カテゴリー: ウィリアムズ・レーシング

  • カルロス・サインツJr.も驚愕 マドリンクの24%バンクをFIAが承認

    カルロス・サインツJr.も驚愕 マドリンクの24%バンクをFIAが承認

    2026年からF1カレンダーに加わるマドリード市街地サーキット「マドリンク」の目玉コーナーについて、ウィリアムズのカルロス・サインツJr.が率直な見解を語った。

    サインツJr.が特に注目したのは、「ラ・モヌメンタル」と名付けられた全長540メートルのバンク付きコーナーだ。FIA規則で許容される最大値となる24%の勾配が与えられており、F1マシンに極めて大きな負荷を与えるとみられている。

    FIA承認にサインツJr.も驚き
    マドリンクは現在も建設作業が続いているものの、主要な土木工事と舗装作業は完了した。約10万人規模の仮設グランドスタンドやホスピタリティ施設、安全フェンスなどの設置が残されているが、運営側は予定通りの完成に自信を示している。

    マドリンク運営責任者のカルロス・ヒメネスは「最も難しい工程は終わったので心配していない。ただし油断はできない」と語った。

    一方で最大の話題となっているのが、サーキット終盤に設けられた巨大バンクコーナー「ラ・モヌメンタル」だ。

    サインツJr.はこのコーナーについて、設計段階から驚きを感じていたと明かした。

    「デザインを初めて見たときから、F1がこのコーナーをカレンダーに加える決断をしたこと、そしてピレリが承認したことにとても驚いた」

    「タイヤにかかる負荷を考えると、F1マシンにとって簡単なコーナーではない。ほぼ180度のターンで、しかも勾配は非常に大きい」

    「チームやエンジニアにとっては頭痛の種になるだろう。どう対応するのか見ものだ」

    その一方で、「個性や特徴を与えてくれる存在」として歓迎している。

    200km/h近い全開コーナーになる可能性
    サインツJr.はまだシミュレーターで詳細な検証を行っていないものの、このコーナーが全開区間になる可能性が高いと予想している。

    「シミュレーターで確認する必要はあるが、とても印象的に見える」

    「進入速度は200km/h近くになるはずだし、おそらく全開のまま走り抜けることになると思う」

    もし予想通りとなれば、現在のF1カレンダーでも類を見ない超高速バンクコーナーとなる。

    高速コーナーでありながら長時間にわたり横Gが継続するため、ドライバーの負担だけでなくタイヤやサスペンションにも大きな影響を与える可能性がある。

    マドリンク / スペイングランプリ

    市街地と常設サーキットが融合した独特のレイアウト
    サインツJr.はマドリンク最大の特徴として、1周の中で性格が大きく変化するレイアウトを挙げた。

    「最初のセクターは長いストレートを持つ市街地コースで、バクーに似ている」

    「だが7〜8コーナーを過ぎると雰囲気が一変する。壁は遠ざかり、コーナーは広く高速になり、常設サーキットのようになる」

    「そして第3セクターでは再び市街地コースへ戻る」

    サインツJr.は、このように異なるタイプのコース特性を1周の中に併せ持つサーキットは現在のF1カレンダーでも珍しいと評価した。

    「現在のカレンダーにはない特徴だと思うし、サーキットに個性と魅力を与えている」

    タイヤ負荷とセットアップが最大の焦点
    ラ・モヌメンタルが実際にどのような影響をもたらすかは、2026年の初開催まで未知数な部分が多い。

    ただし24%という大きな勾配と長い旋回区間は、タイヤの摩耗や温度管理に大きな課題をもたらすと考えられている。

    チームはサスペンション設定や空力バランス、タイヤマネジメントを含めて、この特殊なコーナーに対応するための新たなアプローチを求められる可能性が高い。

    2026年F1の新たな名物コーナーとなるか
    マドリンクは2026年9月に初めてF1を開催する予定となっている。

    完成までにはまだ作業が残されているものの、ラ・モヌメンタルはすでにパドック内で大きな話題となっている。

    サインツJr.自身が「驚いた」と語るほど大胆な設計だけに、レースではオーバーテイクポイントとなるのか、それともタイヤ戦略を左右する難所となるのか。

    2026年シーズン後半戦における最大の注目ポイントのひとつになりそうだ。

  • カルロス・サインツJr.の大胆なF1構想「全ドライバーが全マシンに乗る」

    カルロス・サインツJr.の大胆なF1構想「全ドライバーが全マシンに乗る」

    カルロス・サインツJr.が、これまで公の場で語ったことがないという独自のF1改革案を明かした。

    ウィリアムズF1でチーム再建の中心を担うサインツJr.は、全ドライバーがシーズン中に全チームのマシンを平等にドライブするという大胆なアイデアを披露。真のドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権を両立できると持論を展開した。

