晴らしいマシンだと思っているけど、今は自分たちにできることを最大化し、良い結果を出し、できるだけ多くのポイントを稼ぎながら差を縮めていくしかない。

    Q:今週末についてはどうでしょう。ここは高速コーナーが多く、オーストリアよりもバルセロナに近い特性です。少し自信を持って臨めますか?

    ハミルトン: 自信がないわけではない。ただ、ここには長いストレートがある。今週末はパワーデプロイメントという意味で前例のない週末になると思う。ドライバー同士のチャットでも話しているけど、このサーキットではパワーがかなり厳しくなる。バッテリーの電力を使い切ってしまうんだ。エンジンを充電できるコーナーが少ししかないから、ラップのかなり大きな部分でKがオフになる。そこで僕たちはおそらく最も苦しむ。差は2倍くらい大きくなるかもしれない。

    Q:アービッド、あなたに伺います。今、ルイスとシルバーストンの絆について聞きました。あなたにとっては初めてのF1イギリスGPです。この4日間をどれほど楽しみにしていますか?

    アービッド・リンドブラッド: 本当にすごく楽しみにしている。僕にとって特別な瞬間になると思う。2013年にここへ来たことを覚えているんだ。5歳のときで、父と一緒にマゴッツとベケッツに座っていた。マシンが目の前を通り過ぎるのを見ながら、このスポーツを好きになり始めていて、父に「いつかあそこに行けるの? 僕にもできるの?」と聞いていた。そこから13年後にF1ドライバーとしてここへ戻ってくるのは、本当に特別なことだ。

    Q:レーシングブルズの競争力についてはどう見ていますか? ここ3戦で2台入賞が続いていますが、ここで何を達成できると考えていますか?

    リンドブラッド: かなり自信はある。チームはここ数戦でアップグレードを投入し、マシンにパフォーマンスを加える素晴らしい仕事をしてくれた。少し前のマイアミではQ1突破も簡単ではなかったけれど、ここ数週間でマシンがどれだけ強くなったかを示せている。今週もそれが続いてくれればいいね。ルイスが触れたように、デプロイメントが予選や決勝でどうなるかは見てみる必要がある。でもこれまでのところ、僕たちはストレートでもそこそこ良かったから、うまくいくことを期待している。

    Q:バルテリ、あなたに伺います。母国レースではありませんが、シルバーストンでは4度表彰台に上がっています。この場所の思い出と、ここへ来るとどんな気持ちになるのか教えてください。

    バルテリ・ボッタス: ここの表彰台は本当に壮大だから、何度かそこに立てたのはすごく幸運だった。それに、ここは走っていて楽しいサーキットだし、週末全体も楽しい。グランプリというより、ほとんどフェスティバルのような雰囲気がある。たくさんの人が楽しんでいて、英国人ドライバーだけでなく全体に良い応援がある。エネルギーがすごくいいんだ。だからここへ来るのはいつも大好きだよ。

    Q:キャデラックについてはどうでしょう。オーストリアは厳しい週末になりました。先週末に起きた問題の原因は克服できたと自信を持っていますか?

    ボッタス: ここではブレーキ冷却にいくつか変更を加えた。ただ、このコースはブレーキへの負荷がかなり低いから、ここでは大丈夫なはずだ。もちろん次の暑いレースに向けて準備は必要だし、ブダペストは厄介になる可能性がある。直近2戦を完走できていないのは大きな問題だった。でもチームは解決のために全力で取り組んでいるし、僕自身は前に進むだけだ。

    Q:先週末は望んでいたほど走れませんでしたが、投入したアップグレードパッケージはここシルバーストンでもラップタイム向上につながると思いますか?

    ボッタス: 間違いなく効果はあると思う。決勝では2周しか走れなかったから、レースペースについては何も言えなかった。ここはまったく違うタイプのサーキットだから見てみる必要はあるけれど、これまで両方のマシンに投入してきた小さなアップグレードはすべて助けになっている。だから今回も同じはずだ。

    フロアからの質問

    Q:ルイスへ。先日、金色のトロフィーを見ました。そこにはあなたの名前が9回刻まれています。フェラーリで10回目を獲ることができたら、どんな意味がありますか? また、チームはこのサーキットで勝つために、あなたの経験を特に頼りにしていますか?

    ハミルトン: エンジニアたちは「どうやって勝ってきたのか」「何をしていたのか」「普段どういうマシンの使い方をしていたのか」と聞いてきた。だから、彼らを正しい方向へ導けていればいいと思っている。ただ、明日はフリー走行が1回しかないから、週末を通して難しいチャレンジになる。トロフィーのことは考えていない。どのドライバーも実際にはそこを考えているわけではないと思う。考えるのは、週末を通して最高の仕事をすること、正しいエネルギーを持ち込むこと、そしてファンから受け取る素晴らしいエネルギーを吸収することだ。ナイジェルが一番うまく言っていたと思うけど、母国の地ではファンのエネルギーから少し余分なスピードをもらえる。だから、それが僕たちを後押しして、前にいる彼らとの差を縮める助けになってくれればと思っている。

    Q:ルイスとアービッドへ。母国レースとして、ファンの応援はどれほど力になりますか? それは後押しになりますか、それとも今週末に良い結果を出さなければならないという少し余計なプレッシャーになりますか?

    リンドブラッド: 僕にとっては初めての経験だから、今の時点でコメントするのは難しい。でも、みんなが言っているように、シルバーストンのファンは本当に素晴らしい。観客数も過去最高になると聞いている。僕自身、F2やF3で走っていたときもいつも素晴らしかった。ストレートを走っているとユニオンジャックが見えるし、スタンドだけでなく芝生のエリアまでファンでいっぱいになっている。本当にすごい光景だよ。少しは自分を後押ししてくれると思う。今のところプレッシャーは感じていない。夢を生きていることを楽しんでいるし、それは今週末も変わらないと思う。

    ハミルトン: プレッシャーではないよ。彼らが背中を押してくれるような感覚だ。励みになるし、経験として本当に信じられないものだ。サーキットを走っているときに旗が見えて、応援してくれている人たちが見える。その気持ちは言葉ではなかなか表せない。ここは、遠くにいるファンの姿も見えるサーキットのひとつなんだ。ストウへ向かうストレートやターン7を回るときに、ずっと並んで応援してくれている姿が見える。

    Q:アービッドへ。13年前にベケッツでF1にいる自分を夢見ていたと話していました。今、ルイスの隣に座っていますが、彼が成し遂げたことを自分も達成したいと夢見たことはありますか? それをどう感じていますか?

    リンドブラッド: 僕たちはみんな7度のワールドチャンピオンになりたいと思っているはずだよ。マゴッツとベケッツに座っていたのはかなり昔のことだから、今こうして自分がここにいるだけでもすごく特別だ。でも、このスポーツで多くのことを成し遂げたいとはずっと夢見てきた。どうなるかはこれからだね。結局のところ、今年はルーキーイヤーで、学ぶことも改善すべきこともたくさんある。今はそこに集中している。でももちろん良い結果を出したいし、ワールドチャンピオンを獲ることは夢の一部だ。

    Q:日曜日にはレゴカーが戻ってきます。アービッドとバルテリは昨年のマイアミでは運転していませんが、3人に聞きます。レゴカーレースで勝つ鍵は何でしょうか? タイヤ、グリップ、それともブロックのデプロイメントですか?

