カテゴリー: ジュール・ビアンキ

  • FIA、ジュール・ビアンキの事故調査委員会を設置

    FIA、ジュール・ビアンキの事故調査委員会を設置

    FIAは、ジュール・ビアンキの事故についての調査を行う“事故調査委員会”を発足。F1各チームに対し、情報を提供するよう依頼した。

    マルシャは、事故の責任がドライバーにあったと示唆するかのような一部報道に怒りの反論をしたばかり。

    FIAのモータースポーツ事務局長を務めるジャン・ルイ・バレンティンは、全F1チームの代表に対してEメールを送り、事故調査委員会についての説明を行った。

    FIAは、F1チームに対し、「このアクシデントの状況に関して持っている全ての情報を提供し、事故調査委員会にとって重要となり得る全ての文書、証拠と関係情報を保存する」よう求めている。

    Sport Bild は、マルシャが、クラッシュの直前にライバルに対抗するためにジュール・ビアンキにスピードアップを指示していたと報じ、物議を醸した。

    また、マルシャは、ジュール・ビアンキがダブルイエローフラッグが振られる中で減速しなかったとの主張についても強く否定している。

    しかし、Sport Bild は、FIAの公式文書に基づくものとして、事故当時のスピードに関するさらなる情報を出した。

    文書の存在について質問されたFIAスポークスマンのマッテオ・ボンチアーニは「ジュール・ビアンキの事故に関連する全ての情報は、鈴鹿でレースディレクターのチャーリー・ホワイティングに報告されています」と述べた。

    また、マッテオ・ボンチアーニは、当初 Sport Bild が報じたマルシャからビアンキへの無線での指示の存在についても名言しなかった。

    「これ(推測についてコメントしないこと)は、FIAの大原則です。ビアンキのケースにおいては特にです」とマッテオ・ボンチアーニは主張した。

  • マルシャ、ジュール・ビアンキ側の過失を臭わせる報道に怒り

    マルシャ、ジュール・ビアンキ側の過失を臭わせる報道に怒り

    マルシャは、F1日本GPでの事故時、ジュール・ビアンキが減速していなかったとの報道を“完全な誤り”として否定した。

    一部報道では、ジュール・ビアンキがダブルイエローフラッグが振られた状況でも減速せず、チーム側もマーカス・エリクソンに遅れないために速く走るよう指示していたと報じられた。

    マルシャは、それらの報道は真実ではないとし、それはテレメトリーと無線で証明できると述べた。

    ジュール・ビアンキは、F1日本GPでの事故でびまん性軸索損傷と診断され、安定はしているものの、重篤な状態な続いている。

    「マルシャは、そのような弁証にショックを受け、怒りを感じている」とチームは声明で述べた。

    「ドライバーが病院で重篤な状態にあり、チームがジュールと彼の家族が最優先に考慮していることを明白にしているときに、ジュールの事故の状況に関して、ひどく混乱させるような噂と不正確さに対応しなければならないことに心を痛めている」

    「だが、それらの申し出は完全に誤りであり、チームはそう申し出ること以外に選択肢はない」

    「1つ目のポイントとして、ジュールはダブルイエローフラッグが振られた状況で減速していた。それは紛れもない事実であり、チームがFIAに提供したテレメトリーデータによって証明されている。10月10日(金)にソチで開催されたFIAプレスカンファレンスで、FIAのレースディレクター、チャーリー・ホワイティグは、チームがそれらのデータを提供し、彼自身でそのデータを調べ、ジュールが減速していたことを確認している」

    「2つ目のポイントとして、ジュールとチームの間の完全な無線通信の音声コピー、さらにそれを書面に起こしたコピーがFIAに提供されている。通信内容と転写からも、ジュールの事故に先立つ期間にチームがジュールに速く走るよう促したり、彼にそうすべきだと示唆するようなコメントがないことは明らかだ」