    「全員が全マシンに乗る」理想のF1構想
    スペインGPの週末に『Mundo Deportivo』の独占インタビューに応じたカルロス・サインツJr.は、理想のF1について問われると、これまで語ったことのないという構想を明かした。

    「少しクレイジーなアイデアがある。たぶん、これまでメディアで話したことはないと思う」

    そう切り出したサインツJr.は、ドライバーとチームを切り離した新たな選手権の形を提案した。

    「絶対に実現しないだろうけど、僕はずっと、メーカーとドライバーを分離したF1を考えていたんだ」

    「例えば20戦あるシーズンなら、各ドライバーが全チームのマシンで2レースずつ戦う。ドライバーはチームに所属するのではなく、F1が契約する存在になる」

    「そうなれば、僕はウィリアムズで2レース、メルセデスで2レース、フェラーリで2レースという形で走ることになる」

    「全ドライバーがまったく同じ条件でタイトルを争える。そうすれば、本当の意味でのドライバーズ選手権になる」

    さらに、コンストラクターズ選手権についても独自の考えを示した。

    「ドライバーが各メーカーのために獲得したポイントを集計すれば、メーカー選手権も成立する」

    「そうすることで、ドライバーとメーカーを完全に切り離せる。本当のドライバー選手権と、本当のメーカー選手権の両方が実現するんだ」

    現代F1のエネルギーマネジメントに苦言
    2026年レギュレーションについてもサインツJr.は率直な見解を示した。

    現在のF1では電力回生とエネルギーマネジメントの重要性が大幅に高まっているが、その対応に多くの時間が費やされているという。

    「バッテリーを探し続けるスパイラルに入り込むと、本当におかしくなりそうになる」

    「だから僕はできるだけ自然に運転することにした。その上で必要な部分だけ変えるようにしている」

    シミュレーター作業でも従来との違いが顕著だ。

    「1月や2月は特にそうだった。エンジンや新レギュレーションに対する不確実性が大きかったからね」

    「今ではシミュレーターで8時間作業するとしたら、以前は8時間すべてをセットアップ作業に使っていた。でも今は6時間がセットアップ、残り2時間はエネルギーマネジメントに費やしている」

    カルロス・サインツJr. ウィリアムズ・レーシング

    「F1は正しい場所と正しいタイミング」
    12年間のF1キャリアを通じて、タイトル争いができるマシンに恵まれなかったことについても質問を受けたサインツJr.は、F1の現実を冷静に受け止めている。

    「F1を理解している人なら、それがこのスポーツだと分かっている」

    「正しい場所に、正しいタイミングでいることが重要なんだ」

    「そして残りのキャリアでは、その年に与えられたマシンでベストを尽くすしかない」

    「結局のところ、獲得できるタイトルや勝利数は、マシンが許してくれた範囲でもある」

    そのため、ドライバー評価についても独自の考えを示した。

    「ドライバーは何回チャンピオンになったか、何勝したかだけで判断されるべきではない」

    「どんなマシンを与えられ、その中で何を成し遂げたのかで評価されるべきだと思う」

    ウィリアムズでの成功を信じる
    一方で、ウィリアムズの将来については楽観的な見方を崩していない。

    チーム代表ジェームズ・ボウルズは2028年の優勝争いを目標に掲げているが、サインツJr.もそれは現実的な目標だと認めた。

    「2028年という目標は現実的だと思う」

    「ただ、今年は予想以上に苦戦しているので、数カ月から1年ほど遅れる可能性はあるかもしれない」

    それでも、より早い成功を望んでいる。

    「僕自身、あとどれくらい待てるのかを考えている」

    「できるだけ早く再び勝ちたい」

    「だからジェームズが2028年と言っていても、僕はそれより早く実現できるようチームをプッシュし続けるつもりだ」

  • カルロス・サインツJr. ウィリアムズF1の苦境に焦り「差を埋めるには不十分」

    カルロス・サインツJr. ウィリアムズF1の苦境に焦り「差を埋めるには不十分」

    カルロス・サインツJr.が、苦戦が続くウィリアムズに対してさらなる改善を求めた。2026年シーズン序盤の不振を受けて、チームの将来性に疑問を抱いているとの見方も広がっている。

    ウィリアムズは2026年の新レギュレーション時代を再出発のシーズンと位置づけていたが、FW48は開発の遅れと重量超過に苦しみ、開幕から厳しい戦いを強いられている。第7戦終了時点でコンストラクターズランキングは8位、最高成績はモナコGPでの8位にとどまっている。

    サインツ「もっとやらなければならない」
    バルセロナ・カタルーニャGP後、サインツはチームのアップデートに期待を示しながらも、それだけでは不十分だとの認識を示した。