    ボッタス: 実はすごく楽しみにしているんだ。去年のマイアミでは参加していなくて、見ていたんだけど、本当に楽しそうだった。全員が時速25kmに制限されているから、鍵になるのは距離を節約することだと思う。だから僕の戦略は距離を節約すること、それからスリップストリームを使うことだね。

    リンドブラッド: 僕もレゴカーを運転すると聞いたときはすごく楽しみになった。僕にとって、このレースは勝つことが目的ではないと思う。ただ楽しんで、最大限に壊すことだね。

    ハミルトン: 週末で一番危険な部分だよ(笑)。前回はシャルルに運転を任せたんだけど、みんながぶつかり合っているのを見るのが本当に面白かった。だから今年、僕がレゴカーに乗るかどうかは分からない。

    Q:ルイスへ。あなたはここを何度も走り、何度も勝ってきました。先ほど、今週末はパワーデプロイメントやエンジン面でドライバーが直面する課題について話していましたが、それによって、あなたがよく知っているコーナーでの感覚やレース全体の体験はどれくらい変わるのでしょうか?

    ハミルトン: 正直、かなり大きいと思う。速度のトレースを見ると、コプスに入るところでデプロイメントを失い始めている。普通ならコプスへ向かうときはエンジンが叫ぶように回っていて、全開で通過しながら必死にマシンを押さえ込む。でも今年は、おそらくエンジンが惰性で落ちていくような感じになる。全開のまま7速から8速へシフトダウンして、エンジン回転数を高く保とうとすることになる。そしてターン9から10にかけては、基本的にデプロイメントなしの長いストレートになる。マゴッツとベケッツも同じ感覚にはならない。たぶん、あの区間でもしばらくリフト・アンド・コーストのようなことをしなければならないと思う。だから、まったく違うサーキットになる。もちろん明日になれば分かる。パワーに制限されない区間では、まだ楽しめる部分もあるはずだ。でも、このサーキットで一番良い部分はマゴッツ、ベケッツ、コプス、ストウで、まさにその場所でパワーが落ちていく。来年に向けて修正できるものなら、そうしてほしいね。

    Q:今年は良いマシンを手にして、明らかに昨年よりも楽しめているように見えます。非常に難しかった昨年からの好転において、最も重要だった要素を説明してもらえますか?

    ハミルトン: ひとつは、自分が開発に深く関わったマシンであることだ。たとえばフロントサスペンションには、昨年僕が求めていた要素が入っている。シミュレーター用に作ってもらい、それをテストしていたものだ。今年はようやく自分が求めていたブレーキも手に入った。そこも大きく求めてきた部分だった。自分のチーム内でエンジニアも変わり、組織全体とのつながり方も見直した。そして上層部とも改めて方向性を合わせ、同じ道を進み、敵ではなく味方であることを確認した。今はずっと良い状態にあり、一体感を持って前に進めている。昨年は毎週末が本当に厳しかった。そうなると自然と、人はあまり耳を傾けてくれなくなる。「なぜこの結果の人の話を聞く必要があるのか」という感じになるからね。その信頼を築くには長い時間がかかった。でも今は信頼があると思うし、僕が求めたことは実行されるようになっている。もちろん双方向の関係だ。互いを前へ押し出し、ようやく協力関係ができた。それが一番重要なことだと思う。

    Q:ルイスへ。今年のシルバーストンで多くの人が恋しがっているおなじみの存在といえばロスコーです。彼なしで初めてシルバーストンへ戻ってくるのは、かなり感情的なことだと思います。彼は本当に心の支えのような存在でしたし、ペットを失うのはとてもつらいことです。今はどのように感じていますか?

    関連:ルイス・ハミルトン 愛犬ロスコー亡き初のF1イギリスGP「毎日恋しい」

    Q:先ほどのレゴカーの件についてですが、そのイベントでけがをすることを心配して、参加しない可能性があるのでしょうか? また今週末について、しばらくぶりにシルバーストンで本格的にタイトル争いの中にいる状態で迎えます。それはここでレースをする上で、新たな喜びになっていますか?

    ハミルトン: レゴカーの件については、あまり話すことはない。それは別で話す必要がある。でも、タイトル争いに戻ってきたことについてだったね。昨年の位置から、再び前で戦えるところまで戻ってきたのは、チームとして素晴らしい好転だ。チームのみんなを本当に誇りに思っている。毎週末、新しいパーツを持ち込み、常に進化している。昨年、僕が抱いていた疑問は「革新性はどこにあるのか」ということだった。フェラーリはこのスポーツで最も大きく、最も成功したチームだ。誰もが追いかける存在であるべきだし、みんなが僕たちのマシンや取り組みを見て「同じことをしなければ」と思うべきなんだ。今年はリアウイングでそれが見られたし、エキゾースト周りの要素も今ではほかのチームが採用している。それを見るのは本当に素晴らしいことだった。僕たちには前進するために懸命に働いている素晴らしい人たちがいる。僕が見たいのは、少しずつでも前へ進んでいくことだ。

    Q:ルイスへ。最近、フィオラノでお兄さんと一緒に3シーターのフェラーリに乗る場面がありました。お兄さんは、あなたが走る姿を見るのは誇らしい兄弟としての瞬間だったと話していました。それについての思いを聞かせてください。また、V10フェラーリを初めて運転した感覚はどうでしたか?

    ハミルトン: かなり古いマシンだった。本当に古い3シーターだ。実は昨年それをやる予定だったんだけど、イタリアに着いたところでロスコーのことで電話を受け、そのまま空港へ戻ってロサンゼルスへ飛んだ。その後に何が起きたかは知ってのとおりだ。だから、そのときは実現しなかった。今回は兄を招待した。僕にとっては本当に珍しい経験だった。これまでマシンの中で耳に聞こえてくるのはエンジニアの声だけだった。でも生まれたときから知っている兄と、あれほど近くで経験を共有できた。彼が歩んできたことや、長年僕を支えてくれたことを考えると、彼がすぐ後ろにいて、笑っている声が聞こえ、僕がマシンに乗るたびに感じている感情を彼も体験しているのを感じられたのは、本当に深い瞬間だった。彼は信じられないという感じだった。何年も見てきて、どんなものか想像しようとしていたけど、想像をはるかに超えていたと思う。それは当然だよ。だからまたやるのが待ちきれないし、もう一度彼を乗せたいと思っている。

    Q:ルイスへ。あなたは自分を強く支えてくれるファンに恩返ししたいと自然に思っているはずです。それがここで実現することを望んでいると思いますが、あなたが長く公に話してきたように、彼らは昨年の難しい時期にもあなたを支え続けました。そうしたドライバーとファンの関係という意味で、今年のレースには特別な意味がありますか?

    ハミルトン: 特にそういうわけではない。いつも本当に特別だよ。赤いマシンでここにいることもそうだ。昨年が赤で走る最初の年だったと思うけど、長い間僕を応援してくれている人たちにとっては、メルセデスを応援してきた期間が長かった分、フェラーリへ気持ちを移すのは簡単ではなかったかもしれない。それでも今週末は赤いキャップがもっと増えているといいね。僕は子どものころ、家でミハエルがここを走る姿を見ていた。そのことを考えると、ガレージを出てコースを走り、観客が応援してくれているのを見る瞬間は、今でも頬をつねりたくなるような気持ちになる。自分がここにいること自体、まだ信じられない瞬間がある。それに、フェラーリで走る機会が自分に訪れるなんて思ってもいなかったから、なおさら特別なんだ。

    Q:ルイスへ。オーストリアGP後、トト・ヴォルフはフェラーリがアップグレードに資金を使い、予算が尽きる可能性をかなり懸念していました。これについてどう考えていますか?

    ハミルトン: それはフレッドに聞くべき質問だね。僕はお金の部分には関わっていない。

    Q:ルイスへ。まだ誰もタイトル争いを独走しているわけではありません。キミ・アントネッリが少し抜け出していますが、あなたはスペインでの勝利もあって差を縮めつつあります。今年をタイトル獲得のシーズンにするために、あなた自身は何をしなければならないと考えていますか? また、もしタイトルを獲得できたら驚きですか? 今年チャンピオンになることは現実的だと思いますか?