    「チームは、それらの事実ははっきりさせ、ジュールと彼の家族を支えなければならないこの時期に、さらに心を混乱させるようなものがないことを心から願っている」

    関連:FIA、ジュール・ビアンキの事故の詳細を公表

  • ジュール・ビアンキの父親 「状況は絶望的だが、息子は諦めない」

    ジュール・ビアンキの父親 「状況は絶望的だが、息子は諦めない」

    ジュール・ビアンキの父親フィリップは、息子の容体は重篤ではありながらも、ジュール・ビアンキは戦い続けると述べた。

    ジュール・ビアンキは、F1日本GPの決勝レースで回収車に衝突して以来、重篤な状態が続いている。

    びまん性軸索損傷と診断されたジュール・ビアンキが、現在も四日市市にある三重県立総合医療センターの集中治療室で命を懸けた戦いが続いている。

    「状況は絶望的です。電話がなるたびに、病院からのジュールの死を告げる電話かもしれないと思ってしまいます」とフィリップ・ビアンキは Gazzetta dello Sport 語った。

    「しかし、初めは最初の24時間が峠だと言われました。それから最初の72時間になり、そして、私たちは今でも戦い続けているジュールと一緒にいます」

    「彼は人生で一番重要な予選ラップを成功させるでしょう。彼は諦めません。私はそれを確信しています。私にはそれが見えます。信じています。彼に語りかけ、彼には私の声が聞こえているとわかっています」

    「医師は。この時点ですでに奇跡であり、こんなにも深刻なアクシデントから生還した人間はかつていなかったと語りました。しかし、ジュールはこれからも諦めません。彼のトレーナーであるアンドレアは、これを意志の力でやり遂げる人間が一人いるとすれば、それはジュールだと話しています」

    フィリップ・ビアンキによると、ジュール・ビアンキの容体に関する追加情報はなく、今後の進展については何もわからないという。

    「彼が負傷したと聞いたときは、とても悲しかったです。他の皆と同じようにずっと心配でした。『なぜ彼についてもっと教えてもらえないんだろう?』とね。ですが、今は同じ立場になりました。ジュールの容体について皆さんに尋ねられますが、お答えできません。答えはないのです。非常に深刻ですが、彼は安定しています」

    「いつもより少し良いように見える日もあれば、悪くなったように見える日もあります。医師は語りません。アクシデントによるダメージはかなり大きいですが、それがどうなっていくかはわからないです」

    「シューマッハのケースでさえも、昏睡から覚めるのに数カ月かかりました。ジャン・トッドは、ミハエルがいつか通常の生活を送ることができると願っています。いつか、ジュールについても同じことが言えたらと思います」

    「厳しいです。1週間のうちにこの家族の生活は損なわれてしまいました。私たちはここで何をしているんでしょう? 家からはるか離れたこの場所で、悪夢にうなされています」

    「しかし、ジュールの容体が少し回復すれば、彼を移すことができます。行き先はおそらく東京になりますし、状況は少し楽になるでしょう。ですが、それがいつになるかは誰にもわかりません。確かなことは何もありません。ただ待つしかないのです」

    F1ロシアGPに参戦した21名のドライバーは、レース前にジュール・ビアンキと彼の家族へのサポートを表すためにグリッドに集結した。

    フィリップ・ビアンキは、F1パドックやそれを越えて示されるサポートに家族の心は打たれたと述べた。

    「あんな光景は見たことがありません。私たちの心を深く打ちました。彼ら全員に感謝しています」

    「彼らの多くから連絡をもらいました。アロンソ、ベルニュ、マッサは我々に力強いメッセージを送ってくれました」

    「ハミルトンは、素晴らしいメールを送ってくれました。彼に何かできることがあるならば馳せ参じると言ってくれました。MotoGPのロッシやマルケスからも連絡がありました」

