カテゴリー: アウディ

  • アウディF1代表 メルセデスPUの圧縮比論争に見解「FIAを全面的に信頼」

    アウディF1代表 メルセデスPUの圧縮比論争に見解「FIAを全面的に信頼」

    2026年F1シーズンを前に、メルセデス製パワーユニットを巡るいわゆる“エンジン・ループホール”問題がパドックで議論を呼んでいる。圧縮比や出力特性を巡る解釈が注目される中、アウディF1チーム代表のジョナサン・ウィートリーがFIAの対応に強い信頼を示した。

    バーレーンでメディア対応したウィートリーは、現在の状況について次のように語っている。

    「パワーユニットメーカーがFIAと非常に密接に連携していることは分かっている。我々が何をテストし、何を提示し、何を測定するよう求められているのかも理解している」

    さらに、規制当局への信頼を明確にした。

    「FIAには絶対的な信頼を置いている。我々はそのプロセスを全面的に信頼している。彼らは確かな手腕を持っているし、FIAは常に競技を公平なものにするために存在している」

    アウディ F1 エンジン 圧縮比

    一方、メルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフも、現在続く精査について言及。自チームの設計プロセスがルールに則っているとの認識を示した。

    「エンジンを設計する際、当然ながらFIAを非常に近い位置に置いて意思決定を行う。我々はそうしてきた。そして、我々が行ったことはルールに則っているという保証をすべて得ている」

    メルセデスPUを巡る議論は依然としてパドックの注目テーマだが、アウディとメルセデス双方がFIAのプロセスに信頼を示したことで、最終的な判断は規制当局の検証結果に委ねられる形となる。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ アウディF1を冷静分析「PUにまだ伸びしろがある」

    ニコ・ヒュルケンベルグ アウディF1を冷静分析「PUにまだ伸びしろがある」

    ニコ・ヒュルケンベルグは、バーレーンで進められているアウディF1の新型マシン「R26」のテストについて、現時点での率直な評価を示した。

    バルセロナでの走行から明確な進歩はあるとしながらも、新レギュレーション時代に向けて課題は多いと認めている。

    バーレーン・インターナショナル・サーキットで2回のハーフデイ走行を終えたヒュルケンベルグは、まず全体像について前向きな印象を語った。

    「違いはあるし、パフォーマンスと信頼性の面で良い前進だ。多くの周回と距離をこなすことができた。バルセロナと比べれば大きなステップだ」とヒュルケンベルグは述べた。

    一方で、サクヒールはスペインでのシェイクダウンとは性格が大きく異なると指摘する。

    「バーレーンはバルセロナとはまったく違うサーキットだ。ストップ・アンド・ゴーが多く、低速域中心だ。路面、グリップ不足、高温といった要素によってマシンの弱点が露わになる。ここまで過酷な条件を与えるサーキットはそう多くない」

    完全新設計のアウディPUは開発途上
    現在の作業の中心は、完全新設計となるアウディのパワーユニットにある。

    「常にエンジンに取り組んでいる。さまざまなセッティングを試し、項目ごとに確認し、段階を踏んで変更を加え、再びコースに出る。まさにテストだ」

    ヒュルケンベルグはポテンシャルの存在を認めつつも、どのメーカーもまだ最適解には到達していないと見る。

    「この部分にはもう少し伸びしろがあると思う。ただ、まだ5日目だ。どのエンジンメーカーも完璧な状態ではないはずだ。すべてが完全に最適化されているとは思えない。多くの分野で改善の余地がある」

    昨年までの世代との比較では、成熟度の差を強調した。

    「昨年までの世代、とりわけパワーユニットは10年かけて磨き上げられてきた。すべてがスムーズで、均質で、扱いやすかった。だが今はエンジンもギアボックスも初めて作っている。やるべきことがあるし、整理すべき部分もある。それは自然なことだ。ドライバーにとっては一貫性と予測可能性が重要だからだ」