    「何が投入されるのかは分かっているし、このチームのアップグレードは通常しっかり機能する」

    「ただ、バルセロナのようなサーキットで今ある差を埋めるのに十分かどうかは分からない」

    「僕たちは今やっている以上のことをしなければならない」

    「チームにとっては毎週、ダウンフォースを増やしたり、車重を削減したりすることが非常に重要なんだ」

    「チームが全力で取り組んでいることは理解しているし、僕たち全員が持てるものをすべて投入している」

    PlanetF1によると、複数の関係者はサインツが自身の将来について疑問を抱いていると証言しており、2024年に選択しなかったアウディへの移籍を再び検討している可能性も指摘されている。ただし、アウディはニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトが2027年まで契約を結んでおり、現時点で空席はない。

    高速コーナーで露呈するFW48の弱点
    ウィリアムズはバルセロナに新型リアウイングを投入し、ストレートモード周辺の改良によってダウンフォース向上を狙った。しかし、その効果は限定的だった。

    サインツはFW48の根本的な課題が中高速コーナーにあると説明した。

    「ミッドフィールド勢との差は、ほぼ僕たちが予想していた通りだった」

    「ただ、今回は中高速コーナーが多いサーキットに来た。そして僕たちはそういうコースで大きな問題を抱えている」

    「鈴鹿でもミッドフィールド勢から大きく離されていたし、ほぼ半周遅れだった」

    また、アップデート競争の厳しさについても次のように語った。

    「改善しても、他チームも同時に改善していることが分かる」

    「マイアミやカナダにアップデートを投入しても、それをさらに倍増させる必要がある」

    今後も厳しいサーキットが続くと警戒
    サインツは次戦オーストリアでは多少状況が改善する可能性を認めながらも、その後の高速サーキット群では再び苦戦するとの見通しを示した。

    「オーストリアは少し良くなると思う」

    「でも、それはあまり励みにならない。もしこうしたサーキットに戻るたびに同じように苦しむなら、結局はコース特性に左右されているだけだからだ」

    「シルバーストンはさらに厳しくなるだろう」

    「カナダやモナコ、オーストリアは一時的な救いに過ぎないと思う」

    「その後はシルバーストン、スパ、ハンガリーが待っている」

    「僕たちは良いコースと悪いコースがあるという事実から目を背けてはいけない」

    「バルセロナはマシン性能を測るには非常に良いサーキットだ」

    「僕たちはトップ勢から1.6〜1.9秒遅れ、ミッドフィールド最上位からも0.6〜0.7秒遅れていた」

    「そこが僕たちの目標なんだ」

    ジェームス・ボウルズ代表もFW48の開発が計画通り進んでいないことを認めており、ドリルトン・キャピタルの大型投資を受けるウィリアムズは現在も車重削減と性能向上に取り組んでいる。だがサインツの発言からは、2026年シーズンを再建の起点と位置づけていたチームに対し、結果を求める焦りが強まっていることがうかがえる。

  • ウィリアムズF1がFW48の空力開発を終了 2027年型へ開発シフト

    ウィリアムズF1がFW48の空力開発を終了 2027年型へ開発シフト

    ウィリアムズは、2026年シーズンの苦戦を受けて開発方針を見直し、すでに2027年マシンの開発へ本格的に軸足を移していることを明らかにした。

    チーム代表のジェームズ・ボウルズによると、現行FW48の空力開発は事実上完了しており、エンジニアリングリソースの大部分は次世代マシンへ振り向けられているという。

    一方で、カルロス・サインツJr.とアレクサンダー・アルボンが今季残りを戦うFW48への改良が打ち切られるわけではない。軽量化パーツの投入は引き続き行われ、シーズン終盤までパフォーマンス向上を目指す方針だ。

    期待を下回った2026年シーズン序盤
    ウィリアムズは2026年シーズン開幕前、コンストラクターズランキング5位圏内の維持と上位勢への接近を目標に掲げていた。しかし実際には期待した成果を得られず、シーズン序盤から苦戦を強いられている。

    ボウルズは現在の状況について率直に失望を認めた。

    「進歩には満足しているが、シーズン序盤の段階で僕たちは望んでいた位置にはいなかった。冬の間に後退し過ぎてしまった」

    それでも、現在のウィリアムズには問題を素早く修正する能力が備わっていると強調する。

    「嬉しいのは、ウィリアムズが変わったことを外部からも見てもらえている点だ。もし4年前と同じ状況だったら、最後尾に沈んだまま抜け出せなかっただろう」

    「しかし今は非常に速いスピードでマシン性能を改善できる。ここバルセロナでも新たな進歩があり、シーズン終了までさらに改良を続ける予定だ」

    空力開発は終了 重点は2027年マシンへ
    ボウルズによれば、FW48の軽量化プログラムに関する設計作業はすでに完了している。今後は既存パーツの交換タイミングに合わせて軽量部品を順次投入していく段階に入っているという。