    ハミルトン: 僕がメルセデスのガレージへ行ってボルトを外す以外にね(笑)。メルセデスは本当に素晴らしいチームだ。今年のパフォーマンスを見れば分かるように、チーム全体が完全に一体となって機能している。その働きぶりを見るのは本当に美しいことだ。今年彼らが持ち込んできたもの、成し遂げてきたことは非常に大きい。だから、彼らとの差を縮めるには誰にとっても相当な努力が必要になると思う。それに前戦ではレッドブル・レーシングも大きく前進した。マックスも間違いなく有力なタイトル候補になるだろうし、パワー面でもメルセデスと互角だから、とても強いはずだ。僕たちとしては、とにかく信じ続けて落ち着いて仕事を続けることが大切だ。毎週末、自分たちが持っているものをすべて引き出し、できればマシン性能以上の結果を持ち帰りたい。そして、ブダペストのように長いストレートがないサーキットでは差は少し縮まると思っている。正直、そういうコースがもっと必要だね。でも、まだ早いよ。キミは依然としてかなり前にいるし、前戦でもさらにポイントを積み重ねた。だからオーストリアは僕たちにとって現実を再認識するレースだったと言ったんだ。でも、終わるまでは終わらない。チーム全員が全力で取り組んでいるし、それ以上は僕も望まないよ。

    Q:アービッドへ。オーストリアGPでのチームオーダーの件について、その後チーム内ではどのような話し合いがありましたか? また、あれほど大きな反響がSNSで起きたのは初めてだったと思いますが、どう受け止めましたか?

    リンドブラッド: 正直、SNSはあまり見ていなかった。そういうものは追いかけていなかったからね。レース後にチームのみんなで話し合いをして、すべて解決した。だから今はもう今週末のレースに集中している。

    Q:ルイスへ。今週末はスプリントフォーマットです。シルバーストンのようなサーキットでエネルギーマネジメントを行ううえで、どれほど難しさが増しますか?

    ハミルトン: とても大きいよ。シミュレーションの重要性がさらに増すし、明日は興味深い一日になると思う。以前はDRSがあったから、各チームが異なるデプロイメント戦略を使っているのが分かったよね。前戦でも、何人かのドライバーがデプロイメントの違いについて話していた。たしかキミだったと思うけど、シャルルに追突しそうになったと言っていたよね。僕たちは常に改善を続け、最も効率のいいデプロイメント戦略を見つけようとしている。でもセッションが終わるたびに「ここは改善できる」と気付くことがほとんどなんだ。だから重要なのは、どれだけ早く適応できるかということだ。できる限り柔軟に対応するしかない。セットアップも空力パッケージも、この週末に向けてできる限り準備してきた。でも明日の走行を終えれば、さらに多くのことが分かるはずだし、そこからもう少し性能を引き出せるか試していくことになると思う。

  • F1イギリスGP 記者会見 PART1:フェルスタッペン移籍説や各チームの現状

    F1イギリスGP 記者会見 PART1:フェルスタッペン移籍説や各チームの現状

    2026年F1第9戦イギリスGPのFIA公式記者会見前半には、ランド・ノリス(マクラーレン)、ランス・ストロール(アストンマーティン)、ガブリエル・ボルトレト(アウディ)が出席した。

    会見では、フェルスタッペンのマクラーレン移籍報道やアストンマーティンの今後のアップデート、アウディF1プロジェクトの進捗、2026年型マシンへの適応など幅広いテーマについて語られたほか、恒例となったレゴカーでのドライバーズパレードについてもユーモアを交えて応じた。

    Q:ランド、まずはあなたから。現F1ワールドチャンピオンとして母国レースを迎える気分を聞かせてください。

    ランド・ノリス: めちゃくちゃ最高だね。毎年ここで走るのは特別だから、チャンピオンになったこと自体がその気持ちを変えるわけじゃない。地元のファンや友人、家族、チームのみんなの前で走れるのはいつだって特別だ。2019年に初めてここを走って以来、ずっとこのレースが大好きなんだ。昨年はレースにも勝って、チャンピオンにもなれた。そのおかげで「初めて母国GPで勝たなきゃいけない」というプレッシャーはなくなった。でも今は「もう一度勝ちたい」という気持ちがさらに強くなっている。

    Q:ファンのために何か特別なことは用意していますか? 「ランドスタンド」は今年もありますか?

    ノリス: ああ、ランドスタンドは本当にすごいよ。明日マシンから見るのが待ちきれない。あまりにも目立つから、みんな気を取られるんじゃないかな(笑)。ストウを通過するためにもっと濃いバイザーが必要なくらいだ。今年は昨年以上に大きくなった。今朝も現地へ行って、ショップやホスピタリティエリア、それに音楽やDJなんかも見てきた。応援してくれるみんなには、僕たちが走っていない時間も含めて、この週末を思い切り楽しんでほしい。今でもレースを楽しみたいだけの子どものような感覚なんだ。でも、こんなに多くのファンやサポーターに支えられている光景を見るたび、これこそ僕がずっと夢見てきたことだと感じる。

    Q:パフォーマンスについて聞かせてください。スペインでは好調でしたが、オーストリアでは少し苦戦しました。シルバーストンではどのようなレースを期待していますか?

    ノリス: 正直、まったく分からない。走ってみるまで様子を見たいね。実際にはレッドブルリンクはスペインよりそんなに悪かったとは思っていない。ただ、ほかのチームが少し前に出てきただけなんだ。決勝ではフェラーリより速かったし、レッドブル・レーシングには及ばなかった。今は勢力図が変わっているけど、僕たちはまだ目指す位置には届いていない。昨年ほど楽観的ではないけれど、表彰台を目指し、2台とも上位でポイントを獲得したい。

    Q:ランス、あなたに伺います。ホームレースではありませんが、アストンマーティンにとっては事実上のホームイベントです。この週末はどれほど特別ですか?

    ランス・ストロール: チームにとってはいつも特別なレースだ。ファクトリーはすぐ近くだから、普段はマシンを見る機会がないスタッフも、この週末は家族と一緒にサーキットへ来られる。みんなにとって特別な週末になるよ。

    Q:アップグレードについて聞かせてください。エイドリアン・ニューウェイは今週、ハンガリーで導入されるものについて話していました。ようやくトンネルの出口が見えてきたという感覚はありますか? パフォーマンスにはどれくらい期待していますか?

    ストロール: それはハンガリーで分かるよ。ハンガリーでは空力アップデートが入って、ザントフォールトではエンジンが入る。そのときになれば、もっといろいろ分かるはずだ。うまくいけば、もっと前の集団で戦えるようになると思う。

    Q:シミュレーターではもう試しましたか?

    ストロール: ああ。かなり速くなるはずだよ。ただ、どれくらい速くなるかは実際にサーキットへ持ち込むまで分からない。大きな前進になって、毎週末ポイント争いができるようになればいいね。「良い」レベルなら十分だし、「素晴らしい」ならなおさらだ。

    Q:ガブリエル、ここ数戦は11位が続いています。この結果にはどれくらいフラストレーションを感じていますか?

    ガブリエル・ボルトレト: フラストレーションは感じていないよ。現実的に考えれば、ここ数戦で達成できたのはあれが精いっぱいだった。レーシングブルズは週末を通して僕たちより少し速かったし、決勝では誰もマシントラブルがなかった。だから僕たちは実力どおりの順位でフィニッシュしただけだと思う。11位以上は難しかったんじゃないかな。もちろんポイントは獲りたい。でも今は積み重ねることが大事なんだ。シーズン序盤より大きく進歩しているし、問題も減ってクリーンな週末を過ごせるようになった。この方向性を続けていけばポイント圏に入り、その後も継続してポイントを獲れるようになると思っている。

    Q:その進歩について詳しく聞かせてください。前戦オーストリアではアップグレードが投入されましたが、マシンはどれくらい変わりましたか?