    タイム面については慎重な姿勢を崩さない。

    「集団の中でそれほど離されてはいないが、エネルギーモードによって差は大きく変わる。燃料搭載量も不明だ。道のりは長い。いくつかの部分を整えれば、さらにポテンシャルは引き出せる」

    ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ F1

    ダウンフォース減少と2014年との共通点
    2026年型マシンの特徴として、ヒュルケンベルグはダウンフォースの減少を挙げる。

    「ダウンフォースは少ない。それが最大の変化だ。昨年のマシンは信じられない量のダウンフォースがあった。今はその一部が欠けている。数年のうちに各チームが取り戻していくだろうが、現時点では確実に少ない」

    その状況は2014年の大規模レギュレーション変更を想起させるという。

    「2014年の変更を強く思い出す。新しいパワーユニット、かなり異なる空力。そしてゼロからのスタートだ。再学習し、適応する。それでも最終的には四輪があり、フロントウイングとリアウイングがあり、ステアリングがあるレーシングカーだ。物理法則は変わらない」

    ブレーキングで露呈する難しさ
    バーレーン特有のコンディションは、特にブレーキングで顕著に表れた。

    「ターン9でこれほど多くのマシンがロックするのは見たことがない。特に今回の条件ではなおさらだ。通常はターン1とターン10で向かい風になるが、今年は追い風だ。それが非常に難しい」

    最後に、2026年型マシンの“楽しさ”については判断を保留した。

    「何戦か走ってから評価したい。実際にレースでどれだけバトルできるのか、どう機能するのかを見たい。皆が答えを求めているのは分かっているが、今断言するのはフェアではない」

  • ロバート・シュワルツマン アウディF1のリザーブ候補に浮上

    ロバート・シュワルツマン アウディF1のリザーブ候補に浮上

    2026年F1シーズンを前に、ロバート・シュワルツマンがアウディF1のリザーブドライバーに就任する可能性が取り沙汰されている。

    26歳のロシア系イスラエル人ドライバーは、かつてフェラーリおよびザウバーでリザーブ兼テストドライバーを務めており、ヒンウィルを拠点とする同チームが新レギュレーション下でアウディのフルワークス体制へ移行した現在、再びF1復帰の道が開ける可能性がある。

    シュワルツマンは近年、耐久レースを経てアメリカのインディカーへ活動の軸を移していた。2025年のインディアナポリス500では、同レースで1983年以来となるルーキーによるポールポジション獲得を達成し、大きな印象を残した。

    しかし、そのアメリカでの将来には不透明感が漂っている。シュワルツマンが参戦していたプレマ・レーシングは、オーナーシップ再編の影響により2026年シーズンの始動を遅らせることを発表。セブリングおよびフェニックスでのプレシーズンテストには参加せず、3月1日の開幕戦への出場も現時点で確定していない。

    さらに、プレマの2台はインディカーの新チャーター制度の下でフルタイム参戦車両の中で唯一チャーターを保有しておらず、昨年は出走保証や主要な財政分配の対象外となっていた。

    アウディが本格ワークス体制で迎える2026年シーズンに向け、リザーブドライバー体制の強化は重要なテーマの一つだ。シュワルツマンの経験と実績は、その候補として再評価される可能性がある。

  • アウディF1、バーレーンテストで“激変R26”公開 極細サイドポッドの衝撃

    アウディF1、バーレーンテストで“激変R26”公開 極細サイドポッドの衝撃

    アウディは2026年F1バーレーン・プレシーズンテスト初日、シェイクダウン仕様から大幅に姿を変えたR26を投入し、パドックを騒然とさせた。

    バルセロナで非公開のまま披露された“安全志向”のローンチ仕様からわずか2週間。サクヒールのガレージから姿を現したマシンは、もはや別物と言っていい攻撃的な空力思想をまとっていた。