    さらに空力開発も終了しており、今後投入されるアップデートは既に開発済みのものが中心となる。

    「2026年型を改善するのか、それとも2027年型へ集中するのかと言われれば、その両方だ」

    「ただし現時点では空力面に関して2027年マシンが最優先事項になっている。私のエンジニアリングチームの大部分はすでにそこへ集中している」

    「なぜなら、このFW48から余分な重量を取り除くためのエンジニアリング作業はすでに終わっているからだ」

    軽量化は“無料のラップタイム”
    ボウルズは、残された開発項目の中でも軽量化が極めて効率的なパフォーマンス向上策であると説明した。

    「今は未来に目を向けている。そして重量面の問題はシーズン終了まで大きなパフォーマンス向上をもたらしてくれる」

    「だからこそ注力する価値がある。私はこれを“無料のラップタイム”と呼んでいる」

    もちろん実際にはコストが発生するため完全に無料ではないものの、空力開発のような副作用やトレードオフが少ない点が大きな利点だという。

    「もちろん本当に無料ではない。お金はかかる。しかし言いたいことは分かるだろう」

    2027年へ向けた体制強化も進行
    ボウルズは単に新車開発へ移行するだけではなく、組織そのものの競争力向上にも取り組んでいると説明した。

    「同時に、ウィリアムズをさらに前進させなければならない」

    「そのためにはチームそのものを成長させ、将来的により優れた成果を生み出せる技術や手法を確立する必要がある」

    「だから両方を進めている。ただし今年のマシンに関するエンジニアリング作業は、製造を除けばほぼ完了している」

    2026年シーズンの巻き返しを図りながらも、ウィリアムズはすでに2027年の大規模レギュレーション変更を見据えた戦いへ踏み出している。ボウルズは短期的な結果よりも、中長期的な競争力向上を優先する姿勢を鮮明にした。今後の軽量化アップデートがどこまで効果を発揮し、2027年プロジェクトへどのようにつながるのか注目される。

  • ウィリアムズF1代表がADUO支持 レッドブル・フォード最強説は「驚きではない」

    ウィリアムズF1代表がADUO支持 レッドブル・フォード最強説は「驚きではない」

    FIAが2026年から導入したADUO(追加開発機会制度)の初回評価で、レッドブル・フォードのV6エンジンがグリッド最強と認定されたことが話題となっている。

    この結果に驚きの声も上がるなか、ウィリアムズF1代表のジェームス・ボウルズは「驚きではなかった」と語り、制度そのものについても支持を表明した。

    ボウルズ「レッドブルは開幕前から印象的だった」
    ADUOは、性能面で後れを取るパワーユニット(PU)メーカーに追加開発の機会を与えるためにFIAが導入した制度だ。

    初回評価ではレッドブル・フォードのV6エンジンが最も高い性能を持つと判断され、メルセデスに対して2%以上、フェラーリに対して4%以上の優位性があるとされた。一方、アウディとホンダの正確な差は現在も精査が続いている。