    ボルトレト: 良いアップグレードだったと思う。確実に良くなったよ。ラップタイムでどれくらい改善したかは分からないけれど、マシンの挙動はずっと安定した。予測できないスナップや急な挙動が減って運転しやすくなった。間違いなく正しい方向へ進めたし、期待どおりに機能したアップグレードだった。

    Q:スタートについてはどうでしょう? 問題はもう解決しましたか?

    ボルトレト: 正直、まだ分からないね。前戦はその点ですごく良かった。スタートで1台抜くことができたし、今年のオープニングラップで初めてオーバーテイクした相手だったんだ。でも、それを積み重ねていかないと意味がない。前戦はうまくできたし、今週末も次戦も同じようにやる必要がある。毎週続けられるようになって初めて「スタートが改善した」と言えると思う。1週末だけでは偶然かもしれないからね。でも以前と比べれば確実に良くなっているよ。

    フロアからの質問

    Q:ランドへ。マックス・フェルスタッペンのマネジメントがマクラーレンと接触したという報道がありました。数年前はあなたがレッドブル・レーシングへ行くべきだという話が多かったですが、今は立場が逆になりました。これはマクラーレンの現在の評価を示していると思いますか? また、フェルスタッペンとマクラーレンの組み合わせについてどう考えますか?

    ノリス: 正直に言うと、マクラーレンに来たがっているドライバーはたくさんいるよ。どうしてマックスだけに注目するのか分からないくらいね。ほかにも来たいと思っているドライバーは何人もいることを知っている。だから4度のワールドチャンピオンが僕たちのチームに興味を持ち、加入を考えてくれるのは素直にうれしいことだよ。実際にどこまで本当なのかは分からないけれどね。将来ほかのドライバーと組むことになれば楽しみだけど、今すぐ現実的な話ではない。僕自身はマクラーレンでの将来を楽しみにしているし、これからも何年もここで走るつもりだ。今はオスカーとすごく良い関係で仕事ができているし、これからも一緒に戦っていきたい。それが今の僕たちの焦点だよ。

    Q:ランドへ。今朝ファンの中を歩いている姿を見ました。彼らから受け取るエネルギーは、不可能を可能に変える力になりますか? 「今年も昨年のようなことをやってみせよう」と思いましたか?

    ノリス: とりあえず「はい」と答えておこうかな。みんなに希望を持ってもらうためにね(笑)。でも、昨年と同じ状況じゃないことは誰でも分かるはずだ。今年も同じことをやれると自信満々で言うのは難しいよ。それでもホームレースでは最高の走りを見せたいと思うし、シルバーストンはここ数年ずっと僕たちと相性のいいサーキットでもある。ファンのみんなが力をくれるのは本当だし、最高のレースを見せたいという気持ちにもさせてくれる。見出しに使いやすいように言うなら、「はい」だね。

    Q:ランドへ。あなたはウェブサイトやLN4グッズなど、モータースポーツ界でも特に魅力的なブランドを築いています。今朝のポップアップストアも長蛇の列でした。ブランドづくりにはどれくらい関わっているのでしょうか? また、どんなアイデンティティを表現したいと考えていますか?

    ノリス: もちろん全部僕がやってるよ。製造もデザインもSNSも運転も全部ね(笑)。いや、本当は優秀なチームが周りにいて助けてくれている。3~4年前までは、ブランドらしいブランドはまだなかった。デザインやカラー、自分らしさを表現するものも、ストーリーを伝える手段もほとんどなかった。でも今はそれがあるし、少しずつ作り上げて毎年成長させるのを楽しんできた。ランドスタンドも昨年から倍以上の規模になった。本当に優秀なチームがいて、この世界をよく理解してくれている。僕は運転だけは得意だけど、それ以外は彼らに任せている。でもデザインやコンセプト、ストーリー作りには関わっているし、ファンが何を求めているのかも一緒に考えている。最後は僕自身のブランドだから、自分らしさを表現して、ファンに楽しんでもらえるものにしたい。それはいつも楽しみにしていることだよ。

    Q:ランドへ。ワールドチャンピオンとして母国へ戻ってきて、昨年から生活は大きく変わりましたか?

    ノリス: F1で過ごす年数が増えるたびに、いろいろなことがもっと楽しくなるし、ファンや応援してくれる人も増えていく。それは特にここシルバーストンで強く感じるね。今朝も別の人に話したけど、ここは「自分はここにいるべきなんだ」と感じさせてくれる場所なんだ。ほかのサーキットでもファンの応援は感じるけれど、ここまで多くの人たちを目の前にすると、ずっとここにいたいと思ってしまう。それくらい特別な場所なんだ。昨年から変わったことといえば、ファンが少し増えたことかな。それに街で気づかれることも多くなったし、レースより僕の私生活に興味を持つ人も増えた。でも、それが今の世の中なんだろうね。とはいえ、僕自身は何も変わってほしくない。タイトルが何回増えても、友達と過ごしたり、ゴルフや旅行をしたり、家族や兄弟姉妹と過ごしたり、F1以外の生活も楽しみたい。今の人生は本当に素晴らしいし、それだけでも十分幸せだよ。

    Q:3人に質問です。今年もレゴカーによるドライバーズパレードが行われます。しかも今回はライブ配信も予定されています。楽しみにしていますか? また、この重要なレースに向けてどんな姿勢で臨みますか?

    ストロール: 別に何とも思わないね。そのことで眠れなくなるわけでもないし、朝早く起きて楽しみにすることもない。いつものドライバーズパレードのひとつだよ。

    ノリス: 僕は結構楽しみにしてるよ。

    ストロール: もしあと600馬力あったら面白いだろうね。そうなれば、みんなもっと楽しみにすると思うよ。

    ノリス: 去年は君が全部壊したじゃないか。

    ストロール: でも600馬力とか800馬力くらいあれば、もっと盛り上がるよ。

    ボルトレト: そんなことしたら、ドライバー全員病院行きだよ(笑)。今週は君が運転するの? それともフェルナンド?

    ストロール: コイントスで決めるよ。

    ノリス: えっ、1台につき1人だけ?

    ボルトレト: たぶんね。

    ノリス: 2人ずつじゃないの? みんな運転するんだと思ってた。もしマイアミみたいな感じなら、スタート地点まで戻ってこられた人が勝者だね(笑)。でも面白い企画だと思うよ。たまにはこういう違うことをやるのもいい。みんな一緒にいて話もできるし、ファンにも会える。安全にやれば、きっと楽しい時間になると思う。

    ボルトレト: 僕は全力で行きたいね。去年は本当に楽しかった。普段はほとんどのレースでトラックの上から手を振るドライバーズパレードだから、年に一度こういう形でやるのはすごくいいと思う。去年もみんな楽しんでいたし、今年も同じように楽しめるはずだよ。

    Q:ランドへ。レゴカーの後は本物のF1マシンに乗ることになります。何人かのドライバーはシルバーストンではエネルギーマネジメントが大きな課題になると話しています。この象徴的なサーキットは、今年のマシンでも変わらず特別なコースであり続けると思いますか? それともエネルギー回生が中心のサーキットになってしまうのでしょうか?

