カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • アストンマーティン・ホンダF1、AMR26のリア警告灯が青く点灯した理由

    アストンマーティン・ホンダF1、AMR26のリア警告灯が青く点灯した理由

    アストンマーティン・ホンダF1の2026年型マシンAMR26がバルセロナで初走行した際、リア中央の警告灯が通常の赤ではなく青く点灯していたことに、多くの関係者が気づいた。

    2026年のF1テクニカルレギュレーションでは、マシン後方に警告灯の装着が義務づけられている。リアクラッシュ構造の中央に1灯、さらにリアウイングのエンドプレート内に2灯を備える仕様だ。

    色について明確な規定はないものの、一般的には赤色が用いられ、ウエットやインターミディエイトタイヤ装着時、ピットレーン速度制限中、あるいはエネルギー回生中やフルパワーで走行していない場合など、安全上の理由から点灯・点滅する。

    ところが、ランス・ストロールがAMR26でピットを離れた木曜、そしてフェルナンド・アロンソが金曜朝に行った序盤の周回では、中央の警告灯が赤ではなく青く点灯していた。F1が公開した公式動画でも、この点ははっきりと確認できる。

    この青いライトは、スポーティングレギュレーション上では「スーパーライセンスを所持しないドライバーが走行する際」に装着が義務づけられている装備として言及されている。そのため、経験豊富なストロールやアロンソがドライブしている状況で青色が使われたことが、さらに疑問を呼ぶことになった。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    アストンマーティンは、自らの走行プログラムの詳細を明かさない方針を理由に、公式な説明を避けている。ただし、他チームが明らかにしたところによると、これはAMR26の初期段階における特別な走行計画と関係しているという。

    アストンマーティンは一部の走行において、ストレートで最高速まで加速しない、いわば速度制限をかけたプログラムを採用していたと理解されている。他チームはその情報を受け、自チームのドライバーに注意を促していた。

    この速度制限の正確な理由は明らかにされていないが、空力データ収集のため、あるいは新車の初期段階でコンポーネントに過度な負荷をかけないためだった可能性がある。実際、木曜のストレールは1分40秒台という非常に遅いラップを刻んでおり、テスト最速タイムからは約30秒遅れていた。金曜朝のアロンソのインスタレーションラップでも、メインストレートでフルスロットルにしていない様子が見られた。

    2026年型F1マシンはコーナー立ち上がりの加速が非常に鋭いため、前を走るマシンがストレートで想定よりも遅いと、後続車が急接近してしまうリスクがある。そこでアストンマーティンは、速度を抑えた走行中であることを周囲に分かりやすく示す手段として、リア中央の青い警告灯を点灯させていたと考えられている。

    この工夫は、スポンサーロゴのないカーボンむき出しのカラーリングで、通常以上に見分けがつきにくいAMR26を後続車が認識しやすくする効果もあった。

    なお、金曜午前の後半には、アストンマーティンの走行プログラムが次の段階に進んだとみられ、青い警告灯は消灯していた。その代わり、通常通りリアウイングのエンドプレート内にある2灯の赤いライトが点滅しており、他車と同様の速度プロファイルで走行していたことを示唆している。

    アロンソのペースも時間とともに向上し、序盤の1分25秒台から、最終的には1分20秒795まで短縮された。これは、他チームと同じ土俵に近づきつつあることを示すタイムだった。

  • アストンマーティンF1、ホンダとの新時代が始動「率直に意見をぶつけ合える」

    アストンマーティンF1、ホンダとの新時代が始動「率直に意見をぶつけ合える」

    アストンマーティンのチーフトラックサイドオフィサーを務めるマイク・クラックは、2026年F1バルセロナ・シェイクダウンで新型マシンが初めてコースに姿を現した瞬間について、「感情的で特別な時間だった」と語った。

    ホンダとの新たなワークスパートナーシップ、自社製ギアボックスの投入、そして大幅なレギュレーション変更が重なる中で迎えた初走行。その舞台裏と今後に向けた見通しを、クラックが明かしている。

    Q:バルセロナ・シェイクダウンで新しいアストンマーティンがガレージから出ていく瞬間を見て、どんな気持ちでしたか?