    シーズン序盤はメルセデス勢が圧倒的な強さを見せていることから、この結果を意外視する声もあった。しかし、ボウルズはそうは考えていない。

    「驚きはなかった」

    「バーレーンテストの時点で、レッドブルが最もパワフルなエンジンを持っているように見えた。彼らは僕たちにはできないようなことをやっていたからだ」

    「プレシーズンテストから本当に印象的だった。すべてのサーキットで常にというわけではないが、シーズン開幕から非常に強力だった」

    「それが1%なのか2%なのかは外から正確に判断するのは難しい」

    最強エンジンと最強PUは別問題
    ボウルズは、今回の評価結果を理解するためにはV6エンジンとPU全体を分けて考える必要があると説明する。

    ADUOが評価しているのは内燃エンジン部分のみであり、ハイブリッドシステム全体の性能を示すものではない。

    「重要なのは2つの要素があるということだ。内燃エンジンと電気システムだ」

    「ADUOが対象としているのは内燃エンジンだけだ」

    「電気系についてはメルセデスが非常に良い仕事をしていると思う。だから僕たちは他メーカーよりも長くエネルギーを展開できている可能性がある」

    今季のF1ではメルセデスが選手権をリードしているが、その背景には電動システムやエネルギーマネジメントの優位性があるとボウルズは見ている。

    レーシングブルズとの比較で見えた差
    ボウルズがレッドブル・フォードの優位性を感じた理由のひとつが、同じ中団グループで争うレーシングブルズとの比較だ。

    ウィリアムズはメルセデスPUを搭載し、レーシングブルズはレッドブル・フォード系PUを使用している。

    「データを見て最初に驚いたのは、レッドブル陣営のほうがメルセデスよりも電力カットが少なかったことだ」

    「それがヒントになった。優位性は電気系ではなく内燃エンジン側から来ているのだと思った」

    「僕はVCARB(レーシングブルズ)と戦っている立場だが、その部分で少し差があると感じている」

    現在のF1ではバッテリーエネルギーを使い切った後の出力低下が大きな影響を与えるため、内燃エンジン性能の差はストレートスピードやレースペースにも直結する。

    ボウルズはADUO制度を高く評価
    今後はメルセデス、フェラーリ、ホンダ、アウディが追加開発によって性能差を縮められる可能性がある。

    もっとも、開発から実戦投入までには時間がかかり、さらに年間4基に制限されるV6エンジンの運用ルールもあるため、即効性は期待できない。

    それでもボウルズは制度の存在自体を歓迎している。

    「メルセデスHPPがシーズン後半に性能向上を実現できれば、大きな違いになるだろう」

    「フェラーリやホンダにとっても、この制度は選手権のために良いものだと思う」

    「本当にチャンピオンシップを戦わせたいのであれば、すべてのメーカーに戦うチャンスを与えるべきだ」

    「ホンダも復帰に向けて非常に大きな投資をしている」

    「現状では完全に理にかなっていると思うし、正しい考え方だ。知的にも合理的なアプローチだと思う」

    ADUOが示した2026年PU勢力図
    今回のボウルズの発言は、レッドブル・フォードがV6エンジン単体で優位に立ちながらも、メルセデスが電動システムやエネルギーマネジメントで強みを発揮しているという現在の勢力図を裏付けるものとなった。

    FIAによる追加検証が進められているものの、少なくともボウルズはプレシーズンからのデータを踏まえ、レッドブル・フォードが基準値と評価されたことに違和感は抱いていない。

    そして何より、各メーカーが開発によって差を縮められるADUO制度こそが、将来的により接戦のチャンピオンシップを実現するための重要な仕組みだと考えている。

  • ウィリアムズF1に罰金1万ユーロ アルボンとサインツJr.で手順違反

    ウィリアムズF1に罰金1万ユーロ アルボンとサインツJr.で手順違反

    ウィリアムズは2026年F1バルセロナ・カタルーニャGP後、アレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツJr.の2台がFIAの調査対象となり、それぞれスタート手順違反が認定された。チームには合計1万ユーロ(約170万円)の罰金が科される結果となった。

    レースでは苦戦が続き、アルボンは車載カメラのトラブルによって大きく周回遅れとなり、サインツJr.も母国レースで入賞に届かなかった。競技面だけでなく運営面でも課題が露呈した週末となった。

    グリッド上の手順違反で2件のペナルティ
    FIAスチュワードは決勝前のグリッド上で、ウィリアムズがF1競技規則の第B5.5.5条に違反したと判断した。

    同条項では、15秒シグナルが表示されるまでに、すべてのチームスタッフと機材をグリッドから撤去しなければならないと定められている。

    調査の結果、アルボン車とサインツJr.車の周辺に機材が残されていたことが確認され、それぞれ5000ユーロの罰金が科された。

    アルボンのケースではタイヤブランケット関連のケーブルが完全に取り外されていなかった。

    スチュワード文書では、「チームはフォーメーションラップ開始前に部品の撤去を試みたものの成功せず、車両はケーブルがぶら下がった状態で発進した。結果としてチームは15秒シグナル後にすべての機材を撤去していなかった」と説明された。

    一方のサインツJr.については、「チームはグリッド脇の芝生エリアに黒いプラスチック製ボックスを残しており、15秒シグナル後も機材を完全に撤去していなかった」と認定された。

    アルボンはカメラトラブルで大きく後退
    アルボンにはレース中にも不運が襲った。

    マシンに搭載されていたFOM(フォーミュラワン・マネジメント)提供のTトップカメラが緩み、安全上の理由から臨時ピットインを余儀なくされた。

    フジテレビF1中継で解説を務める白幡勝広氏によると、レース後にF1 TVのオンボード映像を確認した結果、アルボン車では8周目からカメラの揺れが確認できたという。

    しかし30周目の通常ピットストップ時には特別な対応は行われず、その後35周目に「クリティカルメッセージ」が発せられたことでカメラ固定作業のため再度ピットインすることになった。