  • マルシャ 「ジュール・ビアンキのために順位を守る義理がある」

    マルシャ 「ジュール・ビアンキのために順位を守る義理がある」

    マルシャは、ジュール・ビアンキのためにコンストラクターズ9位の座を守ると決意を固めている。

    マルシャは、F1モナコGPでジュール・ビアンキが9位入賞を果たし、チームに初ポイントをもたらした。現在、マルシャはノーポイントのザウバーとケータハムを押さえ、コンストラクターズ選手権で9位につけている。

    しかし、そのジュール・ビアンキがF1日本GPでクラッシュ。頭部を強打し、びまん性軸索損傷の診断が下され、今も日本で生死をかけて戦っている。

    F1ロシアでのマルシアのレースは短かった。マルシャはジュール・ビアンキのためにマシンを1台しか出走させず、チームメイトのマックス・チルトンはマシントラブルで9周でリタイヤした。

    マックス・チルトンは「今日は、多くの理由で難しいレースになるとわかっていた。ターン2でブレーキを踏むまでは良いラップタイムを刻んでいた。でも、片方に引っ張られる感じがした。これはとても珍しい経験だったので、問題があるとわかった」と述べた。

    「ターン2はOKだったけど、ターン4に向けて左フロントが大きくロックアップして、その後は振動がとても大きくなかった。どんどん酷くなったので、ピットに戻った。完走できる見込みはなかった。何かが故障していた」

    「もちろん、ジュールに対するサポートを見て、とても感動した。チーム、F1、ファンは本当に彼のために良いことをした」

    マックス・チルトンが、難しい週末とジュール・ビアンキの事故によって、居心地が悪く、マシンを「止めた」という当初の報道は間違っていた。

    マルシアのグライム・ロードン会長は「誤解があった」と述べた。

    「チルトンはマシンのフロントに問題を感じ取った。フロントに激しい振動があり、問題が何なのが突き止められなかった」

    「彼は無線で『とても変な感じだ。何がおかしいのかわからない』と言ってきたんだ」

    「マシンを分解すれば、ベアリングなどの問題が見つかるだろう」

    グレアム・ロードンは、マルシアは3週間後にオースティンで開催されるF1アメリカGPで2台目を走らせるかどうかまだ決めていないが、5月のF1モナコGPでジュール・ビアンキが初めて獲得した2ポイントで得たコンストラクターズ選手権9位を守りたいと述べた。

    「あれはジュールの本当に素晴らしい走りだったし、競技面で本当に貴重なものを我々にもたらしてくれた。我々は彼に対してこれを守る義理がある」とグレアム・ロードンは語った。

  • FIA、ジュール・ビアンキの事故の詳細を公表

    FIA、ジュール・ビアンキの事故の詳細を公表

    FIAは10日(金)、F1ロシアGPの開催地ソチで記者会見を開き、F1日本GPで発生したジュール・ビアンキの事故の詳細を公表した。

    会見には、FIA会長のジャン・トッド、レースディレクターのチャーリー・ホワイティング、チーフメディカルオフィサーのジャン・シャルル・ピエット、メディカルレスキューコーディネーターのイアン・ロバーツが参加し、事故に関する質問と、事故発生後にFIAが取った手順についての質問に応じた。

    会見では、鈴鹿サーキットのターン7から撮影されたCCTVのビデオ映像が流され、1周前のエイドリアン・スーティル(ザウバー)の事故、それを受けて出動した回収車に衝突したジュール・ビアンキの事故そのものが映し出された。

    チャーリー・ホワイティングは、悪化するコンディションの中で、エイドリアン・スーティルとジュール・ビアンキがどのようにしてマシンのコントロールを失ったのかを映像を用いて説明した。

    「(ターン7に)乾き気味のラインがあった。ただし、雨脚が強まっていたため、乾き気味の走行ラインにわずかな水が忍び寄っている。これらのマシンは、その場所で若干ワイドに膨らみ、エイドリアンのケースはそこを通ってコントロールを失っていることがわかるだろう。彼はわずかに水が溜まった部分に触れただけ、この時、彼はジュール・ジュールの後方にいる。この時点で彼はわずかにコース上の水がある部分に触れてコントロールを失い、スピンした」