    新車が完成するたびにそうだが、いつも感情的になる。本当にエキサイティングな瞬間だ。ここ数日間、非常に多くのハードワークがあって、これからもまだやるべきことは山ほどあるが、今日はひと息ついて、無事にマシンをコースに送り出せたことを喜んでいいと思っている。

    チーム全員が注いだ努力への賛辞でもあるし、とても良い瞬間だった。

    Q:ここまでのプレシーズン準備について教えてください。今回の状況はかなり特別ですよね。

    その通りだ。我々は新たにホンダを迎え、パワーユニットのワークスパートナーとなった。さらに、長い年月を経て初めて自分たちでギアボックスを製作し、新しいシャシー規則、新しいパワーユニット規則が同時に導入されている。

    ワークスチームとしての本格始動とレギュレーション変更が重なり、大きな変化の中にいる。エイドリアンも加わり、非常にエキサイティングな状況だ。

    正直に言えば少し遅れはあったが、このテストに間に合わせることができた。その点は誇りに思っていい。

    Q:ホンダとの新しいパートナーシップ、パワーユニット統合の現状はいかがですか?

    まだ始まったばかりだ。長年組んできた以前のパートナーとの関係があったからこそ、新しい人たちを知り、働き方や責任分担を理解する必要がある。

    ただ、スタートは良かった。お互いに笑顔もあり、彼らは本当にレーサーだ。率直に意見をぶつけ合えるし、とても前向きな関係だと感じている。今後もこの関係を深めていくのが楽しみだ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    Q:ピットレーンではフェルナンドがピットウォールに立ち、ランスが走り、ローレンスやエイドリアンもガレージにいました。あの瞬間のやり取りは?

    正直に言うと、その前は「いつ出られる?」「本当に準備できている?」という会話ばかりだった。トラックサイドチームとして、まず安全性と信頼性を確保することが最優先だからだ。レギュレーションもマシンも非常に複雑で、こうした状況では絶対に妥協できない。

    マシンがコースに出ると、それは特別な瞬間になる。ただし30秒もすれば、すぐに次の段階、次の走行、次の課題へと意識が移る。F1は本当に容赦がない。

    それでも新車の最初の周回は、誰にとっても特別だし、あの時間を共有できたのは良かった。フェルナンドがピットウォールにいたのも印象的だったが、正直に言えば彼にはピットウォールではなく、マシンに乗っていてほしい。ただ、ランスが最初に走ったのも含めて、良い瞬間だった。

    Q:明日以降に向けての見通しは?

    今日は基本的にインストールとシェイクダウンだった。今はシェイクダウンウイークであることを忘れてはいけない。ここからは走行距離を重ね、作業を積み重ね、互いの働き方を学び、ホンダとの統合を進めていく段階になる。

    天候も良さそうだし、タイヤも十分にある。与えられた一日を最大限に活かしたい。

  • アストンマーティンF1の革命 リアサスアームがピラーに接続されたAMR26

    アストンマーティンF1の革命 リアサスアームがピラーに接続されたAMR26

    アストンマーティンF1の2026年型マシンAMR26は、バルセロナで行われているシェイクダウンの終盤、日没直前にようやくコースに姿を現した。走行はわずか3周にとどまったが、ランス・ストロールが刻んだ短い周回の中で、エイドリアン・ニューウェイが持ち込んだ数々の技術的アイデアがはっきりと確認できた。その内容は、パドック内にとどまらず、今後大きな議論を呼ぶ可能性が高い。

    AMR26は、シルバーストンのチームにとってニューウェイが初めて手がけたF1マシンである。カラーリングはまだおなじみのグリーンではなく、カーボンむき出しのブラック。水曜夜にガレージへ運び込まれた後、細かなトラブルを解消しながら最終組み立てが行われ、出走は大きく遅れた。まるで主役級の登場を演出するかのようなタイミングだったが、その期待は裏切られなかった。