    水曜日朝にコースインしたR26は、単なるアップデート版ではない。設計思想そのものを一段階進めた、事実上の“第2形態”とも言える仕様だ。

    “極細”サイドポッドの全貌 ジオメトリーから再設計
    最大の衝撃はミッドセクション、とりわけ吸気口ジオメトリーの抜本的変更にある。

    まず吸気口の形状が根本から見直された。従来の横方向に広がるワイドなインレットは姿を消し、シャシー側面に沿うように配置された、よりナローで縦方向に高いインテークへと進化している。開口部は明確にインボード寄りへ移され、車体に密着するような構成となった。

    そこからボディワークは外側へとフレアし、ランプ状のアンダーカットを形成する。この形状により、吸気口を通過しなかった外側の気流はスムーズにフロア外縁部へと導かれる設計となっている。冷却と空力を同時に成立させる二重構造だ。

    さらにサイドポッド上面にはチャンネルが追加され、気流が車体後方へ滑らかに抜ける経路が明確に構築されている。この流路を短縮することで、ディフューザー上面へ移行する際のエネルギーロスを抑制する狙いがあると見られる。乱流を減らし、より高エネルギー状態でリアへ気流を供給する思想だ。

    サイドポッドは2本のサイドインパクトストラクチャーに沿うように“シュリンクラップ”されている。上側クラッシュ構造付近、ミラーマウント横には小さなブリスターが確認でき、下側構造に沿った明確なアンダーカットランプも視認できる。構造物の存在を最小限の外形変化で包み込みながら、外形空力を優先したパッケージングとなっている。

    その視覚的インパクトから、2022年にメルセデスが投入した“ゼロポッド”コンセプトを想起させるとの声も上がった。当時は極端な絞り込みがセットアップの難しさを招いたが、2026年レギュレーションでは空力条件やフロア構造の前提が異なる。アウディは新世代フロア設計と内部レイアウトを一体で最適化し、過去の失敗例とは異なる成立条件を見出した可能性がある。

    冷却安定性とタイヤウェイク対策
    吸気口の位置変更は空力効率だけでなく、冷却安定性にも寄与するとみられる。

    フロントタイヤが生み出す乱流、いわゆるタイヤウェイクは、吸気口を通過する空気の質量流量を不安定にする要因となる。吸気口をよりインボード側へ配置することで、この乱流の影響を受けにくくし、安定した冷却気流を確保する意図がある。

    コーナリング時にも利点がある。サイドポッド自体がタイヤから剥離する気流の処理をより主体的に担えるようになり、流れの制御自由度が高まる。

    公開画像から吸気口下部の詳細までは断定できないが、第一印象としてはバージボード的なアウトウォッシュ効果を誘発し、フロア外縁部やウェイクボード周辺の流れを整える設計である可能性もある。

    ただし、これほどまでに絞り込んだレイアウトは明確なリスクも伴う。吸気面積の縮小は冷却マージンの低下と直結する可能性がある。高温環境のバーレーンでこの仕様を投入したことは、アウディが冷却パッケージに相当な自信を持っていることの表れとも受け取れる。

    アウディ F1

    フロントウイングとアクティブエアロの新解
    変更はフロントエンドにも及んでいる。

    アウディはノーズ下中央の単一アクチュエーターではなく、ツインのアクティブエアロ用アクチュエーターを採用した。これによりアクチュエーターハウジングによる気流ブロッケージを抑えつつ、ノーズをより低く設計することが可能となる。

    さらに、フロントウイングのボルテックストンネル上部にはアウトウォッシュフィンが追加されている。エンドプレート側ウイングレットとの相互作用を強め、フロントタイヤ周辺の気流をより外側へ回り込ませる効果を高める狙いがある。

    フロントで整流し、サイドポッドで制御し、フロア外縁へ送り、ディフューザーへ高エネルギー状態で届ける。今回のR26は、その一連の流れを一体設計として再構築したマシンだ。

    攻め続ける開発姿勢
    マッティア・ビノット率いる技術陣とジェームス・キーの設計チームは、水曜日の走行に合わせて完全新設計のフロントウイングも投入した。

    午前はガブリエル・ボルトレトが刷新版R26の初走行を担当し、午後はニコ・ヒュルケンベルグがデータ収集を引き継いだ。他チームがメルボルン仕様に近づいていると示唆するなか、アウディは急進的な進化を選択している。