    ノリス: 実際に走ってみないと分からないね。でも日曜日のレースは面白くなると思う。外から見ている人にとっては、いいレースになるはずだ。ただ、ここ数年のマシンと比べるとコースそのものの難しさは少し減るだろうね。去年までのマシンは高速コーナーで本当に速かったけれど、今年はそこまでではない。コプスも、ここ数年ほどチャレンジングではなくなるだろうし、マゴッツやベケッツも同じだ。でも十分に速いし、見応えはあると思う。一番大事なのは、観客にとって日曜日のレースが面白いことだ。ドライバーとしてはコプスやマゴッツ、ベケッツを限界で攻める感覚は少し違うだろうし、長い減速区間も増える。でも、それが今のF1の現実なんだ。この週末に向けても改善への取り組みは続けられている。だから大丈夫だよ。ここはシルバーストンだし、僕たちはF1マシンに乗っている。それだけで十分だし、あまり文句は言えないね。

    Q:ランドへ。オスカー・ピアストリは、シーズン後半に優勝争いへ戻るにはMCL40にはさらなるスピードとグリップが必要だと話していました。マクラーレンが準備している開発によって、それを実現できる自信はありますか? また、ATRの開発配分はどれくらい助けになると思いますか?

    ノリス: 正直、ATRについては全然分からないから、その質問は僕にはしないでほしいね(笑)。マシンについては楽観的に考えているよ。それはチームを信頼しているからだ。マクラーレンが何を成し遂げられるチームかも分かっているし、今後のアップデートを細かく知る必要はない。僕には状況を好転させられるチームがいるし、実際にワールドチャンピオンを獲ったチームでもある。それだけで十分だよ。今後は表彰台や優勝争いへの自信を高めてくれるものが控えていることも分かっている。シーズン後半には、もっと表彰台や優勝を争えるようになると信じている。今は少し我慢の時期だけど、それも選手権の一部だからね。毎週末、持っているものを最大限引き出すしかない。現状を理解しながらも、将来については前向きに考えているよ。

    Q:3人に質問です。ランドとオスカーは昨年よりも関係が良くなったように見えます。それは今のほうがプレッシャーが少ないからですか? また、ガブリエルはニコ・ヒュルケンベルグと、ランスはフェルナンド・アロンソと良い関係を築けていますか?

    ストロール: もちろんだよ。

    ノリス: 僕とオスカーの関係は去年とまったく同じだよ。何が違って見えるのか分からないね。……違うと思う? ごめん、それは気にしないよ(笑)。本当に去年と同じくらい良い関係なんだ。昨年はポールや優勝争いをしていたから、2人とももっと集中している姿が目立っていたのかもしれない。でもサーキットの外では何も変わっていない。一緒にマーケティングの仕事も楽しんでいる……なんて言う人はいないけどね(笑)。それでも一緒にやるべきことをこなし、皆さんが見ていない部分でも本当に良い関係なんだ。それがチームメイトとしてあるべき姿だと思っている。今はチームとして理想より少し後ろにいるから、昨年ほど張り詰めた雰囲気ではないだけで、関係自体はまったく変わっていない。

    ボルトレト: ニコとはすごく良い関係だよ。もちろん、僕たちはまだワールドチャンピオン争いをしているわけじゃないし、そういう状況になるとチーム内の雰囲気も変わるんだと思う。でもサーキットの外でも仲はいいし、レースウイーク以外でも一緒に過ごすことがある。彼の家族も本当に素晴らしい人たちで、とても良い関係を築けているよ。

    Q:ランドへ。今週のマシンは前戦とは見た目が大きく変わりました。昨年も特別なカラーリングで良い結果を残しましたが、今回のカラーリングについてどう思っていますか? また、マシンの見た目が変わることでドライバーとして何か影響はありますか?

    ノリス: 実は僕もオスカーも、ドライバーとして目に入るものには結構こだわるタイプなんだ。だからコクピット周りはほとんど変えないようにしている。マシンに乗ってしまえば、外観の違いはあまり分からないよ。今回はブルース・マクラーレンの最初のマシンをオマージュしたカラーリングだから特別なんだ。僕たちがそれを現代によみがえらせ、みんなに見てもらえるのは光栄なことだと思っている。最初のマクラーレンが白、緑、グレーだったことを知らない人も多いからね。もちろん現代風のアレンジは加えているけれど、パパイヤカラーではない。それでもマクラーレンの原点を表現できるのは特別なことだ。そして木に触れて願掛けしておくけど(笑)、こういう特別なカラーリングの時は、だいたいいいレースができるんだ。特に僕はね。だから今回も特別な週末になればいいと思っている。

    Q:ランドへ。昨年学んだことで今年のドライビングに生かしていることはありますか? また、自分自身がさらに成長したと感じていますか? そして、フェルスタッペンの話題にも関連しますが、同じマシンで戦えばマックスでも、ほかの誰でも倒せる自信はありますか?

    ノリス: 昨年より成長したとは思っているよ。今年のマシンは昨年とはまったく性格が違っていて、求められるドライビングもかなり変わった。それに適応しなければいけないんだ。同時に、自分はより完成度の高いドライバーになったとも感じている。いろいろな状況やドライビングスタイル、マシンの特性にも柔軟に対応できるようになった。誰が相手でも勝てると思っているよ。ただ、言い方には気をつけないといけないね。マックスの本当にすごいところは、シーズンを通して毎週末あれだけ高いレベルのパフォーマンスを維持していることなんだ。ポールを獲れるドライバーや驚くようなラップを刻めるドライバーはたくさんいる。でも、本当に偉大なドライバーは、そのレベルをすべてのセッションで発揮できる人なんだ。そこはマックスが、おそらく誰よりもうまくやっている部分だと思う。だからマックスでも、ルイスでも、フェルナンドでも、最高のドライバーと戦える機会があるなら、それは僕にとってすごくワクワクすることだ。同時に、これから自分にどんなチャンスが訪れるのかも楽しみにしているよ。

    Q:ガブリエルへ。アウディはまだ新しいチームですが、前身のチームには長い歴史があります。アウディが加わってから、開発体制や舞台裏の仕事ぶりに違いを感じていますか?

    ボルトレト: ああ、本当に大きな違いを感じているよ。特にチーム全体の考え方が大きく変わった。もちろん昨年までのチームや、それ以前にチームを支えてきた人たちには敬意を持っている。でも現実として、今はまったく違う状況なんだ。アウディというメーカーがバックにつき、自分たちでパワーユニットを開発し、資金面でも強力なサポートを受けている。かつてのザウバーのように、その部分で苦労することはなくなった。その結果、チーム全体の意識も変わった。僕たちは将来、大きなことを成し遂げるという目標を持ち、それに向かって全員が仕事をしている。昨年と比べても、働き方や取り組む姿勢は大きく変わった。それに今はノイブルクにも素晴らしいチームがある。昨年はまだ一緒に仕事をしていなかった人たちが、そこでパワーユニット開発に取り組んでいる。初めてF1エンジンを開発するチームが、新レギュレーション初年度にここまでやれたことは本当に素晴らしい成果だと思う。もちろん改善すべき点はまだある。でも、彼らが成し遂げた仕事には敬意を表したい。この方向性で努力を続けていけば、将来きっと大きな成果をつかめると信じている。

  • ルイス・ハミルトン 愛犬ロスコー亡き初のF1イギリスGP「毎日恋しい」

    ルイス・ハミルトン 愛犬ロスコー亡き初のF1イギリスGP「毎日恋しい」

    フェラーリのルイス・ハミルトンが、2026年F1イギリスGPを前に、昨年亡くなった愛犬ロスコーへの変わらぬ思いを語った。

    シルバーストンのパドックで長年行動をともにし、多くのファンから愛されたロスコーがいない母国グランプリは今年が初めてとなる。ハミルトンは「毎日恋しい」と率直な胸の内を明かし、元チームメイトのバルテリ・ボッタスとの思い出話も披露した。

    愛犬ロスコーへの変わらぬ思い
    ルイス・ハミルトンにとって、イングリッシュ・ブルドッグのロスコーは単なるペットではなく、長年にわたりF1キャリアを支えてきた大切なパートナーだった。