    1周後の映像ではジュール・ビアンキがコントロールを失って回収車に衝突する場面が映し出された。

    「ジュールが(スーティルと)同様の状態だったことがわかるはずだ。彼も同じくわずかな水に触れたが、エイドリアンとは違ってスピンをしていない。彼はいったん修正して、わずかに異なる軌道でコースオフをしている」

    また、チャーリー・ホワイティングは、ダブルイエローフラッグが振られる中、他車よりもスローダウンしているマシンもあったと示しながら、将来的に対応を変更する可能性も示唆した。

    「多くのマシンがダブルイエローフラッグ区間を通過した。それほど減速しなかったマシンもあれば、かなり減速しているマシンもある。彼が、他者に比べてどれだけ減速していたかについての詳細を突き詰める必要はないと思う。データは十分にあり、彼は減速していた。しかし、それは程度の問題だ」

    さらに、チャーリー・ホワイティングは、FIAとしてこれ以上の対応はできなかったと感じていると述べた。

    「当然、コース上でのアクシデントはしっかりと対応されている。マーシャルたちの対応についても、セーフティカーとメディカルカーは現場に直ちに到着しており、救出車両も適切に導入され、救急車もコースに入った」

    「サーキットであれ以上に優れた対応はできなかった。適切な手順であり、我々はあのような状況下で何をすべきか正確に理解している」

    関連:【動画】 ジュール・ビアンキ、クラッシュの瞬間

  • ジュール・ビアンキの父親 「息子の容体に大きな変化はない」

    ジュール・ビアンキの父親 「息子の容体に大きな変化はない」

    鈴鹿での事故から5日が経ったが、ジュール・ビアンキの父は、息子の容体に大きな変化はないと明かした。

    ジュール・ビアンキの父親フィリップは、F1界、そして、世界中からのサポートのメッセージが、家族の励みになっていると付け加えた。

    「私はジュールが素敵な男の子だということはわかっていますが、本当に素晴らしいことですし、想像さえできないことでした」

    しかし、ジュール・ビアンキの容体に関しては非常に深刻だとフィリップ・ビアンキは認める。

    「サイヤン教授とフェラーリの要請で来ていただいたイタリアの専門家が、地元のドクターと協力しています」とフィリップ・ビアンキは述べた。

    「これ以上の治療はないと思います。大きな変化はありません。誰もが彼が危機的なフェーズにあることを知っています。ですが、ジュールは、いつも戦っていたように、戦っています。レースと同じように、彼は強い」

    La Gazzetta dello Sport は、ジュール・ビアンキの兄弟トムとメラリーが、日本に飛び立ったと報道。

    フィリップ・ビアンキは、息子のクラッシュの映像は見ていないと述べた。

    「ビデオは見たくありません」とフィリップ・ビアンキは述べた。

    「事故について話すのは難しいです。私にとっては、むしろ交通事故のような感じです。起こること次第ですが、きっと後になれば何か話せるでしょう」

  • ベルニュ、ジュール・ビアンキへのサポートを示すステッカーを用意

    ベルニュ、ジュール・ビアンキへのサポートを示すステッカーを用意

    F1ドライバーは、今週末のF1ロシアGPで負傷したジュール・ビアンキへのサポートを示すステッカーをヘルメットに貼る。

    フランスモータースポーツ連盟のモーガン・キャロンは、F1ドライバーのサポートを示すこの活動は、同じフランス人ドライバーであるジャン・エリック・ベルニュがイニシアティブをとって行われていると明かした。

    「ジャン・エリックは、ジュールと親友であり、起こったことに深く心を動かされている。それで、彼はイニシアティブをとり、ステッカーを作った」とモーガン・キャロンは RMC Sport に述べた。

    「ステッカーはソチの全てのパドックに配布される。GP2、GP2、そしてF1の全員がロシアでの週末の間、小さなメッセージでジュールをサポートする」

    小林可夢偉は、このステッカーを貼ったヘルメットの画像をTwitterに投稿。ニコ・ロズベルグもステッカーの画像をアップしている。

  • ジュール・ビアンキの事故:なぜグリーンフラッグは振られていたのか?