    強烈なスライド形状と極端に絞られたサイドポッド
    AMR26が最初に目を引いたのは、ニューウェイらしさ全開のエクストリームな外形だった。サイドポッド上面はマクラーレンに近い思想で、大きくスライドしながら後方へ下がっていくが、フロアまでは落とし切らず、コークボトル領域を強く意識した構成となっている。

    一方で、レッドブル時代のニューウェイの代名詞とも言えた深いアンダーカットは姿を消し、サブ構造にはウイング形状を思わせる処理が与えられている。ラジエーターインレット下部には大きなトレー状の構造が残され、正面から見ると開口部は極端に狭い。

    このタイトなパッケージングは、アストンマーティンがホンダから独占供給を受けるRA626Hの冷却戦略と直結している。レギュレーションで再び許可されたプロファイルド・ラジエーターを用いることで、サイドポッド形状を極限まで引き締めていると考えられる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    三角形エアボックスと中央ラジエーター
    空力効率への執念は上部構造にも表れている。エアボックスはフェラーリほど小型ではないが、基本形状は三角断面を維持している。その内部には、エンジン上に配置された中央ラジエーターへ空気を送るための吸気が組み込まれている。

    2025年型では6気筒エンジン上に比較的大型の放熱体が載っていたが、AMR26では大幅にスリム化された。その結果、エンジンカバーは非常にタイトなラインを描き、長く伸びた縦フィンが、リアウイング周辺の気流効率を最大化しようとする意図を物語っている。

    “角”を生やしたAMR26と大胆な排熱処理
    マシンを後方から見ると、SF-26を思わせる“角”状の2枚のプロファイルが確認できる。さらにHalo両脇には、前年型フェラーリの「コブラ」位置に相当する縦フィンも配置された。

    サイドからの熱気は、短く強烈なバズーカ形状のアウトレットから排出される。メガホンのように開いたこの出口は、見た目にも非常に強い主張を放っている。

    フロントはマルチリンク、ステアリングはトライアングル後方
    サスペンションは、空力と機械の融合というニューウェイ哲学を最も端的に示す部分だ。前後ともにプッシュロッドを採用し、軽量性とフロー適合性を優先している。

    フロントでは、マルチリンクの上側アームとプッシュロッドの取り付け点がシャシー上部の最も高い位置に集約されている。三角形アームの後端は大きく開かれ、下向きに傾けられたアンチダイブ志向のレイアウトだ。マクラーレンやレッドブルがステアリングをシャシー前方に移したのに対し、AMR26では後方配置を維持しており、風洞で得られた成果がこの選択を後押ししたと見られる。

    アストンマーティン ホンダF1

    リアウイングのピラーがサスペンションを支える
    リアでは、プッシュロッド自体は比較的オーソドックスだが、決定的に異なる点がある。上側トライアングルの後方アームが、リアウイング支持用ピラーに接続されているのだ。これは2026年F1マシンの中でも極めて大胆な発想であり、構造と空力を一体化しようとする試みがはっきりと表れている。

    ディフューザー直後には、フロアに切り欠きが設けられており、抽出部の流量を増やす狙いも確認できる。

    プロファイル化されたノーズとアクティブエアロ
    ノーズは上面がシャープに整形され、下面は深くえぐられているが、可動フロントウイング用アクチュエーターを収めるための突起が残されている。メルセデスと同様に、第2フラップに2本のピラーを固定し、第3要素のみを可動させるアクティブエアロ構成を選択した。

    メインプレーンにはサイドウォール手前で小さなカールが入り、エンドプレート内側には簡素ながら縁取りが確認できる。現時点ではフットプレーンやバージボードは非常にベーシックで、真に創造的な空力パーツはバーレーンでの第2テストに温存されていると見られる。

    AMR26は、長い待ち時間の末にようやくコースインしたものの、低速での3周のみで走行を終えた。デビューを担ったランス・ストロールのマシンは、初期トラブルに悩まされている可能性が高く、ニューウェイ渾身の革命的コンセプトが本領を発揮するまでには、まだ時間が必要になりそうだ。