    ロスコーは世界中のグランプリでハミルトンとともにパドックを歩く姿が親しまれ、多くのファンからも愛された存在だった。

    2020年にはもう一匹の愛犬ココを心臓発作とみられる症状で突然失い、その後もロスコーがハミルトンを支え続けた。しかしロスコーも2025年9月、肺炎との闘病の末に息を引き取った。

    今年のイギリスGPを前にハミルトンは、いまでも毎日2匹を思い出していると明かした。

    「ちょっと信じられない気持ちだよ。犬を飼っている人なら分かると思うけど、毎日ロスコーが恋しい。そして2匹とも毎日恋しい」

    「もう一台の携帯電話には今でも写真が入っている。本当に不思議な気分なんだ」

    ロスコー

    ボッタスとの“ロスコー秘話”で会場は爆笑
    記者会見では、隣に座っていた元メルセデスのチームメイト、バルテリ・ボッタスとの思い出話も披露された。

    ハミルトンはロスコーが毎晩のようにボッタスのモーターホーム前で用を足していたことを振り返り、会場は笑いに包まれた。

    「夜中になるとロスコーがいびきをかいていて、目が覚めると外へ連れて行っていた。そして必ずバルテリのモーターホームの前でウンチをするんだ」

    「どうしてあそこだったのか分からないけど、いつも同じ場所だった」

    これに対してボッタスは笑顔で「僕にとってはプレゼントだったよ」と返答。

    ハミルトンも「そう、置き土産だね」と笑いながら応じ、会場の笑いを誘った。

    シルバーストンを象徴する存在だったロスコー
    ハミルトンは最後に、ロスコーがファンからどれほど愛されていたかを改めて振り返った。

    「ここへ来るたびに、みんなからたくさん愛情をもらっていた。本当にシルバーストンの一部のような存在だった」

    今年のイギリスGPは、ハミルトンにとってロスコーの姿がない初めての母国レースとなる。それでも思い出は色あせることなく、愛犬は今なおハミルトンの心の中でシルバーストンとともに生き続けている。

  • オスカー・ピアストリ マクラーレンF1離脱説を一蹴「チームは僕を信頼している」

    オスカー・ピアストリ マクラーレンF1離脱説を一蹴「チームは僕を信頼している」

    マクラーレンのオスカー・ピアストリが、マックス・フェルスタッペン加入の噂によって自身のシートが危うくなるとの見方を否定した。

    フェルスタッペンとマクラーレンを結ぶ移籍報道が過熱するなか、ピアストリはチームから繰り返し信頼を示されていると明かし、長期契約も結んでいることから「僕にとっては何も変わらない」と強調した。

    マクラーレン移籍説で浮上した“ピアストリ放出論”
    ここ数週間、フェルスタッペンがマクラーレンへの移籍を検討しているとの報道が相次いでいる。報道では、フェルスタッペン陣営がマクラーレン側と接触したとも伝えられており、実現すれば現F1ワールドチャンピオンのランド・ノリスとコンビを組む可能性があるとされている。

    その場合、シートを失う候補としてピアストリの名前が取り沙汰されてきた。しかし、チーム在籍4年目を迎えたオーストラリア人ドライバーは、そうした憶測を意に介していない。

    「チームは僕を信頼している」
    ピアストリは『RacingNews365』などのメディアに対し、チームから十分な信頼を得ていると説明した。

    「僕にとっては特に大きな意味はないです」

    「もちろん、マックスは誰もが認める才能の持ち主ですし、いろいろな可能性を探っているのでしょう」

    「でも、僕は今の環境にとても満足しています。チームからも何度も『僕の仕事ぶりに満足している』と言われていますし、その言葉を信じています」

    長期契約が将来への安心材料
    マクラーレンは2025年シーズン開幕前、ピアストリとの複数年契約延長を発表している。

    ピアストリは、この契約自体が将来への安心材料になっていると語り、フェルスタッペン移籍説が自身の立場に影響を与えることはないと断言した。

    「僕にとっては何も変わりません。僕にも契約がありますからね」

    「だから状況は何も変わりません。僕はこれまでチームと築いてきた成功をさらに積み重ねていくだけです」

    憶測よりもマクラーレンでの結果に集中
    F1ではトップドライバーを巡る移籍報道が絶えないが、現時点でマクラーレンはフェルスタッペン獲得を正式に認めていない。一方で、ランド・ノリスもフェルスタッペン加入の可能性について「誰がチームメイトになっても歓迎する」と語るなど、チーム内には動揺は見られない。

    ピアストリも移籍報道に振り回されるつもりはなく、自身の役割はマクラーレンで積み重ねてきた成功をさらに発展させることだと改めて強調した。

  • ニコラス・ラティフィ F1イギリスGPでサプライズ復帰 パドックに3年ぶり登場

    ニコラス・ラティフィ F1イギリスGPでサプライズ復帰 パドックに3年ぶり登場

    ニコラス・ラティフィが、F1イギリスGPが開催されるシルバーストンで約3年ぶりにF1パドックへ姿を見せ、ファンの間で話題となっている。

    2022年限りでウィリアムズを離れて以降、モータースポーツの第一線から退いていたラティフィだが、自身が共同創業したテキーラブランドのイベントに参加するため現地を訪れた。

    2022年シーズン限りでF1を離れたラティフィは、その後はビジネスの世界へ転身。ロンドン・ビジネス・スクールを修了するとともに、テキーラブランド「Leve」の共同創業者として活動している。

    ラティフィが3年ぶりにF1パドックへ
    ラティフィは今週末のF1イギリスGPを前にシルバーストンを訪問。F1コンテンツクリエイターの「Matt and Tommy」がSNSで公開した映像により、その姿が確認された。

    今回の訪問はレース復帰やチーム関係者としての参加ではなく、「Leve」のプロモーションイベントへの出演が目的だった。ラティフィはイベントでDJを務め、久々のF1パドックで多くの関係者やファンとの交流を楽しんでいた。

    F1引退後はビジネスへ転身
    ラティフィは2019年末にウィリアムズからF1デビューを果たし、2020年から2022年まで3シーズンにわたって参戦。通算61戦に出場し、3度のポイント獲得を記録した。

    特に2021年最終戦アブダビGPでは終盤のクラッシュがセーフティカー導入のきっかけとなり、タイトル争いを大きく左右したことで世界中から激しい誹謗中傷を受けたことでも知られている。

    F1を離れてからはレース活動から距離を置き、起業家として新たなキャリアを歩んでいる。今回のシルバーストン訪問は、その新たな事業の一環として実現したものであり、現時点でF1復帰を示唆するものではない。

  • カルロス・サインツ F1予選の黄旗原因に3グリッド降格提案 賛否分かれる

    カルロス・サインツ F1予選の黄旗原因に3グリッド降格提案 賛否分かれる

    カルロス・サインツは、F1予選でイエローフラッグや赤旗の原因となったドライバーに対してグリッド降格を科すべきだと提案した。しかし、このアイデアにはドライバーの間でも賛否が分かれており、シルバーストンでは安全性とショーの両立を巡る議論が活発化している。

    議論の発端となったのは、前戦オーストリアGP予選Q3で起きたマックス・フェルスタッペンのクラッシュだ。

    ジョージ・ラッセルはシングルイエローの下で減速しながらもポールポジションを獲得。一方で、ダブルイエローと誤認したキミ・アントネッリはアタックを中止してしまった。

    サインツ「黄旗や赤旗を出したら降格すべき」
    サインツは、ラッセルは現行ルールの範囲内で完璧な対応をしたと評価しつつも、黄旗が出た状況でラップを成立させられるルール自体に問題があると指摘した。