    来週の第2回テストを経て、3月8日の開幕戦オーストラリアGPまでにさらなる変貌を遂げる可能性もある。

    この“極細ウエスト”の賭けが表彰台への近道となるのか、それとも冷却やバランスの難しさが課題となるのか。答えはまだ出ていない。

    しかし少なくとも今、アウディを「ただの新規参戦チーム」と見る者はいない。R26は設計思想そのもので、2026年F1新時代の議論の中心へと躍り出た。

  • アウディF1 R26が早くも進化 “ゼロポッド風”サイドポッドをバーレーンで投入

    アウディF1 R26が早くも進化 “ゼロポッド風”サイドポッドをバーレーンで投入

    アウディは、2026年F1プレシーズンテストが行われているバーレーンで、R26に興味深いサイドポッドの変更を投入した。

    同チームは1月初旬にバルセロナでシェイクダウンを実施し、早い段階でR26の初期仕様を確定させたチームのひとつだった。その後、同地で行われたクローズドテストにもその仕様で臨みつつ、ファクトリーでは開発パーツの準備を進めてきた。これらのアップデートは、開幕戦オーストラリアGPまで段階的に投入される見込みだ。

    その成果の第一弾として、水曜朝のバーレーンでガブリエル・ボルトレトが走行を開始した際、新仕様のサイドポッドが姿を現した。

    アウディ F1

    水平スリットから縦型インレットへ転換
    新しいサイドポッドは、発表仕様で採用されていた水平スリット状のインレットから方向転換したものとなっている。

    インレットはより小型化され、縦方向に立ち上がる形状へと変更された。そのシルエットは、2022年のグラウンドエフェクト初期にメルセデスが投入した、いわゆる“ゼロポッド”を想起させるものだ。

    ただし、アウディは当時のメルセデスとは異なり、サイドポッドのボディワーク自体は維持している。

    さらに上面形状も従来型から洗練され、よりアグレッシブな造形へと進化。ダウンウォッシュ効果を高める方向で最適化が図られている。

  • アウディF1、2026年F1マシン最低重量770kgは「到達可能」と判断

    アウディF1、2026年F1マシン最低重量770kgは「到達可能」と判断

    アウディは、2026年F1で大幅に引き下げられる最低重量規定について、現実的に到達可能だとの見方を示している。発表当初は多くのチームにとって達成困難と受け止められていた新リミットだが、開幕戦が近づくにつれて状況は変わりつつある。

    2026年の新レギュレーションでは、最低重量が30kg引き下げられ、770kgとなる。2024年にこの数値が示された際、より厳格化されたクラッシュテスト要件と相まって、エンジニアたちの間では強い懸念が広がっていた。

    しかし、Auto Motor und Sportによれば、現在は多くのチームが現実的な目標として捉え始めているという。

    重量削減を最優先課題に
    アウディのテクニカル責任者ジェームズ・キーは、重量削減を二次的なテーマではなく、開発の中心課題として扱ってきたと語る。

    「これほど大きな影響を与える要件がある場合、専用の計画を立てる必要がある」とキーは述べた。

    「重量管理は、このチームの強みのひとつだ」

    キーは、拠点のヒンウィル時代から続くザウバーの実績にも言及した。2022年のグラウンドエフェクト導入初年度、同チームは最低重量を下回るマシンを走らせ、他チームが苦戦する中でバラストを搭載できていたことが知られている。そのアドバンテージは、ライバルが追いつくまでの間、パフォーマンスに直結した。

    もっとも、アウディがすでに完全に目標へ到達しているかは、まだ明確ではない。

    「正直なところ、我々自身も確信は持てていない」とキーは認める。

    「これまで走らせたマシンには多くのセンサーが搭載されていた。限界にかなり近づけることを期待している」

    ライバル勢は慎重姿勢
    他チームの反応はより慎重だ。メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、自分たちは「比較的うまく位置しているはずだ」と述べるにとどめている。一方、アルピーヌは内部目標を達成したと示唆している。