  • ランス・ストロール アストンマーティンF1新車初走行「ホンダPUに慣れる段階」

    ランス・ストロール アストンマーティンF1新車初走行「ホンダPUに慣れる段階」

    ランス・ストロールは、バルセロナで行われている2026年F1シェイクダウン終盤に、アストンマーティンの新車AMR26を初めてコースに送り出した。新レギュレーション対応マシンに加え、ワークスパートナーであるホンダの新パワーユニットも初走行を迎える一日となり、チームにとって大きな節目となった。

    数週間ぶりにマシンへ戻ったストロールは、限られた周回数ながらも前向きな感触を口にしつつ、AMR26がいかに大規模かつ複雑なプロジェクトであるかを強調。

    残りのシェイクダウンでは、周回を重ねながらマシン理解とデータ収集に集中していく考えを示した。

    Q:ランス、新しいアストンマーティンがついにコースに登場しました。今日の午後、そのマシンを初めて走らせましたが、実際に走ってみてどうでしたか。

    良かった。数週間ぶりにマシンに戻れて、またクルマに乗れたのはうれしかった。今日マシンを仕上げるために、チーム全員が本当によくやってくれたと思う。メカニックも含めて、みんなが全開で準備してくれた長い一日だった。その結果、終盤に何周か走ることができたし、感触も良かった。

    ランス・ストロール アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    Q:新レギュレーションの新車に加えて、新しいホンダのパワーユニットもあります。このプロジェクトはチームにとってどれほど大きなものだったのでしょうか。そのプロセスについて教えてください。

    大きなプロジェクトだし、すごく複雑だ。とにかく膨大な時間がこのマシンに注ぎ込まれている。だからこそ実際にステアリングを握れたのはうれしかったし、新しいホンダのパワーユニットや、この新世代のマシンに慣れていく段階に入れたのは良かった。ワクワクする気持ちがある。

    Q:今回のバルセロナ・シェイクダウンで、残りの走行に向けたチームの課題は何でしょうか。

    とにかく周回を重ねて、学ぶことだ。マシンを理解して、強みと弱みを把握する。そのために、これらの新しいマシンについて、できるだけ多くの情報を集めていく。

  • 【動画】 アストンマーティンF1 AMR26をシェイクダウン ホンダPUサウンド轟く

    【動画】 アストンマーティンF1 AMR26をシェイクダウン ホンダPUサウンド轟く

    アストンマーティンF1は、バルセロナで行われている2026年F1シェイクダウンテスト4日目の最終盤、残り1時間というタイミングで新型マシンAMR26を初走行させた。

    AMR26は、エイドリアン・ニューウェイがチーム加入後に初めて設計を主導したアストンマーティンF1マシンで、これまでテスト初日から3日目まで走行を行っていなかった。水曜夜にマシンがスペインに到着し、メカニックが深夜まで作業を続けた結果、木曜午後にようやくコースインが実現した。

    マシンはスポンサー表記のない全面ブラックのカーボン仕様で登場し、ステアリングを握ったのはランス・ストロール。アグレッシブなアンダーカットを持つサイドポッドや、エアボックス下に大きな空間を設けた独特のレイアウトなど、2026年型マシンらしい特徴的な外観も確認された。

    この走行は、アストンマーティンにとって2026年レギュレーション対応マシンの初走行であると同時に、ホンダ製パワーユニットを搭載した初の実車走行でもあった。バルセロナのサーキットには、新時代のホンダPUサウンドが響き渡り、2026年シーズンに向けた新たなスタートを印象づけるシーンとなった。

  • アストンマーティン・ホンダF1、2026年F1マシン『AMR26』が初走行

    アストンマーティン・ホンダF1、2026年F1マシン『AMR26』が初走行

    エイドリアン・ニューウェイが初めて設計を手がけたアストンマーティン・ホンダの2026年F1マシンAMR26が、バルセロナで行われているシェイクダウンテスト4日目の木曜午後、残り1時間というタイミングでようやくコースに姿を現した。

    水曜夜にスペイン入りしたマシンを走らせるため、アストンマーティンのメカニックたちは深夜まで、さらに木曜の大半の時間を費やして準備を進め、テスト終盤日の走行にこぎ着けた。