    白幡氏は「なぜ30周目の時点でメッセージが出なかったのか」と疑問を呈している。

    また、Tトップカメラはチームスタッフが管理する装置ではなく、FOMの担当者がトルクレンチを使用して固定する仕組みであることも明らかにしている。

    このトラブルによってアルボンは大きく周回遅れとなり、事実上レースを失うことになった。

    サインツJr.も母国レースで苦戦
    サインツJr.も厳しい週末から抜け出すことはできなかった。

    決勝では上位争いに加わることができず、優勝したルイス・ハミルトンから2周遅れとなる12位でフィニッシュ。完走扱いとなった14台中12位という結果に終わった。

    母国スペインでのレースに大きな期待が寄せられていたウィリアムズだったが、競争力不足に加えてグリッド上での違反やカメラトラブルにも見舞われ、後味の悪いバルセロナ・カタルーニャGPとなった。

    【関連】
    ・F1バルセロナ・カタルーニャGP 決勝 結果・タイムシート

  • ルーク・ブラウニング F1バルセロナGPで走行ならず「故障したコネクターが原因」

    ルーク・ブラウニング F1バルセロナGPで走行ならず「故障したコネクターが原因」

    ウィリアムズのリザーブドライバーであるルーク・ブラウニングが、バルセロナ・カタルーニャGPのフリー走行1回目(FP1)で走行できなかった原因について説明した。

    ブラウニングはカルロス・サインツJr.に代わってFP1に出走する予定だったが、FW48に発生した電気系統のトラブルにより、一度もコースインできないままセッションを終えた。

    ブラウニングはセッション後、「電気系統の問題だったと思う。残念ながらセッション中には解決できなかったが、今は原因が分かっている。故障したコネクターだったようだ」と説明した。

    「こういうことはモータースポーツでは起こるものだ。それでも走行の機会を与えてもらえたことは幸運だったし、1週間ほどでレッドブル・リンクでも再びマシンに乗る予定だ」

    走れなくても得られた学び
    ブラウニングは走行機会を失ったものの、週末を通じてチームに貢献しながら学び続けることができると語った。

    「もちろんだ。今日走れなかったとしても、それまでに行った準備そのものが将来に向けて素晴らしい経験になる」

    「自分が行った準備が実際にカルロスによってどう活用されるのかを隣で見られた。彼がどこで強みを発揮し、どこで苦戦したのかを理解することができたのは非常に興味深かった」

    「だから今日のセッションでも多くを学べたし、この週末を通じてさらに学び続けられると思う」

    F1への準備は整っている
    近年のTPCテストやFP1出走経験を通じて、自身がF1参戦へ向けて大きく成長したとブラウニングは感じている。

    「このチームで本当に大きく成長したと思う。最初のFP1は2024年、FIA F3のシーズン直後だった。その時はまるで子供のように興奮していて、ただただ嬉しかったのを覚えている」

    「でも今は完全に準備ができていると感じている。F1に進むのが自然なステップに思えるし、逆にF1より遅いマシンに乗ると少し不自然に感じるほどだ」

    「リザーブドライバーとしてこの立場にいられることは素晴らしいことだし、もし必要とされる時が来れば準備はできている」

    オーストリアへ向けた多忙な日程
    ブラウニングは今後数週間にわたり、ウィリアムズのテストプログラムとスーパーフォーミュラの活動を並行してこなす予定だ。

    「来週はCOTAで2025年型マシンを使ったTPCテストを行う。その翌週はレッドブル・リンクへ向かい、その次の週には富士へ行ってスーパーフォーミュラのテストを行う予定だ」

    「シーズン序盤から多くの移動をこなしてきたので忙しい数週間になるが、今回の出来事はほんの小さなつまずきに過ぎない」

    「来週、そしてその次の週に再びマシンへ乗るのが本当に楽しみだ」

    【関連】
    ・F1バルセロナ・カタルーニャGP フリー走行1回目 結果・タイムシート

  • アルボン ウィリアムズF1最多出走記録を更新 マンセル仕様ヘルメット着用

    アルボン ウィリアムズF1最多出走記録を更新 マンセル仕様ヘルメット着用

    アレクサンダー・アルボンは、今週末のF1バルセロナ・カタルーニャGPでウィリアムズでの出走数が96戦に到達し、ナイジェル・マンセルが持っていたチーム最多出走記録を更新する。

    その節目を記念し、アルボンはマンセルの1992年F1ワールドチャンピオン獲得時のヘルメットをモチーフにした特別仕様のヘルメットを着用。ウィリアムズの歴史に新たな1ページを刻む週末となる。

    マンセルの記録を更新へ
    アルボンは2022年にウィリアムズへ加入して以来、チーム再建の中心的存在として活躍してきた。

    2026年モナコGPでマンセルと並ぶ通算95戦目を記録し、今週末のスペインGP決勝では96戦目を迎えて単独トップに立つ。

    これまでウィリアムズで複数回の5位入賞を記録しており、チームがグリッド後方から中団上位争いへと復活する過程で大きな役割を果たしてきた。

    1992年王者マンセルへのオマージュ
    今回使用される特別ヘルメットは、マンセルが1992年にワールドチャンピオンを獲得した際の象徴的なデザインを現代風に再現したものだ。