    ウィリアムズについては、FW48が依然として重量超過ではないかというパドックでの噂が絶えない。ただし、チーム代表ジェームズ・ボウルズは、それを明確には否定も肯定もしなかった。

    「すべてのセンサーを外すまで、正確な重量は分からない」とボウルズは語った。

    「もしメルボルンで数キロ重ければ、厳しいダイエットに入ることになる」

    最低重量の引き下げは、もはや非現実的な数字には見えなくなってきており、将来的にはさらに厳しくなる可能性を指摘する声もある。ただし、キーは追加の引き下げには慎重な姿勢を示した。

    「それは、他のみんながどこに落ち着くか次第だ」とキーは述べた。

    「戦略的に考える必要がある」

    アウディ F1

    燃料が握る2026年の行方
    アウディ陣営は、車体重量が2026年のパズルの一部にすぎないことも強調する。持続可能燃料の開発は、同等、あるいはそれ以上に決定的な要素になり得るという。

    アウディF1プロジェクト責任者のマッティア・ビノットは、燃料性能の差だけで1周あたり最大0.5秒の違いが生まれる可能性があると警告した。

    「燃料はエンジン性能に直接影響する」とビノットは述べた。

    「良い燃料と悪い燃料の差は10〜15キロワット、約15馬力にもなり得る。それはコンマ4秒、場合によっては0.5秒に相当する」

    その重要性を象徴するように、アウディはリアのエンジンカバーに『BP』のロゴを大きく配置した。かつてはレースナンバーが置かれていた位置であり、新時代において燃料がいかに中心的な役割を担っているかを強く印象づけている。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ、アウディF1初年度でも消えない夢「レースで勝つ」

    ニコ・ヒュルケンベルグ、アウディF1初年度でも消えない夢「レースで勝つ」

    ニコ・ヒュルケンベルグは、アウディのF1デビューイヤーを前にしてもなお、F1での「変わらぬ夢」を胸に抱いていることを明かした。

    長年にわたり他カテゴリーで成功を収めてきたアウディは、今年からザウバーに代わる形でF1に本格参戦する。その最前線を任されるのが、ドイツ出身のベテランドライバーであるヒュルケンベルグだ。

    ヒュルケンベルグは2023年に3年間のブランクを経てF1に復帰し、キャリアの“再興”を果たしたドライバーの一人でもある。昨年のイギリスGPでは、長年待ち望まれていた自身初の表彰台を獲得し、大きな節目を迎えた。

    これまで一貫してフロント争いが可能なマシンに恵まれてこなかったものの、その能力に疑問が投げかけられたことはほとんどない。アウディは2030年までに勝者になることを目標に掲げており、その時ヒュルケンベルグは43歳を迎える計算となる。

    ベテランの域に達した現在も、彼はキャリアにおける「最後のチェック項目」を強く意識している。ただし同時に、チームがまずは歩くことを学ばなければならない段階にあることも、冷静に受け止めている。

    ニコ・ヒュルケンベルグ アウディ F1

    「それが夢だ。レースで勝つことだ。表彰台はもう達成した」とヒュルケンベルグは語った。

    「レースで勝つというのは、ひとつの目標であり、ゴールであり、夢でもある。重要なのは、マシンにあるチャンスやポテンシャルを最大限に引き出し、それを最大化することだ」

    「もちろん、どこからスタートするのか、今年どれだけ競争力があるのかに大きく左右される。正直なところ、10分前と比べても状況がどうなのかはまだ分からない」

    「それでも、実現すれば夢が叶う瞬間になる。ただし、焦らず、まずはスタート地点での自分たちの立ち位置を見極める必要がある」

    アウディF1の最初の一歩とともに、ヒュルケンベルグの“勝利への夢”も、静かに走り始めている。

  • アウディF1、リアウイングが“斜めに開く” 2026年アクティブエアロの異端解釈

    アウディF1、リアウイングが“斜めに開く” 2026年アクティブエアロの異端解釈

    2026年F1レギュレーション下で導入されたアクティブエアロは、各チームの解釈の違いを早くも際立たせている。バルセロナでの初期走行では、アウディF1とアルピーヌF1がリア周りで特に異色の解決策を採用していることが確認された。