    最終1時間のみの走行とブラックカーボン仕様
    AMR26が実際に走行できたのは、木曜のセッション最終1時間のみだった。マシンは全面ブラックのカーボンカラーで、ステアリングを握ったのはランス・ストロールだった。

    サーキット外から撮影された画像では、アグレッシブなアンダーカット形状のサイドポッド、興味深いエンジンカバーの処理、エアボックス下に大きな空間を持つ構成が確認された。スポンサーのロゴは一切なく、ノーズ側面にアストンマーティンのロゴがあるのみだった。

    3日間欠場とニューウェイ主導の開発
    アストンマーティンは、今週のバルセロナ・シェイクダウンの最初の3日間を欠場していた。各チームは最大3日間しか走行できないため、実質的に1日分の機会を失った形となる。

    その背景には、新車AMR26の製作を最終段階まで詰めていた事情がある。このマシンは、ニューウェイがチームに加入して以降、初めて設計を主導したF1マシンとなる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    遅れの理由とニューウェイの権限
    テスト初日を欠場した公式な理由は明かされていないが、ニューウェイがホンダ製パワーユニットを搭載する新車の設計において、極限までスケジュールを攻めた結果だとの見方も出ている。

    ニューウェイは今季、アストンマーティンのマネージング・テクニカル・パートナーに加え、チーム代表も兼任している。これにより、前チーム代表兼CEOのアンディ・コーウェルが一時的に別の役割へ移行した後、ニューウェイがチーム運営全体を掌握する体制となった。

    ホンダPUへのスイッチと厳しいスタートの覚悟
    アストンマーティンは2026年の新レギュレーション時代に向け、パワーユニットをホンダへ切り替えている。ただし、新エンジンパートナーであるホンダ側も、シーズン序盤が容易なものにならないことを認めている。

    今月初めに行われたホンダのエンジンローンチイベントで、ホンダ・レーシング・コーポレーションの渡辺康治社長は次のように語っている。

    「難しい。チャレンジングだ。だからこそ我々は取り組みたい。現在、さくらの施設でも信頼性テストとベンチテストを懸命に進めており、実車テストにつなげたいと考えている。非常にタイトなスケジュールだが、万全の準備を整えたい」

  • アストンマーティン・ホンダF1 「シェイクダウン準備完了」投稿が示す現在地

    アストンマーティン・ホンダF1 「シェイクダウン準備完了」投稿が示す現在地

    アストンマーティンはバルセロナで行われている非公開テストについて、木曜日から走行を開始するかどうかを依然として明確にはしていない。GPblogの取材に対し、シルバーストーン拠点のチームは「走行する意向はある」と述べるにとどまり、確定的なコメントは避けている。

    チームは理由を公表しないままテスト最初の3日間を欠席しているが、週明けには新車AMR26で木曜と金曜に初走行を行う計画だと説明していた。

    GPblogによると、この計画自体は変更されていないとされる一方、スカイスポーツF1は水曜日、「新車はスペインのサーキットで一晩かけて組み立て作業が続けられている」と報じている。

    「All set for a shakedown.」の意味
    こうした状況の中で、アストンマーティンは公式SNSに「All set for a shakedown.」と投稿した。直訳すれば「シェイクダウンの準備はすべて整った」という意味になる。

    F1におけるシェイクダウンとは、新車が初めて走行可能な状態に達したかを確認するための、極めて初期的な実走チェックを指す。タイムを追う本格的なテストではなく、システムの作動確認や基本的な信頼性チェックを目的とした短距離・低負荷の走行が中心となる。

    この表現が使われたことは、AMR26の組み立てが完了し、少なくとも「走り出せる状態」には到達したことを示唆している。一方で、どのタイミングで、どの程度の走行を行うかについては、なお慎重な姿勢が保たれている。

    走行開始は金曜にずれ込む可能性も
    スカイスポーツF1は、アストンマーティンが木曜日ではなく金曜日から走行を開始する可能性の方が高いと推測した。ただしGPblogは、この見方について「憶測に過ぎないとして否定された」と伝えている。