    「ジョージの対応はルール上では完璧だったし、ポールに値する走りだった。でも、ああいう危険な状況でラップを成立させられるべきではないと思う」

    さらに、ポール獲得後にクラッシュしてライバルのタイム更新を阻止するケースにも言及した。

    「もし最初のアタックでポールを獲って、その後クラッシュして誰も更新できなければ、それはフェアじゃない。モナコでは昔からある話だし、去年のバクーでも僕は『今ここでクラッシュすればポールだ』と考えたことがあった」

    その上で、意図的かどうかを問わず抑止力としてペナルティを導入すべきだと主張した。

    「予選でイエローフラッグや赤旗の原因になったら3グリッド降格にすべきだと思う。限界を攻めすぎてクラッシュし、その結果として他のドライバーがタイムを更新できなくなれば、自分の順位を守ることにつながってしまう。意図的でなくても、何らかのペナルティは必要だ」

    ただし、今回のフェルスタッペンについてはリアウイングのトラブルによるクラッシュだったと理解を示している。

    ラッセル「限界まで攻めなくなる恐れもある」
    ラッセルは、この問題は以前から議論されてきたテーマだと認めた。

    「イエローや赤旗の原因になれば処分すべきだという意見は以前からあるし、他カテゴリーでは実際に採用されている」

    一方で、ペナルティ導入には副作用もあると指摘した。

    「逆に言えば、Q3で誰も限界まで攻めなくなるかもしれない。ファンはドライバーが限界に挑む姿を見たいはずだ。メリットもデメリットもあると思う」

    アントネッリ「故意でなければ罰するべきではない」
    オーストリアGPで自身も影響を受けたアントネッリは、故意の場合のみ処分すべきだと考えている。

    「故意だとはっきり分かる場合だけペナルティを科すべきだと思う。ミスやマシントラブルまで罰する理由はない」

    フェルスタッペンのケースについても擁護した。

    「マックスはポール争いをしていて限界まで攻めていただけだ。僕もジョージもマックスも本当に接戦だった。あれでペナルティを受ける理由はない」

    一方で、モナコのように意図的に黄旗を出すケースについては厳しく対処すべきだと付け加えた。

    「モナコでは故意にエスケープゾーンへ行ったりして黄旗を出すケースもある。そういう場合は当然ペナルティを受けるべきだ」

    ルクレール「一部のコースだけで検討すべき」
    2021年モナコGP予選でクラッシュしながらポールポジションを獲得した経験を持つシャルル・ルクレールは、市街地コースでは課題になり得るものの、全サーキット共通のルールには反対の立場を示した。

    「モナコでは黄旗を利用した駆け引きが起こりやすいのは事実だ。だから特定のコースでは検討する価値がある」

    しかし、一般化することには否定的だ。

    「前戦のマックスのようにクラッシュしたドライバーは、それだけでも十分な代償を払っている。シーズン全体のルールにする必要はないと思う」

    F1 ペナルティ

    フェルスタッペン「問題はラップを完了できること」
    フェルスタッペンも、故意で黄旗や赤旗を出した場合は3グリッド降格以上の重い処分が必要だとの考えを示した。

    「故意なら3グリッド降格以上の重いペナルティであるべきだ」

    ただし、自身のクラッシュは制御不能なトラブルによるものだったと説明した。

    さらに、問題の本質はペナルティではなく、黄旗下でもラップを成立させられる現在の運用にあると指摘する。

    「他カテゴリーではダブルイエローや赤旗の原因になればラップが抹消される例もある。でも、それだけでは今回の問題は解決しない」

    「本来ならあの状況はシングルイエローではなくダブルイエローか赤旗であるべきだった。そうなれば誰もラップを完了できない。ルールを理解してラップをまとめたジョージに非はないし、僕も同じことをしたと思う。でも、そもそもラップを完了できる状況であるべきではなかった」

    安全性と競技性のバランスが今後の焦点
    今回の議論では、サインツが一律のペナルティ導入を提案した一方、ラッセル、アントネッリ、ルクレール、フェルスタッペンはいずれも慎重な姿勢を示した。特に多くのドライバーは、故意の妨害行為には厳罰が必要と認めつつも、限界を攻めた結果のミスやマシントラブルまで処分対象にすべきではないとの考えで一致している。今後は、安全確保と予選の競技性を両立できるルール改正が実現するかが注目される。

  • F1イギリスGP ピレリ展望:シルバーストンの高速コーナーがタイヤを酷使

    F1イギリスGP ピレリ展望:シルバーストンの高速コーナーがタイヤを酷使

    ピレリは、タイトルスポンサーを務める2026年F1イギリスGPを前に、シルバーストン・サーキットの特性やタイヤ戦略の見通しを公開した。

    今年のイギリスGPでは最も硬いC1、C2、C3コンパウンドが投入され、1ストップ戦略が有力視されている。また、レース後には2027年仕様ドライタイヤの開発テストも実施される予定だ。

    シルバーストンはF1の歴史を象徴するサーキット
    2026年のF1イギリスGPは、今年ピレリがタイトルスポンサーを務める2大会のひとつとなる。もう一方はイタリアGPであり、F1世界選手権を象徴する2つの伝統あるグランプリにピレリの名が冠されることになる。

    イギリスGPとイタリアGPは、1950年の世界選手権創設以来、一度も中断することなく同じ名称で開催され続けている唯一のイベントでもある。

    1950年にシルバーストンで行われた記念すべき最初のF1世界選手権レースでは、ジュゼッペ・ファリーナがアルファロメオを駆り、ピレリの「ステラ・ビアンカ」タイヤで優勝を飾った。

    今年のイギリスGPは通算77回目、シルバーストン開催としては60回目となり、ピレリにとってはF1参戦518戦目となる。

    イギリスグランプリ

    高速コーナーがタイヤへ極めて大きな負荷
    シルバーストンは全長5.891kmで、2010年にアビーからブルックランズまでの新セクションが追加されたのが最後の大規模改修となっている。

    現在のレイアウトは18コーナー(右10、左8)で構成され、マゴッツ、ベケッツ、チャペルへと続く高速S字区間では、連続する方向転換によって非常に大きな横Gが発生する。

    ルイス・ハミルトンが「戦闘機のコックピットにいるようだ」と表現したように、高速コーナーと長いストレートが組み合わさることで、ドライバーにもマシンにも大きな負荷がかかるサーキットとなっている。

    タイヤへの負担も非常に大きく、一部区間では鈴鹿やスパ・フランコルシャンと同様に5Gを超える加速度が発生する。特に右コーナーが多いため、左フロントタイヤへの負荷が最も大きい。

    一方で路面そのものは摩耗性が低く、年間を通じて四輪・二輪レースが数多く開催されているため、自然なラバーの蓄積によって高いグリップが確保されている。

    C1・C2・C3を投入 1ストップが有力
    ピレリは今週末に最も硬いC1、C2、C3の3種類を選択した。

    サーキットの高いタイヤ負荷を考慮すると、決勝ではグリップ性能に優れるC2とC3を組み合わせた1ストップ戦略が最も有力と予想している。

    過去のデータでは、C3のみ軽度のグレイニングが確認されている一方で、C1とC2は機械的な安定性に優れた特性を示してきた。

    今年はスプリントフォーマットのため、FP1ではハードタイヤを積極的に使用するチームが多くなるとみられる。

    イギリスグランプリ F1 タイヤ

    英国特有の天候も勝敗を左右
    イギリスGPでは天候も重要な要素となる。

    過去2年連続で決勝中に雨が降り、各車はインターミディエイトタイヤを使用した。イギリスの夏は天候が変わりやすく、今年も雨がレース展開を左右する可能性がある。

    レース終了後の火曜日と水曜日には、メルセデスとウィリアムズの協力のもと、2027年用ドライタイヤの開発テストがシルバーストンで実施される予定だ。

    2025年は雨と晴れが交錯する難しいレース
    昨年のイギリスGPは変わりやすい天候となり、レース前半はインターミディエイトタイヤが主役となった。

    フォーメーションラップでは全車がインターミディエイトを装着していたが、決勝スタート直前に5台がスリックタイヤへ交換。しかし再び雨が降り出したことで、全車がインターミディエイトへ戻る展開となった。