    2026年レギュレーションは、FIAが定める枠内でありながら、エンジニアの発想力を強く刺激している。初期テストの段階から、設計思想の違いが明確に現れており、その中でも大きな変化のひとつがアクティブエアロの役割だ。

    かつてのDRSのように「追い抜きのための装置」ではなく、2026年からはポジションに関係なく、ストレートで常時活用される空力デバイスへと性格が変わった。

    この新しい思想は、リアウイングの可動フラップの設計にも如実に表れている。

    フラップの形状、可動するエレメントの数、さらにはサーキット特性に応じてレースごとに仕様を変える可能性まで、各チームのアプローチは多岐にわたる。

    従来型から分岐する“開き方”の哲学
    2025年までの規則では、可動範囲は厳しく制限されており、多くのチームは最大85mmの開口を確保するため、アクチュエーターでフラップの前縁を持ち上げ、後縁は固定したままという方式を採用していた。

    回転の支点(ピボット)はフラップ後端に置かれ、前方が持ち上がる構造が“標準解”だった。

    しかし2026年規則では、この前提が崩れ始めている。

    大半のチームは従来型を踏襲しつつ、外側でエンドプレートを超える高さまで前縁を持ち上げ、ストレートでのドラッグ低減を狙っている。

    一方で、アルピーヌF1とアウディF1は明確に異なる道を選んだ。

    アルピーヌは“逆作動”、アウディは“中間解”
    アルピーヌF1は、これまでとは逆に後縁が下がり、前縁が固定される構造を採用している。

    結果として、可動フラップはメインプレーンの延長のような形状となり、従来とは異なる流れを作り出す。

    そして、さらにユニークなのがアウディF1の選択だ。

    ヒンウィルの技術陣は、2枚のリアフラップが回転するピボットを、サイドサポートの中央に配置した。

    サイドサポート自体は規則で固定されているため、フラップのみが中央支点を軸に回転する構造となっている。

    この結果、アウディR26のフラップは、開いた際にほぼ水平にはならず、斜めに傾いた“オブリーク(斜行)”な姿勢を取る。

    他チームと比較すると、フラップ間に生じる開口は小さいが、角度そのものが大きく異なるのが特徴だ。

    アウディ F1

    斜めに開くことで変わる気流の向き
    フラップが斜めに開くということは、単に抵抗を減らすだけでなく、リア周辺の気流の方向そのものを変化させることを意味する。

    視覚的にも、空気が下方へ押し込まれるような挙動が見られ、これは強い傾斜角によって生まれる独特の流れだ。

    作動方式も他チームとは異なる。

    多くのチームが2つのアクチュエーター接点を使い、2枚の可動フラップを同時に制御しているのに対し、アウディF1ではアクチュエーターは1枚目のフラップのみに接続されている。

    2枚目のフラップはパッシブな存在で、2枚を結ぶ小さな支持構造によって引きずられる形で動作する。

    つまり、直接アクチュエーターで制御されているわけではない。

    2026年F1のアクティブエアロは、単なる開閉機構ではなく、気流の向きや性質まで含めた空力思想の競争に突入している。

    アウディF1の斜め開口という解釈は、その象徴的な一例と言える。

  • アウディF1、デビュー目前で認めた「非常に長い」課題リスト

    アウディF1、デビュー目前で認めた「非常に長い」課題リスト

    アウディF1プロジェクトは、2026年F1開幕戦オーストラリアGPを目前に控えた段階で、なお膨大な作業を抱えていることを率直に認めた。プロジェクト責任者マッティア・ビノットは、準備完了までに解決すべき課題について「非常に、非常に長いリスト」が存在すると明かしている。