    いずれにしても、アストンマーティンはすでに一定の走行機会を失っており、ウィリアムズと同様に、来月のバーレーンで行われる第2回テストでその遅れを取り戻すことになると見られている。なお、バルセロナでどのドライバーが走行を担当するのかについて、チームからの正式な発表はまだない。

    今季はホンダ製パワーユニットへの切り替え初年度でもあり、慎重な立ち上がりは想定の範囲内と見る向きもある。一部では、シーズンが進むにつれて存在感を高めるダークホースになる可能性も指摘されている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ F1 本田技研工業

    ウィリアムズは欠席判断に自信
    一方、同じくバルセロナテストを欠席したウィリアムズについて、チーム代表のジェームス・ボウルズは、その判断が今季に悪影響を及ぼすことはないとの見解を示している。

    「本当に変革を加速させたいのであれば、中途半端な位置にとどまっている意味はない。問題点を見つけ出し、それを非常に迅速に修正する必要がある。それがまさに我々がやっていることだ」とボウルズは語った。

    「バルセロナを欠席するという決断には自信があるし、バーレーンでの最初のテスト、そしてメルボルンに向けた準備として正しい判断だったと確信している」

  • ニューウェイの「設計余地を残す哲学」 アストンマーティンF1躍進の伏線

    ニューウェイの「設計余地を残す哲学」 アストンマーティンF1躍進の伏線

    エイドリアン・ニューウェイ独自の仕事術をスカイスポーツF1のクレイグ・スレイターが明かした。アストンマーティンが新たなデザイン総責任者兼チーム代表に迎えたニューウェイのやり方が、2026年F1シーズンに向けたマシン開発に大きな影響を与えているという。

    エイドリアン・ニューウェイは2025年3月にアストンマーティンへ加入したが、昨季マシンの開発には関与せず、全面刷新される2026年F1レギュレーションに向けた新車に専念してきた。

    ウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルで計25回の世界タイトル獲得に貢献してきた設計の巨匠が指揮を執る体制となった一方で、アストンマーティンは今週、バルセロナでのプレシーズンテスト初日には走行できず、木曜開始でわずか2日間の走行になることを明かしている。

    この非公開シェイクダウンは5日間にわたって行われ、その後2月にはバーレーン・インターナショナル・サーキットで6日間の公式テストが予定されている。後者はテレビ中継も行われる重要な走行機会だ。

    スレイターによれば、アストンマーティンの新車が準備に時間を要している背景には、ニューウェイ特有の「設計余地を最後まで残す」哲学があるという。

    「彼らはマシンのリアエンド全体を自分たちで作らなければならず、これはこれまでやってこなかったことだ。周囲から聞く話では、これがエイドリアン・ニューウェイ流への適応なんだ」とスレイターはスカイスポーツF1のテスト特集番組で語った。

    「彼は設計のエンベロープを最後まで開けておく。だから部品の確定が遅くなり、製造も遅れる。木曜か金曜になっても、ガレージで組み上げ作業を続けている可能性があると思う」

    さらにスレイターは、ニューウェイを迎えた以上、その流儀に従うのは当然だと強調する。

    「でも、それがエイドリアンのやり方なんだ。エイドリアン・ニューウェイを雇っておいて、彼のやり方を無視するなんてことはしないだろう。だから理にかなっている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    アストンマーティンはタイトル争いへ基盤作り
    アストンマーティンにはニューウェイだけでなく、元フェラーリのエンリコ・カルディレも加わり、技術陣の陣容は大きく強化された。ニューウェイとカルディレは、チームを将来的なタイトル争いの常連へと押し上げることを目指している。

    ただし、現時点でチーム内部から聞こえてくる声は、2026年から即座にチャンピオンシップを争うというものではない。加えて、2026年F1シーズンからはホンダとの新たなパワーユニット提携が始まる。ホンダは近年、レッドブル・レーシングとともに大きな成功を収めてきたメーカーだ。

    たとえ2026年にタイトル争いの中心にいなくとも、アストンマーティンは昨季より確実に上位で戦うことを期待している。2025年は表彰台なしでコンストラクターズランキング7位に終わっており、ニューウェイ流の“最後まで詰める設計”が、その巻き返しの起点となる可能性は十分にある。