    ジュール・ビアンキの事故:なぜグリーンフラッグは振られていたのか?

    ジュール・ビアンキのF1日本GPの事故について motorsport.com が検証。クラッシュ時に振られていたグリーンフラッグについての考察を述べた。

    YouTubeに投稿された観客の動画では、ジュール・ビアンキが、エイドリアン・スーティルのマシンを撤去しようとしている重機に衝突したことがはっきり確認することができる。

    そして、クラッシュが起きた際とその後もマーシャルポストにいる男性がグリーンフラッグを振っており、多くの人々が、グリーンフラッグが振られている理由に当惑した。

    だが、マーシャルは規約に従ってやるべきことをしており、間違っていたのはFIAだと同サイトは分析する。

    ジュール・ビアンキ 事故現場

    1周前にエイドリアン・スーティルがクラッシュした際、このマーシャルはレース管制官からの指示通りにダブルイエローを振っていた。重機はザウバーを持ち上げ、壁の開口部に向かってバックし始めた。マーシャルは、重機がマーシャルポストを通過すると規約通りグリーンフラッグに持ち替えた。

    グリーンフラッグが出てから11秒後、ジュール・ビアンキが事故現場に差し掛かった。

    エイドリアン・スーティルと同様、ジュール・ビアンキはリアのコントロールを失い、アクアプレーニングを起こしてコースアウト。ジュール・ビアンキはマシンに修正を当てたが、マシンは濡れたグラベルを時速210km以上で横切って重機に衝突し、マシンの大半を破壊するほどの衝撃を受けた。

    グリーンフラッグはジュール・ビアンキのクラッシュと関係があったのだろうか?

    グリーンフラッグは、この区域から先は加速できることを意味している。テレメトリーを見ると、ジュール・ビアンキはすでに加速していたという。

    だが、旗が切り換えられたとき、重機はマーシャルポストからわずか数フィート先におり、決して安全な位置にいたわけではなかった。また、数人の作業員が重機と一緒に歩いており、ロープで吊ったザウバーのバランスをとっていた。

    技術的には、この区域は事故現場を越えてはいた。しかし、マーシャルポストがグリーンフラッグを振るには、クラッシュ現場にあまりに近すぎた。直前の区域は依然としてイエローのままだった。

    だが、この事故は誰も責めることはできない。天候、ビアンキ、FIAの規約、重機の位置、消えゆく日の光、その他未知の要因が「最悪の状況」を生み出してしまった。

    関連:【動画】 ジュール・ビアンキ、クラッシュの瞬間

  • マックス・モズレー、ビアンキの事故は「誰も責められない」

    マックス・モズレー、ビアンキの事故は「誰も責められない」

    元FIA会長のマックス・モズレーは、ジュール・ビアンキのクラッシュは“不慮の事故”だとし、レースオフィシャルは手順を正しく守ったと述べた。

    マックス・モズレーは、1994年のアイルトン・セナとローランド・ラッツェンバーガーの死を受け、F1の安全性向上に尽力してきた。

    「鈴鹿で起きたことは非常に不運だった。不慮の事故だ。関係者は誰ひとりとして過失を犯していない」とマックス・モズレーは Sky Sports に述べた。

    「すべてのことが、そうあるべき方法で行われていた」

    F1界はビアンキの回復を祈っており、マルシャとビアンキが若手ドライバープログラムに在籍するフェラーリの幹部は、日本に留まっている。

    FIA医学委員会の委員長で、世界で最も優秀な整形外科医のひとりであり、ミハエル・シューマッハの初期治療を監督したジェラール・サイヤン教授も日本に到着した。

    ジュール・ビアンキは、F1での2シーズンで多くの称賛を受けていた。5月のF1モナコGPでは、マルシア初のポイントを獲得し、将来フェラーリに移籍すると見なされていた。