    終盤には路面が乾き、多くのドライバーがミディアムまたはソフトへ交換してチェッカーフラッグを受けた。

    シルバーストン最多勝はハミルトン
    イギリスGPはこれまで76年にわたる歴史を持ち、シルバーストンで59回、エイントリーで5回、ブランズハッチで12回開催されてきた。

    シルバーストンで最多9勝を挙げているのはルイス・ハミルトンで、ジム・クラークとアラン・プロストが5勝で続く。

    コンストラクター別ではフェラーリが18勝で最多を誇り、マクラーレンを3勝上回っている。

    イギリスグランプリ トロフィーイギリスグランプリ キャップ

    英国らしさを表現した特別トロフィーと表彰式キャップ
    今年の表彰台トロフィーは、アーティストのポール・オズがピレリの依頼で制作した。

    F1マシンのフロントウイングをモチーフに、シルバーストンが旧飛行場から現代的サーキットへ発展した歴史を表現。航空機を象徴するアルミニウムと、現代F1を象徴するカーボンファイバーを組み合わせ、ユニオンジャックをデザインに取り入れている。

    マーシャル賞のトロフィーは、イタリアのバルトッチーニ・プレミアツィオーニがステファノ・ズエックとの協力で制作。シルバーストンサーキットのレイアウトを再現し、周囲に配置された星が安全を支えるマーシャルたちを象徴している。

    また、表彰台ではピレリのタイトルスポンサー大会限定として、デニス・デコヴィッチがデザインした特別仕様のイエローキャップが使用される。英国で親しまれている千鳥格子柄を取り入れたデザインとなっている。

  • マックス・フェルスタッペン F1イギリスGPで“バッテリー問題”の再燃を警告

    マックス・フェルスタッペン F1イギリスGPで“バッテリー問題”の再燃を警告

    マックス・フェルスタッペンは、F1イギリスGPの舞台となるシルバーストンで、2026年マシンが抱えるバッテリー運用の問題が改めて浮き彫りになるとの見方を示した。

    レッドブル・レーシングはオーストリアGPで投入した大規模アップデートによって競争力を取り戻し、フェルスタッペンは2位を獲得。しかし、高速コーナーが連続するシルバーストンでは、2026年レギュレーションの課題が再び露呈すると警告している。

    シルバーストンでは「1周分のバッテリーもない」
    フェルスタッペンはシミュレーターでシルバーストンを走行した際の印象について、次のように語った。

    「シルバーストンは大好きだ。でもシミュレーターで数周走ったあと、思わず笑ってしまった」

    「正直、新しいマシンで走るシルバーストンはまったく別のサーキットに感じる」

    「1周を走り切るだけのバッテリー残量すらほとんどない」

    2026年のF1マシンは電動出力の比率が大きく引き上げられた一方、回生によって蓄えられるエネルギーには限界がある。そのため、シルバーストンのような高速コーナー主体のレイアウトでは十分な充電ができず、ストレートで使用する電力が不足しやすいという。

    高速レイアウトが2026年レギュレーションの課題を露呈
    フェルスタッペンは、レッドブルリンクとの違いについて次のように説明した。

    「サーキットのレイアウトによって、僕たちが知っているシルバーストンとはまったく違う感覚になる」

    「ここ(レッドブルリンク)は長いストレートと大きなブレーキングゾーンがあるから、その間にバッテリーを充電できる」

    「でもシルバーストンは長いストレートはあるものの、高速コーナーばかりだから充電できない。次のストレートではほとんどエネルギーが残っていない」

    「かなり厳しいレースになると思う」

    フェルスタッペンは2026年レギュレーションについて以前から批判的な立場を取っており、エネルギーマネジメント中心のレース展開を「マリオカートのようだ」と表現したことでも注目を集めていた。

    ハミルトンも懸念「充電できる場所が少ない」
    ホームレースを迎えるルイス・ハミルトンも、シルバーストンでは新世代パワーユニットの特性が厳しく試されるとの見方を示した。

    「シルバーストンには長いストレートがたくさんある」

    「ストレートではバッテリーへの要求が非常に大きい一方で、バッテリーを充電できる場所はあまり多くない」

    シルバーストンは高速コーナーが連続する伝統的なレイアウトで知られる一方、2026年マシンにとってはエネルギー回生が難しいサーキットでもある。各チームが限られたバッテリーをどう運用するかが、F1イギリスGPの重要な勝負のポイントとなりそうだ。

  • リアム・ローソン レーシングブルズのチームオーダー騒動で「今後はもっと意識する」

    リアム・ローソン レーシングブルズのチームオーダー騒動で「今後はもっと意識する」

    リアム・ローソンは、F1オーストリアGPで発生したレーシングブルズのチームオーダー騒動について振り返り、今後はチームメイトのアービッド・リンドブラッドを「もう少し意識するかもしれない」と語った。一方で、自身のレースへのアプローチを変える考えはないと強調している。

    先週末のオーストリアGPでは、ブレーキのオーバーヒートを抱えていたローソンに対し、チームはリンドブラッドへ「ポジションを維持せよ」と指示。

    しかしリンドブラッドは指示に従わずオーバーテイクを敢行し、ローソンはチームラジオで強い不満を示していた。

    チームオーダー騒動はレース中に決着
    レッドブルリンクで行われた決勝では、リンドブラッドがチームの指示を無視してローソンを抜き9番手へ浮上した。ローソンは約50メートル早くアクセルを戻してチームオーダーに従ったものの、その直後にリンドブラッドが強引な動きで前に出たため、グラベル際まで押しやられる形となった。

    ローソンは無線で「もう二度とこんな指示は聞かない」と怒りをあらわにしたが、チームは2回目のピットストップでアンダーカットを成立させ、最終的にローソンが9位、リンドブラッドが10位でダブル入賞を果たした。

    レース後にはチーム代表のアラン・パーメインが無線で「落ち着いてくれ。この件はチーム内で解決する」と伝えていた。

    「僕にとってはレース中に終わった話」
    イギリスGPを前に取材に応じたローソンは、この一件について冷静な見解を示した。

    「正直に言えば、あまり僕自身の問題ではなかった。レース中にポジションを取り戻せたので、チェッカーを受けた時には完全に気持ちは整理できていた」

    「こういうことは、大きな組織やチームに所属していれば起こり得ることだ。僕はレースで自分の役割を果たそうとしただけで、この件はチームと彼(リンドブラッド)の話だったと思う」

    また、レース後のミーティングでリンドブラッドに対して「チームの指示には従うべきだ」と改めて確認したのかと問われると、ローソンは「そうだ」と短く答えた。

    一方、リンドブラッドもFIA公式記者会見で、この件はレース後に話し合いが行われ、「すべて解決済みだ」と説明している。

    今後は「もう少し意識するかもしれない」
    ローソンは今回の出来事が今後のレース運びに影響するかについては限定的との考えを示した。

    「もしかすると、今後はもう少し意識するようになるかもしれない。でも、その後はこの件についてあまり深く考えなかった」

    「僕自身のアプローチを変えるつもりはない。ただ、ああいう状況では少し意識するようになるかもしれないね。でも、あのようなケースはかなり珍しい状況だと思う。だから起こる可能性は低いけれど、少しは意識するようになるかもしれない」

    今回の一件はチーム内で既に収束しているものの、今後もローソンとリンドブラッドが接近戦を演じる場面では、両者の連携やチームオーダーの運用が改めて注目を集めそうだ。