    今年からザウバーのエントリーを引き継ぎ、満を持してF1に参戦するアウディは、先月バルセロナでのフィルミングデー・シェイクダウンを経て、先週には同地で非公開テストを実施した。

    各チームに許可された3日間の走行枠の中で、アウディは合計240周を消化したと報告されている。
    アウディの走行距離は全10チーム中8番手だったが、アストンマーティンが1日強で65周にとどまったことを考慮すると、比較対象となるのは同じ新規参戦組のキャデラック、そしてコンストラクターズ王者マクラーレンだった。

    アウディはキャデラックより76周多く走行し、マクラーレンとの差も47周にとどまった。総走行距離は1,117kmに達している。

    ラップタイム自体は目立つものではなかったが、この種の初期テストでは重要視される要素ではない。チーム体制やドライバーラインアップには依然としてザウバーのDNAが色濃く残る一方で、パワーユニットは完全なアウディ製であり、新レギュレーション下での開発は、経験の有無を問わずすべてのメーカーにとって難題となっている。

    それでも、バルセロナでの1週間を終えたアウディは、一定の手応えを持って現地を後にしたといえる。ただし、2月に控えるバーレーン公式テストまでに、なお多くの課題が残されていることも事実だ。

    「チーム全体にとって多くの作業がある。ドライバーにとっても、ファクトリーに戻ったエンジニアにとっても同じだ。設計面、オペレーション面、今回見えてきたあらゆる問題を修正していく必要がある」

    ビノットはそう語り、準備作業の現実を率直に表現した。

    「我々としては、何一つ見落とすことはできない。すべてのディテールを管理し、修正しなければならない。非常に長いリストがある。本当に、非常に長いリストだ。これほど長いリストは、これまで見たことがない」

    それでもビノットは、この状況を必ずしも悲観的には捉えていない。

    「だが、それは良いことでもある。チームは本当に献身的で、改善しようという意志がある。そして、より良い状態でバーレーンに臨もうとしている」

    R26はテスト中にトラブルも経験したが、ビノットはこれを新レギュレーション初期段階では避けられないものだと受け止めている。事実、2026年レギュレーションに向けた準備は、各メーカーが何年も前から頭を悩ませてきた領域でもある。

    アウディ F1

    ビノット「現時点としては順調」
    ビノットは、現状の立ち位置についても冷静な評価を下している。

    「我々には、まだ築かなければならないもの、成長しなければならないものが多くある。この3日間の走行は非常に重要だった」

    さらに、信頼性面についても課題を認めつつ、前向きな見解を示した。

    「信頼性は常に極めて重要だが、いくつか問題はあった。小さなもので、深刻なものではない。ここにも前向きな要素が多くあると感じている」

    アウディは、2月11日〜13日、そして18日〜20日に行われる2回のバーレーン公式テストを通じて、デビュー戦に向けた最終準備を進めていくことになる。

  • アウディF1、テストを経験して運営面でも前進「チームとして結束できた」

    アウディF1、テストを経験して運営面でも前進「チームとして結束できた」

    アウディ・レボルトF1チームにとって、バルセロナでのシェイクダウンは2026年シーズンに向けた最初の実戦的な検証の場となった。R26の走行に加え、トラックサイド運営全体の確認も重要な目的として行われた。

    チーム代表のジョナサン・ウィートリーは、今回のテストを「クルマだけでなく、チーム全体を試す一週間だった」と位置づけている。

    「バルセロナでの3日間の意味ある走行を終え、チームとして今週達成した進歩のレベルには満足している。このシェイクダウンは、単にクルマを走らせるだけのものではなかった」

    「信頼性、ロジスティクス、運営手順、ピット機材に至るまで、トラックサイドのすべてを検証し、シャシーとパワートレインの人員を一体化した。ドライバー2人のフィードバックは、今後の開発において非常に重要なものになる」

    「初期の課題はいくつかあったが、解決に向けてチームが結束した姿勢は印象的だった。次はバーレーンテストに向け、最良の状態で臨むことに集中する」

    アウディ F1 ジョナサン・ウィートリー