    アルボンは今回の記録について次のように語った。

    「この歴史あるチームで、スポーツ界の真の偉人のひとりよりも多くレースを戦ったと考えるのは信じられない気持ちだ」

    「ナイジェル・マンセルは子どもの頃から憧れの存在だった。真のファイターであり、ウィリアムズにとってもF1全体にとってもレジェンドだ。この達成は単なる数字以上の意味がある」

    「この5シーズンのすべてのグランプリには、グローブのチーム全員の努力が詰まっている。良い時も悪い時も、すべてのレースがウィリアムズの歩みに貢献してきた」

    「ナイジェルやデイモン・ヒル、ラルフ・シューマッハのような伝説的ドライバーたちと名前を並べられることは本当に光栄だ」

    ボウルズ代表も称賛
    ウィリアムズ代表のジェームス・ボウルズは、アルボンの功績を高く評価した。

    「このような記録は偶然に生まれるものではない。長年にわたる努力と信頼、そして双方の信念の結果だ」

    「私はアレックスと、彼がこのチームで成し遂げてきたすべてを非常に誇りに思っている。彼はウィリアムズの歴史に名を刻むにふさわしい存在だ」

    マンセルからの祝福
    記録を明け渡すことになるマンセルも、アルボンへ祝福のメッセージを送った。

    「アレックスがこの節目に到達するのを見られて本当にうれしい。これは特別な達成であり、彼にふさわしいものだ」

    「この5シーズンで彼がウィリアムズに示してきた献身は、ドライバーとしても人としても素晴らしいものだ」

    「そしてアレックスだけではない。チーム全体が正しい方向へ進んでいる。彼がこれからもウィリアムズで数多くのレースを戦うことに疑いはない」

    「僕の勝利記録についても、何が起こるか分からない」

    アレクサンダー・アルボンとナイジェル・マンセル(ウィリアムズ・レーシング)

    ウィリアムズ最多出走ランキング
    1.アレクサンダー・アルボン:95戦(継続中)
    2.ナイジェル・マンセル:95戦
    3.ラルフ・シューマッハ:94戦
    4.リカルド・パトレーゼ:81戦
    5.フェリペ・マッサ:78戦
    6.バルテリ・ボッタス:77戦
    7.ニコ・ロズベルグ:70戦
    8.ファン・パブロ・モントーヤ:68戦
    9.デイモン・ヒル:65戦
    10.ケケ・ロズベルグ:62戦

    アルボンは夏休み前最後のレースとなるハンガリーGPで、ウィリアムズでの通算100戦出走にも到達する見込みだ。F1史上でも単一チームで100戦以上を記録したドライバーは30人未満しか存在していない。

  • ウィリアムズF1 ルーク・ブラウニングをバルセロナとオーストリアのFP1に起用

    ウィリアムズF1 ルーク・ブラウニングをバルセロナとオーストリアのFP1に起用

    ウィリアムズF1チームは、リザーブドライバー兼アカデミーメンバーのルーク・ブラウニングが、バルセロナ・カタルーニャGPとオーストリアGPのフリー走行1に出走すると発表した。

    ブラウニングはバルセロナでアレックス・アルボンのFW48を、オーストリアではカルロス・サインツJr.のFW48をドライブする。今回の2回のFP1出走は、チームに義務づけられているルーキー走行枠のうち2回分を満たすものとなる。

    FW48初走行で新世代マシンを経験
    ブラウニングはすでにウィリアムズのマシンで相当な走行距離を重ねており、今回の出走は同チームでの4回目と5回目のFP1参加となる。

    今回のFP1は、ブラウニングにとって新しいテクニカルレギュレーション下のマシンを初めてドライブする機会となる。FW48の特性を直接理解し、チームがシーズン後半に向けてパッケージを改善していくうえでも重要な走行になる。

    「FW48のステアリングを初めて握るのが待ちきれないし、ヨーロッパシーズンでこのクルマを直接経験する機会が2回あることは、さらに特別なことだ」とルーク・ブラウニングはコメント。

    「このセッションを最大限に活かし、今後のレースウィークエンドに向けたチームの計画と準備を助けられるよう、懸命に準備してきた」

    「継続的な信頼とサポートをしてくれているアトラシアン・ウィリアムズF1チームの全員に心から感謝しているし、コースに出るのが待ちきれない」

    ルーク・ブラウニング(ウィリアムズ・レーシング)