  • アストンマーティンF1、バンドーン&クロフィードとの契約を延長

    アストンマーティンF1、バンドーン&クロフィードとの契約を延長

    アストンマーティンは、2026年のF1世界選手権シーズンを前にドライバーラインアップの強化を発表し、ストフェル・バンドーンとジャック・クロフォードとの契約を継続することを明らかにした。

    バンドーンは、かつてマクラーレンでF1を戦った経験を持つドライバーで、ここ数年にわたりアストンマーティンでリザーブドライバーの役割を担ってきた。

    直近では、2025年シーズン最終戦後に行われたアブダビでのテストに参加している。

    ベルギー人ドライバーのバンドーンは、今季もフェルナンド・アロンソまたはランス・ストロールが何らかの理由で出走できない場合に備え、代役として起用される体制にある。

    一方、元レッドブル・ジュニアチームのメンバーであるジャック・クロフォードは、2024年にアストンマーティンへ加入した。アメリカ人ドライバーのクロフォードは、今季もサードドライバーのポジションを継続する。

    クロフォードは2025年シーズン中、シルバーストンを拠点とする同チームで2回のフリー走行に出走したほか、シーズン終了後にはルーキーテストにも参加していた。

  • アストンマーティン・ホンダF1、初回テストに間に合わず 木金のみ走行

    アストンマーティン・ホンダF1、初回テストに間に合わず 木金のみ走行

    アストンマーティン・ホンダは、2026年F1シーズン最初の公式走行機会となるバルセロナでのシェイクダウンテストにおいて、許可されている3日間のうち少なくとも1日を使用できない見通しとなった。チームは木曜と金曜の2日間のみ走行する意向を明らかにしている。

    F1は今週、カタルーニャ・サーキットで5日間の非公開プレシーズンテストを実施する。

    各チームは月曜から金曜までの中から任意の3日間を選んで走行できるが、ウィリアムズは2026年マシンの準備遅れにより、今回のテストを完全に欠席する唯一のチームとなっている。

    アストンマーティンもまた準備が綱渡りの状況にあり、月曜と火曜の走行を欠席することはすでに報じられていた。チーム広報は「AMR26は今週後半にバルセロナへ到着し、我々の意向としては木曜と金曜に走行する予定だ」と述べており、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールが走行できるのは2日間に限られる見込みだ。

    月曜の初日には、メルセデス、アウディ、アルピーヌ、キャデラック、レーシングブルズ、ハースF1チーム、レッドブル・レーシングの7チームがすでに走行を開始した。フェラーリとマクラーレンは火曜からの合流を予定しており、マクラーレンは水曜まで初走行を遅らせる可能性もあるとされている。

    今回のバルセロナテストではライブタイミングが公開されておらず、午後のラップタイムに関する信頼できる情報はほとんど存在しない。そもそもこの週の主眼はパフォーマンス追求ではなく、2026年仕様の新型パワーユニットを含む車両全体の信頼性確認と走行距離の積み重ねにある。

    本田技研工業 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    AMR26は、エイドリアン・ニューウェイがマネージング・テクニカル・パートナーとして初めて全面的に監修したマシンであり、シルバーストン拠点に新設された風洞施設で開発された最初の車両でもある。ニューウェイは2025年末の内部体制再編を経て、チーム代表の役割も兼任している。

    さらにアストンマーティンは、2026年からホンダ製パワーユニットを使用するワークスチームへと移行する予定であり、ローレンス・ストロールが率いる体制への期待は高まっている。一方で、今回テスト参加が遅れる理由について公式な説明はなされておらず、マシンの重量超過やパワーユニット側の問題、あるいはニューウェイが極めてタイトな設計スケジュールを要求することで知られている点など、さまざまな憶測が飛び交っている。

    限られた2日間の走行で、アストンマーティンがどこまでAMR26の基礎作業を進められるかは、2月のバーレーン公式テスト、そして新時代初年度の開幕戦に向けた重要な指標となりそうだ。