    ジュール・ビアンキのガールフレンド、カミーユ・マルチェッティは5日「あなたはわたしのチャンピオンよ! あなたは最強」とツィート。

    FIAのスポークスマンは「FIAファミリー全員が、ジュール・ビアンキと彼の家族に心を寄せている」と述べた。

  • ジュール・ビアンキ、びまん性軸索損傷の診断

    ジュール・ビアンキ、びまん性軸索損傷の診断

    ジュール・ビアンキの家族は、ジュール・ビアンキが“びまん性軸索損傷”であることを公表した。

    四日市市にある三重県立総合医療センターに入院中のジュール・ビアンキについて、FIAは6日(月)に容体は「危篤状態だが安定している」と明かしていたが、翌7日(火)にはマルシャがジュール・ビアンキの家族代わって声明を発表、容体に関する情報を発表した。

    「私たち家族にとって本当に苦しい時間ですが、世界中からジュールへの応援メッセージや愛情に満ちた言葉を頂いていることは家族にとって本当に大きな慰めになっています。心から感謝申し上げます」

    「ジュールは四日市にある三重県立総合医療センターの集中治療室で治療を受けています。彼は、びまん性軸索損傷を患い、重篤な状態にありますが、それでも安定した容体です。病院の医療専門家の方々が全力を尽くして治療にあたってくださっており、事故以来、彼らがジュールのために尽くしてくださったすべてのことに感謝しています」

    「また、ジェラード・サイヤン博士が駆けつけてくださり、FIAメディカルコミッション代表が付き添ってくださっていること、スクーデリア・フェラーリの要請を受けてローマ・ラ・サピエンツァ大学の神経外科医であるアレッサンドロ・フラーティ教授が来日してくださったことに感謝しています」

    「彼らは本日病院に到着し、ジュールを治療している医療関係者と会いました。我々家族に助言ができるよう彼の臨床状態に関してしっかりと情報が伝えられています。サイヤン博士とフラーティ教授は三重県立総合医療センターが最高の治療を施してくださっていると理解しており、日本の医療仲間に感謝したいと述べています」

    「病院はジュールの観察と治療を続け、さらなる医学的アップデートは、しかるべきときに提供されます」

    脳脊髄損傷センターによると、びまん性軸索損傷は最もよく見られる外傷性脳損傷のひとつだが、同時に最も破壊的なもののひとつでもあるとされている。一般的に頭部に急激な加減速が加わったことによって、軸索(神経細胞から伸びる1本の長い神経線維)が広範囲にわたって切断される脳損傷をいう。

    重症度はケース・バイ・ケースだが、重度のびまん性軸索損傷を患った生存者の約90%は意識不明のままであり、意識が回復する10%の人々も障害を抱えるケースが多いとされている。

    ジュール・ビアンキの事故は、200キロ以上のスピードで重さ3トンのクレーン車両に衝突している。近い将来、フェラーリのレースドライバーへむけて有望なキャリアを進めていたジュール・ビアンキだが、完全に回復し、通常生活に戻る可能性は低いと言わざるを得ない。

    家族によって気丈にも公表されたこの病名を、F1界は同じ覚悟もっと受け止めなければならない。だが、たとえ1%であっても奇跡の可能性を信じてジュール・ビアンキが戻ってくる日を祈りたい。

    【びまん性軸索損傷】
    びまん性軸索損傷とは、頭部外傷後、意識障害を呈しているにもかかわらず、頭部CT、MRIで明らかな血腫、脳挫傷を認めない病態。強い外力で脳に回転力が生じた場合、脳深部は脳表部よりも遅れて回転するため、脳がねじる。その結果、軸索が強く引っ張られ、広範囲に断裂し、機能を失うと考えられている。予後は一般的に悪く、回復しても、後遺症として、意識障害、高次機能障害や麻痺などが見られる。