    F2とスーパーフォーミュラを経てリザーブに昇格
    ブラウニングは2024年FIA F3選手権でランキング3位、2025年FIA F2選手権でランキング4位を獲得した後、2026年にウィリアムズのリザーブドライバーへ昇格した。

    リザーブドライバーとしては、シミュレーターでのデータ提供や分析を通じてFW48の開発に貢献し、年間を通じて多くのグランプリに帯同している。

    今季は日本のトップカテゴリーであるスーパーフォーミュラにもKONDO RACINGから参戦しており、現在ランキング8位につけている。

    若手育成を継続するウィリアムズ
    ウィリアムズは、若手にF1への道筋を与える伝統の一環として、ブラウニングに今回の機会を与える。ドライバーアカデミーは、モータースポーツの各段階にいる若手を支援し、トップカテゴリーを目指す過程を後押ししている。

    「ルークはシミュレーター作業と実戦でのパフォーマンスの両面で、チームにとって価値ある存在であることを証明し続けている」とスポーティングディレクターのスヴェン・スメーツはコメント。

    「2つのレースウィークエンドでFW48のステアリングを握る最初の機会を与えることは、彼の成長にとって重要なステップであり、自然な流れだ」

    「ウィリアムズF1チーム・ドライバーアカデミーには才能ある若手ドライバーが揃っており、彼らの進歩と成長を支えるこうした機会を提供し続けられることをうれしく思う」

  • ウィリアムズF1の名車FW25が復活 ボスGP参戦でV10サウンド再び

    ウィリアムズF1の名車FW25が復活 ボスGP参戦でV10サウンド再び

    ウィリアムズは、ヘリテージ部門を通じて歴史的なシングルシーター選手権「ボスGP」への参戦を発表した。投入されるのは2003年型のFW25で、20年以上の時を経て再びレースの舞台に戻ることになる。

    マシンをドライブするのはFW25のオーナーであるフィル・ストラットフォード。6月12日のニュルブルクリンク戦を皮切りに、マニクール、レッドブル・リンク、ムジェロの計4戦への参戦が予定されている。ウィリアムズにとってはボスGPへの初挑戦となる。

    2003年の名車FW25が現代によみがえる
    FW25はBMW製3.0リッターV10エンジンを搭載したマシンで、2003年シーズンにラルフ・シューマッハとファン・パブロ・モントーヤがドライブした。

    このシーズン、ウィリアムズは現在に至るまで最後となっているワン・ツーフィニッシュを達成しており、FW25は同チームの歴史を語る上で欠かせない1台として知られている。

    今回レース復帰するFW25は、当時このマシンの開発やレース運営に携わったメンバーを中心とするウィリアムズ・ヘリテージによって大規模なレストアが施された。

    50周年を前に歴史を次世代へ継承
    ウィリアムズ・ヘリテージのディレクターを務めるジョナサン・ケナードは、今回の参戦が単なるヒストリックカーイベントではなく、チームの伝統を未来へつなぐ重要な取り組みだと説明した。

    「ウィリアムズ・ヘリテージでは、我々の歴史が今も目的意識を形作り続けている。それはグリッド最前線への復帰を目指すウィリアムズ全体の挑戦を支えるものでもある」とケナードは語った。

    「来年のチーム創設50周年を前に、初めて歴史的レース選手権へ参戦することは、そのレガシーを新たなファン層へ届ける意味のある機会だ」

    「フィルがこの素晴らしいマシンを最高の状態へ復活させるために協力できたことを誇りに思う。そして、あの忘れがたい1万9000rpmのV10サウンドが再びニュルブルクリンクを駆け抜ける瞬間を楽しみにしている」

    オーナーの夢だったFW25でのレース参戦
    FW25のオーナーであるフィル・ストラットフォードにとっても、実際にこのマシンでレースへ出場することは長年の夢だったという。

    「FW25を所有し、レースで走らせることは人生を通じた夢だった」とストラットフォードは語った。

    「このクルマを誰よりも知るウィリアムズ・ヘリテージのエンジニアや技術者たちの全面的なサポートを受けながら実現できることは特別なことだ」

    「さらにラルフとファン・パブロが歴史を刻んだマニクールのようなサーキットで再び競争できるのは本当に素晴らしい。ニュルブルクリンクでの開幕戦が待ちきれない」

    単なるデモ走行ではない本格参戦の意義
    近年、多くのF1チームがヘリテージプログラムを拡充しているが、今回の取り組みは展示走行ではなく実際のレース参戦である点が特徴だ。

    来年に創設50周年を迎えるウィリアムズにとって、FW25の復活は栄光の歴史を振り返るだけでなく、チームブランドの価値を次世代へ伝える象徴的なプロジェクトとなる。2000年代初頭のF1を彩ったV10マシンが再びレースを戦う姿は、多くのファンにとって特別な光景となりそうだ。